JPH09158133A - 表示盤の清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速道路等の表示器の清掃を車線を規制する
ことなく自動的に行えるようにする。 【解決手段】 制御部３のタイマセット手段１８の清掃
時間をセットしておくと、制御部３の制御指令に従っ
て、表示盤２の枠体に沿って移動する移動体１１の移動
に基づいて清掃部材１２に設けた従動ギア１２ｃを介し
て清掃刷子１２ｂを回転させて清掃できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、道路情報等の各種
情報の表示をするための表示盤の清掃装置の技術分野に
属するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この様な表示盤のなかには、道
路等の屋外やトンネルや地下街等に設置されるものがあ
り、この場合、高所に設置して交通の障害にならず、か
つ広く認識できるようにするのが一般である。ところが
この様な表示盤は、排気ガスの多い外気に常に曝されて
いるため、表示盤の表面に塵埃等が付着し易く、これを
放置しておくと表示データが表示画面に鮮明に表示され
なくなって、データを正確に提供するという表示器の役
割に支障が生じる惧れがある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そして汚れた表示盤を
きれいにするには、高所作業機械を用いての作業が強い
られるが、該高所作業をするには車線を規制して行う等
の必要があって交通渋滞を招来する要因となるうえ、作
業員の嫌う高所作業での清掃作業が強いられることにな
るという問題が有り、ここに解決すべき課題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作
されたものであって、表示盤の表面を清掃するための清
掃装置は、表示盤の枠体に沿って移動する移動体と、該
移動体を移動させるための駆動源となる駆動手段と、移
動体に設けられ、移動体の移動に基づいて表示盤の表面
を清掃する清掃部材とを備えて構成されたものである。
そしてこのようにすることにより、人手をかけての高所
作業をする必要がなくなって、該高所作業のために車線
を規制して交通渋滞を招来することを回避できる。この
ものにおいて、清掃部材は移動体に回転自在に軸支され
るものとし、かつ移動体と表示盤枠体とのあいだには、
移動体の移動に基づいて清掃部材を回転させるための回
転手段が設けられたものでもあり、これによって、清掃
部材を回転させるための手段が別途必要になることを回
避して構造の簡略化が計れる。また、清掃部材の回転手
段は、表示盤枠体および移動体に設けられるラック−ピ
ニオン機構と、清掃部材を移動体の移動方向とは逆方向
に回転させるための逆転用ギアとを備えたものでもあ
り、これによって、より確実な清掃ができる。さらに、
このものの駆動手段は、移動体を往復移動させるべく制
御する制御手段からの制御指令で駆動するようにしたも
のであり、これによって、自動制御ができることにな
る。

【０００５】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つ
を図面に基づいて説明する。図面において、１は高速道
路に設けられる表示器であって、該表示器１は、例えば
表示ランプ（各種電球、発光ダイオード等を採用でき
る）をマトリクス状に配列して形成される表示盤２に、
制御部３から出力される制御指令に基づき文字、記号、
図形等の適宜表示データを表示するものであるが、これ
らの詳細については本発明と直接関係がないので省略す
るものの、その基本的な構成は既存技術のものが採用さ
れている。

【０００６】４は前記表示盤２の表面を清掃するための
清掃装置であって、該清掃装置４は、前記表示盤２の四
周を囲繞する枠体のうちの上枠２ａの上面には上側ガイ
ドレール５が設けられた上側固定ブラケット５ａが一体
に取り付けられ、下枠２ｂの下面には下側ガイドレール
６が設けられた下側固定ブラケット６ａが一体に取り付
けられている。そして上側固定ブラケット５ａの左右い
ずれか一側には電動モータ７が取り付けられ、そのモー
タ軸７ａには駆動スプロケット８が止着されている。ま
た上側固定ブラケット５ａの他側には従動スプロケット
９が支軸９ａを介して自由回動自在に軸支されており、
該駆動−従動スプロケット８、９間に伝動チェン１０が
懸回されているが、該伝動チェン１０の下側部は上側ガ
イドレール５に形成されるガイド孔５ｂを貫通するよう
にして配されている。

【０００７】１１は清掃部材１２が設けられる移動体で
あって、該移動体１１は、表示盤２の表面に対向する状
態で上下方向に長い左右一対の支柱１３と、該支柱１３
の上下両端部に固着される上下の可動ブラケット１４、
１５とを用いて構成されるが、上側可動ブラケット１４
には上側ガイドレール５を摺動するスライド部材１４ａ
が取り付けられ、下側可動ブラケット１５には下側ガイ
ドレール６を転動する転動ローラ１５ａが取り付けられ
ている。さらに上側可動ブラケット１４には、前記伝動
チェン１０の両端部が連結されるチェン連結部材１０ａ
が設けられている。そして後述するように電動モータ７
の正逆駆動に基づく伝動チェン１０の移動で移動体１１
が左右に移動するようになっている。

【０００８】１２ａは前記上下の可動ブラケット１４、
１５に回動自在に軸支される刷子軸であって、該刷子軸
１２ａには、表示盤２の表面を清掃するための清掃刷子
１２ｂが植設されている。刷子軸１２ａの上端部には逆
転用の従動ギア１２ｃが一体に設けられているが、該従
動ギア１２ｃは上側可動ブラケット１４に回動自在に軸
承したピニオンギア１６に噛合しているが、該ピニオン
ギア１６は、前記上側固定ブラケット５ａに一体に設け
たラック１７に噛合している。そして前述したように移
動体１１がモータ駆動に基づいて移動することにより、
刷子軸１２ａはその移動方向とは逆方向に回転する構成
になっている。

【０００９】次に、電動モータ７の前記制御部３による
駆動制御について説明する。つまり、制御部３はマイク
ロコンピュータユニット（ＣＰＵ）を用いて構成される
が、該制御部３には、タイマセット手段１８、移動体１
１の移動始端位置の検知をする第一リミットスイッチ１
９、移動体１１の反転位置の検知をする第二リミットス
イッチ２０、手動駆動用スイッチ２１、手動停止用スイ
ッチ２２から信号が入力すべく接続される一方、これら
入力信号に基づく判断によって前記電動モータ７に作動
信号を出力するようになっている。

【００１０】そして次に、制御部３の制御手順を図６に
示すフローチャートに基づいて説明する。制御部３は、
図示しないメインスイッチのＯＮ操作によって電源投入
がなされると、システムスタートをし初期設定がなされ
るが、制御部３には書き直し可能なメモリ手段および時
計が内蔵され、メモリ手段にはタイマセット手段１８に
よってセットされたタイマ時間がメモリされるようにな
っている。そして前記初期設定されると、後述する手動
駆動用スイッチ２１がＯＮ操作されたかの判断と現在時
間がタイマセットされた時間であるかの判断がなされ、
現在時間がタイマセット時間であると判断されると電動
モータ７に対して正転駆動の制御指令が出力され、これ
に基づいて電動モータ７が正転駆動することで前記清掃
刷子１２ｂによる往路の清掃作動が行われる。この電動
モータ７の正転駆動は、手動停止用スイッチ２２からの
ＯＮ操作信号が入力するか、移動体１１の折り返し位置
を検知する第二リミットスイッチ２０からの検知信号が
入力するまで続行される。そして前者の手動停止用スイ
ッチ２２からのＯＮ信号の入力があった場合には、さら
に手動駆動用スイッチ２１のＯＮ操作がなされるか再度
タイマセット時間になる以外は、これ以上のモータ駆動
がなされないが、第二リミットスイッチ２０の検知信号
の入力があった場合には、モータ停止をし、しかるべき
遅延時間経過後（リミットスイッチの検知から例えば数
秒経過後）、電動モータ７に対して逆転駆動信号が出力
され、これによって、復路の清掃作動がなされ、該復路
の清掃作動は、第一リミットスイッチ１９の検知信号が
入力するか、前記手動停止用スイッチ２２の押し操作信
号が入力するまでなされる設定になっている。

【００１１】一方、前述した手動駆動用スイッチ２１が
押し操作されたと判断された場合、第一リミットスイッ
チ１９がＯＦＦ状態で、第二リミットスイッチ２０がＯ
Ｎ状態であるか、つまり移動体１１が始動位置に位置す
るかそれ以外の中途位置に位置するかの判断がなされ、
始動位置に位置すると判断された場合には、前記現在時
間がタイマセット時間になったと判断された場合と同様
の作動制御がなされ、中途位置に位置すると判断された
場合には、電動モータ７を逆転駆動して始動位置（終点
位置）まで移動制御して停止するように設定されてい
る。

【００１２】叙述の如く構成されたものにおいて、タイ
マセット手段１８で希望の清掃時間をセットしておけ
ば、そのセット時間になることに基づく前記制御部３か
らの制御指令によって電動モータ７が駆動し、表示盤２
の清掃が自動的になされる。この結果、従来のように、
わざわざ作業員が高所作業機械に乗って高所作業をする
必要がなく、また、交通の激しい道路で高所清掃作業を
行うために車線を規制して交通渋滞を招来するようなこ
とも回避される。

【００１３】そのうえこのものでは、モータ駆動に伴う
移動体１１に基づいて刷子軸１２ａが移動方向とは逆回
りするから、効率の良い清掃ができると共に、刷子軸１
２ａを回転させるための回転手段を別途必要とすること
がなく、清掃装置４の構造の簡略化を計ることができ
る。一方、汚れが激しいため随時的に清掃したい場合に
は、手動駆動用スイッチ２１をＯＮ操作すればよく、こ
れによって自動的な清掃ができ、表示盤２の汚れの頻度
に対応した清掃を行うことができる。一方、前記清掃作
動時に緊急的に移動体１１の移動を停止したい場合、手
動停止用スイッチ２２をＯＮ操作することで電動モータ
７は途中位置において緊急停止をする。そしてこの移動
体１１が途中位置に停止している状態で前記手動駆動用
スイッチ２１をＯＮ操作すると、電動モータ７は逆駆動
して移動体１１を始動位置に位置せしめることになる。

【００１４】尚、本発明は前記実施の形態に限定されな
いものであって、移動体は一度の清掃作動において往復
移動させることなく、片道移動であってもよく、また複
数度の往復移動をするようにしてもよい。さらに電動モ
ータの駆動制御のシステムとしては、マイクロコンピュ
ータを用いたソフト的なものではなくリレースイッチ等
の部品を用いたハード的なものでも実施することができ
る。さらには、移動体の移動方向を、左右方向ではなく
上下方向にすることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】表示器の正面図である。

【図２】清掃装置の正面図である。

【図３】清掃装置の側面図である。

【図４】清掃装置の平面図である。

【図５】制御部のブロック図である。

【図６】制御部の制御手順を示すフローチャート図であ
る。

【符号の説明】

４ 清掃装置 ５ 上側ガイドレール ５ａ 上側固定ブラケット ６ 下側ガイドレール ６ａ 下側固定ブラケット ７ 電動モータ ８ 駆動スプロケット ９ 従動スプロケット １０ 伝動チェン １１ 移動体 １２ 清掃部材 １２ａ 刷子軸 １２ｂ 清掃刷子 １２ｃ 逆転用従動ギア １３ 支柱 １４ 上側可動ブラケット １５ 下側可動ブラケット １６ ピニオンギア １７ ラック １８ タイマセット手段 １９ 第一リミットスイッチ ２０ 第二リミットスイッチ ２１ 手動駆動用スイッチ ２２ 手動停止用スイッチ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表示盤の表面を清掃するための清掃装置
   であって、該清掃装置は、表示盤の枠体に沿って移動す
   る移動体と、該移動体を移動させるための駆動源となる
   駆動手段と、移動体に設けられ、移動体の移動に基づい
   て表示盤の表面を清掃する清掃部材とを備えて構成され
   ている表示盤の清掃装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、清掃部材は移動体に
   回転自在に軸支されるものとし、かつ移動体と表示盤枠
   体とのあいだには、移動体の移動に基づいて清掃部材を
   回転させるための回転手段が設けられている表示盤の清
   掃装置。
3. 【請求項３】 請求項２において、回転手段は、表示盤
   枠体および移動体に設けられるラック−ピニオン機構
   と、清掃部材を移動体の移動方向とは逆方向に回転させ
   るための逆転用ギアとを備えて構成される表示盤の清掃
   装置。
4. 【請求項４】 請求項１、２または３において、駆動手
   段は、移動体を往復移動させるべく制御する制御手段か
   らの制御指令で駆動する表示盤の清掃装置。