JPH091568A - 溶液製膜フィルムの製造方法 - Google Patents

溶液製膜フィルムの製造方法

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JPH091568A
JPH091568A JP15804095A JP15804095A JPH091568A JP H091568 A JPH091568 A JP H091568A JP 15804095 A JP15804095 A JP 15804095A JP 15804095 A JP15804095 A JP 15804095A JP H091568 A JPH091568 A JP H091568A
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JP
Japan
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film
support
solution
forming
polymer
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JP15804095A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Ito
伸明 伊藤
Wasuke Yoneyama
和祐 米山
Akimitsu Tsukuda
佃  明光
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】極めて表面性に優れた溶液製膜フイルムの製造
方法を提供する。 【構成】ポリマ溶液を支持体上に流延してフイルムに成
形する溶液製膜フイルムの製造方法において、該支持体
の表面の50μm以上の介在物が5個/cm2 以下であ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面性に優れた溶液製膜
フィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機ポリマよりなるフィルムは一般にそ
の融点以上の温度をかけることにより溶融状態とし、そ
れを口金から溶融膜として吐出してフィルムを成形する
のに対し、融点と分解温度の近い、または融点が分解温
度より高いポリマは、溶融と同時に分解が発生するた
め、適当な溶剤にポリマを溶かし、そうして得られた溶
液を支持体上にキャストし、その後溶剤を除去する溶液
製膜法によりフィルムに成形される。例えば、セルロー
ス、酢酸ビニル、あるいは芳香族ポリアミド、芳香族ポ
リイミドなどが挙げられる。
【0003】溶液製膜法により得られるフィルムは、溶
融製膜により得られるフィルムに較べ、生産性に欠ける
(コスト高)が、強度、耐熱性、表面性等が優れてお
り、使用される用途の高機能化により、より一層の表面
性の向上が求められるようになっている。例えばパラ系
芳香族ポリアミドフィルムは、その耐熱性、高剛性を活
かして、磁気記録分野等に使用されているが、高密度
化、小型化などの要請から表面の平滑化の要求がある。
一般的には溶液製膜フイルムを製膜する際の支持体の表
面には傷や介在物が多いため、特開平1ー245415
では平滑な表面を得るために支持体と反対面側を利用す
ることが提案されている。しかしフイルムを巻取った際
に互いの面は接するため、粗大な突起が多い支持体面側
の表面がもう一方の面に転写するので、支持体側になる
表面についても平滑にする必要がある。また製膜や磁気
記録媒体製造時にガイドロールに触れて粗大突起が削れ
たりすることがあるので、支持体側になる表面の突起を
減少させる必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題点
を解決するために、支持体の表面性と、この支持体を使
用して製膜したフイルムの表面性との関係を鋭意検討す
ることにより、従来では得られなった平滑性のすぐれた
フイルムを提供できる溶液製膜フィルムの製造方法を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリマ溶液を
支持体上に流延してフイルムに成形する溶液製膜フイル
ムの製造方法において、該支持体の表面の50μm以上
の介在物が5個/cm2 以下であることを特徴とする溶
液製膜フィルムの製造方法である。
【0006】本発明でいう溶液製膜フィルムとは、ポリ
マと溶媒を主成分とする溶液を口金より支持体状にキャ
スト後、溶媒を除去して成形されるフィルムを指す。溶
媒の種類はポリマを溶解するものであれば特に限定はさ
れない。また溶液中のポリマの濃度はポリマの種類にも
よるが、一般的に3〜50wt%であり、溶液中にはポ
リマと溶媒以外に目的に応じて、滑材、可塑剤、導電性
粒子、酸化防止剤その他の添加剤がブレンドされていて
も差し支えない。ポリマの例としては、芳香族ポリアミ
ド、芳香族ポリイミド、ポリアリレート、、ポリカーボ
ネート、二酢酸セルロースや三酢酸セルロースなどのセ
ルロースポリマ、酢酸ビニル、ポリビニルアルコールな
どが挙げられる。
【0007】本発明の溶液製膜フィルムの製造に使用さ
れる支持体の形態は、ドラムあるいはエンンドレスベル
ト等のものがある。また支持体の材質としては、鉄、ス
テンレス(SUS)、ニッケル、チタン、タンタル、銅
等、さらにこれらの表面にクロム、ニッケル等をはじめ
とするメッキや表面処理が施されていてもよい。
【0008】ベルトの場合は、その厚みは0.5〜3m
mが平面性が良好なものとなるので好ましい。より好ま
しくは1〜2mmである。また幅は生産性の点から広い
ほうがよいが1〜4mが使用上好ましい。
【0009】この支持体の表面の50μm以上の介在物
の頻度は5個/cm2 以下の必要がある。好ましくは1
個/cm2 以下、より好ましくは0.5個/cm2 以下
である。5個/cm2 より多い場合には製膜時に介在物
がフイルムに転写し、粗大突起となって良好な表面を得
ることができない。
【0010】また支持体の表面の100μm以上の介在
物は1個/cm2 以下が好ましい。より好ましくは0.
1個/cm2 以下、さらに好ましくは0.05個/cm
2 以下である。1個/cm2 より多い場合には製膜時に
フイルムに転写して表面を粗したり、またフイルムが薄
い場合にはピンポールが発生したり、さらに製膜中にフ
イルム破れを引き起こすことが出てくる。
【0011】支持体の表面粗さは最大高さRtで1μm
以下、より好ましくは0.5μm以下、さらに好ましく
は0.2μm以下である。1μmより大きいと、フイル
ム表面が粗れたり、うねったりするので好ましくない。
【0012】このような表面性を有する支持体を得るに
は、まず支持体となる金属材料中の不純物が少ないこと
が重要であり、支持体の形に加工後、表面を十分研磨し
て平滑性をもたせることが必要である。さらにこの上に
クロム、金、銀、ニッケルなどのメッキや表面処理を施
してもよい。表面処理の一例としてはクロムの薄膜酸化
水和物皮膜などがある。
【0013】本発明の溶液製膜フィルムは、ポリマが芳
香族ポリアミドであると本発明の効果が大きく好まし
い。製膜するフイルムの厚さは限定されないが一般には
1〜50μmである。特に15μ以下の薄いフイルムに
なると、支持体の介在物がフイルムに転写して支持体面
だけでなく、反支持体面まで表面性を悪化させるので、
表面の介在物が少ないものを使用することが好ましい。
【0014】本発明の溶液製膜フィルムの製造方法を芳
香族ポリアミドフィルムを例にとって説明するがこれに
限定されるものではない。
【0015】まず芳香族ポリアミドポリマの製造である
が、酸クロリドとジアミンから得る場合には、N−メチ
ルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DM
Ac)、ジメチルホルムアミド(DMF)などの非プロ
トン性有機極性溶媒中で、溶液重合したり、水系媒体を
使用する界面重合などで合成される。ポリマ溶液は、単
量体として酸クロリドとジアミンを使用すると塩化水素
が副生するが、これを中和する場合には水酸化カルシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸リチウムなどの無機の中和
剤、またエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
アンモニア、トリエチルアミン、トリエタノールアミ
ン、ジエタノールアミンなどの有機の中和剤が使用され
る。また、イソシアネートとカルボン酸との反応は、非
プロトン性有機極性溶媒中、触媒の存在下で行なわれ
る。
【0016】これらのポリマ溶液はそのまま製膜原液と
して使用してもよく、あるいはポリマを一度単離してか
ら上記の有機溶媒や、硫酸等の無機溶剤に再溶解して製
膜原液を調製してもよい。
【0017】フイルムの表面に微細な凹凸をつけるため
に粒子を添加することが好ましい。粒子の添加方法は、
粒子を予め溶媒中に十分スラリ−化した後、重合用溶媒
または希釈用溶媒として添加する方法や、製膜原液を調
製した後に直接添加する方法などがある。
【0018】ポリマ濃度は、高い方が生産性向上につな
がり望ましいが、現実的なプロセスの観点から3〜50
%の範囲内である。
【0019】上記のように調製された製膜原液は、いわ
ゆる溶液製膜法によりフィルム化が行なわれる。溶液製
膜法には製膜原液をエンドレスベルト、ドラム等の支持
体にキャスト後、乾燥、フィルムの剥離、熱処理を行う
乾式法、製膜原液乾燥工程を経ずに直接水中に押し出
し、溶媒抽出後熱処理を行う湿式法、支持体上で乾燥、
フィルム剥離後湿式工程に導入する乾湿式法、支持体上
で乾燥後支持体ごと湿式工程に導入する半乾半湿式法な
どがあるが、本発明のフィルムを得るには溶液膜を支持
体上にキャストする乾式法、乾湿式法または半乾半湿式
法が好ましい。
【0020】乾湿式法で製膜する場合を例にとって説明
すると、まず該溶液を口金からドラムやエンドレスベル
ト等の支持体上に押し出して薄膜とし、次いでかかる薄
膜層から溶媒を飛散させ薄膜が自己保持性をもつまで乾
燥する。
【0021】このように支持体状にキャストされた溶液
膜は熱風、支持体加熱あるいは赤外線加熱などの方法に
より乾燥を受け溶媒を除去される。乾燥条件は室温〜溶
媒の沸点+20℃、60分以内の範囲であり、好ましく
は室温〜溶媒の沸点の範囲である。
【0022】上記乾式工程を終えたフィルムは湿式工程
に導入され、ここでフィルム中に含有されている溶媒や
不純物が除去される。この浴は一般に水系媒体からなる
ものであり、水の他に有機溶媒や無機塩等を含有してい
てもよい。しかし、一般には水分量は30%以上、好ま
しくは50%以上含有されているものであり、浴温度は
通常0〜100℃で使用される。
【0023】湿式工程を出たフィルムは更に乾燥、熱処
理が行われてフィルムとなる。温度としては200〜4
50℃で1分以上60分以下である。
【0024】以上のように形成されるフィルムはその製
膜工程中で、厚みむら、機械特性向上の目的で延伸が行
なわれてもよい。延伸倍率は縦延伸倍率が0.95〜
2.0(縦延伸倍率とは巻き取り速度をキャスト速度で
除した値で定義する。)面倍率で0.8〜4.0(面倍
率とは延伸後のフィルム面積を延伸前のフィルムの面積
で除した値で定義する。)の範囲内であると局所厚みむ
ら、機械特性の点から好ましく、より好ましくは縦延伸
倍率が1.05〜1.5、面倍率が1.1〜3.0であ
る。
【0025】こうして得られたフィルムを巻き取って芳
香族ポリアミドフィルムが得られる。
【0026】
【実施例】本発明の測定方法、効果の評価方法は次の方
法による。
【0027】(1)介在物 支持体の表面を顕微鏡で観察し、島状に存在する不連続
部分を介在物と呼ぶ。支持体材料中の不純物が原因で発
生する物や、研磨時に発生した傷等もこれに含める。表
面をランダムに10cm2 観察し求めた。介在物は、幅
10μm以上のものについて数え、大きさはその長さ
(長径)で表す。
【0028】(2)支持体表面粗さ(最大高さ Rt) 表面粗さ計で測定した。カットオフ値0.08mm、測
定長4mmを5回測定し、その平均で表した。表面処理
やメッキをした場合は、その処理後に測定する。
【0029】(3)粗大突起 製膜したフイルムの支持体面側の表面について測定す
る。フイルム表面100cm2 の範囲を偏向下、粗大突
起を観察しマーキングする。その部分の高さを波長0.
54μmで多重干渉計を用いて観察し、干渉縞の数で高
さを求める。三重環以上のものをカウントし、粗大突起
数が1個/cm2 以下の場合を○、それ以上のものを×
とした。
【0030】(4)ピンポール 5μmのフイルムを製膜し、フイルム10m2 を肉眼、
あるいは50倍の顕微鏡で観察し、ピンホールの数が
0.1個/m2 以下の場合は○、0.1〜0.5個/m
2 の場合は△、それ以上の場合は×とした。
【0031】(5)耐久性 フイルムを1/2インチ幅にスリットし、テープ走行試
験機を使用して、ガイドピン(表面粗度:Raで100
nm)上を走行させる。走行速度は100m/min、
走行回数10パス、巻付け角150度、走行張力50g
である。
【0032】ここで支持体面側をガイドピンにあてて走
行させる。試験後ガイドピンを顕微鏡で観察し、削れ物
がないか、非常に軽微なものを○、明らかに堆積物があ
るものを×とした。
【0033】(6)表面粗さ(中心線平均粗さ Ra、
最大高さ Rt) 小坂研究所製の薄膜段差測定器で支持体面側のフイルム
表面を下記条件で測定する。5回測定し、その平均で表
わした。
【0034】・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :0.5mm ・カットオフ値:0.08mm
【0035】実施例1 N−メチルピロリドン(NMP)に芳香族ジアミン成分
として80モル%に相当する2−クロルパラフェニレン
ジアミンと、20モル%に相当する4、4−ジアミノジ
フェニルエ−テルとを溶解させ、これに100モル%に
相当する2−クロルテレフタル酸クロリドを添加し、2
時間撹拌して重合を完了した。なお重合前に50nm径
のコロイダルシリカを、ポリマ当たり0.1wt%にな
るように添加した。これを水酸化リチウムで中和し、つ
いでアンモニア水をNMPで希釈して添加し、ポリマ濃
度10wt%、固有粘度3、溶液粘度3500ポイズ
(30℃)の芳香族ポリアミド溶液を得た。
【0036】このポリマ溶液を5μmカットのフィルタ
−を通した後、口金からエンドレスベルト上にキャスト
した。使用したベルトはニッケル製であり、表面性は表
1に示したとおりである。
【0037】このベルト上でポリマ溶液を150℃の熱
風で2分間加熱して溶媒を蒸発させ、自己保持性を有す
るフィルムをベルトから連続的に剥離した。次に30℃
の水槽内へフィルムを導入して残存溶媒と中和で生じた
無機塩などを抽出し、さらに300℃のテンタ−で1.
5分間水分の乾燥と熱処理を行なって厚さ5μmの芳香
族ポリアミドフィルムを得た。この間にフィルム長手方
向と幅方向に各々1.2倍、1.3倍延伸を行なった。
【0038】このフイルムはヤング率が、長手方向13
50kg/mm2 、幅方向1320kg/mm2 と優れ
たものであった。またフイルムの表面性、耐久性は表2
のとうり優れたものであった。
【0039】実施例2〜4 実施例1と同一のポリマ溶液を用いて表1に示すベルト
を使ってフィルムを製膜した。得られたフィルムの表面
性、耐久性は優れたものであった。
【0040】比較例1〜3 実施例1と同一のポリ溶液を用いて表1に示す支持体で
フィルムを製膜した。比較例1、2はベルトを使用、比
較3はドラムを用いた。
【0041】表面性、耐久性とも満足できるものは得ら
れなかった。
【0042】
【表1】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明の表面を有する支持体を使用する
ことにより、得られる溶液製膜フィルムは、表面性、耐
久性の極めて優れたものとなる。特に芳香族ポリアミド
フィルムとしたときは、その主要な用途である磁気記録
媒体用に要求される平滑な表面を形成することができ
る。
【0044】またFPC,TAB、プリンターリボン、
ケーブル被覆などに使用されるフィルムを製膜した場合
には、表面の均一性が増しフイルムの加工性が向上する
などの効果がある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマ溶液を支持体上に流延してフイル
    ムに成形する溶液製膜フイルムの製造方法において、該
    支持体の表面の50μm以上の介在物が5個/cm2
    下であることを特徴とする溶液製膜フィルムの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 支持体の表面の100μm以上の介在物
    が1個/cm2 以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の溶液製膜フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 支持体の表面の表面粗さRtが1μm以
    下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶液
    製膜フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 溶液製膜フイルムが芳香族ポリアミドフ
    イルムであることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    かに記載の溶液製膜フィルムの製造方法。
JP15804095A 1995-06-23 1995-06-23 溶液製膜フィルムの製造方法 Pending JPH091568A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200110456A (ko) 2012-03-30 2020-09-23 주식회사 쿠라레 폴리비닐알코올계 중합체 필름

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200110456A (ko) 2012-03-30 2020-09-23 주식회사 쿠라레 폴리비닐알코올계 중합체 필름

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