JPH09156318A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH09156318A
JPH09156318A JP7320492A JP32049295A JPH09156318A JP H09156318 A JPH09156318 A JP H09156318A JP 7320492 A JP7320492 A JP 7320492A JP 32049295 A JP32049295 A JP 32049295A JP H09156318 A JPH09156318 A JP H09156318A
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Japan
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tire
belt layer
belt
pneumatic radial
equatorial plane
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JP7320492A
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Yoshihide Kono
好秀 河野
Hisanobu Kobayashi
寿延 小林
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Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1層の傾斜ベルト層と、周回ベルト層とから
なるベルトを有する空気入りラジアルタイヤに関し、通
過騒音の低減を図る。 【解決手段】 少なくとも一対のビードコア2,3 間にま
たがってトロイド状をなすカーカス4 のクラウン部外周
と、タイヤ円周に沿って延びる複数本の周溝9 を有する
トレッド8 との間に、タイヤ赤道面5 に対し傾斜して延
びる複数本の補強素子を配列した一層の傾斜ベルト層6
と、タイヤ赤道面5 に対し実質上平行な複数本の補強素
子の巻付け配列になる少なくとも一層の周回ベルト層7
とからなるベルトを配設してなり、JATMA に定める最大
負荷能力とこれに対応する所定の空気圧とにしたタイヤ
の接地状態にて、その接地域内にある全周溝9a,9b の溝
容積に対する、タイヤ赤道5 からそれぞれタイヤ接地幅
の25% の位置で挟まれた接地域内にある周溝9aの溝容積
の比率が60% 以上であり、周回ベルト層7 の被覆ゴムの
弾性率が200kgf/mm2以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、1層の傾斜ベル
ト層と、周回ベルト層とを有する空気入りラジアルタイ
ヤに関するものであり、特に通過騒音の低減を図ること
を目指したものである。この発明は、周溝主体のトレッ
ドパターンを有するタイヤ、特に、このようなトレッド
パターンにすることが多い小形トラック用タイヤに適し
ている。
【0002】
【従来の技術】空気入りラジアルタイヤ、とりわけ広く
多用されている乗用車用タイヤに適用されてきたトレッ
ド部の補強のためのベルトは、普通2〜3層のコード交
差層からなる。
【0003】このコード交差層はトレッド部の中央円周
を含む平面、換言すればタイヤ赤道面を挟んで、各層の
コード、それも多くの場合にスチールコードを互いに交
差する向きに配列するのが一般である。
【0004】しかし、上記コード交差層からなるベルト
では所望する諸性能、例えば軽量性、耐摩耗性並びに耐
久性が充分には得られ難いことから、ベルトを内側の1
層のゴム被覆コードからなる傾斜ベルト層とその外側の
ゴム被覆平行コードからなる、いわゆるキャップ層との
異種コード層の積層体により構成することが、下記文献
(1)〜(3)にて提案されている。
【0005】ここでキャップ層については、そのコード
がタイヤ赤道面に対し実質上平行な複数コードの巻付け
配列になり、しばしば周回ベルト層とも呼ばれ、この周
回ベルト層を構成する複数コードの巻付け配列につい
て、上記のように実質上平行という表現にしたのは、周
回ベルト層と対応する幅にて準備される横並べコードの
ゴム被覆帯を、端部突合わせ又は重ね合わせ巻回接合し
てなる場合の他に、周回ベルト層のコードの巻付け配列
の様相が、つる巻きらせん構造、すなわち通常はゴム被
覆コード又はゴム被覆により隔てて並べた複数のコード
若しくはゴム被覆により隔てて重ねた少数のコードの引
揃え束を、コード又は束の幅に対応するリードで巻付け
て成る場合を含めるためである。すなわち、実質上平行
とは、端部突合わせ又は重ね合わせ巻回接合してなる場
合には、製造上不可避な僅少誤差を考慮に入れることを
意味し、また、つる巻きらせん構造の場合には、らせん
リードにより僅少な傾斜角度がつくことを考慮に入れる
ことを意味する。
【0006】文献(1) 電車やモノレール車両などに用いる大型の重荷重用空気
入りラジアルタイヤに適用された上記2層よりなる異種
コード層の側端部における耐セパレーション性向上を目
的として特開昭61-9314 号公報には、主ベルト層がタイ
ヤ赤道面に対して極く平行に近い僅少なリード角でスパ
イラル状に配列したコードよりなり、このコード弾性率
を3000kgf/mm2 以上にすること、そして特開昭62-15290
4 号公報では、同様な主ベルト層のコードを芳香族ポリ
アミドのような有機繊維コードとし、このコード弾性率
を2000kgf/mm2 以上にすることが開示されている。
【0007】文献(2) 特開平4-163212号公報には、乗用車用空気入りラジアル
タイヤの高速耐久性とユニフォーミティの向上及び軽量
化を目指して、傾斜ベルト層は1層のスチールコード層
とし、その外側のキャップ層は中央部で1層、両側部で
は2層となる芳香族ポリアミドコードをらせん状に巻回
した、いわゆるつる巻きらせん構造とすることが開示さ
れている。
【0008】文献(3) 米国特許第3973612 号明細書には、乗用車空気入りラジ
アルタイヤの乗り心地性及び耐摩耗性の両性能を向上さ
せるため、1層の傾斜コード層を巻き付け、傾斜角度を
10〜30°の範囲に収め、1層のキャップ層を傾斜角度が
0°のテキスタイルコードにより構成することが開示さ
れている。
【0009】また、タイヤと走行する路面との接地域内
で発生する通過騒音は、主として、タイヤの負荷転動時
のトレッドのショルダー部における振動が原因であるこ
とが、公知文献(V.DOAN et al.," TIRE SCIENCE AND T
ECHNOLOGY "Vol.23 No.2、(1995)p.96-115)の記載から
知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、文献(1)〜
(3)に関し、各特徴を要約したベルト構成になる空気
入りラジアルタイヤは、何れも次に述べる点で必要な考
慮が払われていない。
【0011】すなわち、文献(1)〜(3)に開示され
た空気入りタイヤは、僅少なリード角でスパイラル状に
配列されたコードよりなる主ベルト層(周回ベルト層)
が幅方向曲げ剛性に寄与せず、残りの傾斜ベルト層も1
層のみであるため、2層のコード交差層からなるベルト
を用いた従来タイヤに比べて、ベルトの幅方向曲げ剛性
が低くなり、これは、トレッドのショルダー部における
振動を大きくし、これに伴って、通過騒音も、従来タイ
ヤに比べて大きくなる傾向にあった。
【0012】そのため、1層の傾斜ベルト層と、周回ベ
ルト層とからなるベルトを有する空気入りラジアルタイ
ヤの通過騒音レベルを、従来タイヤの通過騒音レベルに
まで低減させることが必要であった。本発明者らが鋭意
検討した結果、トレッドに配設する周溝の配設位置等の
適正化を図れば、かかるタイヤの通過騒音の低減が図れ
ることがわかった。
【0013】そこで、この発明の目的は、1層の傾斜ベ
ルト層と、周回ベルト層とからなるベルトを有する空気
入りラジアルタイヤに関し、トレッドに配設する周溝の
配設位置等の適正化を図ることにより、通過騒音の小さ
い空気入りラジアルタイヤを提供しようとするところに
ある。これに加えて、周回ベルト層の被覆ゴムの弾性率
の適正化を図ることにより、補強素子の耐破断性の向上
をも目指すものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の空気入りラジアルタイヤは、少なくとも
一対のビードコア間にまたがってトロイド状をなすカー
カスのクラウン部外周と、タイヤ円周に沿って延びる複
数本の周溝を有するトレッドとの間に、タイヤ赤道面に
対し傾斜して延びる複数本の補強素子を配列した一層の
傾斜ベルト層と、タイヤ赤道面に対し実質上平行な複数
本の補強素子の巻付け配列になる少なくとも一層の周回
ベルト層とからなるベルトを配設してなり、JATMA に定
める最大負荷能力とこれに対応する所定の空気圧に設定
したタイヤの接地状態にて、その接地域内にある全周溝
の溝容積に対する、タイヤ赤道からそれぞれタイヤ接地
幅の25%の位置で挟まれた接地域内にある周溝の溝容積
の比率が60% 以上であり、周回ベルト層の被覆ゴムの
弾性率が200kgf/mm2以上である。
【0015】尚、ここでいう周溝の溝容積とは、タイヤ
接地域内にあるタイヤの周溝の溝容積を意味し、実際に
は、前記周溝の溝幅と溝深さを測定し、これらから、前
記周溝の溝容積を算出することとする。また、周方向ベ
ルト層の被覆ゴムの弾性率は、図7(a) に示すように、
直径dが14mm, 高さhが28mmの円筒状の空洞をもつ鋼鉄
製の治具14の空洞内に、ゴム試験片15を隙間なく充填し
た後、この治具14を、図7(b) に示すように、圧縮試験
機16にセットし、ゴム試験片15の上下面に0.6mm/min.の
速度で荷重Wを負荷し、このときの変位量をレーザー変
位計17で測定し、荷重と変位との関係から算出すること
とする。
【0016】さらに、傾斜ベルト層は、その補強素子が
スチール材料からなること、傾斜ベルト層は、その補強
素子のタイヤ赤道面に対する傾斜角度が15〜45°の範囲
であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】図1及び図2に、この発明に従う
空気入りラジアルタイヤを、乗用車用と小形トラック用
とにそれぞれ適用した事例につき、タイヤ赤道面と直交
する、子午線に沿う一般的な断面を示した。
【0018】図中1はタイヤの全体を、2,3は図示例
ではとくに一対の場合を例示したビードコアを、さらに
4にてビードコア2,3間にまたがってトロイド状をな
すカーカスを、そして5によりタイヤ赤道面をそれぞれ
示す。
【0019】図に示すタイヤは、カーカス4は、慣例に
従ってポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と
いう。)コードをタイヤ赤道面に対し70〜90°の角度で
配置することが好ましく、そのクラウン部外周と、タイ
ヤ円周に沿って延びる複数本の周溝9a,9b を有するトレ
ッド8との間に、図上で実線で簡略図示したように、タ
イヤ赤道面5に対し傾斜して( 好ましくは、タイヤ赤道
面5に対する補強素子の傾斜角度が15〜45°) 互いに平
行に延びる複数本の補強素子(好ましくはスチール材料
からなるコード又はフィラメント)を配列した一層の傾
斜ベルト層6と、やはり簡略に破線で示したが、上記の
傾斜ベルト層6上に位置してタイヤ赤道面に対し実質上
平行な複数本の補強素子の巻付け配列になる、図1では
1層、図2では強度上2層とした周回ベルト層7とを配
設したものである。
【0020】尚、周回ベルト層7の補強素子には、適正
化したPET、ナイロン、ポリエチレンナフタレート
(以下「PEN」という。)、若しくはビニロン(PV
A)の有機繊維コード、又は適正化したスチール材料か
らなる補強素子を使用することが好ましい。
【0021】具体的には、周回ベルト層7の補強素子に
前記有機繊維コードを使用する場合には、コーナリング
性及び高速耐久性等を確保する観点から、補強素子は、
双撚り構造とし、総デニール数DT を1000d 〜6000d の
範囲にし、この補強素子の正接損失 tanδを、初期張力
1kgf/本、歪振幅 0.1%、周波数20Hz、雰囲気温度25℃
の条件下で 0.3以下にし、この補強素子の、撚り数をT
(回数/10cm)、比重をρとし、撚り係数Nt が、Nt
=T×(0.139 ×DT /2 ×1/ρ)1/2 ×10 -3で表さ
れるとき、前記補強素子の撚り係数Nt を、PET繊維
コード又はナイロン繊維コードの場合には 0.3以下、P
EN繊維コードの場合には0.5 以下、そしてビニロン繊
維コードの場合には0.6 以下の範囲にする。
【0022】一方、周回ベルト層7の補強素子にスチー
ルコードを用いる場合には、コードの弾性率を3000kgf/
mm2 以上とし、かつ、コードの撚り構造を1×N又は1
+Nとすることによって、周回ベルト層7に上述したP
ETやナイロン等の有機繊維コードを使用した場合に比
し、タイヤ重量は幾分増加するものの、より一層周方向
剛性を高めることができ、非常に大きなコーナリングパ
ワーが得られる。
【0023】また、周回ベルト層7の補強素子に、1本
又は2本以上のスチールモノフィラメントを用いる場合
には、スチールモノフィラメントは、らせん形に形付け
されていることが好ましい。
【0024】図4(a),(b) に、らせん形の形付けをした
スチールフィラメントの一部分を抜き出したものを示
す。らせん形の形付けは、1本のスチールモノフィラメ
ント又は2本以上のスチールフィラメントからなる束の
径dに関し、らせんリードLおよびらせん径Dが、それ
ぞれL≦ 100dおよび 1.3d<D< 5.0dの範囲に設定
することが好ましい。なぜなら、らせんリードLが 100
dを超えると、らせん形の形付けによる効果、すなわ
ち、圧縮力を受けたときに局所的に生じるバックリング
変形を起こさずに、フィラメントの動きを吸収する、い
わゆるばね的効果が減少し、らせん形の形付けを施さな
い在来の補強素子と特性上の区別がなくなり、局所的バ
ックリング変形による補強素子の破断を抑制することが
難しいためであり、L≦80dとすることがより有効であ
る。また、らせん径Dが 1.3d以下になると、フィラメ
ントに付加される捩りが強くなって残留応力が増加して
破断し易くなり、一方らせん径Dが 5.0d以上になる
と、タイヤの周方向剛性が不足して、特にコーナリング
パワーの低下を招くことになる。
【0025】なお、らせん形に形付けされたスチールフ
ィラメントがタイヤ子午線に沿う断面に描く形状は、図
4(b) に示した真円のほか、図5に示す楕円にすること
も、周回ベルト層7の軽量化に有利である。らせん形状
を楕円にする場合は、その長径D2 を図4(b) における
らせん径Dよりも長くした分だけ、短径D1 をらせん径
Dより小さくすることができるので、この結果、周回ベ
ルト層7の厚みを薄くすることが可能である。ここに、
楕円状のらせん形に形付けしたスチールフィラメント
は、らせん径D1 およびD2 が、 1.3d<D1 およびD
2 < 5.0d を満足する範囲に設定することが望ましい。
【0026】加えて、上記スチールコード、又は1本の
スチールモノフィラメント若しくは2本以上のスチール
フィラメントからなる束の打ち込み数は、周方向剛性の
確保と軽量化の双方を満足させるという点から、50mm当
たり15〜50本の範囲にすることが好ましい。
【0027】尚、図1及び図2では、ベルトを、傾斜ベ
ルト層6の上に周回ベルト層7を配置して構成した場合
を示したが、傾斜ベルト層6を周回ベルト層7の保護層
としての役割をも担わせる場合には、図3に示すよう
に、ベルトを周回ベルト層7の上に傾斜ベルト層6を配
置してもよく、必要に応じて適宜選択することができ
る。
【0028】一層の傾斜ベルト層6と、周回ベルト層7
とからなるベルトを有する空気入りラジアルタイヤの問
題点は、前述したように、かかるタイヤの幅方向曲げ剛
性が、コード交差層からなるベルトを用いた従来タイヤ
に比べて低く、トレッドのショルダー部の振動が大きい
ことによって主として生じる通過騒音のレベルが高いこ
とにある。
【0029】発明者らは、かかるタイヤの通過騒音の低
減についての検討として、トレッドに配設する周溝の配
設位置を変えて通過騒音を測定したところ、周溝をトレ
ッドのショルダー部に配置した場合には、ショルダー部
でのタイヤ幅方向曲げ剛性が一層小さくなることに伴っ
てショルダー部の振動がさらに大きくなって通過騒音レ
ベルが高くなったのに対し、周溝をトレッドの中央部に
配置した場合には、配置しない場合と比べて通過騒音レ
ベルはほとんど変わらなかったこと、また、周溝をトレ
ッドの中央部に配置した場合、周溝の溝容積を変化させ
ても、ショルダー部の振動にはほとんど影響しないこと
が分かった。
【0030】そこで、本発明の空気入りラジアルタイヤ
は、JATMA に定める最大負荷能力とこれに対応する所定
の空気圧に設定したタイヤの接地状態にて、その接地域
内にある全周溝9a,9b (図1〜3では計4本)の溝容積
に対する、タイヤ赤道からそれぞれタイヤ接地幅の25%
の位置で挟まれた接地域内にある周溝9a(図1〜3では
2本)の溝容積の比率を60%以上とすることで、通過騒
音レベルを高くするトレッドショルダー部での振動を抑
制することができる。
【0031】また、周回ベルト層7は、その被覆ゴムの
弾性率が低すぎると、その補強素子が動きやすくなり、
補強素子の局所的なバックリングを起こしやすくなり、
補強素子が破断するおそれがあるため、周回ベルト層7
の被覆ゴムの弾性率を200kgf/mm2以上にする。一方、被
覆ゴムの弾性率が高すぎると、ゴムの粘度が上がりすぎ
て押出工程での不都合をきたすため、周回ベルト層7の
被覆ゴムの弾性率の上限は、好ましくは500kgf/mm2以下
にする。
【0032】なお、図6に空気入りラジアルタイヤ1の
荷重負荷時に、タイヤに作用する力の関係を図解した
が、上記バックリングについては、トレッドゴム8とベ
ルト10とは、タイヤ内圧P1と接地圧P2とでタイヤの径方
向の圧縮力を受け、また、サイド部11の矢印12で示す倒
れ込みによってタイヤの幅方向の圧縮力13を受け、さら
に、タイヤの接線方向の圧縮力も受ける、全圧縮状態に
おいてゴムの弾性率が十分にないと、周回ベルト層を構
成している補強素子の動きが大きくなり、該補強素子
は、局所的なバックリングを起こして破断が生じやすく
なるのである。
【0033】
【実施例】この発明を、乗用車用と小形トラック用とに
ついてそれぞれ、195/65 R14( 図1参照)、195/85 R16
12PR(図2参照) の各サイズの空気入りラジアルタイヤ
として適用した。
【0034】何れの場合もカーカス4は、PET繊維コ
ード(1500d/2)をタイヤ赤道面5に対し90°に51.7本/
50mmの打込みにて、乗用車用タイヤは1プライ、小形ト
ラックにあっては2プライを配列した。
【0035】傾斜ベルト層6は、コード構造がそれぞれ
1× 5×0.23mm、 1+ 6×0.28mmである複数本のスチー
ルコードを、タイヤ赤道面に対し30°の角度に37本/50
mm(1× 5構造)、24本/50mm( 1+ 6構造)の打込み
にて配列した一層とした。
【0036】周回ベルト層7は、傾斜ベルト層6と同様
なスチールコードを、乗用車用タイヤは 1+ 6×0.24m
m、小形トラック用タイヤは 1+ 6×0.28mmにて、いず
れも30本/50mmの打込みとなるつる巻きらせん構造で配
列し、ここに前者の乗用車タイヤの周回ベルト層7を、
幅が140mm の1層で構成し、後者の小形トラック用タイ
ヤについては周回ベルト層7を、幅が100mm と30mmとの
2層で構成しかつ狭幅のものはトレッド中央に配置し
た。
【0037】尚、前述した条件に設定したタイヤの接地
域内にある全周溝9a,9b の溝容積に対する、タイヤ赤道
からそれぞれタイヤ接地幅の25%の位置で挟まれた接地
域内にある周溝9aの溝容積の比率 ( VC /VT ×100(%))
と、周回ベルト層7の被覆ゴムの弾性率とについては、
乗用車用タイヤは表1に、小形トラック用タイヤは表2
に示す。
【0038】また、表1中の乗用車用タイヤの従来例1
は、撚り構造が1 × 5×0.23mm、打込数が37本/50mm で
あるスチールコードのゴム引き層の2層を、コードのタ
イヤ赤道面に対する配設角度が±22°となるように、積
層した交差層でベルトを構成し、1 ベルト層(下層)の
幅を145mm 、2 ベルト層(上層)の幅を135mm とした。
また、表2中の小形トラック用タイヤの従来例Aは、
撚り構造が1 × 5×0.23mm、打込数が37本/50mm 、前記
コード配設角度が52°であるスチールコードのゴム引き
層(下層)の1層と、撚り構造が1 + 6×0.28mm、打込
数が24本/50mm、前記コード配設角度が±30°であるス
チールコードのゴム引き層の2層からなる交差層とでベ
ルトを構成し、1 ベルト層(下層)の幅を100mm 、2 ベ
ルト層の幅を125mm 、3 ベルト層の幅を100mm とした。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】(1)タイヤ騒音の測定 タイヤ騒音の評価は、図8に示すように、直径3mのド
ラム18上に、JATMA に定める最大負荷能力とこれに対応
する所定の空気圧とにしたタイヤ19をセットし、タイヤ
19を時速55km/hの走行に相当する速度で回転させ、この
とき、タイヤの側方の所定位置に配置したマイク20を、
少なくともタイヤ接地面を含む範囲(2m程度) にわたっ
て、所定距離づつ水平にスキャンさせ、各測定点(測定
点は51箇所) ごとに騒音レベルを測定し、各測定点での
測定値から平均値を算出し、この平均値を比較すること
によって行った。尚、マイクは、タイヤ赤道面から1
m、タイヤとドラムの接地面位置から0.25m上方に離れ
た位置を維持しながら水平にスキャンさせることとし、
また、ドラム表面は、一般的な走行路面であるアスファ
ルト路面に近似させるため、エポキシ樹脂によって形成
した。表1に乗用車用タイヤの測定結果を、表2に小形
トラック用タイヤの測定結果を示した。これらの表中の
数値は、各測定点で測定した騒音レベルの平均値を、エ
ネルギーに換算し、これを、従来タイヤを100 とした指
数比で示したものであり、小さいほど騒音レベルが低い
ことを示している。
【0042】(2)耐久性試験 タイヤ内圧1.0kgf/cm2 でJATMA に定められている最大
負荷能力を加え、8°のスリップアングルで4時間走行
させ、その後、このタイヤを分解して周回ベルト層にお
いて、コード切れが発生しているか否かを調査し、耐久
性を評価した。表1に乗用車用タイヤの測定結果を、表
2に小形トラック用タイヤの測定結果を示す。これらの
表中には、コード切れが生じた場合は「あり」と、コー
ド切れが生じない場合には「なし」と記載してある。
【0043】表1の結果から、乗用車用タイヤにおいて
は、実施例1〜3は、いずれも従来例1に比し、騒音レ
ベルが低くなっており、しかもコード切れも生じていな
い。一方、周溝の溝容積比率 ( VC /VT ×100(%))が適
正外である比較例1は、騒音レベルが従来例1に比しか
なり高く、周回ベルト層の被覆ゴムの弾性率が適正外で
ある比較例2は、コード切れが生じていた。また、表2
の結果から、小形トラック用タイヤにおいては、実施例
A及びBは、従来例Aに比し、騒音レベルが低くなって
おり、実施例Cでも、従来例Aと同等程度の騒音レベル
であった。しかも実施例A〜Cは、いずれもコード切れ
が生じていない。一方、周溝の溝容積比率 ( VC /VT ×
100(%))が適正外である比較例Aは、騒音レベルが従来
例Aに比しかなり高く、また、周回ベルト層の被覆ゴム
の弾性率が適正外である比較例Bは、コード切れが生じ
ていた。
【0044】
【発明の効果】この発明によれば、トレッドに配設する
周溝の配設位置等の適正化を図ることにより、1層の傾
斜ベルト層と、周回ベルト層とからなるベルトを有する
空気入りラジアルタイヤの通過騒音レベルを、交差層か
らなるベルトを用いた従来タイヤと同等程度又はそれ以
下に低減することができる。また、周回ベルト層の被覆
ゴムの弾性率の適正化を図ることによって、周回ベルト
層7の補強素子が破断するのを防止することができる。
加えて、周回ベルト層7の補強素子に、適正化したPE
T、ナイロン、PEN、若しくはビニロンの有機繊維コ
ード、又は適正化したスチール材料からなる補強素子を
使用すれば、十分なコーナリング性及び高速耐久性が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う代表的な乗用車用空気入りタイ
ヤの断面図である。
【図2】この発明に従う代表的な小型トラック用空気入
りタイヤの断面図である。
【図3】他の乗用車用空気入りタイヤの断面図である。
【図4】(a),(b) は、周回ベルト層に用いるスチールフ
ィラメントに施す形付けの説明図である。
【図5】他の形付け形状を示す説明図である。
【図6】タイヤに荷重を負荷したときトレッドとベルト
に作用する力の説明図である。
【図7】(a),(b) は、ゴムの弾性率を測定する方法の説
明図である。
【図8】タイヤ騒音を測定する方法の説明図である。
【符号の説明】
1 空気入りタイヤ 2,3 ビードコア 4 カーカス 5 タイヤ赤道面 6 傾斜ベルト層 7 周回ベルト層 8 トレッド 9a,9b 周溝 10 ベルト 11 サイド部 12 矢印 13 圧縮力 14 治具 15 試験片 16 圧縮試験機 17 レーザー変位計 18 ドラム 19 タイヤ 20 マイク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一対のビードコア間にまたが
    ってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周と、タ
    イヤ円周に沿って延びる複数本の周溝を有するトレッド
    との間に、タイヤ赤道面に対し傾斜して延びる複数本の
    補強素子を配列した一層の傾斜ベルト層と、タイヤ赤道
    面に対し実質上平行な複数本の補強素子の巻付け配列に
    なる少なくとも一層の周回ベルト層とからなるベルトを
    配設してなる空気入りラジアルタイヤにおいて、 JATMA に定める最大負荷能力とこれに対応する所定の空
    気圧に設定したタイヤの接地状態にて、その接地域内に
    ある全周溝の溝容積に対する、タイヤ赤道からそれぞれ
    タイヤ接地幅の25%の位置で挟まれた接地域内にある周
    溝の溝容積の比率が60%以上であり、 周回ベルト層の被覆ゴムの弾性率が200kgf/mm2以上であ
    ることを特徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 傾斜ベルト層は、その補強素子がスチー
    ル材料からなる請求項1に記載した空気入りラジアルタ
    イヤ。
  3. 【請求項3】 傾斜ベルト層は、その補強素子のタイヤ
    赤道面に対する傾斜角度が15〜45°の範囲である請求項
    1又は2に記載した空気入りラジアルタイヤ。
JP7320492A 1995-12-08 1995-12-08 空気入りラジアルタイヤ Pending JPH09156318A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001206016A (ja) * 2000-01-25 2001-07-31 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ
JP2001260610A (ja) * 2000-01-13 2001-09-26 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ及び空気入りラジアルタイヤの製造方法
JP2011105100A (ja) * 2009-11-16 2011-06-02 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ

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