JP2009277525A - 固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムとその運転制御方法 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムとその運転制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】設備を複雑にすることなく、熱電比変更時にセル温度やオフガス燃焼温度などシステムの温度状態を安定に保ちながら、熱電比追従性と耐久性を向上できる固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムとその運転制御方法を提供する。
【解決手段】システムの操作量である燃料1及び空気9の流量を調整する制御装置を有し、セル温度Tcと燃焼室温度Tに応じて燃料若しくは空気の流量を補正することでセル温度若しくは燃焼室温度を安定化するための電池温度制御手段300と、熱電比を変更するために燃料流量を補正する熱電比追従制御手段420と、電池温度制御手段に対してセル温度若しくは燃焼室温度の補正値を与える熱電比制御用温度補正手段450とを設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池による電気出力と排ガスからの熱回収による熱出力を得る固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムとその運転制御方法に係り、特に熱出力と電気出力の比(熱出力/電気出力)を任意に変更して運転し得る固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムとその運転制御方法に関する。
近年、クリーンで高効率な分散電源の一つとして燃料電池発電システムが注目されている。なかでも、高温動作可能な固体酸化物形燃料電池は業務用から産業用など適用範囲が広く、特に電熱併給を目的としたコジェネレーションシステムは高い総合効率が得られるため多分野で期待されている。しかしながら、コジェネレーションシステムに対する電気需要と熱需要は一日の時間帯で変動することは勿論のこと、天候、曜日、季節など様々の要因で変動し、熱電比(熱需要/電気需要と定義する)も様々なパターンで変動する。そのため、システムにとって電気出力は勿論のこと、熱電比も需要変動に対して高い応答性を備え、かつ、高い耐久性も兼ね備えることが重要となっている。
ここで、応答性について触れるまえに、まず耐久性について述べておく。耐久性の観点から、まず留意すべきものは、セルの温度である。セルを構成する材料が固体酸化物といえども、セル自体及び構造材の耐熱性から自ずと上限があり、また発電性能の面で下限もあり、この範囲で運転することが必要である。また、耐熱応力の観点ではセル自体の温度変化率と温度分布が問題で、これらも許容値内に保った状態で運転することが必要である。
また、耐久性の観点で留意すべき点は、アノード側の燃料利用率が高くなった場合の燃料枯れの問題が挙げられる。固体酸化物形燃料電池は、燃料電池のセルにおけるカソード側に供給された空気中の酸素がイオン化され電解質を透過してアノードに達し、アノード側に供給された水素と反応することで起電力を発生する仕組みを利用したものである。この場合、アノードに直接水素を供給しても良いが、通常、都市ガス、LNG、灯油など炭化水素系燃料に蒸気を混合した原料を予め改質器に通すことで水素リッチな改質ガスに転換し、これを燃料として使用する方法が一般的である。このような固体酸化物形燃料電池において、出力変動時はセル自身の発熱量が変動するのみでなく、アノードから排出される未反応燃料ガス(オフガスともいう)の燃焼エネルギーも変動する。このため、このエネルギーを利用して燃料改質や空気予熱する場合、あるいは熱出力を得る場合などはシステム全体として複雑な温度変動を呈し、また、温度変動により2次的な問題も発生する。即ち、燃料不足(以下、燃料枯れとよぶ)によるアノードの酸化である。燃料枯れはアノードに供給される燃料流量に比べて負荷の割合(燃料利用率)が高くなると発生しやすく、燃料利用率が100%に達すると燃料枯れとなる。これにより、一旦、アノードに酸化が起きると電池性能が低下し、起電力と出力が低下し、結果として発電効率も低下する。この状態が続くとアノードの酸化のみでなくセルの破損に至る恐れがある。このように、燃料枯れは燃料電池の耐久性を低下させる要因のひとつとなっており、特に燃料濃度が希薄となるアノード出口付近で発生し易く、出力変動時や温度変動時に起き易いため、運転制御上、注意を要する。しかしながら、運転中にセル出口の燃料濃度をリアルタイムで計測するのは困難なため、燃料利用率を直接監視するのは困難である。そのため、燃料枯れを防止するために、一般的には、非特許文献1に記載されているように、燃料利用率は定常状態で75%程度となる運転条件が採用されている。
また、前記のように未反応燃料ガスの燃焼エネルギーを利用して燃料改質や空気予熱する場合、未反応燃料ガスを燃焼させる燃焼室温度も耐久性の観点から留意すべき点である。固体酸化物形燃料電池においては、セル内部での改質能力も有するが、改質反応は吸熱を伴うため、セル温度をある程度高く保つためにも予め前記の改質器により改質を進めておく方法が一般的に採用されている。通常、改質器での改質率は50%前後で運転される。しかしながら、燃焼室温度が下がると排ガス温度が下がり、改質器での熱吸収量が低下して改質率が低下する。これにより、セル内での改質反応分が増えるため吸熱量が増加してセル温度(特に燃料入口部のセル温度)が低下するという現象が発生する。また、このとき空気予熱量も低下するため、セル温度(特に空気入口部のセル温度)が低下する。逆に、燃焼室温度が上がると排ガス温度が上がり、改質器での熱吸収量が増加して改質率が上昇する。これにより、セル内での改質反応分が減少するため吸熱量が減少してセル温度が上昇し、空気予熱量も増加するため、セル温度が上昇する。このような現象が過度になると、セルの過熱や温度低下により前述と同様に、耐久性や発電性能が低下するという問題を引き起こす。
次に、需要変動に対する応答性について述べる。需要変動としては、前述の電気出力、熱出力及び熱電比の変動であり、電気出力は主として燃料及び空気の流量とセル電流の調整で対応できるため他の2つと比較して追従性は良い。しかしながら、電気出力を大幅に変更する場合は、空気、燃料系統の熱的応答遅れを配慮する必要がある。一方、電気出力一定のもとで熱出力及び熱電比に対する需要が変動する場合には、熱出力の調整が要求されるため次のような問題が発生する。まず、熱出力を増加する場合の問題として、燃料を増やすことでセル出口の未反応燃料を増加させて、排ガスエネルギーを増やすことができるが、排ガス温度が過度に上昇しないように空気流量も増やす必要がある。逆に、過度に空気流量を増やすとセル温度や排ガス温度が低下し過ぎるため、この両者のバランスが問題となる。この場合、未反応燃料の燃焼温度とセル温度の応答は、燃料流量と空気流量を変更したときの複雑な動特性として現れる。また、熱電比を上げる場合(熱出力を増加させる場合)と下げる場合(熱出力を低下させる場合)とでは、大きな熱容量を持つセルやシステム構造物の保有熱効果により応答はかなり違った様相を呈する。即ち、熱電比を上げる場合は、セルやシステム構造物の保有熱を利用できるため比較的速い応答を得られ易いが、熱電比を下げる場合は、逆に保有熱が邪魔になり熱出力は下がり難くい。このため、熱出力あるいは熱電比を下げる場合は上げる場合よりも注意を要する。
固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムは、以上述べた特性により、熱電比需要変動に応答性良く対応することが難しい。このため、従来技術では特許文献1に示されたように、オフガス燃焼部に燃料を直接投入するための設備や、排ガスを加熱するための電気ヒータなどで加熱する設備を付加した構造としている。そして、熱電比を変更する場合、オフガス燃焼部に投入する燃料流量や電気ヒータによる排ガス加熱量を調整していた。
田川 著、固体酸化物燃料電池と地球環境、62頁、アグネス承風社、1998年6月 特開2006−73316号公報
特許文献1に開示された固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムでは、オフガス燃焼部に燃料を直接投入するための設備や、排ガスを加熱するための電気ヒータなどで加熱する設備を付加した複雑な構造となっている。
本発明の目的は、設備を複雑にすることなく、熱電比変更時に、システムの温度状態を安定に保ちながら、熱電比追従性と耐久性を向上できる固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムとその運転制御方法を提供することにある。
本発明はその一面において、投入された燃料により電気出力を得る燃料電池と、前記燃料電池から排出されたオフガスの燃焼エネルギーから熱出力を得る排熱回収装置と、目標電気出力指令値を発生する目標電気出力指令手段と、前記目標電気出力指令値に基づいて燃料流量を決定する燃料流量指令手段と、前記目標電気出力指令値に基づいて空気流量を決定する空気流量指令手段と、セル温度及び/又は燃焼室温度の変動に応じて前記燃料及び/又は空気の供給量を調整する電池温度制御手段と、目標熱電比指令値を発生する目標熱電比指令手段を備えた固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムにおいて、目標熱電比指令値に応じて燃料供給量を調整する熱電比追従制御手段と、目標熱電比指令値に応じて、電池温度制御手段に対して、セル温度及び/又は燃焼室温度の補正値を与える熱電比制御用温度補正手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の望ましい実施態様においては、熱電比追従制御手段は、熱電比を算出するための熱電比演算手段と、目標熱電比指令値と算出した熱電比との偏差が小さくなるように熱電比調整用燃料を補正する手段を備える。
本発明の望ましい実施態様においては、熱電比制御用温度補正手段は、基準運転状態からの熱電比調整の増減方向に応じた静的補正値及び/又は、基準運転状態からの熱電比調整量に応じた動的補正値とに応じてセル温度及び/又は燃焼室温度の補正値を決定する。
本発明の望ましい実施態様においては、熱電比制御用温度補正手段は、目標熱電比指令値が、基準運転状態における熱電比よりも小さいとき、補正値を増大させる。
本発明の望ましい実施態様によれば、固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムにおいて、特別な設備を付加することなく、セル温度やオフガス燃焼温度などシステムの温度状態を安定に保ちながら、熱電比追従性と耐久性を向上できる。そのため、安価で信頼性の高いシステムを提供できる。
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施態様の中で明らかにする。
本発明の1実施形態において、固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムは、次のような機器本体構成を備えている。まず、改質用給水を蒸発させて燃料を改質するための蒸気を発生するための蒸発器と、この蒸発器から発生した蒸気と燃料を受けて水素リッチな改質ガスに転換するための改質器と、大気から取り込んだ空気を予熱するための空気予熱器である。そして、主役の、前記改質ガスと前記空気を受けて直流電力を発生するセル集合体である固体酸化物形燃料電池である。この燃料電池によって発生した直流電力を交流電力に変換し、負荷に供給するための電力変換器がある。また、前記燃料の流量を調整するための燃料流量調整弁と、前記空気の流量を調整するための空気ブロアと、前記改質用給水の流量を調整するための給水ポンプを備えている。さらに、前記固体酸化物形燃料電池からの排ガスの熱エネルギーの一部を温水として熱回収するための温水器と、前記温水器に供給する排熱回収用給水の流量を調整するための給水ポンプとを有する。
この固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムには、前記機器本体を制御するための制御装置を備えている。この制御装置には、次のような制御手段からなる。まず、目標電気出力指令値を発生する目標電気出力指令手段と、目標電気出力指令値に基づいて燃料流量指令値、空気流量指令値を発生するための各指令手段である。また、前記燃料流量指令値に基づいて、改質用給水流量指令値を発生するための改質用給水流量指令手段と、前記温水器の出口温水温度を制御するために、排熱回収用給水流量指令値を発生するための温水温度制御手段とを備える。
また、この制御装置においては、次のような制御用のセンサを備えている。まず、燃料電池内部のセル温度を計測するセル温度計測手段と、燃料電池出口の燃焼室温度を計測する燃焼室温度計測手段である。次に、前記セル温度と前記燃焼室温度に基づいて、前記空気流量と燃料流量を補正することで、電池温度を安定化する温度制御手段とを備える。これによって、前記セル温度により空気流量補正値RA1を生成し、前記燃焼室温度により燃料流量補正値RF0と空気流量補正値RA2を生成する。さらに、前記RA1と前記RA2から高値選択して改めて空気流量補正値RA0とし、目標熱電比指令値を発生する目標熱電比指令手段と、前記目標熱電比指令値に基づき熱電比調整用燃料補正値KHEを生成する熱電比制御手段を備える。これによって、KHEにより前記燃料流量補正値RF0を補正して改めて燃料流量補正値Rとし、前記熱電比制御手段により前記セル温度と前記燃焼室温度を補正するようにしたものである。
この構成により、特別な設備を付加することなく、熱電比変更時のセル温度やオフガス燃焼温度などシステムの温度状態を安定に保ちながら、熱電比追従性と耐久性を向上できる。そのため、安価で信頼性の高いシステムを実現できる。
最初に、図1を用いて、本発明の望ましい実施形態による固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムの構成について説明する。なお、燃料電池のセル構造としては、主として円筒型と平板型が提案されているが、両者とも基本的な動作原理は同じであり、以下の実施形態では、円筒型を例にして説明する。また、以下では簡単のため固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムを単に燃料電池コジェネシステムと呼ぶ。
図1は、本発明の望ましい実施形態による燃料電池コジェネシステムの機能を説明するための構成図である。最初に、本実施形態の燃料電池コジェネシステムのうち制御装置200を除く破線で示す機器本体100について説明する。
まず、燃料1である都市ガス若しくは灯油(以下、単に燃料と呼ぶ)は燃料調整弁2を経て蒸発器3からの蒸気と混合されて改質器4に供給される。ここで、前記蒸気は改質用給水5が給水ポンプ6により蒸発器3に供給されて蒸発したものである。改質器4に供給された燃料と蒸気は水素リッチで高温の改質ガス7に転換される。この改質ガス7は燃料電池8に送入される。一方、大気から取り込まれた空気9は空気ブロア10により空気予熱器11に送風され、ここで予熱されたのち空気ヘッダ12に供給される。
本実施例の燃料電池8は、複数の円筒型セル13で構成され、セルの外側がアノード、内側がカソードになっている。改質ガス7は燃料電池8の下方から送入されアノードに沿って上昇し、電池反応により燃料を消費しながら上部の燃焼室14に排出される。また、空気ヘッダ12に供給された空気は、ここで再加熱されたのち各セルの内部に配置された円筒状の複数の空気導入管15に分流される。そして、管内で更に加熱されながら下降し、下の端部を出たのちセル内側のカソードに沿って上昇し、電池反応により酸素を消費しながら上部の燃焼室14に抜ける。燃焼室14に抜けた空気は、ここでアノードを通過した燃料(オフガス)と合流して未反応燃料の燃焼に寄与する。
上記アノードとカソードの間には解質膜があり、カソード側を通過する空気中の酸素は解質膜の働きでイオン化され電解質を透過してアノードに達し、アノードに供給される改質ガス7に含まれる水素または一酸化炭素と反応することで起電力を発生する。発生した直流電力(発電端電気出力)Lは電力変換器17により交流電力(電気出力)Lに変換され、負荷18に供給される。尚、本図では明示していないが、通常、複数のセルは並列接続と直列接続の組合せで必要な電圧と電流を得ることができるように構成されている。したがって、端子電圧は直列接続セル数に依存し、端子電流は並列接続セル数に依存する。
負荷18が直流電力を要求するものであれば、電力変換器17としては直流から交流への変換機能は不要であるが、端子電圧Vは出力により変化するため、電圧変換機能が必要となる。また、負荷に供給する電気出力Lは電力変換器17における変換損失だけ発電端電気出力Lよりも小さくなる。
ここで、前述の燃料利用率について具体的に定義しておく。改質ガス7はアノードを通過しながら発電に寄与することで燃料濃度が低下する。アノード入口改質ガス中のメタン、水素及び一酸化炭素のモル分率をそれぞれMCH4_in、MH2_in及びMCO_inとし、また、アノード出口のそれらをMCH4_out、MH2_out及びMCO_outとすると、燃料利用率Uは(1)式で表される。
Figure 2009277525
(1)式によれば、セル出口における上記3成分が全て“零”となったとき燃料利用率Uが100%となり、燃料枯れの状態となり、U<100では残存燃料が存在することになる。
燃焼室14に排出された空気中の残存酸素により上記残存燃料が燃焼し、再び高温ガスとなり、この高温ガスは空気ヘッダ12に供給された空気を加熱する。燃焼室14から排出された高温ガスは前述の空気予熱器11に送られる。この高温排ガスのエネルギーにより空気が予熱され空気ヘッダ12に送入される。また、空気予熱器11からの排出ガスも前述の改質器4と蒸発器3に導かれ、燃料の改質と改質用給水5の蒸発に利用される。さらに、蒸発器3を出た排ガスは温水器19に導かれる。この温水器19では、給水ポンプ20で送入された排熱回収用給水21により上記排ガスの熱エネルギーが回収されることで温水22となり、熱回収され排ガスは排ガスブロア23でシステム外に排出される。
次に、本発明の実施形態における制御装置200の働きについて説明する。図1の二点鎖線で囲んだ制御装置200において、太線で示す制御要素が本発明の実施形態に係るもので、細線で示す制御要素は従来システムと共通するものである。但し、ここでは制御装置の働きを理解し易くするために各制御要素をブロックで示したが、実際には機器本体100と同一パッケージ内、若しくはその傍等に配置されたコントローラで実現されている。
まず、従来要素の働きについて説明する。制御装置200において目標電気出力指令手段26から目標電気出力指令値LR0が発せられると、この目標電気出力指令値LR0に対応して空気流量指令手段27では基準空気流量指令値FAR0、燃料流量指令手段28では基準燃料流量指令値FFR0、が出力される。上記基準燃料流量指令値FFR0及び基準空気流量指令値FAR0は、それぞれ後述の燃料流量補正値R及び空気流量補正値Rが乗算手段29及び30にて乗算されて燃料流量指令値FFR及び空気流量指令値FARが出力される。さらに、上記燃料流量指令値FFRは改質用給水流量指令手段31に渡され改質用給水流量指令値FWRが出力される。ここで、上記のFFR0、FAR0、FWRは、システムの基準運転状態では、静特性的に設計条件に合致するバランス条件であり、定常運転時の電気出力Lが目標電気出力指令値LR0と一致するのに必要な値である。このときの燃料流量補正値Rと空気流量補正値Rの両者は“1”である。また、改質用給水流量指令手段31では燃料流量と給水流量の割合を所定の値に維持するように改質用給水流量指令値FWRが出力される。一方、電力変換器制御手段32では、前記目標電気出力指令値LR0が与えられたとき実際の電気出力LがLR0に一致するよう電流指令値ICRを前記電力変換器17に指令する。さらに、排熱回収用給水流量指令手段33では、前記温水器19より得られた温水22の温度Tが所定値を維持するように排熱回収用給水流量指令値FHRが出力される。ここで、温水温度を変更することで排熱回収量を変更することもできるが、温水温度を変更することで熱電比を調整することは温水の質的変化を許容する必要があり、本発明の意図するところでない。したがって、ここでは温水温度を一定とする。
このようにして、機器本体100に出力された上記の燃料流量指令値FFR、空気流量指令値FAR、改質用給水流量指令値FWR及び排熱回収用給水流量指令値FHRは、それぞれ燃料流量調整弁2の開度、空気ブロア10の速度、給水ポンプ6及び20の速度として運転操作に使用される。
次に、制御装置200における本発明の実施形態に係る制御要素について説明する。
まず、電池温度制御手段300の具体的な実施形態について、図2を用いて説明する。
図2は電池温度制御手段300の実施形態を示すもので、図1に示した温度計25で計測したセル温度Tと温度計16で計測した燃焼室温度Tを受けて燃料流量補正値RF0と空気流量補正値Rを出力する。そのための手段として、燃料流量補正手段36、空気流量補正手段(1)37、空気流量補正手段(2)38、高値選択手段39で構成した。尚、上記セル温度Tと燃焼室温度Tは、後述の熱電比制御手段400から出力される各々の補正値ΔTとΔTを受けて、加算手段40と41で補正され、TCMとTBMとなる。従って、上記の燃料流量補正手段36と空気流量補正手段(2)38では補正後の燃焼室温度TBMを使用し、空気流量補正手段(1)37では補正後のセル温度TCMを使用する。燃料流量補正手段36には、燃焼室温度TBMに応じて燃料流量補正値RF0を出力する機能をもたせた。空気流量補正手段(1)37には、セル温度TCMに応じて第1の空気流量補正値RA1を出力する機能をもたせ、空気流量補正手段(2)38には、燃焼室温度TBMに応じて第2の空気流量補正値RA2を出力する機能をもたせた。さらに、高値選択手段39では、上記第1の空気流量補正値RA1と第2の空気流量補正値RA2から高値を選択して新たな空気流量補正値Rを生成する。
上記電池温度制御手段300は、システムの運転特性を考慮した次なる基本的考え方に基づくものである。
(1)システムの安定運転で着目すべき温度状態量は、セル温度と燃料室温度である。セル温度は材料強度の点で上限、発電性能の点で下限がある。燃料室温度は空気ヘッダの耐熱性から上限がある。
(2)システム温度を安定化するための効果的な操作量は空気流量と燃料流量である。空気流量を増加(低減)するとセル温度も燃料室温度も下がる(上がる)。
(3)上記3つの補正手段には、安定領域(TC2<TCM<TC3、TB2<TBM<TB3)においては補正量を“1”とすることで補正が掛からないようにデッドバンド(不感帯)配置し、その両側には過熱防止領域と冷却防止領域を設けた。デッドバンドを配置した理由は、セル内部の燃料ガス流動むらや燃焼室燃焼むらなどにより、セル温度や燃焼室温度に僅かな温度変動があっても補正動作が働かないようにするためである。
(4)第1、第2の空気流量補正値RA1、RA2は、過熱防止を優先するために高値選択手段39を介して実際に適用する空気流量補正値Rとした。
以上のようにして、本システムでは電気出力を目標電気出力指令値LR0に一致するように制御(追従制御)し、その結果、温水により熱出力も得ている。そして、このように電気出力が追従制御されている状態においても、熱電比(電気出力に対する熱出力の割合)を変更可能とする手段が、熱電比制御手段400である。
次に、熱電比制御手段400の具体的な実施形態について、図3を用いて説明する。
図3は熱電比制御手段400の実施形態を示すもので、図1に示した目標熱電比指令手段34から出力された目標熱電比指令値αHERを受けて、熱電比調整用燃料補正値KHEと、前記セル温度補正値ΔT及び燃焼室温度補正値ΔTを主力する。そのための手段として、熱電比追従制御手段420と熱電比制御用温度補正手段450で構成されている。
まず、熱電比追従制御手段420の具体的な実施形態について説明する。熱出力演算手段51では、水温T、即ち排熱回収用給水の温度と温水器出口の温度計24で計測した温水温度Tとの差に温水流量F(排熱回収用給水流量)と温水比熱Cを掛けることで実際の熱出力Qを求める。次に、熱電比演算手段52では、上記熱出力Qと電気出力Lを用いて実際の熱電比αHEを求める。但し、ここでは、便宜上、熱出力Qと電気出力Lは、それぞれの基準値QHRとLARに対する比を用いて熱電比αHEを定義する。従って、システムの運転状態が基準モードであればαHE=1、熱回収優先モードであればαHE>1、発電優先モードであればαHE<1となる。前記目標熱電比指令値αHERと熱電比演算手段52で得られた実際の熱電比αHEとの偏差ΔαHEは減算手段53で求め、比例積分演算手段54では偏差ΔαHEを“0”にする方向で前記熱電比調整用燃料補正値KHEを逐次算出する。この比例積分演算手段54は、目標熱電比指令値αHERが変更された場合、熱電比調整用燃料補正値KHEを逐次演算し、燃料流量を調整することで実際の熱電比αHEを目標熱電比指令値αHERに追従させる働きをする。この熱電比調整用燃料補正値KHEは、図1に示したように乗算手段35で前記燃料流量補正値RF0に乗算されることで新たな燃料流量補正値Rとなり、燃料流量指令値FFR0を補正する。即ち、指令値αHERが上昇した場合はKHEを大きくすることで燃料流量を増加し、αHERが低下した場合はKHEを小さくすることで燃料流量を減少させるように動作する。このような制御動作により、燃料流量が増加することで燃焼室14に排出される未反応燃料が増加して燃焼発熱量が増加する。その結果、燃焼室温度Tが上昇して温水器19での熱回収量が増加する。逆に、燃料流量が減少すると燃焼室14に排出される未反応燃料が減少して燃焼発熱量が減少する。その結果、燃焼室温度Tが低下して温水器19での熱回収量が減少する。熱電比追従制御手段420は、基本的には上記のようにして熱電比の調整に寄与する。
しかしながら、燃料流量が変更されると燃焼室温度Tが変動するのみでなく、排ガスからの回収熱を利用している空気予熱器11や改質器4から排出される空気や燃料の温度も変化し、その結果、セル温度も変動する。また、セルを通過する燃料の成分が変動することでセル内での発熱量も変化してセル温度Tに影響する。このように、燃料流量が変化すると燃焼室温度Tのみでなく複雑な現象を伴ってセル温度Tが変化し、これがまた燃焼室温度Tを変化させる。その結果、前述の電池温度制御手段300により燃焼室温度Tとセル温度Tを安定化させるための制御機能が作動し、両者の変動を抑える作用が働くため、前記熱電比追従制御手段420による熱電比追従性が阻害される可能性がある。これを防止するために、図3に示すように熱電比制御手段400には熱電比制御用温度補正手段450も備えている。以下、熱電比制御用温度補正手段450の構成と働きについて、図4にその基本的な動作例を示しながら詳しく説明する。但し、ここでは、本発明の本質を理解し易くするために、前記の目標電気出力指令値LR0を一定として説明するが、実運用に当ってはLR0が変化する場合でも、熱電比制御は機能する。即ち、変化するLR0対しては、前述のように電力変換器制御手段32により実際の電気出力Lが追従するよう前記電力変換器17により制御されており、この運転条件のもとで熱電比制御が機能する。
熱電比制御用温度補正手段450は、熱電比を変更するとき、セル温度Tと燃焼室温度Tを適宜補正することで熱電比追従性を向上するためのものである。その構成は、減算手段61、負値選択手段62、微分演算手段63、非線形演算手段64、平滑化演算手段65、加算手段66、ゲイン乗算手段67及びゲイン乗算手段68からなる。減算手段61は、基準運転状態を“1”としたとき目標熱電比指令値αHERとの偏差ΔαHERを求めるためのもので、この偏差ΔαHERを熱電比調整量とする。負値選択手段62は、熱電比調整量ΔαHERが負値のときは熱電比調整量ΔαHERをもって静的補正値Δαとし、ΔαHERが正値のときはΔα=0とする働きをする。即ち、発電優先モードの場合はαHER<1(ΔαHER<0)であり、Δα=ΔαHERとなる。逆に熱回収優先モードの場合はαHER>1(ΔαHER>0)であり、Δα=0となる。したがって、詳しくは後述するが、セル温度Tと燃焼室温度Tの静的補正は発電優先モードのときだけなされる。この静的補正に対して、微分演算手段63、非線形演算手段64及び平滑化演算手段65は動的補正として機能する。即ち、目標熱電比指令値が変化しているときのみセル温度Tと燃焼室温度Tを補正するためのものである。微分演算手段63は上記熱電比調整量ΔαHERの変化率X(dΔαHER/dt)を求めるためのものである。非線形演算手段64は変化率Xの極性によって出力Yに非線形性を持たせるためのもので、X>0の場合よりもX<0の方の感度を高くしてある。即ち、目標熱電比指令値が上昇中よりも下降中の方に高い感度をもたせている。その理由は、熱電比を上げる場合は前記の熱電比追従制御手段420により燃料流量を大幅に増加することで比較的容易に熱回収量を増加できるが、逆に熱電比を下げる場合は燃料枯れの恐れから燃料流量を大幅に低減することはできないことにある。そのために、後述するようにセル温度補正により見かけのセル温度が低下したかの如くにして、空気流量を減少させることで熱回収量の低減を図る。これと同時に燃焼室温度補正では、見かけの燃焼室温度が上昇したかの如くにして、燃料流量を若干絞ることで燃焼温度を下げることで、熱回収量低減のための追従性の向上に寄与する。
平滑化演算手段65は、上記非線形演算出力Yを時間的に平滑することで滑らかな補正動作を実現するためのものであり、平滑化演算手段65にはYの一次遅れ特性を持たせた。その演算結果であるΔαを動的補正値とし、前述の静的補正値Δαとを加算器66で加算することで総合補正値ΔαSDを得る。この総合補正値ΔαSDを、ゲイン乗算手段67でK倍、ゲイン乗算手段68で−K倍することで、セル温度Tに対する補正値ΔTと燃焼室温度に対する補正値ΔTを得る。図2に示したように、実際のセル温度Tに対して補正値ΔTを加算することで補正後セル温度TCMを得、燃焼室温度Tに対しては補正値ΔTを加算することで補正後燃焼室温度TBMを得る。本図からも分かるように、補正後セル温度TCMが実際のセル温度Tよりも高くなる場合は、空気流量補正手段(1)37により出力される空気流量補正値RA1が大きくなり、空気流量を増加することで実際のセル温度を下げる方向に働く。また、補正後燃焼室温度TBMが実際の燃焼室温度Tよりも高くなる場合は、空気流量補正手段(2)38により出力される空気流量補正値RA2が大きくなり、空気流量を増加することで実際のセル温度を下げる方向に働く。その一方で、燃料流量補正手段36により出力される燃料流量補正値RF0が小さくなり、燃焼室温度Tを下げる方向に働く。
図4の例でみると、熱電比を上昇中の時刻t〜t間では熱回収優先モードに移行しているが、前述のように静的補正は働かず動的補正のみ機能している。このとき、セル温度補正値ΔTが正値となり、空気流量を増加させることで排ガスの熱量を増加させ、結果的に熱回収量を増加させる。一方、これと同時に、燃焼室温度補正値ΔTは負値となるため、見かけの燃焼室温度TBMが低下するため燃料流量の増加に伴って排ガス熱量が増加し、熱回収のさらなる増加を図り、速やかに熱回収優先モードに移行する。熱電比の上昇が完了し、熱回収優先モードで運転中の時刻t〜t間では、前記平滑化演算手段65からの動的補正が終息する。次なる時刻t〜t間では、熱回収優先モードから基準モードに向かって移行するが、熱回収量を急速に低下させるために非線形演算手段64によりセル温度と燃焼室温度に対して大きな動的補正がなされる。但し、この間は静的補正が動作しない。
時刻t〜t間で基準モードに整定したのち、時刻t〜t間では発電優先モードに移行する。この時刻t〜t間では、静的補正と動的補正の両者が動作するため、総合補正量は最も大きくなる。このとき、セル温度補正値ΔTが大きな負値となるため、空気流量を大幅に減少させることで排ガスの熱量が大幅に減少し、結果的に熱回収量が大幅に減少する。熱電比の低下が完了し、発電優先モードで運転中の時刻t〜t間では、前記平滑化演算手段65からの動的補正が終息するが、静的補正は残る。その後、時刻t〜t間では、発電優先モードから基準モードに移行するが、熱回収量を増加させるために非線形演算手段64によりセル温度と燃焼室温度に対して動的補正が急速に解除される。熱電比の上昇が完了し、基準モードに戻った時刻t以降は、静的補正は無く、前記平滑化演算手段65からの動的補正も終息する。
図5は、上記と同じ目標熱電比指令値αHERを与えた場合において、熱電比制御用温度補正手段450を作動させた場合と作動させなかった場合の制御特性を比較したものである。本図において、破線は目標熱電比指令値αHER、実線と点線は熱電比制御用温度補正手段450を作動させた場合と作動させなかった場合の制御特性を示す。熱回収優先モードで運転中(t〜t)の両者は同等な制御特性を示しているが、発電優先モードで運転中(t〜t)は両者の違いは明確である。即ち、熱電比制御用温度補正手段450を作動させた場合は、目標熱電比指令値に対して若干の遅れはあるものの極めて良好な追従性を示しているが、本手段を作動させなかった場合は殆ど追従できていない。その理由は、熱電比追従制御手段420により燃料流量Fが大幅に低減されたにも拘わらず、空気流量Fが増加したことによる。空気流量Fが増加した理由は、セル電流Iが大幅に増加してセル温度T(特に高温となる中部温度)が高温を維持しているためである。セル電流Iが増加した理由は、電力変換器制御手段32により発電出力を一定に保つためになされた操作結果であり、燃料流量Fの大幅削減に伴って燃料利用率Uが大幅に上昇したことで燃料枯れに近い状態となり、セル電圧が大幅に低下したことによる。
熱電比制御用温度補正手段450を作動させなかった場合の問題点として、下記のことが挙げられる。
(a)燃料利用率Uの上昇による燃料枯れやセル過電流発生を招く。
(b)セル下部に電流が集中して上部温度TCUが低下して軸方向温度差(T−TCU及びT−TCL)が拡大する。
(c)燃焼室温度Tが低下して排ガス温度が低下するため十分な改質率RRFMが得られない。
(d)燃焼室温度Tの変動が大きく空気ヘッダ12など電池構造物に大きな熱応力が働く。
これらは、全てセルまたは電池構造物の耐久性を損なう要因となる。
一方、熱電比制御用温度補正手段450を作動させた場合の利点として下記のことが挙げられる。
(e)燃焼室温度補正により運転温度を下げることで燃料流量Fを必要以上に低減することなく燃料利用率Uも安定なためセルの過電流発生がない。
(f)セル温度補正により運転温度を若干上げることで空気流量Fが減るが空気利用率Uの上昇は十分小さい。
(g)セル温度Tは極めて安定で軸方向温度差(T−TCU及びT−TCL)の拡大も軽微である。
(h)改質率RRFMの変動が少ない。
(i)燃焼室温度Tの変動が小さく空気ヘッダ12などの電池構造物への影響が小さい。
これらは、全てセルまたは電池構造物の耐久性を長期に亘り維持するために好ましい特性である。
この実施形態では、電池温度制御手段300と熱電比制御手段400を用い、特別な設備を付加することなく、熱電比変更時のシステムの温度状態を安定に保ちながら、熱電比追従性と耐久性を向上できる。そのため、安価で信頼性の高いシステムを実現できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、以下に述べる実施形態においても、その本質を何ら変えることなく適用可能である。
まず、本発明の実施形態では排熱回収の形態として温水による方法としたが、必ずしも温水に限定する必要はなく、蒸気や温風などその用途に応じて適宜選択すれば良い。
また、目標電気出力指令値LR0の決定方法については、システムの運用形態により、手動決定から自動決定まで様々な方法が考えられ、例えば、自動決定方法については、予め作成した時間スケジュールに従って決定する方法を用いてもよい。
また、本発明の実施形態では燃焼室を出た排ガスが空気予熱器、改質器、蒸発器、温水器の順に供給されるシステム構成としているが、必ずしもこの構成とする必要はない。例えば、排ガスが改質器を通過してから空気予熱器に供給されたり、蒸発器を別途配置されたりしたシステム構成であっても、本発明の本質を何ら変えることなく適用可能である。
さらに、本発明の実施形態ではセル温度Tとして、セルで最高温度となる部位での計測が望ましいく、例えば最高温度になりやすい中央部での計測が望ましい。しかしながら、最高温度位置は出力変化に応じて移動するため、必ずしも位置を厳密に規定する意味はなく、例えば、複数個所での計測値の最高値若しくは平均値などの代表値を使用する方式としても、本発明の本質を何ら変えるものではない。
また、本発明の実施形態では燃焼室温度を用いたが、必ずしも燃焼室温度に着目する必要はなく、これに順ずるものであれば良い。例えば、燃焼室を出たあとの排ガス温度、または空気ヘッダのメタル温度を用いても良い。
また、本発明の熱電比制御用温度補正手段450の実施形態では、電池温度制御手段300に対して2つの温度補正値、即ちセル温度補正値ΔTと燃焼室温度補正値ΔTを出力する方法とした。しかし、必ずしも両者を出力する必要はなく、実際に適用する装置の特性や使用目的に応じて、適宜どちらか一方を出力する方法とすれば、同様の効果を期待できる。
さらに、本発明の電池温度制御手段300の実施形態では、3つの補正手段において安定領域としてデッドバンド(不感帯)を設けたが、必ずしもデッドバンドを設ける必要はない。例えば、デッドバンドの代わりに感度を押さえるなどして補正量を小さく抑えれば、出力変化時の温度変動を安定化させることができる。
また、本発明の実施形態では熱電比追従制御手段420において、比例積分演算手段54を用いる方法としたが、必ずしも比例積分演算手段を用いる必要はない。例えば比例積分微分演算手段や比例演算手段を用いても本質を何ら変えることなく適用可能である。
また、本発明の実施形態では熱電比制御用温度補正手段450において、熱電比調整量の微分値を入力とする折線関数による非線形演算手段64を用いる方法としたが、必ずしも折線関数による非線形演算を用いる必要はない。例えば、微分値のステップ状関数や連続関数を用いる方法や、微分値の極性に応じて単に異なる比例乗数を掛けるなどの代案が考えられる。要するに、微分値が負の場合は正の場合よりも大きな補正値を出力する方法を適宜選択すればよく、本発明の本質を何ら変えることなく適用可能である。
さらに、本発明の実施形態では熱電比制御用温度補正手段450において、平滑化演算手段65として一次遅れ特性の演算方法を用いる方法としたが、必ずしも一次遅れ特性を用いる必要はない。例えば、二次遅れ特性演算や移動平均演算など種々の平滑化演算手段を適宜採用することも可能である。
本発明の実施形態による固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムの機器本体及び制御装置の構成及び機能を説明するための図である。 本発明の実施形態による電池温度制御手段を説明するための図である。 本発明の実施形態による熱伝比制御手段を説明するための図である。 本発明の実施形態による熱伝比制御手段における熱伝比制御用温度補正手段の動作を説明するための図である。 本発明の実施形態による固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムにおいて、目標熱電比指令値を変更したときの制御特性とその効果の説明図である。
符号の説明
100…機器本体、200…制御装置、300…電池温度制御手段、400…熱電比制御手段、420…熱電比追従制御手段、450…熱電比制御用温度補正手段、1…燃料、2…燃料流量調整弁、3…蒸発器、4…改質器、5…改質用給水、6…給水ポンプ、7…改質ガス、8…燃料電池、9…空気、10…空気ブロア、11…空気予熱器、12…空気ヘッダ、13…セル、14…燃焼室、15…空気導入管、16…温度計、17…電力変換器、18…負荷、19…温水器、20…給水ポンプ、21…排熱回収用給水、22…温水、23…排ガスブロア、24…温度計、25…温度計、26…目標電気出力指令手段、27…空気流量指令手段、28…燃料流量指令手段、29…乗算手段、30…乗算手段、31…改質用給水流量指令手段、32…電力変換器制御手段、33…排熱回収用給水流量指令手段、34…目標熱電比指令手段、35…乗算手段、36…燃料流量補正手段、37…空気流量補正手段(1)、38…空気流量補正手段(2)、39…高値選択手段、40…加算手段、41…加算手段、51…熱出力演算手段、52…熱電比演算手段、53…減算手段、54…比例積分演算手段、61…減算手段、62…負値選択手段、63…微分演算手段、64…非線形演算手段、65…平滑化演算手段、66…加算手段、67…ゲイン乗算手段、68…ゲイン乗算手段。

Claims (13)

  1. 投入された燃料により電気出力を得る燃料電池と、前記燃料電池から排出されたオフガスの燃焼エネルギーから熱出力を得る排熱回収装置と、目標電気出力指令値を発生する目標電気出力指令手段と、前記目標電気出力指令値に基づいて燃料流量を決定する燃料流量指令手段と、前記目標電気出力指令値に基づいて空気流量を決定する空気流量指令手段と、セル温度及び/又は燃焼室温度の変動に応じて前記燃料及び/又は空気の供給量を調整する電池温度制御手段と、目標熱電比指令値を発生する目標熱電比指令手段を備えた固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムにおいて、前記目標熱電比指令値に応じて燃料供給量を調整する熱電比追従制御手段と、前記目標熱電比指令値に応じて、前記電池温度制御手段に対して、セル温度及び/又は燃焼室温度の補正値を与える熱電比制御用温度補正手段とを備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステム。
  2. 請求項1において、前記燃料電池による発電端電気出力を所望の電力に変換して負荷に供給する電力変換器と、この電力変換器の電気出力が前記目標電気出力指令値に近づくように前記電力変換器を制御する電力変換器制御手段を備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステム。
  3. 請求項1又は2において、前記熱電比追従制御手段は、熱電比を算出するための熱電比演算手段と、前記目標熱電比指令値と算出した前記熱電比との偏差が小さくなるように熱電比調整用燃料を補正する手段を備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記熱電比制御用温度補正手段は、基準運転状態からの熱電比調整の増減方向に応じた静的補正値及び/又は、基準運転状態からの熱電比調整量に応じた動的補正値とに応じてセル温度及び/又は燃焼室温度の補正値を決定するように構成したことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステム。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記熱電比制御用温度補正手段は、前記目標熱電比指令値が、基準運転状態における熱電比よりも小さいとき、前記補正値を増大させる手段を備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステム。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記熱電比制御用温度補正手段は、前記目標熱電比指令値が下降中には上昇中よりも前記補正値を増大させる手段を備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステム。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記熱電比制御用温度補正手段は、前記目標熱電比指令値の変化速度に応じて前記補正値を決定する手段を備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステム。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記熱電比指令値が低下するとき、前記燃料電池のセル温度を実測値よりも低いとみなし、燃焼室温度は実測値よりも高いとみなすように、前記補正値を決定する手段を備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステム。
  9. 請求項1〜8のいずれかにおいて、前記熱電比指令値が上昇するとき、前記燃料電池のセル温度を実測値よりも高いとみなし、燃焼室温度は実測値よりも低いとみなすように、前記補正値を決定する手段を備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステム。
  10. 投入された燃料により燃料電池から電気出力を得る発電ステップと、前記燃料電池から排出されたオフガスの燃焼エネルギーから熱出力を得る排熱回収ステップと、目標電気出力指令値を発生する目標電気出力指令ステップと、前記目標電気出力指令値に基づいて燃料流量を決定する燃料流量指令ステップと、前記目標電気出力指令値に基づいて空気流量を決定する空気流量指令ステップと、セル温度及び/又は燃焼室温度の変動に応じて前記燃料及び/又は空気の供給量を調整する電池温度制御ステップと、目標熱電比指令値を発生する目標熱電比指令ステップとを備えた固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムの運転制御方法において、前記目標熱電比指令値に応じて燃料供給量を調整する熱電比追従制御ステップと、前記目標熱電比指令値に応じて、前記電池温度制御ステップに対して、セル温度及び/又は燃焼室温度の補正値を与える熱電比制御用温度補正ステップとを備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムの運転制御方法。
  11. 請求項10において、前記熱電比追従制御ステップは、熱電比を算出するための熱電比演算ステップと、前記目標熱電比指令値と算出した前記熱電比との偏差が小さくなるように熱電比調整用燃料を補正するステップを備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムの運転制御方法。
  12. 請求項10又は11において、前記熱電比制御用温度補正ステップは、前記目標熱電比指令値が、基準運転状態における熱電比よりも小さいとき、前記補正値を増大させるステップを備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムの運転制御方法。
  13. 請求項10〜12のいずれかにおいて、前記熱電比制御用温度補正ステップは、前記目標熱電比指令値が下降中には上昇中よりも前記補正値を増大させるステップを備えたことを特徴とする固体酸化物形燃料電池コジェネレーションシステムの運転制御方法。
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