JPH09147837A - 非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池

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JPH09147837A
JPH09147837A JP7301299A JP30129995A JPH09147837A JP H09147837 A JPH09147837 A JP H09147837A JP 7301299 A JP7301299 A JP 7301299A JP 30129995 A JP30129995 A JP 30129995A JP H09147837 A JPH09147837 A JP H09147837A
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JP
Japan
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negative electrode
secondary battery
electrode material
aqueous secondary
lithium
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Pending
Application number
JP7301299A
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English (en)
Inventor
Akiyuki Inoue
礼之 井上
Hiroshi Inoue
弘 井上
Kensuke Aida
健介 合田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication of JPH09147837A publication Critical patent/JPH09147837A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な生産性と保存性を有する高容量非水二次
電池を提供する。 【解決手段】負極材料、正極材料、リチウム塩を含む非
水電解質からなる非水二次電池に於いて、該負極層が2
層以上の層からなり各層の材料の組成が異なることを特
徴とする非水二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部短絡が防止さ
れ、製造安定性の良好な高容量、高電圧非水二次電池に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウムを利用する非水二次電池は、高
電圧、高容量が望めるため広範な開発がなされてきた。
これらのリチウム二次電池は、リチウムを可逆的に吸蔵
放出可能な材料を含む正極及び負極、リチウム塩を含む
非水電解質、セパレーターから構成されるのが通常であ
る。しかしながら、これらの非水二次電池は、製造中の
各行程において正極、負極が短絡し容量が低下する問題
があった。また電池の保存中、特に高温で保存した場合
に短絡が発生し容量が低下し、かつ再充電しても初期の
容量を回復しないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高電
圧、高容量をもつ非水二次電池の生産性および保存性特
性を向上させることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、リチウ
ムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む正極及び負極、
リチウム塩を含む非水電解質、セパレーターから成る非
水二次電池に於いて、該負極が集電体上にリチウムを可
逆的に吸蔵放出可能な負極材料を含む2層以上を塗設し
てなり、各層の材料の組成が異なる非水二次電池により
達成された。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい態様につ
いて説明するが本発明はこれらに限定されるものではな
い。 リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む正極及
び負極、リチウム塩を含む非水電解質、セパレーターか
ら成る非水二次電池に於いて、該負極が集電体上にリチ
ウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極材料を含む2層以上
を塗設してなり、各層の材料の組成が異なることを特徴
とする非水二次電池。 該負極材料が、主として非晶質カルコゲン化合物及
び、または非晶質酸化物からなることを特徴とする項
に記載の非水二次電池。 該負極材料が主として周期表13,14,15,2族
原子から選ばれる三種以上の原子を含む、主として非晶
質カルコゲン化合物及び、または非晶質酸化物からなる
ことを特徴とする項に記載の非水二次電池。 該負極材料の少なくとも一種が、一般式(1)で示さ
れることを特徴とする項に記載の非水二次電池。 M1 2pM4qM6r 一般式(1) (式中、M1 、M2 は相異なりSi 、Ge 、Sn、Pb
、P、B、Al、Sbから選ばれる少なくとも一種、
4 はMg,Ca,Sr,Baから選ばれる少なくとも
一種、M6 はO、S、Teから選ばれる少なくとも一
種、p,q は各々0.001〜10、r は1.00〜50
の数字を表す。) 該負極材料の少なくとも一種が、一般式(2)で示さ
れることを特徴とする項に記載の非水二次電池。 SnM3pM5qM7r 一般式(2) (式中、M3 はSi 、Ge 、Pb 、P、B、Alから選
ばれる少なくとも一種、M5は、Mg,Ca,Sr,B
aから選ばれる少なくとも一種、M7 はO、Sから選ば
れる少なくとも一種、p,q は各々0.001〜10、r
は1.00〜50の数字を表す。) 該負極材料のSn含量が負極の最上層において5〜4
0重量%であり、他の層の該負極材料のSn含量の平均
値が45〜70%重量%であることを特徴とする項に
記載の非水二次電池。 該正極材料の少なくとも1種が、LiX CoO2 、L
X NiO2 、LiX MnO2 、LiX Coa Ni1-a
2 、LiX Cob V1-b Oz 、LiX Cob Fe1-b
2 、LiX Mn2 4 、LiX Mnc Co2-c 4
LiX Mnc Ni 2-c 4 、LiX Mnc V2-c 4
LiX Mnc Fe2-c 4 (式中、x=0.02〜2.
2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=
1.6〜1.96、z=2.01から2.3)であるこ
とを特徴とする項からのいずれか1項に記載の非水
二次電池。 負極シートが負極材料、結着剤、導電剤を含有する水
分散物を銅箔上に塗布したものであることを特徴とする
項からのいづれか1項に記載の非水二次電池。 リチウム金属を負極シートに電気的に接続し電池内の
電気化学反応によりリチウムイオンをあらかじめ負極材
料に挿入することを特徴とする項からのいづれか1
項に記載の非水二次電池。
【0006】以下本発明について詳述する。本発明者ら
は、リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料を含む正極
及び負極、リチウム塩を含む非水電解質、セパレーター
から成る非水二次電池の製造得率が悪い原因と、保存時
に容量が低下する原因について鋭意検討した結果、該非
水二次電池の負極層を2層以上とし各層の材料の組成を
異ならせることで製造得率および保存性を改良できるこ
とをつきとめ、本発明に至った。ここで、本発明の負極
は、集電体上にリチウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極
材料を含む2層以上を塗設してなる。集電体の両面に負
極材料を含む層を塗設してなる形態に於いては、少なく
とも片面上の塗布層が2層以上であり、好ましくは両面
の塗布層が2層以上である。これらの塗布層は、それぞ
れ主として負極材料、結着剤、導電材料から形成され、
各層の材料の組成が異なるとは、負極材料、結着剤、導
電材料のそれぞれの比率が異なる場合と、各層における
負極材料そのものが異なる場合があり、いづれも好まし
い。本発明に於いては、各層における負極材料そのもの
が異なる場合がより好ましい。
【0007】本発明の好ましい負極材料は、主として非
晶質カルコゲン化合物及び、または非晶質酸化物であ
る。また好ましい負極材料は主として周期表13,1
4,15,2族原子から選ばれる三種以上の原子を含
む、主として非晶質カルコゲン化合物及び、または非晶
質酸化物である。
【0008】本発明で用いられる負極材料は、電池組み
込み時に主として非晶質であることが好ましい。ここで
言う主として非晶質とはCuKα線を用いたX線回折法
で2θ値で20°から40°に頂点を有するブロードな
散乱帯を有する物であり、結晶性の回折線を有してもよ
い。 好ましくは2θ値で40°以上70°以下に見ら
れる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20
°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の
回折線強度の500倍以下であることが好ましく、さら
に好ましくは100倍以下であり、特に好ましくは5倍
以下であり、最も好ましくは 結晶性の回折線を有さな
いことである。
【0009】本発明で用いられる負極材料は下記一般式
(1)で表されることが好ましい。 M1 2pM4qM6r 一般式(1) 式中、M1 、M2 は相異なりSi 、Ge 、Sn、Pb 、
P、B、Al、Sbから選ばれる少なくとも一種であ
り、好ましくはSi 、Ge 、Sn、P、B、Alであ
り、特に好ましくはSi 、Sn、P、B、Alである。
4 はMg,Ca,Sr,Baから選ばれる少なくと
も一種であり、好ましくはMg,Caで、特に好ましく
はMgである。M6 はO、S、Teから選ばれる少なく
とも一種であり、好ましくはO、Sであり、特に好まし
くはOである。 p,q は各々0.001〜10であり、
好ましくは0.01〜5であり、特に好ましくは0.0
1〜2である。r は1.00〜50であり、好ましくは
1.00〜26であり、特に好ましくは1.02〜6で
ある。M1 、M2 の価数は特に限定されることはなく、
単独価数であっても、各価数の混合物であっても良い。
またM1 、M2 、M4 の比はM2 およびM4 がM1 に対
して0.001〜10モル当量の範囲において連続的に
変化させることができ、それに応じてM6 の量(一般式
(1)において、r の値)も連続的に変化する。
【0010】上記に挙げた化合物の中でも、本発明にお
いてはM1がSnである場合が好ましく、一般式(2)
で表される。 SnM3pM5qM7r 一般式(2) 式中、M3 はSi 、Ge 、Pb 、P、B、Alから選ば
れる少なくとも一種であり、好ましくはSi 、Ge 、
P、B、Alであり、特に好ましくはSi 、P、B、A
lである。 M5 はMg,Ca,Sr,Baから選ばれ
る少なくとも一種であり、好ましくはMg,Caで、特
に好ましくはMgである。M7 はO、Sから選ばれる少
なくとも一種であり、好ましくはOである。 p 、q は
各々0.001〜10であり、好ましくは0.01〜5
であり、さらに好ましくは0.01〜1.5であり、特
に好ましくは0.7〜1.5である。 r は1.00〜
50であり、好ましくは1.00〜26であり、特に好
ましくは1.02〜6である。
【0011】本発明においては、負極を形成する2層以
上の層は、それぞれ組成の異なった負極材料を含有する
ことが望ましい。組成が異なるとは好ましくは錫含量の
相違である。負極の最上層の錫含量が5から40重量%
であり、最上層以外の層の錫含量の平均値が45から7
0重量%となるように負極材料を選択するのが好まし
い。さらに、最上層の錫含量が10から30重量%であ
り、最上層以外の層の錫含量の平均値が48から70重
量%とすることがより好ましい。
【0012】本発明の負極材料の例を以下に示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。なお( )内
の数字はSnの含量(重量%)である。SnAl0.4
0.5 0.5 0.1 3.65(55.8)、SnAl0.4
0.5 0. 5 Na0.2 3.7 (55.4)、SnAl0.4
0.3 0.5 Rb0.2 3.4 (54.0)、SnAl
0.4 0.5 0.5 Cs0.1 3.65(53.4)、SnA
0. 4 0.5 0.5 0.1 Ge0.053.85(54.
1)、SnAl0.4 0.5 0.50.1 Mg0.1 Ge
0.023.83(54.1)、SnAl0.4 0.4 0.4
3.2(60.1)、SnAl0.3 0.5 0.2
2.7 (65.4)、SnAl0.3 0.5 0.2
2.7 (65.4)、SnAl0.4 0.5 0.3 Ba0.08
Mg0.08 3.26(56.7)、SnAl0.4 0.4
0.4 Ba0.083.28(56.6)、SnAl0.4 0.5
0.5 3.6 (57.1)、SnAl0.4 0.5 0.5
Mg0. 1 3.7 (56)。
【0013】SnAl0.5 0.4 0.5 Mg0.1 0.2
3.65(54.8)、SnB0.5 0. 5 Li0.1 Mg
0.10.2 3.05(60.8)、SnB0.5 0.5
0.1 Mg0. 1 0.2 3.05(59.8)、SnB0.5
0.5 0.05Mg0.050.1 3.03(61.5)、SnB
0.5 0.5 0.05Mg0.1 0.2 3.03(60.5)、
SnAl0.4 0.5 0.5 Cs0.1 Mg0.1 0.2
3.65(52)、SnB0.5 0. 5 Cs0.05Mg0.05
0.1 3.03(60)、SnB0.5 0.5 Mg0.1 0.1
3.05(61.6)、SnB0.5 0.5 Mg0.1 0.2
3 (61.2)、SnB 0.5 0.5 Mg0.1 0.06
3.07(61.7)、SnB0.5 0.5 Mg0.1 0. 14
3.03(61.4)、SnPBa0.083.58(54.
5)、SnPK0.1 3. 55(56.4)、SnPK0.05
Mg0.053.58(56.5)、SnPCs0.1
3.55(54)、SnPBa0.080.083.54(54.
2)、SnPK0.1 Mg0.1 0.2 3.55(54.
8)、SnPK0.05Mg0.050.1 3.53(56.
2)、SnPCs0.1 Mg0.1 0.2 3.55(52.
5)、SnPCs0.05Mg0.050.1 3.53(55)。
【0014】Sn1.1 Al0.4 0.2 0.6 Ba0.08
0.083.54(56.5)、Sn1.1 Al0.4 0.2
0.6 Li0.1 0.1 Ba0.1 0.1 3.65(54.
3)、Sn1. 1 Al0.4 0.4 0.4 Ba0.08
3.34(58.7)、Sn1.1 Al0.4 PCs 0.054.23
(52.9)、Sn1.1 Al0.4 PK0.054.23(5
4)、Sn1.2Al0.5 0.3 0.4 Cs0.2
3.5 (56)、Sn1.2 Al0.4 0.2 0.6Ba0.08
3.68(58.4)、Sn1.2 Al0.4 0.2 0.6
0.080.08 3.64(58.2)、Sn1.2 Al0.4
0.2 0.6 Mg0.04Ba0.043.68(59.5)、Sn
1.2 Al0.4 0.3 0.5 Ba0.083.58(59.
3)、Sn1. 3 Al0.3 0.3 0.4 Na0.2
3.3 (65.5)、Sn1.3 Al0.2 0.4 0.4 Ca
0.2 3.4 (64.6)、Sn1.3 Al0.40.4
0.4 Ba0.2 3.6 (57.8)、Sn1.4 Al0.4
0.2 4.6 (57.4)、Sn1.4 Al0.2 Ba0.1
PK0.2 4.45(56.3)、Sn1.4Al0.2 Ba
0.2 PK0.2 4.6 (53.4)、Sn1.4 Al0.4
0.3 4. 65(56.5)、Sn1.5 Al0.2 PK0.2
4.4 (60.8)、Sn1.5 Al 0.4 PK0.1 4.65
(59.7)、Sn1.5 Al0.4 PCs0.054.63(5
9.2)、Sn1.5 Al0.4 PCs0.05Mg0.1 0.2
4.63(58)。
【0015】SnSi0.5 Al0.1 0.2 0.1 Ca
0.4 3.1 (57.5)、SnSi0.4Al0.2 0.4
2.7 (64.9)、SnSi0.5 Al0.2 0.1
0.1 Mg0. 1 2.8 (62.6)、SnSi0.6 Al
0.2 0.2 2.8 (63.2)、SnSi0.5 Al0.3
0.4 0.2 3.55(57)、SnSi0.5 Al0.3
0.4 0.5 4.30(51.7)、SnSi0.6 Al0.1
0.1 0.3 3.25(59.2)、SnSi0.6 Al
0.1 0.1 0.1 Ba0.2 2.95(54.7)、SnS
0.6 Al0.1 0.1 0.1 Ca0.2 2.95(60)、
【0016】SnSi0.6 Al0.4 0.2 Mg0.1
3.2 (58.7)、SnSi0.6 Al0. 1 0.3 0.1
3.05(61.4)、SnSi0.6 Al0.2 Mg0.2
2.7 (62.8)、SnSi0.6 Al0.2 Ca0.2
2.7 (61.8)、SnSi0.6 Al0.2 0.2 3
(60.8)、SnSi0.6 0.2 0.2 3 (6
2)、SnSi0.8 Al0.2 2.9 (61.5)、Sn
Si0.8 Al0.3 0.2 0.2 3. 85(54)、SnS
0.8 0.2 2.9 (62.6)、SnSi0.8 Ba
0.2 2.8 (55.6)、SnSi0.8 Mg0.2 2.8
(62.2)、SnSi0.8 Ca0.2 2.8 (61.
2)、SnSi0.8 0.2 3.1 (60.3)。
【0017】Sn0.9 Mn0.3 0.4 0.4 Ca0.1
0.1 2.95(53.5)、Sn0.9Fe0.3 0.4
0.4 Ca0.1 Rb0.1 2.95(53.4)、Sn0.8
0.2Ca0.1 0.9 3.35(42.8)、Sn0.3
0.7 Ba0.1 0.9 3.35(19.6)、Sn0.9
0.1 Mg0.1 0.9 3.35(54.4)、Sn0.2
0.8 Mg0.1 0.9 3.35(15.7)、Sn0.7
0.3 Ca0.1 0.9 3.35(36)、Sn0.2 Ge
0.8 Ba0.1 0.9 3.35(13.4)。さらにこれら
の上記の化合物のSnとOを当モル比で減量、増量させ
Snの含量を5〜70重量%の範囲で調節したものも好
ましく用いることができる。
【0018】上記焼成されて得られた化合物の化学式
は、測定方法として誘導結合プラズマ(ICP)発光分
光分析法、簡便法として、焼成前後の粉体の重量差から
算出できる。
【0019】本発明の負極材料への軽金属挿入量は、そ
の軽金属の析出電位に近似するまででよいが、例えば、
負極材料当たり50〜700モル%が好ましいが、特
に、100〜600モル%が好ましい。その放出量は挿
入量に対して多いほど好ましい。軽金属の挿入方法は、
電気化学的、化学的、熱的方法が好ましい。電気化学的
方法は、正極活物質に含まれる軽金属を電気化学的に挿
入する方法や軽金属あるいはその合金から直接電気化学
的に挿入する方法が好ましい。化学的方法は、軽金属と
の混合、接触あるいは、有機金属、例えば、ブチルリチ
ウム等と反応させる方法がある。電気化学的方法、化学
的方法が好ましい。該軽金属はリチウムあるいはリチウ
ムイオンが特に好ましい。
【0020】本発明においては、以上示したような一般
式(1)(2)で示される化合物を主として負極材料と
して用いることにより、より充放電サイクル特性の優れ
た、かつ高い放電電圧、高容量で安全性が高く,高電流
特性が優れた非水二次電池を得ることができる。本発明
において、特に優れた効果を得ることができるのはSn
を含有し且つSnの価数が2価で存在する化合物を負極
材料として用いることである。Snの価数は化学滴定操
作によって求めることができる。例えばPhysics and Ch
emistry of Glasses Vol.8 No.4 (1967)の165頁に記
載の方法で分析することができる。また、Snの固体核
磁気共鳴(NMR)測定によるナイトシフトから決定す
ることも可能である。例えば、幅広測定において金属S
n(0価のSn)はSn(CH3 4 に対して7000
ppm付近と極端に低磁場にピークが出現するのに対
し、SnO(=2価)では100ppm付近、SnO2
(=4価)では−600ppm付近に出現する。このよ
うに同じ配位子を有する場合ナイトシフトが中心金属で
あるSnの価数に大きく依存するので、 119Sn−NM
R測定で求められたピーク位置で価数の決定が可能とな
る。
【0021】本発明の負極材料に各種化合物を含ませる
ことができる。例えば、1族元素(Li、Na、K、R
b、Cs)、遷移金属(Sc、Ti、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、M
o、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、ランタノイ
ド系金属、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、
Au、Hg)や周期表17族元素(F、Cl)を含ませ
ることができる。また電子伝導性をあげる各種化合物
(例えば、Sb、In、Nbの化合物)のドーパントを
含んでもよい。添加する化合物の量は0〜20モル%が
好ましい。
【0022】本発明における一般式(1)(2)で示さ
れる酸化物を主体とする複合酸化物の合成法は焼成法、
溶液法いずれの方法も採用することができる。例えば焼
成法について詳細に説明するとM1 化合物、M2 化合物
とM4 化合物(M1 、M2 は相異なりSi 、Ge 、S
n、Pb 、P、B、Al、Sb、M4 はMg,Ca,S
r,Ba)を混合し、焼成せしめればよい。Sn化合物
としてはたとえばSn O、Sn O2 、Sn23 、Sn3
4 、Sn713・H2 O、Sn815、水酸化第一錫、オキ
シ水酸化第二錫、亜錫酸、蓚酸第一錫、燐酸第一錫、オ
ルト錫酸、メタ錫酸、パラ錫酸、弗化第一錫、弗化第二
錫、塩化第一錫、塩化第二錫、ピロリン酸第一錫、リン
化錫、硫化第一錫、硫化第二錫、等を挙げることができ
る。Si化合物としてはたとえばSiO2 、SiO、テ
トラメチルシラン、テトラエチルシラン等の有機珪素化
合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等
のアルコキシシラン化合物、トリクロロハイドロシラン
等のハイドロシラン化合物を挙げることができる。Ge
化合物としてはたとえばGeO2 、GeO、ゲルマニウ
ムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド等
のアルコキシゲルマニウム化合物等を挙げることができ
る。Pb化合物としてはたとえばPbO2 、PbO、P
2 3 、Pb3 4 、硝酸鉛、炭酸鉛、蟻酸鉛、酢酸
鉛、四酢亜鉛、酒石酸鉛、鉛ジエトキシド、鉛ジ(イソ
プロポキシド)等を挙げることができる。P化合物とし
てはたとえば五酸化リン、オキシ塩化リン、五塩化リ
ン、三塩化リン、三臭化リン、トリメチルリン酸、トリ
エチルリン酸、トリプロピルリン酸、ピロリン酸第一
錫、リン酸ホウ素等を挙げることができる。B化合物と
してはたとえば三二酸化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化
ホウ素、炭化ホウ素、ほう酸、ほう酸トリメチル、ほう
酸トリエチル、ほう酸トリプロピル、ほう酸トリブチ
ル、リン化ホウ素、リン酸ホウ素等を挙げることができ
る。Al化合物としてはたとえば酸化アルミニウム(α
−アルミナ、β−アルミナ)、ケイ酸アルミニウム、ア
ルミニウムトリ−iso−プロポキシド、亜テルル酸ア
ルミニウム、塩化アルミニウム、ホウ化アルミニウム、
リン化アルミニウム、リン酸アルミニウム、乳酸アルミ
ニウム、ほう酸アルミニウム、硫化アルミニウム、硫酸
アルミニウム、ホウ化アルミニウム等を挙げることがで
きる。Sb化合物としてはたとえば三酸化二アンチモ
ン、トリフェニルアンチモン等を挙げることができる。
【0023】Mg,Ca,Sr,Ba化合物としては、
各々の酸化塩、水酸化塩、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩、
硝酸塩、アルミニウム化合物等を挙げることができる。
【0024】焼成条件としては、昇温速度として昇温速
度毎分4℃以上2000℃以下であることが好ましく、
さらに好ましくは6℃以上2000℃以下である。とく
に好ましくは10℃以上2000℃以下であり、かつ焼
成温度としては250℃以上1500℃以下であること
が好ましく、さらに好ましくは350℃以上1500℃
以下であり、とくに好ましくは500℃以上1500℃
以下であり、かつ焼成時間としては0.01時間以上1
00時間以下であることが好ましく、さらに好ましくは
0.5時間以上70時間以下であり、とくに好ましくは
1時間以上20時間以下であり、かつ降温速度としては
毎分2℃以上107 ℃以下であることが好ましく、さら
に好ましくは4℃以上107 ℃以下であり、とくに好ま
しくは6℃以上107℃以下であり、特に好ましくは1
0℃以上107 ℃以下である。本発明における昇温速度
とは「焼成温度(℃表示)の50%」から「焼成温度
(℃表示)の80%」に達するまでの温度上昇の平均速
度であり、本発明における降温速度とは「焼成温度(℃
表示)の80%」から「焼成温度(℃表示)の50%」
に達するまでの温度降下の平均速度である。降温は焼成
炉中で冷却してもよくまた焼成炉外に取り出して、例え
ば水中に投入して冷却してもよい。またセラミックスプ
ロセッシング(技報堂出版 1987)217頁記載の
gun法・Hammer−Anvil法・slap法・
ガスアトマイズ法・プラズマスプレー法・遠心急冷法・
melt drag法などの超急冷法を用いることもで
きる。またニューガラスハンドブック(丸善 199
1)172頁記載の単ローラー法、双ローラ法を用いて
冷却してもよい。 焼成中に溶融する材料の場合には、
焼成中に原料を供給しつつ焼成物を連続的に取り出して
もよい。焼成中に溶融する材料の場合には融液を攪拌す
ることが好ましい。
【0025】焼成ガス雰囲気は好ましくは酸素含有率が
5体積%以下の雰囲気であり、さらに好ましくは不活性
ガス雰囲気である。不活性ガスとしては例えば窒素、ア
ルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等が挙げられ
る。
【0026】本発明で用いられる一般式(1)(2)で
示される化合物の平均粒子サイズは0.1〜60μm が
好ましく、1.0〜30μm が特に好ましく、2.0〜
20μmがさらに好ましい。 所定の粒子サイズにする
には、良く知られた粉砕機や分級機が用いられる。例え
ば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、
衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェット
ミルや篩などが用いられる。粉砕時には水、あるいはメ
タノール等の有機溶媒を共存させた湿式粉砕も必要に応
じて行うことが出来る。所望の粒径とするためには分級
を行うことが好ましい。分級方法としては特に限定はな
く、篩、風力分級機などを必要に応じて用いることがで
きる。分級は乾式、湿式ともに用いることができる。負
極シートが負極材料、結着剤、導電剤を含有する水分散
物を銅箔上に塗布したものであることが好ましい。
【0027】本発明で用いられるより好ましいリウム含
有遷移金属酸化物正極材料としては、リチウム化合物/
遷移金属化合物(ここで遷移金属とは、Ti、V、C
r、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Wから選ばれる少
なくとも1種)の合計のモル比が0.3〜2.2になる
ように混合して合成することが好ましい。 本発明で用
いられるとくに好ましいリチウム含有遷移金属酸化物正
極材料としては、リチウム化合物/遷移金属化合物(こ
こで遷移金属とは、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni
から選ばれる少なくとも1種)の合計のモル比が0.3
〜2.2になるように混合して合成することが好まし
い。本発明で用いられるとくに好ましいリチウム含有遷
移金属酸化物正極材料とは、Lix QOy (ここでQは
主として、その少なくとも一種がCo、Mn、Ni、
V、Feを含む遷移金属)、x=0.02〜1.2、y
=1.4〜3)であることが好ましい。Qとしては遷移
金属以外にAl、Ga、In、Ge、Sn、Pb、S
b、Bi、Si、P、Bなどを混合してもよい。混合量
は遷移金属に対して0〜30モル%が好ましい。
【0028】本発明で用いられるさらに好ましいリチウ
ム含有金属酸化物正極材料としては、LiX CoO2
LiX NiO2 、Lix MnO2 、LiX Coa Ni
1-a 2 、LiX Cob V1-b Oz 、LiX Cob Fe
1-b 2 、LiX Mn2 4 、LiX Mnc Co2-c
4 、LiX Mnc Ni2-c 4 、LiX Mnc V2-c
4 、LiX Mnc Fe2-c 4 (ここでx=0.02〜
2.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、
c=1.6〜1.96、z=2.01〜2.3)があげ
られる。本発明で用いられる最も好ましいリチウム含有
遷移金属酸化物正極材料としては、Lix CoO2 、L
ix NiO2 、Lix MnO2 、Lix Coa Ni1-a
2 、LiX Mn2 4 、LiX Cob V1-b Oz (こ
こでx=0.02〜2.2、a=0.1〜0.9、b=
0.9〜0.98、z=2.01〜2.3)があげられ
る。ここで、上記のx値は、充放電開始前の値であり、
充放電により増減する。
【0029】本発明の非水二次電池に用いられる正・負
極は、正極合剤あるいは負極合剤を集電体上に塗設、ある
いはペレット状に成形して作ることができる。正極ある
いは負極合剤には、それぞれ正極材料あるいは負極材料
の他、それぞれに導電剤、結着剤、分散剤、フィラー、イオ
ン導電剤、圧力増強剤、および絶縁性、導電性、半導電性の
固体微粒子や各種添加剤を含むことができる。
【0030】本発明で使用できる正極及び負極中の結着
剤は、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、
ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、
ポリビニルアルコール、澱粉、ジアセチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルクロリド、
ポリビニルピロリドン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、SBR,EPDM、スルホン化EPDM、フッ素ゴ
ム、ポリブタジエン、ポリエチレンオキシドであり、特
にポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリ
テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが好ま
しい。
【0031】本発明の負極、正極には絶縁性個体微粒子
を含有することができる。好ましい有機物の粒子は架橋
されたラテックス又はフッ素樹脂の粉状体であり、30
0℃以下で、分解したり、皮膜を形成しないものが好ま
しい。より好ましいのはテフロンの微粉末である。無機
物粒子としては、金属、非金属元素の炭化物、珪化物、
窒化物、硫化物、酸化物を挙げることが出来る。炭化
物、珪化物、窒化物のなかでは、SiC、窒化アルミニ
ウム(AlN)、BN,BPが絶縁性が高くかつ化学的
に安定で好ましく、特にBeO、Be、BNを燒結助剤
として用いたSiCが特に好ましい。カルコゲナイドの
中では、酸化物が好ましく、酸化或いは還元されにくい
酸化物が好ましい。これらの酸化物としては、Al2
3 ,As4 6 、B2 3 ,BaO、BeO、CaO,
Li2 O、K2 O、Na2 O、In2 3 、MgO,S
2 5 、SiO2 、SrO、ZrO2 があげられる。
これらの中で、Al23 ,BaO、BeO、CaO,
2 O、Na2 O、MgO,SiO2 、SrO、ZrO
2 が特に好ましい。これらの酸化物は、単独であって
も、複合酸化物であっても良い。複合酸化物として好ま
しい化合物としては、ムライト(3Al23 ・2Si
2 )、ステアタイト(MgO・SiO2 )、フォルス
テライト(2MgO・SiO2 )、コージェライト(2
MgO・2Al2 3 ・5SiO2)等を挙げることが
出来る。これらの無機化合物粒子は、生成条件の制御や
粉砕等の方法により、0.1μm以上、20μm以下、
特に好ましくは0.2μm以上、15μm以下の粒子に
して用いる。
【0032】本発明で使用できる正極及び負極の支持体
即ち集電体は、材質として、正極にはアルミニウム、ス
テンレス鋼、ニッケル、チタン、またはこれらの合金で
あり、負極には銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、
またはこれらの合金であり、形態としては、箔、エキス
パンドメタル、パンチングメタル、金網である。特に、
正極にはアルミニウム箔、負極には銅箔が好ましい。本
発明で使用できるセパレータは、イオン透過度が大き
く、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の薄膜であれば良
く、材質として、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリ
マー、セルロース系ポリマー、ポリイミド、ナイロン、
ガラス繊維、アルミナ繊維が用いられ、形態として、不
織布、織布、微孔性フィルムが用いられる。特に、材質
として、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンとポリエチレンの混合体、ポリプロピレンとテフロン
の混合体、ポリエチレンとテフロンの混合体が好まし
く、形態として微孔性フィルムであるものが好ましい。
特に、孔径が0.01〜1μm、厚みが5〜50μmの
微孔性フィルムが好ましい。
【0033】本発明で使用できる電解液は、有機溶媒と
してプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチ
ロラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、ジメチルスフォキシド、ジオキソラン、
1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルム
アミド、ニトロメタン、アセトニトリル、蟻酸メチル、
酢酸メチル、プロピオン酸メチル、燐酸トリエステル、
トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラ
ン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカ
ーボネート誘導体、テトラヒドロ誘導体、ジエチルエー
テル、1,3−プロパンサルトンの少なくとも1種以上
を混合したもの、また電解質として、LiClO4 、L
iBF4 、LiPF6 、LiCF3 SO3 、LiCF3
CO2 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiB10
10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiAlCl
4 、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウ
ム、四フェニルホウ酸リチウムの1種以上の塩を溶解し
たものが好ましい。特にプロピレンカーボネートあるい
はエチレンカーボネートと1、2−ジメトキシエタン及
び/あるいはジエチルカーボネートとの混合溶媒にLi
CF3 SO3 、LiClO4 、LiBF4 、及び/ある
いはLiPF6 を溶解したものが好ましく、特に、少な
くともエチレンカーボネートとLiPF6 を含むことが
好ましい。
【0034】電池の形状はボタン、コイン、シート、シ
リンダー、角などのいずれにも適用できる。ボタン、コ
インでは、合剤をペレット状にプレス成形して用い、シ
ート、角、シリンダーでは合剤を集電体上に塗設、乾
燥、脱水、プレスして用いる。電池は、ペレット、シー
ト状あるいはセパレーターと共に巻回した電極を電池缶
に挿入し、缶と電極を電気的に接続し、電解液を注入し
封口して形成する。この時、安全弁を封口板として用い
ることができる。更に電池の安全性を保証するためにP
TC素子を用いるのが好ましい。
【0035】本発明で使用できる有底電池外装缶は材質
としてニッケルメッキを施した鉄鋼板、ステンレス鋼板
(SUS304、SUS304L,SUS304N、S
US316、SUS316L、SUS430、SUS4
44等)、ニッケルメッキを施したステンレス鋼板(同
上)、アルミニウムまたはその合金、ニッケル、チタ
ン、銅であり、形状として、真円形筒状、楕円形筒状、
正方形筒状、長方形筒状である。特に、外装缶が負極端
子を兼ねる場合は、ステンレス鋼板、ニッケルメッキを
施した鉄鋼板が好ましく、外装缶が正極端子を兼ねる場
合は、ステンレス鋼板、アルミニウムまたはその合金が
好ましい。
【0036】本発明で使用できるガスケットは、材質と
して、オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマー、セル
ロース系ポリマー、ポリイミド、ポリアミドであり、耐
有機溶媒性及び低水分透過性から、オレフィン系ポリマ
ーが好ましく、特にプロピレン主体のポリマーが好まし
い。さらに、プロピレンとエチレンのブロック共重合ポ
リマーであることが好ましい。
【0037】本発明の電池は必要に応じて外装材で被覆
される。外装材としては、熱収縮チューブ、粘着テー
プ、金属フィルム、紙、布、塗料、プラスチックケース
等がある。また、外装の少なくとも一部に熱で変色する
部分を設け、使用中の熱履歴がわかるようにしても良
い。本発明の電池は必要に応じて複数本を直列及び/ま
たは並列に組み電池パックに収納される。電池パックに
は正温度係数抵抗体、温度ヒューズ、ヒューズ及び/ま
たは電流遮断素子等の安全素子の他、安全回路(各電池
及び/または組電池全体の電圧、温度、電流等をモニタ
ーし、必要なら電流を遮断する機能を有す回路)を設け
ても良い。また電池パックには、組電池全体の正極及び
負極端子以外に、各電池の正極及び負極端子、組電池全
体及び各電池の温度検出端子、組電池全体の電流検出端
子等を外部端子として設けることもできる。また電池パ
ックには、電圧変換回路(DC−DCコンバータ等)を
内蔵しても良い。また各電池の接続は、リード板を溶接
することで固定しても良いし、ソケット等で容易に着脱
できるように固定しても良い。さらには、電池パックに
電池残存容量、充電の有無、使用回数等の表示機能を設
けても良い。
【0038】本発明の電池は様々な機器に使用される。
特に、ビデオムービー、モニター内蔵携帯型ビデオデッ
キ、モニター内蔵ムービーカメラ、コンパクトカメラ、
一眼レフカメラ、使い捨てカメラ、レンズ付きフィル
ム、ノート型パソコン、ノート型ワープロ、電子手帳、
携帯電話、コードレス電話、ヒゲソリ、電動工具、電動
ミキサー、自動車等に使用されることが好ましい。
【0039】
【実施例】以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。
【0040】合成例ー1 一酸化錫6.7g、ピロリン酸錫10.3g、三酸化二
硼素1.7g、炭酸カリウム0.7g、酸化マグネシウ
ム0.4g、二酸化ゲルマニウム1.0gを乾式混合
し、アルミナ製るつぼに入れ、アルゴン雰囲気下15℃
/分で1000℃まで昇温した。1200℃で12時間
焼成した後、10℃/分で室温にまで降温し焼成炉より
取り出して、SnGe0.1 0.5 0.5 Al0.44Mg
0.1 0.1 3.86(Sn含量52.1重量%)を得た。
これをジェットミルで粉砕し、平均粒径4.5μm の粉
末を得た(化合物1−1)。これはCuKα線を用いた
X線回折法において2θ値で28°付近に頂点を有する
ブロードなピークを有する物であり、2θ値で40°以
上70°以下には結晶性の回折線は見られなかった。
【0041】合成例ー2 同様にそれぞれ化学量論量の原料を混合、焼成、粉砕
し、下記の化合物を得た。( )内はSn含量を重量
%で表示。Sn0.1 Ge0.1 0.5 0.5 Al0.44Mg
0.1 0.1 3.01(11.2)(化合物2−1)、Sn
0.2 Ge0.1 0.5 0.5 Al0.44Mg0.1 0.1
3.11(19.8)(2−2)、Sn0.3 Ge0.1 0.5
0.5 Al0.44Mg0.1 0.1 3.21(26.7)(2
−3)、Sn0.4 Ge0.1 0.5 0.5 Al0.44Mg
0.1 0.1 3.31(32.3)(2−4)、Sn0.2
0.5 Al0.2 0.1 0.1 Mg0.1 2.0(29.0)
(2−5)
【0042】実施例−1 サンプル−1の作製 負極材料として、合成例−1で合成した化合物1−1を
用いて、それを86重量%、鱗片状黒鉛6重量%、アセ
チレンブラック3重量%の割合で混合し、更に結着剤と
してポリフッ化ビリニデンの水分散物を4重量%および
カルボキシメチルセルロース1重量%を加え、水を媒体
として混練して、負極活物質層1用スラリーを作製し
た。また、化合物2−1を45重量%、鱗片状黒鉛2重
量%、アセチレンブラック3重量%、ポリフッ化ビリニ
デン4重量%、カルボキシメチルセルロース1重量%、
粒径2μmのアルミナ20重量%、粒径3μmのジルコ
ニア25重量%を加え、水を媒体として混練し負極活物
質層2用スラリーを作った。18μmの銅箔上に負極活
物質層1を銅箔側とし、負極活物質層1上に負極活物質
層2を重ねエクストルージョン法により同時に塗布し
た。片面塗布量は合剤でそれぞれ59g/m2 、12g
/m2 であった。同様に銅箔の反対側にも同時塗布をし
た。約50℃で乾燥した。塗布負極をカレンダープレス
機により圧縮成型し、所定の幅、長さに切断して帯状の
負極シートを作製した。負極シートの厚みは98μmで
あった。正極材料として、LiCoO2 を87重量%、
鱗片状黒鉛6重量%、アセチレンブラック3重量%、さ
らに結着剤としてポリテトラフルオロエチレン水分散物
3重量%とポリアクリル酸ナトリウム1重量%を加え、
水を媒体として混練して得られたスラリーを厚さ20μ
mのアルミニウム箔の両面に上記と同じ方法で塗布、乾
燥、プレス、切断した。片面塗布量は合剤で447g/
2 であった。220μmの帯状正極シートを作製し
た。上記負極シートおよび正極シートのそれぞれ端部に
それぞれニッケル、アルミニウムのリード板をスポット
溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空気中で200℃
2時間脱水乾燥した。さらに、脱水乾燥済み正極シート
(8)、微多孔性ポリプロピレンフィルムセパレーター
(セルガード2400)、脱水乾燥済み負極シート
(9)およびセパレーター(10)の順で積層し、これ
を巻き込み機で渦巻き状に巻回した。
【0043】この巻回体を負極端子を兼ねる、ニッケル
メッキを施した鉄製の有底円筒型電池缶(11)に収納
した。1L当たりLiPF6 とLiBF4を各々0.
9,0.1mol含有し、溶媒がエチレンカーボネー
ト、ブチレンカーボネートとジメチルカーボネートの
2:2:6容量混合液からなる電解質を電池缶に注入し
た。正極端子を有する電池蓋(12)をガスケット(1
3)を介してかしめて円筒型電池を作製した。なお、正
極端子(12)は正極シート(8)と、電池缶(11)
は負極シート(9)とあらかじめリード端子により接続
した。図1Aに円筒型電池の断面を示した。なお、(1
4)は安全弁である。負極活物質層−2の負極材料を各
々2−2,2−3,2−4,2−5にした以外はサンプ
ル−1と同様にしてサンプル−2〜5を作製した。
【0044】比較例の作製 負極活物質層1のスラリーを71g/m2 とし、負極活
物質層2のスラリーを塗布しなかった以外はサンプル−
1と同様にして比較例−1を作製した。サンプル−1〜
5、比較例−Aともに100個ずつ作製し、0.4mA
/cm 2 の電流にて、4.2Vまで充電し、充電状態で
25℃1カ月保存後の開路電圧を測定した。開路電圧が
4.0V以下になった割合は、サンプルー1〜5で各々
3.5、2.0、1.5、1.2、2.5%であった。
また比較例−Aでは30%であった。本発明のサンプル
−1〜5は比較例−Aに比べ開路電圧の低下が小さく製
造得率が高く好ましかった。
【0045】実施例−2 負極材料1−1を1−2〜3に記載の化合物に変えた以
外はサンプル−1と同様にしてサンプル−6〜8の円筒
型電池を製作した。また負極材料1−1を1−2〜3に
記載の化合物に変えた以外は比較例−Aと同様にして比
較例−B〜Dを作製した。SnSi0.6 Al0.1 0.1
0.1 Ba0.2 2.95(54.7% )(1−2)、Sn
Si0.6 Al0.1 0.1 0.1 Ca0.2 2.95(60)
(1−3)、SnSi0.6 Al0.4 0.2 Mg0.1
3.2 (58.7)(1−4)、SnSi0.6 Al0.1
0.3 0.1 3.05(61.4)(1−5) サンプル−6〜8、比較例−B〜Dともに100個ずつ
作製し、0.4mA/cm2 の電流にて、4.2Vまで
充電し、充電状態で60℃1カ月保存前後の開路電圧を
測定した。開路電圧の低下の平均値はサンプル−6〜
8、比較例−B〜Dはそれぞれ0.10,0.11,
0.10,、0.23、0.22,0.25Vであっ
た。本発明のサンプル−6〜8は比較例−B〜Dに比べ
開路電圧の低下が小さく保存性が良好で好ましかった。
【0046】実施例−3 負極合剤に負極材料1gあたり120mgのリチウム金
属箔を短冊状に貼り付けたことと、正極合剤の塗布量を
片面で313g/m2 にした以外は実施例−1を繰り返
し同様の結果を得た。
【0047】
【発明の効果】本発明のように、負極層が2層以上から
なり、各層の負極材料の組成が異なる構成によって優れ
た生産性と保存性を与える非水二次電池を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に使用した円筒型電池の断面図を示した
ものである。
【図2】コイン型電池の断面図を示したものである。
【符号の説明】
1 負極封口板 2 負極合剤ペレット 3 セパレーター 4 正極合剤ペレット 5 集電体 6 正極ケース 7 ガスケット 8 正極シート 9 負極シート 10 セパレーター 11 電池缶 12 電池蓋 13 ガスケット 14 安全弁

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムを可逆的に吸蔵放出可能な材料
    を含む正極及び負極、リチウム塩を含む非水電解質、セ
    パレーターから成る非水二次電池に於いて、該負極が集
    電体上にリチウムを可逆的に吸蔵放出可能な負極材料を
    含む2層以上を塗設してなり、各層の材料の組成が異な
    ることを特徴とする非水二次電池。
  2. 【請求項2】 該負極材料が、主として非晶質カルコゲ
    ン化合物及び、または非晶質酸化物からなることを特徴
    とする請求項1に記載の非水二次電池。
  3. 【請求項3】 該負極材料が主として周期表13,1
    4,15,2族原子から選ばれる三種以上の原子を含
    む、主として非晶質カルコゲン化合物及び、または非晶
    質酸化物からなることを特徴とする請求項2に記載の非
    水二次電池。
  4. 【請求項4】 該負極材料の少なくとも一種が、一般式
    (1)で示されることを特徴とする請求項3に記載の非
    水二次電池。 M1 2pM4qM6r 一般式(1) (式中、M1 、M2 は相異なりSi 、Ge 、Sn、Pb
    、P、B、Al、Sbから選ばれる少なくとも一種、
    4 はMg,Ca,Sr,Baから選ばれる少なくとも
    一種、M6 はO、S、Teから選ばれる少なくとも一
    種、p,q は各々0.001〜10、r は1.00〜50
    の数字を表す。)
  5. 【請求項5】 該負極材料の少なくとも一種が、一般式
    (2)で示されることを特徴とする請求項4に記載の非
    水二次電池。 SnM3pM5qM7r 一般式(2) (式中、M3 はSi 、Ge 、Pb 、P、B、Alから選
    ばれる少なくとも一種、M5 は、Mg,Ca,Sr,B
    aから選ばれる少なくとも一種、M7 はO、Sから選ば
    れる少なくとも一種、p,q は各々0.001〜10、r
    は1.00〜50の数字を表す。
  6. 【請求項6】 該負極材料のSn含量が負極の最上層に
    おいて5〜40重量%であり、他の層の該負極材料のS
    n含量の平均値が45〜70%重量%であることを特徴
    とする請求項5に記載の非水二次電池。
  7. 【請求項7】 該正極材料の少なくとも1種が、Lix
    CoO2 、Lix NiO2 、Lix MnO2 、Lix
    oa Ni1-a O2、Lix Cob V1-b Oz、Lix Cob
    Fe1-b 2 、Lix Mn2 4 、Lix Mnc Co
    2-c 4 、Lix Mnc Ni2-c 4 、Lix Mnc V
    2-c 4 、Lix MnC Fe2-c 4(式中、x=0.
    02〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.
    98、c=1.6〜1.96、z=2.01から2.
    3)であることを特徴とする請求項1から6のいづれか
    1項に記載の非水二次電池。
  8. 【請求項8】 負極シートが負極材料、結着剤、導電剤
    を含有する水分散物を銅箔上に塗布したものであること
    を特徴とする請求項1から7のいづれか1項に記載の非
    水二次電池。
  9. 【請求項9】 リチウム金属を負極シートに電気的に接
    続し電池内の電気化学反応によりリチウムイオンをあら
    かじめ負極材料に挿入することを特徴とする請求項1か
    ら8のいづれか1項に記載の非水二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007035589A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Sanyo Electric Co Ltd 電極の製造方法、その製造方法に用いる電極の製造装置、及び当該電極の製造方法により製造された電極を用いた電池
US7804225B2 (en) 2006-03-17 2010-09-28 Seiko Epson Corporation Droplet discharging head, image forming apparatus, and film forming apparatus

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