JPH09158058A - ポリエステル原着用液状着色剤 - Google Patents

ポリエステル原着用液状着色剤

Info

Publication number
JPH09158058A
JPH09158058A JP7344705A JP34470595A JPH09158058A JP H09158058 A JPH09158058 A JP H09158058A JP 7344705 A JP7344705 A JP 7344705A JP 34470595 A JP34470595 A JP 34470595A JP H09158058 A JPH09158058 A JP H09158058A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
liquid
colorant
component
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7344705A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Watanabe
昇 綿奈部
Koji Yoshida
広治 吉田
Yoshito Koike
義人 小池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Ester Co Ltd filed Critical Nippon Ester Co Ltd
Priority to JP7344705A priority Critical patent/JPH09158058A/ja
Publication of JPH09158058A publication Critical patent/JPH09158058A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル成形物の製造時に優れた安定性
を持ち、ポリエステル成形物の物性低下が少なく、かつ
その使用が容易なポリエステル原着用着色剤を提供す
る。 【解決手段】 (A)顔料及び/又は染料100重量
部、(B)40℃で液状である分散媒体150〜2,0
00重量部及び(C)ビスオキサゾリン化合物50〜3
00重量部を含むポリエステル原着用液状着色剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルに顔
料又は染料を混入して着色する、即ち、原着するための
液状着色剤、該着色剤を含む原着ポリエステル成形物及
び該成形物の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
る芳香族ポリエステルは耐熱性及び耐候性に優れている
ため、繊維、フィルム、プラスチック等に広く使用され
ている。しかしながら、ポリエステルは染色性が悪いと
いう重大な欠点がある。これを改善する方法として、ポ
リエステルモノマー又はポリマーに顔料及び/又は染料
を混合、分散させる方法、すなわち原着による方法があ
り、従来から種々検討されている。
【0003】ポリエステルの重縮合反応の際、反応系に
顔料を添加することが知られている。しかし、重合反応
温度が高いために、耐熱性の良い顔料、例えば二酸化チ
タン、カーボンブラック等の無機顔料しか使用し得な
い。また、いわゆるマスターバッチ法は顔料を高濃度で
ポリエステルポリマー中に分散させるため、分散性に問
題があるばかりでなく工程が煩雑であり、しかもマスタ
ーチップを得る工程及び他のチップと混合する工程での
高熱下の混練等により、ポリマーが劣化するという欠点
を有している。
【0004】合成繊維の原着用着色剤としては、エチレ
ングリコール等の分散媒にアミノアルコール等の分散助
剤を用いて顔料を分散させたものが知られているが、満
足できるものではなく、また、実用上の問題も解決され
ていない。
【0005】一方、特開昭58‐149311号公報に
は、一塩基若しくは多塩基有機酸を酸成分とし、一価も
しくは多価アルコールをアルコール成分とするエステル
中に顔料を分散させた着色剤が記載されている。特開昭
60‐45689号公報には液状ポリエステルに顔料を
添加したポリエステル繊維原着用液状着色剤が記載され
ており、特開昭60‐45690号公報にはアジピン
酸、エチレングリコール及び2‐エチルヘキシルアルコ
ールを原料とした酸価1.0mgKOH/g、粘度10d
Pa・sの液状ポリエステルに顔料を添加した着色剤が
記載されている。また、特開平1‐118678号公報
には、所定の分子量及び粘度を有し、かつ水酸基価が2
5mgKOH/g以下である分散媒を用いた耐熱性に優れ
た着色剤が開示されている。
【0006】しかし、これらにおいても、ポリエステ
ル、殊にポリエチレンテレフタレートに代表される芳香
族ポリエステルに着色剤を混合、分散させた場合、ポリ
エステルの熱的安定性が低下し、溶融成形時の熱で製造
トラブルや変着色を惹起するという問題は依然として解
決されていない。上記の特開昭60‐45689号公報
に記載された、アジピン酸とエチレングリコール等とを
反応させた液状の脂肪族ポリエステルを分散媒とする着
色剤を使用した場合には、芳香族ポリエステルの分解が
生じ、得られた繊維の強伸度等の糸質性能も低下する。
また、2−エチルヘキシルアルコールを原料の一部に使
用したもの(特開昭60‐45690号)は分散媒体の
耐熱性について満足し得るものではなく、ポリエステル
の成形時に分解ガスの発生や、着色ムラ、物性低下が起
こる等の問題点がある。
【0007】これらの欠陥がなく、成形物の製造時にお
いて、分散媒体の熱安定性に優れ、使用が容易な、ポリ
エステル繊維、ポリエステルフィルム等のポリエステル
成形物の原着用の液状着色剤が特開昭63‐11707
1号及び特開昭63‐119407号公報に提案され
た。しかしながら、これらの液状着色剤においても、ポ
リエステル成形物の物性(例えば、強力、色調等)の低
下を防止することは難しいという欠点が依然存在してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の全て
の欠点を改良し、ポリエステル成形物の製造時に優れた
安定性を持ち、ポリエステル成形物の物性を低下させる
ことがなく、かつその使用が容易である新規なポリエス
テル原着用液状着色剤を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)顔料及
び/又は染料 100重量部、(B)40℃で液状であ
る分散媒体 150〜2,000重量部及び(C)ビス
オキサゾリン化合物 50〜300重量部を含むポリエ
ステル原着用液状着色剤である。
【0010】好ましい態様として、(2)上記成分
(B)が、液状ポリエステルである上記(1)記載の着
色剤、(3)上記成分(C)がポリエステルに対し0.
1〜4重量%含まれるように、上記(1)又は(2)記
載の着色剤を配合して成る原着ポリエステル成形物、
(4)ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレート樹
脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、又は繰返し単位
の70モル%以上がエチレンテレフタレート単位及び/
又はブチレンテレフタレート単位で構成される共重合ポ
リエステル樹脂である上記(3)記載の成形物、(5)
ポリエステルを溶融した後、上記(1)又は(2)記載
の着色剤を該ポリエステル中に混練し、次いで成形する
上記(3)又は(4)記載の成形物の製造法を挙げるこ
とができる。
【0011】本発明において、ビスオキサゾリン化合物
は、液状分散媒体の末端基、好ましくは液状ポリエステ
ル分散媒体の‐COOH末端基と反応し、また、ポリエ
ステル樹脂の‐COOH末端基とも反応して該樹脂ポリ
マーの鎖伸長剤として作用して、溶融成形時に生じるポ
リエステル樹脂の分解を部分的に相殺すると考えられ
る。
【0012】
【発明の実施の態様】本発明において、成分(C)ビス
オキサゾリン化合物は、成分(A)顔料及び染料100
重量部に対し、下限が50重量部、好ましくは100重
量部であり、上限が300重量部、好ましくは250重
量部である。上記上限を超えると、着色剤の粘度が高く
なり取り扱いが困難となる。上記下限未満では、成分
(B)液状分散媒体の末端基との反応が不十分になると
共に、(B)液状分散媒体の比率が増加して、下記所定
量の成分(C)をポリエステル中に添加しようとすれ
ば、ポリエステル中への液状分散媒体の添加量が増加
し、例えば繊維では紡糸性が低下し、かつ均一な糸質の
ものが得難くなる。
【0013】上記の成分(C)ビスオキサゾリン化合物
としては、例えば2,2’‐メチレンビス(2‐オキサ
ゾリン)、2,2’‐エチレンビス(2‐オキサゾリ
ン)、2,2’‐エチレンビス(4‐メチル‐2‐オキ
サゾリン)、2,2’‐プロピレンビス(2‐オキサゾ
リン)、2,2’‐テトラメチレンビス(2‐オキサゾ
リン)、2,2’‐p‐フェニレンビス(2‐オキサゾ
リン)、2,2’‐p‐フェニレンビス(4‐メチル‐
2‐オキサゾリン)、2,2’‐m‐フェニレンビス
(2‐オキサゾリン)、2,2’‐m‐フェニレンビス
(4‐メチル‐2‐オキサゾリン)、2,2’‐m‐フ
ェニレンビス(4,4’‐ジメチル‐2‐オキサゾリ
ン)、2,2’‐ビス(2‐オキサゾリン)、2,2’
‐ビス(4‐メチル‐2‐オキサゾリン)、2,2’‐
ビス(4‐エチル‐2‐オキサゾリン)、2,2’‐ビ
ス(4‐フェニル‐2‐オキサゾリン)等を挙げること
ができる。好ましくは、2,2’‐m‐フェニレンビス
(2‐オキサゾリン)、2,2’‐p‐フェニレンビス
(2‐オキサゾリン)、2,2’‐ビス(2‐オキサゾ
リン)が用いられる。該ビスオキサゾリン化合物は、単
独で使用しても、2種以上併用してもよい。
【0014】成分(B)液状分散媒体は40℃、好まし
くは室温において液状である。(B)液状分散媒体は、
成分(A)顔料及び染料100重量部に対し、下限が1
50重量部、好ましくは200重量部であり、上限が
2,000重量部、好ましくは1,500重量部であ
る。上記下限未満では、顔料及びビスオキサゾリン化合
物の均一分散が難しく、また、着色剤の粘度が高くなり
取り扱いが困難となる。上記上限を超えては、着色剤の
粘性が低くなり、時間経過につれて顔料等が沈降する。
しかも液状分散媒体の比率の増加により、ポリエステル
中への液状分散媒体の添加量が増加して、例えば繊維で
は、紡糸性が低下し、かつ均一な糸質のものが得難くな
る。
【0015】成分(B)液状分散媒体として、好ましく
は液状ポリエステル、ビスフェノールA誘導体、ポリエ
ーテルエステル等が挙げられ、特に好ましくは液状ポリ
エステルが使用される。液状ポリエステルの酸成分とし
ては、好ましくは炭素数3〜8の脂肪族ジカルボン酸が
通常用いられ、グリコール成分としては、好ましくは炭
素数2〜6の脂肪酸グリコールが通常用いられる。例え
ば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸又はグルタ
ル酸等の脂肪族ジカルボン酸と、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3‐ブタンジオール、1,
4‐ブタンジオール、ペンチルグリコール、ヘキシルグ
リコール、ジエチレングリコール等のグリコール類及び
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール
類から選ばれた一つ以上の物質との重縮合物、又はこれ
らの重縮合物の少なくとも一方の末端をプロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、アミルアルコール等の一価ア
ルコールで封鎖したものが用いられる。
【0016】酸成分としてはアジピン酸が特に好まし
く、グリコール成分としては1,3−ブタンジオールが
特に好ましい。また、ポリエステルの末端を封鎖する一
価アルコールとしてはプロピルアルコールが好ましい。
【0017】本発明に使用する液状ポリエステル分散媒
体は、取扱い易さや顔料及び/又は染料を分散させたと
きの粘性を考慮して選択されることができ、25℃にお
ける粘度が、好ましくは150dPa・s以下、特に好
ましくは100dPa・s以下であり、かつ数平均分子
量が、好ましくは700〜3,500、特に好ましくは
1,000〜2,500である。
【0018】また、一価アルコールによる末端の封鎖は
脂肪族ポリエステルの重縮合反応後に実施することもで
きるし、あるいは反応系に一価アルコールを添加混合し
て重縮合反応をさせることもできる。反応系に添加する
後者の方法が容易であるため好ましい。
【0019】成分(A)顔料及び染料に、特に制限はな
く、通常使用されているものでよい。例えば、アゾ系、
フタロシアニン系、ペリノン系及びアンスラキノン系等
の有機顔料、カーボンブラック、群青及び酸化チタン等
の無機顔料、及びアゾ系、ペリノン系及びアンスラキノ
ン系等の染料が挙げられる。本発明においては、顔料の
み、又は顔料と染料を併用することが好ましい。
【0020】本発明のポリエステル原着用液状着色剤
は、上記成分(A)、(B)及び(C)を混練すること
により製造することができる。例えば、成分(B)に成
分(A)を混練した後、次いで成分(C)を添加して混
練する、あるいは成分(B)に、成分(A)及び(C)
を同時に添加して混練する方法等が挙げられる。好まし
くは常温〜150℃の温度で混練する。混練機として
は、混練用のロータやブレードを持つ押出機、同方向あ
るいは異方向回転型の二軸混練押出機、又はニーダー、
ボールミル、サンドミル、三本ロール等の分散装置、混
練機を使用することができる。勿論、上記を組み合わせ
て使用してもよい。
【0021】本発明のポリエステル原着用液状着色剤に
は、通常の蛍光増白剤、艶消し剤、光沢付与剤、制電性
付与剤、熱及び光安定剤等を必要に応じ適宜配合するこ
とができる。
【0022】また、本発明の着色剤は、成分(C)ビス
オキサゾリン化合物がポリエステルに対し、好ましくは
0.1〜4重量%、特に好ましくは0.2〜3重量%含
まれる量で、ポリエステル中に配合することが好まし
い。成分(C)の配合量が、上記下限未満ではビスオキ
サゾリン化合物の効果を十分に発現することができず、
ポリエステルの粘度低下を十分抑制できない。上記上限
を超えては、例えば繊維では、未反応のビスオキサゾリ
ン化合物の分解による紡糸糸切れの多発や変着色を惹起
し、更にはポリエステルの粘度低下を招く。また、ポリ
エステル中への液状分散媒体の配合量が増加して紡糸性
が低下し、かつ均一な糸質のものが得難くなる。
【0023】本発明において、原着されるべきポリエス
テルは好ましくは、テレフタル酸とエチレングリコール
又はブチレングリコール、あるいはテレフタル酸とエチ
レングリコール又はブチレングリコール及び他の第3成
分より、エステル化反応及び重縮合反応を行って得られ
た、反復構造単位の好ましくは70モル%以上がエチレ
ンテレフタレート又はブチレンテレフタレートであるよ
うなポリエステルである。ポリエステル中の第3成分と
しては、イソフタル酸、o‐フタル酸、アジピン酸、プ
ロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、p−オ
キシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等が用いら
れる。
【0024】本発明の液状着色剤は、通常の方法でポリ
エステル中に配合することができる。例えば、繊維製造
においては、該液状着色剤をポリエステルポリマーの紡
糸直前において、ポリエステルポリマー中に急速混練す
ることにより添加することができる。該添加にあたって
は、例えばポリマー導入管出口の通常重合度のポリエス
テルに会合部を設けて、プランジャーポンプ又はギヤポ
ンプで計量された常温の液状着色剤を加熱しながら注入
する。会合部以降のポリマー流路は、例えば第一混練部
−ギヤポンプ−第二混練部−スピンビーム(第三混練
部)−紡糸パックの順にとり、混練部の許容圧力損失を
できるだけ大きくし、使用する公知の静止混練素子の数
を多くすることができる。静止混練素子としては、例え
ばケニックス社製のスタティク・ミキサー、特殊機化工
業社製のロス‐LSG‐ミキサーあるいはロス‐LPD
‐ミキサー、及びズルサー社製のSMミキサーあるいは
BKMミキサー等が挙げられる。会合部、第一混練部、
ギヤポンプはギヤポンプ接合用のウエアプレート内に組
込み、添加する混合物の計量精度を上げ、装置をコンパ
クト化することができる。
【0025】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により限定されるもの
ではない。
【0026】
【実施例】実施例及び比較例において、極限粘度は以下
のようにして測定した。
【0027】試料を0.500±0.0001g精秤
し、特殊フラスコに入れた後、フェノール/四塩化エタ
ン(重量比)=6/4の混合溶媒50mlを加える。次
に、共栓をして、85℃の温水中にて約1時間振とうす
る。試料が完全に溶解した後、該特殊フラスコを20℃
の恒温槽にて予備恒温を行う。次いで、該特殊フラスコ
を全自動粘度計(AVS‐4C型、サン電子工業株式会
社製)にセットして流過時間(秒)を測定する。極限粘
度は下記式を用いて算出した。
【0028】
【数1】極限粘度[η]=[(1+4K・ηsp1/2
1]/2K・C (ここで、Kは定数を示し、Cは試料濃度(g/100
ml)を示し、ηsp=ηrel −1であり、ηrel =試料
の流過時間(秒)/溶媒の流過時間(秒)である。) また、紡糸押出し後のポリマーの極限粘度は、試料濃度
(C)の値として、試料から液状着色剤量を差引いて算
出した値を用いて求めたものである。
【0029】液状着色剤の耐熱性及び相溶性は、以下の
ようにして測定した。 <耐熱性>セイコー電子工業株式会社製の示差熱熱重量
同時測定装置TG‐DTA220を使用して、各実施例
及び比較例の液状着色剤について減量開始温度及び減量
率を測定し、かつブランクとして各実施例及び比較例と
も成分(A)及び(B)は同一比率で成分(C)を含ま
ない液状着色剤を用いて減量開始温度及び減量率を測定
し、その差により評価した。 <相溶性>液状着色剤を比色管に入れ静置し、6か月静
置後の分離状態を目視観察して評価した。
【0030】また、実施例中、「部」とあるのは、いず
れも「重量部」を意味する。
【0031】
【実施例1〜5】アジピン酸452部及び1,3‐ブタ
ンジオール348部から得られた(B)液状ポリエステ
ル72部、(A)顔料としてのフタロシアニンブルー
(シアニンブルーRNF、商標、東洋インキ製造株式会
社製)26部とカーボンブラック(ラーベン420デン
ス、商標、コロンビアカーボン株式会社製)2部、及び
表1に示す各量の(C)ビスオキサゾリン化合物を混合
し、3本ロールにて室温で15分間混練して、液状着色
剤を得た。次いで、温度280℃で溶融された極限粘度
0.69のポリエチレンテレフタレート(ポリエステ
ル)中に、紡糸機の紡糸口金へのポリマー導入管出口に
おいてギヤポンプを使用して、上記液状着色剤を表1に
示す量で添加した後、スタティックミキサー(ケニック
ス社製)を使用して急速混練した。次いで、常法により
紡糸、延伸を行った。紡糸、延伸時に、糸切れはなく、
また、液状着色剤の耐熱性及び相溶性はいずれも良好で
あり、ブルーに均一着色された糸が得られた。
【0032】
【実施例6】アジピン酸0.8モル及びイソフタル酸
0.2モルと、ポリプロピレングリコール(平均分子量
1,200)0.4モル、エチレングリコール0.3モ
ル、プロピレングリコール0.3モル及びブチレングリ
コール0.2モルとから得られた(B)液状ポリエステ
ル65部、(A)顔料としてのアントラキノンイエロー
(フィレスターイエローRN、商標、チバガイギー株式
会社製)12部、ペリレンレッド(パリオゲンレッドK
‐3911HD、商標、BASF製)16部とカーボン
ブラック(MCF‐88、商標、三菱化成工業株式会社
製、)7部、及び(C)2,2’‐m‐フェニレンビス
(2‐オキサゾリン)20部を、3本ロールにて室温で
15分間混練し、液状着色剤を得た。次いで、実施例1
と同じく極限粘度0.69のポリエチレンテレフタレー
ト中に、上記液状着色剤を表1に示す量で添加し、紡
糸、延伸を行った。紡糸、延伸時に、糸切れはなく、ま
た、液状着色剤の耐熱性及び相溶性はいずれも良好であ
り、褐色に均一着色された糸が得られた。
【0033】
【比較例1〜3】(C)ビスオキサゾリン化合物を使用
しないで、又は表1に示す各量で使用した以外は、実施
例1と同一にして実施した。いずれも、液状着色剤の耐
熱性及び相溶性が悪く、得られた糸には着色むらがあ
り、また、比較例3では、糸切れが発生した。
【0034】上記各実施例、比較例について、紡糸押出
し後のポリマーの極限粘度を測定した。その結果を表1
に示す。
【0035】
【表1】 実施例1〜3は、成分(C)として2,2´‐m‐フェ
ニレンビス(2‐オキサゾリン)を使用し、そのポリエ
ステルへの配合量を変えてポリエステル繊維を成形した
ものである。いずれにおいてもポリエステルの極限粘度
の低下は小さかった。実施例4及び5は、成分(C)と
して2,2´‐p‐フェニレンビス(2‐オキサゾリ
ン)を使用し、そのポリエステルへの配合量を変えたも
のである。該ビスオキサゾリンを用いたときにも、ポリ
エステルの極限粘度の低下は小さかった。実施例6は、
成分(A)及び(B)の種類及びこれらのポリエステル
への配合量を変えたものである。実施例1と同様に、ポ
リエステルの極限粘度の低下は小さかった。
【0036】一方、比較例1は成分(C)を含まない着
色剤を使用したものである。ポリエステルへの添加量が
同じである実施例1と比べて、ポリエステルの極限粘度
の低下は大きかった。比較例2は成分(C)の量を少な
くしたものである。比較例1と同様に、ポリエステルの
極限粘度の低下が大きかった。比較例3は、成分(C)
を多くしたものである。ポリエステルの極限粘度の低下
は大きかった。
【0037】
【発明の効果】本発明は、ポリエステル成形物の製造時
に優れた安定性を持ち、ポリエステル成形物の物性低下
が少なく、かつその使用が容易である新規なポリエステ
ル原着用液状着色剤を提供するものである。従って、ポ
リエステルの繊維、フィルム等の成形時に容易に配合す
ることができ、ポリエステルに配合されて、ポリエステ
ル樹脂の劣化を防止し、品質の均一性に富む成形品を製
造し得る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)顔料及び/又は染料 100重量
    部、(B)40℃で液状である分散媒体 150〜2,
    000重量部及び(C)ビスオキサゾリン化合物 50
    〜300重量部を含むポリエステル原着用液状着色剤。
  2. 【請求項2】 上記成分(B)が、液状ポリエステルで
    ある請求項1記載の着色剤。
  3. 【請求項3】 上記成分(C)がポリエステルに対し
    0.1〜4重量%含まれるように、請求項1又は2記載
    の着色剤を配合して成る原着ポリエステル成形物。
  4. 【請求項4】 ポリエステルが、ポリエチレンテレフタ
    レート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、又は繰
    返し単位の70モル%以上がエチレンテレフタレート単
    位及び/又はブチレンテレフタレート単位で構成される
    共重合ポリエステル樹脂である請求項3記載の成形物。
  5. 【請求項5】 ポリエステルを溶融した後、請求項1又
    は2記載の着色剤を該ポリエステル中に混練し、次いで
    成形する請求項3又は4記載の成形物の製造法。
JP7344705A 1995-12-07 1995-12-07 ポリエステル原着用液状着色剤 Pending JPH09158058A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7344705A JPH09158058A (ja) 1995-12-07 1995-12-07 ポリエステル原着用液状着色剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7344705A JPH09158058A (ja) 1995-12-07 1995-12-07 ポリエステル原着用液状着色剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09158058A true JPH09158058A (ja) 1997-06-17

Family

ID=18371348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7344705A Pending JPH09158058A (ja) 1995-12-07 1995-12-07 ポリエステル原着用液状着色剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09158058A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115233327A (zh) * 2021-04-23 2022-10-25 财团法人纺织产业综合研究所 液态色母组合物及彩色纤维的制备方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115233327A (zh) * 2021-04-23 2022-10-25 财团法人纺织产业综合研究所 液态色母组合物及彩色纤维的制备方法
CN115233327B (zh) * 2021-04-23 2024-03-19 财团法人纺织产业综合研究所 液态色母组合物及彩色纤维的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1000967B1 (en) Improved polyester polymers
GB1581953A (en) Method for clear-colouring of linear aromatic polyester
JP2585841B2 (ja) ポリアミド原着用リキッド顔料およびそれを用いたポリアミド原着糸
KR910001688B1 (ko) 착색제 및 그것으로 원료착색된 폴리에스테르 성형물품
JPH09158058A (ja) ポリエステル原着用液状着色剤
US4265632A (en) Process for the coloration of thermoplastic polymers and polycondensates in the mass with water-insoluble disazomethine compounds
JPH062842B2 (ja) 熱可塑性プラスチツクの原液着色法
US4782111A (en) Colorant formulation
JP3231483B2 (ja) 改質ポリエステル繊維の製造方法
JPS6248691B2 (ja)
US3544658A (en) Polymeric compositions containing polyesters,polyamides and polyethers
JPS6134053A (ja) ポリエステル成形物の製造方法
JPS6125142A (ja) レントゲン写真フイルム支持体用着色ポリエステルフイルム
JPH0573146B2 (ja)
JPH05140499A (ja) ポリアミド用リキツド顔料およびそれを用いたポリアミド原着糸
JPH06228818A (ja) 改質ポリエステル繊維の製造方法
DE2733250A1 (de) Verfahren zum klaren faerben von linearen aromatischen polyestern
JPH0812844A (ja) 熱可塑性樹脂用分散剤組成物
JP6621960B2 (ja) マスターバッチ、樹脂組成物、及び樹脂成形品
JPS6342915A (ja) 黒色ポリエステル繊維及びその製造方法
JPH072998A (ja) 高重合度ポリエステルの製造方法
JP3050661B2 (ja) 縮合系ポリマー原着用液状着色剤
JPH0653856B2 (ja) ポリエステル原着用着色剤
JP2598168B2 (ja) リキッド顔料
JPS6342914A (ja) 着色剤