JPH09149699A - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

交流電動機の制御装置

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JPH09149699A
JPH09149699A JP7300861A JP30086195A JPH09149699A JP H09149699 A JPH09149699 A JP H09149699A JP 7300861 A JP7300861 A JP 7300861A JP 30086195 A JP30086195 A JP 30086195A JP H09149699 A JPH09149699 A JP H09149699A
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宏一 田島
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英俊 海田
Yuji Tetsuya
裕司 鉄谷
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/06Rotor flux based control involving the use of rotor position or rotor speed sensors
    • H02P21/08Indirect field-oriented control; Rotor flux feed-forward control
    • H02P21/09Field phase angle calculation based on rotor voltage equation by adding slip frequency and speed proportional frequency

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Abstract

(57)【要約】 【課題】交流電動機のベクトル制御において、インバー
タの出力の飽和による軸ずれを防止する制御装置を提供
する。 【解決手段】M軸,T軸電流調節器21,22それぞれ
の出力のベクトル和に基づいた更新係数を積分演算更新
係数演算回路23で求め、この更新係数が1以下のとき
には、M軸,T軸電流調節器21,22の積分項に該更
新係数を乗じた値を新たなそれぞれの前記積分項として
誘導電動機3を可変速制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力変換回路に
より駆動される交流電動機をベクトル制御による可変速
制御をする交流電動機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図11は、この種の交流電動機の制御装
置の従来例を示すブロック図である。図11において、
1は例えば商用電源を整流して得られる直流電源、2は
直流電源1の直流電圧(Ed)を所望の交流電圧に変換
する電力変換器としてのインバータ、3は交流電動機と
しての誘導電動機、4はインバータ2から誘導電動機3
に流れる電流を検出する電流検出器、5は誘導電動機3
の回転速度を検出するパルスジェネレータなどによる速
度検出器、10は制御装置である。
【0003】制御装置10は、速度設定器11より設定
される速度設定値(ωr * )と速度検出器5で検出され
た速度実際値(ωr )との偏差を比例・積分演算をして
誘導電動機3のトルク電流設定値すなわちT軸電流設定
値(IT * )を出力する速度調節器12、速度調節器1
2の出力より誘導電動機3のすべり周波数を演算するす
べり周波数演算器13、このすべり周波数と速度実際値
(ωr )との加算値を積分演算して誘導電動機3の回転
角(θ* )を出力する積分演算器14、電流検出器4で
検出された検出値を前記回転角(θ* )に基づく座標変
換をして誘導電動機3の磁界と平行の座標軸(M軸)成
分であるM軸電流実際値(IM )と、このM軸に直交す
る座標軸(T軸)成分であるT軸電流実際値(IT )と
を演算する座標変換回路15、前記T軸電流設定値(I
T * )とT軸電流実際値(IT )との偏差に基づく比例
・積分演算をしてT軸電圧設定値(VT * )を出力する
T軸電流調節器16、誘導電動機3の磁束設定値に基づ
く磁化電流設定値としてのM軸電流設定値(IM * )と
M軸電流実際値(IM )との偏差に基づく比例・積分演
算をしてM軸電圧設定値(VM * )を出力するM軸電流
調節器17、前記T軸電圧設定値(VT * )とM軸電圧
設定値(VM * )と回転角(θ* )とに基づく座標変換
をしてインバータ2を構成する半導体スイッチ素子のゲ
ート信号を生成する座標変換回路18とから構成されて
いる。
【0004】図11のブロック図において、インバータ
2が出力する交流電圧の最大値は、直流電源1の直流電
圧(Ed)によって決まっているため、このEdが低下
すると、インバータ2の出力が飽和して電圧設定値(V
T * ,VM * )通りの前記交流電圧を出力できなくな
る。この状態では、誘導電動機3の電流の実際値
(IT,IM )と電流指令値(IT * ,IM * )とが一
致しなくなり、その結果T軸,M軸電流調節器16,1
7それぞれの積分演算回路の入力となる偏差が0になら
ず定常誤差を持つようになるため、この積分演算回路の
積分演算結果が発散することになる(この現象をワイン
ドアップと称する)。
【0005】上述のワインドアップの対策として、従来
は図12,図13に示すT軸,M軸電流調節器16,1
7の詳細回路構成図のように、T軸,M軸電流調節器1
6,17それぞれの積分回路16c,17cの出力値を
所定の制限値(VTL,VML)以下に制限をするリミッタ
16d,17dをそれぞれ設けている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の技
術ではT軸,M軸電流調節器の積分回路の出力値にそれ
ぞれ所定の制限値(VTL,VML)を設けてワインドアッ
プを防いでいる。この方法の場合、それぞれの電流調節
器の出力であるM軸電圧設定値とT軸電圧設定値とが、
以下に記述するような状態になる恐れがある。
【0007】すなわち、誘導電動機の可変速制御の場
合、M軸を磁界の方向に一致させるため、T軸電圧実際
値(VT )は誘導電動機の誘導起電力と抵抗およびイン
ダクタンスによる電圧降下分の和となるのに対し、M軸
電圧実際値(VM )は抵抗およびインダクタンスによる
電圧降下分のみであるので、一般にVM <<VT の関係
が成り立つ。従って、インバータの入力の直流電圧(E
d)の低下などによりインバータの出力電圧が飽和した
場合、前記ワインドアップによりT軸電流調節器の出力
(VT * )が先に前記制限値に達し、その後はM軸電流
調節器の出力(V M * )の値が発散することになる。こ
のため、前記VT * の大きさに対して、前記VM * の大
きさが本来あるべき比率と異なってしまい、その結果、
この誘導電動機のトルク電流と磁化電流による磁界との
位相角とが直交せず、すなわち軸ずれを生じて、この誘
導電動機の適切な可変速制御が行えなくなる状態が発生
するという問題点があった。
【0008】この発明の目的は交流電動機の制御装置に
おいて、インバータの出力電圧飽和時などでも、T軸,
M軸電流調節器それぞれの積分回路出力が個別に発散し
て前記軸ずれを生じないように、適切にそれぞれの電流
調節器の積分回路出力を制限する手段を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】電力変換回路により駆動
される交流電動機であって、該電動機に流れる電流を座
標変換した該電動機の磁界と平行の座標軸(M軸)成分
と、このM軸に直交する座標軸(T軸)成分とに基づく
ベクトル制御によって該電動機を可変速制御する交流電
動機の制御装置において、この第1の発明は、前記M軸
成分の電流の実際値とM軸電流設定値との偏差に基づく
比例・積分演算を行ってM軸電圧設定値を出力するM軸
電流調節器と、前記T軸成分の電流の実際値とT軸電流
設定値との偏差に基づく比例・積分演算を行ってT軸電
圧設定値を出力するT軸電流調節器と、前記M軸電圧設
定値とT軸電圧設定値のベクトル和を演算し、このベク
トル和と所定の出力電圧制限値とから更新係数を演算
し、この更新係数が1以下の場合には前記M軸及びT軸
電流調節器それぞれの積分演算結果に該更新係数を乗算
した値に該それぞれの積分演算結果を更新させる積分演
算更新係数演算器とを備える。
【0010】また、第2の発明は前記交流電動機の制御
装置において、前記M軸成分の電流の実際値とM軸電流
設定値との偏差に基づく比例・積分演算を行ってM軸電
圧設定値を出力するM軸電流調節器と、前記T軸成分の
電流の実際値とT軸電流設定値との偏差に基づく比例・
積分演算を行ってT軸電圧設定値を出力するT軸電流調
節器と、前記M軸電流調節器の積分演算結果とT軸電流
調節器の積分演算結果とのベクトル和を演算し、このベ
クトル和と所定の出力電圧制限値とから更新係数を演算
し、この更新係数が1以下の場合には前記M軸及びT軸
電流調節器それぞれの積分演算結果に該更新係数を乗算
した値に該それぞれの積分演算結果を更新させる積分演
算更新係数演算器とを備える。
【0011】また、第3の発明は前記交流電動機の制御
装置において、前記M軸成分の電流の実際値とM軸電流
設定値との偏差に基づく比例・積分演算を行ってM軸電
圧指令値を出力するM軸電流調節器と、前記T軸成分の
電流の実際値とT軸電流設定値との偏差に基づく比例・
積分演算を行ってT軸電圧指令値を出力するT軸電流調
節器と、前記M軸成分の電流の実際値とM軸電流設定値
と前記T軸成分の電流の実際値とT軸電流設定値と前記
電動機の等価抵抗値と等価インダクタンス値とにより演
算してM軸電圧補償値及びT軸電圧補償値とを出力する
フィードフォワード補償電圧演算回路と、前記M軸電圧
指令値とM軸電圧補償値とを加算してM軸電圧設定値と
するM軸加算演算器と、前記T軸電圧指令値とT軸電圧
補償値とを加算してT軸電圧設定値とするT軸加算演算
器と、前記M軸電圧指令値とT軸電圧指令値のベクトル
和を演算し、このベクトル和と所定の出力電圧制限値と
から更新係数を演算し、この更新係数が1以下の場合に
は前記M軸及びT軸電流調節器それぞれの積分演算結果
に該更新係数を乗算した値に該それぞれの積分演算結果
を更新させる積分演算更新係数演算器とを備える。
【0012】さらに第4の発明は前記交流電動機の制御
装置において、前記M軸成分の電流の実際値とM軸電流
設定値との偏差に基づく比例・積分演算を行ってM軸電
圧指令値を出力するM軸電流調節器と、前記T軸成分の
電流の実際値とT軸電流設定値との偏差に基づく比例・
積分演算を行ってT軸電圧指令値を出力するT軸電流調
節器と、前記M軸成分の電流の実際値とM軸電流設定値
と前記T軸成分の電流の実際値とT軸電流設定値と前記
電動機の等価抵抗値と等価インダクタンス値とにより演
算してM軸電圧補償値及びT軸電圧補償値とを出力する
フィードフォワード補償電圧演算回路と、前記M軸電圧
指令値とM軸電圧補償値とを加算してM軸電圧設定値と
するM軸加算演算器と、前記T軸電圧指令値とT軸電圧
補償値とを加算してT軸電圧設定値とするT軸加算演算
器と、前記M軸電流調節器の積分演算結果とT軸電流調
節器の積分演算結果とのベクトル和を演算し、このベク
トル和と所定の出力電圧制限値とから更新係数を演算
し、この更新係数が1以下の場合には前記M軸及びT軸
電流調節器それぞれの積分演算結果に該更新係数を乗算
した値に該それぞれの積分演算結果を更新させる積分演
算更新係数演算器とを備える。
【0013】この発明によればT軸,M軸電流調節器の
積分演算値の制限を個別に行う従来の方法に対して、T
軸,M軸電流調節器それぞれの出力のベクトル和または
T軸,M軸電流調節器の積分回路それぞれの出力のベク
トル和に基づいてそれぞれの電流調節器の積分回路の出
力を同時に制限することにより、この制限値になったと
きの先述の軸ずれの発生が防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の第1の実施例
を示す交流電動機の制御装置のブロック図であり、図1
1に示した従来例と同一機能を有するものには同一符号
を付してその説明を省略する。図1において、制御装置
20にはM軸成分の電流の実際値(IM )とM軸電流設
定値(IM * )との偏差に基づく比例・積分演算を行っ
てM軸電圧設定値(V M * )を出力するM軸電流調節器
21と、T軸成分の電流の実際値(IT )とT軸電流設
定値(IT * )との偏差に基づく比例・積分演算を行っ
てT軸電圧設定値(VT * )を出力するT軸電流調節器
22と、前記VM * とVT * のベクトル和を演算し、こ
のベクトル和と所定の出力電圧制限値(VL )とから更
新係数(kACR )を演算し、このkACR が1以下の場合
にはM軸電流調節器21,T軸電流調節器22それぞれ
の積分演算結果に該更新係数(kACR )を乗算した値に
該それぞれの積分演算結果を更新させる積分演算更新係
数演算器23とを備える。
【0015】図2はM軸電流調節器21の詳細回路構成
を示し、式(1)に示す比例・積分演算を行っている。
【0016】
【数1】 VM * =VMP * +VMI * =K1 (IM * −IM )+K1 (IM * −IM )/(T1 ・s)…(1) ここで、K1 は比例ゲイン、T1 は積分時定数を示し、
右辺の第1項は比例項(VMP * )であり、第2項は積分
項(VMI * )である。
【0017】なお、図2におけるVM **は、後述の第
3,第4の実施例のときのM軸電圧指令値であり、VM
* と等価な値である。図3はT軸電流調節器22の詳細
回路構成を示し、式(2)に示す比例・積分演算を行っ
ている。
【0018】
【数2】 VT * =VTP * +VTI * =K2 (IT * −IT )+K2 (IT * −IT )/(T2 ・s)…(2) ここで、K2 は比例ゲイン、T2 は積分時定数を示し、
右辺の第1項は比例項(VTP * )であり、第2項は積分
項(VTI * )である。
【0019】なお、図3におけるVT **は、後述の第
3,第4の実施例のときのT軸電圧指令値であり、VT
* と等価な値である。図4は積分演算更新係数演算器2
3の詳細回路構成を示し、式(3)に示す演算を行って
いる。
【0020】
【数3】 kACR =VL /{(VM * 2 +(VT * 2 1/2 …(3) 図5は、M軸電流調節器21,T軸電流調節器22,積
分演算更新係数演算器23の制御動作を示すフローチャ
ートである。図5において、ステップS1で前記式
(1),式(2)の演算を行い、ステップS2ではステ
ップS1で得られたVM * ,VT * に基づき前記式
(3)の演算を行い、ステップS3ではステップS2で
演算されたkACR が1より大きいときには(ステップS
2,分岐Y)、前記式(1),式(2)の演算結果に基
づいて誘導電動機3を可変速制御する。
【0021】ステップS3でステップS2で演算された
ACR が1以下のときには(ステップS3,分岐N)、
ステップS4に移る。ステップS4では、ステップS1
で得られた積分項に、ステップS2で演算されたkACR
をそれぞれ乗じた値を新たな積分項として誘導電動機3
を可変速制御する。
【0022】図6は、この発明の第2の実施例を示す交
流電動機の制御装置のブロック図であり、図1に示した
この発明の第1の実施例と同一機能を有するものには同
一符号を付してその説明を省略する。すなわち図6にお
いて、制御装置30には、M軸電流調節器21の積分演
算結果(VMI * )とT軸電流調節器22の積分演算結果
(VTI * )とのベクトル和を演算し、このベクトル和と
所定の出力電圧制限値(VL )とから更新係数
(kAC R )を演算し、このkACR が1以下の場合にはM
軸電流調節器21,T軸電流調節器22それぞれの積分
演算結果に該更新係数を乗算した値に該それぞれの積分
演算結果を更新させる積分演算更新係数演算器31とを
備える。
【0023】図7は積分演算更新係数演算器31の詳細
回路構成を示し、式(4)に示す演算を行っている。
【0024】
【数4】 kACR =VL /{(VMI * 2 +(VTI * 2 1/2 …(4) 誘導電動機3のベクトル制御の場合には、インバータ2
の出力の飽和が問題となる領域はインバータ2の出力電
圧の大きいときであり、このときには誘導電動機3の定
格電圧をV0 とすると、VT * /V0 およびVTI * /V
0 はほぼ1であり、VM * /V0 およびVMI * /V0
1よりはるかに小さいので、式(4)は式(5)に示す
如く近似できる。
【0025】
【数5】 VL /{(VMI * 2 +(VTI * 2 1/2 ≒1+(VL /V0 ) −{|VTI * /V0 |+0.5(VMI * /V0 2 } …(5) すなわち、更新係数(kACR )の演算を式(6)によっ
ても近似的に実現することができる。
【0026】
【数6】 kACR =1+(VL /V0 ) −{|VTI * /V0 |+0.5(VMI * /V0 2 } …(6) なお、前記式(5)の近似式は、前記式(3)の近似演
算にも適用できる。図8は、M軸電流調節器21,T軸
電流調節器22,積分演算更新係数演算器31の制御動
作を示すフローチャートである。
【0027】図8において、ステップS11で前記式
(1),式(2)の演算を行い、ステップS12ではス
テップS11で得られたVMI * ,VTI * に基づき前記式
(6)の演算を行い、ステップS13ではステップS1
2で演算されたkACR が1より大きいときには(ステッ
プS13,分岐Y)、前記式(1),式(2)の演算結
果に基づいて誘導電動機3を可変速制御する。
【0028】ステップS13でステップS12で演算さ
れたkACR が1以下のときには(ステップS13,分岐
N)、ステップS14に移る。ステップS14では、ス
テップS11で得られた積分項に、ステップS12で演
算されたkACR をそれぞれ乗じた値を新たな積分項とし
て誘導電動機3を可変速制御する。
【0029】図9は、この発明の第3の実施例を示す交
流電動機の制御装置のブロック図であり、図1に示した
この発明の第1の実施例と同一機能を有するものには同
一符号を付してその説明を省略する。図9においては、
制御装置40には、M軸電圧指令値VM **を出力するM
軸電流調節器21と、T軸電圧指令値VT **を出力する
T軸電流調節器22と、M軸成分の電流の実際値
(IM )とM軸電流設定値(IM * )とT軸成分の電流
の実際値(IT )とT軸電流設定値(IT * )と誘導電
動機3の等価抵抗値と等価インダクタンス値とにより演
算してM軸電圧補償値(VMF * )及びT軸電圧補償値
(VTF * )とを出力するフィードフォワード補償電圧演
算回路41と、M軸電圧指令値(VM **)とM軸電圧補
償値(VMF * )とを加算してM軸電圧設定値(V M *
とするM軸加算演算器42と、T軸電圧指令値
(VM **)とT軸電圧補償値(VTF * )とを加算してT
軸電圧設定値(VT * )とするT軸加算演算器43とを
備えている。
【0030】フィードフォワード補償電圧演算回路41
の動作については、周知の技術であるのでその説明を省
略する。また、M軸電流調節器21,T軸電流調節器2
2,積分演算更新係数演算器23の制御動作は、図5に
示したフローチャートと同じである。図10は、この発
明の第4の実施例を示す交流電動機の制御装置のブロッ
ク図であり、図6に示したこの発明の第2の実施例およ
び図9に示したこの発明の第3の実施例と同一機能を有
するものには同一符号を付してその説明を省略する。
【0031】図10におけるM軸電流調節器21,T軸
電流調節器22,積分演算更新係数演算器31の制御動
作は、図8に示したフローチャートと同一である。
【0032】
【発明の効果】この発明によれば誘導電動機をベクトル
制御によって可変速制御をする際に、制御装置を構成す
るM軸,T軸電流調節器の積分演算の出力制限を、それ
ぞれの電流調節器の出力電圧のベクトル和または前記そ
れぞれの積分演算値のベクトル和に基づいてM軸,T軸
電流調節器それぞれを同時に行うことにより、該電動機
を駆動するインバータの入力の直流電圧が低下して、そ
の結果、インバータの出力が飽和したときの先述の軸ず
れが防止され、この状態でも好適な可変速制御がなさ
れ、また、この電動機の電圧のM軸成分が過大になるこ
とによって発生する該電動機の電流が過電流となる不具
合も防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す交流電動機の制
御装置のブロック図
【図2】図1のM軸電流調節器の詳細回路構成図
【図3】図1のT軸電流調節器の詳細回路構成図
【図4】図1の積分演算更新係数演算回路の構成図
【図5】図1〜図4の動作を説明するフローチャート
【図6】この発明の第2の実施例を示す交流電動機の制
御装置のブロック図
【図7】図6の積分演算更新係数演算回路の構成図
【図8】図6,図7の動作を説明するフローチャート
【図9】この発明の第3の実施例を示す交流電動機の制
御装置のブロック図
【図10】この発明の第4の実施例を示す交流電動機の
制御装置のブロック図
【図11】従来例を示す交流電動機の制御装置のブロッ
ク図
【図12】図11のT軸電流調節器の詳細回路構成図
【図13】図11のM軸電流調節器の詳細回路構成図
【符号の説明】
1…直流電源、2…インバータ、3…誘導電動機、4…
電流検出器、5…速度検出器、10,20,30,4
0,50…制御装置、11…速度設定器、12…速度調
節器、13…すべり周波数演算器、14…積分演算器、
15…座標変換回路、16,22…T軸電流調節器、1
7,21…M軸電流調節器、18…座標変換回路、2
3,31…積分演算更新係数演算回路、41…フィード
フォワード補償電圧演算回路、42…M軸加算演算器、
43…T軸加算演算器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電力変換回路により駆動される交流電動機
    であって、該電動機に流れる電流を座標変換した該電動
    機の磁界と平行の座標軸(M軸)成分と、このM軸に直
    交する座標軸(T軸)成分とに基づくベクトル制御によ
    って該電動機を可変速制御する交流電動機の制御装置に
    おいて、 前記M軸成分の電流の実際値とM軸電流設定値との偏差
    に基づく比例・積分演算を行ってM軸電圧設定値を出力
    するM軸電流調節器と、 前記T軸成分の電流の実際値とT軸電流設定値との偏差
    に基づく比例・積分演算を行ってT軸電圧設定値を出力
    するT軸電流調節器と、 前記M軸電圧設定値とT軸電圧設定値のベクトル和を演
    算し、このベクトル和と所定の出力電圧制限値とから更
    新係数を演算し、この更新係数が1以下の場合には前記
    M軸及びT軸電流調節器それぞれの積分演算結果に該更
    新係数を乗算した値に該それぞれの積分演算結果を更新
    させる積分演算更新係数演算器とを備えたことを特徴と
    する交流電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】電力変換回路により駆動される交流電動機
    であって、該電動機に流れる電流を座標変換した該電動
    機の磁界と平行の座標軸(M軸)成分と、このM軸に直
    交する座標軸(T軸)成分とに基づくベクトル制御によ
    って該電動機を可変速制御する交流電動機の制御装置に
    おいて、 前記M軸成分の電流の実際値とM軸電流設定値との偏差
    に基づく比例・積分演算を行ってM軸電圧設定値を出力
    するM軸電流調節器と、 前記T軸成分の電流の実際値とT軸電流設定値との偏差
    に基づく比例・積分演算を行ってT軸電圧設定値を出力
    するT軸電流調節器と、 前記M軸電流調節器の積分演算結果とT軸電流調節器の
    積分演算結果とのベクトル和を演算し、このベクトル和
    と所定の出力電圧制限値とから更新係数を演算し、この
    更新係数が1以下の場合には前記M軸及びT軸電流調節
    器それぞれの積分演算結果に該更新係数を乗算した値に
    該それぞれの積分演算結果を更新させる積分演算更新係
    数演算器とを備えたことを特徴とする交流電動機の制御
    装置。
  3. 【請求項3】電力変換回路により駆動される交流電動機
    であって、該電動機に流れる電流を座標変換した該電動
    機の磁界と平行の座標軸(M軸)成分と、このM軸に直
    交する座標軸(T軸)成分とに基づくベクトル制御によ
    って該電動機を可変速制御する交流電動機の制御装置に
    おいて、 前記M軸成分の電流の実際値とM軸電流設定値との偏差
    に基づく比例・積分演算を行ってM軸電圧指令値を出力
    するM軸電流調節器と、 前記T軸成分の電流の実際値とT軸電流設定値との偏差
    に基づく比例・積分演算を行ってT軸電圧指令値を出力
    するT軸電流調節器と、 前記M軸成分の電流の実際値とM軸電流設定値と前記T
    軸成分の電流の実際値とT軸電流設定値と前記電動機の
    等価抵抗値と等価インダクタンス値とにより演算してM
    軸電圧補償値及びT軸電圧補償値とを出力するフィード
    フォワード補償電圧演算回路と、 前記M軸電圧指令値とM軸電圧補償値とを加算してM軸
    電圧設定値とするM軸加算演算器と、 前記T軸電圧指令値とT軸電圧補償値とを加算してT軸
    電圧設定値とするT軸加算演算器と、 前記M軸電圧指令値とT軸電圧指令値のベクトル和を演
    算し、このベクトル和と所定の出力電圧制限値とから更
    新係数を演算し、この更新係数が1以下の場合には前記
    M軸及びT軸電流調節器それぞれの積分演算結果に該更
    新係数を乗算した値に該それぞれの積分演算結果を更新
    させる積分演算更新係数演算器とを備えたことを特徴と
    する交流電動機の制御装置。
  4. 【請求項4】電力変換回路により駆動される交流電動機
    であって、該電動機に流れる電流を座標変換した該電動
    機の磁界と平行の座標軸(M軸)成分と、このM軸に直
    交する座標軸(T軸)成分とに基づくベクトル制御によ
    って該電動機を可変速制御する交流電動機の制御装置に
    おいて、 前記M軸成分の電流の実際値とM軸電流設定値との偏差
    に基づく比例・積分演算を行ってM軸電圧指令値を出力
    するM軸電流調節器と、 前記T軸成分の電流の実際値とT軸電流設定値との偏差
    に基づく比例・積分演算を行ってT軸電圧指令値を出力
    するT軸電流調節器と、 前記M軸成分の電流の実際値とM軸電流設定値と前記T
    軸成分の電流の実際値とT軸電流設定値と前記電動機の
    等価抵抗値と等価インダクタンス値とにより演算してM
    軸電圧補償値及びT軸電圧補償値とを出力するフィード
    フォワード補償電圧演算回路と、 前記M軸電圧指令値とM軸電圧補償値とを加算してM軸
    電圧設定値とするM軸加算演算器と、 前記T軸電圧指令値とT軸電圧補償値とを加算してT軸
    電圧設定値とするT軸加算演算器と、 前記M軸電流調節器の積分演算結果とT軸電流調節器の
    積分演算結果とのベクトル和を演算し、このベクトル和
    と所定の出力電圧制限値とから更新係数を演算し、この
    更新係数が1以下の場合には前記M軸及びT軸電流調節
    器それぞれの積分演算結果に該更新係数を乗算した値に
    該それぞれの積分演算結果を更新させる積分演算更新係
    数演算器とを備えたことを特徴とする交流電動機の制御
    装置。
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