JPH09148694A - フレキシブル回路基板 - Google Patents

フレキシブル回路基板

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Publication number
JPH09148694A
JPH09148694A JP30125995A JP30125995A JPH09148694A JP H09148694 A JPH09148694 A JP H09148694A JP 30125995 A JP30125995 A JP 30125995A JP 30125995 A JP30125995 A JP 30125995A JP H09148694 A JPH09148694 A JP H09148694A
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JP
Japan
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film
polyimide film
thickness
circuit board
flexible circuit
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Application number
JP30125995A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Inoue
浩 井上
Takeyuki Matsubara
健之 松原
Hiroshi Yasuno
弘 安野
Takashi Kono
敬 河野
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】半田耐熱、そり、錫メッキの侵食や、実装時の
問題を解決したフレキブル回路基板を提供する。 【構成】ビフェニルテトラカルボン酸成分とパラフェニ
レンジアミン成分とを主要成分として含有し、カ−ル度
がA2〜A0のポリイミドフィルムに導電体が積層さ
れ、さらに半田耐熱性が240℃以上のコ−ト層が形成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主要単位として
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物またはその誘導体
とパラフェニレンジアミンとを含有するポリイミド前駆
体(例えば、芳香族ポリアミック酸)の溶液を使用し
て、溶液流延法によって製膜して得られる、種々の環境
下でも優れた寸法安定性を有する芳香族ポリイミドフィ
ルムに、銅箔を積層した後、回路を形成し、その上に絶
縁性のコ−ト材を塗布した芳香族ポリイミド基板、特に
高密度パタ−ン化や半導体実装時の位置合わせが容易で
ある、フレキシブル回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フレキシブル回路基板は芳香族ポ
リイミドフィルムの片面あるいは両面に直接あるいは接
着剤を介して銅箔等の金属箔層を設け、これからエッチ
ィングにより回路形成し、その上にコ−ト材層を設けた
ものが一般的である。この用途に使用される芳香族ポリ
イミドフィルムは、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性、機械
的強度等の諸特性が要求されることから、ビフェニルテ
トラカルボン酸成分とフェニレンジアミン成分とからな
るポリイミドフィルムが使用され、これは例えば特公昭
60−42817号公報に記載されている。
【0003】しかし、このポリイミドフィルムが使用さ
れる前記分野では、高精度、高生産性の要求が益々厳し
くなり、金属箔(銅箔)とポリイミドフィルムとを接着
剤で積層した積層体の走行安定性、該積層体のカ−ル発
生の問題、リ−ドの歪みが生じることによる位置合わせ
の問題が指摘されている。例えば、高精度の要求の特に
厳しいTAB用途では、スプロケット穴をあけた35m
m幅、70mm幅等のテ−プ状で加工するため、ベ−ス
フィルムであるポリイミドフィルムによっては積層体の
加工時の走行安定性が悪く、最悪の場合、スプロケット
から外れるという問題が発生したり、積層体にカ−ルが
発生し高密度パタ−ン化が難しく、あるいは半導体実装
時に前記の位置合わせが難しいという問題点が指摘され
ている。
【0004】このため、ポリイミドフィルムの寸法安定
性、膨張係数に着目して種々の改良がなされた。例え
ば、特開昭61−264027号公報にはポリイミドフ
ィルムを低張力下に再熱処理して、寸法安定なポリイミ
ドフィルムを製造する方法が記載されている。また、特
開平4−25434号公報には線膨張係数比(送り方向
/直交方向)および送り方向の線膨張係数が特定範囲内
にあり寸法安定性に優れたポリイミドフィルムが記載さ
れている。
【0005】しかし、これらの公知技術では、ポリイミ
ドフィルム自体の寸法精度は高いものの、用途分野の製
造工程での寸法精度も高く、他物品を実装する際の位置
合わせも良好である、という高密度化において求められ
る種々の性能をバランス良く満足するポリイミドフィル
ムを得ることが困難であり、エレクトロニクス業界にお
ける高精度・高生産性・品質の均一性・低コスト化とい
ったニ−ズを満足することは困難である。
【0006】また、フレキシブル回路基板の回路形成後
設けるコ−ト材層としては、エポキシ樹脂や芳香族ポリ
イミドなどが使用されている。しかし、一般にコ−ト剤
用のエポキシ樹脂は硬化剤の併用が必要であり、その硬
化剤に係わる保存安定性、二液調製のための作業性など
の種々の問題があったり、耐熱性に問題があり又、前述
のコ−ト材として使用した場合に、熱硬化によって形成
される絶縁膜が剛直であり柔軟性に欠け、屈曲性に劣る
ためこれを用いて製造したフレキシブル回路基板の実装
時の位置合わせが困難であるとか、液晶などに接続した
後ストレスが掛かってついには剥離してしまい機能しな
くなるという問題があった。
【0007】また、芳香族ポリイミドをコ−ト材として
使用する場合、芳香族ポリイミドが有機溶媒に溶解し難
いために、芳香族ポリイミドの前駆体(芳香族ポリアミ
ック酸)の溶液として使用して、塗布膜を形成し、次い
で乾燥とイミド化とを高温で長時間、加熱処理すること
によって、芳香族ポリイミドのコ−ト材層を形成する必
要があり、保護すべきフレキシブル回路基板自体が熱劣
化するという問題があった。
【0008】一方、有機溶剤に可溶性の芳香族ポリイミ
ドは、例えば、特公昭57−41491号公報に記載さ
れているようにビフェニルテトラカルボン酸とジアミン
化合物とを有機極性溶媒中で重合及びイミド化した芳香
族ポリイミドが知られているが、そのポリイミドはフレ
キシブル基板との密着性(接着性)が充分でないので予
め基板を密着促進剤で処理しておく必要があり、あるい
は有機極性溶媒に溶解するもののこれらの溶媒への溶解
度が通常10〜20重量%程度と小さいためそのままで
は電気絶縁性が不充分であるという問題がある。さら
に、公知の有機溶剤に可溶性の芳香族ポリイミドをコ−
ト材として使用した場合に、この芳香族ポリイミドがか
なり剛直であり柔軟性が不充分で、屈曲性も劣るためこ
れを用いて製造したフレキシブル回路基板の実装時の位
置合わせが困難であるとか、液晶などに接続した後スト
レスが掛かってついには剥離してしまい機能しなくなる
という問題があった。
【0009】すなわち、これら公知のコ−ト材では、エ
レクトロニクス業界における高精度・高生産性・品質の
均一性・低コスト化といったニ−ズを満足することは困
難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、基
板として、特にTAB用途において加工時の走行安定性
が良く、高密度パタ−ン化が可能であり、半導体実装時
の位置合わせが容易なフレキシブル回路基板を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、主
要単位としてビフェニルテトラカルボン酸成分とパラフ
ェニレンジアミン成分とを含有してなり、厚みが12〜
250μmであって下記の条件(1)カ−ル度がA4〜
B1であり、(2)厚みむらを示す厚み傾斜が幅方向1
0mm当たり3μm以下であり、(3)吸水率が1.8
%以下であり、(4)引張弾性率が500Kg/mm2
以上であり、(5)線膨張係数(50〜200℃)が
2.5×10-5cm/cm/℃以下であり、(6)マイ
クロビッカ−ス硬度が30以上である。を満足する芳香
族ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、直接あるい
は接着剤を介して導電体を積層したのち、回路を形成
し、その上に絶縁性のコ−ト材を塗布し加熱乾燥してコ
−ト層を形成してなり、半田耐熱性が240℃以上、そ
り(曲率半径)が25mm以上、錫メッキ液による浸食
が150μm以下であることを特徴とするフレキシブル
回路基板に関するものである。
【0012】この発明においては、主要成分としてビフ
ェニルテトラカルボン酸成分、例えば3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸、酸の二無水物、酸
のエステル化物などの誘導体、好適には3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェ
ニレンジアミン成分とから得られる芳香族ポリイミドフ
ィルムが使用される。
【0013】この発明においては、上記のビフェニルテ
トラカルボン酸成分およびパラフェニレンジアミン成分
の他に、その他の芳香族テトラカルボン酸成分および/
または芳香族ジアミン成分を発明の効果を損なわない範
囲で1種あるいは多種含ませてもよい。併用可能な芳香
族テトラカルボン酸成分としては、ピロメリット酸二無
水物、各種異性体のベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物、各種異性体のナフタレンテトラカルボン酸二無
水物などが挙げられる。併用可能な芳香族ジアミン成分
としては、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニル
プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
【0014】この発明において、芳香族ポリイミドフィ
ルムは、上記各成分からなり、厚みが12〜250、好
ましくは12〜125μmであって下記の条件(1)カ
−ル度がA4〜B1、好ましくはA2〜A0であり、
(2)厚みむらを示す厚み傾斜が幅方向10mm当たり
3μm以下であり、(3)吸水率が1.8%以下であ
り、(4)引張弾性率が500Kg/mm2 以上であ
り、(5)線膨張係数(50〜200℃)が2.5×1
-5cm/cm/℃以下、好ましくは0.5〜2.0-5
cm/cm/℃であり、(6)マイクロビッカ−ス硬度
が30以上である。を満足することが必要である。
【0015】前記各成分からなる芳香族ポリイミドフィ
ルムであっても、上記(1)〜(6)の各条件を満足し
ないと、この発明の目的を達成することが困難である。
すなわち、(1)カ−ル度が前記範囲外であると、支持
基板、特にTAB用途においてテ−プ状での加工時の走
行安定性が悪くなり、スプロケット穴から外れる危険性
が増大する。さらに、銅箔貼り合わせ時のカ−ルが大き
くなり、高密度パタ−ン化および半導体実装時の位置合
わせが容易でなくなる。また、(2)厚みむらが前記範
囲外であると、508mm幅の芳香族ポリイミドフィル
ムを35mm幅にスリットした後に、35mm幅のテ−
プを巻き取る際に、張力が35mm幅のテ−プ14巻毎
でそれぞれで異なったり、35mmテ−プの巻状態が両
サイドで異なったりし、スリット工程でトラブルの原因
となり、生産性が落ちる。また、(3)吸水率および
(5)線膨張係数(50〜200℃)が前記範囲外であ
ると、種々の環境下(高温、エッチング等)においた場
合の寸法安定性が低くなり好ましくない。さらに、
(4)引張弾性率および(6)マイクロビッカ−ス硬度
が前記範囲外であると、ハンドリングが難しく、薄肉化
が困難になる。
【0016】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムは、好適には下記の製法によって製造することができ
る。すなわち、先ず前記ビフェニルテトラカルボン酸類
とパラフェニレンジアミンとをN,N−ジメチルアセト
アミドやN−メチル−2−ピロリドンなどのポリイミド
の製造に通常使用される有機極性溶媒中で、好ましくは
10〜80℃で1〜30時間重合して得られた、好適に
はポリマ−の対数粘度(測定温度:30℃、濃度:0.
5g/100ml溶媒、溶媒:N−メチル−2−ピロリ
ドン)が0.1〜5 、ポリマ−濃度が15〜25重量
%であり、回転粘度(30℃)が500〜4500ポイ
ズであるポリアミック酸(イミド化率:5%以下)溶液
を得る。
【0017】次いで、好適にはポリアミック酸100重
量部に対して0.01〜1重量%の(ポリ)リン酸エス
テルおよび/またはリン酸エステルのアミン塩などのリ
ン含有化合物および、ポリアミック酸100重量部に対
して0.1〜3重量部のコロイダルシリカのような無機
フィラ−(好適には平均粒径0.005〜2μm)を添
加してポリアミック酸溶液組成物を調製する。
【0018】このポリアミック酸溶液組成物を平滑な表
面を有する金属製のドラムまたはベルトなどの支持体表
面に流延して前記溶液の薄膜を形成し、その薄膜を乾燥
する際に、乾燥条件を調整して(キャスティング・乾燥
炉中の入口〜出口を複数にゾ−ン分割して、その好適な
条件は温度:100〜160℃、時間:1〜60分間)
乾燥することにより、固化フィルム中、前記溶媒及び生
成水分からなる揮発分含有量が30〜50重量%、好ま
しくは33〜45重量%であり、イミド化率が10〜6
0%である長尺状固化フィルムを形成し、次いで、上記
長尺状固化フィルムを支持体表面から剥離して固化フィ
ルムを得る。
【0019】次いで、該固化フィルムの幅方向の両端縁
を把持しないで、好適には130〜160℃で、0.5
〜10分間乾燥して乾燥フィルムの揮発分含有量が10
〜40重量%、好ましくは13〜35重量%、イミド化
率が20〜70重量%となるように調整した後、該乾燥
フィルムの幅方向の両端縁を把持した状態で、キュア炉
内で約100℃以上、最高加熱温度:好ましくは400
〜500℃の温度で、1〜50分間該乾燥フィルムを乾
燥およびイミド化して、好適には残揮発物量0.2重量
%以下、イミド化率95%以上とすることによって長尺
状の芳香族ポリイミドフィルムとして製造することがで
きる。
【0020】前記キュアリング工程の後、好適には低張
力下あるいは無張力下に200〜400℃程度の温度で
加熱して応力緩和処理し、巻き取る。
【0021】前記の芳香族ポリイミドフィルムは、好適
には製造時の前記支持体表面上の薄膜(キャストフィル
ム)の固化フィルムの揮発分含有量およびイミド化率を
前記範囲内でコントロ−ルすること、および固化フィル
ムの幅方向の両端縁を把時しないで乾燥して揮発分含有
量およびイミド化率を前記範囲内に調整することによっ
て他の物性を損なうことなく、厚みが12〜250μ
m、好ましくは50〜125μmのものであって、
(1)カ−ル度をA4〜B1、好ましくはA2〜A0と
することができる。最適な乾燥条件はフィルム厚みで異
なったり、乾燥温度およびその温度勾配、乾燥時間、乾
燥空気の風量等の条件で異なる。そこで、ある条件でポ
リイミドフィルムを製造し、そのカ−ル度をまず測定
し、そのカ−ルの面(A、B)、その度合いによって、
好適には温度を変更することによってカ−ル度を変更し
て最適な状態を見出すことができる。また、芳香族ポリ
イミドフィルムは、好適には製造時に揮発分含有量と加
熱条件とを前記の範囲にすることによって、(2)フィ
ルムの厚みむらを示す、厚み傾斜が幅方向10mm当た
り3μm以下にすることができる。
【0022】この発明におけるポリイミドフィルムは、
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレン
ジアミンとを重合する方法によって容易に得ることがで
きるが、ポリアミック酸としては、主要単位がビフェニ
ルテトラカルボン酸類とパラフェニレンジアミンとであ
ればよく、前記各条件を満足する範囲内であればビフェ
ニルテトラカルボン酸類とパラフェニレンジアミンとと
もに他の成分を重合してもよく、また、結合の種類はラ
ンダム重合、ブロック重合のいずれであってもよい。
また、前記条件を満足する限り、主成分がビフェニルテ
トラカルボン酸類とパラフェニレンジアミンとからなる
ポリアミック酸に他のポリアミック酸成分を混合して使
用してもよい。いずれの場合も前記と同様にして目的と
する芳香族ポリイミドフィルムを得ることができる。ま
た、この発明における芳香族ポリイミドフィルムは、上
述の熱イミド化に限定されず、化学イミド化によっても
同様に得ることができる。
【0023】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムは、そのままあるいは巻きぐせが生じている場合は熱
処理して巻きぐせを解消して、そのままあるいは好適に
はプラズマ処理あるいはアミノシラン処理などのそれ自
体公知のフィルム表面活性化処理を施して、熱硬化性接
着剤あるいは好適には熱可塑性ポリイミド樹脂などの熱
可塑性接着剤を介して銅箔などの金属箔と積層する。
【0024】上記芳香族ポリイミドフィルムの上に導電
体層を積層する方法としては、蒸着法、スパッタ法、メ
ッキ法で導電体層を直接積層してもよく、あるいは接着
剤を介して導電体層を積層しても良い。接着剤を介して
導電体層を積層する場合の接着剤は、熱硬化型でも熱可
塑型でも良い。
【0025】この発明における導電体は、銅箔が好まし
い。銅箔は、電解銅箔、圧延銅箔であり、その引張強度
が17Kg/mm2 以上である銅箔が好ましい。銅箔の
厚みは8〜50μmであることが好ましい。
【0026】この発明においては、芳香族ポリイミドフ
ィルム上に直接あるいは接着剤を介して導電体を積層し
たのち、回路を形成する。導電体への回路形成は、芳香
族ポリイミドフィルム上に直接あるいは接着剤を介して
導電体を積層して導電基板を製造した後、その導電体表
面に例えばエッチィングレジストを回路パタ−ン状(配
線パタ−ン状)に印刷して、配線パタ−ンが形成される
部分の導電体の表面を保護するエッチィングレジストの
配線パタ−ンを形成した後、それ自体公知の方法でエッ
チィング液を使用して配線が形成されない部分の導電体
をエッチィングにより除去し、好適にはエッチィングレ
ジストを除去することによって行うことができる。
【0027】この発明においては、前述のように回路を
形成し、その回路板(配線板)の回路パタ−ン(配線パ
タ−ン)上面に絶縁性のコ−ト材を塗布し、加熱乾燥し
てコ−ト層を形成してなる半田耐熱が240℃以上、そ
りが25mm以上、好ましくは100μm以上、錫メッ
キ液による侵食150μm以下であうフレキシブル配線
基板を製造する。
【0028】前記の絶縁性のコ−ト層の形成は、回路パ
タ−ン上面に直接あるいはシランカップリング剤のよう
な表面処理剤で処理した後、コ−ト材(液状物)を回転
塗布機械、ディスペンサ−又は印刷機などを使用する塗
布方法で均一な厚さ、好適には1〜100μmの厚さに
塗布し、加熱乾燥(好適には50〜180℃、約1〜1
50分間、常圧あるいは減圧下)して行うことができ
る。この発明においてコ−ト層は厚さが5〜50μmで
あることが好ましい。
【0029】この発明における絶縁性のコ−ト材として
は、好適には以下に示されるポリイミドシロキサン組成
物を挙げることができる。すなわち、有機極性溶媒に
(a)下記一般式(1)、(2)および(3)で表され
る有機極性溶媒可溶性のポリイミドシロキサン100重
量部、(b)エポキシ樹脂1〜50重量部、および
(c)2〜150重量部の平均粒子径0.1〜20μm
の無機粒子、特にその粒子が偏平状で平均粒子径が1〜
3μmのタルクを含有させたポリイミドシロキサンの組
成物が挙げられる。
【0030】
【化1】
【0031】
【化2】
【0032】
【化3】 (ただし、式中のR1 は芳香族テトラカルボン酸からテ
トラカルボン酸を除く4価の残基を示し、R4 は芳香族
ジアミン化合物からアミノ基を除く2価の残基を示し、
1 は3〜30の整数を示し、R2 は2価の炭化水素基
又はフェニル基を示し、R3 は独立に炭素数1〜3のア
ルキル基またはフェニル基を示し、xは直接結合又は下
記一般式(4)で示される基で、r1 は水酸基又はカル
ボキシル基を、n2 は1又は2の整数を、n3 は0〜3
の整数を示し、R5 、R6 は水素、メチル基を示し、m
1 、m2 及びm3 の割合が各成分合計100モル%中m
1が45〜80モル%、m2 が0.5〜40モル%及び
3 が残部である。)
【0033】
【化4】
【0034】前記のポリイミドシロキサン組成物におい
て、有機極性溶媒としてはN,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチル
エ−テル(ジグライム)、トリメチルエ−テル(トリグ
ライム)などの沸点が140℃以上、特に沸点が180
℃以上の有機溶媒が使用され、ポリイミドシロキサンは
対数粘度(測定濃度:0.5g/100ミリリットル、
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン、測定温度:30
℃)が0.1〜2であるものが好ましく、エポキシ樹脂
としてはエポキシ当量が100〜1000程度であるビ
スフェノ−ルA型、ビスフェノ−ルF型のエポキシ樹脂
や、3官能以上のエポキシ樹脂が挙げられる。また、前
記のポリイミドシロキサン組成物中の固形分濃度は10
〜60重量%であるものが好適であり、増粘度成分とし
てアエロジル等を含有させてもよい。
【0035】
【実施例】以下にこの発明の実施例を示す。以下の各例
において、ポリイミドフィルムの物性、フレキシブル回
路基板の物性測定は以下の方法によって行った。
【0036】カ−ル度測定:86mmφのサンプルを採
取し、各サンプルを除電処理した後、最大カ−ル位置を
カ−ル測定台に対して水平にして最大カ−ル長さ(m
m)を測定する。数値は少数点1桁を四捨五入し整数で
表示する。数値が小さい程カ−ルが少ない。また、カ−
ル面(凹面側)をA面・B面で表示し、最大カ−ル長さ
とともに表示する。なお、A面は流延した支持体面の反
対側の面を、B面は支持体面と接する側の面を意味す
る。ポリイミドフィルムとしては、A面カ−ルの方がB
面カ−ルよりも高精度の要求される分野で好適である。
【0037】厚み傾斜の測定:安立電気株式会社製の電
子マイクロメ−タ−を用いて、フィルムの幅方向の厚み
プロフィルを測定し、フィルム10mm幅当たりの最大
厚み傾斜を求める。
【0038】 吸水率測定:ASTM D570−63に従って測定
(23℃×24時間) 引張強度測定:ASTM D882−64Tに従って測
定(MD:長手方向) 引張弾性率測定:ASTM D882−64Tに従って
測定(MD) 線膨張係数(50〜200℃)測定:300℃で30分
加熱して応力緩和したサンプルをTMA装置(引張りモ
−ド、2g荷重、試料長10mm、20℃/分)で測定
【0039】イミド化率測定:FI−IR(ATR法)
により、1780cm-1と1510cm-1の吸光度の比
から求めた。測定はフィルムのA面について行った。
【0040】マイクロビッカ−ス硬度:島津ダイナミッ
ク超微小硬度計(島津製作所製:DUH−200 を使
用して、三角錐圧子(115°)、試験荷重0.5g、
負荷速度2 で測定した。)
【0041】寸法変化率:導電体層を積層したポリイミ
ドフィルム(銅張板)の上にA、Bの2点を刻印し、こ
の間隔A、Bの長さを測定した。さらに、常法に従いこ
の銅張板を全面エッチィング−水洗−乾燥工程を経た
後、上記のA、B間の距離を測定し、以下の式を用いて
寸法変化率を求めた。この値が小さいほど寸法の変化が
小さく寸法精度がよい。 寸法変化率=〔(L0 −L)/L0 〕×100(%) L0 :エッチィング前のA、B間の長さ L :エッチィング後のA、B間の長さ
【0042】半田耐熱(耐ハンダ性テスト):厚さ35
μmの電解銅箔の光沢面に厚さ50μmのポリイミド製
スペ−サ−をのせ、コ−ト材:ポリイミドシロキサン組
成物を流延し、80℃で30分、160℃で60分加熱
乾燥を行い、ポリイミドシロキサンコ−ト材層を形成す
る。ポリイミドシロキサンコ−ト材層を形成した銅箔を
3×3cmに切断し、コ−ト材層上にロジン系フラック
ス(サンワ化学工業製:SUNFLUX SF−27
0)を塗布した後、240℃及び260℃の溶融半田浴
に30秒間コ−ト材層の面を接触させ、冷却後、コ−ト
材層面のふくれの有無を観察した。全くふくれなしの温
度を半田耐熱温度として示す。
【0043】そり(曲率半径):最も大きいそりを生じ
る、導電体を除く部分についてJIS−C−5012に
準じて曲率半径を測定した。 錫メッキ液による侵食(錫メッキ液潜り込み):フレキ
シブル回路基板をメッキ液に浸漬後、コ−ト材と導電体
界面でのメッキ液の潜り込みの程度を測定した。メッキ
液はシプレ−ファイ−スト株式会社の無電解錫メッキ液
(商品名ティレポジット LT−34)を用い、指定条
件で浸漬した際の錫メッキ液の潜り量(mm)で示す。
【0044】揮発物含有量測定:下記式により求めた。 揮発物含有量=〔(A−B)/A〕×100 A:加熱前のフィルム重量 B:420℃、20分加熱後のフィルム重量
【0045】残揮発物量測定:下記式により求めた。 残揮発物量=〔(C−D)/C〕×100 C:150℃×10分乾燥後の重量 D:450℃×20分乾燥後の重量
【0046】実施例1 ポリイミドフィルムの製造 内容積100リットルの重合槽に、N,N−ジメチルア
セトアミド54.6kgを加え、次いで3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.826
kgとパラフェニレンジアミン3.243kgとを加
え、30℃で10時間重合反応させてポリマ−の対数粘
度(測定温度:30℃、濃度:0.5g/100ml溶
媒、溶媒:N,N−ジメチルアセトアミド)が1.6
0、ポリマ−濃度が18重量%であるポリアミック酸
(イミド化率:5%以下)溶液を得た。このポリアミッ
ク酸溶液に、ポリアミック酸100重量部に対して0.
1重量部の割合でモノステアリルリン酸エステルトリエ
タノ−ルアミン塩および0.5重量部の割合(固形分基
準)で平均粒径0.08μmのコロイダルシリカを添加
して均一に混合してポリアミック酸溶液組成物を得た。
このポリアミック酸溶液組成物の回転粘度は3000ポ
イズであった。このポリアミック酸組成物をTダイ金型
のスリットから連続的に、キャスティング・乾燥炉(入
り口〜出口を複数ゾ−ンに分割)の平滑な支持体に押出
して前記溶液の薄膜を形成し、その薄膜を乾燥する際の
乾燥条件を調整して(各ゾ−ンの平均温度:138℃、
最終ゾ−ンの温度:142℃、滞留時間:15分間)乾
燥することにより、固化フィルムの平均値として前記溶
媒及び生成水分からなる揮発分含有量が39重量%であ
り、イミド化率が29%である長尺状固化フィルムを形
成した。次いで、上記長尺状固化フィルムを支持体表面
から剥離し、該固化フィルムの幅方向の両端縁を把持し
ないで加熱炉(平均温度:145℃)内を滞留時間:2
分間加熱して、揮発分含有量が29重量%、イミド化率
が32%である乾燥フィルムを形成した。
【0047】次いで、該乾燥フィルムの幅方向の両端縁
を把持した状態で、キュア炉(入口温度:140℃、最
高温度:480℃、出口温度:150℃)内を、滞留時
間:15分間で、該乾燥フィルムを乾燥およびイミド化
して、厚み75μm、残揮発物量0.26重量% 、イ
ミド化率95%以上の長尺状の芳香族ポリイミドフィル
ムを連続的に製造した。次に、上記の芳香族ポリイミド
フィルムをフィルム長手方向に80g/mm2の張力を
加えた状態で高温縦型加熱炉内に供給し、該高温縦型加
熱炉内で300℃の加熱温度で3分間加熱して応力緩和
処理を行った。上述の芳香族ポリイミドフィルムの物性
を表1に示す。
【0048】コ−ト材としてのポリイミドシロキサンの
溶液組成物の製造 容量20リットルのガラス製フラスコに、2,3,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29
4.22g、トリグライム700gを仕込み、室温で攪
拌しながら溶解した後、α,ω−ビス(3−アミノプロ
ピル)ポリジメチルシロキサン(信越シリコン製、X−
22−161AS、n=9)605.30gとトリグラ
イム185gを加えて均一に溶解させ、窒素雰囲気下
に、185℃に加熱してこの温度を維持しながら4時間
重合した。次いで反応液を室温に戻して攪拌しながら
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン62.20gと3,5−ジアミノ安息香酸
23.05g及びトリグライム509gを加えた後、反
応温度を185℃にあげて更に4時間反応させてポリイ
ミドシロキサン溶液を製造した。このポリイミドシロキ
サンは濃度が40.5重量%、溶液粘度が21ポイズで
あった。又、このポリイミドシロキサンは、対数粘度が
0.23であり、イミド化率が実質的に100%であっ
た。このポリイミドシロキサン溶液100g、エポキシ
樹脂(油化シェル社製、エピコ−ト157−70)7.
20gとタルク21.4g(日本タルク社製、ミクロエ
−スP−3、平均粒子径1.8μm)とを仕込み、室温
(25℃)で、2時間攪拌して、均一に溶解・分散させ
たポリイミドシロキサンの組成物(溶液粘度:180ポ
イズ)を得た。
【0049】上記のポリイミドフィルムをスリットし、
35mm幅のテ−プを作製し、その上に26mm幅のポ
リイミド系接着剤テ−プ(厚み20μm、熱硬化型)を
ポリイミドテ−プ(支持体面)の中央に120℃でラミ
ネ−トし、接着剤付きポリイミドテ−プを作製した。こ
の接着剤付きポリイミドテ−プにスプロケット穴やデバ
イスホ−ルをパンチングで開け、電解銅箔(35μm、
引張強度40Kg/mm2 )を130℃で張り合わせ、
接着剤を100℃で2時間、120℃で1時間、180
℃で6時間加熱して接着剤を硬化させた。続いて、この
銅張板に、常法に従いパタ−ニングを行い、次にエッチ
ング、水洗・乾燥工程を経た後、前記のポリイミドシロ
キサンの組成物をコ−ト材として塗布・乾燥して、ポリ
イミドシロキサンからなる柔軟なコ−ト層(厚さ30μ
m)が形成されたフレキシブル回路基板を製造した。こ
のフレキシブル回路基板についての評価結果を表1に示
す。
【0050】実施例2 実施例1に記載の方法と同様にして製造したポリアミッ
ク酸溶液組成物をTダイ金型のスリットからの押出量を
変えて連続的に、キャスティング・乾燥炉の平滑な支持
体に押出して前記溶液の薄膜を形成し、その薄膜を乾燥
して(各ゾ−ンの平均温度:140℃、最終ゾ−ンの温
度:150℃、滞留時間:10分間)乾燥することによ
り、固化フィルムの平均値として前記溶媒及び生成水分
からなる揮発分含有量が40重量%であり、イミド化率
が24%である長尺状固化フィルムを形成した。次い
で、上記長尺状固化フィルムを支持体表面から剥離し、
該固化フィルムの幅方向の両端縁を把持しないで加熱炉
(平均温度:140℃)内を滞留時間:2分間加熱して
乾燥フィルムの揮発分含有量が27重量%、イミド化率
が31%となるように加熱・乾燥した。
【0051】次いで、該乾燥フィルムの幅方向の両端縁
を把持した状態で、キュア炉(入口温度:110℃、最
高温度:480℃、出口温度:150℃)内を、滞留時
間:10分間で、該乾燥フィルムを乾燥およびイミド化
して、厚み50μm、残揮発物量0.17重量%、イミ
ド化率95%以上の長尺状の芳香族ポリイミドフィルム
を連続的に製造した。次いで、実施例1に記載の条件で
応力緩和処理を行った。上述の芳香族ポリイミドフィル
ムの物性を表1に示す。このポリイミドフィルムを使用
した以外は実施例1と同様に実施してフレキシブル回路
基板を得た。結果をまとめて表1に示す。
【0052】実施例3 実施例1に記載の方法と同様にして製造したポリアミッ
ク酸溶液組成物をTダイ金型のスリットからの押出量を
変えて連続的に、キャスティング・乾燥炉の平滑な支持
体に押出して前記溶液の薄膜を形成し、その薄膜を乾燥
して(各ゾ−ンの平均温度:134℃、最終ゾ−ンの温
度:138℃、滞留時間:30分間)乾燥することによ
り、固化フィルムの平均値として前記溶媒及び生成水分
からなる揮発分含有量が37重量%であり、イミド化率
が30%である長尺状固化フィルムを形成した。
【0053】次いで、上記長尺状固化フィルムを支持体
表面から剥離し、該固化フィルムの幅方向の両端縁を把
持しないで加熱炉(平均温度:120℃)内を滞留時
間:5分間加熱して乾燥フィルムの揮発分含有量が33
重量%、イミド化率が32%となるように加熱・乾燥し
た。次いで、該乾燥フィルムの幅方向の両端縁を把持し
た状態で、キュア炉(入口温度:140℃、最高温度:
480℃、出口温度:150℃)内を、滞留時間:30
分間で、該乾燥フィルムを乾燥およびイミド化して、厚
み125μm、残揮発物量0.51重量%、イミド化率
95%以上の長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを連続
的に製造した。次いで、実施例1に記載の条件で応力緩
和処理を行った。上述の芳香族ポリイミドフィルムの物
性を表1に示す。このポリイミドフィルムを使用した以
外は実施例1と同様に実施してフレキシブル回路基板を
得た。結果をまとめて表1に示す。
【0054】実施例4 実施例1に記載の方法と同様にして製造したポリアミッ
ク酸溶液組成物をTダイ金型のスリットからの押出量を
変えて連続的に、キャスティング・乾燥炉の平滑な支持
体に押出して前記溶液の薄膜を形成し、その薄膜を乾燥
して(各ゾ−ンの平均温度:138℃、最終ゾ−ンの温
度:140℃、滞留時間:15分間)乾燥することによ
り、固化フィルムの平均値として前記溶媒及び生成水分
からなる揮発分含有量が41重量%であり、イミド化率
が27%である長尺状固化フィルムを形成した。
【0055】次いで、上記長尺状固化フィルムを支持体
表面から剥離し、該固化フィルムの幅方向の両端縁を把
持しないで加熱炉(平均温度:145℃)内を滞留時
間:2分間加熱して乾燥フィルムの揮発分含有量が31
重量%、イミド化率が31%となるように加熱・乾燥し
た。次いで、該乾燥フィルムの幅方向の両端縁を把持し
た状態で、キュア炉(入口温度:140℃、最高温度:
480℃、出口温度:150℃)内を、滞留時間:15
分間で、該乾燥フィルムを乾燥およびイミド化して、厚
み75μm、残揮発物量0.30重量%、イミド化率9
5%以上の長尺状の芳香族ポリイミドフィルムを連続的
に製造した。次いで、実施例1に記載の条件で応力緩和
処理を行った。上述の芳香族ポリイミドフィルムの物性
を表1に示す。このポリイミドフィルムを使用した以外
は実施例1と同様に実施してフレキシブル回路基板を得
た。結果をまとめて表1に示す。
【0056】実施例5 N,N−ジメチルアセトアミド53.6kg、パラフェ
ニレンジアミン2.27kg、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエ−テル1.802kg、3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物4.413kg、
ピロメリット酸二無水物3.272kgにした他は実施
例1と同様に重合し、ポリアミック酸の溶液(回転粘
度:1400ポイズ、18重量%)を得た。ポリアミッ
ク酸溶液組成物のTダイ金型のスリットからの押出量を
変えて連続的にキャスティング、乾燥炉の平滑な支持体
に押出して前記溶液の薄膜を形成して(各ゾ−ンの平均
温度:138℃、最終ゾ−ンの温度:140℃、滞留時
間:10分間)乾燥することにより、固化フィルムの前
記溶媒及び生成水分からなる揮発分含有量が40重量%
であり、イミド化率が25%である長尺状固化フィルム
を形成した。次いで、上記長尺状固化フィルムを支持体
表面から剥離し、該固化フィルムの幅方向の両端縁を把
持しないで加熱炉(平均温度:140℃)内を滞留時
間:2分間で、加熱して乾燥フィルムの揮発分含有量が
31重量%、イミド化率が29%となるように加熱・乾
燥した。
【0057】次いで、該乾燥フィルムの幅方向の両端縁
を把持した状態で、キュア炉内での加熱条件を変えて
(入口温度:140℃、最高温度:440℃、出口温
度:150℃、滞留時間:10分間)、該乾燥フィルム
を乾燥およびイミド化して、厚み50μm、残揮発物量
0.18重量%、イミド化率95%以上の長尺状の芳香
族ポリイミドフィルムを連続的に製造した。次いで、実
施例1に記載の条件で応力緩和処理を行った。上述の芳
香族ポリイミドフィルムの物性を表1に示す。このポリ
イミドフィルムを使用した以外は実施例1と同様に実施
してフレキシブル回路基板を得た。結果をまとめて表1
に示す。
【0058】実施例6 実施例1におけるコ−ト材用のポリイミドシロキサンの
組成物を製造する際のタルクの量を21.4gから10
0gに変えた他は実施例1と同様に実施した。このコ−
ト材を使用した以外は実施例1と同様に実施してフレキ
シブル回路基板を得た。結果をまとめて表1に示す。
【0059】実施例7 銅箔として、圧延銅箔(18μm、引張強度39Kg/
mm2 )を用いた他は実施例1と同様に実施してフレキ
シブル回路基板を得た。結果をまとめて表1に示す。
【0060】実施例8(2層) 実施例1で製造した長尺状の芳香族ポリイミドフィルム
の片面をヒドラジン水和物水溶液中に25℃で30秒間
浸漬し、次いで無電解メッキ用触媒付与剤による前処理
・水洗後、奥野製薬社製の処理剤(カッパ−LP)でポ
リイミドフィルムの表面に1μmの銅被膜を形成した
(60℃、10分)。さらにこの上に硫酸銅浴により銅
電解メッキ層10μmの厚さに形成、金属膜付きポリイ
ミドフィルムを得た。この金属膜付きポリイミドフィル
ムを使用した以外は、実施例1と同様に実施しフレキシ
ブル回路基板を得た。結果をまとめて表1に示す。
【0061】比較例1 実施例1に記載の方法と同様にして製造したポリアミッ
ク酸溶液組成物を、キャスティング・乾燥炉の平滑な支
持体に押出して前記溶液の薄膜を形成し、その薄膜を乾
燥する条件を、各ゾ−ンの平均温度:142℃、最終ゾ
−ンの温度:145℃、滞留時間:15分間 で乾燥し
て長尺状固化フィルムを得た。この長尺状固化フィルム
は平均値として前記溶媒及び生成水分からなる揮発分含
有量が34重量%であり、イミド化率が34%であっ
た。次いで、この長尺状固化フィルムを支持体表面から
剥離し、該固化フィルムの幅方向の両端縁を把持して加
熱炉(平均温度:145℃)内を滞留時間:2分間加熱
・乾燥した。このフィルムの揮発分含有量は26重量
%、イミド化率が35%であった。
【0062】次いで、該乾燥フィルムの幅方向の両端縁
を把持した状態で、キュア炉(入口温度:140℃、最
高温度:480℃、出口温度:150℃)内を、滞留時
間:15分間で、該乾燥フィルムを乾燥およびイミド化
して、厚み75μm、残揮発物量0.25重量%、イミ
ド化率95%以上の長尺状の芳香族ポリイミドフィルム
を製造した。次いで、実施例1に記載の条件で応力緩和
処理を行った。上述の芳香族ポリイミドフィルムの物性
を表1に示す。このポリイミドフィルムを使用した以外
は実施例1と同様に実施してフレキシブル回路基板を得
た。結果をまとめて表1に示す。
【0063】比較例2 実施例1に記載の方法と同様にして製造したポリアミッ
ク酸溶液組成物を、キャスティング・乾燥炉の平滑な支
持体に押出して前記溶液の薄膜を形成し、その薄膜を乾
燥する条件を変え(各ゾ−ンの平均温度:135℃、最
終ゾ−ンの温度:140℃、滞留時間:15分間)て乾
燥することにより、固化フィルムの前記溶媒及び生成水
分からなる揮発分含有量が42重量%であり、イミド化
率が26%である長尺状固化フィルムを形成した。次い
で、上記長尺状固化フィルムを支持体表面から剥離し、
該固化フィルムの幅方向の両端縁を把持して加熱炉(平
均温度:145℃)内を滞留時間:2分間で加熱して乾
燥フィルムの揮発分含有量が33重量%、イミド化率が
30%となるように加熱・乾燥した。次いで、該乾燥フ
ィルムの幅方向の両端縁を把持した状態で、キュア炉
(入口温度:140℃、最高温度:480℃、出口温
度:150℃)内を、滞留時間:15分間で、該乾燥フ
ィルムを乾燥およびイミド化して、厚み75μm、残揮
発物量0.30重量%、イミド化率95%以上の長尺状
の芳香族ポリイミドフィルムを製造した。次いで、実施
例1に記載の条件で応力緩和処理を行った。上述の芳香
族ポリイミドフィルムの物性を表1に示す。このポリイ
ミドフィルムを使用した以外は実施例1と同様に実施し
てフレキシブル回路基板を得た。結果をまとめて表1に
示す。
【0064】比較例3 ジアミンとして、パラフェニレンジアミンに代えて4,
4’−ジアミノジフェニルエ−テル6.007Kgを、
溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドの量を54.
6Kgから67.6Kgに変えた他は比較例1と同様に
実施して、厚み75μm、残揮発物量0.61重量%、
イミド化率95%以上の長尺状の芳香族ポリイミドフィ
ルムを連続的に製造した。次いで、実施例1に記載の条
件で応力緩和処理を行った。上述の芳香族ポリイミドフ
ィルムの物性を表1に示す。このポリイミドフィルムを
使用した以外は実施例1と同様に実施してフレキシブル
回路基板を得た。結果をまとめて表1に示す。
【0065】比較例4 容量20リットルのガラス製フラスコに、2,3,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29
4.22g、N−メチル−2−ピロリドン700gを仕
込み、室温で攪拌しながら溶解させた後、α,ω−ビス
(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(信越
シリコン製、X−22−161AS、n=9)264.
0gとN−メチル−2−ピロリドン185gを加えて均
一に溶解させ、窒素雰囲気下に、185℃に加熱してこ
の温度を維持しながら4時間重合した。次いで反応液を
室温に戻して攪拌しながら2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン225.6gと
3,5−ジアミノ安息香酸22.82g及びN−メチル
−2−ピロリドン509gを加えた後、反応温度を18
5℃にあげて更に4時間反応させてポリイミドシロキサ
ン溶液を製造した。このポリイミドシロキサン溶液はポ
リイミドシロキサン濃度が38.6重量%、溶液粘度が
35ポイズであった。又、このようにして得られたポリ
イミドシロキサンンハ、対数粘度が0.25であり、イ
ミド化率が実質的に100%であった。このポリイミド
シロキサンを用いて、実施例1に記載の方法と同様にし
てコ−ト材としてのポリイミドシロキサン組成物(溶液
粘度210ポイズ)を得た。このポリイミドシロキサン
組成部をコ−ト材として使用した以外は実施例1と同様
に実施してフレキシブル回路基板を得た。結果をまとめ
て表1に示す。
【0066】テ−プ状での走行安定性評価 実施例1〜8、比較例1〜4において、工程中得られた
接着剤付きポリイミドテ−プのポリイミド上にスプロケ
ット穴やデバイスホ−ルをパンチングで開け、銅箔(3
5μm)を130℃、2kg/cm2 、ロ−ルラメネ−
ト(約1秒間)した。その銅箔にパタ−ンニング・エッ
チングによりインナ−リ−ドやアウタ−リ−ド等の回路
を形成してTAB用キャリアテ−プを作製した。実施例
8については、金属はく付きポリイミドフィルムを用い
その金属膜にパタ−ンニング・エッチィングにより同様
にしてTABキャリアテ−プを作製した。このTAB用
キャリアテ−プを用いて、以下のようにして評価した。 走行安定性の評価 テ−プにカ−ルがあるとテ−プ走行中に、スプロケット
穴から外れたり、逆にテ−プの走行方向を変える時に歯
車がスプロケット穴から外れなかったりの問題が生じ
る。走行中にスプロケット穴から外れたり、逆に外れな
かったりする状態がある場合は不良、そのような問題が
ない場合は良好とした。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に記載のような効果を奏する。
【0069】この発明のフレキシブル回路基板は、基板
フィルムがスプロケット穴から外れにくく加工時の走行
安定性が良く、高密度パタ−ン化が可能であり、半導体
実装時の位置合わせが容易である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 敬 山口県宇部市大字小串1978番地の10 宇部 産株式会社宇部ケミカル工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主要単位としてビフェニルテトラカルボン
    酸成分とパラフェニレンジアミン成分とを含有してな
    り、厚みが12〜250μmであって下記の条件 (1)カ−ル度がA4〜B1であり、 (2)厚みむらを示す厚み傾斜が幅方向10mm当たり
    3μm以下であり、 (3)吸水率が1.8%以下であり、 (4)引張弾性率が500Kg/mm2 以上であり、 (5)線膨張係数(50〜200℃)が2.5×10-5
    cm/cm/℃以下であり、 (6)マイクロビッカ−ス硬度が30以上である。を満
    足する芳香族ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、
    直接あるいは接着剤を介して導電体を積層したのち、回
    路を形成し、その上に絶縁性のコ−ト材を塗布し加熱乾
    燥してコ−ト層を形成してなり、半田耐熱性が240℃
    以上、そり(曲率半径)が25mm以上、錫メッキ液に
    よる浸食が150μm以下であることを特徴とするフレ
    キシブル回路基板。
  2. 【請求項2】導電体が引張強度17Kg/mm2 以上の
    銅箔である請求項1記載のフレキシブル回路基板。
  3. 【請求項3】コ−ト層がポリマ−成分としてポリイミド
    シロキサン系からなる請求項1記載のフレキシブル回路
    基板。
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