JPH09154536A - ミネラル補強用組成物及びその製造方法 - Google Patents

ミネラル補強用組成物及びその製造方法

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JPH09154536A
JPH09154536A JP7344453A JP34445395A JPH09154536A JP H09154536 A JPH09154536 A JP H09154536A JP 7344453 A JP7344453 A JP 7344453A JP 34445395 A JP34445395 A JP 34445395A JP H09154536 A JPH09154536 A JP H09154536A
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Hiroshi Kondo
浩 近藤
Yoshito Shibauchi
好人 柴内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体利用性及び吸収性が高いカルシウム及び
/又はマグネシウム補強組成物及びその製造法の提供。 【解決手段】 カゼイン溶液にレンネットを作用させて
レンネットカゼインカードを形成させ、その反応の途中
あるいは反応終了後に水溶性カルシウム塩またはマグネ
シウム塩を添加してカゼインに結合させることよりなる
ミネラル補強用組成物の製造法及びこのようにして得ら
れたミネラル補強用組成物。カルシウムの全組成物に対
し3.5 重量%以上あるいはマグネシウムが1.0 重量%以
上結合したものが吸収性の高い組成物となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カゼイン結合カル
シウム及び/又はマグネシウムと遊離のカゼインよりな
るミネラル補強用組成物及びその製造法に関する。さら
に詳しくは、本発明は、カルシウム及び/マグネシウム
の吸収性に優れ、経口投与製剤の形態あるいは食品、飲
料に添加することで、日本人に不足しがちなカルシウム
及びマグネシウムを効率良く摂取することができる組成
物及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在日本の成人男性のカルシウム所要量
は、1日あたり600mg (第5次改訂;日本人の栄養所要
量、厚生省保健医療局健康増進課監修、1994) とされて
いる。しかし平成4年における国民栄養調査によれば、
実際のカルシウム摂取量は、541mg (平成5年度版国民
栄養の現状;平成5年国民栄養調査成績、1993) であ
り、所要量の約90%にしか達しておらず、従来からカル
シウム摂取量がカルシウム所要量を上回ったことは無
い。
【0003】このような現状の下で、骨粗しょう症など
の骨疾患は、カルシウム不足が原因で引き起こされると
いわれている。このため、カルシウム不足を補うべく炭
酸カルシウム、骨粉、サンゴ由来の粉末、乳由来ミネラ
ル等、多くのカルシウム素材が市販されている。また、
これらのカルシウム素材を食品に添加し、カルシウムを
強化した食品も多い。一方、牛乳や乳製品は他の食品と
比べてカルシウムが多く含有されており、また乳由来の
カルシウムの吸収性及び生体利用性が、他のカルシウム
素材よりも良好であるという報告もなされており (V.K.
Kansal and S.Chaudhary, Milchwissenschaft, 37, 261
(1982); N.P.Wong and D.E.LaCroix, Nutr. Rep. Inte
r., 21, 673 (1980)) 、この面からも牛乳や乳製品の需
要が高まっている。さらに、牛乳や乳製品のカルシウム
を強化し、より効果的にカルシウムを摂取しようとする
試みも多くなされており、実際にカルシウムを強化した
乳製品が多く市場に出回っている。
【0004】一方、最近では心疾患の急増の原因として
マグネシウムの摂取不足が取り上げられており、カルシ
ウムと並んでマグネシウムの摂取不足も問題とされるよ
うになっている。最近の調査によれば、日本人のマグネ
シウム摂取量は、 150〜300mg/日程度で目標摂取量の30
0mg/日 (糸川、五島編集;生体内金属元素、1994) を大
幅に下回ることが多い。また、マグネシウム不足につい
ては、カルシウムに比べいまだ一般の認識が低く、マグ
ネシウム不足を補うことのできるマグネシウム素材とし
ては塩化マグネシウム、酸化マグネシウムなどの無機塩
やマグネシウムカゼイネートが知られている程度で、こ
れらのマグネシウム素材を食品に添加した例は少ない。
【0005】そこで、これら日本人に不足しているカル
シウムやマグネシウムを同時に補給するために、乳製品
にマグネシウムを添加したり、あるいはカルシウムとマ
グネシウムを含有する組成物を製造する試みがなされて
いる。例えば、特公平7-2079号公報には、牛乳中のカル
シウムとマグネシウムの量を調整してカルシウム/マグ
ネシウムを一定にすることによりマグネシウムの吸収性
に優れた牛乳及び乳製品を得ることが記載されている。
しかし、これはカルシウム及びマグネシウムの含量を単
に調整した乳製品に関するものであり、製剤の形態ある
いは他の食品に添加するなどして用いることはできな
い。また、特開昭51-125761 号公報にはマグネシウムを
添加した動物用カルシウム製剤が、また、特開平5-3089
07号公報及び特開平6-78715 号公報にはタンパク質にカ
ルシウムやマグネシウムを添加しこれらで強化した組成
物がそれぞれ記載されている。しかし、これらは、単に
カルシウムやマグネシウムを配合した組成物にすぎず、
生体での吸収性及び利用性については全く考慮されてい
ない。
【0006】このようなことから、カルシウム及び/又
はマグネシウムの生体利用性及び吸収性を考慮し、製剤
の形態で用いたり、カルシウム及び/又はマグネシウム
を強化した組成物として食品に添加することができる組
成物が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、乳由来のカル
シウムは、カゼインの酵素消化物中にリン酸基をもつ
ペプチド(カゼインホスホペプチド)が存在し、このリ
ン酸基にカルシウムが結合した形態で存在している。そ
して、この形態が腸内でカルシウムの沈澱を妨げカルシ
ウムを可溶化するため、腸内におけるカルシウムの吸収
性が向上する(H.Naito and H.Suzuki,Agric.Biol.Che
m.,38,1543,1978)、また、カゼインに結合したコロ
イド状のリン酸カルシウムの吸収性が、通常の形態のカ
ルシウムに比べ優れており(N.P.Wong and D.E.Lacroi
x,Nutr.Rep.Inter.,21,637,1980)、そのため吸収が良
好である。これらの理由から吸収性及び生体利用性が他
のカルシウム素材より良好であるといわれている。
【0008】そこで、本発明者らは、乳製品中のカルシ
ウムやマグネシウムの吸収性について、鋭意研究したと
ころカルシウムやマグネシウムを特定の形態のカゼイン
と結合させると、生体内においてそれらの吸収性を向上
させる上で好ましいことを見出した。すなわち、カゼイ
ン溶液にレンネットを作用させ、レンネットカゼインカ
ードを形成させ、この反応の途中又は終了後にカルシウ
ム及び/又はマグネシウムを塩類の形で添加することで
カルシウム及び/又はマグネシウムがカゼインに結合し
たカゼイン結合カルシウム、カゼイン結合マグネシウム
を得ることができ、このようにカゼインに結合したカル
シウム及びマグネシウムは、他のカルシウム及びマグネ
シウムと比較して高い生体内吸収性を有することを実験
的に確認した。従って、本発明は、カゼインにカルシウ
ム及び/又はマグネシウムを結合させたカゼイン結合カ
ルシウム及びカゼイン結合マグネシウムの生体内吸収性
の高いミネラル補強用組成物及びその製造方法を提供す
ることを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】カルシウムやマグネシウ
ムは、レンネットカゼイン、カルシウムカゼイネート、
マグネシウムカゼイネート中では結合状態で存在する。
このうちカルシウムを最も多く含有するレンネットカゼ
インでも、カルシウム含量は固形当たり 1〜3重量%で
あり、マグネシウム含量は 0.1重量%前後にすぎない。
また、マグネシウムを最も多く含有するマグネシウムカ
ゼイネートでも、マグネシウム含量は固形当たり 0.9重
量%程度であり、いわゆるカルシウム剤あるいはマグネ
シウム剤として用いるには十分な含量であるとは言えな
い。さらに無機のカルシウム塩やマグネシウム塩を配合
してカルシウム含量やマグネシウム含量を増やすことも
できるが、単に添加しただけではカゼインに結合した状
態のカルシウムやマグネシウムを増やすことはできな
い。このため、吸収性は以下の実験例に示すように必ず
しも高くない。
【0010】本発明では、カゼイン溶液にレンネットを
作用させてレンネットカゼインのカードを形成させ、次
いでこの反応の途中あるいは終了後にカルシウム塩及び
/又はマグネシウム塩を加えることで、生成したカゼイ
ンのカード中にこれらを結合させカゼイン結合型カルシ
ウム及び/又はカゼイン結合型マグネシウムとする。そ
して、このことによってカルシウム及び/又はマグネシ
ウムの吸収性に優れた組成物を得ることができる。
【0011】カゼイン溶液はナトリウムカゼイネートや
脱脂乳などを用いて、5 重量%以上、好ましくは10〜20
重量%のカゼイン溶液とする。さらに、酸カゼインなど
水に不溶のものは水酸化ナトリウムなどのアルカリを加
えて可溶化する。このカゼイン溶液を酸やアルカリを用
いてpHを6.4 に調整する。このとき使用する酸としては
塩酸、アルカリとしては水酸化ナトリウム等が挙げられ
る。次に、このカゼイン溶液にレンネットを添加して酵
素反応を行ってレンネットカゼインのカードを形成さ
せ、これに、水溶性のカルシウム塩及びマグネシウム塩
を添加する。レンネットは、通常の仔牛あるいは微生物
由来、遺伝子組み換え品などを用いることができ、水溶
性のカルシウム塩としては、塩化カルシウムや乳酸カル
シウム、水溶性のマグネシウム塩としては塩化マグネシ
ウムや硫酸マグネシウムを用いることができる。さら
に、組成物の使用目的にあわせて途中、上述した酸やア
ルカリでpHを調整するとよい。レンネット反応後、凝固
したカードをホエーから分離し、カードを回収し必要に
応じて乾燥させる。乾燥は、ドラムドライヤーなどの通
常チーズ製造でレンネットカゼインを乾燥させる場合に
用いられる乾燥機を用いて行えばよい。
【0012】また、得られたカードは、タンパク質が凝
集しているため水に溶けにくいが、水に均一に分散させ
る必要のある場合には、リン酸ナトリウムやクエン酸ナ
トリウムなど通常プロセスチーズの製造に使用される溶
融塩を添加し、分散乳化させ可溶化した状態とすること
ができる。このようにして得られた本発明の組成物は、
カルシウム及びマグネシウムがカゼインに結合した状態
であり、吸収性が良好である。
【0013】この組成物中のカゼイン結合カルシウム及
びマグネシウムの測定は、以下の通り行う。一定量の組
成物を水に懸濁しホモゲナイザーなどで均質化する。こ
の溶液を10000rpmで20分間遠心分離し、上清と沈殿に分
離する。この時、カルシウムやマグネシウムのうちカゼ
インに結合しているものは沈殿画分に残り、一方カゼイ
ンに結合していないものは上清中に遊離する。従って沈
殿中のカルシウム量及びマグネシウム量を定量すれば、
カゼインに結合したものの割合を算出することができ
る。この方法によれば、本発明で得られた組成物中のカ
ゼイン結合カルシウム及びマグネシウムの割合は、60重
量%以上である。これに対して、通常のレンネットカゼ
インを水に懸濁、又は溶解させカルシウム塩やマグネシ
ウム塩を溶解し混合後、凍結乾燥したものでは、後から
加えたカルシウムやマグネシウムはカゼインと結合せ
ず、前述の試験ではそのほとんどが上清中に遊離してし
まう。
【0014】さらに、本発明で得られたカゼイン結合カ
ルシウム及び/又はマグネシウムを含有する組成物につ
いて、以下に示す動物実験でそれらの吸収性を検討し
た。動物実験は、SD系雄ラットを用い、ラットの糞便中
のカルシウム及びマグネシウム量から、見かけの吸収率
を評価した。一方、組成物中のカルシウム及びマグネシ
ウム量の分析は、飼料を灰化した後発光分光分析によっ
て行った。本発明の組成物中のカルシウム及びマグネシ
ウムは、単にカルシウム塩及びマグネシウム塩を添加し
たものに比べて高い吸収性を示した。
【0015】
【発明の実施の形態】
【実施例1】 組成物の調製 ナトリウムカゼイネート (ニュージーランドディリーボ
ード製)1kgを9kg の水に溶解し、1N塩酸にてpHを6.4 に
調整した。これに力価70000 単位/gの粉末レンネット
(ハンセン製) 800mg をあらかじめ少量の水に溶解して
から添加し、35℃で30分間反応させた。次いで、これに
添加量がそれぞれ表1のとおり目的量の塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウムを添加し、以下は常法通りカード
を生成させた。生成したカードをホエーから分離し、通
常のレンネットカゼインの製造方法に準じ、水分重量5
%となるように乾燥後粉砕し、表1の組成物1〜15を
得た。尚、表1に添加したカルシウム量とマグネシウム
量及び得られた組成物中のカルシウム含量及びマグネシ
ウム含量を記載する。組成物中のカルシウム含量及びマ
グネシウム含量は、発光分光分析 (SP3000UV;Leeman L
abs 製 )にて分析を行った。
【0016】
【表1】
【0017】表1に示すように、レンネット添加後、塩
化カルシウムや塩化マグネシウムを適当量添加すること
で、カルシウム及びマグネシウムを含有する組成物を調
製することができた。
【0018】
【実施例2】 組成物中のカゼイン結合カルシウム及びマグネシウムの
評価 本発明の方法で調製した組成物として、表1の組成物1
3を用い、この組成物中のカゼイン結合カルシウム量及
びマグネシウム量の評価を行った。この組成物5gに水20
mlを加え、ホモミキサーを用いて10000rpmで 2分間均質
化した。均質化した溶液を10000rpmで20分間遠心分離す
ることにより、沈殿と上清に分離し、沈澱中のカルシウ
ム量を実施例1と同様に測定した。カゼイン結合カルシ
ウム及びマグネシウムの比率は、以下の式で算出した。
【0019】カゼイン結合カルシウム (マグネシウム)
(%) =〔沈殿中のカルシウム (マグネシウム)(g)/組
成物中の全カルシウム(マグネシウム)(g)〕×100
【0020】対照として組成物1(通常のレンネットカ
ゼイン)を一定量とり、これを同様に水に懸濁し、この
懸濁液に表1の組成物13と同じカルシウム及びマグネ
シウム含量になる様に塩化カルシウムと塩化マグネシウ
ムを加え一晩浸水後、凍結乾燥した。この凍結乾燥品に
ついて前述の処理を行い、カゼインに結合したカルシウ
ム及びマグネシウムの割合を算出した。組成物13及び
対照品中のカゼイン結合性カルシウム及びマグネシウム
の割合を表2に示す。
【0021】
【表2】 組成物1及び13のカゼイン結合カルシウム及びマグネシウム ───────────────────────────────── カゼイン結合 カゼイン結合 カルシウム(%) マグネシウム (%) ───────────────────────────────── 組成物 1 22 7 組成物13 73 65 ─────────────────────────────────
【0022】表2に示すとおり、組成物1ではカゼイン
結合カルシウムが22重量%、カゼイン結合マグネシウム
が 7重量%であったのに対して、組成物13ではカゼイ
ン結合カルシウムは73重量%、カゼイン結合マグネシウ
ムは65重量%であった。このことから、本発明によるカ
ルシウム及び/又はマグネシウムを含有した組成物は、
カゼイン結合カルシウム及びマグネシウムを高濃度に含
有していることが確認できた。
【0023】
【実施例3】 組成物のカルシウム及びマグネシウム吸収性試験 実施例1で得られたカルシウム又はマグネシウムを含む
組成物2〜5、8〜11、カルシウム及びマグネシウム
を含む組成物15及び組成物1(通常のレンネットカゼ
イン)をそれぞれ7.5 重量%になるように飼料を調製し
た。また、塩化カルシウムを用いて各飼料の総カルシウ
ム量を0.7g/飼料100gに調整し、また塩化マグネシウム
を用いて各飼料の総マグネシウム量を0.1g/飼料100gに
調整した。この得られたカゼイン結合カルシウムあるい
はカゼイン結合マグネシウムを飼料に配合した。各飼料
の配合割合を表3に示す。この飼料を用い、以下の方法
に従って動物実験を行い、カルシウム及びマグネシウム
の吸収性を比較した。動物実験には、 4週齢のSD系雌ラ
ットを用いた。 1週間の予備飼育の後、1群6匹づつ、
表3に示す飼料で代謝ゲージを用いて飼育した。72時間
の飼育期間中にラットが摂取した飼料の量と、ラットの
糞便中のカルシウム及びマグネシウム量から、以下の式
でそれらの見かけの吸収率を求めた。尚、各群の吸収率
はT検定によって有意差を求めた。カルシウム及びマグ
ネシウム量の分析は、飼料又は糞便を灰化した後発光分
光分析によって行った。結果を図1及び図2に示す。
【0024】見かけのカルシウム(マグネシウム)吸収
率 (%) =〔(ラットが摂取した飼料中のカルシウム
(マグネシウム) −糞便中のカルシウム (マグネシウ
ム))/(ラットが摂取した飼料中のカルシウム(マグネ
シウム))〕
【0025】
【表3】
【0026】図1の結果から、カルシウム吸収率に関し
ては組成物4、5及び15を飼料に配合した群が、図2
の結果からマグネシウム吸収率に関しては組成物10、
11及び15を飼料に配合した群が、組成物1に無機塩
を配合したものに比べ、有意にカルシウム及びマグネシ
ウムの吸収性が高かった。表1から、組成物4、5及び
15は 3.5%以上のカルシウムを含んでおり、また組成
物10、11及び15は 1.0%以上のマグネシウムを含
んでいる。以上の結果から、本発明の組成物はカルシウ
ム及びマグネシウムの吸収性に優れており、特にカルシ
ウム3.5 重量%、マグネシウム1.0 重量%以上を含有し
ている組成物が優れていることが確認された。
【0027】
【発明の効果】本発明の組成物は、カゼイン結合カルシ
ウム及び/又はマグネシウムを含有しており、通常の形
態のカルシウム及びマグネシウムと比較して生体内にお
いて良好な吸収性を示す。さらに、生体内での利用性も
良好である。しかもカゼインをベースとしているので安
全性の点からも問題はない。そして、製剤の形態で摂取
してもよく、あるいは各種飲食品、飼料等へ添加するこ
ともできる。従って、日本人の食生活で不足しがちだと
いわれるカルシウム及びマグネシウムを効率良く強化す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3のカルシウム含有組成物を配合した飼
料を用いた動物実験におけるカルシウムの見かけの吸収
率を示す。
【図2】実施例3のマグネシウムの含有組成物を配合し
て飼料を用いた動物実験におけるマグネシウムの見かけ
の吸収率を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 涼 埼玉県蕨市塚越4−12−27 東建ニューハ イツ812 (72)発明者 近藤 浩 埼玉県川越市新宿町5−11−3 (72)発明者 柴内 好人 埼玉県狭山市狭山台1−13 5−503 (72)発明者 西谷 紹明 埼玉県狭山市北入曽699−3 メゾンプレ ミールB−102

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カゼイン溶液にレンネットを作用させて
    レンネットカゼインカードを形成させこの反応の途中又
    は終了後に、カルシウム塩及び/又はマグネシウム塩を
    添加してカゼインにカルシウム及び/又はマグネシウム
    を結合させて得られるカゼイン結合カルシウム及び/又
    はカゼイン結合マグネシウムよりなるミネラル補強用組
    成物。
  2. 【請求項2】 組成物中のカルシウム比率が固形分当り
    3.5 重量%以上及び/又はマグネシウムの比率が1.0 重
    量%以上である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 組成物中の全カルシウムに対し、カゼイ
    ン結合カルシウムが60重量%以上である請求項1または
    2のいずれかに記載の組成物。
  4. 【請求項4】 組成物中の全てのカルシウムに対し、カ
    ゼイン結合マグネシウムが60重量%以上である請求項1
    または2のいずれかに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 カゼイン水溶液にレンネットを添加して
    酵素反応を行わせてレンネットカゼインカードを形成さ
    せ、この反応の途中あるいは反応終了後にカルシウム塩
    及び/又はマグネシウム塩を添加してカゼインにカルシ
    ウム及び/又はマグネシウムを結合させることを特徴と
    するカゼイン結合カルシウム及び/又はカゼイン結合マ
    グネシウムよりなるミネラル補強用組成物の製造法。
  6. 【請求項6】 カルシウム塩及び/又はマグネシウム塩
    が水溶性塩である請求項5記載の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101483207B1 (ko) * 2014-06-25 2015-01-22 한국지질자원연구원 고흡수성 마그네슘 복합체의 제조방법
CN113873888A (zh) * 2019-05-27 2021-12-31 菲仕兰坎皮纳荷兰公司 营养组合物

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