JPH09156962A - 光学被覆用組成物および被覆物品の製造方法 - Google Patents

光学被覆用組成物および被覆物品の製造方法

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JPH09156962A
JPH09156962A JP7321525A JP32152595A JPH09156962A JP H09156962 A JPH09156962 A JP H09156962A JP 7321525 A JP7321525 A JP 7321525A JP 32152595 A JP32152595 A JP 32152595A JP H09156962 A JPH09156962 A JP H09156962A
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JP
Japan
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salt
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metal
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metal oxide
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Application number
JP7321525A
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English (en)
Inventor
Taro Miyauchi
太郎 宮内
Mitsuhiro Kawazu
光宏 河津
Koichi Maeda
浩一 前田
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少量多品種の生産に適し、良好な膜質を有す
る着色金属酸化物被覆物品を、安価にかつ安定して製造
するための金属酸化物被覆組成物、および金属酸化物膜
被覆物品の製造方法を提供する。 【解決手段】 金属塩およびアルカノールアミンを主成
分として含有する金属酸化物光学被覆用組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属酸化物光学被
覆用組成物、例えば自動車などの車両用や建築用の窓な
どに使用される、良好な膜質を有する着色金属酸化膜付
ガラスを製造するための、金属酸化物光学被覆用組成物
および金属酸化物光学被覆物品の製造方法に関する。さ
らに詳しくは、着色膜を形成する被覆を形成する良質か
つ安価な原料を用いた、金属酸化物光学被覆用組成物お
よび金属酸化物光学被覆物品の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、建築用あるいは自動車・車両用窓
ガラスには、冷暖房負荷の軽減あるいは直射太陽光によ
る暑熱感の低減を目的として、視感透過率の小さな熱線
反射ガラスが用いられている。また近年の傾向として、
このような視感透過率の小さな熱線反射ガラスは、プラ
イバシーの保護という観点からも利用価値が高いもので
ある。これらの要求に応える熱線反射ガラスとしては、
Cr、Feなどの遷移金属を含んだ、可視光領域に強い
吸収のあるコバルトのスピネル型酸化物薄膜を、通常の
ソーダライムガラス上に形成したものが知られていた。
【0003】このような熱線反射ガラスを製造する方法
としては、真空蒸着法、スパッタリング法があるが、設
備、生産性の点で難があった。また生産性の高いものと
して、高温に加熱したガラス基材、例えばフロート法そ
の他の製法で連続した帯状に成形した直後の高温度のガ
ラス板に、連続的にスプレー、ミスト、気相を用いて基
材表面で熱分解させる方法が広く知られている。しかし
この場合、少量多品種について工業的に対応生産するこ
とは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】少量多品種に対応する
生産方法として湿式法により、ガラス基体に着色、色調
コントロール、熱線反射などの機能を有する金属酸化膜
をコーティングするゾルゲル法がある。この方法では、
各種の金属アルコキシド、硝酸塩、塩化物塩を適当な溶
媒に溶解した液を用いて、コーティングしているのが一
般的である。しかしこれらの原料では、金属アルコキシ
ドを用いた場合、比較的良質な膜が形成可能である一
方、シリコンアルコキシドおよびチタンアルコキシド以
外のアルコキシドは高価であり、また例えばチタンアル
コキシドは工業的に液安定性が良くなく、室温よりも低
い温度に冷却しながらコーティングする必要があるなど
の問題がある。また硝酸塩などの無機塩を用いた場合、
特に遷移金属の成分比が増加した場合、乾燥段階の不
良、濡れ性の問題などから良好な膜が得られなかった。
【0005】本発明は前述の課題を解決して、少量多品
種の生産に適し良好な膜質を有する、例えば着色金属酸
化膜付ガラスを、安価にかつ安定して製造するための、
金属酸化物光学被覆用組成物および金属酸化物被覆物品
の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、金
属塩およびアルカノールアミンを主成分として含有する
金属酸化物光学被覆用組成物である。
【0007】本発明において用いられる金属塩として
は、Co、Mn、Cu、Ti、Ni、AlおよびZrか
らなる群より選ばれた、少なくとも1種の金属の酢酸
塩、硝酸塩、塩化物塩またはアセチルアセトン塩を挙げ
ることができる。
【0008】また本発明において用いられるアルカノー
ルアミン(アミルアルコール、またはアルカミンともい
う)としては、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミ
ン、2−プロパノールアミン、ジ2−プロパノールアミ
ンを挙げることができる。
【0009】本発明の金属酸化物光学被覆用組成物は、
その主成分である上記金属塩およびアルカノールアミン
を、金属塩1モル(複数の種類の金属塩を用いる場合は
その合計1モル)に対して、アルカノールアミン0.1
〜10モル(複数の種類のアルカノールアミンを用いる
場合はその合計)の割合で含有させること好ましい。ア
ルカノールアミンが0.1モル未満では、金属塩を十分
に安定化することができない。また10モルを越えると
混合物の粘度が高くなり、取り扱いが困難になる。金属
塩1モルに対するアルカノールアミンの、より好ましい
範囲は0.3〜3モルである。
【0010】本発明の金属酸化物光学被覆用組成物は、
上記金属塩およびアルカノールアミン以外に、通常上記
金属塩を溶解することができる溶媒を含有する。この溶
媒の例として、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール;メトキシエタノール、
エトキシエタノール等のアルコキシアルコール;エチレ
ンエーテルモノエチルエーテル(エチルセルソルブ)、
プロピレンエーテルモノエチルエーテル(プロピルセル
ソルブ)等のセルソルブ、その他の極性溶媒を挙げるこ
とができる。この溶媒の使用量は、金属塩10重量部
(複数の種類の金属塩を用いる場合はその合計)に対し
て、10〜100重量部である。
【0011】本発明において、上記金属塩のみでは上記
溶媒には溶解しないが、アルカノールアミンを共存させ
ることにより、安定した状態の上記金属塩のアルカノー
ルアミンキレート化物が生成するため、金属塩は上記極
性溶媒に溶解し安定した状態で存在するようになると考
えられる。
【0012】アルカノールアミンはアミノ基およびアル
コール基を有しており、アミノ基の窒素原子は、アルコ
ール基の存在により、電気的に陰性になる。このため、
アルカノールアミン中の窒素原子は、金属酸化物光学被
覆用組成物中の金属塩の金属イオンに配位しやすくな
る。またアルコール基自体も、上記金属塩の金属イオン
に配位しやすい。したがってアルカノールアミンは、他
のキレート剤に比して、上記金属塩とのキレートがより
形成されやすく、またより安定な配位物が形成される。
また一般に、室温においてガラスのような親水性の基板
に対して均一に溶液を塗布する場合、溶液が親水性であ
ることが望ましく、溶媒としてなるべく極性の高い極性
溶媒が用いられる。アルコールアミンは、そのアミノ
基、アルコール基の酸性度は高いので、極性溶媒に溶解
する能力は高い。このため、上記金属塩とのキレートの
形で極性溶媒に対して優れた溶解性を示し、したがっ
て、液安定性に優れた金属塩の溶液が得られ、また金属
塩溶液を必要に応じて高濃度に保つこともできる。
【0013】したがって本発明の金属酸化物光学被覆用
組成物は、室温で安定して被覆させることができ、また
被覆膜の厚膜化が可能である。さらにコーティング後の
工程である乾燥時に、アルカノールアミン中のアミノ基
またはアルコール基がガラス基材のシラノール基と強く
結合するので、乾燥時の被膜の基材密着性が高くなり成
膜性が向上する。
【0014】本発明の金属酸化物光学被覆用組成物中の
金属塩に、複数の金属種を含有させる場合には、それぞ
れの金属塩についてアルカノールアミンおよび溶媒と混
合攪拌してそれぞれの原料液を調合した後、それを所定
の割合で混合攪拌することにより最終の被覆用組成物と
することが好ましい。
【0015】上記金属塩の金属種以外の金属、例えばC
r、Feの塩またはTiアルコキシドを併用する場合に
は原料液中で沈殿しやすいものがあり、例えば、クロム
の硝酸塩(または鉄の硝酸塩)とアルカノールアミンと
溶媒とを混合攪拌した原料液(1)と、コバルトの酢酸
塩とアルカノールアミンと溶媒とを混合攪拌した原料液
(2)とを混合する場合、原料液(1)の混合割合が比
較的に大きいときには、クロム(または鉄)の成分が沈
澱を生じ易くなる。このときには原料液(1)の代わり
に、クロムの硝酸塩(または鉄の硝酸塩)とアセチルア
セトンとを混合した後に溶媒を添加して混合攪拌した原
料液(3)を調製し、原料液(3)と原料液(2)とを
混合することにより、クロム(または鉄)の成分の沈澱
を防止することができる。上記のアセチルアセトンの代
わりに、モノエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレンエチレングリコール、ジプロピレンエチ
レングリコール、ニトロセルロース、またはエチルセル
ロースを使用することができる。アセチルアセトン等の
好ましい使用量は、Cr、Feの塩またはTiアルコキ
シド100重量部に対して、50〜300重量部であ
る。
【0016】このようにして得られた原料液を基板上に
塗布処理を行う。塗布処理法としては、ロールコート、
グラビアコート、フレキソ印刷などのロールコート法、
スプレー法、ディップコート法、スピンコート法などを
用いることができるが、その中でロールコート法が好ま
しい。
【0017】基板上に形成した被覆用組成物の薄膜を、
室温〜150℃で10秒〜10分間乾燥させる。このよ
うにして得られた乾燥された薄膜で被覆された基板を加
熱炉に入れ、膜表面温度で450℃以上になるように5
分〜30分焼成する。さらに好ましい膜表面温度範囲
は、550℃〜1200℃である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、実施例に基づいて本発明を
詳細に説明する。
【0019】
【実施例1】コバルトの酢酸塩(Co(CH3COO)2・4H2O)
40gと、安定化剤としてのジエタノールアミン(HN(C
H2CH2OH)2)33.75gとを、エチルセルソルブ 18
4g中で攪拌、混合して原料液を調合した。大きさが1
00mm×100mm、厚さが3.5mmのソーダライ
ムガラス板を、洗浄、乾燥後、塗布基板として使用し
た。
【0020】この基板にスピンコーター(回転数 2000r
pm)にて上記原料液の塗布を行った。風乾した後、25
0℃で2時間オーブンで乾燥した。しかる処理の後、基
板を吊具によって固定し、最高基板温度670℃の条件
で焼成したところ、緻密かつ均一な酸化コバルト薄膜を
付着させた暗褐色の着色ガラス板が得られた。この試料
について、JIS R−3106にしたがって、視感透
過率、日射透過率、および色度(a,b)を求めた。こ
の結果を実施例1として表1に示す。なお表中、「比」
は原料液中の金属原子のモル比を示し、焼成した膜の組
成もこれと同じモル比の酸化物で構成されていた。これ
らの機械的強度、化学的強度を評価するために、テーバ
試験による表面強度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル
性を測定したが、良好な結果を得た。
【0021】
【実施例2】マンガンの酢酸塩 40gを、安定化剤と
してジエタノールアミン 34.30gとをエチルセルソ
ルブ 209g中で攪拌、混合して原料液を調合した。
【0022】この原料液を用いて実施例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成して、緻密かつ均一な酸化マンガ
ン薄膜を付着させた暗褐色の着色ガラス板が得られた。
この試料について、実施例1と同様に視感透過率、日射
透過率、および色度を求めた。この結果を実施例2とし
て表1に示す。また、テーバ試験による表面強度、耐酸
性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定したが、いずれも
良好な結果を得た。
【0023】
【実施例3】銅の酢酸塩 46.74gを、安定化剤と
してジエタノールアミン 42.13gをイソプロパノ
ール 539g中で攪拌、混合して原料液を調合した。
この原料液を用いて実施例1と同様に塗布、風乾、乾
燥、焼成して、緻密かつ均一な酸化銅薄膜を付着させた
暗褐色の着色ガラス板が得られた。この試料について、
実施例1と同様に視感透過率、日射透過率、および色度
を求めた。この結果を実施例3として表1に示す。ま
た、テーバ試験による表面強度、耐酸性、耐アルカリ
性、耐ボイル性を測定したが、いずれも良好な結果を得
た。
【0024】
【実施例4】コバルトの酢酸塩 40gを、安定化剤と
してジエタノールアミン 33.75gとをエチルセルソ
ルブ 184g中で攪拌、混合して原料液1を調合し
た。またニッケルの硝酸塩 40gを、安定化剤として
ジエタノールアミン 28.90gとをエチルセルソルブ
137g中で攪拌、混合して原料液2を調合した。こ
れらを原料液1を100g、原料液2を 46.4gで混
合、攪拌したものを原料液とした。
【0025】この原料液を用いて実施例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成して、緻密かつ均一な酸化コバル
ト−酸化ニッケル薄膜を付着させた暗色の着色ガラス板
が得られた。この試料について、実施例1と同様に視感
透過率、日射透過率、および色度を求めた。この結果を
実施例4として表1に示す。また、テーバ試験による表
面強度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定した
が、いずれも良好な結果を得た。またこれは、シート抵
抗値 0.4MΩを示した。
【0026】
【実施例5】コバルトの酢酸塩 40gを、安定化剤と
してジエタノールアミン 33.75gとをエチルセルソ
ルブ 184g中で攪拌、混合して原料液1を調合し
た。また銅の酢酸塩 40gを、安定化剤としてジエタ
ノールアミン 42.13gとをエチルセルソルブ 23
6g中で攪拌、混合して原料液2を調合した。これらを
原料液1を100g、原料液2を 49.6gで混合、攪
拌したものを原料液とした。
【0027】この原料液を用いて実施例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成して、緻密かつ均一な酸化コバル
ト−酸化銅薄膜を付着させた暗色の着色ガラス板が得ら
れた。この試料について、実施例1と同様に視感透過
率、日射透過率、および色度を求めた。この結果を実施
例5として表1に示す。また、テーバ試験による表面強
度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定したが、
いずれも良好な結果を得た。
【0028】
【実施例6】コバルトの酢酸塩 40gを、安定化剤と
してジエタノールアミン 33.75gとをエチルセルソ
ルブ 184g中で攪拌、混合して原料液1を調合し
た。またマンガンの酢酸塩 40gを、安定化剤として
ジエタノールアミン 34.30gとをエチルセルソルブ
209g中で攪拌、混合して原料液2を調合した。こ
れらを原料液1を100g、原料液2を 23.7gで混
合、攪拌したものを原料液とした。
【0029】この原料液を用いて実施例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成して緻密かつ均一な酸化コバルト
−酸化マンガン薄膜を付着させた暗色の着色ガラス板が
得られた。この試料について、実施例1と同様に視感透
過率、日射透過率、および色度を求めた。この結果を実
施例6として表1に示す。また、テーバ試験による表面
強度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定した
が、いずれも良好な結果を得た。
【0030】
【実施例7】銅の酢酸塩 40gを、安定化剤としてジ
エタノールアミン 42.13gとをエチルセル 236
g中で攪拌、混合して原料液1を調合した。またマンガ
ンの酢酸塩 40gを、安定化剤としてジエタノールア
ミン 34.30gとをエチルセルソルブ 209g中で
攪拌、混合して原料液2を調合した。これらを原料液1
を11.6g、原料液2を100.0gで混合、攪拌した
ものを原料液とした。この原料液を用いて実施例1と同
様に塗布、風乾、乾燥、焼成して緻密かつ均一な酸化銅
−酸化マンガン薄膜を付着させた暗色の着色ガラス板が
得られた。この試料について、実施例1と同様に視感透
過率、日射透過率、および色度を求めた。この結果を実
施例7として表1に示す。また、テーバ試験による表面
強度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定した
が、いずれも良好な結果を得た。
【0031】
【実施例8】銅の酢酸塩 40gを、安定化剤としてジ
エタノールアミン 42.13gとをエチルセルソルブ
236g中で攪拌、混合して原料液1を調合した。また
マンガンの酢酸塩 40gを、安定化剤としてジエタノ
ールアミン 34.30gとをエチルセルソルブ 209
g中で攪拌、混合して原料液2を調合した。これらを原
料液1を100g、原料液2を 47.9gで混合、攪拌
したものを原料液とした。
【0032】この原料液を用いて実施例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成して、緻密かつ均一な酸化銅−酸
化マンガン薄膜を付着させた暗青色の着色ガラス板が得
られた。この試料について、実施例1と同様に視感透過
率、日射透過率、および色度を求めた。この結果を実施
例8として表1に示す。また、テーバ試験による表面強
度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定したが、
いずれも良好な結果を得た。またこれはシート抵抗値
4.7MΩを示した。
【0033】
【実施例9】マンガンの酢酸塩 40gを、安定化剤と
してジエタノールアミン 34.30gとをエチルセルソ
ルブ 209g中で攪拌、混合して原料液1を調合し
た。また、チタンのアルコキシドとアセチルアセトンと
を、モル比で1:2で混合することにより、チタンのア
ルコキシドの一部をアセチルアセトンで溶媒和した塩
40gをエチルセルソルブ 137g中で攪拌、混合し
て原料液2を調合した。これらを原料液1を100g、
原料液2を 20.7gで混合、攪拌したものを原料液と
した。
【0034】この原料液を用いて実施例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成して、緻密かつ均一な酸化マンガ
ン−チタニア薄膜を付着させた暗色の着色ガラス板が得
られた。この試料について、実施例1と同様に視感透過
率、日射透過率、および色度(透過光)を求めた。この
結果を実施例9として表1に示す。また、テーバ試験に
よる表面強度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測
定したが、いずれも良好な結果を得た。
【0035】
【実施例10】コバルトの酢酸塩 40gを、安定化剤
としてジエタノールアミン 33.75gとをエチルセル
ソルブ 184g中で攪拌、混合して原料液1を調合し
た。また、アルミニウムブトキサイド 40gを、安定
化剤としてトリエタノールアミン 41.01gとをエ
チルセルソルブ 137g中で攪拌、混合して原料液2
を調合した。これらを原料液1を 100g、原料液2
を46.4gで混合、攪拌したものを原料液とした。
【0036】この原料液を用いて実施例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成して、緻密かつ均一な酸化コバル
ト−アルミナ薄膜を付着させた暗色の着色ガラス板が得
られた。この試料について、実施例1と同様に視感透過
率、日射透過率、色度を求めた。この結果を実施例10
として表1に示す。また、テーバ試験による表面強度、
耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定したが、いず
れも良好な結果を得た。
【0037】
【実施例11】コバルトの酢酸塩 40gを、安定化剤
としてジエタノールアミン 33.75gとをエチルセル
ソルブ 184g中で攪拌、混合して原料液1を調合し
た。また、チタンのアルコキシドとアセチルアセトンを
モル比で1:2で混合することにより、チタンのアルコ
キシドの一部をアセチルアセトンで溶媒和した塩 40
gをエチルセルソルブ 137g中で攪拌、混合して原
料液2を調合した。これらを原料液1を100g、原料
液2を 46.4gで混合、攪拌したものを原料液とし
た。
【0038】この原料液を用いて実施例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成して緻密かつ均一な酸化コバルト
−チタニア薄膜を付着させた暗色の着色ガラス板が得ら
れた。この試料について、実施例1と同様に視感透過
率、日射透過率、および色度を求めた。この結果を実施
例11として表1に示す。また、テーバ試験による表面
強度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定した
が、いずれも良好な結果を得た。
【0039】
【実施例12】コバルトの酢酸塩 400gを、安定化
剤としてジエタノールアミン 337.5gとをエチル
セルソルブ 1840g中で攪拌、混合して原料液1を
調合した。また、クロム硝酸塩とアセチルアセトンをモ
ル比で1:2で混合することにより、クロム硝酸塩の一
部をアセチルアセトンで溶媒和した塩100gをエチル
セルソルブ 204g中で攪拌、混合して原料液2を調
合した。また、鉄の硝酸塩とアセチルアセトンをモル比
で1:2で混合することにより、鉄の硝酸塩の一部をア
セチルアセトンで溶媒和した塩 116.5gをエチルセ
ルソルブ147g中で攪拌、混合して原料液3を調合し
た。原料液1を100g、原料液2を31.6g、原料
液3を33.2gづつ混合、攪拌したものを原料液とし
た。
【0040】この原料液を用いて実施例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成して、緻密かつ均一な酸化コバル
ト−酸化クロム薄膜を付着させた暗色の着色ガラス板が
得られた。この試料について、実施例1と同様に視感透
過率、日射透過率、および色度を求めた。この結果を実
施例12として表1に示す。また、テーバ試験による表
面強度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定した
が、いずれも良好な結果を得た。
【0041】
【実施例13】コバルトの塩化物塩 38.21gを、
安定化剤としてジエタノールアミン 33.75gとをエ
チルセルソルブ 184g中で攪拌、混合して原料液を
調合した。
【0042】この原料液を用いて実施例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成して、緻密かつ均一な酸化コバル
ト薄膜を付着させた暗褐色の着色ガラス板が得られた。
この試料について、実施例1と同様に視感透過率、日射
透過率、および色度を求めた。この結果を実施例13と
して表1に示す。また、テーバ試験による表面強度、耐
酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測定したが、いずれ
も良好な結果を得た。
【0043】
【実施例14】コバルトの酢酸塩 40gを、安定化剤
としてジエタノールアミン 33.75gとをエチルセル
ソルブ 184g中で攪拌、混合して原料液1を調合し
た。エチルシリケート(コルコート社製のエチルシリケ
ート40) 500gと、0.1Nの塩酸 60gと、i
PA 440gとを混合したものを原料液2−1とす
る。オクトチタン酸テトライソプロピル 284.3g
と、アセチルアセトン 200.2gとを混合したもの
を原料液2−2とする。硝酸セリウム6水和物 43
4.2gと、アセチルアセトン 300.4gとを混合
したものを原料液2−3とする。原料液2−1を41.
5g、原料液2−2を223.0g、原料液2−3を2
36.7g、エチルセルソルブ 528.8gを混合した
ものを原料液2とする。原料液1を40gと原料液2を
10gを、混合、攪拌したものを原料液とした。
【0044】この原料液を用いて実施例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成して、緻密かつ均一な酸化コバル
ト−シリカ−チタニア−セリア薄膜を付着させた暗色の
着色ガラス板が得られた。この試料について、実施例1
と同様に視感透過率、日射透過率、および色度を求め
た。この結果を実施例14として表1に示す。また、テ
ーバ試験による表面強度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボ
イル性を測定したが、いずれも良好な結果を得た。
【0045】
【実施例15】また、上記実施例14における原料液1
を25gと、同じく原料液2を25gとを、混合、攪拌
したものを原料液としたものについて同様の処理を行っ
た。実施例15として表1に示す。また、テーバ試験に
よる表面強度、耐酸性、耐アルカリ性、耐ボイル性を測
定したが、いずれも良好な結果を得た。
【0046】
【表1】 ================================== 実施例 原料液 比 膜厚 視感 日射 色度 番号 透過率 透過率 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− [nm] [%] [%] a b −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 Co − 55 44.0 37.0 -3.51 5.79 2 Mn − 50 42.1 49.6 -1.06 4.85 3 Cu − 50 49.2 53.0 -3.05 4.65 4 Co−Ni 2:1 50 52.8 42.1 -4.01 7.65 5 Co−Cu 2:1 80 38.0 32.2 -3.17 15.45 6 Co−Mn 8:2 65 42.6 35.5 -3.32 8.04 7 Cu−Mn 1:9 50 53.5 43.9 -3.59 12.05 8 Cu−Mn 2:1 51 42.2 29.4 -5.12 -3.67 9 Mn−Ti 8:2 50 51.2 42.9 -2.06 4.46 10 Co−Al 1:2 70 66.1 52.1 -2.54 5.27 11 Co−Ti 2:1 70 65.2 51.1 -1.50 7.20 12 Co-Cr-Fe 6:2:2 70 45.5 37.4 -4.46 13.58 13 Co − 55 44.0 37.0 -3.51 5.79 14 Co-Si-Ti-Ce 109:3:10:7 60 52.8 43.0 -3.52 7.81 15 Co-Si-Ti-Ce 27:3:10:7 60 62.6 49.0 -4.55 5.75 ==================================
【0047】
【比較例1】コバルトの硝酸塩 40gを、エチルセル
ソルブ 217.75g中で攪拌、混合し原料液を調合
した。
【0048】この原料液を用いて実施例1と同様に塗
布、風乾、乾燥、焼成したが、均一な膜は得られず、膜
は多孔質で鈍い灰色の膜が得られた。なお、コバルトの
硝酸塩を上記の40gに代えて46.74gに、エチル
セルソルブを上記217.75gに代えて226gとし
て、原料液中のコバルトの固形分を2%以下に低くした
ところ、厚み 0.05μmの緻密かつ均一な酸化コバル
ト薄膜を付着させた薄暗褐色の着色ガラス板が得られ
た。
【0049】
【比較例2】金属イオンに配位して、極めて安定な錯体
を形成するβジケトン類の代表的なものとして、アセチ
ルアセトンをアルカノールアミンの代わりに用いて、コ
バルト(II)アセチルアセトナート2水和物を塗布溶媒
としてエタノール、イソプロパノール、およびエチルセ
ルソルブに溶解させることを試みたが、ほとんど溶解し
なかった。なお、上記エタノール、イソプロパノール、
およびエチルセルソルブに代えてキシレン、トルエンな
どの非極性溶媒を用いると、溶解できたが、この原料液
を上記基板に塗布しようとしても、はじいて膜を形成す
ることはできなかった。
【0050】
【発明の効果】本発明は、アルカノールアミンで該当金
属化合物を安定化させることにより、平滑性、密度等の
特性について良好な薄膜を形成することができる。また
高価な金属アルコキシドの代わりに、安価な酢酸塩など
の塩を出発原料として安定性に優れた原料液とすること
ができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属塩およびアルカノールアミンを主成
    分として含有する金属酸化物光学被覆用組成物。
  2. 【請求項2】 前記金属塩は、Co、Mn、Cu、T
    i、Ni、Al、およびZrからなる群より選ばれた少
    なくとも1種の金属の酢酸塩、硝酸塩、塩化物塩または
    アセチルアセトン塩である請求項1記載の金属酸化物光
    学被覆用組成物。
  3. 【請求項3】 前記金属塩およびアルカノールアミン
    を、金属塩1モルに対してアルカノールアミン0.1〜
    10モルの割合で含有する請求項1記載の金属酸化物光
    学被覆用組成物。
  4. 【請求項4】 溶媒として、アルコール、アルコキシア
    ルコール、およびセルソルブからなる群より選ばれた少
    なくとも1種を含有する請求項1記載の金属酸化物光学
    被覆用組成物。
  5. 【請求項5】 前記金属塩およびアルカノールアミンの
    他に、(A)前記金属塩の金属種とは異なる金属の塩ま
    たはアルコキシド、ならびに、(B)アセチルアセト
    ン、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、
    プロピレンエチレングリコール、ジプロピレンエチレン
    グリコール、ニトロセルロース、およびエチルセルロー
    スからなる群より選ばれた少なくとも1種、をさらに含
    有する請求項2記載の金属酸化物光学被覆用組成物。
  6. 【請求項6】 前記(A)成分および(B)成分を、
    (A)成分100重量部に対して(B)成分50〜30
    0重量部の割合で含有する請求項5記載の金属酸化物光
    学被覆用組成物。
  7. 【請求項7】 前記金属塩および前記(A)成分を、金
    属塩1モルに対して(A)成分0.1〜1.0モルの割
    合で含有する請求項6記載の金属酸化物光学被覆用組成
    物。
  8. 【請求項8】 前記(A)成分は、Cr塩、Fe塩、T
    iアルコキシドからなる群より選ばれた少なくとも1種
    であり、前記(B)成分はアセチルアセトンであるる請
    求項1記載の金属酸化物光学被覆用組成物。
  9. 【請求項9】 金属塩およびアルカノールアミンを主成
    分として含有する金属酸化物光学被覆用組成物を基材に
    塗布・乾燥・焼成する金属酸化物光学被覆物品の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記金属塩はCoの酢酸塩、硝酸塩ま
    たは塩化物塩であり、前記アルカノールアミンはジエタ
    ノールアミンであり、前記金属酸化物光学被覆用組成物
    は、さらにCr塩、Fe塩およびアセチルアセトンを含
    有する請求項9記載の金属酸化物光学被覆物品の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000351917A (ja) * 1999-06-09 2000-12-19 Asahi Glass Co Ltd 酸化物膜形成用塗布液、酸化物膜形成方法および酸化物膜付き基体
US6515631B1 (en) 1999-08-17 2003-02-04 Central Glass Company, Limited Glass pane with functional film and process producing same

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JP2000351917A (ja) * 1999-06-09 2000-12-19 Asahi Glass Co Ltd 酸化物膜形成用塗布液、酸化物膜形成方法および酸化物膜付き基体
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