JP2021130859A - 水素製造システム並びにその運転方法 - Google Patents

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拓 松本
豊 吉田
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豊 吉田
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繁 飯山
拓也 赤塚
Takuya Akatsuka
拓也 赤塚
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Abstract

【課題】本開示は、長期間にわたり一定の水素製造量を維持できる水素製造システム及びその運転方法を提供する。【解決手段】本開示における水素製造システム41は、1次水素精製部21a〜21cと、2次水素精製部22とを備える。1次水素精製部21a〜21cは、改質器1a〜1cと、原料供給器2a〜2cと、燃焼器3a〜3cと、第1電気化学デバイス8a〜8cと、第1電源9a〜9cと、を備える。2次水素精製部22は、第2電気化学デバイス18と、第2電源19とを備え、アノード16から排出される2次アノードオフガスを水素含有ガスに合流させる第2還流経路13a〜13cと、流量調整器14a〜14cと、改質器1a〜1cの劣化の度合いを演算する劣化推定手段32と、劣化の度合いに応じて、2次アノードオフガスの供給量を1次水素精製部21a〜21cごとに制御する制御器31と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、水素製造システム並びにその運転方法に関する。
特許文献1は、改質器の劣化による水素製造量の経時的な減少に応じて、改質器に供給する燃料の流量を増大させることで、一定の水素製造量を維持するシステムを開示する。
このシステムは、脱硫器、改質器、CO変成器及びCO除去器を順次備える改質装置と、改質装置で製造した水素を利用する固体高分子形燃料電池と、改質器の改質部に原料ガスと改質用水を供給する供給系と、改質器の加熱部、CO除去器及び該燃料電池に空気を供給する供給系と、電池冷却系と、制御装置と、それら供給系の流路に各流体の流量を制御する調整弁を備える固体高分子形燃料電池付改質装置システムである。
このシステムは原料ガスの流量及び起動−停止回数のいずれか一方または両方の運転情報から改質触媒の経時劣化度合を推定し、当該劣化度合に見合うように原料ガスの流量を増加させる制御を行う制御装置を備える。
特許文献2は、電気化学セルを含む燃料電池−水素または酸素ポンプの結合体に電荷を加え水素の精製を行うシステムを開示する。
このシステムは、燃料を受け入れるためのアノード側入口と、燃料を排出するためのアノード側出口と、酸化剤を受け入れるためのカソード側入口と、酸化剤と、精製酸素と精製水素との少なくとも1つとを排出するためのカソード側出口と、第1のコネクタと、第2のコネクタとを備える電気化学セルを含む燃料電池−水素または酸素ポンプの結合体と、制御装置を備える。
特開2004−220949号公報 特表2007−505472号公報
本開示は、改質触媒の劣化が進んだ改質器をそのまま使用して長期間にわたり一定の水素製造量を維持できる水素製造システム及びその運転方法を提供する。
本開示における水素製造システムは、1次水素精製部を複数設け、1次水素精製部のそれぞれから精製される1次精製水素ガスを2次水素精製部へ供給し、2次水素精製部は1次精製水素ガスを用いて2次精製水素ガスを精製する水素製造システムである。
1次水素精製部は、原料ガスから水素含有ガスを生成する改質器と、改質器に原料ガスを供給する原料供給器と、燃料を燃焼して改質器を加熱する燃焼器と、電解質膜と電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノードと他方の面に配置されるカソードとで構成される電解質膜−電極接合体を有し、アノードに水素含有ガスを供給し、アノードとカソードとの間に所定方向の電流を流すことで、カソードにおいて1次精製水素ガスを精製する第1電気化学デバイスと、第1電気化学デバイスのアノードとカソードとの間に電流を流すための第1電源と、第1電気化学デバイスのアノードに供給された水素含有ガスのうちで電解質膜を介してアノードからカソードに透過せずにアノードから排出される1次アノードオフガスを燃焼器へ供給する第1還流経路とを備える。
2次水素精製部は、電解質膜と電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノードと他方の面に配置されるカソードとで構成される電解質膜−電極接合体を有し、アノードに1次精製水素ガスを供給し、アノードとカソードとの間に所定方向の電流を流すことで、カソードにおいて2次精製水素ガスを精製する第2電気化学デバイスと、第2電気化学デバイスのアノードとカソードとの間に前記電流を流すための第2電源と、第2電気化学デバイスのアノードに供給された1次精製水素ガスのうちで電解質膜を介してアノードからカソードに透過せずにアノードから2次アノードオフガスを排出する共用第2還流経路と、を備える。
また更に、本開示における水素製造システムは、共用第2還流経路を流れる2次アノードオフガスを1次水素精製部のそれぞれに分配し、原料供給器と改質器との間で、原料ガスに合流させ混合ガスにする複数の第2還流経路と、それぞれの第2還流経路を流れる2次アノードオフガスの流量を調整する複数の流量調整器と、1次水素精製部のそれぞれに備わる改質器の劣化の度合いを演算により求める劣化推定手段と、劣化推定手段から得られる劣化の度合いに応じて1次水素精製部のそれぞれに備わる流量調節器を制御することで、2次アノードオフガスの供給量を1次水素精製部ごとに制御する制御器と、を備える。
本開示における水素製造システムは、改質器に供給する原料ガスに適量の2次アノードオフガスを加えることで、原料ガスの流量を増大させることなく改質器の水素含有ガスの生成量の減少を補うことができる。そのため、劣化の度合いが大きい改質器に対する劣化の進行を抑制できるので、より長期間にわたり継続して稼働できる水素製造システムを実現できる。
実施の形態1における水素製造システムのブロック図 実施の形態1における水素製造システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態2における原料ガスの初回起動後からの積算流量と水素含有ガスに含まれる水素生成量との比の関係を示す特性図 実施の形態2における劣化推定手段が原料ガスの初回起動後からの積算流量を基に改質器の劣化の度合いを演算する場合についての水素製造システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態3における改質器の初回起動後からの積算起動停止回数と水素含有ガスに含まれる水素生成量との比の関係を示す特性図 実施の形態3における劣化推定手段が改質器の初回起動後からの積算起動停止回数を基に改質器の劣化の度合いを演算する場合についての水素製造システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態4における改質器の初回起動後からの積算運転時間と水素含有ガスに含まれる水素生成量との比の関係を示す特性図 実施の形態4における劣化推定手段が改質器の初回起動後からの積算運転時間を基に改質器の劣化の度合いを演算する場合についての水素製造システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態5における触媒温度と水素含有ガスに含まれる水素生成量との比の関係を示す特性図 実施の形態5における劣化推定手段が触媒温度を基に改質器の劣化の度合いを演算する場合についての水素製造システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態1における劣化推定手段が原料ガスの初回起動後からの積算流量と、改質器の初回起動後からの積算起動停止回数と、改質器の初回起動後からの積算運転時間と、触媒温度とを基に改質器劣化の度合いを演算する場合についての水素製造システムのシステム動作を示すフローチャート 実施の形態2における水素製造システムのブロック図 実施の形態2における2次アノードオフガスを間欠的に供給する水素製造システムのシステム動作を示すフローチャート
(本開示の基礎となった知見等)
燃料電池という技術は、水素の供給源として炭化水素を含む原料ガスから改質器で生成した水素含有ガスに含まれる水素と、酸素とを固体高分子形燃料電池に供給し、電気化学反応により発電させるものであった。一方、電気化学式水素精製という技術は、改質器で生成した水素含有ガスを電気化学デバイスに供給し、電力を加えることで精製水素ガスを生成することができることが知られていた。また、改質器においては、原料ガス中の硫黄分の改質触媒への蓄積と、起動−停止の繰り返しによるシンタリングとによって、改質触媒の触媒性能が低下し、生成する水素含有ガスの流量が減少することが知られていた。本開示では、改質器の劣化とは、改質触媒の触媒性能の低下を意味する。
そうした状況下において、発明者らは、水素含有ガスを生成する改質器の劣化による水素含有ガスの生成量の減少を補うために、原料ガスの流量を制御するということをヒントにして、複数の改質器がある場合、複数の改質器間の水素含有ガスの生成量の差を調整するために、改質器に供給する原料ガスの流量を個別に制御するという着想を得た。しかし、発明者らは、改質器の劣化の度合いに応じて原料ガスの流量を増加させた場合、さらに改質器の劣化が進行し、水素製造システム全体の耐久性がさらに低下するという課題があることを発見した。そこで、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
本開示は、長期間にわたり継続して稼働できる複数の改質器を有する水素製造システムを提供する。
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面及び以下の説明は、当事者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1〜図2を用いて、実施の形態1を説明する。
[1−1.構成]
図1において、水素製造システム41は、1次水素精製部21a〜21cと、2次水素精製部22と、第2還流経路13a〜13cと、流量調整器14a〜14cと、共用1次精製水素ガス経路23と、共用第2還流経路24と、制御器31と、劣化推定手段32とを備える。
1次水素精製部21a〜21cは、改質器1a〜1cと、原料供給器2a〜2cと、燃焼器3a〜3cと、改質器温度検出器4a〜4cと、第1電気化学デバイス8a〜8cと、第1電源9a〜9cと、水素含有ガス経路10a〜10cと、第1還流経路11a〜11cと、1次精製水素ガス経路12a〜12cと、をそれぞれ備える。
2次水素精製部22は、第2電気化学デバイス18と、第2電源19と、を備える。
改質器1a〜1cは、原料ガス及び水蒸気を用いて改質反応により水素含有ガスを生成する。本実施の形態の原料ガスは、メタンを主成分とする都市ガスを用いた。また、本実施の形態の改質反応は、原料ガスと水蒸気を反応させる水蒸気改質を用いた。改質器1a〜1cの内部には改質触媒(図示せず)が搭載さている。
原料供給器2a〜2cは、原料ガスを改質器1a〜1cにそれぞれ供給するポンプである。
燃焼器3a〜3cは、燃料と空気を混合して燃焼させることで改質器1a〜1cをそれぞれ加熱する。燃焼器3a〜3cの燃料には、第1電気化学デバイス8a〜8cよりそれぞれ排出される原料ガスと1次アノードオフガスとの少なくともいずれか1つが用いられる。
改質器温度検出器4a〜4cは、改質器1a〜1cに搭載されている改質触媒の温度をそれぞれ検出する熱電対である。
第1電気化学デバイス8a〜8cは、電解質膜と電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノード6a〜6cと他方の面に配置されるカソード7a〜7cとで構成される電解質膜−電極接合体5a〜5cを有し、アノード6a〜6cに水素含有ガスを供給し、アノード6a〜6cとカソード7a〜7cとの間に所定方向の電流を流すことで、カソード7a〜7cにおいて1次精製水素ガスをそれぞれ精製する。
第1電源9a〜9cは、直流電源が用いられ、アノード6a〜6cとカソード7a〜7cとの間に電流をそれぞれ流す。
水素含有ガス経路10a〜10cは、改質器1a〜1cから排出する水素含有ガスをアノード6a〜6cにそれぞれ供給する経路である。
第1還流経路11a〜11cは、アノード6a〜6cに供給された原料ガスと1次アノードオフガスとの少なくともいずれかひとつのうちで電解質膜を介してアノード6a〜6cからカソード7a〜7cに透過せずにアノード6a〜6cから排出される原料ガスと1次アノードオフガスとの少なくともいずれかひとつを燃焼器3a〜3cへそれぞれ供給する経路である。
1次精製水素ガス経路12a〜12cは、カソード7a〜7cからそれぞれ排出する1次精製水素ガスを共用1次精製水素ガス経路23に供給するための経路である。
第2電気化学デバイス18は、電解質膜と電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノード16と他方の面に配置されるカソード17とで構成される電解質膜−電極接合体15を有し、アノード16に水素含有ガスを供給し、アノード16とカソード17との間に所定方向の電流を流すことで、カソード17において2次精製水素ガスを精製する。
第2電源19は、直流電源が用いられ、アノード16とカソード17との間に電流を流す。
共用第2還流経路24は、アノード16に供給された水素含有ガスのうちで電解質膜を介してアノード16からカソード17に透過せずにアノード16から排出される2次アノードオフガスを第2還流経路13a〜13cへ供給する経路である。
第2還流経路13a〜13cは、共用第2還流経路24から排出される2次アノードオフガスを、原料供給器2a〜2cと改質器1a〜1cとの間で原料ガスにそれぞれ合流させ混合ガスにする経路である。
制御器31は、原料供給器2a〜2cと、第1電源9a〜9cと、第2電源19と、流量調整器14a〜14cと、を制御する。
劣化推定手段32は、改質器1a〜1cそれぞれの劣化の度合いを演算する。
[1−2.動作]
以上のように構成された水素製造システム41について、以下その動作、作用を説明する。以下の動作は、制御器31が原料供給器2a〜2cと、第1電源9a〜9cと、流量調整器14a〜14cと、第2電源19とを制御することによって行われる。水素製造システム41の動作とは、待機工程、起動工程、水素製造工程、停止工程の4工程であり、この順序で実行する。
待機工程とは、改質器1a〜1cの温度が常温付近で保持されている工程である。待機工程では、原料供給器2a〜2cと、第1電源9a〜9cと、流量調整器14a〜14cと、第2電源19はいずれも動作していない。原料供給器2a〜2cは、制御器31から、起動の指示が送信されるまで、待機工程を保持するため動作しない。
起動工程とは、改質器1a〜1cを、水素含有ガスの生成が可能な温度まで加熱昇温する工程である。起動工程の開始時には、制御器31は、原料供給器2a〜2cに起動の指示を送信する。原料ガスは、原料供給器2a〜2cが動作すると、改質器1a〜1cに供給されて改質器1a〜1cから排出された後、水素含有ガス経路10a〜10cと、アノード6a〜6cと、第1還流経路11a〜11cを通流し、燃焼器3a〜3cにそれぞれ供給されて燃焼し、改質器1a〜1cを所定の温度になるまでそれぞれ加熱昇温する。改質器1a〜1cの所定の温度とは、改質反応によって原料ガスから第1電気化学デバイス8a〜8cでの製造工程の実行に必要な純度の水素含有ガスが生成する温度であり、本実施の形態では600℃とした。改質器1a〜1cが全て600℃に達した時点で起動工程は完了して、水素製造工程に移行する。
水素製造工程とは、改質器1a〜1cで原料ガスから水素含有ガスを生成し、第1電気化学デバイス8a〜8cで水素含有ガスから精製した1次精製水素ガスを、2次水素精製部22に供給するとともに、第2電気化学デバイス18で1次精製水素ガスから2次精製水素ガスを精製し、第2電気化学デバイス18で精製した2次精製水素ガスを、水素利用機器51に安定的に継続して供給する工程である。制御器31は、第2電気化学デバイス18で精製される水素量が、水素利用機器51が必要とする量に足るよう、原料供給器2a〜2cと、第1電源9a〜9cと、第2電源19とを操作する。具体的には、制御器31は、水素利用機器51に供給する精製水素ガス流量に応じた電流値を算出し、第1電源9a〜9cおよび第2電源19に電流値を指示する。同時に、制御器31は、改質器温度検出器4a〜4cの温度を監視しながら、原料供給器2a〜2cと、流量調整器14a〜14cの流量を制御する。原料供給器2a〜2cと、流量調整器14a〜14cと、第1電源9a〜9cおよび第2電源19は、制御器31から、停止工程に移行する指示が送信されるまで、水素製造工程を保持する。
停止工程とは、改質器1a〜1cを、常温付近まで冷却降温させる工程である。制御器31は、改質器1a〜1cが常温付近まで冷却降温したら、待機工程に移行する。
次に、水素製造システムのシステム動作を、図2を用いて説明する。
水素製造工程を実行中に、劣化推定手段32は、改質触媒の性能を低下させる種々の要因と改質器の劣化の関係式から、改質器1a〜1cの劣化の度合いをそれぞれ演算する(S101)。
次に、制御器31は、劣化推定手段32が演算した改質器1a〜1cの劣化の度合いを比較し、順位付けをする。そして、1次水素精製部21a〜21cのそれぞれに供給する2次アノードオフガスの供給量について、演算により求めた、改質器1a〜1cそれぞれの劣化の度合いと、改質器1a〜1cのうち最も劣化が進行していない改質器の劣化の度合いとの差分に応じて、増加させる量を決定する(S102)。
次に、制御器31は、前ステップ(S102)で決定した供給量の2次アノードオフガスを、第2還流経路13a〜13cから、原料供給器2a〜2cと改質器1a〜1cとの間で原料ガスに合流させるように、流量調整器14a〜14cを制御する(S103)。
[1−3.効果等]
以上のように、本実施の形態1において、水素製造システム41は、1次水素精製部21a〜21cと、2次水素精製部22と、第2還流経路13a〜13cと、流量調整器14a〜14cと、共用1次精製水素ガス経路23と、共用第2還流経路24と、劣化推定手段32と、制御器31と、を備える。
1次水素精製部21a〜21cは、改質器1a〜1cと、原料供給器2a〜2cと、燃焼器3a〜3cと、改質器温度検出器4a〜4cと、第1電気化学デバイス8a〜8cと、第1電源9a〜9cと、水素含有ガス経路10a〜10cと、第1還流経路11a〜11cと、1次精製水素ガス経路12a〜12cと、をそれぞれ備える。
2次水素精製部22は、第2電気化学デバイス18と、第2電源19と、を備える。
劣化推定手段32は、改質器の劣化を進行させる要因を基に1次水素精製部21a〜21cのそれぞれに備わる改質器1a〜1cの劣化の度合いを演算する。
制御器31は、劣化推定手段32から得られる改質器の劣化の度合いを比較し、演算により求めた、改質器1a〜1cそれぞれの劣化の度合いと、改質器1a〜1cのうち最も劣化が進行していない改質器の劣化の度合いとの差分に応じて、1次水素精製部21a〜21cのそれぞれに供給する2次アノードオフガスの供給量を決定し、その決められた量の2次アノードオフガスを、第2還流経路から、原料供給器2a〜2cと改質器1a〜1cとの間で原料ガスに合流させるように、流量調整器14a〜14cを制御する。
これにより、原料ガスの流量を増大させることなく改質器1a〜1cの水素含有ガスの生成量の減少を補うことができる。そのため、劣化の度合いに応じて改質器1a〜1cに対する劣化の進行を抑制できるので、より長期間にわたり継続して稼働できる水素製造システム41を実現できる。
(実施の形態2)
以下、図1および図3〜4を用いて、実施の形態2を説明する。
[2−1.構成]
本実施の形態の水素製造システムは実施の形態1と同様であるが、劣化推定手段32は改質器の劣化を進行させる要因として、改質器1a〜1cに供給した原料ガスの、水素製造システムの設置後最初の運転である初回起動後からの積算流量を基に改質器の劣化の度合いを演算する。この初回起動後からの積算流量を基に改質器の劣化の度合いを演算できる原理について、図3及び(式1)を用いて説明する。
図3は、改質器1a〜1cに供給した原料ガスの、最初の運転である初回起動後からの積算流量と、改質器1a〜1cで生成する水素含有ガスに含まれる水素生成量の比の関係を予め実験的に取得したものである。本開示において、水素生成量の比とは、改質器1a〜1cの初回起動前の水素生成量に対する初回起動後の水素生成量の比を示す。図3に示すように、水素生成量の比は初回起動前の1から、初回起動後に0.97まで低下した。このとき、初回起動後からの積算流量と水素生成量の比の関係は(式1)で表される。
Figure 2021130859
(式1)において、αaは、改質器1aの原料ガスの積算流量から演算した劣化の度合い、kαは積算流量による劣化係数、Laは改質器1aの積算流量を示す。
原料ガスに用いられる都市ガスには、ガス漏洩の検出を容易にするために硫黄を含む付臭剤が添加されている。また、天然ガス由来の硫黄を含む有機化合物が含まれる場合がある。これらの硫黄が改質触媒に接触すると、改質触媒に蓄積し表面積を減少させるために、改質触媒の活性が低下する。その結果、改質触媒の温度と原料ガスの供給量が同一であっても、改質器1a〜1cで生成する水素含有ガスの水素生成量が減少する。この現象を回避するために、改質器1a〜1cに供給される原料ガスは、脱硫器(図示せず)を用いて、硫黄分の濃度をppbレベルまで低減させることができるが、ppbレベルであっても、改質器1a〜1cの運転を継続すると、改質触媒に硫黄分が蓄積し、触媒性能が低下する。以上のことから、初回起動後からの原料ガスの積算流量の増加は改質器の劣化を進行させることがわかり、劣化推定手段32は初回起動後からの原料ガスの積算流量から改質器の劣化の度合いを演算することができる。
その他の本実施の形態の水素製造システムを構成する各構成要素は、実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と同様の構成要素については、同一符号を付与し、その説明は、ここでは省略する。
[2−2.動作]
以上のように構成された水素製造システム41において、図4に基づいて、その動作、作用を以下に説明する。
劣化推定手段32が、改質器の劣化を進行させる要因として改質器1a〜1cに供給された初回起動後からの原料ガスの積算流量を基に改質器1a〜1c劣化の度合いを演算する場合について、この時の動作を、図4を用いて説明する。
水素製造工程を実行中に、劣化推定手段32は、原料供給器2a〜2cの原料ガスの初回起動後からの流量をそれぞれ積算する(S201)。図3の、初回起動後からの原料ガスの積算流量と水素生成量の関係で示したように、積算流量から改質器の劣化の度合いを演算することができる。
次に、劣化推定手段32は、初回起動後からの原料ガスの積算流量と(式1)を用いて改質器1a〜1cの劣化の度合いをそれぞれ演算する(S202)。
次に、制御器31は、劣化推定手段32が(式1)により演算した改質器の劣化の度合いを比較し、順位付けをする。そして、1次水素精製部21a〜21cのそれぞれに供給する2次アノードオフガスの供給量について、(式2)の演算により求めた、改質器1a〜1cそれぞれの劣化の度合いと、改質器1a〜1cのうち最も劣化が進行していない改質器の劣化の度合いとの差分に応じて、増加させる量を決定する(S204)。
次に、制御器31は、前ステップ(S204)で決定した供給量の2次アノードオフガスを、第2還流経路13a〜13cから、原料供給器2a〜2cと改質器1a〜1cとの間で原料ガスに合流させるように、流量調整器14a〜14cを制御する(S204)。
[2−3.効果等]
本実施の形態のように、劣化推定手段32は、改質器1a〜1cに供給された原料ガスの初回起動後からの積算流量を基に改質器1a〜1c劣化の度合いを演算することができるので、特に、原料ガスに硫黄成分が多く含まれる、天然ガスを原料ガスとして用いるときに有効な手段になる。そのため、改質器1a〜1cに原料ガスを供給することによる劣化の度合いに応じて改質器に対する劣化の進行を抑制できる。
(実施の形態3)
以下、図1および図5〜6を用いて、実施の形態3を説明する。
[3−1.構成]
本実施の形態の水素製造システムは実施の形態1と同様であるが、劣化推定手段32は改質器の劣化を進行させる要因として、改質器1a〜1cの初回起動後からの積算起動停止回数を基に改質器の劣化の度合いを演算する。この初回起動後からの積算起動停止回数を基に改質器の劣化の度合いを演算できる原理について、図5及び(式2)を用いて説明する。図5は、改質器1a〜1cに供給した原料ガスの、初回起動後からの積算起動停止回数と、改質器1a〜1cで生成する水素含有ガスに含まれる水素生成量の比の関係を予め実験的に取得したものである。図5に示すように、水素生成量の比は初回起動前の1から、初回起動後に0.98まで低下した。このとき、初回起動後からの積算起動停止回数と水素生成量の比の関係は(式2)で表される。
Figure 2021130859
(式2)において、βaは改質器1aの起動停止回数から演算した劣化の度合い、kβは積算流量による劣化係数、Xaは改質器1aの起動停止回数を示す。
改質器1a〜1cをそれぞれ加熱する燃焼器は、起動工程において水の蒸発が可能となる温度に昇温するまでは、原料ガスを燃料としている。原料ガスには主成分であるメタンの他に、メタンよりも熱分解温度が低い重質炭化水素成分が含まれている。この重質炭化水素が起動昇温中に改質器1a〜1cの内部で熱分解し、炭素と水素とに分解すると、炭素が改質触媒に蓄積し表面積を減少させるために、改質触媒の活性が低下する。その結果、改質触媒の温度と原料ガスの供給量が同一であっても、改質器1a〜1cで生成する水素含有ガスの水素生成量が減少する。以上のことから、初回起動後からの積算起動停止回数の増加は、改質器の劣化を進行させることがわかり、劣化推定手段32は初回起動後からの原料ガスの積算流量から改質器の劣化の度合いを演算することができる。
その他の本実施の形態の水素製造システムを構成する各構成要素は、実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と同様の構成要素については、同一符号を付与し、その説明は、ここでは省略する。
[3−2.動作]
以上のように構成された水素製造システム41において、図6に基づいて、その動作、作用を以下に説明する。
劣化推定手段32が、改質器の劣化を進行させる要因として改質器1a〜1cの初回起動後からの積算起動停止回数を基に改質器1a〜1c劣化の度合いを演算する場合について、この時の動作を、図6を用いてより詳細に説明する。
水素製造工程を実行中に、劣化推定手段32は、改質器1a〜1cの初回起動後からの起動停止回数をそれぞれ積算する(S301)。図5の、初回起動後からの積算起動停止回数と水素生成量の関係で示したように、積算起動停止回数から改質器の劣化の度合いを演算することができる。
次に、劣化推定手段32は、初回起動後からの積算起動停止回数と(式2)を用いて改質器1a〜1cの劣化の度合いをそれぞれ演算する(S302)。
次に、制御器31は、劣化推定手段32が(式2)により演算した改質器の劣化の度合いを比較し、順位付けをする。そして、1次水素精製部21a〜21cのそれぞれに供給する2次アノードオフガスの供給量について、(式2)の演算により求めた、改質器1a〜1cそれぞれの劣化の度合いと、改質器1a〜1cのうち最も劣化が進行していない改質器の劣化の度合いとの差分に応じて、増加させる量を決定する(S303)。
次に、制御器31は、前ステップ(S303)で決定した供給量の2次アノードオフガスを、第2還流経路13a〜13cから、原料供給器2a〜2cと改質器1a〜1cとの間で原料ガスに合流させるように、流量調整器14a〜14cを制御する(S304)。
[3−3.効果等]
本実施の形態のように、劣化推定手段32は、改質器1a〜1cの初回起動後からの積算起動停止回数を基に改質器1a〜1c劣化の度合いを演算することができるので、特に、原料ガスに重質炭化水素成分が多く含まれる、天然ガスを原料ガスとして用いるときに有効な手段になる。そのため、改質器1a〜1cの起動停止の繰り返しによる劣化の度合いに応じて改質器に対する劣化の進行を抑制できる。
(実施の形態4)
以下、図1および図7〜8を用いて、実施の形態4を説明する。
[4−1.構成]
本実施の形態の水素製造システムは実施の形態1と同様であるが、劣化推定手段32は改質器の劣化を進行させる要因として、改質器1a〜1cの初回起動後からの積算運転時間を基に改質器の劣化の度合いを演算する。この初回起動後からの積算運転時間を基に改質器の劣化の度合いを演算できる原理について、図7及び(式3)を用いて説明する。図7は、改質器1a〜1cに供給した原料ガスの、初回起動後からの積算運転時間と、改質器1a〜1cで生成する水素含有ガスに含まれる水素生成量の比の関係を予め実験的に取得したものである。図7に示すように、水素生成量の比は、初回起動前の1から、初回起動後に0.96まで低下した。このとき、初回起動後からの積算運転時間と水素生成量の比の関係は(式3)で表される。
Figure 2021130859
(式3)において、γaは、改質器1aの積算運転時間から演算した劣化の度合い、kγは積算流量による劣化係数、taは改質器1aの積算時間を示す。
以上のことから、初回起動後からの積算運転時間の増加は、改質器の劣化を進行させることがわかる。
その他の本実施の形態の水素製造システムを構成する各構成要素は、実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と同様の構成要素については、同一符号を付与し、その説明は、ここでは省略する。
[4−2.動作]
以上のように構成された水素製造システム41において、図8に基づいて、その動作、作用を以下に説明する。
劣化推定手段32が、改質器の劣化を進行させる要因として改質器1a〜1cの初回起動後からの積算運転時間を基に改質器1a〜1c劣化の度合いを演算する場合について、この時の動作を、図8を用いてより詳細に説明する。
水素製造工程を実行中に、劣化推定手段32は、改質器1a〜1cの積算運転時間をそれぞれ積算する(S401)。図7の、初回起動後からの積算運転時間と水素生成量の関係に示すように、積算運転時間から改質器の劣化の度合いを演算することができる。
次に、劣化推定手段32は、初回起動後からの積算運転時間と(式3)を用いて改質器1a〜1cの劣化の度合いをそれぞれ演算する(S402)。
次に、制御器31は、劣化推定手段32が(式3)により演算した改質器の劣化の度合いを比較し、順位付けをする。そして、1次水素精製部21a〜21cのそれぞれに供給する2次アノードオフガスの供給量について、(式3)の演算により求めた、改質器1a〜1cそれぞれの劣化の度合いと、改質器1a〜1cのうち最も劣化が進行していない改質器の劣化の度合いとの差分に応じて、増加させる量を決定する(S403)。
次に、制御器31は、前ステップ(S403)で決定した供給量の2次アノードオフガスを、第2還流経路13a〜13cから、原料供給器2a〜2cと改質器1a〜1cとの間で原料ガスに合流させるように、流量調整器14a〜14cを制御する(S404)。
[4−3.効果等]
本実施の形態のように、劣化推定手段32は、改質器1a〜1cの初回起動後からの積算運転時間を基に改質器1a〜1c劣化の度合いを演算することができるので、特に、安価な構成で劣化を確認するときに有効な手段になる。そのため、改質器1a〜1cの積算運転時間による劣化の度合いに応じて改質器に対する劣化の進行を抑制できる。
(実施の形態5)
以下、図1および図9〜10を用いて、実施の形態5を説明する。
[5−1.構成]
本実施の形態の水素製造システムは実施の形態1と同様であるが、劣化推定手段32は改質器の劣化を進行させる要因として、改質器1a〜1cの改質触媒の温度を基に改質器の劣化の度合いを演算する。この改質触媒の温度を基に改質器の劣化の度合いを演算できる原理について、図9及び(式4)を用いて説明する。図9は、改質器1a〜1cの積算運転時間数と水素生成量の比の関係を、さらに改質触媒の温度を変更して、予め実験的に取得したものである。図9に示すように、600℃における改質触媒の水素生成量は初回起動前の1から、初回起動後に0.96まで低下した。また、570℃と630℃とでは、それぞれ0.98と0.94まで低下した。このとき、改質触媒の温度と水素生成量の比の関係は、(式4)で表される。
Figure 2021130859
(式4)において、δaは、改質器1aの温度から演算した劣化の度合い、kδは積算流量による劣化係数、taは改質器1aの積算時間を示す。
600℃という温度は、水素製造工程を実行中の改質器1a〜1cの改質触媒の温度である。この温度は、改質触媒の融点より低いが、改質触媒の粒子の結合が徐々に進行するシンタリングという現象によって、改質触媒の表面積が減少するために、改質触媒の活性が低下する。図9の結果から、改質触媒の温度が高いほど、改質器の劣化が進行することがわかる。
その他の本実施の形態の水素製造システムを構成する各構成要素は、実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と同様の構成要素については、同一符号を付与し、その説明は、ここでは省略する。
[5−2.動作]
以上のように構成された水素製造システム41において、図10に基づいて、その動作、作用を以下に説明する。
劣化推定手段32が、改質器の劣化を進行させる要因として改質器温度検出器4a〜4cで検出される改質器1a〜1cの触媒温度を基に改質器1a〜1c劣化の度合いを演算する場合について、この時の動作を、図10を用いてより詳細に説明する。
水素製造工程を実行中に、劣化推定手段32は、改質器1a〜1cの初回起動後からの積算運転時間をそれぞれ積算する(S501)。図9の、改質触媒温度と水素生成量の関係に示すように、改質触媒温度から改質器の劣化の度合を演算することができる。
次に、劣化推定手段32は、改質器温度検出器4a〜4cに改質器1a〜1cの温度をそれぞれ測定させる(S502)。
次に、劣化推定手段32は、改質器温度検出器4a〜4cが検出した改質器1a〜1cの温度と(式4)を用いて改質器1a〜1cの劣化の度合いをそれぞれ演算する(S503)。
次に、制御器31は、劣化推定手段32が演算した劣化の度合いを比較し、順位付けをする。そして、1次水素精製部21a〜21cのそれぞれに供給する2次アノードオフガスの供給量について、(式4)の演算により求めた、改質器1a〜1cそれぞれの劣化の度合いと、改質器1a〜1cのうち最も劣化が進行していない改質器の劣化の度合いとの差分に応じて、増加させる量を決定する(S504)。
次に、制御器31は、前ステップ(S504)で決定した供給量の2次アノードオフガスを、第2還流経路13a〜13cから、原料供給器2a〜2cと改質器1a〜1cとの間で原料ガスに合流させるように、流量調整器14a〜14cを制御する(S505)。
[5−3.効果等]
本実施の形態のように、劣化推定手段32は、改質器1a〜1cの触媒温度を基に改質器1a〜1c劣化の度合いを演算することができるので、特に、メタンと同一の転化率を確保するために、メタンより高温での動作が必要となる、窒素などの不活性ガスが多く含まれるガスを原料ガスとして用いるときに有効な手段になる。そのため、改質器1a〜1cの触媒劣化の度合いに応じて改質器に対する劣化の進行を抑制できる。
(実施の形態6)
以下、図1および図11を用いて、実施の形態6を説明する。
[6−1.構成]
本実施の形態の水素製造システムは実施の形態1と同様であるが、劣化推定手段32は改質器の劣化を進行させる要因として、改質器1a〜1cに供給された原料ガスの積算流量と、改質器1a〜1cの起動停止回数と、改質器1a〜1cの積算運転時間と、改質器温度検出器4a〜4cで検出される改質器1a〜1cの触媒温度を基に改質器の劣化の度合いを演算する。本実施の形態において、改質器の劣化の度合いは(式5)で表される。
Figure 2021130859
ここで、Yaは、改質器1aの劣化の度合いを、αaは、改質器1aの原料ガスの積算流量から演算した劣化の度合いを、βaは、改質器1aの起動停止回数から演算した劣化の度合いを、γaは、改質器1aの積算運転時間から演算した劣化の度合いを、δaは、改質器1aの温度から演算した劣化の度合いを示す。
その他の本実施の形態の水素製造システムを構成する各構成要素は、実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と同様の構成要素については、同一符号を付与し、その説明は、ここでは省略する。
[6−2.動作]
以上のように構成された水素製造システム41において、図11に基づいて、その動作、作用を以下に説明する。
劣化推定手段32が、改質器1a〜1cに供給された原料ガスの積算流量と、改質器1a〜1cの起動停止回数と、改質器1a〜1cの積算運転時間と、改質器温度検出器4a〜4cで検出される改質器1a〜1cの触媒温度とを基に改質器1a〜1c劣化の度合いを演算する場合について、この時の動作を、図11を用いてより詳細に説明する。
水素製造工程を実行中に、劣化推定手段32は、原料供給器2a〜2cの原料ガスの初回起動後からの流量をそれぞれ積算する(S601)。
次に、劣化推定手段32は、改質器1a〜1cの初回起動後からの起動停止回数をそれぞれ積算する(S602)。
次に、劣化推定手段32は、改質器1a〜1cの初回起動後からの運転時間をそれぞれ積算する(S603)。
次に、劣化推定手段32は、改質器温度検出器4a〜4cに改質器の温度をそれぞれ測定させる(S604)。
次に、劣化推定手段32は、改質器1a〜1cの劣化の度合いを(式5)によりそれぞれ演算する(S605)。
次に、制御器31は、劣化推定手段32が(式5)により演算した劣化の度合いを比較し、順位付けをする。そして、1次水素精製部21a〜21cのそれぞれに供給する2次アノードオフガスの供給量について、(式5)の演算により求めた、改質器1a〜1cそれぞれの劣化の度合いと、改質器1a〜1cのうち最も劣化が進行していない改質器の劣化の度合いとの差分に応じて、増加させる量を決定する(S606)。
次に、制御器31は、前ステップ(S606)で決定した供給量の2次アノードオフガスを、第2還流経路13a〜13cから、原料供給器2a〜2cと改質器1a〜1cとの間で原料ガスに合流させるように、流量調整器14a〜14cを制御する(S607)。
[6−3.効果等]
本実施の形態のように、劣化推定手段32は、改質器1a〜1cに供給された原料ガスの初回起動後からの積算流量と、改質器1a〜1cの初回起動後からの積算起動停止回数と、改質器1a〜1cの初回起動後からの積算運転時間と、改質器1a〜1cの触媒温度とを基に改質器1a〜1c劣化の度合いを演算することができる。そのため、改質器1a〜1cに供給した原料ガスの初回起動後からの積算流量と、改質器1a〜1cの初回起動後からの積算起動停止回数と、改質器1a〜1cの初回起動後からの積算運転時間と、改質器1a〜1cの触媒温度との影響が重なり合ったときの劣化の度合いに応じて改質器に対する劣化の進行を抑制できる。
(実施の形態7)
以下、図12および図13を用いて、実施の形態2を説明する。
[7−1.構成]
図12において、水素製造システム42は、流量調整器14a〜14cの代わりに開閉弁20a〜20cを備える。
その他の本実施の形態の水素製造システムを構成する各構成要素は、実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と同様の構成要素については、同一符号を付与し、その説明は、ここでは省略する。
[7−2.動作]
以上のように構成された水素製造システム42において、図13に基づいて、その動作、作用を以下に説明する。
水素製造工程を実行中に、劣化推定手段32は、改質器の劣化を進行させる、すなわち改質触媒の性能を低下させる要因に基づいて改質器1a〜1cの劣化の度合をそれぞれ演算する(S701)。
次に、制御器は、劣化推定手段32が演算した劣化の度合いを比較し、1次水素精製部21a〜21cのそれぞれに供給する2次アノードオフガスの供給量について、演算により求めた、改質器1a〜1cそれぞれの劣化の度合いと、改質器1a〜1cのうち最も劣化が進行していない改質器の劣化の度合いとの差分に応じて、増加させる量を決定する(S702)。
次に、制御器31は、開閉弁20a〜20cに、第2還流経路13a〜13cから、原料供給器2a〜2cと改質器1a〜1cとの間で水素含有ガスに合流させる2次アノードオフガスの流量をそれぞれ調整させる(S703)。
[7−3.効果等]
以上のように、本実施の形態2において、水素製造システム42は、開閉弁20a〜20cを備える。
これにより、開閉弁20a〜20cを開閉することで改質器1a〜1cとの間で水素含有ガスに合流させる2次アノードオフガスの流量を安価な構成で調整することができる。そのため、流量調整器14a〜14cを用いるより安価な構成で、水素製造システム42を実現できる。なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、電気化学式水素製造に適用可能である。具体的には、電気化学デバイスを用いて水素を純化する水素製造システムなどに適用可能である。
1a, 1b, 1c 改質器
2a, 2b, 2c 原料供給器
3a, 3b, 3c 燃焼器
4a, 4b, 4c 改質器温度検出器
5a, 5b, 5c 電解質膜−電極接合体
6a, 6b, 6c アノード
7a, 7b, 7c カソード
8a, 8b, 8c 第1電気化学デバイス
9a, 9b, 9c 第1電源
10a,10b,10c 水素含有ガス経路
11a,11b,11c 第1還流経路
12a,12b,12c 1次精製水素ガス経路
13a,13b,13c 第2還流経路
14a,14b,14c 流量調整器
15 電解質膜−電極接合体
16 アノード
17 カソード
18 第2電気化学デバイス
19 第2電源
20a,20b,20c 開閉弁
21a,21b,21c 1次水素精製部
22 2次水素精製部
23 共用1次精製水素ガス経路
24 共用第2還流経路
31 制御器
32 劣化推定手段
41 水素製造システム
42 水素製造システム
51 水素利用機器

Claims (8)

  1. 1次水素精製部と、2次水素精製部とを備えた水素製造システムであって、
    前記1次水素精製部を複数設け、
    前記1次水素精製部のそれぞれから精製される1次精製水素ガスを前記2次水素精製部へ供給し、前記2次水素精製部は前記1次精製水素ガスを用いて2次精製水素ガスを精製し、
    前記1次水素精製部は、
    原料ガスから水素含有ガスを生成する改質器と、
    前記改質器に前記原料ガスを供給する原料供給器と、
    燃料を燃焼して前記改質器を加熱する燃焼器と、
    電解質膜と前記電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノードと他方の面に配置されるカソードとで構成される電解質膜−電極接合体を有し、前記アノードに前記水素含有ガスを供給し、前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流を流すことで、前記カソードにおいて1次精製水素ガスを精製する第1電気化学デバイスと、
    前記第1電気化学デバイスの前記アノードと前記カソードとの間に前記電流を流すための第1電源と、
    前記第1電気化学デバイスの前記アノードに供給された前記水素含有ガスのうちで前記電解質膜を介して前記アノードから前記カソードに透過せずに前記アノードから排出される1次アノードオフガスを前記燃焼器へ供給する第1還流経路とを備え、
    前記2次水素精製部は、
    電解質膜と前記電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノードと他方の面に配置されるカソードとで構成される電解質膜−電極接合体を有し、前記アノードに前記1次精製水素ガスを供給し、前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流を流すことで、前記カソードにおいて2次精製水素ガスを精製する第2電気化学デバイスと、
    前記第2電気化学デバイスの前記アノードと前記カソードとの間に前記電流を流すための第2電源とを備え、
    前記第2電気化学デバイスの前記アノードに供給された前記1次精製水素ガスのうちで前記電解質膜を介して前記アノードから前記カソードに透過せずに前記アノードから排出される2次アノードオフガスを前記1次水素精製部のそれぞれに分配し、前記原料供給器と前記改質器との間で、前記原料ガスに合流させ混合ガスにする複数の第2還流経路と、
    前記第2還流経路を流れ、前記1次水素精製部のそれぞれに供給される前記2次アノードオフガスの流量を調整する複数の流量調整器と、
    前記1次水素精製部のそれぞれに備わる前記改質器の劣化の度合いを演算する劣化推定手段と、
    前記劣化推定手段から得られる劣化の度合いに応じて前記流量調整器のぞれぞれを制御することで、前記2次アノードオフガスの供給量を前記1次水素精製部ごとに制御する制御器と、
    を備える、水素製造システム。
  2. 前記劣化推定手段は、前記改質器に供給された前記原料ガスの積算流量を基に前記改質器の劣化の度合いを演算することを特徴とする請求項1に記載の水素製造システム。
  3. 前記劣化推定手段は、前記改質器の起動停止回数を基に前記改質器の劣化の度合いを演算することを特徴とする請求項1または2に記載の水素製造システム。
  4. 前記劣化推定手段は、前記改質器の積算運転時間を基に前記改質器の劣化の度合いを演算することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素製造システム。
  5. 前記1次水素精製部のそれぞれに備わる前記改質器の触媒温度を検出する改質器温度検出器を備え、
    前記劣化推定手段は、前記改質器温度検出器で検出される前記触媒温度を基に前記改質器の劣化の度合いを演算することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素製造システム。
  6. 前記制御器は、前記劣化推定手段によって得られた劣化の度合いが大きい前記改質器に対して、より多くの前記2次アノードオフガスを供給することを特徴とする請求項1〜5に記載の水素製造システム。
  7. 前記流量調整器は、前記2次アノードオフガスを間欠的に供給することを特徴とする請求項1〜6に記載の水素製造システム。
  8. 複数の1次水素精製部と、
    2次水素精製部と、を備え、
    前記1次水素精製部のそれぞれから精製される1次精製水素ガスを前記2次水素精製部へ供給し、前記2次水素精製部は前記1次精製水素ガスを用いて2次精製水素ガスを精製し、
    前記1次水素精製部は、
    原料ガスから水素含有ガスを生成する改質器と、
    前記改質器に前記原料ガスを供給する原料供給器と、
    燃料を燃焼して前記改質器を加熱する燃焼器と、
    電解質膜と前記電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノードと他方の面に配置されるカソードとで構成される電解質膜−電極接合体を有し、前記アノードに前記水素含有ガスを供給し、前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流を流すことで、前記カソードにおいて1次精製水素ガスを精製する第1電気化学デバイスと、
    前記第1電気化学デバイスの前記アノードと前記カソードとの間に前記電流を流すための第1電源と、
    前記第1電気化学デバイスの前記アノードに供給された前記水素含有ガスのうちで前記電解質膜を介して前記アノードから前記カソードに透過せずに前記アノードから排出される1次アノードオフガスを前記燃焼器へ供給する第1還流経路とを備え、
    前記2次水素精製部は、
    電解質膜と前記電解質膜を挟んで一方の面に配置されるアノードと他方の面に配置されるカソードとで構成される電解質膜−電極接合体を有し、前記アノードに前記1次精製水素ガスを供給し、前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流を流すことで、前記カソードにおいて2次精製水素ガスを精製する第2電気化学デバイスと、
    前記第2電気化学デバイスの前記アノードと前記カソードとの間に前記電流を流すための第2電源とを備え、
    前記第2電気化学デバイスの前記アノードに供給された前記1次精製水素ガスのうちで前記電解質膜を介して前記アノードから前記カソードに透過せずに前記アノードから排出される2次アノードオフガスを前記1次水素精製部のそれぞれに分配し、前記原料供給器と前記改質器との間で、前記原料ガスに合流させ混合ガスにする複数の第2還流経路と、
    前記第2還流経路を流れ、前記1次水素精製部のそれぞれに供給される前記2次アノードオフガスの流量を調整する複数の流量調整器と、
    前記1次水素精製部のそれぞれに備わる前記改質器の劣化の度合いを演算する劣化推定手段と、
    を備える水素製造システムの運転方法であって、
    前記劣化推定手段から得られる劣化の度合いを取得するステップと、前記劣化推定手段から得られる劣化の度合いに応じて、前記2次アノードオフガスの供給量を前記1次水素精製部ごとに制御するステップと、を行う水素製造システムの運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024005081A1 (ja) * 2022-06-30 2024-01-04 旭化成株式会社 装置及び方法
WO2024005096A1 (ja) * 2022-06-30 2024-01-04 旭化成株式会社 装置及び方法

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