JPH09157023A - ダイヤモンド焼結体の製造方法並びにダイヤモンド焼結体 - Google Patents

ダイヤモンド焼結体の製造方法並びにダイヤモンド焼結体

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JPH09157023A
JPH09157023A JP7335831A JP33583195A JPH09157023A JP H09157023 A JPH09157023 A JP H09157023A JP 7335831 A JP7335831 A JP 7335831A JP 33583195 A JP33583195 A JP 33583195A JP H09157023 A JPH09157023 A JP H09157023A
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Hitoshi Sumiya
均 角谷
Shuichi Sato
周一 佐藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐熱性を有し、耐欠損性に優れたダイヤ
モンド焼結体を容易に提供する。 【解決手段】 周期律表のIII族元素とリンを含有す
る化合物からなる物質を0.1〜30体積%含み、残部がダ
イヤモンドからなる焼結体であることを特徴とする。そ
してその製造時、原料のダイヤモンド粉末に樹脂を1部
炭化させた非ダイヤモンド炭素質物質と、周期律表のI
II族元素とリンとを含む化合物とを添加し、圧力3G
Pa以上、温度1000℃以上の条件で焼結することを今一
つの特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダイヤモンド焼結体
の製造方法並びにダイヤモンド焼結体に関するものであ
る。本発明のダイヤモンド焼結体は非鉄金属やセラミッ
クス等の切削、切削工具用素材および石油掘削用途等の
ドリルビットの刃先素材として有効に使用できるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のダイヤモンド焼結体としては、焼
結助剤あるいは結合剤としてCo、Ni、Feなどの鉄
族金属を用いたものや、SiCなどのセラミックスを用
いたものが知られており、非鉄金属の切削工具や掘削ビ
ットなどに工業的に利用されている。また、特開平4−
74766号公報、特開平4−114966号公報によ
り焼結助剤としてMg、Ca、Srなどのアルカリ土類
金属の炭酸塩を用いたものが知られている。その他、天
然ダイヤモンド焼結体(カーボナード)があるが、材質
のバラツキが大きく、また産出量も極少量であるため、
ほとんど工業的には使用されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Coなどの鉄族金属を
焼結助剤としたダイヤモンド焼結体は、Coなどの鉄族
金属がダイヤモンドの黒鉛化を促す触媒として作用する
ため耐熱性に劣る。すなわち、不活性のガス雰囲気中
で、 700℃程度で黒鉛化してしまう。また、ダイヤモン
ド粒の粒界にCoなどの金属が連続相として存在するた
め焼結体の強度はあまり高くなく、欠損しやすい。そし
て、この金属とダイヤモンドの熱膨張差のため熱劣化が
起こり易くなるという問題もある。
【0004】耐熱性を上げるために上記の粒界の金属を
酸処理により除去されたものも知られている。これによ
り耐熱温度は約1200℃と向上するが、焼結体が多孔質と
なるため強度がさらに大幅(30%程度)に低下する。
SiCを結合剤としたダイヤモンド焼結体は耐熱性には
優れるが、ダイヤモンド粒同士は結合がないため、強度
は低い。
【0005】一方、焼結助剤として炭酸塩を用いたダイ
ヤモンド焼結体は、Co結合剤による焼結体に比べると
耐熱性に優れるが、1000℃程度より炭酸塩の分解がはじ
まり焼結体の強度が低下する。また、炭酸塩は酸に溶け
るため、掘削ビットなどの用途で使用できない。また、
焼結助剤として炭酸塩を用いる方法ではダイヤモンド焼
結体の製造に 7.7GPa、2000℃以上と大変厳しい圧
力、温度条件を要するため、コストがかなり高くなり、
工業生産は難しいという問題がある。本発明は以上のよ
うな問題点を解決して、優れた耐欠損性、耐熱性を備え
たダイヤモンド焼結体を工業生産可能な条件で、低コス
トで製造する方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記特許請求の
範囲の項に記載した要件を備えることにより、上記課題
を解決することがきたもので、以下に夫々の要件と共に
その作用を説明する。
【0007】(作用)本発明の特徴は、ダイヤモンド焼
結体の原料のダイヤモンド粉末に、樹脂を一部炭化させ
た非ダイヤモンド炭素質物質を添加し、かつ、ダイヤモ
ンド焼結体の焼結助剤としてリン化合物、特に周期律表
のIII族元素のリン酸塩やその水和物あるいは周期律
表のIII族元素のリン酸水素塩やその水和物または周
期律表のIII族元素の酸化物と酸化リンの混合物や周
期律表のIII族元素の酸化物とIII族元素のリン酸
塩の混合物を用い、圧力3GPa、温度1000℃以上の条
件でダイアモンドを焼結する点にある。
【0008】本発明の樹脂としては、ノボラックやレゾ
ールなどのフェノール樹脂のほかエポキシ樹脂、メラミ
ン樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミドなど
が用いられる。これらの樹脂を不活性ガス雰囲気中で 5
00℃から1000℃で熱処理して、部分的に炭化させたもの
を用いる。熱処理後の水素残留量としては1モル%以
上、50モル%以下である必要がある。また、そのラジ
カル数もしくは不対電子数が1015個/モル以上である
必要がある。熱処理温度が 500℃より低い、もしくは水
素残留量が50モル%を越える、あるいはラジカル数もし
くは不対電子数が1015個/モルに満たない場合は、こ
の非ダイヤモンド炭素質物質が、高圧高温(圧力3GP
a以上、温度1000℃以上)焼結時にダイヤモンドに変換
せず、緻密で強固なダイヤモンド焼結体が得られない。
また、樹脂の熱処理温度が1000℃を越える場合、もしく
は水素残留量が1モル%より少ない場合は、焼結圧力・
温度条件が低くならず、効果がない。
【0009】周期律表のIII族元素のリン酸塩として
は、BPO4 、AlPO4 、Tl3PO4 、YPO4
どがある。また、その水和物としてはたとえば、AlP
4の場合、AlPO4 ・nH2 O(n=1/2 、2、
3、4など)、リン酸水素塩としてはAl(H2 PO
43 、リン酸水素塩の水和物としてはAl(H2 PO
43 ・3/2 H2 Oなどが上げられる。周期律表のII
I族元素の酸化物と酸化リンの混合物としてはたとえば
23 とP25 の混合物、Al23 とP25
混合物、Y23 とP25 の混合物が挙げられる。ま
た、Al23 とY23 とP25 の混合物など、2
種以上の酸化物と酸化リンの混合物でもよい。また、周
期律表のIII族元素の酸化物とIII族元素のリン酸
塩の混合物としては、たとえばB23 とAlPO4
混合物、Al23 とYPO4 の混合物、Y23 とY
PO4 の混合物などが挙げられる。また、Al23
23 とYPO4 の混合物など、2種以上のIII族
元素の酸化物とIII族元素のリン酸塩の混合物でもよ
い。
【0010】これらの希土類元素やAl、Bなどの周期
律表のIII族元素のリン酸塩やリン酸塩水和物、ある
いはリン酸水素塩やリン酸水素塩の水和物、あるいは周
期律表のIII族元素の酸化物と酸化リンやIII族元
素のリン酸塩の混合物は、圧力3GPa以上、温度1000
℃以上の条件で、上記樹脂を一部炭化した非ダイヤモン
ド炭素質物質と反応し、非ダイヤモンド炭素質物質はダ
イヤモンドに変換され、その結果、ダイヤモンド粒子同
士が極めて強固に結合したマトリックスが形成される。
また、異常粒成長が起こり難く、均質な組織の焼結体を
得ることができる。
【0011】本発明においては、焼結する圧力、温度条
件は特に熱力学的にダイヤモンドが安定な領域内にある
必要がなく、たとえば、 3.5GPa、1500℃といった、
熱力学的に黒鉛が安定でダイヤモンドとしては準安定な
圧力温度条件下でも、強固なダイヤモンド焼結体が得ら
れる。
【0012】また、こうして得られるダイヤモンド焼結
体は周期律表のIII族元素とリンを含有する化合物か
らなる物質、あるいはIII族元素の酸化物と塩化リン
からなる化合物、あるいはIII族元素のリン酸塩を含
むのが特徴である。このような物質としては、III族
元素がYである例を挙げれば、たとえばYPO4 、Y8
217、Y5211、Y3 PO7 、Y2413
YP39 、YP514などのリン酸イットリウム、ま
たはこれらリン酸イットリウムとY23 などの酸化イ
ットリウムやP25 などの酸化リンとの複合化合物な
どが挙げられる。これらの物質は1000℃程度の高温下で
も安定であるため、本発明によるダイヤモンド焼結体は
耐熱性にも非常に優れた特性を示す。なお、これらの物
質の含有量は、 0.1体積%未満ではダイヤモンド粒子間
の結合性、すなわち焼結性が低下し、30体積%を越える
と、強度、耐摩耗性が低下するので、この範囲内とする
ことが好ましい。以上の結果、従来にない高強度で耐欠
損性かつ耐熱性に優れたダイヤモンド焼結体が、圧力3
GPa、温度1000℃という緩和な圧力温度条件で得るこ
とができる。
【0013】本発明におけるダイヤモンド焼結体製造の
方法としては、原料のダイヤモンド粉末と、樹脂を一部
炭化させた非ダイヤモンド炭素質物質の粉末、および焼
結助剤を均一に混合し、これを圧力3GPa以上、温度
1000℃以上の条件で焼結する方法、あるいは、原料のダ
イヤモンド粉末と樹脂を一部炭化させた非ダイヤモンド
炭素質物質の粉末を均一に混合したのち、板状に型押し
成形し、これと上記焼結助剤の型押し成形体とを積層さ
せたものを上記の圧力温度条件で高圧高温焼結する方法
がある。
【0014】さらに、原料ダイヤモンド粉末の表面に樹
脂を一部炭化させた非ダイヤモンド炭素質物質を形成さ
せたものと、上記焼結助剤を均一混合したものを上記の
圧力温度条件で高圧高温焼結する方法、あるいは原料ダ
イヤモンド粉末の表面に樹脂を一部炭化させた非ダイヤ
モンド炭素質物質を形成させたものと、焼結助剤をそれ
ぞれ板状に成形し、それらを積層させたものを上記の圧
力温度条件で高圧高温焼結する方法がある。このダイヤ
モンド粉末の表面に樹脂を一部炭化させた非ダイヤモン
ド炭素質物質を形成させる方法としては、たとえばメカ
ノフュージョン処理などの機械的コーティング技術によ
りダイヤモンド粉末の表面に炭素質物質の微粉末を付着
形成する方法と、あらかじめダイヤモンド粉末の表面に
樹脂を薄くコーティングし、これを不活性ガス雰囲気中
で 500℃から1000℃の温度で熱処理し、コーティングし
た樹脂を一部炭化させる方法がある。
【0015】原料としては合成ダイヤモンド粉末、天然
ダイヤモンド粉末、多結晶ダイヤモンド粉末などを用い
ることができる。粉末の粒径は0.01〜 200μmで、用途
によって微粒または粗粒に粒径を揃えたもの、もしくは
微粒、粗粒の混合物を用いる。
【0016】原料のダイヤモンド粉末と非ダイヤモンド
炭素質物質および焼結助剤を混合する方法においては、
これらを、機械的に乾式または湿式混合した粉末を圧縮
成形したもの、もしくはMo等のカプセルに充填したも
のを高圧高温焼結する。原料粉末が微粒でも焼結助剤を
均一に分散でき、また、厚い形状のダイヤモンド焼結体
の製造が可能である。例えば、良好な仕上げ面が必要な
切削工具(微粒焼結体)の製造や、ダイスなどの厚い形
状を必要とする焼結体の製造に適する。ただし、粗粒の
原料を用いた場合、均一に焼結助剤を混合するのは困難
で手数を要する。
【0017】一方、原料のダイヤモンド粉末および非ダ
イヤモンド炭素質物質と、焼結助剤を積層配置する方法
は、原料と焼結助剤の板状の成形体をそれぞれ作製し、
これらを積層して接触させ、高圧高温処理する。このと
き、焼結助剤が原料層に拡散含浸し、ダイヤモンド粒子
が焼結する。この方法は、粗粒の原料を用いても焼結助
剤を均一に添加できるため、より高強度で耐摩耗性のあ
るダイヤモンド焼結体を安定して得ることがき、耐摩耗
工具やドリルビットなどの焼結体の製造に適する。
【0018】
【発明の実施の形態】 【実施例】
(実施例1)レゾールの塊体を、ボールミルで1μm程
度に粉砕し、この粉末をアルゴンガス中で 800℃に2時
間処理した。得られた炭素質物質を元素分析したところ
水素が15モル%残留していた。また、ESRにより、ラ
ジカル数(不対電子数)を見積もったところおよそ10
21個/モルであった。この炭素質粉末と平均粒径3.5μ
mの合成ダイヤモンド粉末と、YPO4 の粉末をそれぞ
れ10体積%、85体積%、5体積%の割合で十分に混合
し、この混合物をMoカプセルに真空封入し、ベルト型
の超高圧高温発生装置を用いて、4GPa、1400℃の圧
力温度条件で15分間保持し、焼結させた。得られたダイ
ヤモンド焼結体の硬度をヌープ圧子により評価したとこ
ろ7500Kg/mm2 と高硬度であった。また、その破壊
靱性をインデンテーション法により従来の市販のCoバ
インダー焼結体に対し相対比較したところ、従来焼結体
の約1.3 倍の相対靱性であった。また、得られたダイヤ
モンド焼結体を真空中で1000℃に加熱処理した後、硬
度、靱性を測定したが、処理前とほとんど変化がなかっ
た。
【0019】(実施例2)ノボラックの塊体をボールミ
ルで1μm程度に粉砕し、この粉末をアルゴンガス中で
900℃に2時間処理した。得られた炭素質物質を元素分
析したところ水素が10モル%残留していた。また、ES
Rにより、ラジカル数(不対電子数)を見積もったとこ
ろおよそ1018個/モルであった。この炭素質粉末と平
均粒径15μmの合成ダイヤモンド粉末をそれぞれ10体積
%、90体積%で混合し、厚み2mmに型押し成形した。
これと、YPO4 の粉末を厚み1mmに型押し成形した
ものを交互に積層してMoカプセルに入れ、ベルト型の
超高圧高温発生装置を用いて、4GPa、1500℃の圧力
温度条件で15分間保持し、焼結させた。得られたダイヤ
モンド焼結体の硬度をヌープ圧子により評価したところ
約7800Kg/mm2 と高硬度であった。また、破壊靱性
をインデンテーション法により従来の市販のCoバイン
ダー焼結体に対し相対比較したところ、従来焼結体の約
1.4 倍の相対靱性であった。また、得られた焼結体を真
空中で1000℃に加熱処理した後、硬度、靱性を測定した
が、処理前とほとんど変化がなかった。
【0020】(実施例3)レゾールの塊体を、ボールミ
ルで1μm程度に粉砕し、この粉末をアルゴンガス中で
700℃に2時間処理した。得られた炭素質物質を元素分
析したところ水素が20モル%残留していた。また、ES
Rにより、ラジカル数(不対電子数)を見積もったとこ
ろおよそ1021個/モルであった。この炭素質粉末と平
均粒径15μmの合成ダイヤモンド粉末をそれぞれ5体積
%、95体積%で混合し、メカノフュージョン装置でダイ
ヤモンド粉末の表面に、上記炭素質粉末を均一にコーテ
ィングさせた。このこの粉末とYPO4 の粉末を体積比
で95:5の割合で混合し、これをMoカプセルに入
れ、ベルト型の超高圧高温発生装置を用いて、3.5 GP
a、1300℃の圧力温度条件で15分間保持し、焼結させ
た。得られたダイヤモンド焼結体のの硬度をヌープ圧子
により評価したところ約7800Kg/mm2 と高硬度であ
った。また、破壊靱性をインデンテーション法により従
来の市販のCoバインダー焼結体に対し相対比較したと
ころ、従来焼結体の約1.3 倍の相対靱性であった。ま
た、得られた焼結体を真空中で1000℃に加熱処理した
後、硬度靱性を測定したが、処理前とほとんど変化がな
かった。
【0021】(実施例4)レゾールの塊体を、ボールミ
ルで1μm程度に粉砕し、この粉末をアルゴンガス中で
700℃に2時間処理した。得られた炭素質物質を元素分
析したところ水素が20モル%残留していた。また、ER
Sにより、ラジカル数(不対電子数)を見積もったとこ
ろおよそ1021個/モルであった。この炭素質粉末と、
平均粒径15μmの合成ダイヤモンド粉末をそれぞれ5体
積%、95体積%で混合し、メカノフュージョン装置でダ
イヤモンド粉末の表面に、上記炭素質粉末を均一にコー
ティングさせた。この粉末を厚み2mmに型押し成形し
たものと、YPO4 の粉末を厚み1mmに型押し成形し
たものを交互に積層してMoカプセルに入れ、ベルト型
の超高圧高温発生装置を用いて、3.5 GPa、1500℃の
圧力温度条件で15分間保持し、焼結させた。得られたダ
イヤモンド焼結体の硬度をヌープ圧子により評価したと
ころ約8200Kg/mm2 と高硬度であった。また、破壊
靱性をインデンテーション法により従来の市販のCoバ
インダー焼結体に対し相対比較したところ、従来焼結体
の約1.4 倍の相対靱性であった。また、得られた焼結体
を真空中で1000℃に加熱処理した後、硬度、靱性を測定
したが、処理前とほとんど変化なかった。
【0022】(実施例5)焼結助剤として、5体積%の
BPO4 を用いた他は、実施例1と同様にしてダイヤモ
ンド焼結体を作製した。得られた焼結体は、硬度、靱
性、耐熱性とも実施例1と同様であった。
【0023】(実施例6)焼結助剤として、5体積%の
AlPO4 を用いた他は、実施1と同様にしてダイヤモ
ンド焼結体を作製した。得られた焼結体は、硬度、靱
性、耐熱性とも実施例1と同様であった。
【0024】(実施例7)焼結助剤として、5体積%の
AlPO4 ・2H2 Oを用い、焼結圧力温度条件を3.5
GPa、1300℃とした他は、実施例1と同様にしてダイ
ヤモンド焼結体を作製した。得られた焼結体は、硬度、
靱性、耐熱性とも実施例1と同様であった。
【0025】(実施例8)焼結助剤として、5体積%の
Al(H2 PO43 を用い、焼結圧力温度条件を3.5
GPa、1000℃とした他は実施例1と同様にしてダイヤ
モンド焼結体を作製した。得られた焼結体は、硬度、靱
性、耐熱性とも実施例1と同様であった。
【0026】(実施例9)焼結助剤として、5体積%の
Al(H2 PO43 ・3/2 H2 Oを用い、焼結圧力温
度条件を3.5 GPa、1200℃とした他は実施例1と同様
にしてダイヤモンド焼結体を作製した。得られた焼結体
は、硬度、靱性、耐熱性とも実施例1と同様であった。
【0027】(実施例10)焼結助剤として、Y23
とP23 の1:1(体積比)の混合物を用い、この混
合物の添加量を5体積%とした他は、実施例1と同様に
してダイヤモンド焼結体を作製した。得られた焼結体
は、硬度、靱性、耐熱性とも実施例1と同様であった。
【0028】(実施例11)焼結助剤として、YPO4
とY23 の1:2(体積比)の混合物を用い、この混
合物の添加量を5体積%とした他は、実施例1同様にし
てダイヤモンド焼結体を作製した。得られた焼結体は、
硬度、靱性、耐熱性とも実施例1と同様であった。
【0029】(比較例1)樹脂を炭化した炭素質物質を
添加しない炭素粉末に、平均粒径 3.5μmの合成ダイヤ
モンド粉末とYPO4 の粉末をそれぞれ10体積%、85体
積%、5体積%の割合で十分に混合し、これを実施例1
と同様の条件で高圧高温処理したが、ほとんど焼結され
ていなかった。
【0030】(比較例2)レゾールの塊体をボールミル
で1μm程度に粉砕し、この粉末をアルゴンガス中で11
00℃に2時間処理した。得られた炭素質物質はほぼ完全
にグラファイト化していた。元素分析したところ水素が
認められず、また、ESRによりラジカルも認められな
かった。この粉末と、平均粒径 3.5μmの合成粉末と、
YPO4 の粉末をそれぞれ10体積%、85%体積%、5体
積%の割合で十分に混合し、これを5GPa、1500℃、
15分の条件で処理したが、ほとんど焼結されていなかっ
た。
【0031】(比較例3)ノボラックの塊体を、ボール
ミルで1μm程度に粉砕し、この粉末をアルゴンガス中
で 400℃に2時間処理した。得られた炭素質物質は未炭
化の部分が多く、元素分析により、約70モル%の水素が
残留しており、ESRによりラジカル数を求めると10
13個/モル程度であった。この粉末と、平均粒径3.5 μ
mの合成ダイヤモンド粉末と、YPO4 の粉末をそれぞ
れ10体積%、85体積%、5体積%の割合で十分に混合
し、これを5GPa、1500℃、15分の条件で処理した
が、部分的に未焼結部が残留していた。
【0032】
【発明の効果】以上各項において述べたように、本発明
のダイヤモンド焼結体の製造方法によれば、従来にない
耐熱性、耐欠損性を有する焼結体が、従来にない圧力、
温度で得られる。 その結果、非鉄金属やセラミックス等
の切削、研削工具用素材、および石油掘削用途等のドリ
ルビットの刃先素材として有効に使用できるダイヤモン
ド焼結体が、低コストで生産できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダイヤモンド粉末と、樹脂を一部炭化させ
    た非ダイヤモンド炭素質物質の粉末と、リン化合物を混
    合し、これを圧力3GPa以上、温度1000℃以上の条件
    で保持し、焼結することを特徴とするダイヤモンド焼結
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】ダイヤモンド粉末および樹脂を一部炭化さ
    せた非ダイヤモンド炭素質物質の粉末の混合物からなる
    成形体と、リン化合物の粉末の成形体とを積層し、これ
    を圧力3GPa以上、温度1000℃以上の条件で保持し、
    焼結することを特徴とするダイヤモンド焼結体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】ダイヤモンド粉末の表面に樹脂を一部炭化
    させた非ダイヤモンド炭素質物質を形成させたものとリ
    ン化合物を混合し、これを圧力3GPa以上、温度1000
    ℃以上の条件で保持し、焼結することを特徴とするダイ
    ヤモンド焼結体の製造方法。
  4. 【請求項4】ダイヤモンド粉末の表面に樹脂を一部炭化
    させた非ダイヤモンド炭素質物質を形成させたものの成
    形体と、リン化合物の粉末の成形体を積層し、これを圧
    力3GPa以上、温度1000℃以上の条件で保持し、焼結
    することを特徴とするダイヤモンド焼結体の製造方法。
  5. 【請求項5】上記非ダイヤモンド炭素質物質は、次の
    A、B、Cの何れかの条件か又はその2つ以上を具備し
    たものであることを特徴とする請求項1、2、3又は4
    記載のダイヤモンド焼結体の製造方法。 A.樹脂を不活性ガスの中で 500℃以上、1000℃以下の
    温度で炭化処理したもの。 B.1モル%以上、50モル%以下の水素を含むこと。 C.ラジカル数もしくは不対電子数が1015個/モル以
    上であること。
  6. 【請求項6】前記リン化合物が次のA、B、C、D、
    E、F、Gの何れかであるか、又はその2つ以上を用い
    たものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、
    又は5記載のダイヤモンド焼結体の製造方法。 A.リン酸化物。 B.周期律表のIII族元素のリン酸塩。 C.周期律表のIII族元素のリン酸塩の水和物。 D.周期律表のIII族元素のリン酸水素塩。 E.周期律表のIII族元素のリン酸水素塩の水和物。 F.周期律表のIII族元素の酸化物と酸化リンの混合
    物。 G.周期律表のIII族元素の酸化物とIII族元素の
    リン酸塩の混合物。
  7. 【請求項7】III族元素が希土類元素であることを特
    徴とする請求項6記載のダイヤモンド焼結体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】III族元素がホウ素又はアルミニウムで
    あることを特徴とする請求項6記載のダイヤモンド焼結
    体の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1、2、3、4、5、6、7又は8
    記載の方法によって製造されたことを特徴とするダイヤ
    モンド焼結体。
  10. 【請求項10】ダイヤモンド焼結体において、次のA、
    B、Cの何れかの物質又はその2つ以上の物質を、合計
    量で 0.1〜30体積%含み、残部がダイヤモンドであるこ
    とを特徴とするダイヤモンド焼結体。 A.周期律表のIII族元素とリンを含有する化合物。 B.周期律表のIII族元素の酸化物と酸化リンからな
    る化合物。 C.周期律表のIII族元素のリン酸塩。
JP7335831A 1995-11-29 1995-11-29 ダイヤモンド焼結体の製造方法並びにダイヤモンド焼結体 Pending JPH09157023A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010024104A (ja) * 2008-07-22 2010-02-04 Mitsubishi Materials Corp 複層構造ダイヤモンド基焼結体、ダイヤモンド工具及びその製造方法

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