JP3050661B2 - 縮合系ポリマー原着用液状着色剤 - Google Patents
縮合系ポリマー原着用液状着色剤Info
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- JP3050661B2 JP3050661B2 JP3244366A JP24436691A JP3050661B2 JP 3050661 B2 JP3050661 B2 JP 3050661B2 JP 3244366 A JP3244366 A JP 3244366A JP 24436691 A JP24436691 A JP 24436691A JP 3050661 B2 JP3050661 B2 JP 3050661B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縮合系ポリマー原着用
液状着色剤に関し、さらに詳しくは、染料、顔料の分散
媒体として芳香族縮合リン酸エステルを用いた液状着色
剤に関するものである。
液状着色剤に関し、さらに詳しくは、染料、顔料の分散
媒体として芳香族縮合リン酸エステルを用いた液状着色
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド及びポリエステルなどの縮合
系ポリマーはその優れた物理的、化学的性質から繊維、
モノフィラメント、成形品、フイルムなど各種産業分野
に広く使用されている。従来このような極性結合を有す
る比較的融点の高い縮合系ポリマーの原液着色方法とし
ては種々の技術が知られている。例えば、縮合系ポリマ
ーの重合反応時に顔料又は染料を添加する方法、縮合系
ポリマーに顔料又は染料を高濃度に分散させたマスター
バッチ方式及び顔料又は染料を金属石けんやワックスな
どで分散加工したドライカラー方式が良く知られてい
る。上記のポリアミドなどの重合反応時に顔料又は染料
を添加する方法に於いては、反応が高温かつ長時間であ
るため、染料や有機顔料のように耐熱性の乏しいものは
殆ど使用することができず、酸化物系の無機顔料やカー
ボンブラックなどごく限られた顔料に制約され、また反
応釜が着色汚染するため、専用の反応釜を設備しないと
色替えのとき釜の洗浄に長時間の労力を要し、経費がか
さむなどの欠点があった。また、マスターバッチ方式に
よると顔料又は染料の混練やマスターバッチの乾燥工程
における熱履歴のため、溶融紡糸して得られたポリアミ
ド繊維の引張り強度などの糸物性の低下或は凝集塊が発
生するという欠陥がある。更にまた、分散助剤によって
粉末状に加工した顔料又は染料をポリアミドペレットな
どに直接ブレンドするドライカラーリング方式は、顔料
や染料が微粉末のため飛散が激しく作業場の汚染が問題
となり、色替えに際しての混合機の洗浄に非常に手間が
掛かり好ましくなかった。上記の方法に替え最近では顔
料や染料を常温で液体のビヒクルで混練した液状着色剤
も使用されている。この方法はギヤポンプやプランジャ
ーポンプなどを用いて着色剤を溶融状態のポリアミドに
定量供給するものである(例えば特開昭63−9271
7号公報)。しかしながら、ポリアミドなどの縮合系ポ
リマーは極めて極性の高い樹脂で液状着色剤の通常のビ
ヒクルとの相溶性が悪く、またビヒクルの耐熱性が悪い
と、例えば紡糸時に糸切れや白煙の発生などのトラブル
が生じたり、成形品にいわゆるフィッシュアイなどが発
生したりする。現在のところこれらの問題を十分回避す
ることのできる満足する液状着色剤が開発されていな
い。
系ポリマーはその優れた物理的、化学的性質から繊維、
モノフィラメント、成形品、フイルムなど各種産業分野
に広く使用されている。従来このような極性結合を有す
る比較的融点の高い縮合系ポリマーの原液着色方法とし
ては種々の技術が知られている。例えば、縮合系ポリマ
ーの重合反応時に顔料又は染料を添加する方法、縮合系
ポリマーに顔料又は染料を高濃度に分散させたマスター
バッチ方式及び顔料又は染料を金属石けんやワックスな
どで分散加工したドライカラー方式が良く知られてい
る。上記のポリアミドなどの重合反応時に顔料又は染料
を添加する方法に於いては、反応が高温かつ長時間であ
るため、染料や有機顔料のように耐熱性の乏しいものは
殆ど使用することができず、酸化物系の無機顔料やカー
ボンブラックなどごく限られた顔料に制約され、また反
応釜が着色汚染するため、専用の反応釜を設備しないと
色替えのとき釜の洗浄に長時間の労力を要し、経費がか
さむなどの欠点があった。また、マスターバッチ方式に
よると顔料又は染料の混練やマスターバッチの乾燥工程
における熱履歴のため、溶融紡糸して得られたポリアミ
ド繊維の引張り強度などの糸物性の低下或は凝集塊が発
生するという欠陥がある。更にまた、分散助剤によって
粉末状に加工した顔料又は染料をポリアミドペレットな
どに直接ブレンドするドライカラーリング方式は、顔料
や染料が微粉末のため飛散が激しく作業場の汚染が問題
となり、色替えに際しての混合機の洗浄に非常に手間が
掛かり好ましくなかった。上記の方法に替え最近では顔
料や染料を常温で液体のビヒクルで混練した液状着色剤
も使用されている。この方法はギヤポンプやプランジャ
ーポンプなどを用いて着色剤を溶融状態のポリアミドに
定量供給するものである(例えば特開昭63−9271
7号公報)。しかしながら、ポリアミドなどの縮合系ポ
リマーは極めて極性の高い樹脂で液状着色剤の通常のビ
ヒクルとの相溶性が悪く、またビヒクルの耐熱性が悪い
と、例えば紡糸時に糸切れや白煙の発生などのトラブル
が生じたり、成形品にいわゆるフィッシュアイなどが発
生したりする。現在のところこれらの問題を十分回避す
ることのできる満足する液状着色剤が開発されていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解決するため極性の高い縮合系ポリマーとの相溶性がよ
く、その融点以上の温度における耐熱性のよい液状ビヒ
クルを採用することにより、着色ポリマーの物性低下を
起こさないで、円滑に押出機中に均一に供給できる原着
用液状着色剤を提供することを目的とするものである。
解決するため極性の高い縮合系ポリマーとの相溶性がよ
く、その融点以上の温度における耐熱性のよい液状ビヒ
クルを採用することにより、着色ポリマーの物性低下を
起こさないで、円滑に押出機中に均一に供給できる原着
用液状着色剤を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、液状着色
剤の分散媒体であるビヒクルに関して、耐熱性、相溶
性、顔料染料の分散性、粘性の点を考慮して種々研究を
進めた結果、ポリマーの難燃剤として既に用いられてい
る芳香族リン酸エステル類の中から非ハロゲン系の芳香
族縮合リン酸エステルを選択して用いた液状着色剤が、
ポリアミド、ポリエステルなどの縮合系ポリマーとの相
溶性が良好で高温に於ける紡糸や各種成形加工に十分耐
える物性を具備することを知見して本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、一般式
剤の分散媒体であるビヒクルに関して、耐熱性、相溶
性、顔料染料の分散性、粘性の点を考慮して種々研究を
進めた結果、ポリマーの難燃剤として既に用いられてい
る芳香族リン酸エステル類の中から非ハロゲン系の芳香
族縮合リン酸エステルを選択して用いた液状着色剤が、
ポリアミド、ポリエステルなどの縮合系ポリマーとの相
溶性が良好で高温に於ける紡糸や各種成形加工に十分耐
える物性を具備することを知見して本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、一般式
【0005】
【化2】
【0006】(式中のnは1から20までの整数)で表
わされる芳香族縮合リン酸エステルに顔料及び/又は染
料を配合し、常温における粘度を10000ポイズ以下
にしたことを特徴とする縮合系ポリマー原着用液状着色
剤を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明す
る。
わされる芳香族縮合リン酸エステルに顔料及び/又は染
料を配合し、常温における粘度を10000ポイズ以下
にしたことを特徴とする縮合系ポリマー原着用液状着色
剤を提供するものである。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0007】本発明において用いる顔料又は染料として
は、例えばアゾ系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレ
ン、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジ
ン系顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系
顔料、ピロコリン系顔料、フルオルビン系顔料などの有
機顔料、黄鉛、コバルトブルー、ベンガラ、二酸化チタ
ン、群青、カーボンブラック、酸化亜鉛などの無機系顔
料、アゾ系染料、アントラキノン系染料、ペリレン、ペ
リノン系染料などが挙げられる。上記した顔料又は染料
は1種又は2種以上併用して使用される。顔料と染料を
併用して使用することも可能である。
は、例えばアゾ系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレ
ン、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジ
ン系顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系
顔料、ピロコリン系顔料、フルオルビン系顔料などの有
機顔料、黄鉛、コバルトブルー、ベンガラ、二酸化チタ
ン、群青、カーボンブラック、酸化亜鉛などの無機系顔
料、アゾ系染料、アントラキノン系染料、ペリレン、ペ
リノン系染料などが挙げられる。上記した顔料又は染料
は1種又は2種以上併用して使用される。顔料と染料を
併用して使用することも可能である。
【0008】本発明において用いられる芳香族縮合リン
酸エステルは、一般式(1)の構造を有するものであ
り、この式中のベンゼン核は無置換のものに限定され
ず、例えば炭素数1〜8のアルキル基を1以上置換した
ものも、本発明の芳香族縮合リン酸エステルとして好適
に使用することができる。式中のnの数値は、配合する
顔料又は染料によって適宜選択されるものであり、一般
的には、nを適宜選択することによって、原着用液状着
色剤をギヤポンプやプランジャーポンプで供給するに適
した常温で10,000ポイズ以下の適当な粘度に調整
する。nが20以上になると粘度が高くなるので使用で
きない。また、nが0の場合は、縮合系エステルには該
当せず、これは耐熱性に劣るので用いることができな
い。
酸エステルは、一般式(1)の構造を有するものであ
り、この式中のベンゼン核は無置換のものに限定され
ず、例えば炭素数1〜8のアルキル基を1以上置換した
ものも、本発明の芳香族縮合リン酸エステルとして好適
に使用することができる。式中のnの数値は、配合する
顔料又は染料によって適宜選択されるものであり、一般
的には、nを適宜選択することによって、原着用液状着
色剤をギヤポンプやプランジャーポンプで供給するに適
した常温で10,000ポイズ以下の適当な粘度に調整
する。nが20以上になると粘度が高くなるので使用で
きない。また、nが0の場合は、縮合系エステルには該
当せず、これは耐熱性に劣るので用いることができな
い。
【0009】本発明に用いる芳香族縮合リン酸エステル
は、nが単一のものを製造するのは困難であり、通常は
nが相違する芳香族リン酸エステル化合物の混合物とし
て使用することができる。従って、nが0のものも多少
混合されるかも知れないが、多少nが0のものが混合さ
れても平均重合度で表してnが0.5以上の混合物は粘
度を適切に調整すれば、本発明に好適に使用することが
できる。
は、nが単一のものを製造するのは困難であり、通常は
nが相違する芳香族リン酸エステル化合物の混合物とし
て使用することができる。従って、nが0のものも多少
混合されるかも知れないが、多少nが0のものが混合さ
れても平均重合度で表してnが0.5以上の混合物は粘
度を適切に調整すれば、本発明に好適に使用することが
できる。
【0010】本発明に用いる芳香族縮合リン酸エステル
は、従来より縮合系ポリマーの難燃剤として使用されて
いたものであり、縮合系ポリマーに既に難燃剤として配
合されているが着色剤のビヒクルとして使用されてはい
ない。難燃剤として使用する場合と、着色剤のビヒクル
として使用する場合では着色顔料などとの添加順序が相
違し、一般的には、本発明の使用量が少ない。しかしな
がら、ビヒクルの使用量を適宜増加すると、縮合系ポリ
マーの着色とともに難燃性をも付与することができる。
は、従来より縮合系ポリマーの難燃剤として使用されて
いたものであり、縮合系ポリマーに既に難燃剤として配
合されているが着色剤のビヒクルとして使用されてはい
ない。難燃剤として使用する場合と、着色剤のビヒクル
として使用する場合では着色顔料などとの添加順序が相
違し、一般的には、本発明の使用量が少ない。しかしな
がら、ビヒクルの使用量を適宜増加すると、縮合系ポリ
マーの着色とともに難燃性をも付与することができる。
【0011】本発明の着色剤が使用される縮合系ポリマ
ーは、縮合反応によって重合する熱可塑性ポリマーであ
って、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリカーボネートなどに適用されるが、特にポリア
ミド及びポリエステルに適している。本発明で用いる上
記の芳香族縮合リン酸エステルには更に鉱物油、植物油
及び液状ポリブテンなどを添加して使用することができ
る。
ーは、縮合反応によって重合する熱可塑性ポリマーであ
って、例えばポリアミド、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリカーボネートなどに適用されるが、特にポリア
ミド及びポリエステルに適している。本発明で用いる上
記の芳香族縮合リン酸エステルには更に鉱物油、植物油
及び液状ポリブテンなどを添加して使用することができ
る。
【0012】本発明の液状着色剤は、使用時に自動計量
機などで連続して供給するため、常温又は保温時に流動
性を示すことが好ましく、そのためには、常温で10,
000ポイズ以下でなくてはならない。従って芳香族縮
合リン酸エステルの粘度も10,000ポイズ以下のも
のを使用しなくてはならないが、本発明で用いる芳香族
縮合リン酸エステルは顔料を30重量%位配合しても粘
度が極端に上昇しないので常温で2,000ポイズ以
下、好ましくは1,000ポイズ以下のものが特に好適
に使用することができる。顔料の分散媒体として特開昭
60−45689号公報などで開示されている液状ポリ
エステルなどを使用すると常温で200ポイズ以下のも
のを使用しなければならないが、本発明で用いる芳香族
縮合リン酸エステルの場合2,000ポイズ位の高粘度
まで使用が可能である。
機などで連続して供給するため、常温又は保温時に流動
性を示すことが好ましく、そのためには、常温で10,
000ポイズ以下でなくてはならない。従って芳香族縮
合リン酸エステルの粘度も10,000ポイズ以下のも
のを使用しなくてはならないが、本発明で用いる芳香族
縮合リン酸エステルは顔料を30重量%位配合しても粘
度が極端に上昇しないので常温で2,000ポイズ以
下、好ましくは1,000ポイズ以下のものが特に好適
に使用することができる。顔料の分散媒体として特開昭
60−45689号公報などで開示されている液状ポリ
エステルなどを使用すると常温で200ポイズ以下のも
のを使用しなければならないが、本発明で用いる芳香族
縮合リン酸エステルの場合2,000ポイズ位の高粘度
まで使用が可能である。
【0013】本発明の縮合系ポリマー原着用液状着色剤
の製造は、芳香族縮合リン酸エステルに顔料又は染料を
配合し、配合物を三本ロールミル、ボールミル、サンド
ミル、アトライター、ニーダーなどの通常の混練機によ
って混練して製造される。本発明の液状着色剤には上記
成分の他に必要に応じて分散剤、帯電防止剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、無機フィラーなどを添加使用するこ
とができる。
の製造は、芳香族縮合リン酸エステルに顔料又は染料を
配合し、配合物を三本ロールミル、ボールミル、サンド
ミル、アトライター、ニーダーなどの通常の混練機によ
って混練して製造される。本発明の液状着色剤には上記
成分の他に必要に応じて分散剤、帯電防止剤、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、無機フィラーなどを添加使用するこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 ビヒクルとして、式(1)におけるn=1の芳香族縮合
リン酸エステル(CR−733S、株式会社大八化学工
業所製商品名、比重1.31、粘度600センチポイ
ズ、平均重合度n=0.6)を60重量部、ペリレン系
レッド(CI.Name Pig.Red−178)4
0重量部を三本ロールにて分散処理を行い、900ポイ
ズ(BS型回転粘度計ローター回転数10rpm、25℃
にて測定、以下の例においても同じ)の液状着色剤を得
た。次いで、ナイロン6(濃H2SO4による溶液粘度η
rel=2.67)の溶融ポリマー中に、上記着色剤を顔料
分0.8%になるようにギアポンプを用いて溶融紡糸ヘ
ッドより圧入し、スタティックミキサ(ケーニクス社
製)40エレメントで混練・分散をはかった後温度26
5℃で紡糸し、冷延伸を行い、単糸3デニールの糸を得
た。紡糸時における吐出状態は極めて良好であり、コブ
糸・糸切れや白煙の発生などのトラブルは全くなく、延
伸時にも糸切れは全く生じなかった。また、口金ノズル
周辺や、得られた糸の表面にもビヒクルのブリードは見
られなかった。
る。 実施例1 ビヒクルとして、式(1)におけるn=1の芳香族縮合
リン酸エステル(CR−733S、株式会社大八化学工
業所製商品名、比重1.31、粘度600センチポイ
ズ、平均重合度n=0.6)を60重量部、ペリレン系
レッド(CI.Name Pig.Red−178)4
0重量部を三本ロールにて分散処理を行い、900ポイ
ズ(BS型回転粘度計ローター回転数10rpm、25℃
にて測定、以下の例においても同じ)の液状着色剤を得
た。次いで、ナイロン6(濃H2SO4による溶液粘度η
rel=2.67)の溶融ポリマー中に、上記着色剤を顔料
分0.8%になるようにギアポンプを用いて溶融紡糸ヘ
ッドより圧入し、スタティックミキサ(ケーニクス社
製)40エレメントで混練・分散をはかった後温度26
5℃で紡糸し、冷延伸を行い、単糸3デニールの糸を得
た。紡糸時における吐出状態は極めて良好であり、コブ
糸・糸切れや白煙の発生などのトラブルは全くなく、延
伸時にも糸切れは全く生じなかった。また、口金ノズル
周辺や、得られた糸の表面にもビヒクルのブリードは見
られなかった。
【0015】実施例2 ビヒクルとして、n=2の芳香族縮合リン酸エステル
(CR−735、株式会社大八化学工業所製商品名、比
重1.33、粘度4000センチポイズ、平均重合度n
=1.6)を70重量部、シアニンブルー(CI.Na
me Pig.Blue−15)30重量部とを実施例
1と同様の処理を行い、1250ポイズの液状着色剤を
得た。次いで、顔料分が1.0%になるように実施例1
と同様の操作で紡糸・延伸を行い単糸3デニールの糸を
得た。実施例1と同様に、紡糸時における吐出状態は極
めて良好であり、紡糸・延伸時における糸切れや白煙の
発生も全く見られず、口金ノズル周辺や得られた糸の表
面にもビヒクルのブリードは見られなかった。
(CR−735、株式会社大八化学工業所製商品名、比
重1.33、粘度4000センチポイズ、平均重合度n
=1.6)を70重量部、シアニンブルー(CI.Na
me Pig.Blue−15)30重量部とを実施例
1と同様の処理を行い、1250ポイズの液状着色剤を
得た。次いで、顔料分が1.0%になるように実施例1
と同様の操作で紡糸・延伸を行い単糸3デニールの糸を
得た。実施例1と同様に、紡糸時における吐出状態は極
めて良好であり、紡糸・延伸時における糸切れや白煙の
発生も全く見られず、口金ノズル周辺や得られた糸の表
面にもビヒクルのブリードは見られなかった。
【0016】比較例1 市販のアジピン酸系ポリエステル(商品名 アデカサイ
ザーPN−400、旭電化製)70重量部、シアニンブ
ルー(実施例2と同じ)30重量部とを実施例1と同様
の処理を行い、1800ポイズの液状着色剤を得た。上
記着色剤を用いて、実施例1と同様の操作で紡糸・延伸
を行ったところ、紡糸時における吐出状態は不安定であ
り、コブ糸・糸切れが多発し、紡糸口金より白煙が発生
した。また、延伸時にも糸切れが多発し、口金ノズル周
辺や得られた糸の表面には、ビヒクルのブリードが見ら
れた。
ザーPN−400、旭電化製)70重量部、シアニンブ
ルー(実施例2と同じ)30重量部とを実施例1と同様
の処理を行い、1800ポイズの液状着色剤を得た。上
記着色剤を用いて、実施例1と同様の操作で紡糸・延伸
を行ったところ、紡糸時における吐出状態は不安定であ
り、コブ糸・糸切れが多発し、紡糸口金より白煙が発生
した。また、延伸時にも糸切れが多発し、口金ノズル周
辺や得られた糸の表面には、ビヒクルのブリードが見ら
れた。
【0017】実施例3 実施例1で用いたビヒクル75重量部とシアニングリー
ン(CI.NamePig.Green−7)25重量
部とをアトライターにて分散処理を行い、100ポイズ
の液状着色剤を得た。上記液状着色剤を顔料分0.4%
になるように、チューブポンプより直接射出成形機のホ
ッパー孔に輸送し、自動計量して連続的にナイロン6
(実施例1と同じ)の着色成形板を得た。得られた成形
板は色分散が良好で、優れた透明性を示した。また、成
形板表面にはビヒクルのブリードは見られなかった。
ン(CI.NamePig.Green−7)25重量
部とをアトライターにて分散処理を行い、100ポイズ
の液状着色剤を得た。上記液状着色剤を顔料分0.4%
になるように、チューブポンプより直接射出成形機のホ
ッパー孔に輸送し、自動計量して連続的にナイロン6
(実施例1と同じ)の着色成形板を得た。得られた成形
板は色分散が良好で、優れた透明性を示した。また、成
形板表面にはビヒクルのブリードは見られなかった。
【0018】実施例4 実施例1のナイロン6の代わりに、ポリエチレンテレフ
タレート(25℃におけるフェノール、テトラクロルエ
タン重量比1:1混合溶媒中の固有粘度が0.685)
を用いて、温度290℃で紡糸し、115℃で4倍に延
伸し、単糸3デニールの糸を得た。実施例1と同様に、
紡糸時における吐出状態は極めて良好であり、コブ糸・
糸切れ・白煙の発生などのトラブルは全くなく、延伸時
にも糸切れは全く生じなかった。また、口金ノズル周辺
や、得られた糸の表面にもビヒクルのブリードは見られ
なかった。
タレート(25℃におけるフェノール、テトラクロルエ
タン重量比1:1混合溶媒中の固有粘度が0.685)
を用いて、温度290℃で紡糸し、115℃で4倍に延
伸し、単糸3デニールの糸を得た。実施例1と同様に、
紡糸時における吐出状態は極めて良好であり、コブ糸・
糸切れ・白煙の発生などのトラブルは全くなく、延伸時
にも糸切れは全く生じなかった。また、口金ノズル周辺
や、得られた糸の表面にもビヒクルのブリードは見られ
なかった。
【0019】実施例5 実施例2で用いたビヒクル70重量部、アンスラキノン
系エロー(CI.Name Pig.Yellow−1
47)30重量部とを実施例1と同様の処理を行い、8
50ポイズの液状着色剤を得た。上記着色剤とポリエチ
レンテレフタレート(実施例4と同じ)を用いて、顔料
分が1.0%になるように実施例4と同様の操作で紡糸
・延伸を行い、単糸3デニールの糸を得た。紡糸時にお
ける吐出状態は極めて良好であり、コブ糸・糸切れ・白
煙の発生などのトラブルは全くなく、延伸時にも糸切れ
は全く生じなかった。また、ビヒクルのブリードも見ら
れなかった。
系エロー(CI.Name Pig.Yellow−1
47)30重量部とを実施例1と同様の処理を行い、8
50ポイズの液状着色剤を得た。上記着色剤とポリエチ
レンテレフタレート(実施例4と同じ)を用いて、顔料
分が1.0%になるように実施例4と同様の操作で紡糸
・延伸を行い、単糸3デニールの糸を得た。紡糸時にお
ける吐出状態は極めて良好であり、コブ糸・糸切れ・白
煙の発生などのトラブルは全くなく、延伸時にも糸切れ
は全く生じなかった。また、ビヒクルのブリードも見ら
れなかった。
【0020】比較例2 市販のアジピン酸系ポリエステル(比較例1と同じ)7
0重量部、アンスラキノン系エロー(実施例5と同じ)
30重量部とを実施例1と同様の処理を行い、1100
ポイズの液状着色剤を得た。上記着色剤を用いて実施例
5と同様の操作で紡糸・延伸を行ったが、紡糸時におけ
る吐出状態は不安定であり、紡糸・延伸時に糸切れが数
回発生した。また、口金ノズル周辺にビヒクルのブリー
ドが見られた。
0重量部、アンスラキノン系エロー(実施例5と同じ)
30重量部とを実施例1と同様の処理を行い、1100
ポイズの液状着色剤を得た。上記着色剤を用いて実施例
5と同様の操作で紡糸・延伸を行ったが、紡糸時におけ
る吐出状態は不安定であり、紡糸・延伸時に糸切れが数
回発生した。また、口金ノズル周辺にビヒクルのブリー
ドが見られた。
【0021】
【発明の効果】本発明の縮合系ポリマー原着用液状着色
剤は、染顔料の分散媒体として芳香族縮合リン酸エステ
ルを用いているため、300℃の高温に於いても安定で
ありポリアミドやポリエステルの高温着色紡糸時に糸切
れなどのトラブルが生じない。また本発明の液状着色剤
で用いている上記の分散媒体は、ポリアミドやポリエス
テルとの相溶性が良好であるためポリアミドやポリエス
テルの表面にブリードすることがない。更にまた上記分
散媒体は、流動特性に優れており、均一に熔融縮合系ポ
リマーに混合され、均一な着色を達成することができ
る。また、芳香族縮合リン酸エステルの量を増加するこ
とによって、適度の難燃性を付与することができる。
剤は、染顔料の分散媒体として芳香族縮合リン酸エステ
ルを用いているため、300℃の高温に於いても安定で
ありポリアミドやポリエステルの高温着色紡糸時に糸切
れなどのトラブルが生じない。また本発明の液状着色剤
で用いている上記の分散媒体は、ポリアミドやポリエス
テルとの相溶性が良好であるためポリアミドやポリエス
テルの表面にブリードすることがない。更にまた上記分
散媒体は、流動特性に優れており、均一に熔融縮合系ポ
リマーに混合され、均一な着色を達成することができ
る。また、芳香族縮合リン酸エステルの量を増加するこ
とによって、適度の難燃性を付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08G 63/00 C08G 63/00 69/00 69/00 D06P 1/667 D06P 1/667 (56)参考文献 特開 昭63−120767(JP,A) 特開 昭63−51469(JP,A) 米国特許4203888(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 17/00 C09C 3/08 - 3/10 C08K 5/52 C08L 67/02 C08L 77/00 C09B 67/46 C08G 63/00 C08G 69/00 D06P 1/667 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (5)
- 【請求項1】一般式 【化1】 (式中のnは1から20までの数)で表わされる芳香族
縮合リン酸エステルに顔料及び/又は染料を配合し、常
温における粘度を10000ポイズ以下にしたことを特
徴とする縮合系ポリマー原着用液状着色剤。 - 【請求項2】顔料及び/又は染料100重量部と芳香族
縮合リン酸エステル20〜2000重量部から成る請求
項1記載の縮合系ポリマー原着用液状着色剤。 - 【請求項3】縮合系ポリマーがポリアミドである請求項
1又は2記載の縮合系ポリマー原着用液状着色剤。 - 【請求項4】縮合系ポリマーがポリエステルである請求
項1又は2記載の縮合系ポリマー原着用液状着色剤。 - 【請求項5】染料又は顔料100重量部と芳香族縮合リ
ン酸エステル20〜2,000重量部の配合割合から成
る請求項1〜4記載の縮合系ポリマー原着用液状着色
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3244366A JP3050661B2 (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | 縮合系ポリマー原着用液状着色剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3244366A JP3050661B2 (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | 縮合系ポリマー原着用液状着色剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0559319A JPH0559319A (ja) | 1993-03-09 |
JP3050661B2 true JP3050661B2 (ja) | 2000-06-12 |
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ID=17117628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3244366A Expired - Fee Related JP3050661B2 (ja) | 1991-08-29 | 1991-08-29 | 縮合系ポリマー原着用液状着色剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3050661B2 (ja) |
-
1991
- 1991-08-29 JP JP3244366A patent/JP3050661B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0559319A (ja) | 1993-03-09 |
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