JPH09157331A - 含フッ素共重合体およびその製造方法 - Google Patents

含フッ素共重合体およびその製造方法

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JPH09157331A
JPH09157331A JP32174895A JP32174895A JPH09157331A JP H09157331 A JPH09157331 A JP H09157331A JP 32174895 A JP32174895 A JP 32174895A JP 32174895 A JP32174895 A JP 32174895A JP H09157331 A JPH09157331 A JP H09157331A
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JP
Japan
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functional group
mol
air
monomer
curable functional
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Application number
JP32174895A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kondo
聡 近藤
Toshihiko Higuchi
俊彦 樋口
Hirotsugu Yamamoto
博嗣 山本
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐候性、耐汚染性に優れ一液タイプのコーティ
ング溶液に適した重合体を得る。 【解決手段】全重合単位に対して、フルオロオレフィン
に基づく重合単位(1)を20〜70モル%、空気硬化
性官能基を有する重合単位(2)を1〜80モル%、そ
の他の重合単位(3)を0〜70モル%の割合で有する
含フッ素共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は含フッ素共重合体お
よびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】含フッ素共重合体を主成分とする被覆材
料用組成物は耐候性、耐食性、防汚性、撥水性などに優
れることが知られている。しかし、含フッ素共重合体を
主成分とする被覆材料用組成物は、溶剤に溶解し難いな
ど作業性に問題があった。
【0003】これらの問題を解決する含フッ素共重合体
を主成分とする被覆材料用組成物として、フルオロオレ
フィン−ビニルエーテル系共重合体が知られており、塗
料用組成物として利用されている。当該樹脂組成物は耐
候性に優れ、建築物の耐久性を高める等の産業上の有益
性が認められつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの樹脂
の硬化にはポリイソシアネート系硬化剤またはメラミン
系硬化剤が必要であった。前者は常温硬化可能である
が、使用時に二液を混合する必要があるという不都合が
あった。また後者は前述の不都合は解消されるが、高温
の焼き付け作業が必要となり、基材が耐熱上の制約を受
ける。
【0005】本発明は従来技術の前述の欠点を解消し、
基材の制約を受けず、一液での使用ができ、常温で空気
中で自然に硬化する材料を与えようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の発明であ
る。
【0007】フルオロオレフィンに基づく重合単位
(1)を全重合単位に対して20〜70モル%、空気硬
化性官能基を有する重合単位(2)を全重合単位に対し
て1〜80モル%、その他の重合単位(3)を全重合単
位に対して0〜70モル%の割合で有する重合体であっ
て、数平均分子量が1000〜500000である、含
フッ素共重合体。
【0008】フルオロオレフィン(A)、(A)と共重
合可能でありかつ空気硬化性官能基を有する単量体
(B)およびその他の単量体(C)を、全重単量体に対
して(A)20〜70モル%、(B)1〜80モル%お
よび(C)0〜70モル%の割合で共重合することを特
徴とする含フッ素共重合体の製造方法。
【0009】フルオロオレフィン(A)、(A)と共重
合可能でありかつ空気硬化性官能基を導入しうる官能基
を含む単量体(E)およびその他の単量体(C)を、全
重単量体に対して(A)20〜70モル%、(B)1〜
80モル%および(C)0〜70モル%の割合で共重合
することにより含フッ素共重合体(D)を得た後、
(D)における該官能基の少なくとも一部を空気硬化性
官能基に変換することを特徴とする含フッ素共重合体の
製造方法。
【0010】上記含フッ素共重合体を含有する組成物。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の含フッ素共重合体は、フ
ルオロオレフィン(A)に基づく重合単位(1)を20
〜70モル%含有する。フルオロオレフィンに基づく重
合単位(1)とはフルオロオレフィン(A)を重合する
ことにより得られる重合単位である。
【0012】フルオロオレフィン(A)とはエチレン性
不飽和基を有する化合物であって、該エチレン性不飽和
基を形成する炭素原子に直結する水素原子の1個以上が
フッ素原子に置換されている化合物をいう。特に炭素数
2〜6の化合物が好ましく、炭素数2〜4の化合物が特
に好ましい。フルオロオレフィン(A)としてはフッ素
原子以外にフッ素原子以外のハロゲン原子を含む化合物
であってもよい。エチレン性不飽和基を形成する炭素原
子に直結する水素原子が完全にハロゲン原子に置換され
ているパーハロオレフィンが特に好ましい。
【0013】フルオロオレフィン(A)の具体例として
は、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、フッ
化ビニル、ヘキサフルオロプロピレンなどが挙げられ
る。
【0014】フルオロオレフィン(A)に基づく重合単
位(1)が20モル%未満では、充分な耐候性が発揮さ
れず長期にわたる使用において汚れなどが著しくなるこ
とがあり好ましくない。フルオロオレフィンに基づく重
合単位が70モル%超では、他の材料との密着性が低下
したり、溶剤への溶解性が低下し好ましくない。特に、
フルオロオレフィン(A)に基づく重合単位(1)を3
0〜60モル%含有することが好ましい。
【0015】本発明の含フッ素共重合体は空気硬化性官
能基を有する重合単位(2)を1〜80モル%の割合で
有する。この空気硬化性官能基を有するために、本発明
の含フッ素共重合体を含有する組成物は空気中に曝され
ることにより自然硬化皮膜を生成する。この硬化性部位
に基づいて、橋かけ結合が形成された硬化物は、その特
定の橋かけ構造により特に優れた耐候性、耐溶剤性が発
揮されるものと考えられる。
【0016】空気硬化性官能基を有する重合単位(2)
は、重合性部位を有する単量体を重合することにより得
られる重合単位であって、かつ、空気硬化性官能基を有
する重合単位であることが好ましい。
【0017】(2)における空気硬化性官能基とは、共
役二重結合を有する高級脂肪酸に由来するものが好まし
い。すなわち、共役二重結合を有する高級脂肪酸または
その誘導体と水酸基とを反応させて得られる基が好まし
い。
【0018】共役二重結合を有する高級脂肪酸またはそ
の誘導体としては分子鎖内に共役二重結合を有する炭素
数12以上の高級脂肪酸またはそのエステルが特に好ま
しい。このような高級脂肪酸としては具体的には、エレ
オステアリン酸、バナリン酸、リカニン酸、共役化リノ
レン酸などがある。
【0019】空気硬化性官能基を有する重合単位(2)
は、一方においては(A)と共重合可能でありかつ空気
硬化性官能基を含む単量体(B)を重合して得られる重
合単位であることが好ましい。また他方においては
(A)と共重合可能でありかつ空気硬化性官能基を導入
しうる官能基を含む単量体(E)を重合した後、該官能
基の少なくとも一部を空気硬化性官能基に変換して得ら
れる重合単位であることが好ましい。
【0020】空気硬化性官能基を有する単量体(B)は
(A)と共重合可能な重合性部位を有する。(A)と共
重合可能な重合性部位としては、たとえばビニル基、ア
リル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロ
ペニル基などが挙げられる。
【0021】単量体(B)は、(A)と共重合可能な重
合性部位を有しかつ水酸基を有する含有重合性単量体
(水酸基含有単量体(F))と共役二重結合を有する高
級脂肪酸またはその誘導体を反応させて得られる化合物
が好ましい。
【0022】水酸基含有単量体(F)としては、アリル
アルコール、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒド
ロキシアルキルアリルエーテル等が挙げられる。また、
アクリル酸、メタクリル酸、アリルグリシジルエーテル
等、の水酸基と反応しうる官能基を有する単量体とジオ
ールを反応させて得られる単量体も使用しうる。
【0023】さらに、単量体(B)は、このような水酸
基含有単量体(F)の水酸基と共役二重結合を有する高
級脂肪酸またはその誘導体を直接反応させることにより
空気硬化性官能基が導入されているものだけではなく、
ポリエーテル鎖、ポリウレタン鎖、ポリアミド鎖、およ
びポリエステル鎖から選ばれる1種以上からなるスペー
サを介して空気硬化性官能基が導入されているものも好
ましい。
【0024】ポリエーテル鎖、ポリウレタン鎖、ポリア
ミド鎖、またはポリエステル鎖は重合度の上限は20程
度が好ましい。重合性部位から空気硬化性官能基までの
距離が長くなりすぎると、含フッ素共重合体を硬化して
得られる皮膜が柔軟になりすぎ、耐候性、耐汚染性が低
下し好ましくない。
【0025】スペーサは特にポリエーテル鎖および/ま
たはポリエステル鎖であることが好ましい。ポリエーテ
ル鎖としては炭素数2〜10程度、特に炭素数2〜6の
アルキレンオキシドを開環重合して得られるポリエーテ
ル鎖が好ましい。特にプロピレンオキシドを開環重合し
て得られるポリエーテル鎖が好ましい。ポリエステル鎖
としてはカプロラクトン等の環状エステルを開環重合し
て得られるポリエステル鎖が好ましい。
【0026】本発明において、スぺーサは重合度2〜1
0のポリエーテル鎖またはポリエステル鎖であることが
特に好ましい。
【0027】具体的には水酸基含有単量体(F)に環状
エーテルや環状エステルを重合してポリエーテル鎖やポ
リエステル鎖を導入した後、上記の共役二重結合を有す
る高級脂肪酸またはその誘導体を反応させる方法が採用
できる。
【0028】(A)と共重合可能でありかつ空気硬化性
官能基を導入しうる官能基を含む単量体(E)として
は、上記空気硬化性官能基を導入する前の単量体が挙げ
られる。すなわち、水酸基含有単量体(F)や水酸基含
有単量体(F)にスペーサを形成した単量体などの空気
硬化性官能基を導入しうる重合性単量体であって、空気
硬化性官能基を導入する前の単量体である。
【0029】単量体(E)を用いる場合は、フルオロオ
レフィン(A)等と重合して、含フッ素共重合体(D)
を得た後、空気硬化性官能基を導入する。
【0030】また、この空気硬化性官能基を有する重合
単位(2)は、全重合単位に対して1〜80モル%の割
合で含まれる。この割合が1モル%未満では、架橋密度
が低下し耐候性、耐汚染性に良好な皮膜が得られない。
また80モル%超では、得られる皮膜が脆くなりすぎ、
また、硬化時間が長くなり作業上も適当でない。空気硬
化性官能基を有する重合単位(2)が全重合単位に対し
て5〜40モル%の割合で含まれることが特に好まし
い。
【0031】1種のみからなるフルオロオレフィン
(A)と1種のみからなる空気硬化性官能基を有する単
量体(B)または1種のみからなる空気硬化性官能基以
外の官能基を含む単量体(E)を共重合せしめた場合、
交互共重合する可能性が高く、特に、単量体(B)また
は単量体(E)がビニル系単量体またはアリル系単量体
の場合にこの可能性がきわめて高くなる。
【0032】交互共重合した場合は、空気硬化性官能基
を有する重合単位(2)間に存在する他の重合単位が1
個程度となり、得られる含フッ素共重合体の与える皮膜
が脆くなる傾向にある。
【0033】したがって、フルオロオレフィン(A)
か、単量体(B)もしくは単量体(E)かの少なくとも
一方が種類の異なる2つ以上の単量体の混合物であるこ
とが好ましい。または、フルオロオレフィン(A)、空
気硬化性官能基を有する単量体(B)の他にこれらと共
重合可能なその他の単量体(C)を共重合させる方法を
採用して、含フッ素共重合体中、空気硬化性官能基を有
する重合単位間に他の重合単位が多数存在することが好
ましい。通常は後者のその他の単量体(C)を共重合さ
せる方法が採用される。
【0034】本発明の含フッ素共重合体は、(1)の重
合単位と(2)の重合単位とのみからなっていてもよ
く、(1)、(2)以外の重合単位(3)、すなわち
(A)、(B)以外の単量体(C)に基づく重合単位
(3)を有していてもよい。この場合、重合単位(3)
は全重合単位に対して0〜70モル%の割合であること
を要する。すなわち、重合単位(1)と重合単位(2)
の合計が、全重合単位に対して30モル%以上の割合で
含まれることを要する。この2種類の重合単位の含まれ
る割合が30モル%未満では、充分な耐候性、耐汚染性
が発揮されない。
【0035】その他の単量体(C)は、エチレン性不飽
和基を形成する炭素原子に直結する水素原子がフッ素原
子に置換されてなく、また、空気硬化性官能基を有しな
い。この単量体(C)としては、ビニル基、アリル基、
アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基
などの重合性部位を有する単量体が挙げられる。
【0036】具体的にはビニルエーテル類、オレフィン
類、アリルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエス
テル類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル
類、イソプロペニルエーテル類、イソプロペニルエステ
ル類およびクロトン酸エステル類、が挙げられる。この
なかでも炭素数1〜15程度の直鎖状、分岐状または脂
環状のアルキル基を有する化合物が好ましい。該アルキ
ル基は水素原子がフッ素原子等のハロゲン原子で置換さ
れていてもよい。
【0037】具体的な化合物としては、メチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテ
ル、イソブチルビニルエーテル、クロロエチルビニルエ
ーテル、ビニルパーフルオロアルキルエーテル等のビニ
ルエーテル類、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イ
ソブチレン、シクロヘキセン等のオレフィン類、メチル
アリルエーテル、エチルアリルエーテル、ブチルアリル
エーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、2−ヒドロ
キシエチルアリルエーテル等のアリルエーテル類、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビ
ニル、吉草酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビ
ニル、ベオバ9およびベオバ10(シェル化学社製、炭
素数9または炭素数10の分岐脂肪酸のビニルエステル
の商品名)、バーサティック酸ビニル等の脂肪酸ビニル
エステル類、酢酸アリル等アリルエステル類、エチルア
クリレート、メチルメタクリレート、ブチルアクリレー
ト、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート等のアクリル酸エステル類またはメタクリル酸エス
テル類、クロトン酸エチル、クロトン酸ブチル、クロト
ン酸シクロヘキシル等のクロトン酸エステル類が挙げら
れる。
【0038】上記単量体中で、ビニルエーテル類、ビニ
ルエステル類、アリルエーテル類、アリルエステル類、
イソプロペニルエーテル類、イソプロペニルエステル類
およびクロトン酸エステル類から選ばれる単量体が特に
好ましく、さらに好ましいのは、ビニルエーテル類であ
り、これを用いると、フルオロオレフィン(A)と交互
共重合する確率が高く、耐候性の面で好ましい。
【0039】含フッ素共重合体は数平均分子量が100
0〜500000である。数平均分子量が500000
超では溶剤への溶解性が低く、また粘度が高くなりすぎ
作業上不都合である。数平均分子量が1000未満では
耐候性などの物性が劣る。2000〜50000が好ま
しく、8000〜30000が特に好ましい。
【0040】本発明の含フッ素共重合体は、すなわち下
記の製法により得られる。
【0041】フルオロオレフィン(A)、単量体(B)
およびその他の単量体(C)を、全重単量体に対して
(A)20〜70モル%、(B)1〜80モル%および
(C)0〜70モル%の割合で共重合する方法。
【0042】フルオロオレフィン(A)、単量体(E)
およびその他の単量体(C)を、全重単量体に対して
(A)20〜70モル%、(B)1〜80モル%および
(C)0〜70モル%の割合で共重合して含フッ素共重
合体(D)を得た後、(D)における該官能基の少なく
とも一部を空気硬化性官能基に変換する方法。
【0043】重合方法は溶液重合、乳化重合、懸濁重
合、バルク重合のいずれの方法によってもよく、所定量
の単量体に重合開始剤等の重合開始源を作用せしめるこ
とにより重合が行われる。またその他の諸条件は、通常
の溶液重合、乳化重合、懸濁重合、バルク重合などを行
う際と同様の条件で行いうる。
【0044】また、単量体(E)を用いる方法を採用し
た場合、含フッ素共重合体(D)を得た後、空気硬化性
官能基を導入する。このとき単量体(E)として、水酸
基含有重合体(F)を用いた場合は、含フッ素共重合体
(D)を得た後、直接またはスペーサを形成後、共役二
重結合を有する高級脂肪酸またはその誘導体を反応させ
ることにより空気硬化性官能基を導入する。水酸基含有
重合体(F)にポリエーテル鎖などのスペーサを形成し
た単量体を用いた場合は、含フッ素共重合体(D)を得
た後、共役二重結合を有する高級脂肪酸またはその誘導
体を直接反応させることにより空気硬化性官能基を導入
する。
【0045】また、アクリル酸、メタクリル酸、アリル
グリシジルエーテル等、の水酸基と反応しうる官能基を
有する単量体を使用した場合は含フッ素共重合体(D)
を得た後、ジオールを反応させて、次いであるいはスペ
ーサを形成した後、空気硬化性官能基を導入する。
【0046】本発明は上記含フッ素共重合体を含有する
組成物である。本発明における含フッ素共重合体は良好
な耐候性、耐汚染性有する皮膜を与えるため、該組成物
は一液空気硬化型のコーティング材料に適する。
【0047】特に該含フッ素共重合体を溶剤に溶解し、
溶液組成物として使用することが、コーティング作業を
容易にするので好ましい。このような溶剤としては、種
々の溶剤が使用でき、キシレン、トルエンのような芳香
族炭化水素類、酢酸ブチルのようなエステル類、メチル
イソブチルケトンのようなケトン類、ジエチルセロソル
ブのようなグリコールジエーテル類など、または市販の
各種シンナーを採用できる。また、これらを種々の割合
で混合して使用してもよい。このような有機溶剤は被コ
ーティング物の状態、蒸発速度、作業環境などを勘案し
て適宜選定することが好ましい。
【0048】また、このような含フッ素共重合体を含有
する組成物は、さらに充填材、光安定剤、熱安定剤、レ
ベリング剤、可塑剤、物性調整剤、紫外線吸収剤などが
添加配合されていてもよい。
【0049】
【実施例】以下に合成例(例1〜11)、実施例(例1
2、13、16〜21)および比較例(例14、15)
により本発明を説明する。
【0050】(例1)1Lフラスコにヒドロキシブチル
ビニルエーテル100. 0g(0. 86モル)、および
ε−カプロラクトン491. 3g(4. 30モル)を秤
取し、テトラブチルチタネート178mgを添加した
後、150℃で6時間撹拌下で反応させることにより、
数平均分子量687のラクトン変性ヒドロキシブチルビ
ニルエーテルを得た。
【0051】(例2)内容積550cm3 のステンレス
製撹拌機付耐圧反応器に、ヒドロキシブチルビニルエー
テル120. 0g(1. 03モル)および水酸化カリウ
ム0. 9gを秤取し、次にプロピレンオキシド総量18
0g(3.10モル)を3kg/cm2 で徐々に添加
し、110℃で2時間にわたり反応を行った。得られた
液体を合成マグネシアで精製して数平均分子量約300
のプロピレンオキシド変性ヒドロキシブチルビニルエー
テルを得た。
【0052】(例3)0. 5Lのフラスコに未処理桐油
150. 0g(0. 172モル)、ナトリウムメトキシ
ド(28%メタノール溶液)10. 7g(0. 056モ
ル)およびメタノール142. 3gを秤取し、5分にわ
たり窒素をパージした。その後40℃に昇温し、4時間
撹拌しエステル交換反応を完結させた。その後エバポレ
ータを用いてメタノールを留去し、褐色のオイル状の物
質を得た。このオイルを0. 1規定塩酸で中性になるま
で洗浄し、その後イオン交換水で洗浄し、脱水操作を経
て目的のα−エレオステアリン酸メチルを101. 5g
得た。
【0053】(例4)例1で得られたラクトン変性ヒド
ロキシブチルビニルエーテルを1Lのフラスコに100
g(0. 15モルの水酸基が含まれる)および例3で得
られたα−エレオステアリン酸メチルを43. 8g
(0. 15モル)秤取し、さらに100gのトルエン
と、テトラブチルチタネート288mg(0. 2ph
r)を加え、窒素気流下80℃で生成するメタノールを
留去しながら10時間撹拌し、目的の空気硬化性官能基
の導入されたラクトン変性ヒドロキシブチルビニルエー
テルを得た。
【0054】(例5)例2で得られたプロピレンオキシ
ド変性ヒドロキシブチルビニルエーテルを例4と同じ手
法でエステル交換し、目的の空気硬化性官能基の導入さ
れたプロピレンオキシド変性ヒドロキシブチルビニルエ
ーテルを得た。
【0055】(例6〜11)内容積550cm3 のステ
ンレス製撹拌機付耐圧反応器に、キシレン252g、エ
タノール71g、炭酸カリウム1.4gおよびアゾイソ
ブチロニトリル2.2gを仕込み、表1に示す組成(単
位はg、かっこ内はモル%)の単量体を重合させた。
【0056】重合は、クロロトリフルオロエチレン(C
TFE)またはテトラフルオロエチレン(TFE)を除
く単量体を仕込んだ後、液体窒素による溶残空気を除去
し、次いで、CTFEまたはTFEを導入し、徐々に昇
温した後温度を65℃に維持し、撹拌下で6〜10時間
重合反応を続けた後、反応器を水冷して重合を停止する
ことにより行った。反応器を室温まで冷却した後、未反
応単量体を抜き出し、反応器を開放した。重合体溶液を
濾過した後、エバポレータを用いて50℃でエタノール
を除去し、含フッ素共重合体のキシレン溶液を得た。得
られた含フッ素共重合体の分子量を表1に示した。
【0057】ただし表中、EVEはエチルビニルエーテ
ル、CHVEはシクロヘキシルビニルエーテル、HBV
Eはヒドロキシブチルビニルエーテルを表す。
【0058】(例12〜15)例6〜11と同様の方法
にて表2に示す組成の単量体を重合させ空気硬化性官能
基を有する含フッ素共重合体を得た。得られた含フッ素
共重合体の分子量も表2に示した。
【0059】(例16〜21)例4の方法と同様の方法
で表3に示した含フッ素共重合体にそれぞれ空気硬化性
官能基を有する含フッ素共重合体を導入した。
【0060】(評価)例12〜21で得られた空気硬化
性官能基を有する含フッ素共重合体それぞれ100部
(重量部、以下同じ)に対し、キシレン400部を加
え、空気硬化性塗工液を調製した。この組成物を清浄な
ガラス板上に塗布し、溶剤を蒸発させた後室温にて4日
放置し、硬化塗膜を得た。こうして得られた各塗膜の耐
候性をサンシャインウェザオメータ(83℃、直接照
射、500時間)で評価した。評価方法は、○:外観変
化なし、△:表面の荒れが目立つ、とした。この結果を
表4にまとめる。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【発明の効果】以上示したように、本発明の含フッ素共
重合体を含有する組成物は、空気雰囲気下に放置するこ
とにより自然に強固な架橋構造を有するフッ素系樹脂皮
膜を与えるので、一液タイプのコーティング溶液に適
し、かつ、優れた耐候性、耐汚染性を発揮する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】フルオロオレフィン(A)、(A)と共重
合可能でありかつ空気硬化性官能基を有する単量体
(B)およびその他の単量体(C)を、全単量体に対し
て(A)20〜70モル%、(B)1〜80モル%およ
び(C)0〜70モル%の割合で共重合することを特徴
とする含フッ素共重合体の製造方法。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】フルオロオレフィン(A)、(A)と共重
合可能でありかつ空気硬化性官能基を導入しうる官能基
を含む単量体(E)およびその他の単量体(C)を、
量体に対して(A)20〜70モル%、()1〜8
0モル%および(C)0〜70モル%の割合で共重合す
ることにより含フッ素共重合体(D)を得た後、(D)
における該官能基の少なくとも一部を空気硬化性官能基
に変換することを特徴とする含フッ素共重合体の製造方
法。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】フルオロオレフィン(A)、単量体(B)
およびその他の単量体(C)を、全単量体に対して
(A)20〜70モル%、(B)1〜80モル%および
(C)0〜70モル%の割合で共重合する方法。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】フルオロオレフィン(A)、単量体(E)
およびその他の単量体(C)を、全単量体に対して
(A)20〜70モル%、()1〜80モル%および
(C)0〜70モル%の割合で共重合して含フッ素共重
合体(D)を得た後、(D)における該官能基の少なく
とも一部を空気硬化性官能基に変換する方法。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フルオロオレフィンに基づく重合単位
    (1)を全重合単位に対して20〜70モル%、空気硬
    化性官能基を有する重合単位(2)を全重合単位に対し
    て1〜80モル%、その他の重合単位(3)を全重合単
    位に対して0〜70モル%の割合で有する重合体であっ
    て、数平均分子量が1000〜500000である、含
    フッ素共重合体。
  2. 【請求項2】空気硬化性官能基を有する重合単位(2)
    が、重合性不飽和基を有する単量体を重合することによ
    り得られる重合単位であって、かつ、ポリエーテル鎖、
    ポリウレタン鎖、ポリアミド鎖、およびポリエステル鎖
    から選ばれる1種以上からなるスペーサを介して空気硬
    化性官能基が導入された重合単位である、請求項1の含
    フッ素共重合体。
  3. 【請求項3】空気硬化性官能基が共役二重結合を有する
    高級脂肪酸またはその誘導体と水酸基とを反応させて得
    られる基である、請求項1または2の含フッ素共重合
    体。
  4. 【請求項4】フルオロオレフィン(A)、(A)と共重
    合可能でありかつ空気硬化性官能基を有する単量体
    (B)およびその他の単量体(C)を、全重単量体に対
    して(A)20〜70モル%、(B)1〜80モル%お
    よび(C)0〜70モル%の割合で共重合することを特
    徴とする含フッ素共重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】フルオロオレフィン(A)、(A)と共重
    合可能でありかつ空気硬化性官能基を導入しうる官能基
    を含む単量体(E)およびその他の単量体(C)を、全
    重単量体に対して(A)20〜70モル%、(B)1〜
    80モル%および(C)0〜70モル%の割合で共重合
    することにより含フッ素共重合体(D)を得た後、
    (D)における該官能基の少なくとも一部を空気硬化性
    官能基に変換することを特徴とする含フッ素共重合体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1、2または3の含フッ素共重合体
    を含有する組成物。
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