JPH09157771A - 立方晶窒化硼素含有硬質複合材料の製造方法 - Google Patents

立方晶窒化硼素含有硬質複合材料の製造方法

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JPH09157771A
JPH09157771A JP7345612A JP34561295A JPH09157771A JP H09157771 A JPH09157771 A JP H09157771A JP 7345612 A JP7345612 A JP 7345612A JP 34561295 A JP34561295 A JP 34561295A JP H09157771 A JPH09157771 A JP H09157771A
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pressure
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cbn
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JP7345612A
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Masami Uzawa
正美 鵜澤
Makoto Kyoda
誠 鏡田
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Taiheiyo Cement Corp
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Chichibu Onoda Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本来立方晶窒化硼素が準安定な状態となるよ
うな比較的低い圧力、温度の加圧焼結条件により、予め
被覆処理等を行った原料を用いることなく、六方晶窒化
硼素を含まない高緻密な立方晶窒化硼素含有硬質複合材
料を優れた生産性で製造する方法を提供する。 【解決手段】 立方晶窒化硼素、酸化アルミニウム、金
属アルミニウム、周期律表4A、5A、6A族元素及び
Siの何れかの炭化物、窒化物、硼化物を1種以上、及
びアルカリ金属と酸素と珪素からなる化合物1種以上か
らなる混合物を100MPa以上、1000〜1500
℃で加圧焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は耐摩耗部材や切削用
工具部材などに適用できる高硬度を有する立方晶窒化硼
素含有無機系複合材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】立方晶窒化硼素(以下cBNという)
は、ダイヤモンドに次ぐ高い硬度であり、動的及び静的
耐摩耗材として広く使用されているアルミナ等のセラミ
ックス部材に比較して極めて高い耐摩耗性を示す。さら
にcBNは高い熱伝導度を有すると共に常温から高温に
至るまで鉄族金属との濡れ性がダイヤモンドに比較して
著しく小さいことからその焼結体は、鋳鉄、高硬度鋼、
及び従来の部材では切削が困難とされている耐熱合金等
に対する切削工具用部材として極めて適している。
【0003】一般に、cBN焼結体を得るためには50
00MPa以上の超高圧で焼結されている。これはcB
Nが高圧安定型の変態であるため、低圧安定型の六方晶
窒化硼素(以下、hBNという)への相転移を防ぐため
である。しかしながら超高圧焼結は他の焼結方法に比べ
生産コストが著しく高く、必ずしも生産性が優れている
とは云えない為、超高圧焼結によって製造された硬質材
料は低圧力下で製造された硬質セラミックス、サーメッ
ト及び超硬合金等に比較すると価格が数十倍以上と極め
て高価なものになっている。
【0004】この為、cBNにセラミックス、サーメッ
ト、超硬合金等の比較的高融点の無機物質を加えて複合
化することによって焼結体製造時の圧力を低下させるこ
とが行われてきた。このようなcBN含有無機複合焼結
体は、本来cBNが準安定となる圧力、例えば2000
MPa以下、及び温度、例えば1500℃未満の条件下
であってもcBNの相転移速度を著しく低減することが
できる為、実質的にはhBNを生成することなく、ある
程度緻密なcBN含有無機複合焼結体を作製することが
可能であることが報告されている(平成2年特許公開第
302371号)。しかしこのような製造方法では、複
合焼結体に占めるcBNの存在割合が多くなるにつれh
BNへの転移を抑えて高緻密な焼結体を得るのが困難に
なり、一方cBNの存在割合が少なくなるにつれ焼結体
に反映されるcBN本来の性状が急激に失われる傾向が
ある。更に、該製法による複合焼結体ではcBN含有量
の多少に拘わらず、cBNと該無機物質との強固な結合
が見られないので、機械的な性状面に於いては必ずしも
優れているとは云い難く、複合化による性状強化が十分
発揮され難かった。
【0005】一方、cBN粉末を主に高融点の無機物質
で予め被覆し、これを原料として焼結したものは、前記
のようなcBNの準安定な圧力温度域に於いても比較的
高緻密な焼結体が得られることが報告されている。(平
成7年特許公開第172923号、平成7年特許公開第
53270号)この場合、焼結圧力を低下させることに
よってもたらされる生産コストの低下が期待されるもの
の、予め個々のcBN粒子全てに満遍なく被覆する必要
があり、また一般に反応活性に乏しい高融点化合物の被
覆はCVD法やプラズマ法によって処理しなければ十分
な密着性を有する被覆物を製造することができず、この
ような煩雑で制約が多い被覆工程が加わる上に高価な製
造装置を必要とする為、生産性の著しい向上は期待でき
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、被覆処理を
行ったcBN粉末を用いずに、本来cBNが準安定状態
となるような比較的低い圧力、温度の加圧焼結条件によ
り、機械的性状が脆弱なhBNを生成させることなく、
かつ分散相としてのcBNが有する優れた耐摩耗特性及
び基材相としての高融点無機物質が有する強度特性等も
極力損なうことなく両相が強固に結合したcBN含有無
機系硬質複合材料をより低コストで製造することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
に鑑み、種々研究を行った結果、予め高融点無機化合物
で被覆を施したcBN粉末を用いることなく、cBN粉
末と酸化アルミニウム粉末、金属アルミニウム粉末、周
期律表4A、5A、6A族の元素及びSiの何れかの炭
化物、窒化物、硼化物の何れか1種またはこれら2種以
上を組み合わせた高融点硬質無機系粉末に低融点化合物
であるLi、Na、Kの何れかと酸素と珪素からなる化
合物1種以上を混合したものを、本来cBNが準安定な
状態となるような焼結条件で加圧焼結することにより、
cBNがhBNに相転移することなく、cBN分散粒子
が高融点硬質無機系基材に強固に結合した高緻密な複合
焼結体が容易にかつ比較的安価に得られることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、立方晶窒化硼素粉末30
〜65容量%、酸化アルミニウム粉末20〜50容積
%、金属アルミニウム粉末0.1〜10容量%、Li、
Na、Kの何れかと酸素と硼素からなる化合物1種以上
を0.1〜8容量%、Si及び周期律表4A、5A、6
A族元素の炭化物、窒化物、硼化物の何れか1種以上の
粉末を10〜30容量%含む混合物を、圧力100MP
a以上、温度1000〜1500℃で加圧焼結すること
を特徴とする立方晶窒化硼素含有硬質複合材料の製造方
法である。
【0009】また、本発明は、前記Li、Na、Kの何
れかと酸素と珪素からなる化合物が、メタ珪酸リチウ
ム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウムの何れかの
水和物又は無水塩であることを特徴とする立方晶窒化硼
素含有硬質複合材料の製造方法である。
【0010】また、本発明は、立方晶窒化硼素粉末30
〜65容量%、酸化アルミニウム粉末20〜50容積
%、金属アルミニウム粉末0.1〜10容量%、Li、
Na、Kの何れかと酸素と硼素からなる化合物1種以
上、又は該Li、Na、Kの何れかと酸素と珪素からな
る化合物が、メタ珪酸リチウム、メタ珪酸ナトリウム、
メタ珪酸カリウムの何れかの水和物又は無水塩であるも
の1種以上を0.1〜8容量%、Si及び周期律表4
A、5A、6A族元素の炭化物、窒化物、硼化物の何れ
か1種以上の粉末を10〜30容量%含む混合物を、圧
力が500〜2000MPa、温度が1100〜125
0℃で加圧焼結することを特徴とする立方晶窒化硼素含
有硬質複合材料の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の方法によって製造される
立方晶窒化硼素含有硬質複合材料の形態としては、cB
Nを除く高融点硬質無機物質を主体とする基材相中にc
BN粒子が分散相として存在する緻密質の焼結体であ
る。該硬質複合材料を得るための原料としては、cBN
粉末、酸化アルミニウム粉末、金属アルミニウム粉末及
びSi及び周期律表4A、5A、6A族の元素の炭化
物、窒化物、硼化物より選択された1種以上の金属化合
物若しくは固溶体からなる粉末、更にLi、Na、Kの
酸素と珪素を含む化合物何れか1種以上の粉末を混合し
たものを用いる。以下本発明で用いる各原料について詳
しく説明する。
【0012】原料に用いるcBN粉末としては、粒径が
100μm未満の粉末が望ましい。粒径が100μm以
上では強度の低下が顕著となるので好ましくない。この
cBN粉末の原料混合物中に於ける配合量は30〜65
容量%、望ましくは45〜65容量%とする。30容量
%未満ではcBN固有の硬度を十分活かせた優れた耐摩
耗性を有する複合材料が得られず、65容量%を越える
と、複合材料中でのcBN量が過多となり、cBN以外
の成分を主体とする連続したセラミックス基材相が形成
され難くなり、その結果、高緻密で高強度の材料を得る
ことができ難くなるので好ましくない。
【0013】酸化アルミニウム粉末としては比較的純度
の高い市販品であれば何れのものでも用いることができ
る。原料混合物中に於ける酸化アルミニウム配合量は2
0〜50容量%、望ましくは25〜40容量%とする。
20容量%未満ではcBNと酸化アルミニウム以外の物
質の存在割合が多くなって焼結を行う上でより高温、高
圧を必要とするので好ましくなく、また50容量%を越
えると、cBNや酸化アルミニウム以外の成分の割合が
少なくなり得られた複合材料の耐摩耗特性や強度及び耐
熱性や熱衝撃抵抗が低下するので好ましくない。
【0014】Siの炭化物、窒化物、硼化物の粉末とし
ては市販のSiC粉末、Si34粉末、SiB4粉末を
用いることができ、このような金属珪素化合物に於いて
はそれ自体の高緻密焼結の際通常使用されている公知の
焼結助剤が含まれたものを用いても良い。また、原料に
用いる周期律表4A、5A、6A族元素の炭化物、窒化
物、硼化物の粉末としてはTiC、ZrC、HfC、V
C、NbC、TaC、Cr32、Mo2C、WC、Ti
N、ZrN、HfN、VN、NbN、TaN、Cr
32、Mo2N、WN、TiB2、ZrB2、HfB2、V
2、NbB2、TaB2、Cr34、MoB2、WB2
の各粉末、又はこのうち2種以上からなる混合粉末、或
いはTiC、ZrC、HfC、VC、NbC、TaC、
Cr32、Mo2C、WC、TiN、ZrN、HfN、
VN、NbN、TaN、Cr32、Mo2N、WN、T
iB2、ZrB2、HfB2、VB2、NbB2、TaB2
Cr3 4、MoB2、WB2の何れか2種以上からなる固
溶体粉末を用いる。このSi及び周期律表4A、5A、
6A族元素の炭化物、窒化物、硼化物の何れか1種以上
の粉末の原料混合物中での配合量は10〜30容量%、
より望ましくは15〜25容量%とする。10容量%未
満では前記成分に概ね共通する高温特性、即ち高温高硬
度、高温高強度等が十分反映された複合材料が得難くな
り、30容量%を越えると難焼結成分の含有比率が大と
なって緻密化がかなり進み難くなるので好ましくない。
【0015】金属アルミニウム粉末としては、市販の金
属アルミニウムの高純度粉末を用いることができ、その
原料混合物中の配合量は0.1〜10容量%とする。金
属アルミニウム粉末の配合量が0.1重量%未満では焼
結体の密度や強度の低下となり、10容量%を越えると
溶融Alが基材相中に析出して複合材料の機械的性質が
著しく低下することがあるので好ましくない。
【0016】また、原料に用いるLi、Na、Kの酸素
と珪素を含む化合物としては、例えばLi2SiO3、L
4SiO4、Li2SiO3・H2O、Li6Si27、N
2SiO3、Na4SiO4、Na2Si25、Na2Si
49、Na2O・xSiO2・nH2O(但し、x=2〜
4、n≧1)、K2SiO3等を挙げることができ、これ
らのうちから適宜選択されたものを用いる。その原料混
合物中の配合量は0.1〜8容量%とする。0.1容量
%未満では緻密化が不足したり、cBN粒と基材相との
結合状態が低下し、例えば強度低下や脱粒等が生じ易く
なるので好ましくない。また8容量%を越えると焼結体
中に存在するLi、Na、Kの何れか1種以上を含む低
融点物質の割合が増大し、硬度を始め強度や靱性などの
機械的性質が低下することがあるので好ましくない。
尚、前記外のアルカリ金属、即ちRb、Csについても
その酸素と珪素を含む化合物を同様に用いることができ
る。
【0017】これらの原料を用いて立方晶窒化硼素含有
硬質複合材料を得るまでの製造工程の詳細を以下に示
す。各原料成分は前記所定の配合量になるように秤量、
混合し、原料混合物を作製する。原料の混合は、公知の
湿式混合、例えばエチルアルコール或いはイソプロピル
アルコール等の有機溶媒を用いてボールミル中で混合す
ることで対応できるが、本発明では有機溶媒の代わりに
水などの無機系溶媒を用いることもできる。次いでこの
原料混合物を必要に応じ減圧乾燥や噴霧乾燥等で適宜乾
燥し、乾燥原料混合物をプレス成形等で所望の形状に成
形した成形物を加圧焼結するか、或いは未成形の原料混
合物を所望形状の加圧用セルに入れて加圧焼結する。
【0018】加圧焼結は、圧力100MPa以上、温度
1000〜1500℃で行う。例えばcBNが単独で安
定に存在する領域で加圧焼結するのであれば圧力500
0〜6000MPa、温度1400〜1500℃が一般
的な条件となるが、cBNが単独では準安定に存在する
と考えられる比較的低い圧力、温度領域では製造コスト
の著しい低減化が図れ、本発明ではこのような加圧温度
条件に於いても複合材料中でcBNが脆弱相であるhB
Nへ相転移することを十分抑えることができる為、cB
Nが単独では準安定に存在すると考えられる圧力及び温
度条件で加圧焼結することが特に推奨される。このよう
な条件として好ましくは、圧力500〜2000MP
a、温度1100〜1250℃で行うのが良い。一方、
温度1000℃未満では焼結が十分進展し難く緻密化が
不十分になり易く、逆に温度が1500℃を越える場合
や圧力が100MPa未満では、cBNが非安定とされ
ている領域となるため、脆弱相であるhBNへの相転移
が生じることがあるので好ましくない。また加圧焼結の
保持時間は圧力と温度に依存するが、概ね5〜30分程
度で対応できる。尚、焼結時の雰囲気についてはcBN
や基材相の非酸化物成分の酸化を直接引き起こすような
高い酸化性雰囲気でない限りは特に限定されず、例えば
空気中でも可能であるが、より望ましくは真空中やアル
ゴンガス等の不活性ガス中で焼結すると良い。
【0019】このような加圧焼結に用いる装置としては
圧力100MPa以上、温度1000℃以上を発生でき
る装置であれば何れの装置でも良い。そのような装置の
一例としては、ホットプレス装置、HIP装置、ピスト
ンシリンダー型、フラットベルト型、ガードル型、ブリ
ッジマン型、キュービックアンビル型等の高圧、又は超
高圧加熱装置を挙げることができる。このような条件、
装置にて加圧焼結を行うことにより、hBNを含まない
cBN粒子が、酸化アルミニウムと微量のムライトやそ
の固溶体及び、Si及び周期律表4A、5A、6A族元
素の炭化物、窒化物、硼化物の何れか1種以上の成分を
主体とし、これにアルカリ金属であるLi、Na、Kの
酸素及び/又は珪素を含む物質の何れか1種以上が加わ
ったものから成る連続した基材中に分散された高緻密な
立方晶窒化硼素含有硬質複合材料を製造することができ
る。
【0020】
【作用と効果】本発明に於けるLi、Na、Kのような
アルカリ金属の酸素と珪素を含有する化合物は、加圧焼
結の前又は初期段階においてcBN粒子、及び他の基材
相構成成分とそれぞれ反応若しくは固溶し、cBN粒子
と基材相との間の反応活性を増大させ、その結果、複合
焼結体中で分散相と基材相との間に比較的強固で化学的
な結合状態が形成されると考えられ、その結果焼結体中
でcBN粒子は基材相に強く保持されて脱粒が起こり難
くなる他、焼結体の強度向上にも繋がる。更に温昇過程
中で、アルカリ金属の酸素と珪素を含む化合物の一部の
珪酸成分が分離し、該珪酸成分が基材相中で、特に酸化
アルミニウム表面部と反応し酸化アルミニウムの粒界に
高融点化合物であるムライトやその固溶体を生成する。
このムライトは、基材相を構成する他の高融点硬質無機
物質に比べ熱膨張率が低く、基材相の熱衝撃抵抗を向上
させる。
【0021】また、アルカリ金属の珪酸塩は、水系溶媒
中での分散効果が優れる為、本発明では原料調整段階に
於いて有機系以外の溶媒、即ち、無機系溶媒である水を
用いることもできる。従って、取り扱いがより簡易にな
り、コストの低減化にも結びつく他、有機系溶媒を用い
たときに屡々生じる加熱後の残存炭素不純物による焼結
体性状の劣化を回避することができる。
【0022】また更に、本発明によれば、cBN粉末は
例えば高融点無機化合物で予め被覆しなくとも、cBN
の準安定領域といわれている圧力、温度でhBNを生成
することなく十分緻密な高硬度の複合焼結体を製造する
ことができる。この理由についてはcBN粒の界面付近
に比較的低温の焼結の前段階から低融点のアルカリ金属
と珪素とを含む化合物がcBN本体表面部と反応し、こ
の反応生成物がcBN表面に形成されることによりhB
Nへの相転移を抑制するものと考えられる。このように
本法は従来方法よりも特に焼結圧力を低くすることがで
き、かつ高価な装置を要す被覆工程を不要とし、しかも
比較的容易に高緻密な焼結体を製造することができるた
め生産性の大幅な向上と生産コストの大幅な低減化が可
能となる。本発明は、高硬度、高耐摩耗性のみならず、
優れた靱性、耐欠損性、強度、及び加工性を備えた高緻
密な複合材料を得ることができる為、耐摩耗用途や金属
切削用途の部材製造用としても極めて適した製造方法で
ある。
【0023】
【実施例】以下、実施例及び比較例によりこの発明を具
体的により詳しく説明する。 [実施例1] 平均粒径0.5μmの酸化アルミニウム
粉末、平均粒径3.0μmの金属アルミニウム粉末、平
均粒径1μmの窒化チタン粉末(純度99.5%)、平
均粒径1μmの硼化タンタル粉末(純度99.5%)、
平均粒径約1μmの炭化タングステン粉末(純度99.
5%)、平均粒径約1μmの窒化珪素粉末(純度99.
5%)、平均粒径約3μmのcBN粉末、平均粒径約5
μmのメタ珪酸リチウム粉末、平均粒径約10μmのメ
タ珪酸ナトリウム粉末、粘液状のメタ珪酸ナトリウム水
和物、平均粒径約5μmのメタ珪酸カリウム粉末を、表
1に記した7種類の原料配合割合となるようそれぞれア
ルミナ製ポットに入れアルミナボールで72時間水を用
いて湿式混合後、混合物を噴霧乾燥して顆粒を作成し、
これをプレス成形にて直径約5cm厚さ約2cmの円柱
形状に成形した。この成形物をピストンシリンダー型高
圧焼結炉を用いて空気中、1000MPa、1250℃
で15分間加圧焼結した。得られた焼結体(本発明品1
〜7)の成分を粉末X線解折により分析したが、何れも
hBNは検出されず、各原料組成に概ね対応した高融点
物質とcBNを主体とする成分及び微量のムライトが検
出された。
【0024】
【表1】
【0025】また、この焼結体の機械的性質を以下の如
く測定し、測定値を表1に記す。尚、相対密度について
はJIS−C2141に準じた方法で測定した嵩比重と
真比重から算出し、ビッカース硬度については圧子荷重
を5kgとして測定し、曲げ強度についてはJIS−R
1601に準拠した三点曲げ強度(室温)を測定した。
【0026】[実施例2] 平均粒径0.5μmの酸化
アルミニウム粉末26容量%、平均粒径3.0μmの金
属アルミニウム粉末2.5容量%、平均粒径約1μmの
窒化チタン粉末(純度99.5%)20.1容量%、平
均粒径約8μmのメタ珪酸ナトリウム粉末1.1容量
%、平均粒径約3μmのcBN粉末50.3容量%を原
料とし、前記実施例1と同様の方法にて直径約5cm厚
さ約2cmの円柱形状の未焼成成形物を作製した。これ
をピストンシリンダー型高圧焼結炉により表2に記す条
件で加圧焼結するか(本発明品8〜13)、又は、該成
形物をSUS310製容器中に脱気封入し、Arガスを
圧力媒体とした熱間等方加圧装置(HIP)にて表2に
記す条件で加圧焼結を行い(本発明品14)、焼結体を
作製した。
【0027】
【表2】
【0028】得られた焼結体(本発明品8〜14)の成
分を粉末X線解折により分析したが、何れもhBNは検
出されず、cBN、Al23、及びTiNを主体とする
成分と微量のムライトが検出された。また、この焼結体
の機械的性質を実施例1と同様の方法で測定した結果を
表2に記す。
【0029】[比較例1] 平均粒径0.5μmの酸化
アルミニウム粉末33.9容量%、平均粒径3.0μm
の金属アルミニウム粉末3.2容量%、平均粒径約1μ
mの窒化チタン粉末(純度99.5%)25.2容量
%、平均粒径約3μmのcBN粉末37.7容量%を原
料とし、実施例1と同様の方法及び加圧焼結の条件にて
直径約5cm厚さ約2cmの円柱形状の焼結体を作製し
た。該焼結体の機械的性質を実施例1と同様の方法で測
定した結果、相対密度99.3%、ビッカース硬度27
50、曲げ強度100MPaとなり曲げ強度がかなり低
いものとなった。
【0030】[比較例2] 平均粒径0.5μmの酸化
アルミニウム粉末33.9容量%、平均粒径3.0μm
の金属アルミニウム粉末3.2容量%、平均粒径約1μ
mの窒化チタン粉末(純度99.5%)25.2容量
%、平均粒径約3μmのcBN粉末37.7容量%を原
料とし、前記実施例1と同様の方法にて直径約5cm厚
さ約2cmの円柱形状の未焼成成形物を作製した。これ
をSUS310製容器中に脱気封入にしてArガスを圧
力媒体とした熱間等方加圧装置(HIP)にて圧力10
0MPa、温度1250℃で60分加圧焼結した。得ら
れた焼結体の成分を粉末X線解折により分析した結果、
hBNが検出され、また該焼結体の機械的性質を実施例
1と同様の方法で測定した結果、相対密度92%、ビッ
カース硬度2300、曲げ強度105MPaとなり機械
的性状が著しく低いものとなった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立方晶窒化硼素粉末30〜65容量%、
    酸化アルミニウム粉末20〜50容積%、金属アルミニ
    ウム粉末0.1〜10容量%、Li、Na、Kの何れか
    と酸素と珪素からなる化合物1種以上を0.1〜8容量
    %、Si及び周期律表4A、5A、6A族元素の炭化
    物、窒化物、硼化物の何れか1種以上の粉末を10〜3
    0容量%含む混合物を、圧力100MPa以上、温度1
    000〜1500℃で加圧焼結することを特徴とする立
    方晶窒化硼素含有硬質複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 Li、Na、Kの何れかと酸素と珪素か
    らなる化合物が、メタ珪酸リチウム、メタ珪酸ナトリウ
    ム、メタ珪酸カリウムの何れかの水和物又は無水塩であ
    ることを特徴とする請求項1記載の立方晶窒化硼素含有
    硬質複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 圧力500〜2000MPa、温度11
    00〜1250℃で加圧焼結することを特徴とする請求
    項1又は2記載の立方晶窒化硼素含有硬質複合材料の製
    造方法。
JP7345612A 1995-12-08 1995-12-08 立方晶窒化硼素含有硬質複合材料の製造方法 Pending JPH09157771A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8354353B2 (en) 2008-09-17 2013-01-15 Diamond Innovations, Inc. Cubic boron nitride ceramic composites and methods of making thereof

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