JPH09155606A - ボーリングバー - Google Patents

ボーリングバー

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Publication number
JPH09155606A
JPH09155606A JP31566695A JP31566695A JPH09155606A JP H09155606 A JPH09155606 A JP H09155606A JP 31566695 A JP31566695 A JP 31566695A JP 31566695 A JP31566695 A JP 31566695A JP H09155606 A JPH09155606 A JP H09155606A
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JP
Japan
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boring bar
position adjusting
balance weight
weight
adjusting pin
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Application number
JP31566695A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ebikusa
裕志 蝦草
Goji Yamamoto
剛司 山本
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Daishowa Seiki Co Ltd
Original Assignee
Daishowa Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッド部材の切削刃位置が径方向に移動調整
可能な連結方式のボーリングバーとして、ヘッド部材の
切削刃位置の変化に伴う重心移動を容易に修正でき、ヘ
ッド部材に特殊な構造が不要であり、既存品が利用可能
であり、切削刃の移動する径方向から外れる重心のずれ
にも対処できるものを提供する。 【解決手段】 シャンク部材1Aと切削刃20位置が径
方向に移動調整可能なヘッド部材2A、もしくは前記両
者と1本又は2本以上の中間連結部材3Aとからなり、
これら部材1〜3相互が軸方向の凹凸嵌合によって連結
される連結方式のボーリングバーにおいて、シャンク部
材1A又は/及び中間連結部材3Aに、バランスウエイ
ト4Aを径方向に移動調整可能に設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャンク部材と切
削刃位置が径方向に移動調整可能なヘッド部材、もしく
は前記両者と中間連結部材とからなり、これら部材相互
が軸方向の凹凸嵌合によって連結される連結方式のボー
リングバーに関する。
【0002】
【従来技術とその課題】一般に、ボーリングバーとし
て、ヘッド部における切削刃の位置を径方向に調整可能
とし、もって切削径を可変としたものが多用されてい
る。しかるに、このようなボーリングバーでは、切削刃
位置が径方向に変化することによって、ヘッド部の重心
が移動するため、バー全体として軸心回りの重心バラン
スが崩れ、加工中に芯振れ等の現象を生じ、加工精度の
低下を招き易い。
【0003】そこで本出願人は先に、ヘッド部の切削刃
支持部の近傍に、バランスウエイトを径方向に移動調整
可能に設け、切削刃位置の変化に伴う重心移動を該バラ
ンスウエイトの径方向反対側への移動によって補正し、
もってバー全体として軸心回りの重心バランスをとるよ
うにしたボーリングバーを提案している(実開昭62−
39903号公報)。
【0004】しかしながら、上記提案構成のボーリング
バーでは、ヘッド部に切削刃及びバランスウエイトをそ
れぞれ個別に径方向移動可能に保持させることになるか
ら、該ヘッド部の構造が非常に複雑になり、それだけ製
作コストが高く付く上、特にシャンク部材とヘッド部
材、あるいはこれら部材に中間連結部材を加えた連結方
式のボーリングバーにおいては、交換連結可能な全ての
ヘッド部材を上記の複雑な構造のものとする必要があ
り、部材コストが極めて高く付くと共に、既存の高価な
ヘッド部材が使用できなくなるという致命的な問題があ
った。
【0005】また、このような構成では、径方向に付い
ての重心バランスは修正できるが、軸回りの角度バラン
スの調整を行えないという難点もある。すなわち、ヘッ
ド部の切削刃の位置変化に伴う重心移動は、該切削刃が
変位する径方向が主になるが、切削刃及びその保持部の
設計仕様や製作時の寸法精度によっては該変位方向から
ずれる場合があり、またボーリングバー自体の重心が各
部の仕様、製作時の寸法精度、使用に伴う摩耗等で軸心
からずれている場合がある。しかるに、前記提案構成で
は、バランスウエイトの移動は切削刃の移動と同じ径方
向であるから、この方向から外れた重心移動成分(ベク
トル)には対処できない。
【0006】本発明は、上述の状況に鑑み、特にヘッド
部材の切削刃位置が径方向に移動調整可能な連結方式の
ボーリングバーとして、前記ヘッド部材の切削刃位置の
変化に伴う重心移動を容易に修正でき、しかも前記ヘッ
ド部材として特殊な構造が不要であり、一般的な従来構
成を採用できると共に既存品が利用可能であり、しかも
切削刃の移動する径方向から外れる重心のずれにも対処
できるものを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、シャンク部材1と切削刃
20位置が径方向に移動調整可能なヘッド部材2、もし
くは前記両者と1本又は2本以上の中間連結部材3とか
らなり、これら部材1〜3相互が軸方向の凹凸嵌合によ
って連結される連結方式のボーリングバーにおいて、前
記シャンク部材1(1A,1B)又は/及び中間連結部
材3(3A〜3E)に、バランスウエイト4(4A,4
B)を径方向に移動調整可能に設けたことを特徴として
いる。
【0008】この請求項1の構成によれば、ヘッド部材
2の切削刃20位置が径方向に変化することによる重心
移動を、シャンク部材1又は/及び中間連結部材3に設
けたバランスウエイト4の移動調整によって修正できる
から、高価なヘッド部材2には重心バランスの調整機能
を持たない従来の一般的な構成を採用でき、既存のヘッ
ド部材もそのまま利用可能となり、連結方式のボーリン
グバーとして高い汎用性が得られる。
【0009】しかも、バランスウエイト4がヘッド部材
2とは別の部材に設けられるため、修正前の重心位置が
切削刃20の移動方向から外れていても、バランスウエ
イト4を設けた部材とヘッド部材2との連結状態におけ
る相互の回転位置を適当にずらせることにより、重心が
軸心に一致するようにバランスウエイト4の位置を設定
できる。更に、バランスウエイト4を設けた2本の部材
(シャンク部材1と中間連結部材3、又は中間連結部材
3を2本使用)を連結する構成とすれば、これら両部材
のバランスウエイト4の移動方向を互いに異ならせるこ
とにより、2方向からのバランス修正、つまり高度なバ
ランス修正方法である所謂「2面修正」が可能となる。
【0010】請求項2の発明では、上記請求項1のボー
リングバーにおいて、バランスウエイト4を設けるシャ
ンク部材1又は/及び中間連結部材3は周面側に開口し
た径方向のウエイト装填孔5(5A〜5D)を有し、こ
のウエイト装填孔5に装填されるバランスウエイト4
(4A,4B)に貫通するガイド軸部6bを有する位置
調整ピン6(6A〜6E)が、当該ウエイト装填孔5に
回転のみ可能に挿嵌され、該位置調整ピン6の回転操作
により、バランスウエイト4がねじ誘導によって径方向
に移動するように構成されている。従って、該バランス
ウエイト4の移動調整を容易に且つ確実に行える上、ね
じ誘導であるために、移動量の微小調整が可能になると
共に設定したバランスウエイト4の位置が変わりにく
く、もって重心バランスを高精度で修正でき、且つこの
修正した重心バランスの狂いを生じにくいものとなる。
【0011】また、バランスウエイト4(4A,4B)
が中間連結部材3(3A〜3E)にのみに設けられる場
合には、高価なシャンク部材1(1A,1B)とヘッド
部材2に従来の一般的な構成を採用できて既存品も利用
可能となる上、該中間連結部材3の両側連結部の径の設
定により、元来はシャンク部材1とヘッド部材2との2
分割構成であったボーリングバーに対しても、両部材
1,2間に該中間連結部材3を介在させて重心バランス
の修正を行うことができる。
【0012】請求項3の発明では、上記請求項1又は2
のボーリングバーにおいて、位置調整ピン6(6A,6
E)のガイド軸部6bが非円形断面をなし、バランスウ
エイト4(4A)は、該ガイド軸部6bと相対回転不能
に係合すると共に外周面側でウエイト装填孔5(5A,
5D)の内周面(雌ねじ50)と螺合しているから、位
置調整ピン6を捻回させた際、バランスウエイト4は該
位置調整ピン6と一体に回転しつつ径方向に移動する。
【0013】請求項4の発明では、上記請求項1又は2
のボーリングバーにおいて、位置調整ピン6(6B〜6
D)のガイド軸部6bがねじ軸を構成し、バランスウエ
イト4(4B)は、該ガイド軸部6bと螺合すると共に
ウエイト装填孔5(5B,5C)に対して相対回転不能
にキー係合しているから、位置調整ピン6を捻回させた
際、バランスウエイト4自体は回転することなく径方向
に移動する。
【0014】請求項5の発明は、上記請求項1又は2の
ボーリングバーにおいて、位置調整ピン6Bのガイド軸
部6bがねじ軸を構成し、バランスウエイト4Bは、該
ガイド軸部6bに螺合すると共に、ウエイト装填孔5B
及びこれに装填されるバランスウエイト4Bの中心軸L
1をガイド軸部6bの中心軸L2とを異ならしめ、これ
によってバランスウエイト4Bをウエイト装填孔5Bに
対して相対回転不能としてなるため、キー結合のような
部品を用いることがなく、これだけ構造が簡単である。
【0015】請求項6の発明では、上記請求項2〜5の
いずれかのボーリングバーにおいて、位置調整ピン6
(6A,6B)の周面に圧接させる回転止めねじ7を備
えているから、該位置調整ピン6の捻回によって所要の
重心バランス修正を行った後に回転止めねじ7を締め付
けることにより、位置調整ピン6が回転不能に固定さ
れ、もって修正した重心バランスが以降のボーリングバ
ーの使用中の高速回転や取扱い中の振動や衝撃等によっ
ても狂うことなく安定に保たれることになる。
【0016】請求項7の発明では、上記請求項2〜5の
いずれかのボーリングバーにおいて、位置調整ピン6
(6C,6D,6E)の基部6aとウエイト装填孔5と
の界面部に、これら両者に圧接するブレーキ用の弾性リ
ング8が介在されているから、所要の重心バランス修正
を行った後の位置調整ピン6は、弾性リング8の圧接に
よる大きな摺接抵抗によって容易には回転せず、もって
修正した重心バランスが安定に保たれることになる。
【0017】請求項8の発明では、上記請求項2〜7の
いずれかのボーリングバーにおいて、位置調整ピン6
(6A)がスナップリング9を介してウエイト装填孔5
(5A)に抜け止めされると共に、該位置調整ピン6の
ガイド軸部6bの先端とウエイト装填孔5の奥端との間
に弾性体10が圧縮状態で装填されているから、この弾
性体10の蓄力によって位置調整ピン6は常にスナップ
リング9に押接した状態になり、もって捻回操作時の該
位置調整ピン6の径方向位置が安定することになる。
【0018】請求項9の発明では、上記請求項2〜8の
いずれかのボーリングバーにおいて、位置調整ピン6
(6E)は、基部6aに形成された内外一対のフランジ
部63,64間に、両フランジ部63,64に対してフ
ッ素樹脂層等の摺動層11,11を介して接する固定リ
ング12が回転自在に嵌装され、該固定リング12が固
定ピン13を介してウエイト装填孔5側の部材1,3に
固定されてなるから、重心バランスの修正において摺動
層11,11の滑性作用によって位置調整ピン6の捻回
操作が容易になると共に、ウエイト装填孔5側の部材
1,3に固定された固定リング12にて位置調整ピン6
の径方向移動ひいてはバランスウエイト4(4A)の径
方向移動が阻止されるから、該径方向移動による重心バ
ランスの狂いを生じる恐れがない。
【0019】請求項10の発明では、上記請求項2〜9
のいずれかのボーリングバーにおいて、位置調整ピン6
(6A〜6E)の外端面とウエイト装填孔5(5A〜5
D)の周縁外面との間で、バランスウエイト4(4A
Q,4B)によるウエイト調整度合を位置調整ピン6の
回転位置によって表示する目盛14a,14b(指示マ
ーク)を備えるから、この目盛14a,14bを指標と
してバランスウエイト4の移動量を設定でき、重心バラ
ンスの修正操作が容易になる。
【0020】請求項11の発明では、上記請求項1〜1
0のいずれかのボーリングバーにおいて、筒状部1b,
3bのねじ孔16に螺着するロックねじ17が先端側に
先細りテーパー面17aを備え、前記係止孔15におけ
る凸軸部先端側の側面部が前記ロックねじ17の先細り
テーパー面17aに対応するテーパー面15aをなし、
該ロックねじ17を締め付けた際の両テーパー面15
a,17a相互の摺接に伴うテーパー誘導により、前記
筒状部1b,3bの周端面18aとこれに対向した凸軸
部側部材2,3の環状対向面18bとが圧接するように
構成されているから、該係止孔15にロックねじ17を
圧接させて連結された2部材が端面接合によって強固に
剛体的に一体化されることになる。
【0021】請求項12の発明は、上記請求項11のボ
ーリングバーにおいて、シャンク部材1(1A,1
B)、ヘッド部材2、中間連結部材3(3A〜3E)の
相互の凹凸嵌合部が一方の部材2,3の凸軸部2a,3
aとこれに外嵌する他方の部材の筒状部1b,3bとで
構成され、少なくとも一か所の凹凸嵌合部の前記凸軸部
2a,3aに周方向に沿う係止孔15(15A,15
B)が形成されると共に、対応する前記筒状部1b,3
bには該係止孔15に臨む半径方向のねじ孔16が形成
され、該ねじ孔16に螺着するロックねじ17の前記係
止孔15への圧接によって前記凹凸嵌合部が一体に固定
される構成を採用している。
【0022】この請求項12の構成では、凹凸嵌合部に
おいて前記の係止孔15にロックねじ17を圧接させて
連結される2部材、つまりシャンク部材1とヘッド部材
2、中間連結部材3とヘッド部材2、シャンク部材1と
中間連結部材3、あるいは中間連結部材3,3同士は、
前記係止孔15の周方向の長さ範囲で相対回転位置を変
えることができるから、切削刃20の変位に伴う重心移
動が該変位方向からずれる場合や、ボーリングバー自体
の重心が軸心からずれている場合でも、この重心のずれ
に対応してバランスウエイト4(4A,4B)の移動方
向を設定することにより、重心を軸心に一致するように
調整することかできる。
【0023】請求項13の発明では、上記請求項11の
ボーリングバーにおいて、凸軸部2a,3aの係止孔1
5(15A)が当該凸軸部2a,3aの全周にわたる環
状に形成されているため、該係止孔15にロックねじ1
7を圧接させて連結される2部材の相対回転位置に制限
がなく、もって設定するバランスウエイト4(4A,4
B)の移動方向にも制約がないから、どのような重心の
ずれにも対応することが可能となる。
【0024】請求項14の発明では、上記請求項1〜1
3のいずれか記載のボーリングバーにおいて、シャンク
部材1又は/及び中間連結部材3に設けられるウエイト
装填孔5は、ヘッド部材2に設けられた切削刃20の移
動軸線Pに対し、周方向に変位した位置で径方向に設け
られてなるため、これらの部材1,2,3の重心が切削
刃20の移動軸線P上から周方向に変位していても、互
いに連結されたこれら部材の重心を切削刃20の移動軸
線P上にもってくることが可能となり、正確な切削作用
に貢献することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るボーリングバ
ーの実施例について、図面を参照して具体的に説明す
る。なお、以下において、シャンク部材1はシャンク部
材1A,1Bを、中間連結部材3は第一及び第二中間連
結部材3A,3Bと中間連結部材3C〜3Eを、バラン
スウエイト4はバランスウエイト4A,4Bを、ウエイ
ト装填孔5はウエイト装填孔5A〜5Dを、位置調整ピ
ン6は位置調整ピン6A〜6Eを、それぞれ総称するも
のとする。
【0026】図1に示す第1実施例のボーリングバー
は、シャンク部材1A、第一中間連結部材3A、第二中
間連結部材3B、ヘッド部材2の4部材が順次同軸状に
連結されたものであり、この連結状態において各部材
1,2,3A,3Bに設けた基端側を径大とする中心孔
19…(ヘッド部材2のみ図示省略)が連通し、これを
通して工作機械側から供給されるクーラントや切削油を
刃先部へ送るようになっている。
【0027】シャンク部材1Aは、一端側が工作機械の
スピンドル(図示省略)に挿嵌する先細テーパ状のシャ
ンク部1a、他端側が筒状部1bを構成し、中間にマニ
ピュレータ把持用のフランジ部1cを備えており、該フ
ランジ1cにスピンドルの回転キー(図示省略)に係合
させるキー溝1dが設けられている。
【0028】ヘッド部材2は、図2でも示すように、一
端側に凸軸部2aを備えると共に、他端側に径方向に沿
う切削刃取付筒部2bを有しており、この切削刃取付筒
部2b内に、切削刃20を保持した丸軸状の切削刃保持
部材21がそのキー21aとキー21bとの係合によ
り、当該ヘッド部材2の軸方向に移動自在に且つ回転不
能に装填されると共に、この切削刃保持部材21に螺挿
された位置調整ねじ22の捻回操作により、該切削刃保
持部材21つまり切削刃20が当該ヘッド部材2の軸方
向に移動し、もって切削径を変えることができる。な
お、図1における23はサイドロックねじであり、切削
径設定後の切削刃保持部材21に側方から圧接させて当
該切削刃保持部材21を移動不能に固定する機能を持
つ。
【0029】第一中間連結部材3Aは、図3〜図6に示
すように、一端側がシャンク部材1A(図1)の筒状部
1b内に適嵌する外径の凸軸部3a、他端側が筒状部3
bをなすと共に、フランジ状の中間部3cに一端側から
他端側へ段階的に径小となる径方向のウエイト装填孔5
Aが貫設され、その小径の他端開口部が栓体24Aの螺
着によって閉塞されている。しかして、このウエイト装
填孔5A内には、その雌ねじ50を刻設した中間部5b
に、バランスウエイト4Aがその外周面の雄ねじ4aを
螺合して装填されると共に、このバランスウエイト4A
を貫通する位置調整ピン6Aが嵌挿されている。
【0030】前記位置調整ピン6Aは、ウエイト装填孔
5Aの口径の大きい入口部5aに回転自在に嵌合する基
部6aと、該基部6aより同軸突出する断面六角形のガ
イド軸部6bと、該ガイド軸部6bより延出する丸軸部
6cとを有し、ガイド軸部6bにおいてバランスウエイ
ト4Aの六角孔4b(図4)に係嵌挿通すると共に、丸
軸部6cの先端部でウエイト装填孔5Aの小径の内奥部
5c(図3)に回転自在に挿嵌している。従って、この
位置調整ピン6Aを捻回操作することにより、バランス
ウエイト4Aが一体に回転しつつウエイト装填孔5Aの
雌ねじ50の範囲内で径方向に移動することになる。な
お、当該位置調整ピン6Aは、基部6aの外周には環状
溝部61を有しており、その内側縁部においてスナップ
リング9を介してウエイト装填孔5Aに抜け止めされ、
且つ丸軸部6cの先端とウエイト装填孔5Aの内奥端と
の間に圧縮状態で装填されたゴム等の弾性部材10の蓄
力によって、常時スナップリング9に押接している。
【0031】しかして、図5に示すように、位置調整ピ
ン6Aの外端面には目盛14aが設けられると共に、ウ
エイト装填孔5Aの周縁外面には支持マーク14bが表
示されており、該位置調整ピン6Aをその外端面中央に
設けられた捻回操作用六角孔62に適当な捻回用治具を
嵌合させて捻回させる際に、支持マーク14bの指示に
よって当該位置調整ピン6Aの基準位置からの回転量ひ
いてはバランスウエイト4Aの基準位置からの移動量が
読み取れるようになっている。また図6に示すように、
第一中間連結部材3Aの中間部3cには、ウエイト装填
孔5Aの入口部5aに対して90度の角度で連通するセ
ット操作孔25が穿設されており、このセット操作孔2
5の内奥側半部のねじ孔部25aに螺挿した回転止めね
じ7を位置調整ピン6Aに圧接させることにより、当該
位置調整ピン6Aが回転不能且つ軸方向移動不能に固定
される。
【0032】第二中間連結部材3Bは、図7に示すよう
に、一端側が第一中間連結部材3A(図3)の筒状部3
b内に適嵌する外径の凸軸部3a、他端側がヘッド部材
2(図3)の凸軸部2aを適嵌させ得る内径の筒状部3
bをなすと共に、中間部3cに径方向のウエイト装填孔
5Aが貫設され、このウエイト装填孔5A内にバランス
ウエイト4A及び位置調整ピン6Aが嵌挿されている。
この第二中間連結部材3Bにおけるウエイト装填孔5
A、バランスウエイト4A、位置調整ピン6Aはいずれ
も、第一中間連結部材3Aの対応部分に比較して寸法が
小さいだけで、当該対応部分と全く同様構成であるた
め、各部に同一符号を付してその説明を省略する。な
お、この第二中間連結部材3Bでも、第一中間連結部材
3Aと同様に、スナップリング9、弾性体10、栓体2
4A、位置調整ピン6Aの目盛14a及び指示マーク1
4b(図5参照)、回転止めねじ7及びセット操作孔2
5(図6参照)を備えることは言うまでもない。
【0033】また図1〜図7に示すように、第一及び第
二中間連結部材3A,3Bとヘッド部材2の凸軸部3
a,2aには、径方向に穿たれる係止孔15Aが形成さ
れ、また図1に示すようにシャンク部材1Aと第一及び
第二中間連結部材3A,3Bの筒状部1b,3bには半
径方向のねじ孔16が各係止孔15Aに臨む位置に形成
されている。しかして、各ロックねじ17は先端側が先
細りテーパー面17aをなすと共に、係止孔15Aにお
ける凸軸部先端側の側面部は前記ロックねじ17の先細
りテーパー面17aに対応するテーパー面15aをなし
ている。
【0034】従って、シャンク部材1A、第一及び第二
中間連結部材3A,3B、ヘッド部材2の隣接する部材
相互の連結は、各々の筒状部1b,3bに凸軸部3a,
2aを内嵌させ、各筒状部1b,3bのねじ孔16に螺
挿したロックねじ17を締め付けて係止孔15Aに圧接
させることによって行われるが、このとき、係止孔15
Aとロックねじ17の両テーパー面15a,17a相互
の摺接に伴うテーパー誘導により、前記筒状部1b,3
bの周端面18aとこれに対向した凸軸部側部材2,3
の環状対向面18bとが圧接し、連結された2部材が端
面接合によって強固に剛体的に一体化される。
【0035】上記構成のボーリングバーにあっては、従
来の一般的なものと同様にヘッド部材2の切削刃20が
径方向に位置調整可能であり、この切削刃20の位置変
化に伴って重心がボーリングバーの軸心から外れ、ボー
リングバー全体としての重心バランスが崩れて切削加工
中に芯振れ等を生じる原因になる。しかるに、この重心
移動は、第一及び第二中間連結部材3A,3Bに設けた
バランスウエイト4を位置調整ピン6の捻回操作によっ
て径方向に移動調整することにより修正することができ
る。
【0036】また、上記の切削刃20の位置変化に伴う
重心移動は、該切削刃20が変位する径方向が主になる
が、切削刃20及びその取付筒部2bの設計仕様や製作
時の寸法精度によっては該変位径方向からずれる場合が
あり、またボーリングバー自体の重心が各部の仕様、製
作時の寸法精度、使用に伴う摩耗等で軸心からずれてい
る場合がある。しかるに、この第一実施例のボーリング
バーでは、第一及び第二中間連結部材3A,3Bの両方
がバランスウエイト4A,4Aを備えているから、これ
ら両部材3A,3Bのバランスウエイト4A,4Aの移
動方向を互いに異ならせることにより、2方向からのバ
ランス修正、つまり高度なバランス修正方法である所謂
「2面修正」よって精密に上記重心のずれを精密に修正
することができる。
【0037】上記の二面修正には種々の手段があるが、
その一例として、第一及び第二中間連結部材3A,3B
のバランスウエイト4A,4Aの一方の移動方向を切削
刃20の変位径方向と一致させることにより、これを専
ら切削刃20の変位径方向の重心移動に対する修正用と
し、他方のバランスウエイト4Aの移動方向を該変位径
方向からの重心のずれとボーリングバー自体の元来の重
心のずれに対応するようにウエイト装填孔5Aの貫通方
向を異なるよう設定する方法がある。また、他の手段と
して、第一及び第二中間連結部材3A,3Bのバランス
ウエイト4A,4Aの移動方向を共に切削刃20の変位
径方向と異ならせたり(図17参照)、互いの移動方向
を交差関係とし、ボーリングバー全体の重心のずれを両
バランスウエイト4A,4Aの相対位置関係によるベク
トル和にて修正する方法がある。
【0038】なお、上記第一実施例ではヘッド部材2及
び中間連結部材3A,3Bの凸軸部2a,3aに環状の
係止孔15Aを設けているが、これらの係止孔15とし
ては、図8に示す第2実施例の係止孔(溝)15Bのよ
うに周方向に沿う所定長さのものとしてもよい。図9に
示す実施例にあっては係止孔(溝)15Cが周方向に環
状に設けられているから、連結する部材相互の相対回転
位置を自在に設定可能である。また図8に示すように、
非環状の係止孔15Bでは、連結する部材相互の相対回
転位置の可変範囲が該係止孔15Bの長さに制約される
ことになるが、通常の重心のずれには充分に対処でき
る。
【0039】また、上記第1実施例では、図1に示すよ
うに、第一中間連結部材3Aの中間部3cとシャンク部
材1Aの筒状部1bとが同外径で、且つ第一中間連結部
材3Aの筒状部3bと第二中間連結部材3B及びヘッド
部材2の凸軸部3a,2aを除く部分とが同外径にな
り、且つ第一中間連結部材3Aが中間部3cのフランジ
部分にバランスウエイト4を設けた構成となっている
が、中間連結部材3としては、凸軸部2a及び筒状部3
bの大きさをボーリングバーの連結構成や装着するヘッ
ド部材2の大きさに応じて種々設定できると共に、バラ
ンスウエイト4Aの取付位置も適宜設定できる。
【0040】例えば、図10に示す第3実施例の中間連
結部材3Cのように、小型のヘッド部材2に適用すべく
内外径の小さい筒状部3bを有するものとしたり、図1
1に示す第4実施例の中間連結部材3Dのように、軸方
向に長い中間部3cを有していて、当該中間部3cのフ
ランジ部分から外れた位置にバランスウエイト4を設け
た構成としてもよい。なお、図10及び図11に示す第
3及び第4実施例の中間連結部材3C,3Dのウエイト
装填孔5A、バランスウエイト4A、位置調整ピン6A
はいずれも、第一実施例の第一及び第二中間連結部材3
A,3Bの対応部分と全く同様構成である。
【0041】また、上記第1実施例ではバランスウエイ
ト4を中間連結部材3A,3Bに設けているが、本発明
のボーリングバーでは、例えば第12図に示す第5実施
例のシャンク部材1Bのように、シャンク部材1自体の
シャンク部1aと筒状部1bとの間にバランスウエイト
4Aを設けた構成も採用できる。しかして、このような
バランスウエイト4Aを設けたシャンク部材1Bと、同
様にバランスウエイト4Aを設けた中間連結部材3とを
連結する構成によれば、記述同様の「2面修正」よる精
密な重心バランスの修正を行える。
【0042】更に、前記の第1〜第5実施例のバランス
ウエイト4Aは、図3に示すように外周面の雄ねじ4a
にてウエイト装填孔5Aの雌ねじ50に螺合し、位置調
整ピン6Aと一体に回転してボーリングバーの径方向ち
移動する構成であるが、例えば図13に示す第6実施例
のバランスウエイト4Bのように、位置調整ピン6Bの
ねじ軸をなすガイド軸部6bに螺合するナット状であっ
て、且つウエイト装填孔5Bのキー溝51にキー41を
介して係合し、該位置調整ピン6Bの捻回操作によって
バランスウエイト4Bを非回転でボーリングバーの径方
向に移動する構成としてもよい。
【0043】更にまた前記第6実施例にあっては、バラ
ンスウエイト4Bの非回転で軸方向に移動可能とする手
段としてキー結合機構51,41を採用するが、この機
構に限定されることはなく、例えば第7実施例を示す図
14の(a)図および(b)図に示すように位置調整ピ
ン6Bのガイド軸部6bがねじ軸を構成し、バランスウ
エイト4Bは該ガイド軸部6bに螺合すると共に、ウエ
イト装填孔5Bおよびこれに装填されるバランスウエイ
ト4Bの中心軸L1をガイド軸部6bの中心軸L2とを
異ならしめ、これによってガイド軸部6bの捻回操作の
際に、バランスウエイト4Bは非回転状態で軸方向に移
動するようにしてもよい。なお、この第7実施例も第6
実施例と同じように位置調整ピン6Bの基部6aは部材
66と67とからなっており、部材67の外周面に後述
のようにブレーキ用のOリング8が嵌装されている。し
かしこの第7実施例では、位置調整ピン6Bのガイド軸
部6bの先端部は軸受部材であるリング部材65Aに回
転自在に軸支されており、リング部材65Aは部材1ま
たは2に固着されている点で第6実施例と異なってい
る。8aはOリングである。
【0044】この第6及び第7実施例では、ウエイト装
填孔5Bが有底のストレート状をなすと共に、位置調整
ピン6Bはガイド軸部6bの先端に基部6aと同外径の
リング部材65が固着されており、位置調整ピン6Bの
捻回操作によってこれと一体にリング部材65がウエイ
ト装填孔5Bの内奥の周面及び奥端面と摺接して回転す
ることから、当該位置調整ピン6Bの軸心位置が精密に
維持される。しかして、この位置調整ピン6Bは、前記
第一〜第五実施例の位置調整ピン6Aと同様に、スナッ
プリング9を介して抜け止めされると共に、側方から圧
接する回転止めねじ7にて回転不能に固定するようにな
されている。また該位置調整ピン6Bにおける基部6a
は、前記目盛14a(図5)及び捻回操作用六角孔62
を設けたボルト状部材66を筒体67に螺入してねじを
潰して一体化したものであり、ねじ軸状のガイド軸部6
bも前記筒体67に螺入してねじを潰して一体化してい
る。
【0045】ところで、位置調整ピン6の回り止めにつ
いては、必ずしも既述各実施例の如く回転止めねじ7で
完全に固定する構造でもくともよい。すなわち、ボーリ
ングバー自体の加工時の回転は位置調整ピン6を回転さ
せる方向には作用しないから、例えば図15に示す第8
実施例や図16に示す第9実施例の位置調整ピン6C,
6Dのように、基部6aに嵌装したゴムや軟質合成樹脂
等よりなる弾性リング8をウエイト装填孔5B,5Cの
内周面に押接させることにより、その摺接抵抗だけで充
分な回り止め機能を持たせ得る。また、この弾性リング
8による回り止めは、ガイド軸部6bがねじ軸状でない
位置調整ピン6Aにも適用できることは言うまでもな
い。しかして、このような弾性リング8を用いれば、ボ
ーリングバー内部にクーラントや切削油を導通させる場
合に、これらのウエイト装填孔5からの漏れを防ぐ液密
シール機能をも期待できる上、位置調整ピン6を使用す
る場合のようなセット操作孔25が不要になるという利
点がある。
【0046】一方、図16に示す第9実施例では、スト
レートのウエイト装填孔5Cが径方向に長く形成され、
これに対応して位置調整ピン6Dはねじ軸状のガイド軸
部6bが長く、その先端の丸軸部6cがウエイト装填孔
5Cの奥端から外部へ同軸状に貫通する枢支孔52に回
転自在に軸支されている。なお枢支孔52の外端側は栓
体24にて閉塞されている。このような構成によれば、
バランスウエイト4Bの移動範囲が大きくなるから、そ
れだけ該バランスウエイト4Bの移動による重心バラン
スの修正範囲を広くとれるという利点がある。
【0047】なお、第8実施例及び第9実施例における
バランスウエイト4Bは、図面には現れていないが、第
6実施例と同様にウエイト装填孔5B,5Cとキー係合
している。また第6〜第9実施例のバランスウエイト4
Bはシャンク部材1と中間連結部材3のいずれに設けて
もよい。
【0048】図17は第10実施例を示す。この場合の
中間連結部材3Eに設けられる位置調整ピン6Eは、基
部6aの外端側のフランジ部63と、当該基部6aにナ
ット部材を螺合して且つねじを潰して一体化した内側の
フランジ部64との間に、両フランジ部63,64に対
してフッ素樹脂層11,11を介して接する固定リング
12が嵌装され、この固定リング12が側方から螺挿さ
れた固定ピン13を介して当該中間連結部材3Eに固定
され、且つ内側フランジ部6bに嵌装した弾性リング8
がウエイト装填孔5Dの内周面に押接している。この位
置調整ピン6Eの断面六角形のガイド軸部6bには、前
記第1〜第5実施例と同様のバランスウエイト4Aが相
対回転不能且つ軸方向移動自在に嵌合すると共に、該バ
ランスウエイト4Aはウエイト装填孔5Dの内周の雌ね
じ50に螺合している。そして、ウエイト装填孔5Dの
雌ねじ50には位置調整ピン6Eとは反対側から蓋部材
24Cが螺着しており、この蓋部材24Cの枢支孔24
aに位置調整ピン6Eの先端の丸軸部6cが回転自在に
軸支されている。
【0049】この第10実施例では、重心バランスの修
正において、位置調整ピン6Eの捻回操作によってバラ
ンスウエイト4Aが当該位置調整ピン6Eと一体に回転
しつつボーリングバーの径方向に移動するが、フッ素樹
脂層11,11の滑性作用により位置調整ピン6Eの捻
回操作が容易になる。また、固定リング12によって位
置調整ピン6Eの径方向移動ひいてはバランスウエイト
4Aの径方向移動が阻止されるから、該径方向移動によ
る重心バランスの狂いを生じる恐れがない。
【0050】しかして、固定リング12によって位置調
整ピン6を径方向移動不能とする構成は、位置調整ピン
6のガイド軸部6bがねじ軸をなす場合でも同様に適用
できる。また、この第10実施例及び前記の第1〜第5
実施例における位置調整ピン6A,6Eのガイド軸部6
bは断面六角形であるが、外周の雄ねじ4aでウエイト
装填孔5の雌ねじ450に螺合するバランスウエイト4
Aに適用する位置調整ピン6は六角形以外の種々の非円
形断面としてもよい。更に位置調整ピン6のガイド軸部
6bがねじ軸であり、このねじ軸にバランスウエイト4
が螺合する構成においては、当該バランスウエイト4を
ウエイト装填孔5にキー係合させる代わりに、ウエイト
装填孔5の輪郭とバランスウエイト4の外形を対応する
非円形として、当該バランスウエイト4を回転止めする
ことができる。
【0051】ところで、シャンク部材1とヘッド部材
2、あるいは中間連結部材3とシャンク部とを連結する
凹凸嵌合部には前述のように係止孔15とロックねじ1
7とが設けられるため、あるいは又、切削刃20自体を
径方向に移動調整し、その調整した位置で切削刃20が
固定されるようになっているため、これら部品の重量等
によって製作上、上記部材1,2,3の重心が必然的に
切削刃20の移動軸線P上から周方向に変位する(アン
バランスになる)ことになる。この重心の周方向への変
位(アンバランス)を前記切削刃20の移動軸線P上に
もってくるために予め製作時にバランスウエイト4Aの
移動軌跡を決めておくことが好ましい。
【0052】図18に示す第11実施例は上記のために
なされたものである。即ち、図18は第10実施例を示
す図17のDーD線断面図であるが、この実施例にあっ
てはウエイト装填孔5Dを切削刃20が変位する径方向
の軸線Pに対し、周方向に所要の角度α、例えば12°
変位させて径方向に貫通して設けられたものであり、こ
のように各部材の変位した重心に合わせて、ウエイト装
填孔5Dを切削刃20の移動軸線Pに対し周方向に変位
した位置に設けることによって互いに連結された部材の
重心を切削刃20の移動軸線P上にもってくることが可
能となり、正確な切削作用に貢献することができる。
【0053】本発明のボーリングバーは、シャンク部材
1とヘッド部材2との2連結構成、シャンク部材1と中
間連結部材3とヘッド部材2との3連結構成、シャンク
部材1と2本以上の中間連結部材3とヘッド部材2との
4連結以上の構成のいずれをも包含する。しかして、3
連結以上の構成においては、バランスウエイト4を備え
る部材(シャンク部材1又は中間連結部材3)を一本に
しても差支えない。すなわち、バランスウエイト4が一
個であっても、修正前の重心位置が切削刃20の移動方
向から外れる場合に、バランスウエイト4を設けた部材
とヘッド部材2との連結状態における相互の回転位置を
適当にずらせることにより、重心が軸心に一致するよう
にバランスウエイト4の位置を設定できる。
【0054】また本発明においては、切削刃20の径方
向変位に伴う重心の移動方向が予め判明している場合
は、部材相互の凹凸嵌合による連結部が通常のサイドロ
ック方式(凸軸部2a,3aの係止孔15A,15Bの
代わりにロックねじを圧接させる単なる平坦部がある)
のように相対回転位置を変えられない構造であっても、
その連結によってバランスウエイト4の移動方向が前記
の重心の移動方向に対応するように、当該バランスウエ
イト4を備える部材とヘッド部材2との連結姿勢を予め
設定することができる。その他、本発明のボーリングバ
ーにおける細部構成については、実施例以外に種々設計
変更可能である。
【0055】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、シャンク部材
と切削刃位置が径方向に移動調整可能なヘッド部材、又
はこれらと中間連結部材とからなる連結方式のボーリン
グバーとして、ヘッド部材の切削刃位置が径方向に変化
することによる重心移動を、シャンク部材又は/及び中
間連結部材に設けたバランスウエイトの移動調整によっ
て修正でき、高価なヘッド部材には重心バランスの調整
機能を持たない従来の一般的な構成を採用でき、既存の
ヘッド部材もそのまま利用可能となり、高い汎用性及び
経済性が得られ、しかも修正前の重心位置が切削刃の移
動方向から外れていても、重心が軸心に一致するように
バランスウエイトの位置を設定でき、更にバランスウエ
イトを設けた2本の部材を連結することによって、高度
な2面修正による精密な重心バランスの修正を行えるも
のが提供される。
【0056】請求項2の発明によれば、上記のボーリン
グバーとして、位置調整ピンの捻回操作によってバラン
スウエイトの移動調整を容易に且つ確実に行える上、該
バランスウエイトの移動量の微小調整が可能になり、ま
た設定したバランスウエイトの位置が変わりにくく、も
って重心バランスを高精度で修正できて且つ修正した重
心バランスの狂いを生じにくいものが提供される。
【0057】また、バランスウエイトが中間連結部材に
のみに設けられる場合には、高価なシャンク部材とヘッ
ド部材に従来の一般的な構成を採用できて既存品も利用
可能となる上、該中間連結部材の両側連結部の径の設定
により、元来はシャンク部材とヘッド部材との2分割構
成であったボーリングバーに対しても、両部材間に該中
間連結部材を介在させて重心バランスの修正を行うこと
ができる。
【0058】請求項3〜請求項5のいずかの発明によれ
ば、上記のボーリングバーとして、位置調整ピンの捻回
操作により、バランスウエイトの移動調整を容易に且つ
確実に行えるものが提供される。
【0059】請求項6の発明によれば、上記のボーリン
グバーとして、位置調整ピンの周面に圧接させる回転止
めねじの締め付けにより、所要の重心バランス修正を行
った後の位置調整ピンを回転不能に固定でき、もって修
正した重心バランスが切削加工中の高速回転や取扱い中
の振動や衝撃等によっても狂うことなく安定に保たれる
ものが提供される。
【0060】請求項7の発明によれば、上記のボーリン
グバーとして、所要の重心バランス修正を行った後の位
置調整ピンが容易には回転せず、もって修正した重心バ
ランスが安定に保たれる上、ボーリングバー内部に導通
させるクーラントや切削油のウエイト装填孔からの漏れ
が防止され、また前記位置調整ピンの回転止めの構造が
非常に簡素であり、バランスウエイトを備える部材を安
価に製作できるものが提供される。
【0061】請求項8の発明によれば、上記のボーリン
グバーとして、捻回操作時の位置調整ピンの径方向位置
が安定することから、その捻回操作が容易であり、バラ
ンスウエイトの位置調整を特に確実に行えるものが提供
される。
【0062】請求項9の発明によれば、上記のボーリン
グバーとして、重心バランスの修正において特に位置調
整ピンの捻回操作が容易であると共に、該位置調整ピン
の径方向移動ひいてはバランスウエイトの径方向移動が
阻止され、この径方向移動による重心バランスの狂いを
生じないものが提供される。
【0063】請求項10の発明によれば、上記のボーリ
ングバーとして、目盛を指標としてバランスウエイトの
移動量を設定でき、もって重心バランスの修正操作が特
に容易なものが提供される。
【0064】請求項11の発明によれば、上記のボーリ
ングバーとして、連結された2部材を端面接合によって
強固に剛体的に一体化でき、もって高負荷の切削加工で
も芯振れ等を生じにくく、高い加工精度が得られるもの
が提供される。
【0065】請求項12の発明によれば、上記のボーリ
ングバーとして、凹凸嵌合によって連結する部材相互の
相対回転位置を変えることができるから、切削刃の変位
に伴う重心移動が該変位方向からずれる場合や、ボーリ
ングバー自体の重心が軸心からずれている場合でも、重
心を軸心に一致するように確実に調整可能なものが提供
される。
【0066】請求項13の発明によれば、上記のボーリ
ングバーとして、連結される2部材の相対回転位置に制
限がなく、もって設定するバランスウエイトの移動方向
にも制約がないから、どのような重心のずれにも対応す
ることが可能なものが提供される。
【0067】請求項14の発明によれば、シャンク部材
及び/又は中間連結部材に設けられるウエイト装填孔
は、ヘッド部材に設けられた切削刃の移動軸線に対し、
周方向に変位した位置で径方向に設けられてなるため、
これらの部材の重心が切削刃の移動軸線上から周方向に
変位していても、互いに連結されたこれら部材の重心を
切削刃の移動軸線上にもってくることが可能となり、正
確な切削作用に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るボーリングバーの
縦断側面図。
【図2】 同ボーリングバーのヘッド部材2の要部破断
側面図。
【図3】 同ボーリングバーの第一中間連結部材の縦断
側面図。
【図4】 図3のA−A線の断面矢視図。
【図5】 同第一中間連結部材の側面図。
【図6】 図3のB−B線の断面矢視図。
【図7】 同ボーリングバーの第二中間連結部材の縦断
側面図。
【図8】 図1のC−C線部分に相当する断面矢視図で
あり、第2実施例のボーリングバーにおける部材相互の
連結部を示す縦断正面図。
【図9】 同じく前記実施例と構成が若干相違する第2
実施例のボーリングバーにおける部材相互の連結部を示
す縦断正面図。
【図10】 同第3実施例のボーリングバーにおける中
間連結部材の縦断側面図。
【図11】 同第4実施例のボーリングバーにおける中
間連結部材の縦断側面図。
【図12】 同第5実施例のボーリングバーにおけるシ
ャンク部材の縦断側面図。
【図13】 同第6実施例のボーリングバーにおけるバ
ランスウエイト取付け部分の縦断正面図。
【図14】 (a)図は、同第7実施例のボーリングバ
ーにおけるバランスウエイト取付け部分の縦断正面図で
あり、(b)図は、同平面図である。
【図15】 同第8実施例のボーリングバーにおけるバ
ランスウエイト取付け部分の縦断側面図。
【図16】 同第9実施例のボーリングバーにおけるバ
ランスウエイト取付け部分の縦断側面図。
【図17】 同第10実施例のボーリングバーの縦断側
面図。
【図18】 同第11実施例のボーリングバーの縦断正
面図(図17のDーD線断面図)。
【符号の説明】
1,1A,1B シャンク部材 1a シャンク部 1b 筒状部 2 ヘッド部材 2a 凸軸部 2b 筒状部 3,3A〜3E 中間連結部材 3a 凸軸部 3b 筒状部 4,4A,4B バランスウエイト 4a 雄ねじ 4b 六角孔 41 キー 5P5A〜5D ウエイト装填孔 5a 入口部 50 雌ねじ 51 キー溝 6,6A〜6E 位置調整ピン 6a 基部 6b ガイド軸部 63 フランジ部 64 フランジ部 7 回転止めねじ 8 弾性リング 9 スナップリング 10 弾性体 11 フッ素樹脂層 12 固定リング 13 固定ピン 14a 目盛 14b 指示マーク 15A,15B 係止孔 15a テーパー面 16 ねじ孔 17 ロックねじ 17a 先細りテーパ面 18a 周端面 18b 環状対向面 20 切削刃

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャンク部材と切削刃位置が径方向に移
    動調整可能なヘッド部材、もしくは前記両者と1本又は
    2本以上の中間連結部材とからなり、これら部材相互が
    軸方向の凹凸嵌合によって連結される連結方式のボーリ
    ングバーにおいて、前記シャンク部材又は/及び中間連
    結部材に、バランスウエイトを径方向に移動調整可能に
    設けたことを特徴とするボーリングバー。
  2. 【請求項2】 バランスウエイトを設けるシャンク部材
    又は/及び中間連結部材は周面側に開口した径方向のウ
    エイト装填孔を有し、このウエイト装填孔に装填される
    バランスウエイトに貫通するガイド軸部を有する位置調
    整ピンが、当該ウエイト装填孔に回転のみ可能に挿嵌さ
    れ、該位置調整ピンの回転操作により、バランスウエイ
    トがねじ誘導によって径方向に移動するように構成され
    てなる請求項1記載のボーリングバー。
  3. 【請求項3】 位置調整ピンのガイド軸部が非円形断面
    をなし、バランスウエイトは、該ガイド軸部と相対回転
    不能に係合すると共に外周面側でウエイト装填孔の内周
    面と螺合してなる請求項2に記載のボーリングバー。
  4. 【請求項4】 位置調整ピンのガイド軸部がねじ軸を構
    成し、バランスウエイトは、該ガイド軸部に螺合すると
    共に、ウエイト装填孔に対して相対回転不能にキー係合
    してなる請求項1又は2に記載のボーリングバー。
  5. 【請求項5】 位置調整ピンのガイド軸部がねじ軸を構
    成し、バランスウエイトは、該ガイド軸部に螺合すると
    共に、ウエイト装填孔及びこれに装填されるバランスウ
    エイトの中心軸をガイド軸部の中心軸とを異ならしめ、
    これによってバランスウエイトをウエイト装填孔に対し
    て相対回転不能としてなる請求項1又は2のボーリング
    バー。
  6. 【請求項6】 位置調整ピンの周面に圧接させる回転止
    めねじを備えてなる請求項2〜5のいずれかに記載のボ
    ーリングバー。
  7. 【請求項7】 位置調整ピンの基部とウエイト装填孔と
    の界面部に、これら両者に圧接するブレーキ用の弾性リ
    ングが介在されてなる請求項2〜5のいずれかに記載の
    ボーリングバー。
  8. 【請求項8】 位置調整ピンがスナップリングを介して
    ウエイト装填孔に抜け止めされると共に、該位置調整ピ
    ンのガイド軸部の先端とウエイト装填孔の奥端との間に
    弾性体が圧縮状態で装填されてなる請求項2〜7のいず
    れかに記載のボーリングバー。
  9. 【請求項9】 位置調整ピンは、基部に形成された内外
    一対のフランジ部間に、両フランジ部に対してフッ素樹
    脂層等の摺動層を介して接する固定リングが嵌装され、
    該摺接リングが固定ピンを介してウエイト装填孔側の部
    材に固定されてなる請求項2〜8のいずれかに記載のボ
    ーリングバー。
  10. 【請求項10】 位置調整ピンの外端面とウエイト装填
    孔の周縁外面との間で、バランスウエイトによるウエイ
    ト調整度合を該位置調整ピンの回転位置によって表示す
    る目盛を備えてなる請求項2〜9のいずれかに記載のボ
    ーリングバー。
  11. 【請求項11】 シャンク部材、ヘッド部材、中間連結
    部材の相互の凹凸嵌合部が一方の部材の凸軸部とこれに
    外嵌する他方の部材の筒状部とで構成され、凸軸部に内
    周面が先細りテーパー面とした係止孔が形成され、筒状
    部にねじ孔が形成され、該ねじ孔に螺合するロックねじ
    の先端側は前記係止孔のテーパー面に対応するテーパー
    面に形成され、該ロックねじを締め付けた際の両テーパ
    ー面相互の摺接に伴うテーパー誘導により、前記筒状部
    の周端面とこれに対向した凸軸部側部材の環状対向面と
    が圧接するように構成されてなる請求項1〜10のいず
    れかに記載のボーリングバー。
  12. 【請求項12】 凸軸部の係止孔は当該凸軸部の周方向
    に沿って円弧状に形成されてなる請求項11記載のボー
    リングバー。
  13. 【請求項13】 凸軸部の係止孔が当該凸軸部の全周に
    わたる環状に形成されてなる請求項11記載のボーリン
    グバー。
  14. 【請求項14】 シャンク部材又は/及び中間連結部材
    に設けられるウエイト装填孔は、ヘッド部材に設けられ
    た切削刃の移動軸線に対し、周方向に変位した位置で径
    方向に設けられてなる請求項1〜13のいずれか記載の
    ボーリングバー。
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