JPH09148190A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

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JPH09148190A
JPH09148190A JP32639795A JP32639795A JPH09148190A JP H09148190 A JPH09148190 A JP H09148190A JP 32639795 A JP32639795 A JP 32639795A JP 32639795 A JP32639795 A JP 32639795A JP H09148190 A JPH09148190 A JP H09148190A
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JP
Japan
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capacitor element
separator paper
esr
electrolytic capacitor
capacitor
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Pending
Application number
JP32639795A
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English (en)
Inventor
Satoshi Yuzawa
聡 湯澤
Kazuhiro Higuchi
和浩 樋口
Kazuyoshi Endo
和芳 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marcon Electronics Co Ltd
Original Assignee
Marcon Electronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ESR特性を向上させると共に、高温負荷試
験および熱衝撃試験によるESR増加を抑えて特性良好
な固体電解コンデンサを提供する。 【解決手段】 一対の陽極箔1および陰極箔2間にセパ
レータ紙3を巻回してコンデンサ素子を構成する。この
コンデンサ素子にTCNQ錯体を含浸させる前段階で、
コンデンサ素子を290℃以上で焼成し、又は繊維を溶
かす薬品処理もしくは焼成と薬品処理との組み合せによ
ってセパレータ紙3の繊維の投影占有面積率を80%以
下とする。あるいは、繊維自体を投影占有面積率が80
%以下のものを用いる。その後、コンデンサ素子にTC
NQ錯体を含浸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質として
テトラシアノキノジメタン錯体(以下、TCNQ錯体と
呼ぶ)を用いた固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子情報機器は小型化、高度化す
る傾向にあり、電子部品にはますます小型化、高性能化
が要求されている。そこで従来より、小型の電解コンデ
ンサとして、TCNQ錯体を固体電解質に用いた固体電
解コンデンサが知られている。この固体電解コンデンサ
は、駆動用電解液を含浸した電解コンデンサよりも小型
化が可能であり、実用化が進められている。
【0003】ここで、TCNQ錯体を用いた固体電解コ
ンデンサの構成について説明する。まず、アルミニウム
などの一対の陽極箔および陰極箔間にセパレータ紙を挟
んで巻回してコンデンサ素子を構成する。また、開口部
を有する金属ケースを用意し、このケース内でTCNQ
錯体を加熱溶融液化し、この中に予備加熱したコンデン
サ素子を浸漬してTCNQ錯体を含浸する。その後、こ
れを直ちに冷却し、ケースの開口部にエポキシ樹脂を充
填してケースを封口して、前記コンデンサ素子を金属ケ
ースに収容する。さらに、定格電圧を印加してエージン
グ処理を行い、製造過程で生じた誘電体酸化皮膜の欠陥
を修復して、製品とする。
【0004】ところで、上記の固体電解コンデンサで
は、陽極箔と陰極箔との間に繊維が密なセパレータ紙が
介在させているので、電極箔間を電子が導通するための
導通路が極端に減少するという欠点があった。この電子
導通路の減少は、ESR特性の劣化を招く原因となって
いた。特に、高温負荷試験や熱衝撃試験によってESR
特性が極端に劣化するという不具合が問題となってい
た。
【0005】この問題を解決するために、TCNQ錯体
を含浸する前段階でコンデンサ素子を高温で加熱し、セ
パレータ紙を炭化させることが考えられている。より具
体的には、TCNQ錯体を含浸する前のコンデンサ素子
を、250℃で1時間焼成し、セパレータ紙を炭化させ
た固体電解コンデンサが提案されている。このような固
体電解コンデンサにおいては、セパレータ紙を炭化させ
ることでセパレータ紙中の空隙部分を大きくすることが
できる。そのため、コンデンサ素子にTCNQ錯体を含
浸させる段階でセパレータ紙がTCNQ錯体を多く取り
込むことができ、電極箔間の電子導通路をある程度確保
することが可能となる。したがって、電極箔間にセパレ
ータ紙が介在していても、電子導通路が減少することが
なく、ESR特性の劣化を防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来技術には次のような問題点が指摘されてい
る。近年では電子部品に小型化と同時に高性能化が求め
られることは先に述べたが、固体電解コンデンサの高性
能化を実現するには、電極箔間の電子導通路を十分に確
保してESR特性を向上させる必要がある。
【0007】ところが、上記の従来例のようにコンデン
サ素子の焼成温度が250℃という低い温度だと、仮
に、あらかじめ繊維密度が小さいセパレータ紙を加熱し
たにせよ、繊維の投影占有面積率が90%程度を下回る
ということはなかった。ここで繊維の投影占有面積率と
は、繊維の投影図において投影した繊維全体の面積に占
める透過しない面積の比率を言う。したがって、セパレ
ータ紙の繊維の投影占有面積率が大きいということは、
セパレータ紙の繊維が密であることを意味している。つ
まり、コンデンサ素子の焼成温度が低いと、セパレータ
紙の炭化が不十分で、セパレータ紙の繊維の投影占有面
積率は大きいままであり、ESR特性を大幅に向上させ
るべく電子導通路を十分に確保できなかった。
【0008】本発明は、上記の問題点を解決するために
提案されたものであり、その目的は、ESR特性を向上
させると共に、高温負荷試験および熱衝撃試験によるE
SR増加を抑えて特性良好な固体電解コンデンサを提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の固体電解コンデンサは、繊維の投影占有面
積率が80%以下であるセパレータ紙を備えたことを構
成上の特徴とする。
【0010】以上のような構成を有する固体電解コンデ
ンサにおいては、繊維の投影占有面積率が80%以下で
あるセパレータ紙を用いたので、セパレータ紙中の空隙
部分が大きく、セパレータ紙はTCNQ錯体を多く取り
込むことができる。そのため、電極箔間にセパレータ紙
が介在していても、電極箔間の電子導通路を十分に確保
することが可能であり、ESR特性を大幅に向上させる
ことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(構成)以下、本発明の実施の形態の一例について図1
を参照して具体的に説明する。すなわち、エッチングに
より表面積を拡大した後、誘電体酸化皮膜を生成したア
ルミニウムからなる陽極箔1、及び同様にエッチングに
より表面積を拡大したアルミニウムからなる陰極箔2に
それぞれ引き出し端子を取着し、これら電極箔1の間
に、例えばマニラ麻を主体とした繊維4からなるセパレ
ータ紙3を挟み込んで巻回してコンデンサ素子を構成す
る。このコンデンサ素子を290℃以上の高温で40分
間焼成する。このときのコンデンサ素子の焼成温度は、
後述する実施例によって異なる。焼成したコンデンサ素
子を3%アジピン酸アンモニウム水溶液中に浸漬して電
圧を印加し、前記巻回により損傷した誘電体酸化皮膜を
修復する。なお、図中の符号5はセパレータ紙3中の空
隙部であり、ここにTCNQ錯体が含浸するようになっ
ている。
【0012】また、開口部を有するアルミニウムなどの
金属ケースの中にTCNQ錯体を入れて加熱溶融液化
し、このケースの中に前記のコンデンサ素子を浸漬して
TCNQ錯体を含浸する。その後、これを即座に冷却
し、ケースの開口部にエポキシ樹脂を充填してケースを
封口して、前記コンデンサ素子を金属ケースに収容す
る。さらに、105℃雰囲気中で定格電圧を印加して1
20分のエージング処理を行い、製造過程で生じた誘電
体酸化皮膜の欠陥を修復して、製品とする。 (実施例)以上のような本実施の形態における実施例と
して、コンデンサ素子の焼成温度を変えて、表1に示す
ような4種類の固体電解コンデンサを100個ずつ製作
した。実施例1〜4におけるコンデンサ素子の焼成温度
は次の通りである。すなわち、実施例1では290℃、
実施例2では300℃、実施例3では310℃、実施例
4では320℃である。
【0013】このようにして完成した4種類のコンデン
サ定格16V−33μFの試料について、初期ESR特
性を表1に示し、また105℃高温負荷試験1000時
間の特性変化を表2に示し、さらに熱衝撃試験による特
性変化を表3に示した。熱衝撃試験は−55℃,30分
間〜+105℃,30分間を100サイクル行った。ま
た表中のESRは、100kHzにおける値を示してい
る。
【0014】なお、実施例1〜4の比較対象として、従
来例1〜3の特性も表1〜3に示した。従来例1〜3
は、コンデサ素子の焼成温度を280℃以下の3種類
(従来例1では180℃、従来例2では230℃、従来
例3では280℃)の温度で行ったもので、それ以外は
実施例と同じ材料、製造方法、構造から成るものであ
る。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【表3】
【0018】上記表1から明らかなように、初期ESR
特性は、従来例1〜3に比べて実施例1〜4の方が小さ
く良好である。また、高温負荷試験および熱衝撃試験後
のESR変化に関して言えば、表2および表3から分か
るように、従来例1〜3は初期ESR特性が大きいと共
に、高温負荷試験、熱衝撃試験後のESR変化はそれぞ
れ1.3倍、1.4倍と大きい。一方、実施例1〜4の
場合は、高温負荷試験後のESR変化は1.16倍以内
で、熱衝撃試験後のESR変化は1.2倍である。すな
わち、実施例1〜4は従来例1〜3に比して、高温負荷
試験および熱衝撃試験後においてもESRの増加が少な
く、良好な特性を発揮している。
【0019】ここで、コンデンサ素子の焼成温度とセパ
レータ紙3の繊維の投影占有面積率の関係を図2のグラ
フに示す。このグラフから明らかなように、コンデンサ
素子の焼成温度が290℃〜320℃の場合、セパレー
タ紙3の投影占有面積率は80%以下であり、コンデン
サ素子の焼成温度が280℃以下ではセパレータ紙3の
投影占有面積率が95%以上となっている。
【0020】つまり、従来例1〜3ではコンデンサ素子
の焼成温度が280℃以下なので、セパレータ紙3の投
影占有面積率95%以上であり、このような従来例1〜
3においては初期ESR特性が大きいばかりでなく、高
温負荷試験後、熱衝撃試験後のESR変化が大きい。こ
のような従来例に対して、コンデンサ素子の焼成温度が
290℃〜320℃である実施例1〜4では、セパレー
タ紙3の投影占有面積率80%以下であり、初期ESR
が十分小さく、しかも高温負荷試験、熱衝撃試験におい
てもESRの増加が少なく良好なコンデンサを提供する
ことができる。 (作用効果)以上のような実施例1〜4を含む本実施の
形態においては、コンデンサ素子の焼成温度を290℃
〜320℃とし、投影占有面積率が80%以下であるセ
パレータ紙3を用いたので、セパレータ紙3中の空隙部
5を大きくとることができ、セパレータ紙3は多量のT
CNQ錯体を取り込むことができる。そのため、電極箔
1,2間にセパレータ紙3が介在しても、電極箔1,2
間の電子導通路を十分に確保することができ、ESR特
性を大幅に向上させることができる。 (他の実施の形態)なお、上記の実施の形態では、巻回
したコンデンサ素子ごと290℃以上の高温で焼成を行
うことによって、セパレータ紙3の繊維の投影占有面積
率を80%以下にしたが、コンデンサ素子巻回前にセパ
レータ紙3を高温焼成して繊維の投影占有面積率80%
以下にした後、これを巻回するなどしても同様である。
【0021】また、セパレータ紙の繊維の投影占有面積
率を80%以下にする手段としては、所定の薬品を塗布
したり所定の溶液に浸漬するなどして繊維を溶かす薬品
処理を行ったり、このような薬品処理とコンデンサ素子
の焼成処理とを組み合わせるなどの方法がある。もちろ
ん、コンデンサ素子を作るに際して、もともと繊維の投
影占有面積率が80%以下のセパレータ紙を用いても良
い。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
繊維の投影占有面積率が80%以下のスペーサ紙を使用
することにより、セパレータ紙中の空隙部分を大きくす
ることができ、その後TCNQ錯体を含浸したときにT
CNQ錯体の導通路を十分に確保することができるた
め、初期ESR特性はもちろん、高温負荷試験および熱
衝撃試験後におけるESR増加を抑えることができ、特
性が良好な固体電解コンデンサを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の要部断面図。
【図2】コンデンサ素子の焼成温度とセパレータ紙の繊
維の投影占有面積率の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…陽極箔 2…陰極箔 3…セパレータ紙 4…繊維 5…空隙部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の陽極箔および陰極箔間にセパレー
    タ紙を巻回してコンデンサ素子を構成し、このコンデン
    サ素子にテトラシアノキノジメタン錯体を含浸した固体
    電解コンデンサにおいて、 前記セパレータ紙の繊維の投影占有面積率が80%以下
    であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
JP32639795A 1995-11-20 1995-11-20 固体電解コンデンサ Pending JPH09148190A (ja)

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JP32639795A JPH09148190A (ja) 1995-11-20 1995-11-20 固体電解コンデンサ

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