JP2931727B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP2931727B2 JP29142592A JP29142592A JP2931727B2 JP 2931727 B2 JP2931727 B2 JP 2931727B2 JP 29142592 A JP29142592 A JP 29142592A JP 29142592 A JP29142592 A JP 29142592A JP 2931727 B2 JP2931727 B2 JP 2931727B2
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立方晶窒化硼素−ダイ
アモンドのヘテロ接合を持つ半導体に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイアモンドや立方晶窒化硼素(以下、
cBNと略す)を半導体材料として用いることで、高温
下,放射線下で安定に動作し、非常に高出力のデバイス
を得ることができる。そのため、ダイアモンドの半導体
材料への応用が注目され期待されている。
【0003】ダイアモンドやcBNは、バンドギャップ
がおよそ5.5eVと大きな値を持つので、破壊電圧が
大きく、キャリアが制御されなくなる範囲(真性領域)
が1400℃以上と非常に高く、高温での動作が可能と
考えられている。また、飽和移動度が大きいうえに熱伝
導率が高くSiの10倍以上の値を持つ。そのため、放
熱がよく、高周波大出力のデバイスを実現することが可
能であると考えられている。
【0004】そのため、これらのヘテロ接合を形成する
ことによって良好で様々な機能を持つ半導体が得られる
ものと期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ダイアモンド半導体は
液相や気相から作り得るが、低抵抗のn型半導体を作る
ことができず、このことがダイアモンドを用いた半導体
を製作する上での大きな制限になっている。一方、cB
Nは、液相からn型,p型の半導体を作ることができ、
ダイアモンドとのヘテロ接合を形成するため、低抵抗の
n型半導体を作ることは可能である。しかし、低抵抗と
するには不純物濃度を比較的大きくすることを要するた
め、半導体材料として用いるにはあまり品質の良いもの
ではなく、また、大きな結晶を得ることが非常に困難に
なっている。このため、ダイアモンドとのヘテロ接合を
形成しても、界面の状態が悪く、リーク電流が多いなど
特性があまり良くないと言う問題がある。また、結晶が
小さいものであるので、生産性が悪いうえに複数の素子
を集積化するには難しいものになる。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑み、cBN−ダ
イアモンドのヘテロ接合を良好に形成するとともに複数
の素子の集積化が可能なヘテロ接合を持つ半導体装置及
びその製造方法を提供することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の半導体装置(ダイオード,トランジスタ,
FET,IC)の製造方法は、立方晶窒化硼素(以下、
cBNと略す)が高温高圧の下で溶媒から析出する温度
以上の融点をもつ基板(cBN又はダイアモンドを主成
分とした基板)上に、高温高圧の下でcBNを溶媒から
析出させてcBNを主成分とした第1の導電型(n型又
はp型)の層を形成し、第1の導電型の層上に、気相か
らダイアモンドを結晶成長させて第2の導電型(第1の
導電型と箱となる導電型)の層を形成する。
【0008】基板は、室温での抵抗率が104 Ω・cm
以上であることを特徴としても良い。
【0009】第1の導電型の層を、室温での抵抗率が1
3 Ω・cm以下のn型となるように形成することを特
徴としても良い。
【0010】基板は、単結晶のcBN,cBNが焼結し
たもの,単結晶のダイアモンドのいずれかであることを
特徴としても良い。
【0011】基板は、単結晶の立方晶窒化硼素又はダイ
アモンドとし、(100)面に対し±10°で第1の導
電型の層を形成する面が形成されたものとし、第2の導
電型の層は、厚さ1μm以下で形成することを特徴とし
ても良いし、(100)面に対し±10°で前記第1の
導電型の層を形成する面が形成されたものとし、第2の
導電型の層は、厚さ1μm以上で形成することを特徴と
しても良い。
【0012】第2の導電型の層上に、高温高圧の下で立
方晶窒化硼素を溶媒から析出させて立方晶窒化硼素を主
成分とした第1の導電型の層を、さらに、形成すること
を特徴としても良い。
【0013】また、本発明の半導体装置(ダイオード,
トランジスタ,FET,IC)は、cBN又はダイアモ
ンドを主成分とした基板と、この基板上に形成されたc
BNを主成分とした第1の導電型の層と、この第1の導
電型の層上に形成されたダイアモンドを主成分とした第
2の導電型の層とを備える。
【0014】基板は、室温での抵抗率が104 Ω・cm
以上であることを特徴としても良い。
【0015】基板は単結晶の立方晶窒化硼素又はダイア
モンドとし、(111)面に対し±10°でその面が形
成され、第2の導電型の層はp型で厚さ1μm以下で形
成されていることを特徴としても良し、(100)面に
対し±10°で第1の導電型の層を形成する面が形成さ
れ、第2の導電型の層は、厚さ1μm以上で形成されて
いることを特徴としても良い。
【0016】第1の導電型の層は、室温での抵抗率が1
3 Ω・cm以下であることを特徴としても良い。
【0017】第1の導電型の層上に形成された立方晶窒
化硼素を主成分とした第1の導電型の層を、さらに、備
えたことを特徴としても良い。
【0018】
【作用】本発明の半導体装置の製造方法では、まず、c
BNを主成分とした第1の導電型の層が基板上に形成さ
れ、この第1の導電型の層は、基板上に形成すること
で、高品質のものになる。そして、この高品質の第1の
導電型の層上に第2の導電型の層を気相で形成すること
で、これらの層の界面を良好に形成することが可能にな
る。そのため、良好な電気的特性を持つ半導体装置を作
ることができる。さらに、ダイアモンドの成長が気相に
よるものであるため、第2の導電型の層の膜厚,キャリ
ア濃度の制御が容易で非常に薄く形成できるので、良好
な電気的特性を持たせうる。
【0019】この場合、基板は、単結晶のcBN、cB
Nが焼結したもの、単結晶のダイアモンドのいずれでも
良いが、特に、その材料,基板の面方位,導電型につい
て上記の条件を持たせると、第1の導電型の層と第2の
導電型の層との界面をより良好に形成することが可能に
なる。
【0020】また、基板の抵抗率を、室温で104Ω・
cm以上とすると、基板を大きなものにでき、また、素
子間のアイソレーションが良好になり集積化が良好に行
える。
【0021】本発明の半導体装置では、第1及び第2の
導電型の層が上記工程で基板上に形成されているので、
これらの層の界面は良好なものになっている。そのた
め、良好な電気的特性を持つ。
【0022】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
各実施例において同一または同等のものについてはその
説明を簡略化し若しくは省略するものとする。図1は、
本発明の半導体装置について、ダイオードを構成した場
合の構成例を示したものである。このダイオードは、絶
縁性の基板101(cBN又はダイアモンド),n型で
低抵抗のcBN層110,p型のダイアモンド層12
0,アノード,カソードの電極130a,130bを備
え、cBN層110及びダイアモンド層120によるヘ
テロ接合をもつ素子である。このダイオードの製造工程
を示すと、つぎのようになる。
【0023】まず、高温高圧の下でcBN又はダイアモ
ンドを溶媒から析出させ、基板として用いるための絶縁
性の単結晶を合成する。この合成法は、「高温高圧の下
で溶融した溶媒にcBN又は炭素を溶解し、この溶媒か
らにより種結晶に析出させることで液相から単結晶を合
成する」方法であり、高圧合成法或いは触媒法ともよば
れ広く知られている。この方法は、条件にもよるが液相
から結晶成長が行われるので、高品質の結晶が得られや
すいという特徴がある。この高品質の結晶は不純物濃度
が低く高抵抗であり、これを基板101として用いると
ヘテロ接合をより良好に形成できるようになる。なお、
基板101は、天然のダイアモンドであっても良いし、
焼結cBNでも良く、切り出して基板を作成する(図2
(a))。
【0024】つぎに、基板101上にn型のcBN層1
10を高圧合成法で形成する。cBN層110の合成
は、上記のごとく基板101の場合とほぼ同様である
が、溶媒にnドーパントをまぜてn型半導体層を成長さ
せ、低抵抗のcBN層110とする(図2(b))。こ
のとき、基板101の結晶方位に習ってcBN層110
がエピタキシャルに成長する(平行成長)。高圧合成法
で低抵抗のcBNの成長させる場合、バルクのものを得
ようとすれば、高い不純物濃度により結晶の欠陥が増加
し、結晶の品質が低下することになる。しかし、n型の
cBN層110が半導体として動作する程度の薄さであ
れば、結晶欠陥が大幅に少なく、cBN層110は高品
質なものになる。基板101が高品質なものであるとc
BN層110もより高品質なものになる。
【0025】そして、cBN層110上にp型のダイア
モンド層120を気相から成長させて形成する(図2
(c))。ダイアモンド層120を形成する方法として
は、代表的なものとしてプラズマCVD法がある。この
方法は、炭素を含む原料ガスを放電(マイクロ波放電も
含む)などにてプラズマ化し、このプラズマからダイア
モンド層を形成するものである。プラズマにpドーパン
トになる元素を混ぜておけば、所定の導電率をもつダイ
アモンド層120が形成される。この方法は、層の膜
厚,キャリア濃度の制御が容易で非常に薄く形成できる
という特徴があり、導電率はプラズマ中のpドーパント
の濃度で、層の膜厚はプラズマの気圧及び反応時間で制
御される。
【0026】ダイアモンド層120を形成する方法とし
ては上記のほかに、熱電子放射材を加熱し原料ガスを活
性化する方法、ダイアモンドを形成する表面をイオンで
衝撃する方法、レーザや紫外線などの光で原料ガスを励
起する方法(光CVD)、原料ガスを燃焼させる方法
(熱CVD)などがある。
【0027】p型のダイアモンド層120の不要部分を
エッチングして除去する。このエッチングには、RIB
Eなどのプラズマエッチングで除去し得ることが知られ
ている。最後に、金属を蒸着してオーミック接続させ、
アノード,カソードの電極130a,130bを形成す
る(図2(d))。
【0028】図1のデバイスは、cBN及びダイアモン
ドをその半導体材料として用い、ヘテロ接合を形成して
いる。したがって、バンドギャップが約7.0eV,
5.5eVと非常に大きな値を持つため、真性領域が1
400℃以上と非常に高く、化学的に非常に安定であ
る。そして、ダイアモンドは、熱伝導率が20W/cm
・KとSiの10倍以上と放熱性に優れ、キャリアの移
動度が大きく(電子移動度2000cm2 /V・s,ホ
ール移動度2100cm2 /V・s:@300K)、誘
電率が小さい(K=5.5)、破壊電圧が大きい(E=
5×106 V/cm)。そのため、周波数特性が良く、
高温での安定な動作が可能で、高周波大電力のデバイス
に適する。、さらに、cBN−ダイアモンドのヘテロ接
合は、発光素子やバイポーラトランジスタの注入効率を
上げるうえで非常に有利なものになる。
【0029】図1のデバイスでは、cBN層110は高
品質のものであり、この層の上に、薄くかつ正確に制御
されたダイアモンド層120を形成するので、これらの
層の界面は良好なものになっている。そのため、良好な
接合が形成されており、リーク電流が減少するなど良好
な電気的特性を持つものになっている。
【0030】素子の形成が基板上であり、この基板は高
抵抗であるので高品質でサイズの大きいものを得やす
い。そのため、複数の素子を同一基板上に形成すること
ができ、容易にICを構成し得る。このとき、基板の抵
抗率は、大きいほど望ましいが、素子間分離に十分な値
であれば良い。100Ω・cm,1000Ω・cm程度
では素子に電圧を加えたときに、正常な動作ができなく
なったり、大きく電力が消費され不要な熱が発生する。
ICでは通常基板がアースされ、アースと素子との消費
電力が1μW以下であれば良いので、基板の抵抗率は1
0000Ω・cm程度は必要である。
【0031】PN接合を形成するcBN層及びダイアモ
ンド層(cBN層110,ダイアモンド層120)につ
いては、抵抗値が小さいほどオン動作時の損失が少なく
なり、良好な特性をもつ半導体を構成し得る。しかし、
必要な耐圧を確保するには不純物濃度が10-3cm以下
であることを要し、このことは抵抗率で10-2Ω・cm
以上であることを意味する。抵抗率が大きくても層の厚
さを薄くすることで抵抗を下げることができる。この抵
抗は等価的に直列になるので、この抵抗値は少なくとも
数Ω以下であることが望ましい。素子のサイズの限度が
1000オングストロームの膜厚で1mm角であると考
えられるので、抵抗率は抵抗率は1000Ω・cm程度
以下であることが望ましい。
【0032】以下、具体的な例を上げて説明する。
【0033】具体例1 この例は、図1において基板101に絶縁性のcBN結
晶を用いたもので、基板101,cBN層110,ダイ
アモンド層120を形成する具体的な条件は以下の通り
である。
【0034】基板101にもちいるcBNの単結晶の合
成条件は、圧力50kbar,温度1600〜1700
℃,反応時間40時間,原料hBN(六方晶窒化硼
素),溶媒はLiSrBN系を用いた。この条件は一般
に報告されているcBNの単結晶の合成条件と同様であ
り、絶縁性のものが得られる(抵抗率>10000Ω・
cm)。cBN層110の合成条件は、基板101の場
合と同様であるが、溶媒にnドーパントとして1%wt
のSiを添加する。
【0035】ダイアモンド層120の合成には、その原
料ガスとして水素,メタンの混合ガスを用い、これにp
ドーパントとして硼素を含むガス(水素希釈の10pp
mジボラン)を混合したものを用いる。合成条件につい
て、直径約46mmの石英反応管へのガス流量をそれぞ
れ、水素流量100SCCM,メタン流量4SCCM,
水素希釈ジボラン流量100SCCMとし、圧力を40
Toorに保ち、放電のマイクロ波パワー400W,基
板温度約880℃とした場合、反応時間2時間で約1μ
m形成される。
【0036】ダイアモンド層120を上記合成条件で形
成した。但し、抵抗率を変えるために、水素希釈ジボラ
ンの濃度及び流量を10ppm,1SCCMから200
ppm,10SCCMまで変化させ、ボロン濃度の異な
ったものを形成した。ここで、メタンの流量は小さい方
が良好なエピタキシャル成長でダイアモンド層120が
形成される。そして、成長速度やボロンの取り込まれる
量が変化したが、整流性の発現には影響がなく、ダイア
モンド層120が形成されるかいなかが大きな影響を与
えた。最後に、cBN層110,ダイアモンド層120
をエッチングし、電極を蒸着して図1と同様の構造のダ
イオードを製作した。
【0037】表1は、上記条件にて、基板101の(1
00)面上に製作したダイオードの特性を示したもので
ある。ここで、抵抗率は室温でのものを示している。
【0038】
【表1】
【0039】まず、この結果からつぎのことが実証され
た。 (1)cBN結晶を用いた絶縁性基板上に、n型のcB
N層110,p型のダイアモンド層120を形成するこ
とが可能である。 (2)n型のcBN層の抵抗率を室温で1000Ω・c
m以下に、厚さを0.05mm以上に形成することが可
能である。 (3)p型のダイアモンド層120の抵抗率を室温で1
000Ω・cm以下に、厚さを100μm以下に形成す
ることが可能である。 このこと及び後に示す結果から制御性の良い工程である
ことが分かる。
【0040】比較例 上記条件で製作したダイオードと比較するために、ヘテ
ロ接合を持つダイオードをつぎのようにして製作した。
【0041】n型のcBN結晶を合成して試料201を
作った(図3(a))。上述の高圧合成法の図2(a)
と同様であるが、溶媒にnドーパントをまぜてn型のc
BN結晶としている。そして、試料201を金属板20
5に押し付けて1/3程うめこみ(図3(b))、図2
(c)と同様に気相成長にてダイアモンド層220を形
成した(図3(c))。図2(d)と同様に金属を蒸着
してオーミック接続させ、アノード,カソードの電極1
30a,130bを形成してダイオードを製作した(図
3(d))。ここで、ドーパント濃度などを変化させ
て、n型cBN層及びp型ダイアモンド層の抵抗率のこ
となるものを製作した。表2はその結果を示したもので
ある。
【0042】
【表2】
【0043】表1及び表2の比較から明らかなように、
図1のダイオードの方が逆方向電流が小さく、整流比の
大きいものになっている。図1のダイオードと図3
(d)のダイオードとは、n型cBN−p型ダイアモン
ドのヘテロ接合を持つ点は共通するが、基板が絶縁性の
基板であるかn型cBNの基板であるかが異なってい
る。これは、基板が絶縁性の基板であると、n型cBN
−p型ダイアモンドのヘテロ界面が良好に形成されるこ
とを意味している。
【0044】具体例2 この例は、図1において基板101に絶縁性の単結晶ダ
イアモンドの基板101bを用いたもので(図4)、c
BN層110,ダイアモンド層120を形成する具体的
な条件は以下の通りである。
【0045】cBN層110の合成条件は、典型的な条
件としては、圧力50kbar,温度1600〜170
0℃,反応時間4〜40時間,原料hBN(六方晶窒化
硼素),溶媒はLiSrBN系を用い、溶媒にnドーパ
ントとして1%wtのSiを添加する。また、反応時間
及びドーパント濃度を変化させてcBN層110の厚さ
及び抵抗率を異なったものにした。ダイアモンド層12
0の合成は、上記具体例1と同じにして行い、抵抗率を
変えたものとした。
【0046】表3は、上記条件にて製作したダイオード
の特性を示したものである。ここで、抵抗率は室温での
ものを示している。
【0047】
【表3】
【0048】まず、この結果から、具体例1で示した
(1)(3)に加えて、n型のcBN層の抵抗率を室温
で10000Ω・cm以下に、厚さを0.01mm以上
に形成することが可能であることが実証された。また、
表2及び表3の比較から明らかなように、図1のダイオ
ードの方が逆方向電流が小さく、整流比の大きいものに
なっている。具体例1と同様にn型cBN−p型ダイア
モンドのヘテロ界面が良好に形成されることを意味して
いる。
【0049】具体例3 この例は、具体例2の工程を用いてダイオードブリッジ
を製作したもので、cBN層110,ダイアモンド層1
20を形成する具体的な条件は具体例2の通りである。
そして、所定のエッチング及び配線を施し、図5に示す
ダイオードブリッジを製作した。このダイオードブリッ
ジは電極130b1,130b2を交流入力とし、電極
130a1,130a2を整流出力として使用する。各
素子が、具体例2と同様に、高耐圧で、逆方向電流が小
さく、整流比の大きいものになっているうえに、同一工
程で製作されるので特性の揃ったものがえられる。この
結果から、複数の素子を同一の基板上に製作し得るこ
と、即ち集積化が可能なことが実証された。
【0050】具体例4 この例は、具体例2の工程を用いてトランジスタを製作
したもので、cBN層110,ダイアモンド層120を
形成する具体的な条件は具体例2の通りである(図2
(c))。そして、ダイアモンド層120の上に、さら
に、n型のcBN層112をcBN層110と同様に形
成し、ダイアモンド層120とcBN層112とをそれ
ぞれエッチングする。所定のパターンでコレクタ電極1
30a,ベース電極130b,エミッタ電極130c形
成してトランジスタを製作した(図6)。図7は、この
トランジスタの静特性を示したものである。
【0051】これと比較のため、前述の比較例と同様に
試料201に気相成長にてダイアモンド層220を形成
した後(図4(c))、ダイアモンド層220の上にn
型のcBN層を形成してトランジスタを製作した。図8
は、この比較のためのトランジスタの静特性を示したも
のである。
【0052】図7と図8との比較から明らかなように、
特性の良いトランジスタを得ることができる。
【0053】具体例5 この例は、図1において基板101に絶縁性のcBN結
晶を用い、所定の面方位でcBN層110形成したもの
である。ここでは、ダイアモンド層120を1μm以下
とし、基板101c,cBN層110,ダイアモンド層
120を形成する具体的な条件は以下の通りで行った。
【0054】基板101にもちいるcBNの単結晶の合
成条件は、圧力50kbar,温度1600〜1700
℃,反応時間40時間,原料hBN(六方晶窒化硼
素),溶媒はLiSrBN系を用いた。この条件は前述
の具体例1と同じである。そして、基板の面方位を特定
し、(111)面,(110)面,(100)面が表面
になるように基板を切り出した(誤差±10゜)。cB
N層110の合成条件は、基板101の場合と同様で溶
媒にnドーパントとして1%wtのSiを添加する。
【0055】ダイアモンド層120の合成には、その原
料ガスとして水素,メタンの混合ガスを用い、これにp
ドーパントとして硼素を含むガス(水素希釈の10pp
mジボラン)を混合したものを用いる。合成条件につい
ては、直径約46mmの石英反応管へのガス流量をそれ
ぞれ、水素流量100SCCM,メタン流量4SCC
M,水素希釈ジボラン流量100SCCMとし、圧力を
40Toorに保つ。放電のマイクロ波パワー400
W,基板温度約880℃とし、約0.1〜2μm形成さ
れた。また、抵抗率を変えるために、水素希釈ジボラン
の濃度及び流量を10ppm,1SCCMから200p
pm,10SCCMまで変化させ、ボロン濃度の異なっ
たものを形成した。
【0056】ここで、メタンの流量は小さい方が良好な
エピタキシャル成長でダイアモンド層120が形成され
る。そして、成長速度やボロンの取り込まれる量が変化
したが、整流性の発現には影響がなく、ダイアモンド層
120が形成されるかいなかが大きな影響を与えた。最
後に、cBN層110,ダイアモンド層120をエッチ
ングし、電極を蒸着して図1と同様の構造のダイオード
を製作した。
【0057】表4は、上記工程で製作したダイオードの
うちcBN層110の厚さ及び抵抗率がほぼ等しくダイ
アモンド層120の厚さ(0.2μm)及び抵抗率がほ
ぼ等しいものの特性を示したものである。ここで、抵抗
率は室温でのものを示している。
【0058】
【表4】
【0059】この表から明らかなようにダイアモンド層
120の厚さが0.2μm程度であると、(111)面
のもの(図9)が(110)面のもの(図11),(1
00)面のもの(図10)と比較して良好な特性が得ら
れており、また、上記比較例(表2)と比較しても逆方
向電流が小さく、整流比の大きい良好な特性をもつもの
になっている。これは、cBN層110上のダイアモン
ド層120の連続性が関係しているものと考えられ、ダ
イアモンド層120の厚さが1μm以下であれば0.2
μmと同様の結果が得られている。
【0060】また、表5は、上記工程で製作したダイア
モンド層120の抵抗率がほぼ等しいものの特性を示し
たものである。ここで、抵抗率は室温でのものである。
【0061】
【表5】
【0062】この表から明らかなようにダイアモンド層
120の厚さが1μm以上であると、(100)面のも
の(図10)が(110)面のもの(図11),(11
1)面のもの(図9)と比較して良好な特性が得られて
おり、また、上記比較例(表2)と比較しても逆方向電
流が小さく、整流比の大きい良好な特性をもつものにな
っている。
【0063】本発明は前述の実施例に限らず様々な変形
が可能である。
【0064】上記具体例は、主にダイオードについて示
したのであるが、具体例4のようにトランジスタに応用
することも可能であり、具体例5で得られた知見(面方
位と厚さの関係など)を加味してトランジスタを製作す
るようにしても良い。
【0065】また、複数の素子を集積するのにダイオー
ドブリッジを例に示したが、トランジスタなど能動素子
であっても同様である。即ち、本発明によれば、絶縁性
のcBN又はダイアモンドの基板を用いることで、非常
に大きなn型cBN膜を形成することができ、その上に
p型ダイアモンドの膜を形成しても素子間の分離が可能
になっているからである。
【0066】そして、SCRを始めとするサイリスタな
ど大電力用の制御素子に応用することも可能であり、高
速でかつ良好な耐環境性を持つ電力制御素子が得られる
ものと考えられる。
【0067】
【発明の効果】以上の通り本発明の半導体装置及びその
製造方法によれば、第1の導電型の層が液相で、第2の
導電型の層が気相で基板上に順次形成されるため、これ
らの層の界面は良好なものにすることが可能になる。そ
のため、良好な電気的特性を持つ半導体装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の構成例を示す図。
【図2】図1の半導体装置の製造工程を示す図。
【図3】比較例の半導体装置の製造工程及び構成を示す
図。
【図4】図1の半導体装置において絶縁性ダイアモンド
基板を用いた場合の構成を示す図。
【図5】本発明の半導体装置でダイオードブリッジを構
成した例を示す図。
【図6】本発明の半導体装置でトランジスタを構成した
例を示す図。
【図7】図6のトランジスタの静特性例を示す図。
【図8】比較例でのトランジスタの静特性例を示す図。
【図9】本発明の半導体装置で基板面を(111)面と
してダイオードを構成した例を示す図。
【図10】本発明の半導体装置で基板面を(100)面
としてダイオードを構成した例を示す図。
【図11】本発明の半導体装置で基板面を(110)面
としてダイオードを構成した例を示す図。
【符号の説明】
101,101b,101c…基板、110、112…
n型cBN層、120…p型ダイアモンド層、130
a,a1,a2,b1,b2,c…電極
フロントページの続き (72)発明者 鹿田 真一 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住 友電気工業株式会社 伊丹製作所内 (56)参考文献 特開 平3−112177(JP,A) 特開 平4−333291(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 29/861 H01L 29/205 H01L 33/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立方晶窒化硼素が高温高圧の下で溶媒か
    ら析出する温度以上の融点をもつ基板上に、高温高圧の
    下で立方晶窒化硼素を溶媒から析出させて立方晶窒化硼
    素を主成分とした第1の導電型の層を形成し、 前記第1の導電型の層上に、気相からダイアモンドを結
    晶成長させて第2の導電型の層を形成する半導体装置の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基板は、室温での抵抗率が104Ω
    ・cm以上であることを特徴とする請求項1記載の半導
    体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の導電型の層を、室温で抵抗率
    が103Ω・cm以下のn型で、第2の導電型の層を、
    室温で抵抗率が103Ω・cm以下のp型となるように
    形成することを特徴とする請求項2記載の半導体装置の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基板は、単結晶の立方晶窒化硼素、
    立方晶窒化硼素が焼結したものまたは単結晶のダイアモ
    ンドのいずれかであることを特徴とする請求項1記載の
    半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記基板は、単結晶の立方晶窒化硼素又
    はダイアモンドとし、(111)面に対し±10°でそ
    の面が形成されたものとし、 第2の導電型の層を厚さ1μm以下で形成することを特
    徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板は、単結晶の立方晶窒化硼素又
    はダイアモンドとし、(100)面に対し±10°で前
    記第1の導電型の層を形成する面が形成されたものと
    し、 第2の導電型の層は、厚さ1μm以上で形成することを
    特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第2の導電型の層上に、高温高圧の
    下で立方晶窒化硼素を溶媒から析出させて立方晶窒化硼
    素を主成分とした第1の導電型の層を、さらに、形成す
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方
    法。
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