JPH09150461A - プラスチック材及び容器 - Google Patents

プラスチック材及び容器

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JPH09150461A
JPH09150461A JP7332570A JP33257095A JPH09150461A JP H09150461 A JPH09150461 A JP H09150461A JP 7332570 A JP7332570 A JP 7332570A JP 33257095 A JP33257095 A JP 33257095A JP H09150461 A JPH09150461 A JP H09150461A
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plastic material
oxygen
plastic
container
sheet
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JP7332570A
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Nobutoshi Shimizu
信年 清水
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Aichi Shokai KK
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Aichi Shokai KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脱酸素剤の機能を十分に活用可能なプラスチッ
ク材及び高効率に内部を無酸素状態に保持可能な容器を
提供する 【解決手段】プラスチック材は、先端部がプラスチック
材内に位置して先端部からプラスチック材外面の窪みの
開口部に向けて拡大する形状の窪みが多数設けられてい
るものであって、脱酸素剤が捕捉する酸素を透過させる
のに使用されるものである。容器は、そのプラスチック
材を透過する酸素を脱酸素剤により捕捉して、容器内部
を無酸素状態に維持する構造のものである。 【効果】多数の窪みを設けたプラスチック材を透過した
酸素を脱酸素剤が捕捉するようにして脱酸素剤の機能を
長期にわたって発揮させることが可能となる。容器に多
数の窪みを設けたプラスチック材を利用することによ
り、容器内の脱酸素に使用する脱酸素剤の機能を長期に
わたって発揮させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分が存在する場
合でも、脱酸素剤の脱酸素機能を継続的に発揮させて、
脱酸素剤に適した酸素を透過させるプラスチック材に関
する。
【0002】別の本発明は、液体存在下においても、容
器内部を無酸素状態に長時間にわたって維持できる容器
に関する。
【0003】
【従来の技術】脱酸素剤は、粉末状、粒状、ペレット
状、タブレット状、塊状、板状若しくはシ−ト状等の各
種の形態に成形されたものが工業的に使用されている。
脱酸素剤の成分は、鉄若しくは鉄化合物が代表的で、酸
素との反応若しくは吸収が容易なように処理されている
ものがある。酸素と反応若しくは酸素を吸収する各種の
無機化合物、金属及び及金属化合物等も脱酸素剤として
用いられている。
【0004】工業的な脱酸素剤には、少量の水分との接
触により脱酸素機能を発揮する水分依存型及び酸素との
接触により直ちに脱酸素機能を発揮する自力反応型等の
タイプがある。
【0005】しかし、いずれのタイプの脱酸素剤も、必
要量以上の水分と接触すると脱酸素機能が停止するとい
う問題点を有している。脱酸素剤は、一般的には、包装
袋若しくは瓶その他の各種容器内の酸素除去に用いられ
ている。食品にあっては、雰囲気中の酸素が脱酸素剤に
より除去されて、タンパク質、油脂、ビタミン、香味及
び色素等の酸素による酸化及び劣化が防止される。衣類
にあっては、雰囲気中の酸素が脱酸素剤により除去され
て、酸素の存在が生存若しくは成育の条件となる虫の発
生及びかびの成育が停止される。
【0006】脱酸素剤は、包装袋(代表的には、小袋)
に充填されて使用に供されるのが代表的である。脱酸素
剤充填の小袋は包装袋若しくは各種容器内に入れられ
て、それらの内部を無酸素状態にしている。
【0007】脱酸素剤を収納する包装袋は、多くの場
合、高密度ポリエチレン(以下、HDPEという)繊維
をスパン・ボンドにしたもの(以下、HDPEスパン・
ボンド不織布という)若しくは多数の孔が設けられたラ
ミネ−ト積層シ−ト(後述する多孔質プラスチックシ−
トの一種)が使用されている。
【0008】スパン・ボンドというのは、合繊の原液を
紡糸口から押し出してヒラメントの束を作ると同時に、
静電気を起こさせるジェット空気流等によりランダムに
乱れ離し、金網状などのコンベア−若しくはドラムの上
に落として、瞬間的に不織布の布地にしたものである。
従って、HDPEスパン・ボンド不織布には無数の貫通
空隙が存在している。HDPEスパン・ボンド不織布
は、坪量74.6g/m2 、厚み0.20mm、ガ−レ
−透気度23(秒)及び透湿度641g/m2・24時
間の特性を有するものが脱酸素剤の包装袋に実際的に使
用されている。又、多数の孔が設けられたラミネ−ト積
層シ−トは、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレ
ン、紙及びポリエチレンを積層したものの使用が代表的
である。
【0009】一方、脱酸素剤をHDPEスパン・ボンド
不織布の小袋に収納して酸素含有の雰囲気下に置いた場
合には、脱酸素剤は最初に小袋内の酸素を捕捉するの
で、小袋内の圧力が小袋外の圧力よりもいくぶん低くな
る。そのために、小袋内外に圧力差を生じて、小袋内へ
の酸素透過の駆動力が生じることが知られていた。又、
小袋内外に生じる圧力差によって、水分がHDPEスパ
ン・ボンド不織布の貫通空隙を容易に通過して脱酸素剤
に接触し、脱酸素剤の脱酸素機能がすぐに停止してしま
うという問題点が生じていた。
【0010】一方、多孔質プラスチックシ−トにより脱
酸素剤を包装することも提案されている(実開昭57−
30298号公報、実公昭58−45258号公報、実
開昭59−3879号公報、実開昭59−89880号
公報及び実開平3−32079号公報等参照)。
【0011】多孔質プラスチックシ−トは、溶融製膜、
溶液製膜及び粉末成形等の各種方法により製造される多
数の貫通孔を有するプラスチックシ−トである(日本ラ
ミネ−ト技術懇話会:「メタロセンポリマ−の応用利用
と微多孔シ−トの技術動向」、1994参照)。多孔質
プラスチックシ−トの貫通孔は、多孔質プラスチックシ
−ト内で複雑に曲がる等して、シ−トの表側から裏側に
貫通する等の形態をとるものが多いのが実情で、一般的
には、水蒸気は透過するが、水が透過しにくい大きさの
ものであるとされている。しかも、多孔質プラスチック
シ−トは、その孔の大きさを制御する等して、酸素等の
気体透過度を制御するのは困難であるとの問題点があっ
た。
【0012】なお、傷痕群を包装袋のヒ−トシ−ル部
(すなわち、包装袋の端縁部)に設けることが提案され
ている(特開昭61−142159公報、特公昭61−
39228号公報、特開昭61−60469号公報、特
開平3−32598号公報、特公平3−43122号公
報、特開平6−8966号公報、特開平6−8947号
公報、特開平6−8965号公報及び特開平6−894
9号公報等参照)。
【0013】しかし、密封型包装袋に傷痕群を設けるい
ずれの提案も、ヒ−トシ−ルにより硬化した端縁部に傷
痕群を設けると傷痕群の部分が破れ易くなる現象を利用
して、密封型包装の開封を容易にしただけのものであ
る。傷痕群は、0.5〜0.1mmの細長の形状のもの
を端縁線を横断して配置するのが最良である旨の提案が
なされている(特開平6−8947号公報、特開平6−
8949号公報及び特開平6−8965号公報参照)。
【0014】傷痕群は、端縁部のより破れ易い箇所に配
置するのが最良である旨の提案がなされている(特公平
6−51487号公報、特公平7−4891号公報及び
特開昭62−182067号公報参照)。傷痕群の形成
については、巻状ロ−ルシ−トの最外層シ−トに加工ロ
−ルの外周に設けた微細な突起群を直接に圧接する方法
等が提案され(特公平6−51487号公報参照)、傷
痕群形成用の工具については、屋根型状突起の工具等が
提案されている(特開昭61−142133号公報及び
特開昭62−182067号公報参照)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来においては、脱酸
素剤の包装袋は、包装袋内外に気体の圧力差が生じる
と、水が包装袋内に容易に侵入するHDPEスパン・ボ
ンド不織布、若しくは孔がシ−ト内で複雑に曲がってい
る場合が多くなる多孔質プラスチックシ−トにより形成
されていた。従って、HDPEスパン・ボンド不織布の
包装袋では、包装袋外に水分が存在する場合でも、水分
が包装袋内に侵入して脱酸素剤に接触し、脱酸素剤の機
能が直ちに停止するという問題点があった。又、多孔質
プラスチックシ−トの包装袋では、包装袋を脱酸素剤の
機能に適した酸素透過度にするのが困難であるので、脱
酸素剤を有効利用できないという問題点があった。
【0016】そのために、脱酸素剤が有している脱酸素
量及び脱酸素日数(脱酸素機能を揮若しくは維持できる
日数)を活用できないという問題点があった。又、容器
内等を長時間にわたって無酸素状態若しくは微量酸素状
態に保持する、あるいは容器内等から遅い速度で酸素を
除去して脱酸素剤を長時間にわたって使用するのが実質
的に不可能であるとの問題点があった。
【0017】一方、ガスバリヤ性が大きい多層プラスチ
ック容器(例えば、飲料用の瓶、味噌用の容器)及びポ
リ塩化ビニリデンコ−ト(PVDC)等の瓶であって
も、充填物(例えば、食用油及びドレッシング等)が酸
素の透過により酸化的褐変等するので、脱酸素剤の装備
が必要になる場合がしばしば生じていた。しかし、従来
は、容器内に脱酸素剤を取りつけても、水分と直ちに接
触して脱酸素剤の脱酸素機能が停止するという問題点が
あって、水が入れらている容器等には、脱酸素剤が装備
できないという問題点があった。
【0018】そこで、第一の本発明は、水分が存在する
場合においても、脱酸素剤が本来的に有している脱酸素
量及び脱酸素日数を十分に活用できるプラスチック材を
提供すること、を目的とする。
【0019】第一の本発明は、脱酸素剤をして長時間に
わたる使用を可能にするプラスチック材を提供するこ
と、をも目的とする。
【0020】第一の本発明は、必要に応じて、所望の透
過速度により酸素を透過させ得るプラスチック材を提供
すること、をも目的とする。
【0021】第二の本発明は、脱酸素剤をして長時間に
わたる使用を可能にするプラスチックシ−トを使用する
プラスチック材を提供すること、をも目的とする。
【0022】第三の本発明は、水分が容器内部に存在す
る場合であっても、容器内部を高効率かつ確実に無酸素
状態若しくはそれに近い状態を保持できる容器を提供す
ること、を目的とする
【0023】
【課題を解決するための手段】第一の本発明(請求項1
に記載の本発明)のプラスチック材は、下記(a)〜
(c)に定義される特徴を有する多数の窪みがプラスチ
ック材に設けられ、窪みによってプラスチック材の酸素
透過度が制御されたものになっている、脱酸素剤により
捕捉する酸素の透過に使用されるものであること、を特
徴とする。
【0024】窪 み (a)窪みは、プラスチック材内に位置する窪みの先端
部からプラスチック材外面の窪みの開口部に向けて拡大
する形状に形成され、(b)窪みは、プラスチック材が
面状である場合には、それの一方あるいは両方の面に部
分的又は全面的に設けられ、(c)窪みは、プラスチッ
ク材が立体状である場合には、それに部分的若しくは全
面的に設けられている。
【0025】第二の本発明(請求項2に記載の本発明)
のプラスチック材は、下記(a)及び(b)に定義され
る特徴を有する多数の窪みがプラスチックシ−トに設け
られ、窪みによって脱酸素速度が制御されたものになっ
ているプラスチックシ−トを有してなる下記(イ)及び
(ロ)に定義されるものであること、を特徴とする。窪 み (a)窪みは、プラスチックシ−トの厚み方向に向けて
設けられていて、かつ、プラスチックシ−ト内に位置す
る窪みの先端部からプラスチックシ−ト外面の窪みの開
口部に向けて拡大する形状に形成され、(b)窪みは、
プラスチックシ−トの一方あるいは両方の面に部分的又
は全面的に設けられている。
【0026】プラスチックシ−ト (イ)プラスチック材は、脱酸素剤の包装材若しくは被
覆材に使用されるプラスチックシ−トであり、(ロ)プ
ラスチック材は、柔軟性、半剛性若しくは剛性の容器内
に装備する脱酸素剤を包囲するのに使用されるプラスチ
ックシ−トである。
【0027】第三の本発明(請求項3に記載の本発明)
の容器は、下記(a)〜(C)に定義される特徴を有す
る多数の窪みがプラスチック材に設けられ、窪みによっ
て脱酸素速度が制御されたものになっているプラスチッ
ク材により内部の酸素を捕捉する構造になっている下記
(1)〜(3)に定義されるものであること、を特徴と
する。
【0028】窪 み (a)窪みは、その内面がプラスチック材内に位置する
窪みの先端部からプラスチック材外面の窪みの開口部に
向けて拡大する形状に形成され、(b)窪みは、プラス
チック材が面状である場合には、それの一方あるいは両
方の面に部分的又は全面的に設けられ、(c)窪みは、
プラスチック材が立体状である場合には、それに部分的
若しくは全面的に設けられている。
【0029】容 器 (1)容器は、多数の窪みが設けられているプラスチッ
ク材の面及びそれに隣接して外側方向に形成されている
脱酸素剤の面を部分的若しくは全面的に有してなり、か
つ、外部の気体が内部に透過しない構造になっている、
柔軟性、半剛性若しくは剛性の容器本体を有するもので
あり、(2)容器は、多数の窪みが設けられているプラ
スチック材により脱酸素剤が内部に取りつけられ、か
つ、外部の気体が内部に透過しない構造になっている、
柔軟性、半剛性若しくは剛性の容器本体又は/及び蓋を
有するものであり、(3)容器は、多数の窪みが設けら
れているプラスチック材の面により部分的若しくは全面
的に形成されいる容器本体又は/及び蓋を有するもので
ある。
【0030】
【発明の実施の形態】
第一の本発明によるプラスチック材〕第一の本発明の
プラスチック材は、前述の構成からなるもので、プラス
チック材内に位置する窪みの先端部からプラスチック材
外面の窪みの開口部に向けて拡大する形状の内面を有す
る多数の窪みがプラスチック材に設けられているのであ
る。プラスチック材は、柔軟性、半剛性及び剛性のいず
れの種類のプラスチック材であることができる。柔軟性
プラスチック材は容易に変形可能なプラスチックからな
る材(代表的には、プラスチックシ−ト)であり、剛性
プラスチック材は剛性に富むプラスチック(代表的に
は、熱硬化性プラスチック)からなる材であり、半剛性
のプラスチック材は剛性であってもやや柔軟性を有する
プラスチックの材である。
【0031】なお、本明細書で使用する「材」は、プラ
スチックが特定の具体的用途を有して具体的な形態(例
えば、シ−ト、容器等)を備えたものの意味で使用して
いる。しかも、第一の本発明のプラスチック材は、その
形状が面状若しくは立体状のものである。面状のプラス
チック材の代表例はプラスチックシ−トであり、立体状
のプラスチック材の代表例はプラスチック容器である。
面状若しくは立体状であれば、各種のプラスチック成形
物が包含される。
【0032】本明細書においては、「シ−ト」の用語を
「フィルム」の語義を包含する広い意味で使用してい
る。従って、厚み5〜10μm程度の薄いものであって
も、本発明の「シ−ト」に包含される。プラスチックシ
−トは、単体シ−ト若しくは複合シ−ト(例えば、図1
0参照)のいずれであってもよく、複合シ−トは、コ−
ティングシ−ト、ラミネ−トシ−ト若しくは共押出し多
層シ−トのいずれであってもよい。
【0033】プラスチック材それ自体は一般的には極く
僅かな酸素透過性を有するものからある程度の酸素透過
性を有するものまで存在する。一般的なプラスチックフ
イィルム包装材では、例えば、厚み25μm二軸延伸ポ
リプロピレンフィルムと厚み30μmTダイ法無延伸ポ
リプロピレンフィルムが、おおよそ酸素透過度950c
3 /m2・24hr・atm(ASTM D−143
4試験法)(土居秀平:「ラミネ−ト加工便覧」、p3
7,ユニ広報、1978参照)、厚み25μm二軸延伸
ポリプロピレンフィルムと厚み30μmTダイ法無延伸
ポリプロピレンフィルムのドライラミネ−トフィルムが
おおよそ酸素透過度950cm3/m2・24hr・at
m、厚み15μm二軸延伸ナイロンフィルムは、おおよ
そ酸素透過度40cm3/m2・24hr・atm(20
℃、0%RH)を有していて、ポリ塩化ビニリデンコ−
ティングの厚み15μm二軸延伸ナイロンフィルムは、
おおよそ酸素透過度5cm3/m2・24hr・atm
(20℃、0%RH)であると報告されている(松村和
久男:「PACKS」、26、No7,p176、19
82参照)。
【0034】そのために、プラスチック材それ自体は、
2〜3,000cm3/m2・24hr・atm、代表的
には2〜1,000cm3/m2・24hr・atm、の
酸素透過度を有するものである。しかし、プラスチック
材それ自体を脱酸素剤に供給する酸素を透過させるため
の材料として使用するには多くの不都合がある。例え
ば、酸素透過度が小さいプラスチック材では、脱酸素剤
の脱酸素機能に適合する酸素量を供給できないという問
題点があるからである。又、ある程度の酸素透過度を有
するプラスチック材も、プラスチック材自体の酸素透過
度では、脱酸素剤の脱酸素量と脱酸素日数に適合しない
という問題点が生じる場合が多いからである。
【0035】そこで、第一の本発明によるプラスチック
材では、特定の多数の窪みをプラスチック材に設けるこ
とにより、プラスチック材を脱酸素剤の機能に適合する
酸素透過度を備えたものに改変している。又、第一の本
発明のプラスチック材では、面状若しくは立体状のいず
れのプラスチック材であっても、必要に応じて、窪みを
プラスチック材に部分的若しくは全面的に設けることに
より、所望の酸素透過度が得られるものにしている。 〈第一の本発明の具体例〉次に、第一の本発明の具体例
を説明する。以下において、本発明の具体例としてして
図示するものは、本発明に包含される多くの具体例の例
示の一部であって、このことは、第二及び第三の本発明
の具体例についても同様である。
【0036】図1の(A)は、多数の窪みが柔軟性プラ
スチックシ−トに設けられているプラスチック材であ
る。図1の(B)は半剛性プラスチックが船底状に形成
され、それに多数の窪みが設けられているプラスチック
材である。図1の(C)は、多数の窪みが半球状に形成
の剛性プラスチックに設けられているプラスチック材で
ある。
【0037】図2の各図は図1の(A)のプラスチック
シ−トの厚み方向の部分拡大図である。図2の(A)は
同じ深さの窪み20、…20がプラスチックシ−ト21
に多数設けられている場合、図2の(B)は深さが相違
する二種類の窪み20、…20がプラスチックシ−ト2
1に多数設けられている場合、及び図2の(C)は深さ
が相違する三種類の窪み20、…20がプラスチックシ
−ト21に多数設けられている場合をそれぞれ示してい
る。
【0038】図3の各図に示す窪み30、31、32、
33は、いずれも連続した面により形成され、先端部か
らプラスチック材外面の窪みの開口部に向けて拡大する
形状である点では同一であるが、窪みの先端部から窪み
の開口部に向けて拡大する傾斜の程度が相違している。
図3の(A)は錐体状の窪み30、図3の(B)は円弧
状の窪み31、図3の(C)は半球状の窪み32及び図
3の(D)は不均一形状の窪み33をそれぞれ示してい
る。窪みは、特に、その先端部が連続した面に形成され
ていて、鋭角の面あるいは曲面又はそれらに近い面であ
る場合には本発明の効果を最大に享受することが可能と
なる。窪みは、材料が柔軟性プラスチックシ−ト(一般
的には、熱可塑性プラスチックシ−ト)である場合に
は、それに工具を直接的に押圧する方法等により形成が
可能である。積層プラスチックシ−トの場合には、積層
した後で、同様の手段により窪みが形成されることにな
る。これに反して、図15に示す積層シ−トでは、多数
の貫通孔を有するプラスチックシ−トにプラスチックシ
−トを積層して、貫通孔の片方の開口部を閉塞して凹部
が形成されている。従って、その凹部の底部分(貫通孔
の開口部が閉塞された部分)は平面になっていてる。そ
して、このような形状の凹部をプラスチックシ−トに形
成しても、酸素透過量の制御が困難であって、本発明の
効果を享受できないことが本発明者により見いだされて
いる。 〈窪みの形態〉窪みの形態を図4に基づいて説明する。
図4はプラスチックシ−ト40の一方の面に設けられて
いる窪み41の部分拡大図である。図4の窪み41は、
プラスチックシ−ト40の一方の外面の開口部42から
符号Iの深さにプラスチックシ−ト40厚み方向に設け
られている。窪み41の先端部43は連続した鋭角の面
に形成されている。なお、本発明の「プラスチック材外
面」は、プラスチック材内部との対比で使用していて、
プラスチック材がプラスチックシ−トである場合はその
両方の面を示し、プラスチック材が立体状である場合に
は立体状プラスチック材の表面を示す意味で用いてい
る。
【0039】窪み41の先端部43では、厚みdに相当
する部分がプラスチックシ−ト40として残っている。
窪み41は、その先端部が材料内に位置する深さhのも
のであって、先端部からプラスチック材外面の窪みの開
口部に向けて拡大する形状(先端部がその開口部より小
さくなる形状でもある)に形成されていれば、原則的に
は、任意の形状であり得る。
【0040】窪み41は、例えば、錐体、円錐、三角
錐、錐台、円錐台、角錐台、球分体、円弧、半楕円、回
転放物体又はそれらに類似の形態ですることができる。
窪み41は、開口部42の最大長さ(開口部42が円の
場合は直径)lが、例えば、1〜40μm程度(好まし
くは1〜20μm程度)であれば、プラスチックシ−ト
40の酸素透過度を窪み41の深さhによって容易に制
御できることが本発明者により見いだされている。な
お、酸素透過度(cm3/m2・24hr・atm)は、
酸素透過度若しくは酸素透過量の用語で表されることが
あるが、いずれも同義語である。本明細書においては酸
素透過度の用語を使用する。 〈窪み形成の効果〉窪みとその効果発生との関係につい
ては、その理由を説明するいくつかの試みが本発明者に
より提案されている。その試みの一つを図5に基づいて
説明する。図5は、符号イ、ロ、ハ、ニ、ホが記載され
ている側の酸素がプラスチックシ−ト40の反対側にあ
る脱酸素剤(図示せず)により捕捉される場合の説明図
である。
【0041】図5では、説明を簡略にするために、窪み
41の図面上の右半分を透過する酸素について説明す
る。図5の場合において、酸素は矢印イ、ロ、ハ、ニ、
ホの方向からプラスチックシ−ト40内に進入する。そ
して、矢印イから進入の酸素が一番早くプラスチックシ
−ト40を透過し、その次に矢印ロから進入の酸素が透
過して、最後に矢印ホから進入の酸素が透過いくことに
なる。従って、窪み41の深さh(すなわち、プラスチ
ックシ−ト40の厚みd)及びプラスチックシ−トの厚
みHによって酸素透過度の最小値と最大値とが決まり、
その間の酸素透過度は矢印ニ、ハ、ロの順に大きくな
る。しかも、窪み41が連続的な内面で上方に拡大して
いるので、酸素透過度もアナログ的に変化する。そのた
めに、プラスチックシ−ト40の酸素透過度は、プラス
チックシ−ト40自体の酸素透過度、プラスチックシ−
ト40の厚みH、窪み41の形態及び深さh、窪み41
の数によって決まることになる。
【0042】しかも、窪み41の深さhを変化させる
と、それに対応して酸素透過度の最小値が変化して、矢
印ロ、ハ、ニからプラスチックシ−ト40内に進入する
酸素の酸素透過度し、窪み41が多数であるとその変化
も指数関数的変化になる。
【0043】そして、窪み41の深さhを変化させるだ
けで、プラスチックシ−ト40の酸素透過度を脱酸素剤
の脱酸素量及び脱酸素日数に適合した材に制御できるこ
とが本発明者により見いだされている。例えば、窪み4
1を酸素透過度が2〜1000cm3/m2・24hr・
atmであるプラスチックシ−トに設けて、窪み41の
深さhの相違による酸素透過度を試験した結果では、酸
素透過度を50〜9×106 cm3/m2・24hr・a
tmの範囲に制御できることが本発明者により見いださ
れている。従って、酸素を長時間にわたって少しずつ脱
酸素剤に捕捉させる必要がある場合には、プラスチック
材をそのような特性にすることが可能となる。又、その
逆の場合も容易となる。 〈プラスチック材の使用〉第一の本発明により、所望の
酸素透過度に調製したプラスチック材を脱酸素に使用す
ることができるようになる。例えば、プラスチックシ−
トからなるプラスチック材を所望の酸素透過度にするの
は、所望の酸素透過度よりも低い酸素透過度のプラスチ
ックシ−トに多数の窪みを設けて、所望の酸素透過度に
調製する。そして、プラスチックシ−トでの酸素透過度
数の増減は、窪み形成工程の窪み形成用工具の押圧を調
整する等の簡単な操作により窪みの深さ変化させること
によって、容易に行うことができる。
【0044】第一の本発明のプラスチック材は、脱酸素
剤を使用するいずれの場合、例えば、水分存在の雰囲気
あるいは気体のみ存在の雰囲気、においても使用可能で
ある。脱酸素剤を入れる容器(包装袋を含む)の形態若
しくは使用の態様に無関係に、任意の態様で使用可能で
ある。 〔第二の本発明によるプラスチック材〕第二の本発明
は、前述の構成からなるもので、それは多数の窪みが設
けられていて、しかも、脱酸素に使用されるプラスチッ
クシ−トからなるプラスチック材である。 〈プラスチックシ−ト〉第二の本発明で使用されるプラ
スチックシ−トとしては、例えば、次のようなに合成樹
脂のプラスチックシ−トが使用される。、例えば、ポリ
エチレン(低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン、中密度及び高密度ポリエチレンの使用が可能であ
る)、無延伸ポリプロピレン、延伸ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデ
ンコ−ティングの延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテ
レフタレ−ト、延伸ポリエチレンテレフタレ−ト、ナイ
ロン、延伸ナイロン、ポリ塩化ビニリデンコ−ティング
のポリエチレンテレフタレ−ト、ポリビニルアルコ−ル
及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。複
合プラスチックシ−トは、これら合成樹脂のシ−トの二
種以上を積層するのが一般的である。複合プラスチック
シ−トは、最内層をヒ−トシ−ル可能なプラスチックシ
−トにしたもの使用に適している。窪みは、プラスチッ
クシ−トの一方の面に設けるが代表的であるが、両方の
面に設けることも可能である。 〈第二の本発明の具体例〉次に、第二の本発明の具体例
を図6〜図9に基いて説明する。なお、図8及び図9は
第三の本発明の具体例を示すものでもある。図6の
(A)は、脱酸素剤充填の包装袋の説明図である。包装
袋は一方あるいは両方の面に部分的又は全面的に多数の
窪みが設けられている柔軟性プラスチックシ−ト(代表
的には、熱可塑性プラスチックシ−ト)に形成されてい
る。脱酸素剤は、粉末状、粒状、ペレット状若しくは塊
状のものが充填されている。図6の(B)は図6の
(A)の包装袋(単包)の連続包の説明図である。
【0045】図7の(A)は、薄いプラスチックシ−ト
により被覆された薄い帯状の脱酸素剤がロ−ル状に巻か
れているものである。薄いプラスチックシ−トも、その
一方あるいは両方の面に部分的又は全面的に多数の窪み
が設けられている。被覆材に使用するプラスチックシ−
トは、そのプラスチックシ−トの被覆可能な厚みで使用
することが可能である。図7の(B)は、多数の窪みが
設けられたプラスチックシ−トにより被覆された短棒状
脱酸素剤の説明図である。図7の(C)は、多数の窪み
が設けられたプラスチックシ−トにより被覆された矩形
状脱酸素剤の説明図である。図7の(D)は、多数の窪
みが設けられたプラスチックシ−トにより被覆されたリ
ング状脱酸素剤の説明図である。多数の窪みが設けられ
たプラスチックシ−トを被覆材にすることにより、いず
れの形態に成形された脱酸素剤であっても、脱酸素剤の
脱酸素及び脱酸素日数に適した酸素を脱酸素剤に供給し
て、かつ、脱酸素剤を液体(特に、水)に非接触の状態
にすることができる。
【0046】図8は、蓋80の裏側に多数の窪みが設け
られたプラスチックシ−ト82により装着さている脱酸
素剤81の説明図である。蓋80は、剛性であるのが代
表的であるが、柔軟性若しくは半剛性であることができ
る。図8においては、蓋80内に装備される脱酸素剤8
1が多数の窪みが設けられたプラスチックシ−ト82に
包囲されている。なお、脱酸素剤81がプラスチックシ
−ト82により保持されるようにしてもよい。プラスチ
ックシ−ト82は、柔軟性プラスチックシ−トであるの
が代表的であるが、半剛性若しくは剛性のものであるこ
とができる。多数の窪みが設けられたプラスチックシ−
トにより脱酸素剤を包囲することにより、脱酸素剤を蓋
に容易に装備することできる。蓋は、剛性であるのが一
般的ではあるが、柔軟性若しくは半剛性のもであっても
よい。又、蓋は、その形態において任意である。
【0047】図9の(A)は、瓶90の首部91の内側
に装着されている、多数の窪みが設けられたプラスチッ
クシ−トにより被覆若しくは包装のリング状脱酸素剤9
2のの説明図である。図9の(B)はその被覆若しくは
包装されているリング状脱酸素剤92の説明図である。
一般的には、瓶90の首部91の内側に装着の脱酸素剤
は、頻繁に液体と接触することになる。しかし、脱酸素
剤を覆うプラスチックシ−トが水に不透過であるので、
リング状脱酸素剤92の機能を持続させて発揮させるこ
とが可能となる。図9の(C)は、脱酸素剤を備えてい
る構造の瓶中栓の説明図である。瓶中栓93はその裏側
が多数の窪みが設けられたプラスチック材94内に脱酸
素剤95が収納された構造になっている。瓶中栓93
は、脱酸素剤95の機能を持続させて発揮させ、瓶内を
無酸素状態に維持することが可能となる。瓶中栓93は
いずれの種類及び形状の瓶にも適宜その形態を変更して
使用することが可能である。 〔第三の本発明による容器〕第三の本発明は、前述の構
成からなるもので、多数の窪みが設けられたプラスチッ
ク材がその内部に設けられる等した特定構造の容器本体
又は/及び蓋を有する容器である。 〈第三の本発明の具体例〉第三の本発明の容器の具体例
を図に基いて説明する。図8及び図9に示す蓋及び瓶
は、前述したように、第三の本発明の容器本体及び蓋の
具体例でもある。図10は、多数の窪みが設けられてい
るプラスチック層100を含む積層101の説明図であ
る。積層101は、脱酸素剤層102を間にして、内側
にプラスチック層100(すなわち、酸素透過層)が配
置され、外側に気体不透過が大きい(当然に液体不透過
性でもある)のプラスチック層103が配置されている
ものである。積層101は、全体として、柔軟性、半剛
性若しくは剛性のいずれであってもよい。容器本体が酸
素透過層のプラスチック層100を内側にして積積層1
01により形成される場合には、容器本体内の酸素はプ
ラスチック層100を透過して脱酸素剤層101により
捕捉される。又、脱酸素剤層102は容器本体外の気体
及び液体に接触することがないので、脱酸素剤層102
は、その機能が十分に発揮されることになる。気体不透
過性のプラスチック層103は、それ自体が複数の層
(すなわち、積層)に形成されて、気体の不透過性を高
めたものすることができる。
【0048】図11は、図10に示す積層101により
容器本体110を形成して、それに気体不透過性のプラ
スチックにより形成された蓋111を装着した容器の側
断面図である。図11の容器は、容器本体110がその
内部の収納物(例えば、食品)にはプラスチック層10
0が接触して、脱酸素剤層102は、収納物及びそれに
含有の液体には非接触で、容器外の気体及び液体に対し
て非接触である。図11に示す容器はその内部が無酸素
状態に維持される。容器内に液体若しくは液体含有物が
収納される場合であっても、容器内部は無酸素状態に維
持される。図11に示す容器を食品(例えば、一般的な
食品、生鮮食品、加工食品、発酵食品)を収納若しくは
充填して、酸素の存在による生じる様々な食品の品質を
防止するのに適している。一般的な食品には、例えば、
米飯があり、発酵食品には、例えば、味噌及び水産発酵
食品がある。
【0049】図12は、半剛性若しくは剛性の成形容器
本体120に蓋121が装着された容器の側断面図であ
る。図12に示す容器は、容器本体120が剛性のプラ
スチックにより形成され、その内面には、多数の窪みが
設けられていて、容器内の酸素が外部に透過する構造に
なっているものである。
【0050】図13は、半剛性若しくは剛性の成形容器
本体130及び蓋131からなる容器の説明図である。
容器本体130及び蓋131は気体不透過性のプラスチ
ックから形成されている。蓋131の裏面には、脱酸素
剤132が多数の窪みが設けられているプラスチック材
133により装着されていて、容器本体130がその脱
酸素剤132により無酸素状態を維持されるようになっ
ている。図13に示す容器も、食品を収納若しくは充填
して、酸素の存在による生じる様々な食品の品質を防止
するのに適している。
【0051】図14は、蓋に脱酸素剤が装着されている
別の態様の容器の説明図である。容器本体140は気体
不透過性のプラスチックから形成されている。蓋141
は、最外層142が気体不透過性のプラスチックから形
成され、その中間層143が気体不透過性のプラスチッ
ク層内に脱酸素剤層144が配置された層からなり、最
内層145が多数の窪みが設けられているプラスチック
材の層からなるものである。図14に示す容器も、食品
等を収納若しくは充填して、酸素の存在による生じる様
々な食品の品質を防止するのに適している。
【0052】なお、第三の本発明の容器は、その形態及
び成形方法において任意である。又、第三の本発明の脱
酸素剤も、形態及び大きさにおいて任意であるが、脱酸
素剤の形態に応じて最適な形態の容器が選択される。 〈容器の使用〉第三の本発明の容器は、具体的には、例
えば、農産物、農産加工物、水産加工物、工業品、医薬
品、化粧品及び医薬部外品に使用される容器であること
ができる。又、脱酸素剤と、二酸化炭素捕捉剤、水蒸気
捕捉剤、窒素捕捉剤若しくはエチレン捕捉剤の一種若し
くは二種以上とを共存させることが可能である。
【0053】なお、本発明に合目的であって、本発明の
効果を特に害さない限りにおいては、改変あるいは部分
的な変更及び付加は任意であって、いずれも本発明の範
囲である。
【0054】次に、本発明を実施例に基づいてより具体
的に説明するが、実施例は例示であって本発明を拘束す
るものではない。
【0055】
【実施例】
〈実験例1〉酸素透過度が相違する3種類の試験用プラ
スチックシ−トを用意して、それに深さが異なる窪みを
設けて、窪みによるプラスチックシ−トの酸素透過度の
変化を調べた。プラスチックシ−トの酸素透過度は、い
ずれも、103cm3 /cm2・24hr・atm未満で
はあるが、比較的に高い方の領域にあるものであった。
【0056】プラスチックシ−トは、(i)厚み30μ
mの直鎖状低密度ポリエチレンシ−ト、(ii)厚み1
2μmのポリエチレンテレフタレ−トシ−トと厚み25
μmの直鎖状低密度ポリエチレンシ−トとの厚み37μ
mの積層シ−ト、(iii)厚み40μmの延伸ポリプ
ロピレンシ−トであった。
【0057】そして、直径が相違する窪みを設けてプラ
スチックシ−トに設けた。ただし、一つの試験用プラス
チックシ−トには同じ直径の窪みを設けた。窪みは直径
1〜40μmのものが多かった。窪みの深さ(図4のh
参照)は、おおよそ試験用プラスチックシ−トの厚み
(図4のH参照)に近いものから、試験用プラスチック
シ−トの厚みの約85%(すなわち、図4のhが0.8
5Hであるもの)であるものであった。窪みの形態は錐
体に近いものであった。
【0058】試験の結果によると、窪みの深さを変える
だけで、酸素透過度を1×102 〜9×106cm3/c
2・24hr・atmの範囲で正確に制御して変化さ
せることができた。 〈実験例2〉酸素透過度が小さい厚み20μmのナイロ
ンのプラスチックシ−トを用いて、実験例1と同様にし
て、酸素透過度を50〜500cm3/cm2・24hr
・atmの範囲で正確に制御して変化させることができ
た。
【0059】
【発明の効果】第一の本発明のプラスチック材によれ
ば、液体(代表的には、水)に非接触の状態で 脱酸素
剤を種々の態様で使用して、脱酸素剤の機能(代表的に
は、脱酸素剤が有している脱酸素量及び脱酸素日数)を
十分に活用させることができるようになる。又、第一の
本発明のプラスチック材によれば、プラスチック材は、
その酸素透過度を所望の範囲に制御されるので、所望の
脱酸素をプラスチック材により実現することが可能とな
る。
【0060】第二の本発明のプラスチック材によれば、
プラスチックシ−トを脱酸素剤の包装材若しくは被覆材
に用いることにより、液体が存在するいずれの場におい
ても、様々な形態の脱酸素剤をその脱酸素剤の機能(代
表的には、脱酸素剤が有している脱酸素量及び脱酸素日
数)を十分に活用させることができるようになる。プラ
スチックシ−トは、加工、融着等を容易に行い得るの
で、柔軟性、半剛性若しくは剛性の容器内において、プ
ラスチックシ−トにより脱酸素剤を包囲して装備するこ
とができるようになる。従って、液体が容器内に存在す
る場合でも、容器内を継続して無酸素状態に維持するこ
とが可能となる。
【0061】第三の本発明の容器によれば、液体の収納
物若しくは液体含有の収納物が容器内に存在していて
も、容器内部を無酸素状態若しくは所望の酸素状態に制
御することができる。容器中から所望量の酸素を排出で
きるようにもなる。しかも、第三の本発明によれば、容
器からの脱酸素速度を制御できるので、容器内を所望の
酸素状態にすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスチック材の具体例の説明図である。
【図2】図1の部分拡大斜視図である。
【図3】窪みの一例示の部分拡大図である。
【図4】窪みの部分拡大図である。
【図5】脱酸素の機能の説明図である。
【図6】プラスチック材の具体例の説明図である。
【図7】プラスチック材の具体例の説明図である。
【図8】脱酸素剤を装着した蓋の説明図である。
【図9】脱酸素剤を装着した瓶の説明図である。
【図10】積層の説明図である。
【図11】容器の側断面図である。
【図12】容器の側断面図である。
【図13】容器の説明図である。
【図14】容器の説明図である。
【図15】貫通孔を有するプラスチックシ−トを積層の
積層シ−トである。
【符号の説明】
20 窪み 21 プラスチックシ−ト 30 窪み 40 プラスチックシ−ト 41 窪み 80 蓋 81 脱酸素剤 82 プラスチック材 90 瓶 91 首部 92 リング状袋 93 瓶中栓 94 プラスチック材 95 脱酸素剤 100 プラスチック層 101 積層 102 脱酸素剤層 103 気体不透過性プラスチック層 110 容器本体 111 蓋 120 成形容器本体 121 蓋 130 成形容器本体 131 蓋 132 脱酸素剤 133 プラスチック材 140 容器本体 141 蓋 142 最外層 143 中間層 144 脱酸素剤層 145 最内層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)〜(c)に定義される特徴を有
    する多数の窪みがプラスチック材に設けられ、窪みによ
    ってプラスチック材の酸素透過度が制御されたものにな
    っている、脱酸素剤により捕捉する酸素の透過に使用さ
    れるプラスチック材。窪 み (a)窪みは、プラスチック材内に位置する窪みの先端
    部からプラスチック材外面の窪みの開口部に向けて拡大
    する形状に形成され、(b)窪みは、プラスチック材が
    面状である場合には、それの一方あるいは両方の面に部
    分的又は全面的に設けられ、(c)窪みは、プラスチッ
    ク材が立体状である場合には、それに部分的若しくは全
    面的に設けられている。
  2. 【請求項2】下記(a)及び(b)に定義される特徴を
    有する多数の窪みがプラスチックシ−トに設けられ、窪
    みによって脱酸素速度が制御されたものになっているプ
    ラスチックシ−トを有してなる下記(イ)及び(ロ)に
    定義されるプラスチック材。窪 み (a)窪みは、プラスチックシ−トの厚み方向に向けて
    設けられていて、かつ、プラスチックシ−ト内に位置す
    る窪みの先端部からプラスチックシ−ト外面の窪みの開
    口部に向けて拡大する形状に形成され、(b)窪みは、
    プラスチックシ−トの一方あるいは両方の面に部分的又
    は全面的に設けられている。プラスチックシ−ト (イ)プラスチック材は、脱酸素剤の包装材若しくは被
    覆材に使用されるプラスチックシ−トであり、(ロ)プ
    ラスチック材は、柔軟性、半剛性若しくは剛性の容器内
    に装備する脱酸素剤を包囲するのに使用されるプラスチ
    ックシ−トである。
  3. 【請求項3】下記(a)〜(c)に定義される特徴を有
    する多数の窪みがプラスチック材に設けられ、窪みによ
    って脱酸素速度が制御されたものになっているプラスチ
    ック材により内部の酸素を捕捉する構造になっている下
    記(1)〜(3)に定義される容器。窪 み (a)窪みは、その内面がプラスチック材内に位置する
    窪みの先端部からプラスチック材外面の窪みの開口部に
    向けて拡大する形状に形成され、(b)窪みは、プラス
    チック材が面状である場合には、それの一方あるいは両
    方の面に部分的又は全面的に設けられ、(c)窪みは、
    プラスチック材が立体状である場合には、それに部分的
    若しくは全面的に設けられている。容 器 (1)容器は、多数の窪みが設けられているプラスチッ
    ク材の面及びそれに隣接して外側方向に形成されている
    脱酸素剤の面を部分的若しくは全面的に有してなり、か
    つ、外部の気体が内部に透過しない構造になっている、
    柔軟性、半剛性若しくは剛性の容器本体を有するもので
    あり、(2)容器は、多数の窪みが設けられているプラ
    スチック材により脱酸素剤が内部に取りつけられ、か
    つ、外部の気体が内部に透過しない構造になっている、
    柔軟性、半剛性若しくは剛性の容器本体又は/及び蓋を
    有するものであり、(3)容器は、多数の窪みが設けら
    れているプラスチック材の面により部分的若しくは全面
    的に形成されいる容器本体又は/及び蓋を有するもので
    ある。
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