JPH09147893A - 燃料電池発電装置 - Google Patents

燃料電池発電装置

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JPH09147893A
JPH09147893A JP7303041A JP30304195A JPH09147893A JP H09147893 A JPH09147893 A JP H09147893A JP 7303041 A JP7303041 A JP 7303041A JP 30304195 A JP30304195 A JP 30304195A JP H09147893 A JPH09147893 A JP H09147893A
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flow rate
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fuel
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷増大直後の過渡状態時にガス流量を増大
させ、負荷変動時の燃料ガスおよび反応空気を十分に供
給して、安定な運転制御を実現した燃料電池発電装置を
得る。 【解決手段】 燃料電池に燃料ガスおよび反応空気を供
給する燃料供給系および空気供給系と、燃料電池の出力
電力を外部負荷に供給する電力変換系と、燃料電池の出
力電流Iおよび出力電圧Vを検出する手段と、負荷増大
に応じた指令信号および検出手段からの情報に応答し
て、燃料供給系、空気供給系および電力変換系を制御す
る制御系とを備え、制御系は、出力電流から規定流量Q
G1およびQA1を設定する手段と、指令信号に応答し
て補正流量QG2およびQA2を設定する手段とを含
み、補正流量設定手段は、指令信号の発生から所定時間
τにわたって、規定流量よりも所定量だけ多くなるよう
に補正流量を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料電池の出力
電流および出力電圧に基づいて燃料ガスおよび反応空気
の流量を制御する燃料電池発電装置に関し、特に負荷変
化や経時変化等に影響されることなく、常に安定した運
転制御が可能な燃料電池発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9はたとえば特開平3−122971
号公報に記載された一般的な燃料電池発電装置を示す概
略構成図である。図において、出力電圧Vと出力電流I
との積からなる出力電力Pを発生する燃料電池1は、燃
料ガスGおよび反応空気Aの供給量に応じた電力を出力
する電池の積層体からなり、改質された燃料ガスGが供
給される燃料極1aと、反応空気Aが供給される空気極
すなわち酸化剤極1bと、燃料極1aおよび酸化剤極1
bの間に介在された電解質1cとから構成されている。
【0003】燃料電池1に反応空気Aを供給する空気供
給系3は、大気中の空気を吸入するブロワにより構成さ
れ、反応空気Aとして燃料電池1に向けて送風する。電
力変換系4は、燃料電池1からの直流の出力電力Pを外
部負荷11に対応した交流電力Paに変換し、交流変換
後の出力電流Iaおよび出力電圧Vaを外部負荷11に
供給する。
【0004】燃料電池1の出力端子には、出力電流Iお
よび出力電圧Vを検出して検出情報として出力するセン
サ(図示せず)が設けられている。同様に、電力変換系
4の出力端子には、出力電力Paを検出する電力センサ
(図示せず)が設けられている。また、燃料ガスGの流
量QGおよび反応空気Aの流量QAをフィードバック制
御するために、各流量情報を検出して制御系5に出力す
る流量センサ(図示せず)が設けられている。
【0005】外部負荷11に対する供給電力を決定する
制御系5は、センサにより検出された出力電流Iおよび
出力電圧Vと、外部負荷11の変化に応じた所要の出力
電力Paの目標値を設定するための指令信号5Sとに応
答して、燃料供給系10(後述する)および空気供給系
3、ならびに電力変換系4を制御する。
【0006】燃料電池1に燃料ガスGを供給する燃料供
給系10は、原料ガスGoを改質して燃料ガスGとして
供給する燃料改質装置6と、燃料改質装置6に原料ガス
Goを供給する原料供給系7と、燃料改質装置6に燃焼
用の補助燃料Gfを供給する補助燃料供給系8と、燃料
改質装置6に燃焼用の燃焼空気Afを供給する燃焼空気
ブロワ9とから構成されている。
【0007】制御系5により駆動される燃焼空気ブロワ
9は、大気中の空気を吸入し、燃焼空気Afとして燃料
改質装置6に向けて送風する。燃料改質装置6は、原料
ガスGoが導入される改質触媒管6Aと、改質触媒管6
Aを加熱するバーナ6Bとから構成されている。バーナ
6Bには、補助燃料Gfおよび燃焼空気Afとともに、
燃料電池1内で反応後のオフガスGhが供給されてい
る。
【0008】原料供給系7は、原料ガスGoを格納する
原料タンク7Aと、原料タンク7Aから原料ガスGoを
導出する原料ポンプ7Bと、燃料改質装置6に対する原
料ガスGoの供給量を制御する制御弁7Cとから構成さ
れている。補助燃料供給系8は、補助燃料Gfを格納す
る燃料タンク8Aと、燃料タンク8Aから補助燃料Gf
を導出する燃料ポンプ8Bと、燃料改質装置6に対する
補助燃料Gfの供給量を制御する制御弁8Cとから構成
されている。
【0009】次に、図9とともに、図10、図12およ
び図13の特性図ならびに図11のタイミングチャート
を参照しながら、従来の燃料電池発電装置の動作につい
て説明する。図10は燃料電池1の出力電圧Vおよび出
力電流Iの関係を示し、各特性曲線は燃料電池1の温度
Tの変化(T=To(初期温度)、T1、T2)にそれ
ぞれ対応している。
【0010】図10において、破線は、外部負荷11で
要求される出力電力Paが増大したときの遷移状態を示
す。すなわち、温度T1の特性曲線上の動作点におい
て、外部負荷11の増大を示す指令信号5Sが発生し、
温度T2(高い出力電力P2に対応)の特性曲線上の動
作点に移行する場合を示している。
【0011】図11は電力変換系4の出力電力Pa、燃
料ガスGの流量QG、燃料電池1の温度T、出力電圧V
および出力電流Iの時間変化を示している。ここでは、
時刻t1において、外部負荷11の増大切換を示す指令
信号5Sが発生した場合を示している。
【0012】図11において、P2は指令信号5Sが発
生した後の出力電力Paの目標値、Q2は出力電力P2
に応じて設定された燃料ガス流量QGの目標値、qは負
荷増大時における燃料ガス流量QGに対する所定増加
量、Q3は所定増加量qが加算された実際の燃料ガス流
量、V2は出力電力P2に対応する出力電圧の目標値、
I2は出力電力P2に対応する出力電流の目標値であ
る。
【0013】図12は燃料電池1の運転時間に対する出
力電圧Vの変化を示しており、破線は初期電圧値であ
る。図13は運転時間による出力電圧Vの変化後の出力
電圧Vおよび出力電流Iの特性曲線の変化を示し、一点
鎖線は初期のI−V特性曲線である。
【0014】定常時の外部負荷11の変動に対する運転
制御において、制御系5は、指令信号5Sに基づいて出
力電流Iの目標値を設定するとともに、出力電流Iの検
出値に基づいて実際値と目標値との偏差を求め、この電
流偏差に基づいて制御信号を出力する。
【0015】これにより、制御信号に応答して、燃料供
給系10による燃料ガスGの流量制御および空気供給系
3による反応空気Aの流量制御が行われ、燃料電池1の
出力電流Iの制御が行われる。すなわち、制御系5は、
燃料供給系10内の制御弁7C、8Cおよび燃焼空気ブ
ロワ9を制御するとともに、空気供給系3を制御する。
【0016】また、制御系5は、制御信号により電力変
換系4を制御する。このとき、外部負荷11の変動がな
い場合には、制御系5は、出力電流Iから求まる燃料利
用率(水素利用率)および空気利用率(この場合、いず
れも一定値)に基づいて設定流量を求める。そして、燃
料ガスGおよび反応空気Aの実際の流量(検出値)が設
定流量と一致するように、燃料供給系10および空気供
給系3をフィードバック制御する。
【0017】一方、外部負荷11が変動して上昇した場
合には、制御系5からの制御信号が切換わり、これによ
り、比較的応答速度の速い電力変換系4は、数msec
程度の時間内で制御の切換を完了する。しかし、比較的
応答速度の遅い燃料電池1を含む電力出力系において
は、制御信号の切換に対する応答が、電力変換系4に比
べてかなり遅れ、両者の応答時間に時間差を生じてしま
う。
【0018】なぜなら、燃料電池1を含む電力出力系
は、燃料処理系すなわち燃料改質装置6内において改質
反応(化学反応)を含むうえ、燃焼空気Afおよび燃料
ガスGならびに反応空気Aの配管中においてガス移動
(物質移動)を含み、さらに、燃料電池1の温度T(出
力電圧Vの特性を決定する)、負荷上昇にともなって瞬
時に上昇できずに、時間遅れをもって上昇するからであ
る。
【0019】したがって、燃料電池1の出力電力Pの制
御の応答遅れにより、燃料電池1の出力特性は低下して
しまう。すなわち、燃料電池1の温度Tの上昇が遅れて
しまい、指令信号5Sの発生直後において出力電圧Vが
十分に得られないことから、外部負荷11で要求される
出力電力P2を供給するためには、たとえば図10内の
破線のように、出力電流I2のみが増大されることにな
る。
【0020】このように、必要な出力電力P2を満たす
ように出力電力Pを上昇させるためには、燃料電池1の
出力電流Iを増加させる必要があるので、燃料電池1に
供給する燃料ガスGおよび反応空気Aの流量を、増大後
の目標流量Q2(あらかじめマップデータ等により設定
された固定値)以上に設定しなければならない。
【0021】従来より、指令信号5Sに応答して出力電
流Iを増大させるために、制御系5は、制御切換後の出
力電力P2に相当した出力電圧V2および出力電流I2
を算出し、これらの目標値V2およびI2に対応した燃
料ガス流量Q2に所定の流量増加量qを加算して実際の
流量Q3を求め、これにより燃料ガスGを供給してい
る。同様に、流量増加量を含む制御信号が空気供給系3
にも入力され、反応空気Aの実際の流量を増大させてい
ることは言うまでもない。
【0022】ここで、出力電力P2に相当する出力電圧
V2および出力電流I2は、もし、図10のように一定
のV−I特性曲線上で規定される値であれば、電力変換
系4の変換効率を考慮して一義的に求められる。しかし
ながら、実際には、出力電圧V(および出力電流I)が
運転時間とともに低下する特性(図12参照)を有して
いるので、V−I特性曲線は、運転時間の経過にともな
って、図13のように出力電力Pが低下する方向に変化
する。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】従来の燃料電池発電装
置は以上のように、燃料電池1の出力電流Iの変動に対
応することを特に考慮することなく、指令信号5Sに応
じて設定される燃料ガスG(および反応空気A)の目標
流量に流量増加量qを加算して実際の流量を制御してい
るので、安定な運転を実現することができないという問
題点があった。また、外部負荷11で要求される出力電
力Paを十分確保するためには、運転時間による出力電
圧Vの特性低下(図12参照)を考慮して、出力電流I
の目標値(たとえば、マップ値)を所定期間毎に更新設
定する必要があり、燃料電池1のトリップ回数が増大す
るという問題点があった。
【0024】また、燃料ガスGの組成が変化したり、流
量検出系(図示せず)の誤検出により出力特性が低下し
ても、これを補正する手段を具備していないので、誤制
御を回避することができないという問題点があった。
【0025】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、負荷増大直後のガス流量を増大
させるとともに、燃料電池の経時変化を示す出力電圧に
基づいて流量制御することにより、負荷変動時や定常運
転時の燃料ガスおよび反応空気を十分に供給することが
でき、流量設定用の制御定数等の更新を不要としてトリ
ップ回数を低減するとともに、燃料ガス組成の不良に対
しても補正可能とし、安定な運転制御を実現した燃料電
池発電装置を得ることを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る燃料電池発電装置は、燃料ガスおよび反応空気の供給
量に応じた出力電力を発生する燃料電池と、燃料電池に
燃料ガスを供給する燃料供給系と、燃料電池に反応空気
を供給する空気供給系と、燃料電池の出力電力を変換し
て外部負荷に供給する電力変換系と、燃料電池の出力電
流および出力電圧の少なくとも一方を検出する検出手段
と、外部負荷の増大に応じた指令信号および検出手段の
検出情報に応答して、燃料供給系、空気供給系および電
力変換系を運転制御する制御系とを備え、制御系は、出
力電流に基づいて燃料ガスおよび反応空気の規定流量を
設定する規定流量設定手段と、指令信号に応答して燃料
ガスおよび反応空気の補正流量を設定する補正流量設定
手段とを含み、補正流量設定手段は、指令信号の発生か
ら所定時間にわたって、規定流量よりも所定量だけ多く
なるように補正流量を設定するものである。
【0027】また、この発明の請求項2に係る燃料電池
発電装置は、請求項1において、電力変換系の出力電力
を検出する検出手段を設け、補正流量設定手段は、出力
電力に応じて補正流量を演算設定する関数演算手段を含
み、関数演算手段は、出力電力の増大に応じて減少する
ように補正流量を演算設定するものである。
【0028】また、この発明の請求項3に係る燃料電池
発電装置は、請求項2において、関数演算手段は、出力
電力の増大に応じて減少するように所定量を演算設定す
るものである。
【0029】また、この発明の請求項4に係る燃料電池
発電装置は、請求項3において、補正流量設定手段は、
出力電力に基づいて出力電圧に対する規定電圧を設定す
る規定電圧設定手段と、出力電圧と規定電圧との電圧偏
差を求める減算手段と、電圧偏差に基づいて所定量を補
正する所定量補正手段とを含み、出力電圧の低下を補償
するように補正流量を設定するものである。
【0030】また、この発明の請求項5に係る燃料電池
発電装置は、燃料ガスおよび反応空気の供給量に応じた
出力電力を発生する燃料電池と、燃料電池に燃料ガスを
供給する燃料供給系と、燃料電池に反応空気を供給する
空気供給系と、燃料電池の出力電力を変換して外部負荷
に供給する電力変換系と、燃料電池の出力電流を検出す
る電流検出手段と、燃料電池の出力電圧を検出する電圧
検出手段と、電力変換系の出力電力を検出する電力検出
手段と、各検出手段の検出情報に応答して、燃料供給
系、空気供給系および電力変換系を運転制御する制御系
とを備え、制御系は、出力電力に基づいて出力電圧に対
する規定電圧を設定する規定電圧設定手段と、出力電圧
と規定電圧との電圧偏差を求める減算手段と、電圧偏差
に基づいて燃料ガスおよび反応空気の流量を補正する流
量補正手段とを含み、電圧偏差および出力電流に基づい
て流量を設定するものである。
【0031】また、この発明の請求項6に係る燃料電池
発電装置は、請求項4または請求項5において、燃料電
池の運転時間を計測する運転時間計測手段を設け、規定
電圧設定手段は、運転時間に応じて、燃料電池の予測出
力電圧を演算設定する関数演算手段と、予測出力電圧に
基づいて規定電圧を補正する規定電圧補正手段とを含
み、運転時間の経過に応じて規定電圧を自動的に補正す
るものである。
【0032】また、この発明の請求項7に係る燃料電池
発電装置は、請求項6において、規定電圧設定手段は、
運転時間の一定時間経過を判定する一定時間判定手段
と、一定時間経過が判定される毎に、電圧偏差に基づい
て規定電圧を補正するための関数補正手段とを含むもの
である。
【0033】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1を図につ
いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1の動作を
示すタイミングチャートであり、Pa、QG、Vおよび
Iは前述と同様のものである。
【0034】この場合、燃料ガスGの利用率ηGおよび
反応空気Aの利用率ηA、ならびに反応空気Aの流量Q
Aの時間変化も示している。各利用率ηGおよびηA
(以下、総称的に、利用率ηという)は、各流量QGお
よびQA(以下、総称的に、流量Qという)の逆数に対
応する。
【0035】なお、燃料電池発電装置の構成は前述(図
9)と同様であり、制御系5内の処理ルーチンが異なる
のみである。すなわち、この場合の制御系5は、出力電
流Iから求められる規定流量QG1およびQA1(以
下、流量Q1という)を設定する規定流量設定手段のみ
ならず、規定流量Q1に対して、利用率ηを低下させて
求めた補正流量QG2およびQA2(以下、流量Q2と
いう)を設定する補正流量設定手段を含み、外部負荷1
1の増大切換過渡時に補正流量設定手段を動作させるよ
うになっている。
【0036】次に、図1および図9を参照しながら、こ
の発明の実施の形態1の動作について説明する。前述と
同様に、時刻t1において、外部負荷11に対する出力
電力PaをP1からP3に増大させる指令信号5Sが発
生すると、制御系5は、燃料利用率ηGおよび空気利用
率ηAを、定常状態での利用率ηG1およびηA1(以
下、利用率η1という)から負荷増加直後の過渡状態で
の利用率ηG2およびηA2(以下、利用率η2とい
う)に変更する。
【0037】一般に、燃料電池1の定常状態(期間t0
〜t1)における利用率は、燃料利用率ηG1が80%
〜85%程度、空気利用率ηA1が60%程度で運転さ
れている。これに対し、この発明の実施の形態1におい
ては、負荷増加直後の所定時間τの過渡状態(期間t1
〜t2)における利用率ηを、それぞれ定常状態での値
よりも所定量(4%〜5%程度)ずつ低下させ、たとえ
ば、燃料利用率ηG2が75%〜80%程度、空気利用
率ηA2が55%程度となるように燃料電池1を運転す
る。
【0038】すなわち、時刻t1において、燃料ガス流
量QGおよび空気流量QAを増大させて、燃料電池1に
対する燃料ガスGおよび反応空気Aを過剰に供給し、燃
料利用率ηG(=実際に反応に寄与する燃料ガス/供給
される燃料ガス)および空気利用率ηAを低下させる。
したがって、燃料ガス流量QGの増加により、時刻t1
において出力電圧Vはわずかに増大し、これを相殺する
ように、出力電流Iはわずかに減少する。
【0039】これと同時に、制御系5は、燃料電池1の
出力電流Iに基づいて、燃料ガス流量QGおよび空気流
量QAを求め、定常状態の流量Q1から、増大された流
量Q2による制御を行う。その後、出力電力PaがP1
からP3に向かって徐々に増大し、これにより、燃料電
池1の出力電流IもI1からI3に向かって徐々に増大
する。また、出力電流Iの増大にともない、燃料ガス流
量QGおよび空気流量QAも増大する。
【0040】過渡状態時の利用率η2に対応した流量Q
2は、燃料ガスGの反応による応答遅れや各配管による
応答遅れを見込んで設定されているので、出力電圧Vの
低下量は、応答遅れ分が相殺されて、燃料電池1の温度
Tの上昇遅れ分のみとなる。したがって、出力電流Iに
見合う燃料ガスGおよび反応空気Aが供給されるので、
燃料電池1に対する燃料すなわち燃料ガスGおよび反応
空気Aが不足することはない。
【0041】時刻t2において、出力電力Paが負荷増
加後の目標値P3に達すると、制御系5は、燃料利用率
ηGおよび空気利用率ηAを、それぞれ、過渡状態での
各利用率η2から、定常状態での利用率ηG3(=80
%〜85%程度=ηG1)およびηA3(=60%程度
=ηA1)に変更する。これにより、出力電力PaがP
3の場合の定常状態に移行し、このときの出力電圧Vは
V3となる。
【0042】その後、燃料電池1の温度Tの上昇にとも
ない、時刻t3において、出力電圧VはV3からV4に
上昇する。一方、出力電圧Vの上昇により、出力電流I
はI3からI4に減少し、出力電力Paを一定の目標値
P3に維持する。また、出力電流Iの減少により、燃料
ガス流量QGおよび空気流量QAは、QG3およびGA
3から、それぞれQG4およびQA4に変化する。
【0043】このように、外部負荷11が増加方向に切
り換えられたときに、直後の過渡状態において燃料ガス
流量QGおよび空気流量QAを増大させ、利用率ηを低
下させて燃料電池1を運転することにより、出力電圧V
の応答遅れ相当分を補償して直ちに増大させることがで
きる。その後、出力電流Iの増大にともなって流量Qを
増大させることにより、安定した運転を実現することが
できる。
【0044】一方、外部負荷11が減少方向に切り換え
られた場合には、燃料ガスGおよび反応空気Aの供給量
が過剰状態となり、特に支障が生じることはないので、
燃料利用率ηGおよび空気利用率ηAを切り換える必要
はない。
【0045】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、負荷増大時の過渡状態における燃料利用率ηG2お
よび空気利用率ηA2を、それぞれ一定値に固定した
が、出力電力Paの変動分を相殺するような関数として
可変設定してもよい。図2はこの発明の実施の形態2に
よる制御系5内の利用率演算部の構成を示す機能ブロッ
クであり、出力電力Paに基づく関数演算により過渡状
態での利用率η2を補正設定する場合を示している。
【0046】図2において、41は出力電力Paを検出
する電力検出部であり、電力変換系4の出力端子に設け
られている。51は出力電力Paに応じた利用率ηを関
数演算により補正設定する関数演算部であり、制御系5
内の補正流量設定手段に含まれる。ここでは、外部負荷
11の増大切換過渡時の燃料利用率ηG2および空気利
用率ηA2を、総称的な利用率としてηで示している。
【0047】関数演算部51は、負荷増大時の過渡状態
において、たとえば、電力変換系4の出力電力Paが増
大すると、出力電力Paの増大量に応じて利用率ηを増
大設定し、過渡状態での流量Q2を減少させる。逆に、
出力電力Paが減少すると、関数演算された利用率ηに
基づいて流量Qを増大させる。これにより、出力電力P
aの増大変動(および減少変動)を抑制し、燃料電池1
の運転をさらに安定化することができる。
【0048】実施の形態3.なお、上記実施の形態2で
は、関数演算部51を用いて、出力電力Paに応じた利
用率ηを直接補正設定したが、過渡状態時の利用率ηの
低減分に相当する所定量Δηを補正設定し、基本利用率
ηo(前述の利用率η1に相当)から減算して補正後の
利用率ηcを求めてもよい。
【0049】図3はこの発明の実施の形態3による制御
系5内の利用率演算部の構成を示す機能ブロックであ
り、41、Paおよびηは前述と同様のものである。こ
こでは、出力電力Paに基づく関数演算により過渡状態
での利用率低減用の所定量Δηを補正設定するようにな
っている。
【0050】図3において、100は定常運転時の基本
利用率ηoを設定する基本利用率設定手段、52は出力
電力Paに応じて利用率低減用の所定量Δηを補正演算
する関数演算部、53は基本利用率ηoと関数演算され
た所定量Δηとの差をとって補正後の利用率ηcを出力
する減算部であり、基本利用率設定手段100、関数演
算部52および減算部53は、いずれも制御系5内に構
成されている。なお、過渡状態時の燃料利用率ηG2お
よび空気利用率ηA2に対する所定量ΔηGおよびΔη
Aを、総称的な所定量としてΔηで示している。
【0051】この場合、関数演算部52は、過渡状態時
に電力変換系4の出力電力Paが増大すると、出力電力
Paの増大量に応じて減少するように、所定量Δηを演
算する。これにより、減算部53で演算される利用率η
c(=ηo−Δη)を増大させ、前述と同様に、過渡状
態での流量Q2を減少させることができる。逆に、出力
電力Paが減少すると、関数演算された所定量Δηに基
づいて流量Qを増大させる。したがって、出力電力Pa
の変動を抑制し、燃料電池1の運転を安定化することが
できる。
【0052】実施の形態4.なお、上記実施の形態3で
は、関数演算部52で補正設定された所定量Δηを利用
率ηの低減補正量として直接用いたが、燃料電池1の出
力電圧Vの変動に応じて所定量Δηをさらに補正し、燃
料電池1の経時劣化等による出力電圧Vの低下を補償す
るようにしてもよい。
【0053】図4はこの発明の実施の形態4の要部を示
す機能ブロックであり、41、52、53、Pa、Vお
よびΔηは前述(図3参照)と同様のものである。ま
た、図示しない構成は、図3および図9に示した通りで
ある。この場合、出力電力Paに基づく関数演算によ
り、過渡状態での燃料電池1の出力電圧Vに対応した規
定電圧Vrを設定し、検出された出力電圧Vとの電圧偏
差ΔVに基づいて、利用率低減用の所定量Δηを補正す
るようになっている。
【0054】図4において、54は規定電圧設定手段を
構成する関数演算部であり、出力電力Paに応じて燃料
電池1の規定電圧Vrを演算する。101は燃料電池1
の出力端子に設けられて出力電圧Vを検出する電圧検出
部、55は出力電圧Vと規定電圧Vrとの電圧偏差ΔV
を演算する減算部、56は電圧偏差ΔVに基づいて所定
量Δηを補正演算する所定量補正部、Δηcは減算部5
3(図3参照)に入力される補正後の所定量である。以
上の関数演算部54、減算部55および所定量補正部5
6は、制御系5内に構成されている。
【0055】この場合の制御系5(図9参照)は、出力
電力Paに基づいて出力電圧Vに対する規定電圧Vrを
設定する規定電圧設定手段と、出力電圧Vと規定電圧V
rとの電圧偏差ΔVに基づいて利用率低減用の所定量Δ
ηを補正する所定量補正手段とを含み、出力電圧Vの低
下を補償するように、規定電圧Vrの設定時に自動的に
補正するようになっている。
【0056】関数演算部54は、出力電力Paに応じた
規定電圧Vrを、出力電力Paの増大につれて減少する
ように演算する。減算部55は、出力電圧Vの低下につ
れて電圧偏差ΔVが増大するように、電圧偏差ΔV(=
Vr−V)を求める。所定量補正部56は、電圧偏差Δ
Vに重み係数を乗算した値を、関数演算部52(図3参
照)で演算設定された基本の所定量Δηに加算し、補正
後の所定量Δηcとして出力する。
【0057】次に、図3および図9を参照しながら、図
4に示したこの発明の実施の形態4の動作について説明
する。一般に、燃料電池1(図9参照)の出力電圧V
は、電力変換系4の出力電力Paに対応して求められる
が、燃料ガスGの経時組成変化による水素量低下や、流
量計の誤指示等に起因して、燃料ガスGの流量QGおよ
び反応空気Aの流量QAが必要量よりも低下した場合に
は、出力電圧Vの特性低下が発生する。
【0058】そこで、この発明の実施の形態4において
は、出力電圧Vの低下に応じて所定量Δηを増大補正
し、利用率ηを低減させて流量Qを増大させる。まず、
関数演算部54は、負荷増大時の過渡状態時に電力変換
系4の出力電力の増大に応じて減少するように規定電圧
Vrを演算設定する。
【0059】もし、出力電力Paが増大すれば、関数演
算部54は、低減された規定電圧Vrを演算し、減算部
55で演算される電圧偏差ΔVを低減させる。これによ
り、所定量補正部56は、所定量Δηを減少方向に補正
して過渡時の利用率ηを増大させ、流量Q2を減少させ
て、出力電力Paの増大を抑制する。
【0060】また、関数演算部54で設定された規定電
圧Vrに対して、出力電圧Vが低下した場合には、減算
部55で演算される電圧偏差ΔVが増大して、所定量補
正部56で演算される所定量Δηcは増大する。これに
より、減算部53(図3参照)から出力される補正後の
利用率ηc(=η−Δηc)は減少し、したがって、過
渡状態での流量Q2は増大する。
【0061】このように、出力電力Paから求まる規定
電圧Vrと出力電圧Vとを比較し、その電圧偏差ΔVに
基づいて、燃料ガスGおよび反応空気Aの利用率ηを制
御し、ひいては流量Qを制御することにより、外部負荷
11を増大させた直後の過渡状態における燃料電池1の
出力電圧Vを規定電圧Vrに一致させ、出力電圧Vの低
下にともなう出力電流Iの増大を抑制して、燃料電池1
の運転をさらに安定にすることができる。
【0062】また、出力電圧Vの継時的な特性低下を考
慮して、利用率ηを低減させる所定量Δηを制御するこ
とにより、燃料ガスGの組成劣化等のガス不足が発生し
ても、燃料電池1を常に安定に動作させることができ
る。したがって、燃料電池1の経時変化のみならず温度
Tの変化によらず、燃料電池1の出力特性の低下を防止
することができる。
【0063】実施の形態5.なお、上記実施の形態4で
は、出力電力Paから一義的に関数演算された規定電圧
Vrを、そのまま比較基準として減算部55に入力し、
出力電圧Vの変動を抑制したが、運転時間に応じた出力
電圧Vの低下を考慮して規定電圧Vrを補正し、燃料電
池1の経時劣化等による出力電圧Vの低下をさらに高精
度に補償してもよい。
【0064】図5はこの発明の実施の形態5の要部を示
す機能ブロックであり、41、54、55、Paおよび
Vrは前述(図4参照)と同様のものである。また、図
示しない構成は、図3、図4および図9に示した通りで
ある。この場合、運転時間tdに基づいて関数演算され
た予測出力電圧Vtにより、出力電力Paに基づいて関
数演算された規定電圧Vrを補正し、補正後の規定電圧
Vrcを減算部55に入力するようになっている。
【0065】図5において、103は燃料電池1の運転
時間tdを計測する運転時間計測部、57は計測時間t
dに応じて燃料電池1の予測出力電圧Vtを演算設定す
る関数演算部、58は予測出力電圧Vtに基づいて規定
電圧Vrを補正演算する規定電圧補正部、Vrcは減算
部55(図4参照)に入力される補正後の規定電圧であ
る。
【0066】以上の運転時間計測部103、関数演算部
57および規定電圧補正部58は、関数演算部54とと
もに、制御系5内の規定電圧設定手段に含まれており、
運転時間tdの経過に応じて規定電圧Vrを自動的に補
正するようになっている。この場合、関数演算部57
は、運転時間tdに応じて、図12に示した出力電圧V
の低下特性により予測出力電圧Vtを低下さる。
【0067】また、規定電圧補正部58は、予測出力電
圧Vtに重み係数を乗算した値を、関数演算部54で演
算設定された基本の規定電圧Vrに加算し、補正後の規
定電圧Vrcとして減算部55(図4参照)に入力す
る。したがって、時間経過により燃料電池1の出力電圧
Vが低下しても、流量Qを確実に補正することができ、
安定な運転制御を継続することができる。
【0068】実施の形態6.なお、上記実施の形態5で
は、運転時間tdに応じて、事前に設定された関数演算
により一義的に予測出力電圧Vtを求めて規定電圧Vr
を補正したが、一定運転時間だけ経過する毎に出力電圧
Vの実測値に基づいて関数値を補正し、規定電圧Vrを
補正し、燃料電池1の経時劣化等による出力電圧Vの低
下をさらに高精度に補償してもよい。
【0069】一般に、経時変化による燃料電池1の出力
電圧Vの低下量は一定ではなく、運転条件や外部負荷1
1の負荷率等によっても異なる。したがって、図5のよ
うに関数演算部57により設定された予測出力電圧Vt
は、実際の出力電圧Vと一致するとは限らず、規定電圧
補正部58を介して補正された規定電圧Vrcが正確な
値でない場合がある。
【0070】そこで、現時点での外部負荷11の条件に
対応して、出力電圧Vの実測値により補正された規定電
圧Vrcを用いれば、さらに安定した燃料電池1の運転
を実現することができる。
【0071】図6は出力電圧Vの実測値に基づいて規定
電圧Vrを補正するようにしたこの発明の実施の形態6
の要部を示す機能ブロックであり、41、52、53、
55〜58、100、101、103、Pa、td、
V、Vr、Vrc、ΔV、Δη、Δηc、ηoおよびη
cは、前述(図3〜図5参照)と同様のものである。ま
た、54Aは関数演算部54に対応しており、図示しな
い構成は図9に示した通りである。
【0072】図6において、59は計測された運転時間
tdが一定時間経過する毎に一定時間判定信号tcを出
力する一定時間判定部、60は一定時間判定信号tcに
応答して電圧偏差ΔVに応じた関数補正を行う関数補正
部である。一定時間判定部59および関数補正部60
は、規定電圧設定手段に含まれており、関数補正部60
は、一定時間判定信号tcが出力される毎に有効化さ
れ、関数演算部54A内の関数を変更するようになって
いる。
【0073】以下、図7のフローチャートを参照しなが
ら、図6に示したこの発明の実施の形態6による規定電
圧Vrの補正処理動作について説明する。まず、一定時
間判定部59は、運転時間tdが一定時間経過したか否
かを判定し(ステップS1)、一定時間が経過した(す
なわち、YES)と判定される毎に、一定時間判定信号
tcを出力して関数補正部60を有効にする。
【0074】もし、ステップS1においてYESと判定
されれば、減算部55は、対応する外部負荷11の規定
電圧Vrcと出力電圧Vとの電圧偏差ΔVを演算し(ス
テップS2)、関数補正部60は、電圧偏差ΔVに基づ
いて各外部負荷11に対する規定電圧Vrを変更補正す
る(ステップS3)。
【0075】たとえば、出力電圧Vの低下により電圧偏
差ΔVが増大した場合には、所定量Δηが増大して流量
Qが増大するのを抑制するため、関数演算部54Aにお
ける規定電圧Vrの演算値を減少させ、電圧偏差ΔVを
減少させる。これにより、規定電圧Vrは、出力電圧V
の実測値に応じて一定時間毎に適性に補正されるので、
燃料電池1の現時点での特性に合わせて、外部負荷11
の増大過渡時の流量Qの増大を防止することができる。
【0076】一方、ステップS1において、運転時間t
dが一定時間経過していない(すなわち、NO)と判定
されれば、ステップS2およびステップS3を実行せず
に、図7の処理を終了する。図6においては、一定時間
毎に有効化される関数補正部60により、規定電圧Vr
に対する関数演算部54Aを変更したが、予測出力電圧
Vtに対する関数演算部57を変更するようにしてもよ
い。
【0077】実施の形態7.なお、上記実施の形態4〜
6では、外部負荷11を増大切換したときの過渡状態時
を対象として、利用率ηの低減量(流量の増大量)を電
圧偏差ΔVに基づいて補正するようにしたが、定常運転
時を対象としてもよい。すなわち、定常運転時におい
て、出力電流Iおよび利用率ηから流量Qを求める際
に、燃料電池1の出力電圧Vと規定電圧Vrとの電圧偏
差ΔVに基づいて利用率ηを補正するようにしてもよ
い。
【0078】図8は電圧偏差ΔVに基づいて定常運転時
の流量Qを補正するようにしたこの発明の実施の形態7
の要部を示す機能ブロックであり、41、54、55、
100、101、I、Pa、Q、V、Vr、ΔVおよび
ηoは、前述と同様のものである。また、ηcAは補正
後の利用率ηcに対応しており、図示しない構成は図9
に示した通りである。
【0079】図8において、102は燃料電池1の出力
端子に設けられて出力電流Iを検出する電流検出部、6
1は電圧偏差ΔVに基づいて定常運転状態での基本利用
率ηoを補正する利用率補正部、ηcAは補正後の基本
利用率、62は出力電流Iを相応の流量Qiに変換する
流量変換部、63は流量Qiを基本利用率ηcAで除算
して最終的な流量Qを出力する除算部である。
【0080】利用率補正部61は、定常運転時の流量補
正手段を構成しており、流量変換部62および除算部6
3とともに、制御系5内に含まれている。流量変換部6
2および除算部63は、一般的な流量制御手段であり、
従来構成に含まれている。
【0081】この場合、利用率補正部61を用いて、電
圧偏差ΔVに基づいて定常運転時の基本利用率ηoを補
正すること以外は前述と同様であり、出力電圧Vと規定
電圧Vrとの電圧偏差ΔVに基づいて利用率η(流量
Q)を補正する。
【0082】したがって、燃料ガスG(図9参照)の組
成や流量計の不具合等によりガス不足が発生して出力電
圧Vが変動しても、定常運転時の必要な燃料ガスGおよ
び反応空気Aを供給することができる。また、燃料電池
1の長時間の運転により出力電圧Vの特性が低下して
も、燃料電池1の安定な運転を継続することができる。
【0083】実施の形態8.なお、図8では、関数演算
部54から出力された規定電圧Vrをそのまま減算部5
5に入力して電圧偏差ΔVを求めたが、前述の実施の形
態5(図5参照)と同様に、出力電圧Vの継時的な特性
低下を考慮し、運転時間tdに応じて規定電圧Vrを補
正してもよい。
【0084】これにより、定期的に制御値の設定変更を
行うことなく、燃料電池1の経時劣化等に起因する出力
電圧Vの低下をさらに高精度に補償し、ガス不足等に対
処することができる。
【0085】実施の形態9.また、前述の実施の形態6
(図6および図7参照)と同様に、一定運転時間だけ経
過する毎に出力電圧Vを用いて関数演算部54(または
57)のデータ値を補正し、規定電圧Vrを補正しても
よい。
【0086】これにより、運転履歴とは無関係に、規定
電圧Vrを自動的に補正され、燃料電池1の経時劣化等
に起因する出力電圧Vの低下をさらに高精度に補償する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の動作を説明するた
めのタイミングチャートである。
【図2】 この発明の実施の形態2の要部を示す機能ブ
ロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態3の要部を示す機能ブ
ロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態4の要部を示す機能ブ
ロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態5の要部を示す機能ブ
ロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態6の要部を示す機能ブ
ロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態6の動作を示すフロー
チャートである。
【図8】 この発明の実施の形態7の要部を示す機能ブ
ロック図である。
【図9】 一般的な燃料電池発電装置を示す概略構成図
である。
【図10】 一般的な燃料電池の出力電流と出力電圧と
の関係を示す特性図である。
【図11】 従来の燃料電池発電装置の動作を説明する
ためのタイミングチャートである。
【図12】 一般的な燃料電池の運転時間に対する出力
電圧の変化を示す特性図である。
【図13】 一般的な燃料電池の経時変化による出力電
流と出力電圧との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 燃料電池、3 空気供給系、4 電力変換系、5
制御系、5S 指令信号、10 燃料供給系、11 外
部負荷、41 電力検出部、51,52,54,54
A,55 減算部、57 関数演算部、56 所定量補
正部、58 規定電圧補正部、59 一定時間判定部、
100 基本利用率設定部、101 電圧検出部、10
2 電流検出部、103 運転時間計測部、A 反応空
気、G 燃料ガス、I 出力電流、Pa 出力電力、Q
流量、V 出力電圧、Vr 規定電圧、Vrc 補正
後の規定電圧、Vt 予測出力電圧、ΔV 電圧偏差、
tc一定時間判定信号、td 運転時間、η 利用率、
ηc、ηcA 補正後の利用率、ηA 空気利用率、η
G 燃料利用率、ηo 基本利用率、Δη 所定量、Δ
ηc 補正後の所定量、τ 所定時間。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ガスおよび反応空気の供給量に応じ
    た出力電力を発生する燃料電池と、 前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料供給系と、 前記燃料電池に前記反応空気を供給する空気供給系と、 前記燃料電池の出力電力を変換して外部負荷に供給する
    電力変換系と、 前記燃料電池の出力電流および出力電圧の少なくとも一
    方を検出する検出手段と、 前記外部負荷の増大に応じた指令信号および前記検出手
    段の検出情報に応答して、前記燃料供給系、前記空気供
    給系および前記電力変換系を運転制御する制御系とを備
    え、 前記制御系は、 前記出力電流に基づいて前記燃料ガスおよび前記反応空
    気の規定流量を設定する規定流量設定手段と、 前記指令信号に応答して前記燃料ガスおよび前記反応空
    気の補正流量を設定する補正流量設定手段とを含み、 前記補正流量設定手段は、前記指令信号の発生から所定
    時間にわたって、前記規定流量よりも所定量だけ多くな
    るように前記補正流量を設定することを特徴とする燃料
    電池発電装置。
  2. 【請求項2】 前記電力変換系の出力電力を検出する検
    出手段を設け、 前記補正流量設定手段は、前記出力電力に応じて前記補
    正流量を演算設定する関数演算手段を含み、 前記関数演算手段は、前記出力電力の増大に応じて減少
    するように前記補正流量を演算設定することを特徴とす
    る請求項1に記載の燃料電池発電装置。
  3. 【請求項3】 前記関数演算手段は、前記出力電力の増
    大に応じて減少するように前記所定量を演算設定するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の燃料電池発電装置。
  4. 【請求項4】 前記補正流量設定手段は、 前記出力電力に基づいて前記出力電圧に対する規定電圧
    を設定する規定電圧設定手段と、 前記出力電圧と前記規定電圧との電圧偏差を求める減算
    手段と、 前記電圧偏差に基づいて前記所定量を補正する所定量補
    正手段とを含み、 前記出力電圧の低下を補償するように前記補正流量を設
    定することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池発電
    装置。
  5. 【請求項5】 燃料ガスおよび反応空気の供給量に応じ
    た出力電力を発生する燃料電池と、 前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料供給系と、 前記燃料電池に前記反応空気を供給する空気供給系と、 前記燃料電池の出力電力を変換して外部負荷に供給する
    電力変換系と、 前記燃料電池の出力電流を検出する電流検出手段と、 前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧検出手段と、 前記電力変換系の出力電力を検出する電力検出手段と、 前記各検出手段の検出情報に応答して、前記燃料供給
    系、前記空気供給系および前記電力変換系を運転制御す
    る制御系とを備え、 前記制御系は、 前記出力電力に基づいて前記出力電圧に対する規定電圧
    を設定する規定電圧設定手段と、 前記出力電圧と前記規定電圧との電圧偏差を求める減算
    手段と、 前記電圧偏差に基づいて前記燃料ガスおよび前記反応空
    気の流量を補正する流量補正手段とを含み、 前記電圧偏差および前記出力電流に基づいて前記流量を
    設定することを特徴とする燃料電池発電装置。
  6. 【請求項6】 前記燃料電池の運転時間を計測する運転
    時間計測手段を設け、 前記規定電圧設定手段は、 前記運転時間に応じて、前記燃料電池の予測出力電圧を
    演算設定する関数演算手段と、 前記予測出力電圧に基づいて前記規定電圧を補正する規
    定電圧補正手段とを含み、 前記運転時間の経過に応じて前記規定電圧を自動的に補
    正することを特徴とする請求項4または請求項5に記載
    の燃料電池発電装置。
  7. 【請求項7】 前記規定電圧設定手段は、 前記運転時間の一定時間経過を判定する一定時間判定手
    段と、 前記一定時間経過が判定される毎に、前記電圧偏差に基
    づいて前記規定電圧を補正するための関数補正手段とを
    含むことを特徴とする請求項6に記載の燃料電池発電装
    置。
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