JPH09150327A - 自動ねじ締め機のねじ保持機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】頭部径の異なるねじを吸引保持することが可能
な自動ねじ締め機のねじ保持機構を提供する。 【構成】本発明の自動ねじ締め機のねじ保持機構は、回
転駆動源２の駆動により回転可能かつ往復駆動源３の作
動により昇降可能なドライバビット４の移動路上におい
て、ねじを吸引保持する吸引スリーブ５を設けて構成さ
れており、吸引スリーブ５の内径面をドライバビット４
の下降側に向かって径の大きくなるテーパ面５ａに成形
して構成されている。 【効果】頭部径がテーパ面によって許容される寸法のね
じであれば、同一の吸引スリーブを使用して保持するこ
とができ、ねじ締め作業の効率化を果たすことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動ねじ締め機の
先端部分に設けられ、ドライバビットなどのねじ締め工
具の移動路上においてねじを保持する自動ねじ締め機の
ねじ保持機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、自動ねじ締め機におけるドライバ
ビットなどのねじ締め工具の移動路上には各種のねじ保
持機構が設けられ、ねじ締め作業時には予めドライバビ
ットの移動路上にねじを保持し、ねじ締め作業の自動
化、効率化を図っている。このねじ保持機構としては、
一般に吸引構造のものが知られており、ドライバビット
を案内可能な吸引スリーブを設け、この吸引スリーブの
先端側内径を所望ねじの頭部径とほぼ同一寸法に成形す
るとともに、エアを吸引するための吸引装置を連結し、
先端からエアを吸引してねじを吸引保持するように構成
されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
な自動ねじ締め機の吸引機構では、吸引スリーブの先端
部内径が所望ねじの頭部径とほぼ同一に成形されるた
め、吸引できるねじが限定されてしまい、例えばナベ頭
ねじとバインド頭ねじのように、ねじの寸法は同一であ
っても頭部の寸法が異なるねじに対応できず、使用する
ねじを変更するごとに吸引スリーブも交換する必要があ
り、このことによって作業効率が低下してしまう等の問
題が発生しているとともに、ねじ頭部径寸法の種類に応
じて吸引スリーブを用意しなければならないため、コス
ト的も費用がかかる等の問題が発生している。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、回転駆動源の
駆動により回転可能かつ往復駆動源の駆動により往復移
動可能なねじ締め工具を設け、このねじ締め工具の移動
路上においてねじを吸引保持する吸引スリーブを設け、
吸引スリーブの内径をねじ締め工具の前進側に向かって
径の大きくなるテーパ面に成形する一方で、この吸引ス
リーブの内径にねじ締め工具を案内する案内面を成形
し、この案内面には、ねじを吸引するエアの通路となる
溝を成形して構成されている。したがって、頭部径がテ
ーパ面によって許容される寸法のねじであれば、同一の
吸引スリーブを使用することができ、また正確なねじ締
め工具の移動と確実なねじの吸引保持とを両立させるこ
とが可能である。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下図面に基づき本発明の一実施
例を説明する。図１において１は自動ねじ締め機であ
り、モータなどの回転駆動源２の駆動により回転可能か
つシリンダなどの往復駆動源３の作動により昇降可能な
ドライバビット４を有しており、このドライバビット４
を内包する位置には、ドライバビット４と一体に昇降可
能な吸引スリーブ５と、この吸引スリーブ５が連結され
る吸引装置６とを備えて成るねじ保持機構７が設けられ
ている。このねじ保持機構７における吸引スリーブ５
は、ばねなどの弾性体８に支持されてドライバビット４
の下降方向に常時付勢されており、ドライバビット４と
一体に昇降可能な一方で、ドライバビット４と独立して
上下に運動できるようにも構成されている。

【０００６】前記吸引スリーブ５内径は、図２および図
３に示すように、その全長に渡ってドライバビット４の
円周面と若干の隙間を有するように構成されており、先
端からエアの吸引が可能なようになっているが、その先
端部分とドライバビット４が常時位置する部分とは他と
若干異なる形状を成す。この吸引スリーブ５の内径先端
部分であるが、この部分は頭部径の異なるねじを吸引保
持することが可能なように、ドライバビット４の下降方
向に向かって径の大きくなるテーパ面５ａに成形されて
いる。また、吸引スリーブ５においてドライバビット４
が常時位置する部分であるが、この部分はドライバビッ
ト４の昇降時、これを案内可能とするため、ドライバビ
ット４の円周面に沿う径の案内面５ｂに成形されてい
る。この案内面５ｂには、円周を３等分して同一断面形
状の溝５ｃがこの案内面５ｂ部分の全長に渡って成形さ
れており、エア吸引時のエアの通路が確保されている。

【０００７】上記構成の自動ねじ締め機１においては、
吸引装置６の作動により吸引スリーブ５の先端からエア
の吸引が開始された状態で、吸引スリーブ５にねじを供
給すると、ねじは吸引スリーブ５に吸引保持される。本
発明において、吸引スリーブ５の内径先端部分はテーパ
面５ａに成形されているため、例えば生産ラインなどで
使用するねじが変更されたような場合でも、図４に示す
ように、そのねじの頭部径がこのテーパ面５ａの許容す
る範囲内にあれば、吸引スリーブ５を取り替えることな
くそのまま保持することが可能である。なお、当然のこ
とであるが、ねじの保持はテーパ面５ａ以外の内径部分
でも可能である。

【０００８】このようにねじを吸引保持した状態で、自
動ねじ締め機１をねじ締め位置に移動させ、往復駆動源
３の作動によりドライバビット４と吸引スリーブ５とを
一体に下降させる。吸引スリーブ５がワーク上面に当接
するなどして下降を停止すると、ばね８が圧縮されるこ
とで吸引スリーブ５内をドライバビット４が下降し、吸
引スリーブ５に保持されたねじを締付け位置に押し出
し、同時に回転駆動源２が駆動してドライバビット４を
回転させ、ねじをワークに締め付ける。その際、吸引ス
リーブ５に設けられる案内面５ｂによってドライバビッ
ト４は常に軸線垂直な状態を保って下降し、かつ案内面
５ｂに設けられた溝５Ｃによってねじは吸引スリーブ５
においてドライバビット４によって押し出されるまで確
実に保持される。

【０００９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の自動ねじ
締め機のねじ保持機構は、ねじを保持する吸引スリーブ
の内径先端部分をドライバビットの下降方向に向かって
径の大きくなるテーパ面に成形しているため、頭部径の
異なるねじであってもテーパ面の許容する範囲内であれ
ば容易に吸引保持でき、吸引スリーブの取り替え作業を
減らしてねじ締め作業を効率的に行うことが可能となる
とともに、コストも低減することが可能である等の利点
がある。また、吸引スリーブの内径にはドライバビット
に沿う径の案内面を設け、この案内面にエアの通路とな
る溝を成形しているため、ドライバビットを軸線垂直に
案内することが可能であり、併せてドライバビットに押
し出されるまでねじを吸引スリーブに確実に保持するこ
とが可能となる等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動ねじ締め機のねじ保持機構の
概略図である。

【図２】本発明に係る自動ねじ締め機のねじ保持機構の
要部拡大断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】本発明に係る自動ねじ締め機のねじ保持機構の
要部拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 自動ねじ締め機 ２ 回転駆動源 ３ 往復駆動源 ４ ドライバビット ５ 吸引スリーブ ５ａ テーパ面 ５ｂ 案内面 ５ｃ 溝 ６ 吸引装置 ７ ねじ保持機構 ８ 弾性体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転駆動源の駆動により回転可能かつ往復
   駆動源の駆動により往復移動可能なねじ締め工具を設
   け、このねじ締め工具の移動路上においてねじを吸引保
   持する吸引スリーブを配置し、この吸引スリーブの内面
   をねじ締め工具の前進側に向かって径の大きくなるテー
   パ面に成形したことを特徴とする自動ねじ締め機のねじ
   保持機構。
2. 【請求項２】吸引スリーブは、ねじ締め工具を案内する
   案内面を有し、この案内面にはねじを吸引するエアの通
   路となる溝が成形されることを特徴とする請求項１に記
   載の自動ねじ締め機のねじ保持機構。