JP2500208B2 - ヒ―トシンクとその製造方法 - Google Patents

ヒ―トシンクとその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体能動素子の実装に
使用されるヒートシンクとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒートシンクは放熱用部品として、半導
体レーザーダイオードなど各種の半導体部品に広く利用
されている。これらの半導体素子は温度が変化すると、
動作特性例えば発光波長などが著しく変化する為、安定
した動作が特に要求される大容量長距離光ファイバー通
信用半導体レーザーダイオードモジュールやマイクロ波
伝送用半導体レーザーダイオードモジュールでは、ヒー
トシンクの下に電子冷却素子を取り付け、半導体レーザ
ーダイオード素子の温度を一定に保つようになってい
る。このような半導体レーザーダイオードモジュールに
おいて、電子冷却素子の制御にはサーミスター(電気抵
抗が大きな負の温度係数を持つ半導体を利用した回路素
子)が使用されており、その一例として三菱電機技報vo
l.64,No. 9,1990,p41(745)には図7
に示す構造のものが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来この種の半導体レ
ーザーダイオードモジュールでは、電子冷却素子へフィ
ードバックをかける温度補償用のサーミスターは、図7
に示すように半導体レーザーダイオード素子とは別物と
して取り付けられていた為、外部環境温度変化が大きい
場所で使用する場合や、特に安定した動作特性が要求さ
れる半導体レーザーダイオードモジュールでは、温度制
御精度や熱応答性が実用の水準に到達していなかった。
また、温度制御精度を向上させる為、サーミスターを小
型化し、半導体レーザーダイオード素子を搭載している
ヒートシンクに直接取り付ける方法が考えられるが、実
用に供し得るような電気サーミスターは超小型になるた
め加工が難しく、また小さなサーミスターへの電極形成
が難しいため製造不可能である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では半導体レーザ
ーダイオードの温度制御精度を改善する為、半導体レー
ザーダイオードを直接搭載するヒートシンクに温度補償
用のサーミスターを具備させることにより上記した従来
法の問題点を解決できた。すなわち、本発明は熱伝導率
が100W/m・K以上である高熱伝導性物質をヒート
シンク素材とし、該ヒートシンク素材の一部または全部
がサーミスター特性を有する半導電性ダイヤモンド層で
構成され、該ヒートシンク素材の表面が部分的に金属化
膜で被覆されており、かつ該サーミスター特性を有する
半導電性ダイヤモンド層に一対の金属電極が形成されて
なるヒートシンクを提供する。前記ダイヤモンド層は、
気相合成法により形成された半導電性ダイヤモンド、イ
オン注入法により形成された半導電性ダイヤモンド、不
純物の熱拡散により形成されたもののいずれかであるこ
とが特に好ましく、また単結晶又は多結晶の半導電性ダ
イヤモンドであることが特に好ましい。前記半導電性ダ
イヤモンド層の含有する不純物としては、B,Al,
P,Sb,Si,Li,S,Se,Cl,Nのうちの1
種または2種以上が特に好ましい。前記ダイヤモンド層
は厚さが0.05μm以上であることが特に好ましく、
その25℃における電気抵抗値が10Ω〜1MΩ、かつ
サーミスター定数1000K〜10000Kのものであ
ることが特に好ましい。また、前記ヒートシンク素材の
寸法は、縦・横が0.2mm〜50mmであり、且つ厚
さ0.05mm〜2mmであることが特に好ましい。
【0005】本発明は第2の発明としてヒートシンク素
材の一部に気相合成法により所望の不純物を含有する半
導電性ダイヤモンド層を形成し、該半導電性ダイヤモン
ド層に金属電極を形成し、該ヒートシンク素材に金属化
膜を形成することを特徴とするヒートシンクを製造方法
を提供する。前記ヒートシンク素材は単結晶ダイヤモン
ド、多結晶ダイヤモンド、cBN、Al、Be、Si、
Cu、Mo、W、Ti、Taもしくはそれらの酸化物、
炭化物、窒化物、炭窒化物のうちの1種または2種以上
を主成分とするものであることが特に好ましく、また、
前記金属化膜及び金属電極としては、第1層としてT
i、V、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Crもし
くはそれらの酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化物のうち
の1種または2種以上から構成され、その上にMo、N
i、Pt、Au、Ag、Cu、Ni、Si、Ge、S
n、Pdのうちの1種または2種以上を主成分とする一
層または二層以上の構造を有するものが特に好ましい。
【0006】
【作用】半導体レーザーダイオードモジュールに一般に
使用されるヒートシンク素材の熱伝導率を表1に示し
た。
【表1】 ヒートシンクは発生した熱を迅速かつ効率良く放散さ
せる為に使用するものであるから、最も熱伝導率が高い
ダイヤモンドが最適であるが、ダイヤモンドは高価格で
ある為、半導体レーザーダイオードの発熱量および要求
特性に応じて表1に示した材料が使い分けられている。
【0007】一方、サーミスター特性とは、温度が変化
することにより導電率が変化して抵抗値が変化する特性
を意味する。半導体ダイヤモンドは、他の半導体と同様
に、温度が上昇すると導電率が上昇し、抵抗値は小さく
なるのでサーミスター特性を有している。ところで近
年、大気圧以下の圧力下で、非平衡過程によるダイヤモ
ンドの合成技術が開発されており(例えば米国特許第
4,434,188号明細書に記載されるマイクロ波に
よるダイヤモンドの気相合成法等)、この気相合成法を
応用したサーミスタの製造方法が開発されている(例え
ば特公昭63−184304号公報に記載されるサーミ
スタとその製造方法等)。この種の気相合成法では、原
料としてメタン等の炭化水素ガスを用いることができる
ので、これらの炭化水素ガスと同時に適当な不純物をガ
スの形で供給することにより、各種の不純物を制御性良
く、且つ極めて均一にドーピングすることができ、半導
電性ダイヤモンド層を形成することができる。そこで本
発明者等は、ヒートシンクの素材の一部にサーミスタの
特性を有する半導電性ダイヤモンド層を形成することを
考えつき、本発明に到達した。特に、ダイヤモンドから
成るヒートシンクとダイヤモンドから成るサーミスタを
一体化させた構造のものは、素子の小型化も容易であ
り、表1からも最も迅速な熱応答性を発揮し、最も精度
良く半導体レーザーダイオードモジュールを制御できる
ものとなることがわかる。
【0008】本発明のヒートシンクの構成の具体例とし
ては、図1、図3および図5に示すようなものが挙げら
れる。図中1はヒートシンク素材、2は半導電性ダイヤ
モンド層、3は金属電極、4は素子固定用の金属化膜
、5は絶縁性ダイヤモンド層を表す。素子(レーザー
ダイオード等)は金属化膜4上に密着性良く固定され
る。また本発明においてはヒートシンク素材全体が半導
電性ダイヤモンドでも良く、図6に示すようにヒートシ
ンク素材の半導電性ダイヤモンドの上に金属電極を配し
た構造をとることもできる。このような場合には半導電
性ダイヤモンドは天然あるいは超高圧合成の単結晶ダイ
ヤモンドを用いることも可能である。
【0009】ダイヤモンドの気相合成法としては、
(1)直流または交流電界により放電を起こし、原料ガ
スを活性化する方法、(2)熱電子放射材を加熱し、原
料ガスを活性化する方法、(3)ダイヤモンドを成長さ
せる表面をイオンで衝撃する方法、(4)レーザーや紫
外線等の光で原料ガスを励起する方法、等の各種の方法
があるが、いずれの方法も本発明に用いることができ、
発明の効果は変わらない。
【0010】例えば、13.56MHzの高周波無極放
電を用いるプラズマCVD法では、原料ガスとしてCH
4 とH2 を1:150の比で混合し、500Wの高周波
出力を与えることより、20×20mmの基板に1.0
μm/Hrの成長速度でダイヤモンド結晶を成長させる
ことができる。原料ガスは、Cm n ,Cm n p
表せる炭化水素化合物を用いることができる。また、原
料ガスに所望の不純物を含む化合物の蒸気を混合するこ
とにより、容易に、成長するダイヤモンド結晶中に不純
物をドーピングすることができる。ダイヤモンド結晶中
の不純物の濃度は、原料ガスと不純物を含む化合物の蒸
気との比によって調整できる。この方法により、PやA
s、Cl、S、Se等の超高圧下ではダイヤモンド中に
存在し得ない不純物元素も、均一にドーピングすること
ができる。これらの不純物元素は単体で高い蒸気圧を持
つもので例えばN2 、Cl2 のようなものはそのままで
使用でき、単体では蒸気圧が低いものは水素化合物(H
ydride)、有機金属化合物(Metal org
anic Comppound)、塩化物(Chrol
ide)、アルコキシド(Alchoxide)の形で
用いることができる。
【0011】また、半導体ダイヤモンド層の形成方法と
して、まずノンドープダイヤモンド膜を気相合成し、そ
こへイオン注入法により前述のような不純物をドーピン
グして半導体化する方法もある。あるいはヒートシンク
素材がダイヤモンドの場合には、そこへイオン注入を行
い、ヒートシンクの一部を半導体化することもできる。
また、ダイヤモンド中に含まれる不純物元素の種類によ
ってサーミスターの抵抗温度特性が異なるので、本発明
方法によれば用途に応じて最適の不純物元素を選ぶこと
ができる。
【0012】半導体レーザーダイオードの温度補償用サ
ーミスターとしては、半導電性ダイヤモンドの室温での
電気抵抗は10Ω〜100kΩが適している。この範囲
から外れると、温度補償回路に流れる電流値が過大また
は過小となる。なお、サーミスターを正常に機能させる
為、ヒートシンク素材の比抵抗は半導電性ダイヤモンド
層の10倍以上、更に望ましくは100倍以上であるこ
とが好ましい。また、半導電性ダイヤモンドのサーミス
ター定数は半導体レーザーダイオードの温度変化に対
し、十分な感度を得る為、1000K以上であることが
望ましい。また上限は10000K位である。
【0013】半導電性ダイヤモンド層の厚さについて
は、0.05μm以上の厚さで使用でき、上限は100
μm位である。
【0014】次に、半導電性ダイヤモンドに設ける一対
のオーミック電極およびヒートシンクの素材表面に設け
る金属化膜は、耐熱性があり且つダイヤモンドへの密着
性か良いことから、Ti、V、Zr、Nb、Mo、H
f、Ta、Wやそれらの炭化物、窒化物、炭窒化物が好
ましい。特に、TiとTaはダイヤモンドへの密着性が
優れていて、良好である。複層構造とする場合は、第一
層としては、Ti、V、Zr、Nb、Mo、Hf、T
a、Wが上記の上にで望ましい。これの保護膜として、
Ni、Pt、Au、Ag、Cu、Si、Ge、Sn、P
dを第二層として設けることが良い。この一対の電極は
半導電性ダイヤモンド層の表面に並置してもよいし、場
合によっては一対の電極で半導電性ダイヤモンドを上下
に挟み込む構造をとってもよい。後者の場合には、まず
下側電極をヒートシンク上に形成し、その上に半導電性
ダイヤモンド層を形成し、その後更にその上に上側電極
を形成することになる。
【0015】本発明に用いるヒートシンクのサイズにつ
いては、使用する半導体レーザーダイオードの形状、発
熱形態により設計されるが、半導体レーザーダイオード
は通常縦横が0.1mm程度以上の矩形であるので、ヒ
ートシンクは縦横0.2mm程度以上であることが望ま
しく、特殊な半導体レーザーダイオードであっても50
mmを越えることはない。またヒートシンクの厚みは、
標準的には0.3mm程度であるが、半導体レーザーダ
イオードの形状が小さい場合は、0.05mm程度でも
良い。また、1mm以上に厚くしても、放熱効率は殆ど
改善されず、価格が高くなるだけである。
【0016】以上のような本発明においては、レーザー
ダイオードの温度変化に最も敏感な部分、つまりレーザ
ーダイオード直下に接して設置してあるヒートシンク部
分の中に材料中最も大きい熱伝導性を有するダイヤモン
ドから成るサーミスターを作り込んでしまっているの
で、レーザーダイオードの温度変化に対して、最高速応
答が可能であり、電子冷却素子へのフィードバックも高
速で行え、レーザーダイオードへの温度制御精度を高く
できることになる。本発明の具体例とて、図1、図3及
び図5に示すもので挙げられる。図3の例では、ヒート
シンク素材への電流リークを防ぐために絶縁性ダイヤモ
ンドを設けている。あるいは、図6に示すようにヒート
シンク素材全体が半導電性ダイヤモンドでも良く、その
上に金属電極を配置した構造をとることもできる。この
ような場合には半導電性ダイヤモンドは天然あるいは超
高圧合成の単結晶ダイヤモンドを用いることも可能であ
る。図1,図3の場合にはレーザダイオードの温度はヒ
ートシンクを通じてサーミスターへ伝わることになる
が、図5,図6の場合には直接サーミスターに伝わるこ
とになり、より高速の応答が可能である。
【0017】
【実施例】実施例1 基材として、超高圧下で合成したIb型ダイヤモンド単
結晶の(100)面を1×1×0.3mmの形状に成形
した。このダイヤモンド単結晶を基材とし、金属マスク
を使用して、上面の一部0.8×0.3mmの領域に各
種の不純物をドーピングして半導電性ダイヤモンド薄膜
体をエピタキシャル成長させた。ダイヤモンド薄膜体の
成長は米国特許第4,434,188号明細書等に提案
される公知のマイクロ波プラズマCVD法によった。成
長条件は、CH4 と水素を1:100の比率で石英反応
管に供給し、圧力を4kPaに立って、2.45GHz
のマイクロ波を450Wの出力で照射してプラズマを発
生させた。本実施例では不純物としてB、Al、S、
P、As、Cl、Sbの各元素をドーピングした。CH
4 に対する各不純物元素の供給ガス濃度と成長時間を表
2に示す。本発明者等の更なる実験ではSi、Li、S
e、Nも可能であった。
【0018】
【表2】
【0019】これらの不純物をドーピングした半導電性
ダイヤモンド薄膜体に、Ti、Mo、Auの順で蒸着を
行い、2カ所に電極を形成した。更にIb型ダイヤモン
ド単結晶基材の上面の一部と下面前面とをスパッタ法に
よりTi−Pt,Auの金属化膜で被覆した。このよう
にして製造したサーミスター付ヒートシンクの構造は図
1に示すタイプであって、ヒートシンク素材1はIb型
ダイヤモンド単結晶であり、電極3はTi、Mo、Au
の3層からなり、金属化膜4はTi、Pt、Auの3層
からなる。次に各電極からリード線を取り出し、ドーピ
ングした不純物元素毎に、室温から800℃までにおけ
る抵抗、温度特性を測定した。その測定結果を図3に示
す。また25℃における抵抗値はサーミスター定数とを
表3にまとめる。
【0020】
【表3】 通常半導体レーザーダイオードは、室温から150℃
程度以下の温度で使用し、かつ温度補償用としてサーミ
スターを使用する場合、抵抗値は10Ωから100kΩ
の範囲が好ましいので、これらのうちB又はAlをドー
ピングしたものがサーミスター機能を具備するヒートシ
ンクとして特に好適である。なお、他の不純物元素をド
ーピングしたものについても半導電性ダイヤモンド層の
形状、厚みと電極の形状、電極の距離を変えることによ
り、半導体レーザーダイオード用サーミスター付ヒート
シンクに適した抵抗値にすることが可能である。
【0021】実施例2 ヒートシンク素材を縦・横1.5mm、厚さ0.5mm
の形状に成形し、タングステン(W)フィラメントを加
熱して原料ガスを分解する方法により、基板の一部に半
導電性ダイヤモンド薄膜体を成長させた〔Japane
se Journal of Applied Phy
sics,21(1982)L183参照〕。成長条件
は、Wフィラメント温度2300℃、基板温度850℃
とし、C 2 2 とH2 とを1:50の比で供給し、圧力
を6kPaに保った。成長時間は全て1時間である。表
4に基板材質とドーピングした不純物元素、ドーピング
に用いた供給ガスとそのC2 2 に対する濃度を示す。
但し試料No. 1、2、3、5については、上記半導電性
ダイヤモンドの成長の前に、不純物元素をドーピングす
る為のガスを供給せずに上記条件で1時間絶縁性ダイヤ
モンド薄膜を成長させた。このようにして成長した各種
半導電性ダイヤモンド薄膜体にTa、W、Auの順で電
極を蒸着し、2カ所に電極を形成した。更に基材の上面
の一部と下面全面とをスパッタ法により、Ta、Pd、
Ni、Auの金属化膜で被覆した。
【0022】
【表4】
【0023】表4中の試料No. 4、6、7、8、9のサ
ーミスター付ヒートシンクを図3に示す。また、それ以
外の試料は図1に示した構造のサーミスター付きヒート
シンクに形成した。図3において、絶縁性ダイヤモンド
薄膜体2の上に半導電性ダイヤモンド薄膜体3が形成さ
れている。1は基材(ヒートシンク素材)、4は電極、
5は金属化膜である。図4に表4中の試料No.1、3、
7、8について室温から800℃までの抵抗−温度特性
を示す。また25℃における抵抗値とサーミスター定数
を表5に示す。
【0024】
【表5】
【0025】実施例1、2は気相合成法により形成され
た半導電性ダイヤモンド薄膜をサーミスターとして利用
したサーミスター付きヒートシンクであるが、単結晶も
しくは多結晶ダイヤモンドにイオン注入法により不純物
をドーピングすることにより、半導電性ダイヤモンド層
を形成してもよい。なお、基材としてダイヤモンド以外
の材料を使用する場合は、基材の上に気相合成法により
絶縁性ダイヤモンド薄膜を形成し、このダイヤモンド薄
膜に不純仏をイオン注入する方法でサーミスター付きヒ
ートシンクを製造することも可能である。
【0026】
【発明の効果】本発明によるヒートシンクは温度補償用
に使用する高速応答性を有する半導電性ダイヤモンドに
よるサーミスター機能を具備しているので、例えば半導
体レーザーダイオードに用いれば高精度且つ瞬時に温度
を制御することが可能である。また、気相合成法により
ダイヤモンド層を形成するので、所望の不純物を容易に
所望濃度で均一にドーピングでき、必要に応じた各種の
特性のサーミスター機能を有するヒートシンクの製造が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒートシンクの一具体例を示す斜視図
である。
【図2】実施例1の各サーミスター付ヒートシンクにお
ける半導電性ダイヤモンド層の抵抗−温度特性を示すグ
ラフ図である。
【図3】本発明のヒートシンクの他の具体例を示す斜視
図である。
【図4】実施例2の各サーミスター付ヒートシンクにお
ける半導電性ダイヤモンド層の抵抗−温度特性を示すグ
ラフ図である。
【図5】本発明のヒートシンクの更なる具体例であって
ヒートシンクの全部がサーミスター特性を有する半導電
性ダイヤモンドからなる例を示す斜視図である。
【図6】本発明のヒートシンクの更なる具体例を示す斜
視図であって、ヒートシンク素材の全部が半導電性ダイ
ヤモンドからなる例を示す。
【図7】従来のサーミスター付きヒートシンクの一例を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ヒートシンク素材 2 半導電性ダイヤモンド層 3 金属電極 4 金属化膜 5 絶縁性ダイヤモンド層

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱伝導率が100W/m・K以上である
    高熱伝導性物質をヒートシンク素材とし、該ヒートシン
    ク素材の一部または全部がサーミスター特性を有する半
    導電性ダイヤモンド層で構成され、該ヒートシンク素材
    の表面が部分的に金属化膜で被覆されており、かつ該サ
    ーミスター特性を有する半導電性ダイヤモンド層に一対
    の金属電極が形成されてなるヒートシンク。
  2. 【請求項2】 前記半導電性ダイヤモンド層が気相合成
    法により形成されたものであることを特徴とする請求項
    1に記載のヒートシンク。
  3. 【請求項3】 前記半導電性ダイヤモンド層がイオン注
    入法により形成されたものであることを特徴とする請求
    項1記載のヒートシンク。
  4. 【請求項4】 前記半導電性ダイヤモンド層が不純物の
    熱拡散により形成されたものであることを特徴とする請
    求項1記載のヒートシンク。
  5. 【請求項5】 前記半導電性ダイヤモンド層が、単結晶
    又は多結晶であることを特徴とする請求項1〜請求項4
    のいずれかに記載のヒートシンク。
  6. 【請求項6】 前記半導電性ダイヤモンド層が、B,A
    l,P,Sb,Si,Li,S,Se,Cl,Nのうち
    の1種または2種以上を不純物として含有する請求項1
    〜請求項6のいずれかに記載のヒートシンク。
  7. 【請求項7】 前記半導電性ダイヤモンド層が、25℃
    における電気抵抗値が10Ω〜1MΩ、かつサーミスタ
    ー定数1000K〜10000Kのものであることを特
    徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のヒート
    シンク。
  8. 【請求項8】 前記ダイヤモンド層の厚さが0.05μ
    m以上であることを特徴とする請求項1〜請求項5のい
    ずれかに記載のヒートシンク。
  9. 【請求項9】 前記ヒートシンク素材の寸法が、縦・横
    が0.2mm〜50mmであり、且つ厚さ0.05mm
    〜2mmであることを特徴とする請求項1〜請求項8の
    いずれかに記載のヒートシンク。
  10. 【請求項10】 ヒートシンク素材の一部に気相合成法
    により所望の不純物を含有する半導電性ダイヤモンド層
    を形成した後、該半導電性ダイヤモンド層に金属電極を
    形成し、さらに該ヒートシンク素材表面に金属化膜を形
    成することを特徴とするヒートシンクの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記ヒートシンク素材が単結晶ダイヤ
    モンド、多結晶ダイヤモンド、cBN、Al、Be、S
    i、Cu、Mo、W、Ti、Taもしくはそれらの酸化
    物、炭化物、窒化物、炭窒化物のうちの1種または2種
    以上を主成分とすることを特徴とする請求項10記載の
    ヒートシンクの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記金属化膜及び/又は金属電極とし
    て、Ti、V、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、C
    rもしくはそれらの酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化物
    のうちの1種または2種以上から構成される第1層を形
    成し、該第1層の上にMo、Ni、Pt、Au、Ag、
    Cu、Ni、Si、Ge、Sn、Pdのうちの1種また
    は2種以上を主成分とする一層または二層以上を形成す
    ることを特徴とする請求項10または請求項11に記載
    のヒートシンクの製造方法。
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JP3479957B2 (ja) * 1994-08-03 2003-12-15 住友電気工業株式会社 ダイヤモンド・ヒートシンクおよびその製造方法

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