JPH09157743A - 磁気シールド用電磁鋼板とその製造方法 - Google Patents

磁気シールド用電磁鋼板とその製造方法

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JPH09157743A
JPH09157743A JP7320713A JP32071395A JPH09157743A JP H09157743 A JPH09157743 A JP H09157743A JP 7320713 A JP7320713 A JP 7320713A JP 32071395 A JP32071395 A JP 32071395A JP H09157743 A JPH09157743 A JP H09157743A
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magnetic
less
steel sheet
steel
silicon steel
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Ryuji Ogata
龍二 緒方
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 核磁気共鳴断層撮影装置に適する、漏洩磁気
を遮断するのに好適な、優れた磁気特性を有しつつ加工
性においても優れた磁気シールド用電磁鋼板を開発す
る。 【解決手段】 重量%でC:0.02%以下、Si:0.50〜1.
00%、Mn:0.30%以下、P:0.10%以下、S:0.01%以
下、sol.Al:0.005 %未満、さらに、Nb:0.005 〜0.03
0 %およびTi:0.005 〜0.100 %のうちの1種もしくは
2種、残部をFeおよび不可避的不純物から成る鋼組成を
有し、フェライト結晶粒度番号が2以上の細粒とし、最
大透磁率 (μmax ) 10000 以上、磁束密度 (B1) 10000
ガウス以上の磁気特性を有する電磁鋼板であり、製法と
しては、上記の組成を有する鋼片をAc3点以上に加熱し
てオーステナイト域で熱間加工を終了し、その後に750
℃以上910 ℃以下で歪み取り熱処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気シールド用電
磁鋼板、例えば、漏洩磁気を遮断するのに好適な、低磁
場域における優れた磁気特性を有する磁気シールド用鋼
板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の著しい科学技術の進展にともな
い、たとえば医療機器の分野においては、核磁気共鳴断
層撮影装置 (MRI) が実用化され、積極的に導入され
ている。しかし、この核磁気共鳴断層撮影装置の使用に
際しては、発生する多量の磁気を周囲環境に対して遮断
する必要がある。したがってこの核磁気共鳴断層撮影装
置の構造部材として用いられる鋼板には磁気遮断特性が
求められており、その鋼板の板厚も、装置自体が大型で
あることから、20mm以上であることが多い。
【0003】ところで、優れた磁気遮断特性すなわち高
透磁率を有する厚板用電磁軟鉄は、前述の核磁気共鳴断
層撮影装置のみならずサイクロトロン等の大型科学実験
装置、核融合装置、あるいは医療機器等のカバー、構造
材として、さらには磁気シールド材としても使用される
材料である。
【0004】そこで、近年の科学技術の成果をさらに進
展させるためにはかかる磁気シールド用電磁軟鉄につい
て、透磁率、磁束密度等に代表される磁気特性をさらに
十分に満足するような材料を開発することが各分野から
強く望まれている。一方、このような磁気シールド性を
有する市販鋼板としては電磁軟質鋼板があり、一般に変
圧器で使用される薄板が周知である。
【0005】これは従来から磁気特性に優れた鋼材とし
てJIS C 2503またはJIS C 2504に規定される電磁軟鉄
棒、電磁軟鉄板である。JIS C 2503に規定されるものは
1.0 〜1.6 mmの直径の棒材であり、またJIS C 2504に規
定されるものは0.6 〜4.5 mm厚の薄板であり、いずれも
リレー用または電磁石モーター鉄芯用として小型部品へ
の適用を対象としたものである。
【0006】また磁気用としては規格・分類されてない
もののJIS G 4051に規定される機械構造用炭素鋼材であ
るS10Cを用いて250 mm幅に加工し、磁性材料 (電磁石鉄
芯)として利用している例が認められる。
【0007】さらに、特開昭60−96749 号公報、特公昭
63−45442 号公報または特公昭63−45443 号公報により
開示されているようにsol.Alの量を0.005 〜1.00重量%
と多く含有し、Siをある程度低減したAl脱酸型極低炭素
鋼である直流磁化用鋼板 (磁気シールド用厚鋼板)とそ
の製造方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの公知
方法では優れた磁気特性を有する鋼板を製造することが
可能であるものの、いずれも結晶粒を著しく粗大化させ
ることを特性確保の第1条件としているために、切削等
の軽加工が加わった場合、あるいは極厚材の特性確保に
難点がある。
【0009】またJIS 規格に制定されている鋼種では磁
気シールド性能を確保できない。すなわち JIS C 2503もしくはJIS C 2504に示されている電磁軟
鉄棒または電磁軟鉄板は前述のような小型の部品を適用
の対象にしており構造用部材としての機械的特性が全く
考慮されていない。したがって、たとえば前述の磁気共
鳴断層撮影装置にこの電磁軟鉄板を適用する場合、装置
の強度確保のために数10枚程度積層する必要があり、製
造コスト・品質の観点から現実には実施化を図ることが
できない。
【0010】JIS G 4051に示される機械構造用炭素鋼
材を用いた例では、磁気特性については何等考慮されて
いないため加工性は良好であるものの最大透磁率μmax
が1800以下ときわめて低い値しか得られていない。した
がって、やはり目的とする磁気シールド用電磁鋼板を提
供することはできない。
【0011】特開昭60−96749 号公報において開示さ
れた電磁鋼板は、最大透磁率12850 程度まで高めること
ができる。また特公昭63−45442 号公報または特公昭63
−45443 号公報において開示された方法においても最大
透磁率 (μmax)2000〜5000程度に高めることが可能であ
る。また特公平6−13747 号公報において開示された方
法においては、成分系と結晶粒径の制御により最大透磁
率 (μmax)を12000 以上程度までに向上させている。
【0012】しかしながら、以上の方法においては、 規格に準じた製法では対応不可。 加工性を向上させた場合、磁気特性が犠牲になる。 優れた磁気特性を有せしめるためには(a) 鋼中不純物
を極力低減させて純鉄に近い成分にするか、もしくは脱
酸材として適量の珪素 (以下Siと記す) もしくはAlを添
加する、(b) 圧延成形時に制御圧延を施すことにより結
晶粒に加工歪みを付加し、圧延後、Ac3 点以下の温度領
域において熱処理を加えることにより結晶粒を粗大化さ
せる、(c) 結晶粒粗大化に伴い、磁区が粗大化するため
低磁場域磁気特性が改善される、というプロセスを踏む
が、その場合、結晶粒の粗大化すなわち磁区の粗大化が
磁気特性改善のポイントであるため(d) 鋼材の切削性が
きわめて悪く、軽加工性に難あり、(e) 外部応力による
磁区の微細化が生じ易く、軽加工あるいは熱処理時の熱
応力により容易に磁気特性が低下する、という欠点があ
った。
【0013】以上のように、これらの公知の手段におい
ては、例えば核磁気共鳴断層撮影装置に最適な磁気特性
を確保しつつ、加工性に優れた磁気シールド用電磁鋼板
を製造することは困難であった。
【0014】ここに、本発明の目的は、例えば核磁気共
鳴断層撮影装置の構造材用として、漏洩磁気を遮断する
のに好適な、優れた磁気特性を有しつつ加工性において
も優れた磁気シールド用電磁鋼板とその製造方法を提供
することにある。
【0015】本発明の具体的目的は、最大透磁率 (μma
x)10000 以上、磁束密度(B1) 10000ガウス以上の磁気特
性を有する磁気シールド用電磁鋼板とその製造方法を提
供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために種々検討を重ねた結果、磁気特性が良
好でかつ加工性に優れた (むしれ等の生じにくい) 磁気
シールド用電磁鋼板の製造に関して重要な点は、 フェライトの純度を極限まで高めること、および、 結晶粒径の著しい粗大化を抑えることであることを見
い出した。
【0017】すなわち、フェライト純度を極力高めるこ
とにより、従来磁気特性向上に必須とされた異常粒成長
を生じせしめることなく、磁気シールド用鋼板として用
いるに十分な磁気特性が得られることが可能であること
を見い出し、本発明を完成させた。
【0018】ここに、本発明の要旨とするところは重量
%でC:0.02%以下、Si:0.50〜1.00%、Mn:0.30%以
下、P:0.10%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.005
%未満、さらに、Nb:0.005 〜0.030 %およびTi:0.00
5 〜0.100 %のうちの1種もしくは2種の添加を必須と
し、残部をFeおよび不可避的不純物からなり、フェライ
ト結晶粒度番号が2以上の細粒であることを特徴とする
最大透磁率 (μmax ) 10000 以上、磁束密度 (B1) 1000
0 以上の磁気特性を有する磁気シールド用電磁鋼板であ
る。
【0019】さらに別の面からは、本発明は、上記鋼組
成を有する鋼片をAc3 点以上に加熱してオーステナイト
域で熱間加工を終了し、その後に750 〜910 ℃で歪み取
り熱処理を行うことを特徴とする磁気シールド用電磁鋼
板の製造方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその作用効果とと
もに詳述する。まず、本発明における開発技術の考え方
を従来技術のそれと比較しながら説明する。
【0021】すなわち、従来技術にあっても、鋼中不純
物の低減を図り適量の脱酸材を添加しており、これによ
りフェライトの純度の向上を図っていたのである。しか
し、製造に際しては圧延時に低温仕上げを行い、高温熱
処理を行うことで、異常粒成長の促進と結晶粒粗大化そ
して加工時の歪みの除去を図っていたのである。これに
より製造された電磁鋼板としては磁区回転の容易化が促
進されるが、それも磁区の粗大化を伴うものであった。
【0022】一方、本発明によれば、単に鋼中不純物の
低減をはかるばかりでなく、適量のSiを脱酸材として添
加(Al は痕跡量だけ) し、さらに微量のNbおよびTiを添
加するのであり、これにより、フェライトの純度向上は
従来技術と同様であるが、微量のNbおよびTiの添加によ
り従来技術とは異なり、粒成長の抑制を鋼組成を調整す
ることで図っているのである。このようにして鋼組成を
調整してから、熱間圧延を行うに際しては、低温仕上げ
を行うことなく、普通の圧延を行うだけでよく、それに
続く熱処理に際しても歪み取り熱処理を付加するだけで
よい。これにより異常粒成長を経ることなく磁区回転の
容易化を促進することができるのである。また、従来の
ように磁区の粗大化、つまり粗粒化をもたらすことがな
いことから、加工による磁気特性の低下を軽減すること
ができる。
【0023】つまり、本発明によれば、Siを微量添加す
ることによるフェライト純度の向上と共に、微量の炭窒
化物形成元素すなわちNbもしくはTiをそれぞれ単体でも
しくは複合して添加することにより、鋼中に残存する遊
離のN、Cを結晶粒界に固着させ、さらにフェライト純
度を高めることにより磁区回転を容易にし、磁気特性を
向上させる。一方、粒界に生成したNb、Tiの炭窒化物は
いわゆるピンニング効果により結晶粒界の移動を妨げ、
異常粒成長の発生を抑制するため整粒化が促進され、良
好な加工性が確保できる。
【0024】また、特性確保のために異常粒成長を必要
としないことから、特定温度以下での圧下量の規定や厳
密な仕上げ温度の抑制およびAc3 変態点直下での熱処理
が不要であり、生産性向上に大きく寄与することが確認
された。
【0025】次に、本発明にかかる磁気シールド用鋼板
の成分系を上述のように制限した理由について説明す
る。なお、本明細書において「%」は特にことわりのな
い限り「重量%」を意味するものとする。
【0026】Cはその含有により磁気特性を最も低下さ
せる元素であるため極力低減することが望ましい。しか
しながらCの低減化は多くの工程を必要とし、製造コス
トの上昇につながることから、パーライトを形成するこ
となく、フェライトに固溶する限界である0.02%を上限
とする。好ましくは0.01%以下である。
【0027】Siはその添加により鋼の脱酸作用を生じる
とともに、フェライトに固溶し、フェライト中に固溶し
た状態で存在するC、Nを粒界へ掃き出す効果があり、
磁気特性改善に大きな効果が認められる。しかしSi含有
量の増加に伴い、磁気特性改善・向上に必要な歪み取り
のための熱処理温度の上昇を生じせしめるとともに、熱
伝達率の低下を招き、極厚品の熱処理において鋼板内外
面の温度差が発生しやすくなるため熱応力の発生を招
き、ひいては磁気特性の低下を招くことから、その添加
量の範囲を0.50〜1.00%とする。好ましくは、0.50〜0.
60%である。
【0028】MnはC等と同様に磁気特性の低下を招くも
のの、脱酸材としての働きも認められ、また本発明にか
かる電磁鋼板が大型構造物に用いられることも考慮する
と、強度上昇のために若干の添加も必要であると考えら
れ、磁気特性を低下せしめない程度としてその上限を0.
30%とした。好ましくは0.10%以下である。
【0029】P、Sはそのどちらもが鋼中に非金属介在
物を形成しやすく、鋼の清浄性を保つ意味においてもそ
の含有量は少ない方が望ましいが、しかし、その低減は
大きなコスト上昇を伴うことから、Sにおいては0.01%
を、Pにおいては0.100 %をその上限とする。好ましく
はそれぞれ 0.003%以下、0.01%以下とする。
【0030】NbおよびTiは本発明の鍵となる添加元素で
ある。フェライトマトリックス中の結晶格子間に存在す
る侵入型元素のC、Nは精錬工程においてどれだけ低減
させても必ず極微量は存在してしまう。これら2つの元
素は磁区の回転を最も顕著に阻害するため、鋼中に固溶
した状態で存在するこの元素をいかに磁気特性を低下さ
せることなく炭窒化物として安定な状態にするかが問題
であった。
【0031】従来より磁気シールド材においては、Alが
固溶状態のNをAlN として固着させることは知られてい
たが、Cの安定化作用がないため、粒成長を阻害する単
なるピンニング効果しか持ち合わせていず、磁気特性改
善のネックとなっていた。しかしながら、NbおよびTiは
それぞれ炭窒化物を形成するとともに、複合添加した場
合においても粗大なNbTi系炭窒化物を形成し、鋼中で固
溶した状態で存在するC、Nを固着・安定化させ、磁気
特性改善に大きな効果をもたらす。これらの炭窒化物の
形成に伴い結晶粒の異常粒成長が極めて発生しにくい状
況となるが、フェライトの純度が上昇するため、異常粒
成長に伴う磁区の粗大化がなくとも磁気シールド用に十
分な磁気特性を確保することが可能となるのである。
【0032】このようなC、Nの固着に有効な添加量は
Nb、Tiとも0.005 %以上であるが大量の添加は大幅なコ
スト上昇となるばかりでなく、鋼の脆化を招くためその
上限をNbにおいては0.030 %、Tiにおいては0.100 %と
する。好ましくは、ぞれぞれ0.015 %以下、0.020 %以
下である。
【0033】sol.Alは鋼中にあっては磁気特性を低下さ
せる元素であるが、脱酸材として作用し鋼中の酸素を低
減させ、清浄性を確保する上で極めて有効な元素であ
る。しかしながら、本発明にあっては、Siの添加により
十分な脱酸が行われているため、敢えて磁気特性を低下
させる元素を積極的に添加させる必要はない。そこでso
l.Alの含有量を0.005 %未満とする。好ましくは0.003
%以下である。
【0034】さらに本発明にかかる磁気シールド用電磁
鋼板の製造方法についてその具体的条件について詳述す
る。鋼の溶製は転炉溶製法あるいは電気炉溶製法のいず
れの溶製法でもよく、さらに必要に応じて取鍋精錬ある
いは真空脱ガス等の精錬工程を経て、磁気特性低下の主
要因となるC、S、P等を極力低減させる。
【0035】次に熱間加工においては加工前Ac3 変態点
温度以上に加熱して圧延機を用いて圧延、もしくは鍛造
機を用いて鍛圧等により加工する。異常粒成長を生成さ
せる必要がないためフェライト域での圧延等加工を行う
必要がないため、生産コストの上昇を避ける意味でも極
力高温で仕上げるのが望ましい。つまり、熱間圧延の仕
上げ温度をオーステナイト域、例えば 900℃以上とする
ことができる。
【0036】熱間加工に引き続き、加工時に生じた歪み
の除去のために熱処理を行う。従来にあっては、高温で
の熱処理を行っていたが、異常粒成長を必要としないた
めAc3 点直下という880 〜900 ℃近傍の高温下での熱処
理は不要であり、磁区が再配列する磁気変態点直上であ
る750 ℃以上であればよい。上限は変態集合組織の形成
を生じせしめないために910 ℃とする。好ましくは 830
〜870 ℃である。このときの保持時間は板厚中央部まで
均一に行き渡る必要があるため、t/25.4時間 (t:板
厚mm) 以上であれば十分である。
【0037】かくして、本発明によれば、上述の鋼組成
を有するとともに低温熱処理を行うことによりフェライ
ト結晶粒度番号2以上、好ましくは粒度番号2〜3の細
粒であって、最大透磁率 (μmax ) 10000 以上、好まし
くは 12000以上、磁束密度(B1) 10000ガウス以上、好ま
しくは 12000ガウス以上のすぐれた磁気特性を有する磁
気シールド用鋼板を異常粒成長を生じることなく容易に
かつ確実に製造できる。
【0038】特に本発明にかかる磁気シールド鋼板は低
磁場域、例えば MRIルームシールドの用途におけるよう
な1エルステッドという低磁場域において有利である。
さらに本発明を実施例とともに詳述するがこれは本発明
の例示であり、これにより本発明が限定されるものでは
ない。
【0039】
【実施例】表1に供試材の化学成分を、表2に供試材の
製造条件を、表3に各種試験結果を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】表3の例No.1〜6に本発明例の各種特性を
示す。異常粒成長を生じせしめることなく優れた磁気特
性が確保できている。例No.7〜15に比較例を示すが、例
No.7〜10は従来より提唱されている磁気シールド用電磁
鋼板の成分系を用いて特性評価したものである。製造時
にフェライト域での圧下を加えていないため微量圧延添
加鋼においては異常粒成長がまったく認められず、磁気
特性が不芳である (例No.7、8) 。また、Al非添加鋼に
おいては変態点直下の熱処理(880℃) において優れた磁
気特性を有するものの、異常粒成長が発生しており、加
工性等に難点がある。
【0044】例No.11 〜15に本発明の熱処理範囲が規定
外である場合の特性を示す。磁区の再配列が生じる磁気
変態点以下の温度領域においては顕著な磁気特性の改善
・向上は認められない。また950 ℃という高温において
は再結晶集合組織を生じるため磁気特性は低下する。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、例
えば漏洩磁気を遮断するのに好適な、極めて優れた磁気
特性を有する磁気シールド用電磁鋼板を容易にしかも確
実に提供できることとなった。かかる効果を有する本発
明の実用上の意義は極めて大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC:0.02%以下、Si:0.50〜1.
    00%、Mn:0.30%以下、 P:0.10%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.005 %未
    満、 さらに、Nb:0.005 〜0.030 %およびTi:0.005 〜0.10
    0 %のうちの1種もしくは2種、 残部をFeおよび不可避的不純物から成る鋼組成を有し、
    フェライト結晶粒度番号が2以上の細粒であることを特
    徴とする最大透磁率 (μmax ) 10000 以上、磁束密度
    (B1) 10000 ガウス以上の磁気特性を有する磁気シール
    ド用電磁鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%でC:0.02%以下、Si:0.50〜1.
    00%、Mn:0.30%以下、 P:0.10%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.005 %未
    満、 さらに、Nb:0.005 〜0.030 %およびTi:0.005 〜0.10
    0 %のうちの1種もしくは2種、 残部をFeおよび不可避的不純物から成る鋼組成を有する
    鋼片をAc3 点以上に加熱してオーステナイト域で熱間加
    工を終了し、その後に750 ℃以上910 ℃以下で歪み取り
    熱処理を行うことを特徴とする、フェライト結晶粒度番
    号が2以上の細粒であって、最大透磁率 (μmax) 10000
    以上、磁束密度 (B1) 10000 ガウス以上の磁気特性を
    有する磁気シールド用電磁鋼板の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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