JPH09153640A - 赤外線光源 - Google Patents

赤外線光源

Info

Publication number
JPH09153640A
JPH09153640A JP33814895A JP33814895A JPH09153640A JP H09153640 A JPH09153640 A JP H09153640A JP 33814895 A JP33814895 A JP 33814895A JP 33814895 A JP33814895 A JP 33814895A JP H09153640 A JPH09153640 A JP H09153640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light source
diamond film
infrared light
film
type semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP33814895A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3642853B2 (ja
Inventor
Koji Kobashi
宏司 小橋
Yoshiaki Nakada
嘉昭 中田
Hiroyuki Ihi
寛之 衣斐
Katsuhiko Tomita
勝彦 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Horiba Ltd
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Horiba Ltd
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Horiba Ltd, Kobe Steel Ltd filed Critical Horiba Ltd
Priority to JP33814895A priority Critical patent/JP3642853B2/ja
Publication of JPH09153640A publication Critical patent/JPH09153640A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3642853B2 publication Critical patent/JP3642853B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性や昇・降温における応答性に優れたコ
ンパクトな赤外線光源を提供すること。 【解決手段】 絶縁基板1上にp型半導体ダイヤモンド
膜2Pを形成し、このp型半導体ダイヤモンド膜2Pに
二つの電極3を形成し、この電極3の間のp型半導体ダ
イヤモンド膜2Pの部分2aを発光部とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば赤外線ガ
ス分析計などに用いられる赤外線光源に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、赤外線ガス分析計に用いられる
赤外線光源としては、発光のふらつきが小さく、経時的
に劣化が小さく、かつ、安定発光までの時間が短いこと
が求められている。この赤外線光源では、波長2〜10
μmの赤外線領域での赤外線放射を得るため、フィラメ
ント温度が600〜800℃程度となるよう電圧が印加
されている。
【0003】従来、この種の赤外線光源として、発光部
のフィラメントがタングステン(W)や白金(Pt)線
などの金属線をコイル状に巻いたものや、コイル表面を
アルミナなどのセラミックで被覆することにより、赤外
線領域での発光効率を高めたものなどがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
赤外線光源は、発光部のフィラメント部分の経時的な劣
化や、温度上昇による各部の機械的歪みの発生などを考
慮する必要があり、小型化、マイクロ化する上で障害と
なっていた。また、金属コイルの場合、抵抗の温度係数
が負特性を示すため、温度分布が生じやすいという欠点
があった。
【0005】これに対して、半導体ウエハプロセスを用
いて、絶縁基板上に金属薄膜やシリコン(Si)のフィ
ラメントを形成することが試みられているが、前記した
ような高温領域での耐久性や安定性に欠けるとともに、
昇・降温における応答性が赤外線光源としては不十分で
ある。
【0006】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、その目的は、耐久性や昇・降温における応答
性に優れたコンパクトな赤外線光源を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、半導体ダイヤモンドまたは非ダイヤモ
ンド材料の抵抗体を蒸着したダイヤモンドを用いてい
る。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の赤外線光源は、ダイヤ
モンド膜を構成要素としている。
【0009】この場合、発光源を気相合成されているダ
イヤモンド膜で形成してもよい。
【0010】ダイヤモンド膜と導電性薄膜とが密着した
構造にしてもよく、この場合、ダイヤモンド膜が電気絶
縁性のアンドープ膜であってもよい。
【0011】そして、ダイヤモンド膜は自立性であって
もよく、また、発光部のみが自立性であってもよい。こ
のようにした場合、ベース部材の全部または一部を省略
できる。
【0012】また、ダイヤモンド膜の全部または一部が
ボロン(B)ドープされたp型半導体であってもよい。
Bドープすることにより、ダイヤモンドの抵抗率が低下
する。
【0013】さらに、ダイヤモンド膜がp型半導体層と
アンドープ層とが積層された構造を有していてもよい。
このようにした場合、p型半導体層がホモエピタキシャ
ル成長し、膜特性が均一になる。そして、p型半導体層
の上面にアンドープ層をさらに積層することにより、ア
ンドープ層がp型半導体層のパッシベーションの働きを
し、表面が大気中の酸素で多少エッチングされても、p
型半導体層に影響が及ぼされることがない。
【0014】電極材料としては、白金(Pt)、金(A
u)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、タング
ステン(W)、チタン(Ti)から選ばれた少なくとも
1つ以上の元素を含むものであればよいが、単体ではP
tを用いるのが最も好ましい。
【0015】ダイヤモンド膜におけるBドーピング濃度
は、1016/cm3 〜1022/cm3 といった濃度が好
ましい。これは、前記濃度が1016/cm3 より低いと
高抵抗となり、1022/cm3 を超えた場合、ダイヤモ
ンド膜の結晶性が悪くなるからである。
【0016】また、電極直下のダイヤモンド膜における
Bドーピング濃度は、1020/cm3 〜1023/cm3
といった高濃度が好ましい。これは、電極直下を高濃度
にドープ(ヘビードープ)することにより接触抵抗が低
下するからである。この場合、ヘビードープ層の厚さは
1μm以下でよいので、結晶性が低下しても構わない。
【0017】ダイヤモンド膜に蒸着された導電性薄膜の
厚みが、自立性ダイヤモンド部分では所定の厚みを有
し、これ以外の部分では前記自立性ダイヤモンド部分よ
りも厚く形成してもよい。
【0018】電気抵抗を測定することにより、発光部の
温度を測定または推定し、発光部の制御を行うようにし
てもよい。
【0019】同一基板上に複数の発光部を形成してあっ
てもよい。
【0020】ダイヤモンド膜が(100)または(11
1)に配向された高配向性膜としてもよい。
【0021】ダイヤモンドは、耐熱性に優れ、その単結
晶は非酸化雰囲気中では1200℃までの高温でも劣化
せず、気相合成法により形成された多結晶膜でも、大気
中で約700〜800℃に耐えることができる。また、
室温付近での熱伝導率は、物質中最大であるといった特
徴を有する。
【0022】ダイヤモンドは、バンドギャップが大きく
(5.5eV)、通常は絶縁体であるが、不純物ドーピ
ングにより半導体化できる。また、絶縁破壊電圧や飽和
ドリフト速度が大きく、誘電率が小さいという優れた電
気的特性を有する。このような特徴により、ダイヤモン
ドは、高温・高周波・高電界用の電子デバイス・センサ
材料として期待されている。
【0023】また、バンドギャップが大きいことを利用
した紫外線などの短波長領域に対応する光センサは発光
素子への応用、熱伝導率が大きく、比熱が小さいことを
利用した放熱基板材料、物質中で最も硬いという特性を
生かした表面弾性波素子への応用、高い光透過性・屈折
率を利用したX線窓や光学材料への応用などが進められ
ている。さらに、ダイヤモンドは、工具の耐磨耗部にも
使用されている。
【0024】ダイヤモンドの耐熱性および半導体特性の
応用に温度センサがある。また、半導体ダイヤモンド薄
膜でフィラメント構造を形成し、通電加熱によりヒータ
として利用することも考えられている(例えば、特開平
7−161455号公報参照)。
【0025】ダイヤモンドの気相合成法としては、マイ
クロ波化学気相蒸着(CVD)法(例えば、特公昭59
−27754号公報、特公昭61−3320号公報参
照)。高周波プラズマCVD法、熱フィラメントCVD
法、直流プラズマCVD法、プラズマジェット法、燃焼
法、熱CVD法などが知られている。これらの気相合成
法では、膜状のダイヤモンドが低コスト・大面積で得ら
れるという特徴がある。
【0026】Siなどの非ダイヤモンド基板に気相合成
されたダイヤモンド膜は、一般に、ダイヤモンド粒子が
ランダムに凝集した多結晶である。しかし、ダイヤモン
ド結晶粒子がほぼ一定方向に揃った高配向性の合成も報
告されており、多結晶膜を用いた場合よりも耐熱性に優
れていることが報告されている。さらに、最近では、白
金単結晶面に粒界の見られないダイヤモンド膜が気相合
成により成長することも報告されており、このような膜
の耐熱性は、バルクダイヤモンドに近いと考えられる。
【0027】
【実施例】実施例について、図面を参照しながら説明す
る。図1および図2は、第1実施例の赤外線光源Lを示
す。これらの図において、1は絶縁基板、2はこの絶縁
基板1の上面に気相合成されたダイヤモンド膜で、この
実施例においてはp型半導体ダイヤモンド膜(以下、p
型半導体ダイヤモンド膜を符号2Pで表す)である。3
はこのp型半導体ダイヤモンド膜2Pの上面に適宜の間
隔をおいて形成される電極である。そして、p型半導体
ダイヤモンド膜2pの二つの電極3の間の部分2aは、
p型半導体ダイヤモンド膜2Pの他の部分2bと異な
り、図2に示すように、平面形状が細長く、かつ蛇行し
た状態に形成され、赤外線の発光部となるものである。
1aは絶縁基板1の発光部2aに対応する部分をエッチ
ングによって削除されたエッチング部である。
【0028】前記絶縁基板1としては、例えば表面に窒
化膜(Si3 4 など)を形成したSi基板を用いるこ
とができ、この窒化膜の上面にp型半導体ダイヤモンド
膜2Pが形成される。そして、電極3の材料としては、
Pt、Au、Mo、Ni、W、Tiから選ばれた少なく
とも1つ以上の元素を含むものを用いることができる
が、単体ではPtを用いるのが最も好ましい。また、電
極3をTi(10〜500Å)にPtを積層して形成し
たり、あるいは、PtにTi(0.1〜5%)を混ぜ合
わせた合金材料で形成してもよい。
【0029】図11は、絶縁基板1の窒化膜表面にp型
半導体ダイヤモンド膜2Pを気相合成するためのマイク
ロ波CVD装置4の一例を示し、この図において、5は
石英からなる反応管、6は反応管5と直交するように設
けられる導波管である。反応管5の一端側には原料ガス
の導入口7が形成され、他端側には図示してない真空ポ
ンプなどを備えた流路に連なる排気口8が形成されてい
る。9は位置調節手段10によってその位置が調節され
る基板ホルダである。導波管6の一端側にはマイクロ波
電源11が設けられ、他端側にはプランジャ12を備え
た反射板13が設けられている。14はアイソレータ、
15はチューナである。
【0030】上記マイクロ波CVD装置4を用いて、絶
縁基板1上にp型半導体ダイヤモンド膜2Pを気相合成
するには、まず、基板ホルダ9に絶縁基板1を保持す
る。そして、水素ガスで0.2〜5%に希釈した水素・
メタン混合ガス100sccmにジボラン(B2 6
を0.01〜100ppm添加したものを、反応管5内
に原料ガスとして流し、反応管5内を30〜60Tor
rに保持するとともに、絶縁基板1の温度を750〜8
90℃に保持し、その状態で300〜500Wのマイク
ロ波パワーを与える。前記原料ガスがマイクロ波によっ
て励起された電子によりプラズマ16となり、これが絶
縁基板1上で気相反応してダイヤモンド構造が形成され
る。このようにして、気相合成を20時間続けると、厚
さ10μmのp型半導体ダイヤモンド膜2Pが絶縁基板
1上に形成される。
【0031】前記p型半導体ダイヤモンド膜2Pにおけ
るボロン(B)ドーピング濃度は、1016/cm3 〜1
22/cm3 といった濃度が好ましい。これは、Bドー
ピングの濃度が1016/cm3 より低いと高抵抗とな
り、1022/cm3 を超えた場合、p型半導体ダイヤモ
ンド膜2Pの結晶性が悪くなるからである。
【0032】前記p型半導体ダイヤモンド膜2Pが形成
された絶縁基板1をマイクロ波CVD装置4から取り出
し、フォトリソグラフィ技術によりp型半導体ダイヤモ
ンド膜2Pの中央部2aを、所定長さにわたって細長い
帯状の蛇行した形状にする。この中央部2aは発光部と
なる。
【0033】次いで、前記発光部2aを形成した絶縁基
板1を真空蒸着装置にセットし、前記発光部2aの両側
のp型半導体ダイヤモンド膜2Pの上面にPtを蒸着し
て電極3を形成する。さらに、絶縁基板1の発光部2a
に対応する部分をエッチングして除去することにより、
図1および図2に示す赤外線光源Lが得られる。
【0034】このように構成した赤外線光源Lは、前記
電極3に電圧を印加することにより、発光部2aが発熱
・発光し、所望の赤外線が発せられる。
【0035】そして、前記赤外線光源Lにおいては、ダ
イヤモンド膜2の安定性のために耐久性に優れるととも
に、熱容量が小さいことにより、高速で昇・降温するこ
とができる。また、全体の構成がコンパクトである。
【0036】また、前記赤外線光源Lにおいては、発光
部2aがBドープされたp型半導体ダイヤモンド膜2P
よりなるので、その抵抗値が負の温度係数を有し、サー
ミスタととして光源自体の温度を測定できる。そして、
前記抵抗値が一定になるように電流を制御することによ
り、温度を一定に保つことができる。
【0037】図3および図4は、第2実施例の赤外線光
源Lを示す。この実施例における赤外線光源Lは、絶縁
基板1の上面に形成されるダイヤモンド膜2がp型半導
体ダイヤモンド膜2Pとアンドープのダイヤモンド膜2
Uとからなり、絶縁基板1にアンドープダイヤモンド膜
2Uを形成し、このアンドープダイヤモンド膜2Uの上
面にp型半導体ダイヤモンド膜2Pを積層している。他
の構成は、上記第1実施例のそれと同じである。
【0038】前記アンドープダイヤモンド膜2Uは、図
11に示したマイクロ波CVD装置4を用いて形成する
ことができる。すなわち、基板ホルダ9に絶縁基板1を
保持する。そして、水素ガスで0.2〜5%に希釈した
水素・メタン混合ガス100sccmを、反応管5内に
原料ガスとして流し、反応管5内を30〜60Torr
に保持するとともに、絶縁基板1の温度を750〜89
0℃に保持し、その状態で300〜500Wのマイクロ
波パワーを与える。前記原料ガスがマイクロ波によって
励起された電子によりプラズマ16となり、これが絶縁
基板1上で気相反応してダイヤモンド構造が形成され
る。このようにして、気相合成を20時間続けると、厚
さ10μmのアンドープダイヤモンド膜2Uが絶縁基板
1上に形成される。
【0039】その後、アンドープダイヤモンド膜2Uの
上面に、上記第1実施例と同様の手順によってp型半導
体ダイヤモンド膜2Pおよび電極3を形成した後、同様
に処理することにより、図3および図4に示すような赤
外線光源Lを得ることができる。
【0040】この第2実施例の赤外線光源Lの動作は、
上記第1実施例のものと同じである。そして、この第2
実施例の赤外線光源Lは、上記第1実施例のものに加え
て、次のような効果を奏する。すなわち、ダイヤモンド
膜2がアンドープ層2U上にp型半導体層2Pを積層し
たものであるので、ホモエピタキシャル成長が可能とな
り、膜特性が均一になる。
【0041】なお、この第2実施例において、図示して
ないが、p型半導体層2Pの上面にアンドープ層をさら
に積層することにより、p型半導体層2Pの上面のアン
ドープ層がp型半導体層2Pのパッシベーションの働き
をし、表面が大気中の酸素で多少エッチングされても、
p型半導体層2Pに影響が及ぼされることがない。
【0042】図5は、第3実施例の赤外線光源Lを示
す。この実施例における赤外線光源Lは、電極3直下の
p型半導体ダイヤモンド膜2PにおけるBドーピング濃
度を1020/cm3 〜1023/cm3 といった高濃度に
したもので、図中の符号17は、高濃度Bドーピング部
を示している。このように、構成した赤外線光源Lの動
作および効果は、前記第2実施例と同様であり、さら
に、電極3直下を高濃度にドープ(ヘビードープ)する
ことにより接触抵抗を低下させることができるといった
効果を奏する。
【0043】なお、上記図5に示すように、電極3直下
のp型半導体ダイヤモンド膜2PにおけるBドーピング
濃度を高濃度にすることは、前記第1実施例や第2実施
例にも適用してもよいことはいうまでもない。
【0044】また、上述の各実施例において、ダイヤモ
ンド膜2がその全部を自立性とした場合には、絶縁基板
1を省略することができる。そして、ダイヤモンド膜2
の発光部2aのみを自立性としてもよく、この場合、絶
縁基板1を設けておくのがよい。
【0045】そして、上述の各実施例では、ダイヤモン
ド膜2それ自体を赤外線発光体としていたが、この発明
はこれに限られるものではなく、以下のようにすること
もできる。
【0046】図6および図7は、第4実施例の赤外線光
源Lを示す。この実施例における赤外線光源Lは、ダイ
ヤモンド膜2の上面に導電性薄膜18を形成し、この導
電性薄膜18を電極兼発光部としている。すなわち、絶
縁基板1の上面に例えばアンドープダイヤモンド膜2U
を形成し、このアンドープダイヤモンド膜2Uの上面に
例えばPtなどの金属を蒸着して導電性薄膜18を形成
したものである。そして、導電性薄膜18の中央部18
aをフォトリソグラフィ技術により、所定長さにわたっ
て細長い帯状の蛇行した形状にして外線発光部とし、そ
の両端部18bを電極としたものである。
【0047】このように構成した場合、ダイヤモンド膜
2の熱容量が小さいことによって、昇・降温が速く、ま
た、ダイヤモンド膜2の安定性のため、導電性薄膜18
の拡散などの変化が少ない、耐久性の高い赤外線光源L
を得ることができる。
【0048】そして、この第4実施例において、ダイヤ
モンド膜2をp型半導体ダイヤモンド膜2Pで構成して
もよい。このようにした場合、第1実施例と同様に、温
度を一定に保持することができる。
【0049】図8は、第5実施例の赤外線光源Lを示
す。この実施例における赤外線光源Lは、ダイヤモンド
膜2をp型半導体ダイヤモンド膜2Pとアンドープのダ
イヤモンド膜2Uとから構成したもので、絶縁基板1に
アンドープダイヤモンド膜2Uを形成し、このアンドー
プダイヤモンド膜2Uの上面にp型半導体ダイヤモンド
膜2Pを積層している。他の構成は、上記第4実施例と
同様である。
【0050】図9は、第6実施例の赤外線光源Lを示
す。この実施例における赤外線光源Lは、ダイヤモンド
膜2(p型半導体ダイヤモンド膜2Pであってもアンド
ープダイヤモンド膜2Uであってもよい)を、その中央
部を自立性部分2jとし、その両側を非自立性部分2h
とし、このダイヤモンド膜2上に形成される導電性薄膜
18の自立性部分2jに対応する部分18aを所定の厚
みの発光部とする一方、非自立性部分2hに対応する部
分18bの厚みを、前記発光部18aのそれよりも大き
くしている。
【0051】図10は、第7実施例の赤外線光源Lを示
す。この実施例における赤外線光源Lは、絶縁基板1の
上面に電気抵抗測定用の電極19を形成し、次いで、電
極19の一部を残してp型半導体ダイヤモンド膜2Pを
形成し、その上面にアンドープダイヤモンド膜2Uを積
層し、このアンドープダイヤモンド膜2Uの上面に、図
9に示すものと同様の導電性薄膜18を形成したもので
ある。
【0052】このように構成した赤外線光源Lにおいて
は、発光部18aの温度を測定または推定できるので、
発光部18aの温度制御をより精度よく行うことができ
る。
【0053】この発明は、上述の実施例に限られるもの
ではなく、種々に変形して実施することができる。例え
ば、一つの絶縁基板1状に複数の発光部が形成してあっ
てもよい。そして、発光部2a,18aの形状は、必ず
しも蛇行させる必要はなく、この部分を連続した状態に
してあってもよく、種々のパターン形状にしてあっても
よい。また、ダイヤモンド膜2を(100)または(1
11)に配向された高配向性膜とすることにより、ダイ
ヤモンド膜2の長期劣化を低減することができる。
【0054】
【発明の効果】この発明は、以上のような形態で実施さ
れ、以下のような効果を奏する。
【0055】この発明の赤外線光源は、ダイヤモンドを
構成要素とするものであるから、耐熱性に優れるととも
に、熱容量が小さいので、高速で昇・降温することがで
き、応答性に優れる。また、全体の構成がコンパクトで
ある。
【0056】そして、発光部がBドープされたp型半導
体ダイヤモンド膜よりなる場合、その抵抗値が負の温度
係数を有するので、光源自体の温度を測定できる。そし
て、前記抵抗値が一定になるように電流を制御すること
により、温度を一定に保つことができる。
【0057】また、ダイヤモンド膜を、アンドープ層と
p型半導体層とをこの順で積層して形成した場合、p型
半導体層がホモエピタキシャル成長することができ、膜
特性が均一になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の赤外線光源を示す縦断面図であ
る。
【図2】前記赤外線光源の全体形状を示す斜視図であ
る。
【図3】第2実施例の赤外線光源を示す縦断面図であ
る。
【図4】前記赤外線光源の全体形状を示す斜視図であ
る。
【図5】第3実施例の赤外線光源を示す縦断面図であ
る。
【図6】第4実施例の赤外線光源を示す縦断面図であ
る。
【図7】前記赤外線光源の全体形状を示す斜視図であ
る。
【図8】第5実施例の赤外線光源を示す縦断面図であ
る。
【図9】第6実施例の赤外線光源を示す縦断面図であ
る。
【図10】第6実施例の赤外線光源を示す縦断面図であ
る。
【図11】マイクロ波CVD装置の一例を概略的に示す
図である。
【符号の説明】
1…絶縁基板、2…ダイヤモンド膜、2P…p型半導体
ダイヤモンド膜、2U…アンドープダイヤモンド膜、2
a…発光部、3…電極、18…導電性薄膜、18a…発
光部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 衣斐 寛之 京都府京都市南区吉祥院宮の東町2番地 株式会社堀場製作所内 (72)発明者 冨田 勝彦 京都府京都市南区吉祥院宮の東町2番地 株式会社堀場製作所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンド膜を構成要素とすることを
    特徴とする赤外線光源。
  2. 【請求項2】 発光源が気相合成されているダイヤモン
    ド膜である請求項1に記載の赤外線光源。
  3. 【請求項3】 発光源がダイヤモンド膜と導電性薄膜と
    が密着した構造である請求項1に記載の赤外線光源。
  4. 【請求項4】 ダイヤモンド膜が自立性または発光部の
    みが自立性である請求項1〜3のいずれかに記載の赤外
    線光源。
  5. 【請求項5】 ダイヤモンド膜の全部または一部がボロ
    ンドープされたp型半導体である請求項1〜4のいずれ
    かに記載の赤外線光源。
  6. 【請求項6】 ダイヤモンド膜がp型半導体層とアンド
    ープ層とが積層された構造を有する請求項1〜5のいず
    れかに記載の赤外線光源。
  7. 【請求項7】 ダイヤモンド膜が電気絶縁性のアンドー
    プ膜である請求項3に記載の赤外線光源。
  8. 【請求項8】 電極材料が白金、金、モリブデン、ニッ
    ケル、タングステン、チタンから選ばれた少なくとも1
    つ以上の元素を含む請求項1〜7のいずれかに記載の赤
    外線光源。
  9. 【請求項9】 ダイヤモンド膜におけるボロンドーピン
    グ濃度が1016/cm3 〜1022/cm3 といった濃度
    である請求項1,2および4〜7のいずれかに記載の赤
    外線光源。
  10. 【請求項10】 電極直下のダイヤモンド膜におけるボ
    ロンドーピング濃度が1020/cm3 〜1023/cm3
    といった高濃度である請求項1,2および4〜7のいず
    れかに記載の赤外線光源。
  11. 【請求項11】 ダイヤモンド膜に蒸着された導電性薄
    膜の厚みが、自立性ダイヤモンド部分では所定の厚みを
    有し、これ以外の部分では前記自立性ダイヤモンド部分
    よりも厚い請求項3に記載の赤外線光源。
  12. 【請求項12】 電気抵抗を測定することにより、発光
    部の温度を測定または推定し、発光部の制御を行う請求
    項1〜11のいずれかに記載の赤外線光源。
  13. 【請求項13】 同一基板上に複数の発光部が形成され
    ている請求項1〜12のいずれかに記載の赤外線光源。
  14. 【請求項14】 ダイヤモンド膜が(100)または
    (111)に配向された高配向性膜である請求項1〜1
    3のいずれかに記載の赤外線光源。
JP33814895A 1995-11-30 1995-11-30 赤外線光源 Expired - Fee Related JP3642853B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33814895A JP3642853B2 (ja) 1995-11-30 1995-11-30 赤外線光源

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33814895A JP3642853B2 (ja) 1995-11-30 1995-11-30 赤外線光源

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09153640A true JPH09153640A (ja) 1997-06-10
JP3642853B2 JP3642853B2 (ja) 2005-04-27

Family

ID=18315369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33814895A Expired - Fee Related JP3642853B2 (ja) 1995-11-30 1995-11-30 赤外線光源

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3642853B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002015707A (ja) * 2000-06-29 2002-01-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電球及び表示用電球
US7378656B2 (en) 2003-10-27 2008-05-27 Matsushita Electric Works, Ltd. Infrared radiation element and gas sensor using it
KR100864504B1 (ko) * 2007-03-30 2008-10-20 (주)유우일렉트로닉스 Ndir 가스 센서용 고감도 적외선 감지 소자 및 그제조방법
JP2009117252A (ja) * 2007-11-08 2009-05-28 Ushio Inc フィラメントランプおよび該フィラメントランプを備えた光照射式加熱処理装置
JP2009210289A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Panasonic Electric Works Co Ltd 赤外線検出システム
WO2010103123A1 (de) * 2009-03-13 2010-09-16 Siemens Aktiengesellschaft Infrarotstrahleranordnung für ein gasanalysengerät
JP2020009719A (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 浜松ホトニクス株式会社 発光素子及び光源装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002015707A (ja) * 2000-06-29 2002-01-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電球及び表示用電球
US7378656B2 (en) 2003-10-27 2008-05-27 Matsushita Electric Works, Ltd. Infrared radiation element and gas sensor using it
KR100864504B1 (ko) * 2007-03-30 2008-10-20 (주)유우일렉트로닉스 Ndir 가스 센서용 고감도 적외선 감지 소자 및 그제조방법
JP2009117252A (ja) * 2007-11-08 2009-05-28 Ushio Inc フィラメントランプおよび該フィラメントランプを備えた光照射式加熱処理装置
JP2009210289A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Panasonic Electric Works Co Ltd 赤外線検出システム
WO2010103123A1 (de) * 2009-03-13 2010-09-16 Siemens Aktiengesellschaft Infrarotstrahleranordnung für ein gasanalysengerät
CN102341683A (zh) * 2009-03-13 2012-02-01 西门子公司 用于气体分析设备的红外辐射器装置
US8558201B2 (en) 2009-03-13 2013-10-15 Siemens Aktiengesellschaft Infrared radiator arrangement for a gas analysis device
JP2020009719A (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 浜松ホトニクス株式会社 発光素子及び光源装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3642853B2 (ja) 2005-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4806900A (en) Thermistor and method for producing the same
US5317302A (en) Diamond thermistor
US7474590B2 (en) Pressure wave generator and process for manufacturing the same
JP2695000B2 (ja) サーミスタ及びその製造方法
EP3783666A1 (en) Crystalline semiconductor film, sheet like object, and semiconductor device
US4971832A (en) HR-CVD process for the formation of a functional deposited film on a substrate with application of a voltage in the range of -5 to -100 V
JP4021448B2 (ja) ショットキー接合型半導体装置の製造方法
JPH03131003A (ja) ダイヤモンド薄膜サーミスタ
JP6419069B2 (ja) 温度制御統合圧電性共振器
US5512873A (en) Highly-oriented diamond film thermistor
US5089802A (en) Diamond thermistor and manufacturing method for the same
EP0426722A1 (en) Electrical device
JP3642853B2 (ja) 赤外線光源
EP0658066B1 (en) Diamond heater
JP3755904B2 (ja) ダイヤモンド整流素子
JP3592055B2 (ja) 有機発光素子
US5252498A (en) Method of forming electronic devices utilizing diamond
TWI240762B (en) Cathode electrode for plasma sources and plasma source of a vacuum coating device, in particular for the application of coating layers on optical substrates
JP2500208B2 (ja) ヒ―トシンクとその製造方法
US8130593B2 (en) Pressure wave generator and temperature controlling method thereof
JP3929669B2 (ja) ダイヤモンド膜の製造方法
JP3123127B2 (ja) 電界効果型トランジスタ
JP2009105049A (ja) シリサイドナノワイヤーを有する電界放出素子及びその製造方法
JP2007235162A (ja) ショットキー接合型半導体装置
JP2773219B2 (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040914

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050126

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees