JPH09148297A - 基板の乾燥方法およびこれを用いる乾燥装置およびこれを用いる半導体装置の製造方法 - Google Patents

基板の乾燥方法およびこれを用いる乾燥装置およびこれを用いる半導体装置の製造方法

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JPH09148297A
JPH09148297A JP30603795A JP30603795A JPH09148297A JP H09148297 A JPH09148297 A JP H09148297A JP 30603795 A JP30603795 A JP 30603795A JP 30603795 A JP30603795 A JP 30603795A JP H09148297 A JPH09148297 A JP H09148297A
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substrate
solvent
drying
water
cleaning
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JP30603795A
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Hiroshi Kikuchi
廣 菊池
Megumi Hamano
恵 浜野
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板を一枚づつ処理するのに好適で、高い乾燥
能力を有するととも、引火や爆発の危険の少ない乾燥方
法を提供する。 【解決手段】沸点が水よりも高い溶剤であって、かつ、
水を溶解するまたは水に溶解されることにより溶液を形
成する溶剤4を、水に濡れた基板2上に供給することに
より、基板2上の水を溶液に置換し、基板2上の溶液に
加熱装置11から熱エネルギーを供給することにより、
溶液中の水を優先的に蒸発させながら前記溶液を蒸発さ
せる乾燥方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体や液晶ディス
プレイ等の多層薄膜加工製品、なかでも半導体製品やそ
の他の電子デバイス製品の製造プロセスで多用される洗
浄工程での仕上げに不可欠な、基板の乾燥方法に関する
ものである。また、この基板の乾燥方法を用いる半導体
装置の製造方法に関する。さらに、この基板の乾燥方法
を用いる乾燥装置、ならびに、洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路や液晶ディスプレイ等の
多層薄膜加工製品の製造プロセスでは、成膜、ホトリソ
グラフィー、エッチング等の加工を繰り返すことによ
り、微小な加工寸法の製品を製造する。こうした製造プ
ロセスでは、基板に付着する微小異物が製品の欠陥の原
因となるため、工程中に異物粒子を除去するための洗浄
工程を加えるのが一般的である。
【0003】一般的な洗浄工程としては、アルカリ性の
薬液中で基板表面を軽くエッチングして基板に付着した
異物粒子を化学的に除去するか、超音波、ブラシ、高圧
ジェットといった機械的な力を付着粒子に及ぼして粒子
を除去する手法が用いられる。
【0004】かかる洗浄工程の特徴は、溶液もしくは純
水が洗浄に不可欠な媒体として使用されることである。
そのため、当業者間ではよく知られているように、洗浄
後の基板を次の工程に投入するためには、濡れた基板を
精密に乾燥する作業が極めて重要である。
【0005】このような精密な乾燥作業では、乾燥後の
基板表面に水しみ状の乾燥異物が残留してはならない。
さらに、乾燥途中で基板表面の酸化等の反応が不均一に
進行することも避けなければならない。このような乾燥
時の異常は、ウォータマークと総称されており、ウォー
タマークを残さず乾燥することが、精密な乾燥作業の必
須の条件となっている。
【0006】精密な乾燥を実現するための手段として
は、IPA(イソプロピルアルコール)の蒸気を利用し
たIPAベーパ乾燥が有効であることが当該業者によく
知られている。IPAベーパ乾燥の具体例は特開昭62
ー98623、特開昭62ー245639、特開平1ー
135025などに開示されている。
【0007】実用的なIPAベーパ乾燥は、具体的に
は、沸騰したIPAの液面上にIPAの蒸気溜めを設け
て、このなかに水に濡れた基板を挿入する。すると、基
板上に凝縮したIPAは水を置換しながら、基板上に薄
いIPA層を形成する。この水からIPAへの置換を、
基板上から水がなくなるまで行う。そして、水がなくな
るまでった基板を加熱してIPAを蒸発させることによ
り、ウォータマークがなく、清浄な乾燥基板を得ること
ができるのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のIPAベーパ乾燥は、精密な乾燥方法として利用でき
るが、実際に製品の製造工程でどのような乾燥方法を用
いるかの判断は、乾燥方法の性能だけではなく、その乾
燥方法を採用することによるプロセスの制約や、安全
性、装置の投資負担、生産性等の幅広い観点から行う必
要がある。
【0009】例えば、単位時間当りの生産能力は、生産
性を判断する重要な指標である。IPAベーパ乾燥は、
一枚の基板を乾燥させるのに、数分から数10分程度の
時間を要する。そのため、基板を一枚ずつ順に乾燥させ
ていく枚葉処理を行う工程にすると著しく生産性が低下
する。この問題を回避するために、多数枚の基板を同時
に処理する、所謂、バッチ処理が必要となる。かかる観
点からはIPAベーパ乾燥はバッチ処理に適した乾燥方
法であると位置付けられる。
【0010】一方、洗浄工程は、生産工程で発生する多
様な異物粒子を取り除くために、ブラシスクラブ洗浄や
超音波洗浄を利用するのが生産歩留りの向上に望ましい
場合が多い。これらは、枚葉洗浄に適した洗浄方法であ
る。
【0011】そのため、製造工程でどのような洗浄方法
および乾燥方法を選択するかについては、次のような組
み合わせが考えられる。
【0012】第一の手段として、洗浄の性能を落として
バッチ処理の洗浄を選択し、乾燥にIPAベーパ乾燥を
採用することで一貫したバッチ処理とする。
【0013】第二の手段として、洗浄に枚葉処理を選択
し、乾燥にもエアナイフ乾燥やスピン乾燥のような簡単
な枚葉乾燥を採用し、一貫したバッチ処理にする。
【0014】第三の手段として、洗浄に枚葉処理を、乾
燥にバッチ処理のIPAベーパ乾燥を選択する。
【0015】しかしながら、上記の第一から第三の手段
を採用した場合には、次のような問題がある。すなわ
ち、第一の手段では、本来の目的である洗浄に十分な性
能を期待できないので、異物の除去が不足し、これが、
製品の歩留りを低下させる可能性がある。また、第二の
手段では、乾燥能力が十分でないために、ウォータマー
クを残して乾燥する場合が生じ、これが、製品の歩留り
を低下させる可能性がある。
【0016】さらに、第三の手段では、枚葉処理からバ
ッチ処理への処理方法を変換する必要がある。このため
に、枚葉処理のための一枚ずつ基板を流す搬送手段と、
バッチ処理のためにカセットのような複数枚の基板を格
納した容器を搬送する手段と、一枚ずつ流れてきた基板
を、順にカセットに格納していくための変換機構とが必
要になる。これが、装置価格を増大させることになる。
また、二種類の搬送手段と変換機構とを保守する必要が
ある上、途中で基板を積み替えるために搬送信頼性が低
下する問題もある。さらに、枚葉洗浄を行った後、複数
枚を一度に乾燥させるバッチ乾燥を行うとすると、濡れ
た基板の待機動作が必要になる。具体的には、例えば、
20枚のバッチ乾燥を行うとすると、一枚づつ洗浄され
た基板を順にカセットに格納していくことになるが、一
枚目の基板は、他の19枚の基板が洗浄されるまで乾燥
処理を待機することになる。20枚目の基板は、待機す
ることなく即乾燥処理される。したがって、基板毎に待
機時間が異なるという経歴が生じることになるため、量
産では好ましくないといった問題もある。
【0017】以上のような、洗浄方法と乾燥方法の選択
に伴う問題は、枚葉処理に適した乾燥方法が提供できれ
ば、たちどころに解消できる。そして、洗浄能力、乾燥
能力、生産性等の上述の問題を全て満足できる洗浄およ
び乾燥工程が構築できる。
【0018】さらに、新たな乾燥方法として、IPAを
用いない乾燥方法が提供できれば、引火点の低いIPA
を大量に使用するとともに、極めて引火しやすい状態に
あるIPA蒸気を使用するIPAベーパ乾燥を用いずに
すむために、引火や爆発の危険性を回避することができ
る。また、安全対策の経済負担を低減することもでき
る。
【0019】そこで、本発明は、基板を一枚づつ処理す
るのに好適で、高い乾燥能力を有するととも、引火や爆
発の危険の少ない乾燥方法を提供することを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、沸点が水よりも高い溶剤であっ
て、かつ、水を溶解するまたは水に溶解されることによ
り溶液を形成する溶剤を、水に濡れた基板上に供給する
ことにより、前記基板上の水を前記溶液に置換する置換
工程と、前記基板上の溶液に熱エネルギーを供給するこ
とにより、前記溶液中の水を優先的に蒸発させながら前
記溶液を蒸発させる蒸発工程とを有することを特徴とす
る基板の乾燥方法が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。
【0022】本発明の置換工程では、洗浄作業が終了し
た水に濡れた基板に、水を溶解するもしくは水に溶解さ
れる溶剤を供給することにより、基板上の溶剤中の水の
濃度を大幅に低減する。溶剤は、水との割合がいかなる
割合であっても水を溶解するもしくは水に溶解されるも
の、すなわち、水との相互の溶解度が無限大であるもの
が望ましい。もし、水と溶剤間の溶解度が不足すると、
水に濡れた基板に溶剤を供給しても、水と溶剤の相が分
離してしまうため、十分な置換を期待できないからであ
るである。しかしながら、水との溶解度が無限大ではな
い溶剤であっても、基板上の水が、基板上に供給される
溶剤と溶解することができる溶解度が有れば十分であ
る。
【0023】また、置換工程の前に、置換工程に投入す
る基板上の水の量を乾燥しない限度で可及的に減らして
おくことは本発明を効率良く行うために、より望ましい
方法となる。例えば、置換工程の前に、基板を回転させ
ることにより、基板上の水の量を低減することができ
る。
【0024】この置換工程では、水溶性の溶剤で基板上
の水を希釈するので、基板上の溶液中の水の濃度は大幅
に低下する。このために、水の活量(activity)が小さく
なり、後の蒸発工程等で水と基板が反応することが避け
られるのである。水の活量が小さいことにより、基板成
分の水への溶解、水が関与する基板表面の酸化、基板表
面への水の吸着といった種々の望ましくない反応を制限
することができる。かかる基板表面の反応は、基板材質
が比較的反応性の高いシリコン系の場合、きわめて重大
な欠陥を製品にもたらすことになるため、本発明の乾燥
方法は、特にシリコン系の基板、すなわち、半導体製造
用のシリコンウェハやTFT−LCD製造用のa−Si
基板の乾燥に優れた効果を発揮するのである。
【0025】基板表面と水との反応の詳細については、
未だ不明の部分も多いため、本発明の方法との関係が明
確でない部分も残されている。しかし、本発明の効果
が、乾燥時の基板表面の水の活量が小さいことによって
もたらされるのは疑い得なく、おそらくは、小さい水の
活量が、水の解離による水素イオンと水酸イオンの生成
を制限する効果と、水への各種イオンの溶解度を制限す
る効果の2つの効果が相乗的に作用するものと推定され
るのである。
【0026】本発明の溶剤除去工程は、本発明の効率を
向上するために好ましい工程である。前の置換工程では
基板上の溶剤中の水の濃度は低減できるが、基板に付着
した溶剤の量そのものは低減しにくい。そこで、基板に
付着した溶剤の量を積極的に低減するための溶剤除去が
次の蒸発工程での負荷を減らすことになる。かかる溶剤
除去には基板を回転することによる遠心力を利用して付
着溶剤を除去する、所謂、スピン除去を用いることがで
きる。あるいは、基板の形状や搬送方法が異なる場合に
は気流を利用する除去方法であるエアナイフを用いた除
去を採用することもできる。また、溶剤の自重を利用し
た基板を傾斜するような方式でも除去の効果を期待でき
る。
【0027】また、本発明では、置換工程では少量の溶
剤を基板にかけ、溶剤のほとんどを溶剤除去工程で除去
してしまうため、溶剤の使用量がIPAベーパ乾燥にく
らべて圧倒的に少なくてすむのも大きな特徴である。
【0028】さらに、本発明の置換工程と溶剤除去工程
とを複数回繰り返すことは、溶剤中の水の濃度を大幅に
低減するのにより好ましい方法である。
【0029】本発明の蒸発工程では、基板に付着した低
濃度の水を含む溶剤に熱エネルギを供給することで溶剤
中の水を優先的に蒸発しながら溶剤を蒸発させる。水を
優先的に蒸発させるために、本発明では、溶剤の蒸気圧
が水の蒸気圧よりも低いこと、すなわち、沸点が水の沸
点より高い溶剤を用いている。したがって、蒸発中にも
水の濃度は低下する一方となる。また、蒸発工程では、
置換工程によってすでに溶剤中の水の濃度が低くなって
おり、かつ、水が優先的に蒸発させるために、水と基板
が化学的に反応することもなく、所謂、水しみ状のウォ
ータマークを全く発生せずに基板を乾燥することができ
るのである。
【0030】基板に熱エネルギを供給するには、ホット
プレート上に基板をのせて加熱する方法を利用すること
ができる。もしくは、基板に熱した窒素ガスを吹きかけ
るような熱気流による加熱方法を利用することもでき
る。もしくは、遠赤外線で基板を加熱するような熱輻射
による加熱方法を利用することもできる。かかる加熱法
の選択は、洗浄装置の搬送形態ならびに経済的な観点を
考慮して選択する。
【0031】さらに、高速に溶剤を蒸発させるには、基
板全体を減圧下に保持しながら加熱することも推奨され
る。
【0032】また、本発明の蒸発工程では、ごくわずか
の溶剤が付着している基板を加熱して溶剤を蒸発するた
めに、発生する蒸気量もごくわずかであることと、水よ
り沸点の高い溶剤、すなわち、可燃性が低く、爆発性も
小さい溶剤を用いることの2つの作用から、大量の可燃
性、爆発性の高い蒸気を発生するIPAベーパ乾燥に比
べて安全性が非常にすぐれている。
【0033】また、本発明のドライ洗浄工程は、先の蒸
発工程で基板表面の水と溶剤を蒸発した後に、表面に残
留する吸着溶剤を分解除去するための工程である。基板
表面のドライ洗浄には、酸素プラズマを利用するプラズ
マアッシング、もしくはオゾンガスを利用するオゾンア
ッシングもしくは紫外線を利用するUVアッシング等が
利用できる。この場合にも、ドライ洗浄法の選択は、洗
浄装置の搬送形態と経済面を考慮しておこなう。
【0034】さらに、本発明の乾燥方法の置換工程、溶
剤除去工程、蒸発工程、ドライ洗浄工程は、それぞれの
工程に要する時間が1分程度あるいはそれ以下に設定す
ることが容易であるため、基板を枚葉で処理するのにき
わめて適している。かかる特性から、枚葉洗浄や枚葉の
ウェット処理と組み合わせて枚葉の一貫プロセスを構築
することができる。しかしながら、本発明の乾燥方法
は、枚葉処理に限定されるものではなく、本発明をバッ
チ処理の乾燥に用いることもできる。
【0035】本発明で使用する溶剤の沸点は、水よりも
高い。また、溶剤の変質を考慮すると、本発明の溶剤の
沸点は、100℃より高く300℃以下とすることが望
ましい。好ましくは120℃以上280℃以下であり、
さらに好ましくは150℃以上250℃以下である。か
かる沸点の下限は、概して水との蒸気圧差が必要である
ことから選択されるものであり、沸点の上限は溶剤自身
の蒸発が速やかになるように選ばれるものである。
【0036】本発明で使用する溶剤は、水との間で共沸
現象を生じない溶剤が好ましい。というのは、共沸が生
じると、水の全てを溶剤よりも先に蒸発させることがで
きないためである。しかし、共沸現象を生じる溶媒であ
っても、蒸発工程後の基板の状態が、その基板に要求さ
れる乾燥状態になっていれば、共沸現象を生じる溶剤を
用いることができる。
【0037】本発明で使用する溶剤の具体例をあげる
と、エチルセロソルブやメチルセロソルブアセテートや
メチルカルビトールに代表されるモノ、ジ、トリエチレ
ングリコールもしくはそのアルキルエーテル化合物もし
くは該アルキルエーテル化合物のエステル誘導体、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどに
代表されるモノ、ジ、トリプロピレングリコールもしく
はそのアルキルエーテル化合物もしくは該アルキルエー
テル化合物のエステル誘導体、メトキシブタノールなど
に代表されるブチレングリコールもしくはそのアルキル
エーテル化合物もしくは該アルキルエーテル化合物のエ
ステル誘導体、ポリオキシエチレンもしくはそのアルキ
ルエーテル化合物もしくは該アルキルエーテル化合物の
エステル誘導体、ポリオキシプロピレンもしくはそのア
ルキルエーテル化合物もしくは該アルキルエーテル化合
物のエステル誘導体、乳酸エチルなどに代表されるヒド
ロキシカルボン酸のエステル誘導体、アセトニトリルや
ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシドやプロピ
レンカーボネートやN−メチルピロリドンなどに代表さ
れる非プロトン性溶剤と称される一連の化合物が適して
いる。また、これらの化合物の混合した溶剤や、ここに
あげていない溶剤と上述の溶剤との混合物を用いること
ができる。
【0038】本発明で使用する溶剤は、上記した溶剤の
混合物であることは差し支えないが、水やその他のイオ
ン性もしくは疎水性の不純物を含まないのが望ましく、
かかる溶剤は通常、蒸留によって提供することができ
る。より好ましいのは、乾燥に使用する直前に蒸留する
ことである。
【0039】本発明を具体的に半導体製品や電子デバイ
ス製品の製造に利用する場合の製造工程の一実施の形態
を以下に述べる。
【0040】代表的な液晶表示デバイスであるTFT−
LCD(Thin Film Transistor-Liquid Crystal Displa
y)の製造工程では、ガラス基板上にゲート電極をスパッ
タリング、フォトリソグラフィ、エッチング、レジスト
剥離の順に形成する。そして、ITO(Indium Tin Oxid
e)電極をスパッタリング、フォトリソグラフィ、エッチ
ング、レジスト剥離の順に形成する。さらに、ゲート絶
縁膜とa−Si(amorphous Silicon)トランジスタをC
VD(Chemical Vapor Deposition)、フォトリソグラフ
ィ、エッチング、レジスト剥離を用いて形成する。その
後、ソース、ドレイン電極をスパッタリング、フォトリ
ソグラフィ、エッチング、レジスト剥離の順に形成す
る。その上に、パシベーション膜をCVD、フォトリソ
グラフィ、エッチング、レジスト剥離の順に形成してT
FT基板を製造する。
【0041】このTFT基板とカラーフィルタ基板それ
ぞれに配向膜を形成してから両者を張り合わせ、ギャッ
プに液晶を封入した後、偏光板を組み合わせ、周辺に駆
動回路を実装してカラーディスプレイが完成する。
【0042】かかるTFT基板製造では、プロセスに投
入するガラス基板を洗浄することや、スパッタリング、
CVDなどの成膜工程に投入するガラス基板を洗浄する
ことや、レジスト現像、ウェットエッチング、レジスト
剥離などのウェット処理後の基板を洗浄することが必要
であるため、工程間に多数の洗浄を行う。
【0043】これら多数の洗浄作業では、洗浄後の乾燥
が十分でないと次工程での欠陥の原因となるため、精密
な乾燥が不可欠である。このような場合に本発明の乾燥
方法を利用することが製品歩留りの向上とその高速な乾
燥性能による生産性の向上に、きわめて有効である。
【0044】また、Siウェハを基板とする半導体製品
の製造は工程がきわめて複雑であるため、その全体像を
記述することは省略するが、基本的には洗浄、成膜、フ
ォトリソグラフィ、エッチング、イオン打ち込み、レジ
スト剥離などの工程を繰り返す。
【0045】このようなSiウエハを基板とする半導体
製品の場合も、TFT基板の洗浄工程と同様に本発明の
乾燥方法を利用することで、容易に枚葉洗浄が利用でき
るようになり、製品歩留りの向上と生産性の向上ににき
わめて効果があることは特記すべきである。
【0046】以上のような各種の半導体製品の洗浄工程
では、薬液や純水で基板を洗浄した後に、基板を純水で
リンスして、水に濡れた基板を乾燥する際に、本発明の
基板の乾燥方法を用いるために、以下のような乾燥装置
を使用するのが好ましい。
【0047】本発明の乾燥方法を使用することを特徴と
する乾燥装置は、本発明の乾燥方法を実現するめの機能
を有する部分から構成されるものであり、少なくとも、
洗浄工程によって水に濡れた基板に、水と相互に溶解す
る溶剤を接触して基板上の水の濃度を低減する置換工程
を実現する機能を有する部分と、基板上の水を溶解した
溶剤に熱エネルギを供給することで溶剤中の水を優先的
に蒸発しながら溶剤を蒸発する蒸発工程を実現する機能
を有する部分と、各部分間を基板を移動するための搬送
部分と、これらの動作をシーケンス制御するための制御
部分を備えている。
【0048】さらに、基板上の水を溶解した溶剤の総量
を低減する溶剤除去工程を実現する機能を有する部分
と、基板をドライ洗浄することで基板表面に吸着した溶
剤を除去するドライ洗浄工程を実現する機能を有する部
分とを備えているのが好ましい。
【0049】置換部分は、溶剤の槽に水に濡れた基板を
浸漬する構造でも実現できるが、溶剤の使用量を減らす
観点からは、基板にスプレノズル等を用いて溶剤をかけ
る構造とするのが望ましい。かかる部分では基板を固定
して溶剤に接触させることもできるが、置換を促進する
ためには、基板をスピン回転しながら溶剤をかけるのが
より優れている。
【0050】溶剤除去部分は、基板を高速回転すること
による遠心力を利用して付着溶剤を除去するスピン構造
であることが好ましい。あるいは、基板を水平方向に移
動するため搬送部の上下にエアナイフを配置した構造で
あってもよい。あるいは、基板を傾斜して、溶剤を自重
で除去する簡易な構造を利用することも可能である。
【0051】蒸発部分には、基板に熱エネルギを供給す
る構造と基板から蒸発した蒸気を速やかに基板近傍から
排除するための排気構造を備えることが必要である。熱
エネルギを供給する構造にはホットプレート加熱、もし
くは、熱した窒素ガス等の熱気流による加熱、もしく
は、遠赤外線を利用した輻射による加熱などを利用す
る。排気構造はダウンフロー気流や、強制排気の気流を
利用することができるが、処理量が少ない場合は基板上
部の空間への蒸気の自然放散を利用してもよい。さら
に、高速に溶剤を蒸発させるには、基板全体を減圧下に
保持しながら加熱する構造が推奨される。
【0052】ドライ洗浄部分には、酸素プラズマアッシ
ングチャンバ、もしくはオゾンガスを利用するオゾンア
ッシングチャンバ、もしくはUVアッシングチャンバ等
の構造を採用することが推奨される。
【0053】搬送部分には、基板移載用のロボット、も
しくは多数の回転ローラを備えたローラ搬送機構、およ
びそれらを組み合わせた構造が好ましい。
【0054】制御部分は、乾燥装置に適切なレシピを設
定するとともに基板を一定タクトで整然と乾燥するため
に不可欠なものであり、通常、シーケンス制御装置が用
いられる。
【0055】本発明の乾燥装置には、置換部分で発生す
る溶剤と水の混合液である廃液を蒸留して溶剤を再利用
するための、蒸留装置を付属することが好ましい。蒸留
装置には、理論段数3以上30段以下の多段精留塔を備
えるのが好ましく、さらに蒸留に必要なエネルギの効率
や溶剤の酸化分解防止の観点から、蒸留は減圧下で行う
のが望ましい。操作圧は、通常、10トール以上100
トール以下の範囲が選択される。かかる精留塔で蒸留、
分離した沸点の高い溶剤は不純物を含まないために、乾
燥用の溶剤として最適である。
【0056】上述の乾燥装置を備えることを特徴とする
本発明の洗浄装置の一実施の形態についてさらに説明す
る。
【0057】洗浄装置の基本構成は、製品基板のキャリ
アケースのローダ部分、超音波やブラシや高圧ジェット
及びもしくは薬液スプレを用いる洗浄部分、純水スプレ
を用いる純水リンス部分、水に濡れた基板に溶剤をかけ
るための置換部分、基板上の溶剤の大部分を除去するた
めの溶剤除去部分、基板を加熱して溶剤を蒸発するため
の蒸発部分と、ドライ洗浄するためのドライ洗浄部分
と、アンローダ部分、基板を搬送するための搬送機構部
分と、これらをシーケンス制御するための制御部分と
を、備える。
【0058】かかる本発明の洗浄装置は、製造工程での
要求仕様に応じて不要な部分を省略することもできる
し、機能強化のために上記以外の部分を付加することも
できる。これらの選択は、概して、装置に必要な性能
と、それに要する経済負担から判断される。かかる変更
の例は、基板を処理する薬液を洗浄剤からエッチング
液、現像液、レジスト剥離液等にすることで、あるい
は、それらの処理部を洗浄部の前に挿入することで、本
発明の洗浄装置は各種のウェット処理装置としてもその
まま利用できるのである。かかる本発明を用いたウェッ
ト処理装置も本発明に含まれることは強調されねばなら
ない。
【0059】かかる本発明の乾燥装置、洗浄装置を用い
ることが歩留りの向上にきわめて有効な製品は、TFT
基板のみに限定されるものではなく、半導体製造用のシ
リコンウェハや化合物半導体基板、磁気ディスク基板を
始めとする各種電子デバイス製品の洗浄、乾燥に多大な
効果を発揮できるのである。さらに、かかる本発明の乾
燥方法と装置、洗浄方法と装置を用いることは、これら
の電子デバイスの製造方法に課せられていた種々の制約
を取り払うことができるため、新規な製造方法を提供す
ることができる。
【0060】さらに、本発明の製造方法を用いて製造さ
れた製品も本発明の効果を顕現したものとして、本発明
に含まれることは言うまでもないことである。
【0061】
【実施例】以下、本発明のいくつかの実施例について、
図面を用いて詳細に説明する。
【0062】(実施例1)本発明の第1の実施例とし
て、水に濡れたSiウェハの乾燥を以下のように行っ
た。
【0063】6インチ径のSiウェハをスピンナに固定
し、表面の酸化膜を除去するために、0.5wt%HF
溶液をウェハに滴下してウェハ上にパドルを形成してフ
ッ酸処理を行い、室温で1分間保持した。ついで、この
ウェハの中心に超純水を約1l/分の流速で滴下しなが
らウェハを100rpmで回転して、室温で1分間のリ
ンスを施した。
【0064】そして、ウェハを回転したまま、このウェ
ハの中心に本発明の水溶性高沸点溶剤を約1L/分の流
速で30秒間滴下して、ウェハ上の水を溶剤に置換し
た。
【0065】ウェハを2000rpmで30秒間回転
し、ウェハに付着した溶剤を除去した。ついで、ウェハ
を120℃に保持したホットプレート上でコンタクト加
熱を1分間施して、ウェハに付着した溶剤を蒸発させ
た。
【0066】この後、ウォータマークを見やすくするた
めウェハをウェット酸化した。すなわち、石英製の熱酸
化炉で水蒸気雰囲気中1000℃30分間の酸化処理を
施した。
【0067】最後に、ウェハ表面を光学顕微鏡で観察
し、ウォータマークの発生個数を測定して乾燥方法の性
能を求めた。
【0068】また、上述と全く同じ方法で10枚のウェ
ハを処理して、乾燥の性能をバラツキを含めて評価し
た。
【0069】このような方法で、本発明の溶剤の種類を
換えた場合の乾燥性能の測定結果を図1に示す。
【0070】図1には、比較のため、通常のスピン乾燥
の場合と、IPAベーパ乾燥の場合の10枚のウェハで
の乾燥性能をも示した。
【0071】通常のスピン乾燥の場合は、6インチ径の
Siウェハをスピンナに固定し、表面の酸化膜を除去す
るために、0.5wt%HF溶液をウェハに滴下してウ
ェハ上にパドルを形成してフッ酸処理を行い、室温で1
分間保持した。ついで、このウェハの中心に超純水を約
1L/分の流速で滴下しながらウェハを100rpmで
回転して、室温で1分間のリンスを施した。かかる操作
は、本発明の場合と全く同じである。ついで、ウェハを
2000rpmで30秒間回転し、水に濡れたウェハを
そのままスピン乾燥した。ついで、ウォータマークを見
やすくするためウェハをウェット酸化した。かかる方法
では、本発明の溶剤置換、溶剤除去、溶剤蒸発の工程を
省略したことを除けば同じ条件でウェハを処理してお
り、乾燥方法のみを換えた評価ができるのである。
【0072】一方、IPAベーパ乾燥の場合は、6イン
チ径のSiウェハをスピンナに固定し、表面の酸化膜を
除去するために、0.5wt%HF溶液をウェハに滴下
してウェハ上にパドルを形成してフッ酸処理を行い、室
温で1分間保持した。ついで、このウェハの中心に超純
水を約1L/分の流速で滴下しながらウェハを100r
pmで回転して、室温で1分間のリンスを施した。かか
る操作は、本発明の場合と全く同じである。ついで、水
に濡れたウェハをIPAベーパ乾燥機中に10分間保持
して乾燥させた。ついで、ウォータマークを見やすくす
るためウェハをウェット酸化した。かかる方法では、本
発明の溶剤置換、溶剤除去、溶剤蒸発の工程を省略した
ことを除けば同じ条件でウェハを処理しており、乾燥方
法のみを換えた評価ができるのである。
【0073】図1から明らかなように、本発明の乾燥方
法を用いた場合には、IPAベーパ乾燥と同様に、ウォ
ータマークが全くなく乾燥できるのに対し、通常のスピ
ン乾燥では1μm以上100μm以下のサイズのウォー
タマークが5ヶ所から20ヶ所発生した。
【0074】かかる結果から、本発明の乾燥方法はIP
Aベーパ乾燥と同等の乾燥性能でありながら、各工程を
およそ1分以下で処理できる、優れた高速乾燥法である
ことがわかった。
【0075】また、本発明に用いる溶剤は水より沸点が
高く、かつ、水の溶解度が無限大の水溶性溶剤が適して
いることもわかった。
【0076】さらに、特に、溶剤の毒性を考慮すると、
乳酸エチル、ジメイルスルホキシド、プロペレンカーボ
ネートが毒性が低く優れている。
【0077】また、図1において、各工程の部屋間にお
いて、水や溶媒の上記の行き来がないように各部屋の出
入口にシャッタ等をつけることが好ましい。
【0078】(実施例2)本発明の乾燥方法を使用する
ことを特徴とする乾燥装置の構成例を図2に示す。
【0079】本発明の乾燥装置1は、水に濡れた基板2
を固定して回転するためのスピン回転系3と、基板に溶
剤4をかける供給系5と、基板を加熱するためのホット
プレート6と、ドライ洗浄するための紫外線照射部7
と、基板を搬送するための搬送機構8と、これらをシー
ケンス制御するための制御部(図示しない)とを、備え
ることを特徴とする。
【0080】かかる乾燥装置1では、実施例1の乾燥方
法と同様のスピン処理で基板を自動的に乾燥することが
できる。
【0081】すなわち、水に濡れた基板2は乾燥装置の
入り口から投入され、濡れた状態でスピン回転系3に保
持される。ついで、基板をゆるやかに回転しながら、溶
剤供給系5から溶剤4が基板の中心部に滴下され、基板
上の水を溶剤で置換する。溶剤滴下量は基板の面積に応
じて調整する。かかる処理では、100rpm以上50
0rpmの回転数を選択するのが好ましい。この際、基
板2の裏面にも溶剤をかけるように、裏面側に溶剤供給
系5を配置することが望ましい。これにより、基板の両
面で、置換は完全なものになる。つぎに、回転系3に基
板2を高速で回転させ、基板2に付着した溶剤を遠心力
で除去する。かかる高速回転では1000rpm以上2
000rpm以下の回転数を選択するのが好ましい。
【0082】ついで、搬送機構(枚葉移載ロボット)8
で基板2をホットプレート6上に移動させ、基板2表面
にごくわずかに付着した溶剤を蒸発して乾燥する。かか
る操作に使用するホットプレート6は100乃至180
℃に温度を設定したものが望ましく、また、基板2とホ
ットプレート6をコンタクト状態で加熱してもよいし、
0.1mm以上0.5mm以下程度のプロキシミティ加
熱を選択することもできる。かかる蒸発では、溶剤蒸気
を速やかに除去する排気構造(図示しない)を付属する
のが、大量の基板を高速に乾燥する量産では、特に好ま
しい。
【0083】ついで、基板2を紫外線照射部7に移載し
て、基板表面に残留した単分子吸着した溶剤を分解除去
し、搬送機構(枚葉移載ロボット)8で基板を出口から
搬出する。本実施例では、紫外線照射部7で基板2をド
ライ洗浄している間にも、ホットプレート6で基板2を
加熱することにより、ドライ洗浄の効率を高めている。
【0084】かかる乾燥装置では、シーケンス制御によ
り各部を一定のタクトで動作するのが望ましい。通常、
0.5乃至2分、好ましくは1分以下のタクト時間が選
択される。かかる高速な乾燥でも本発明の乾燥装置はウ
ォータマークを全く発生せずに乾燥できることが、大き
な特長である。
【0085】(実施例3)本発明の乾燥方法を使用する
ことを特徴とする乾燥装置の別の構成例を図3に示す。
本発明の乾燥装置100は、水に濡れた基板2に溶剤4
をかけるための置換スプレ9と、基板上の溶剤の大部分
を除去するエアナイフ10と、基板を加熱して溶剤を蒸
発するための熱供給系(遠赤外線ヒータ)11と、ドラ
イ洗浄するための紫外線照射部6と、基板を搬送するた
めのローラ搬送機構12と、これらをシーケンス制御す
るための制御部(図示しない)とを、備える。
【0086】乾燥装置100では、実施例1の乾燥方法
とは異なるスプレ処理で基板を自動的に乾燥することが
できる。すなわち、水に濡れた基板2は乾燥装置の入り
口から投入され、ローラ搬送機構12で基板2を水平に
移動しながら、置換スプレ9より溶剤4を噴霧して、基
板上の水を溶剤で置換する。溶剤噴霧量は基板の面積に
応じて調整する。かかる処理では、基板2の裏面にも溶
剤をかけるために、裏面側にも置換スプレ9を配置する
ことにより、置換は完全なものになる。
【0087】つぎに、ローラ搬送機構12で基板2を水
平に移動しながら、エアナイフ10で基板2に付着した
溶剤を除去する。
【0088】ついで、ローラ搬送機構12で基板2を水
平に移動しながら、遠赤外線ヒータ11部で基板を加熱
して、基板表面にごくわずかに付着した溶剤を蒸発して
乾燥する。かかる操作では基板表面温度を100℃以上
180℃以下に温度を設定するのが望ましい。かかる蒸
発では、溶剤蒸気を速やかに除去する排気構造(図示し
ない)を付属するのが、大量の基板を高速に乾燥する量
産では、特に好ましい。
【0089】ついで、基板を紫外線照射部7に移載し
て、基板表面に残留した単分子吸着した溶剤を分解除去
し、基板を出口から搬出する。
【0090】かかる乾燥装置では、シーケンス制御によ
り各部を一定のタクトで動作するのが望ましい。通常、
0.5分以上2分以下、好ましくは1分以下のタクト時
間が選択される。かかる高速な乾燥でも本発明の乾燥装
置はウォータマークを全く発生せずに乾燥できること
が、大きな特長である。
【0091】(実施例4)本発明の構成例として、溶剤
の蒸留再生装置を付属する乾燥装置を図4に示す。
【0092】本発明の乾燥装置100(置換部分のみを
示す)に、置換スプレ9で発生した溶剤4と水の混合液
である廃液13を蒸留して溶剤を再利用するための、蒸
留機14を取り付けたものである。
【0093】蒸留機14では、ポンプ15で蒸留塔16
に導入された廃液13を蒸留塔16とリボイラ17、コ
ンデンサ18を用いて分離し、沸点の高い溶剤成分は塔
底より取り出して、溶剤タンク19に溜める。かかる方
法で回収した溶剤を本発明の乾燥装置1にポンプ15、
フィルタ20を介して導入し、置換スプレ9で再利用す
るのである。
【0094】蒸留機14には、理論段数3段以上30段
の多段精留塔を備えるのが好ましく、さらに蒸留に必要
なエネルギの効率や溶剤の酸化分解防止の観点から、蒸
留は減圧下で行うのが望ましい。操作圧は通常、10ト
ール以上100トール以下の範囲が選択される。蒸留塔
の段数は廃液13の組成から経済的な分離能力が得られ
るように設定される。
【0095】かかる精留塔で蒸留、分離した沸点の高い
溶剤は不純物を含まないために、乾燥用の溶剤として最
適である。
【0096】(実施例5)上述の乾燥装置100を備え
ることを特徴とする本発明の洗浄装置21の構成につい
て説明する。
【0097】図5に示すように、製品基板22を保持す
るためのキャリアケース23のローダ部24、超音波や
ブラシ(図示しない)及びもしくは高圧ジェット(図示
しない)及びもしくは薬液スプレ25を用いる洗浄部2
6、純水スプレ27を用いる純水リンス部28、水に濡
れた基板22に溶剤をかけるための置換スプレ9を用い
る置換部29、基板上の溶剤の大部分を除去するために
エアナイフ10を用いる溶剤除去部30、基板を加熱す
るための遠赤外線ヒータ11を用いる蒸発部31と、ド
ライ洗浄するための紫外線照射部7を備えたドライ洗浄
部32と、アンローダ部33、基板を搬送するためのロ
ーラ搬送機構12と、これらをシーケンス制御するため
の制御部(図示しない)とを、備えることを特徴とす
る。
【0098】かかる洗浄装置では、基板を枚葉で洗浄す
るための最適な洗浄方法が自由に選択でき、かつ、基板
を枚葉で精密に乾燥できる。
【0099】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、基板を
一枚づつ処理するのに好適で、高い乾燥能力を有すると
とも、引火や爆発の危険の少ない乾燥方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による基板の乾燥方法の効果
を説明するため説明図。
【図2】本発明の一実施例の乾燥装置の構成を示すブロ
ック図。
【図3】本発明の一実施例の乾燥装置の構成を示すブロ
ック図。
【図4】図3の乾燥装置に蒸留装置を取り付けたものを
示すブロック図。
【図5】図3の乾燥装置を用いた洗浄装置の構成のブロ
ック図。
【符号の説明】
1………本発明の乾燥装置 2………水に濡れた基板 3………スピン回転系 4………溶剤 5………溶剤供給系 6………ホットプレート 7………紫外線照射部 8………搬送機構 9………置換スプレ 10……エアナイフ 11……遠赤外線ヒータ 12……ローラ搬送機構 13……溶剤と水の混合廃液 14……蒸留機 15……ポンプ 16……蒸留塔 17……リボイラ 18……コンデンサ 19……溶剤タンク 20……フィルタ 21……本発明の洗浄装置 22……製品基板 23……キャリアケース 24……ローダ部 25……薬液スプレ 26……洗浄部 27……純水スプレ 28……純水リンス部 29……置換部 30……溶剤除去部 31……蒸発部 32……ドライ洗浄部 33……アンローダ部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】沸点が水よりも高い溶剤であって、かつ、
    水を溶解するまたは水に溶解されることにより溶液を形
    成する溶剤を、水に濡れた基板上に供給することによ
    り、前記基板上の水を前記溶液に置換する置換工程と、 前記基板上の溶液に熱エネルギーを供給することによ
    り、前記溶液中の水を優先的に蒸発させながら前記溶液
    を蒸発させる蒸発工程とを有することを特徴とする基板
    の乾燥方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記置換工程の後に、
    前記基板上の溶液の総量を低減させる溶剤除去工程を更
    に有することを特徴とする基板の乾燥方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記蒸発工程
    の後に、前記基板に吸着した前記溶液を取り除くため
    に、前記基板をドライ洗浄するドライ洗浄工程とを有す
    ることを特徴とする基板の乾燥方法。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記溶剤は、当該溶剤
    の量と水の量とがいかなる割合であっても、水を溶解す
    ることの可能な、または、水に溶解されることが可能な
    溶剤であることを特徴とする基板の乾燥方法。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記溶剤は、前記溶液
    が共沸現象を生じないものであることを特徴とする基板
    の乾燥方法。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記溶剤の沸点が、1
    20℃以上250℃以下であることを特徴とする基板の
    乾燥方法。
  7. 【請求項7】請求項1において、前記置換工程は、前記
    基板上に、予め定めた量の前記溶剤をかける工程である
    ことを特徴とする基板の乾燥方法。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記溶剤を滴下しなが
    ら、前記基板を回転させることを特徴とする基板の乾燥
    方法。
  9. 【請求項9】請求項1において、前記溶剤が、下記の化
    合物のいずれかの化合物からなる溶剤を少なくとも一部
    に含むことを特徴とする基板の乾燥方法。モノ、ジ、ト
    リエチレングリコールもしくはそのアルキルエーテル化
    合物もしくは該アルキルエーテル化合物のエステル誘導
    体、モノ、ジ、トリプロピレングリコールもしくはその
    アルキルエーテル化合物もしくは該アルキルエーテル化
    合物のエステル誘導体、ブチレングリコールもしくはそ
    のアルキルエーテル化合物もしくは該アルキルエーテル
    化合物のエステル誘導体、ポリオキシエチレンもしくは
    そのアルキルエーテル化合物もしくは該アルキルエーテ
    ル化合物のエステル誘導体、ポリオキシプロピレンもし
    くはそのアルキルエーテル化合物もしくは該アルキルエ
    ーテル化合物のエステル誘導体、ヒドロキシカルボン酸
    のエステル誘導体、非プロトン性溶剤。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記溶剤が、エチル
    セロソルブ、メチルセロソルブアセテート、メチルカル
    ビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
    セテート、メトキシブタノール、乳酸エチル、アセトニ
    トリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
    ド、プロピレンカーボネート、および、メチルピロリド
    ンのうちのいずれかの溶剤を少なくとも一部に含むこと
    を特徴とする基板の乾燥方法。
  11. 【請求項11】基板を枚葉処理で洗浄する洗浄工程と、 洗浄された前記基板を枚葉処理で乾燥する乾燥工程とを
    有する基板の洗浄方法であって、 前記乾燥工程が、請求項1から請求項10記載の乾燥方
    法のうちのいずれかの方法を用いることを特徴とする基
    板の洗浄方法。
  12. 【請求項12】請求項1から請求項10記載の乾燥方法
    のうちのいずれかの乾燥方法を用いることを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】基板を支持する支持装置と、前記支持装
    置に支持された基板に溶剤を供給する溶剤供給装置と、
    前記基板上の溶剤を加熱するための加熱装置とを有する
    ことを特徴とする基板の乾燥装置。
  14. 【請求項14】請求項13において、前記支持装置から
    前記基板を取り外し、加熱装置まで搬送する搬送装置を
    さらに有することを特徴とする乾燥装置。
  15. 【請求項15】請求項14において、前記支持装置は、
    前記基板を回転させるための回転機構を有することを特
    徴とする基板の乾燥装置。
  16. 【請求項16】請求項13において、前記基板をドライ
    洗浄するためのドライ洗浄装置をさらに有することを特
    徴とする乾燥装置。
  17. 【請求項17】請求項15において、前記支持装置、溶
    剤供給装置、加熱装置、および、搬送装置に動作を指示
    する制御装置をさらに有し、 前記制御装置は、前記回転機構に基板を回転させ、前記
    溶剤供給装置に回転している基板に溶剤を供給させ、前
    記回転機構を停止させ、前記搬送機構に前記支持装置か
    ら基板を取り外させた後、前記加熱装置まで基板を移動
    させ、前記加熱装置に加熱させるよう順に指示すること
    を特徴とする乾燥装置。
  18. 【請求項18】請求項13において、前記溶剤供給装置
    は、前記基板の両面に溶剤を供給することを特徴とする
    乾燥装置。
  19. 【請求項19】請求項18において、前記溶剤供給装置
    が前記基板に供給した溶剤を回収し、蒸留するための蒸
    留装置をさらに有することを特徴とする乾燥装置。
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