JPH09147412A - 可逆性記録媒体 - Google Patents

可逆性記録媒体

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JPH09147412A
JPH09147412A JP7326243A JP32624395A JPH09147412A JP H09147412 A JPH09147412 A JP H09147412A JP 7326243 A JP7326243 A JP 7326243A JP 32624395 A JP32624395 A JP 32624395A JP H09147412 A JPH09147412 A JP H09147412A
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oligomer
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一般的な低分子液晶であるネマチック液晶を
用いて、電界の印加と加熱によりメモリー性のある記録
及び消去を可能とした可逆性記録媒体を提供する。 【構成】 導電性基体の片面に、少なくともネマチック
液晶材料と重合性モノマーもしくはそのオリゴマーとを
含有する調光層用材料を介在させ、該重合性モノマーも
しくはそのオリゴマーを重合せしめて高分子分散型液晶
からなる調光層を設けた可逆性記録媒体において、該重
合性モノマーもしくはそのオリゴマーが少くとも単官能
または2官能のアクリレート誘導体又はメタクリレート
誘導体を含むことを特徴とする可逆性記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低分子液晶として
のネマチック液晶材料を用いた記録のメモリー性を有す
る可逆性記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶材料を用いた情報の形成、記
憶及び消去が可能な可逆性記録媒体としては、高分子液
晶を用いたものが提案されている。例えば、(1)強誘
電性液晶を用いた高分子液晶に、ゲスト物質としてアゾ
ベンゼンを添加した記録媒体を用いて、予め電界を印加
し、記録時に逆電界をかけ更に光を照射するとの記録方
法による可逆性記録媒体、(2)スメクチック相をもつ
高分子液晶と一般的な低分子液晶であるネマチック液晶
とを組み合わせて用いて、記録及び消去のために電源と
して2種類の周波数の交流を使用する可逆性記録媒体、
(3)光応答性化合物(フォトクロミック材料)をドー
プした高分子液晶と低分子液晶とを組み合わせて用い、
記録方法として紫外線と可視光の2種の光源を使用する
可逆性記録媒体、(4)液晶材料としてのメソンゲンモ
ノマーと非メソンゲンモノマーを側鎖に有する高分子液
晶を用いて、冷却速度(徐冷及び急冷)をコントロール
することによる可逆性記録媒体、等がある。しかしなが
ら、これらはいずれも液晶機能を有する高分子材料を新
規に合成する必要がある。すなわち、上記高分子液晶は
低分子液晶を重合体もしくは重合性モノマーと反応せし
めて形成させる必要があるため、使用することのできる
液晶材料が限定され、しかもその製造も複雑であるとい
う問題を有するものであった。また、記録の感度が劣る
ために低分子液晶と組み合わせる必要があったり、可逆
特性上ゲスト物質の添加が必要とされる等の液晶層の組
成、配合が複雑になるという構成上の問題点があり、更
に、記録方法も複雑なシステムが必要とされるという問
題を有するものであった。
【0003】一方、高分子中に低分子液晶材料が分散さ
れた高分子分散型液晶では、電圧の印加により透明(あ
るいは白濁)状態となり、電圧の印加を除去すると白濁
(あるいは透明)状態に戻ってしまい、メモリー性が得
られず安定した情報記録画像を形成することができない
という問題を有するものであった。また、低分子液晶と
してスメクチック相を常温で有する特殊な液晶材料を用
いて、記録方法として冷却時に電界を印加することによ
り記録し、印加しないことにより消去するというシステ
ムを採用することによりメモリー性のある可逆性記録が
得られることが報告されている。しかし、この方法では
スメクチック液晶の如き特殊な液晶材料を用いる必要が
あり、しかも単なる電圧の印加・除去および加熱による
簡単な操作で可逆性記録ができない問題点を有する。よ
って、低分子液晶として一般的なネマチック液晶を用い
て良好なメモリー性を有する可逆記録特性を有する記録
媒体は未だ得られていないのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
よる高分子液晶やスメクチック液晶等の低分子液晶の有
する上記の如き問題点を解決するものである。すなわ
ち、低分子液晶として一般的なネマチック液晶を用い
た、安価で大面積化が容易な高分子分散型液晶を使用
し、電界の印加と加熱による簡単な方法でメモリー性の
ある記録及び消去を可能とした可逆性記録媒体を提供す
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の可逆
性記録媒体は、導電性基体の片面に、少なくともネマチ
ック液晶材料と重合性モノマーもしくはそのオリゴマー
とを含有する調光層用材料を介在させ、該重合性モノマ
ーもしくはそのオリゴマーを重合せしめてなる高分子分
散型液晶からなる調光層を設けた可逆性記録媒体におい
て、該重合性モノマーもしくはそのオリゴマーが少くと
も単官能または2官能のアクリレート誘導体又はメタク
リレート誘導体を含むことを特徴とする。本発明の請求
項2の可逆性記録媒体は、2枚の導電性基体の間に、少
なくともネマチック液晶材料を介在させ、該重合性モノ
マーもしくはそのオリゴマーを重合せしめてなる高分子
分散型液晶からなる調光層を設けた可逆性記録媒体にお
いて、該重合性モノマーもしくはそのオリゴマーが少く
とも単官能または2官能のアクリレート誘導体又はメタ
クリレート誘導体を含むことを特徴とする。
【0006】又、請求項3〜6は、上請求項1もしくは
2において、重合性モノマーもしくはそのオリゴマーが
下記1)〜4)に示す基を持つものとした可逆性記録媒
体である。 1)−(R1 ・O)n −基 (但しR1 :アルキレン基;n:1以上の正の整数) 2)−R2 ・OH−基 (但しR2 :アルキレン基またはCn 2n-1基,n:1
以上の正の整数) 3)−CH2 CH(OH)CH2 O−基 4)−CH2 CH(OH)CH2 O−(R3 n −OC
2 CH(OH)CH2−基 (但しR3 ;アルキレン基,n:1以上の正の整数)
【0007】本発明において使用される導電性基体は、
例えばガラスやポリエステル、ポリオレフィン等のプラ
スチックフィルムのような透明な支持体上に、インジウ
ム錫酸化物、酸化錫、酸化亜鉛等の透光性を有する導電
性微細粒子を主体とした電極層を設けたものが挙げられ
る。なお、電極層は塗工、真空蒸着、スパッタリング、
化学的気相成長(CVD)あるいはイオンプレーティン
グ等の各種方法を適宜用いて形成される。また、導電性
基体間に調光層を形成する場合、片側の透光性が不要の
時はかかる片側の基体としては、アルミニウム、銅、ニ
ッケル、真ちゅう等の金属またはアルミニウムのような
金属を表面に蒸着あるいは金属箔を表面に接着して電極
層が形成されているポリエステル等のプラスチックフィ
ルム、紙、合成紙、不織布等のシート状の物も用いるこ
とができる。
【0008】本発明に使用されるネマチック液晶材料と
しては、一般的にネマチック相を有する液晶は全て使用
することが可能であり、重合条件や記録特性の観点から
ネマチック等方相転移点(以下「NI点」と称す)、重
合性化合物との溶解性、屈折率、屈折率の異方性(Δ
n)、誘電率の異方性(Δε)等を考慮して適宜選択す
ることができる。また、数種類の液晶材料を配合するこ
とも可能である。本発明においては、特にネマチック液
晶材料のNI点は特に限定されるものではないが、NI
点が40℃以上のものが好ましく使用される。NI点が
40℃より低くなると、常温時にメモリー状態を安定し
て保持することが難しくなる。また、高温側については
良好な可逆特性を達成する上での問題はないが、製造時
の温度条件等が厳しくなったり制約されること、記録・
消去温度が高くなる事から記録装置が大がかりになる等
の問題があり、200℃以下が好ましい。
【0009】該ネマチック液晶材料としては、例えばシ
ッフ系、アゾキシ系、シアノビフェニル系、シアノフェ
ニルエステル系、安息香酸フェニルエステル系、シクロ
ヘキサンカルボン酸フェニルエステル系、シアノフェニ
ルシクロヘキサン、2−(p−シアノフェニル)−5−
置換ピリミジン系、2−(p−アルコキシフェニル)−
5−アルキルピリミジン系、フェニルジオキサン系、ト
ラン系、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル系等
を挙げることができる。具体的には、p−メトキシベン
ジリデン−p′−n−ブチルアニリン(MBBA)、p
−エトキシベンジリデン−p′−n−ブチルアニリン
(EBBA)、p−メトキシ−p′−ブチルアゾキシベ
ンゼン、p−シアノフェニル−p′−ブチルベンゾエー
ト、p−シアノフェニル−トランス−p′−ペンチルシ
クロヘキシル−カーボキシレート、p−ペンチル−p′
−シアノビフェニル、トランス−p−ペンチル−p′−
シアノフェニル−シクロヘキサン(PCH)、p−(ト
ランス−p−ペンチルシクロヘキシル)−p′−トラン
ス−p−プロピルシクロヘキシルビフェニル、5−n−
ペンチル−2−(p−シアノフェニル)−ピリミジン等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】次に本発明で使用される調光層用の重合性
モノマーもしくはそのオリゴマーとして少くとも含有さ
れる単官能あるいは2官能モノマーの(メタ)アクリレ
ート誘導体は、下記の構造式をもつ置換基を少なくとも
一つは有している事が好ましい。 1)−(R1 ・O)n −基(R1 :アルキレン基,n:
1以上の正の整数を表わす。) 2)−R2 ・OH−基(R2 :アルキレン基または、C
n 2n-1基,n:1以上の正の整数を表わす。) 3)−CH2 CH(OH)CH2 O−基 4)−CH2 CH(OH)CH2 O−(R3 n −OC
2 CH(OH)CH2−基(R3 :アルキレン基,
n:1以上の正の整数を表わす。)
【0011】上記重合性モノマーとしては、具体的には
以下に記すものがあげられる。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】
【化15】
【0027】
【化16】
【0028】
【化17】
【0029】
【化18】
【0030】
【化19】
【0031】
【化20】
【0032】
【化21】
【0033】
【化22】
【0034】
【化23】
【0035】
【化24】
【0036】
【化25】
【0037】
【化26】
【0038】等があげられる。これらの重合性モノマー
は、適宜選択し、単独又は2種以上用いることができ
る。また前記の重合性モノマーに他のアクリル系、メタ
クリル系、スチレン系、ビニル系、エポキシ系、ウレタ
ン系等の各種重合性モノマーもしくはオリゴマーを適宜
選択して前記重合性モノマーと共に使用することができ
る。この場合、その他の重合性モノマーもしくはそのオ
リゴマーの全モノマー中での配合量は50重量%以下で
あることが好ましい。50重量%を越えて多いと、画像
の白濁、透明のコントラストが得られにくい。
【0039】また、上記の如き重合性モノマーもしくは
そのオリゴマーを良好に重合させるために、必要に応じ
て重合開始剤を用いることができる。重合開始剤として
は、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン(メルク社製 商品名ダロキュア
1173)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン(チバ・ガイギー社製 商品名イルガキュア18
4)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロ
キシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製 商
品名ダロキュア1116)、ベンジルジメチルケタール
(チバ・ガイギー社製 商品名イルガキュア651)、
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルホリノプロパノン−1(チバ・ガイギー社製 商
品名イルガキュア907)、2,4−ジエチルチオキサ
ントン(日本化薬社製 商品名カヤキュアDETXとp
−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製 商品
名カヤキュアEPA)との混合物、イソプロピルチオキ
サントン(ワードプレキンソツプ社製 商品名カンタキ
ュアーITX)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルと
の混合物等が挙げられる。
【0040】本発明において用いられる調光層用材料
は、少なくとも上記の如きネマチック液晶材料と重合性
モノマーとを含有し、必要に応じて重合開始剤、その他
添加剤を均一に溶解したものである。かかる調光層用材
料における組成は、ネマチック液晶材料の含有量が40
〜95重量%、好ましくは45〜90重量%である。こ
こで含有量が40重量%未満又は95重量%を越える
と、良好な可逆特性が得られなくなるおそれがある。ま
た、重合性モノマーの含有量は、5〜60重量%が好ま
しく、特に良好な記録感度及び画像の白濁性を得るため
には10〜55重量%がより適当である。この場合60
重量%を越えて多くなると十分な白濁性を得ることがで
きず十分な画像のコントラストが得られないおそれがあ
り、逆に5重量%未満であると記録画像における透明性
が得られず前記同様にコントラストが得られないおそれ
がある。また、重合開始剤は重合性モノマーに対して
0.1〜20重量%の範囲にあることが望ましい。な
お、その他の添加剤としては酸化防止剤、染料、色素、
光安定剤等が挙げられる。
【0041】本発明のネマチック液晶を用いた可逆性記
録媒体の製造方法は次のような方法で行なうことができ
る。まず、請求項1の可逆性記録媒体の製造方法は、電
極層を有する導電性基体の電極層上に、ネマチック液晶
材料、重合性モノマー、必要に応じて重合開始剤等を含
有する調光層材料の均一塗液を、例えばスピンコータ
ー、バーコーター、ロールコーター等の塗工機により塗
布し、この調光層塗液をある一定の温度に保持しなが
ら、紫外線等の活性光線を照射して、前記重合性モノマ
ーを重合させることによって、透明性高分子物質とネマ
チック液晶材料を含有する高分子分散型液晶の調光層が
形成されて可逆性記録媒体が得られる。
【0042】本発明の請求項2の可逆性記録媒体の製造
方法は、導電性基体の電極層上に、例えばスピンコータ
ー、バーコーター、ロールコーター等の塗工機を使用し
て、ネマチック液晶材料、重合性モノマー、必要に応じ
て重合開始剤等を含有する調光層用塗液を塗布するか、
あるいは予かじめ導電性基体上に間隔保持用スペーサー
を散布し、そこに調光層材料を流し込むか、または間隔
保持用スペーサーを含有した調光層材料を導電性基体上
に流し込み、その調光層材料上にもう1枚の導電性基体
をその電極層が調光層材料側となるように載置した後に
前記調光層材料を一定の温度に保ちながら、紫外線等の
活性光線で重合させる事により、透明性高分子物質とネ
マチック液晶材料を含有する高分子分散型液晶の調光層
が2枚の導電性基体の間に形成されて、可逆性記録媒体
が得られる。前記のスペーサーとしては、例えばポリエ
チレンテレフタレート、アルミナ、ガラスファイバー、
ガラスビーズ、シリカ、ポリマービーズが用いられる。
【0043】また、前記請求項1の可逆性記録媒体のよ
うに、導電性基体が片側だけの場合は、上記の2枚の導
電性基体を使用する請求項2の記録媒体において、重合
後に2枚の導電性基体の一方を剥離することでも得るこ
とができる。また、調光層材料の均一塗液を作製するた
めに調光層材料に溶剤を添加し、調光層を形成後、熱等
により溶剤を除去し、その後所定の温度で活性光線を照
射して重合を行なうことにより可逆性記録媒体を作製す
ることも可能である。尚、重合性モノマーを重合する方
法としては、上記の如き紫外線照射による方法に限定さ
れることなく、一般に行なわれている可視光線、電子線
等の放射線の照射や熱による方法も可能である。
【0044】上記の如き製造方法によって得られる可逆
性記録媒体は、以下に述べるような方法によって情報を
記録および消去することができる。作製される記録媒体
の調光層の初期状態(製造後、常温放置した状態)は通
常は白濁状態であるが、液晶の種類、調光層の材料組成
の選択により透明状態とすることも可能である。ここで
は初期が白濁状態の可逆性記録媒体について説明する。
初期状態にある調光層つまり高分子分散型液晶は、この
両側にある導電性基体の電極層に電圧を印加すると透明
状態になり、本発明による可逆性記録媒体はこの電圧を
除去しても透明状態が維持され、情報が記録される。こ
の透明状態は液晶のNI点以上に高分子分散型液晶を加
熱、冷却することにより簡単に初期の白濁状態に戻る。
印加する電圧は、交流電圧が液晶の劣化等の問題が少な
くて良好であるが、直流電圧でも、またこれらを併用す
ることもできる。上記のように2枚の導電性基体に挟持
されている場合は、その間に電圧を印加すればよいが、
片面のみの場合では、電圧を印加する装置サイドに電極
層をもつ、例えば、導電性ロール、導電性ブラシ、電極
ヘッド、コロナ放電器等を用いて調光層と電極層との間
に電圧を印加すればよい。
【0045】情報記録は、例えば支持体上に導電性金属
を蒸着、印刷等の手段でパターン状に形成された電極層
を有する導電性基体を使用して行なえば、電圧が印加さ
れた電極層の部分と電圧が印加されなかった電極層の部
分で、透明・白濁のコントラストを得ることにより、記
録がなされる。また、電極層にアルミニウムの如く色を
持つ電極層を用いると、白色と銀色の如く、白と多種の
色を持つコントラストを得ることができる。更に、本発
明による可逆性記録媒体の透明性を有する導電層あるい
は透明性を有する導電性基体の下に光吸収層や着色層を
設けると、白色と黒色又は各種の色調によるコントラス
トを得ることができる。また、導電層をパターン状に形
成しなくても情報記録を行なうことができる。例えば、
調光層の全面に電圧を印加して透明状態にした後、画像
状に熱ヘッドやレーザー光等で、液晶のNI点以上に調
光層を加熱し、その後冷却すれば白濁した画像が得ら
れ、白濁・透明のコントラストが得られる。尚、電圧の
印加と加熱は同時に行なっても構わないが、電圧を印加
・除去しその後熱によって情報を記録する方がより簡単
である。
【0046】消去方法は前述の電圧による情報記録で
は、熱ヘッド、熱板、熱ロールあるいはレーザー光線等
の光で調光層を液晶のNI点以上の温度に加熱すれば初
期の白濁状態が得られる。また、逆に熱による白濁状態
の情報記録では、調光層全面に電圧を印加することによ
り全面の透明状態が得られる。本発明による可逆性記録
媒体は、上記のような方法で記録及び消去を繰り返し行
うことができるものである。
【0047】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施例及び比較例を
用いて説明する。 実施例1 下記の組成よりなる調光層用材料を、混合機を用いて5
分間攪拌して、均一な調光層用材料を作成した。 [調光層用材料] ・シアノビフェニル系ネマチック液晶(メルク社製 商品名BL001) 67.0重量% ・化1に示すアクリルモノマー 32.0重量% ・重合開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン )(メルク社製 商品名ダロキュア1173) 0.9重量% ・球状スペーサー剤(ガラスビーズ;粒径10μm) 0.1重量% 上記の調光層用材料を、インジウム錫酸化物の電極層を
有するガラスからなる2枚の導電性基体の電極層間に介
在させた後、60℃のホットプレート上に5〜10分間
放置し、調光層用材料の温度を60℃に保持した後、5
mW/cm2 の紫外線を500秒間上から照射し、前記
モノマーを重合して、高分子分散型液晶を作成し、本発
明による可逆性記録媒体を得た。
【0048】実施例2 実施例1において、アクリルモノマーを化5に変更した
以外は、実施例1と同様にして、本発明による可逆性記
録媒体を得た。
【0049】実施例3 実施例1において、調光層用材料の組成を下記のように
変更し、ホットプレートの温度を25℃に変更した以外
は実施例1と同様にして本発明による可逆性記録媒体を
得た。 [調光層用材料] ・ネマチック液晶(メルク社製 商品名BL001) 50.0重量% ・アクリルモノマー(化17) 49.0重量% ・重合開始剤(メルク社製 商品名ダロキュア1173) 0.9重量% ・球状スペーサー剤(粒径10μm) 0.1重量%
【0050】実施例4 実施例3において、アクリルモノマーを化21に変更し
た以外は実施例3と同様にして本発明による可逆性記録
材料を得た。
【0051】実施例5 実施例1において、アクリルモノマーを化22に変更し
た以外は実施例1と同様にして、本発明による可逆性記
録媒体を得た。
【0052】実施例6 実施例1において、アクリルモノマーを化23に変更し
た以外は実施例1と同様にして、本発明による可逆性記
録媒体を得た。
【0053】実施例7 実施例1において、アクリルモノマーを化25に変更し
た以外は実施例1と同様にして本発明による可逆性記録
媒体を得た。
【0054】実施例8 下記の組成よりなる調光層材料を混合材を用いて、5分
間攪拌して、均一な調光層用材料液を作成した。 [調光層用材料] ・ネマチック液晶(メルク社製 商品名BL001) 67.0重量% ・アクリルモノマー(化2) 32.0重量% ・重合開始剤(メルク社製 商品名ダロキュア1173) 1.0重量% 上記の調光層用材料を、インジウム錫酸化物の電極層を
有するガラス基板からなる導電性基体上に、ロールコー
タにより厚さ10μmに塗布した後、60℃のホットプ
レート上に5〜10分間放置し、調光層用材料の塗液を
60℃に保持した後、5mW/cm2 の紫外線を500
秒間上から照射し、前記モノマーを重合して高分子分散
型液晶を作成し、本発明の可逆性記録媒体を得た。
【0055】実施例9 実施例8において、アクリルモノマーを化24に変更し
た以外は、実施例8と同様にして、本発明による可逆性
記録媒体を得た。
【0056】比較例1 実施例1において、調光層用材料の組成を下記のように
変更した以外は、実施例1と同様にして、比較用の記録
媒体を得た。 [調光層用材料] ・ネマチック液晶(メルク社製 商品名BL001) 80.0重量% ・アクリルモノマー(下記化27) 19.0重量% ・重合開始剤(メルク社製 商品名ダロキュア1173) 0.9重量% ・球状スペーサー剤(粒径10μm) 0.1重量%
【0057】
【化27】
【0058】比較例2 実施例3において、アクリルモノマーを下記化28に記
載した化合物に変更し、ホットプレートの温度を60℃
に変更した以外は、実施例3と同様にして、比較用の記
録媒体を得ようとしたが、液晶とアクリルモノマーが相
溶しなかった。
【0059】
【化28】
【0060】比較例3 実施例1において、アクリルモノマーを下記化29に記
載した化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして
比較用の記録媒体を得た。
【0061】
【化29】
【0062】比較例4 実施例1において、アクリルモノマーを下記化30に記
載した化合物に変更した以外は、実施例1と同様にし
て、比較用の記録媒体を得ようとしたが、紫外線照射後
の放冷において、高分子分散型液晶が白濁しなかった。
【0063】
【化30】
【0064】比較例5 実施例1において、アクリルモノマーを下記化31に記
載した化合物に変更した以外は実施例1と同様にして比
較用の記録媒体を得た。
【0065】
【化31】
【0066】比較例6 比較例2において、アクリルモノマーを下記化32の化
合物に変更した以外は、比較例2と同様にして、比較用
の記録媒体を得ようとしたが、紫外線照射後の放冷にお
いて、高分子分散型液晶が白濁しなかった。
【0067】
【化32】
【0068】上記実施例1〜9及び比較例1〜6で得ら
れた可逆性記録媒体について、スペクトロフォトメータ
ー(Pharmacia社製 商品名Pharmaci
aLKB・Novaspec)を用いて、初期透過度
(T0 )を測定した後、100V,40Hzの交流電圧
を30秒間印加した直後の透過度(T100 )及び電圧の
印加を除去してから60秒後の安定した透明状態での透
過度(T60)、更に安定した透明状態にある高分子分散
型液晶をNI点以上に加熱後、室温まで冷却した時の透
過度(TD )を測定した。なお、透過度の測定波長は6
00nmとした。透過度の評価結果は表1に示すとおり
である。
【0069】
【表1】
【0070】表1から明らかなように、本発明で示した
重合性モノマーを用いたものにあっては、透明な記録
(メモリー)状態における透明度T60と、白濁状態の初
期透過度T0 及び加熱・冷却後の透過度TD との間にか
なりの差があり、白濁・透明の良好なコントラストが得
られた。しかし、比較例のように、本発明で用いられる
重合性モノマーを用いないと、ほとんどT60の値は初期
のT0 と大差がない値となり、良好なコントラストを有
する記録画像が得られないか、あるいは得られた高分子
分散型液晶からなる調光層が初期状態で白濁せずに透明
のままであったり、または液晶と重合性モノマーとが相
溶せずに調光層が得られた。
【0071】また、透明状態にある本発明の記録媒体を
液晶のNI点以上に加熱・放冷した時の透過度TD は、
ほぼ初期透過度T0 の値に戻ることから、良好な消去特
性を有していることが認められた。一方、比較例の記録
媒体は透過度T60が初期透過度T0 に近い値を示してい
たのでTD の測定は実施しなかった。なお、本発明によ
る可逆性記録媒体は前記の透過度の測定を繰り返し行な
っても良好な再現性が得られ、繰り返し耐久性も優れて
いるものであった。また、透明な記録状態で1ヶ月以上
常温に放置しておいても安定に維持されるものであっ
た。
【0072】
【発明の効果】本発明は高分子分散型液晶を作成する際
に、ある特定の重合性モノマーを使用することにより、
従来良好な可逆性記録を得ることができなかった一般的
な液晶材料であるネマチック液晶を使用することができ
るものである。そしてこのような重合性モノマーにより
得られる記録媒体は、電圧を印加することにより良好な
記録状態が得られ、電圧を除去した後も、電圧印加時の
状態を良好に保持することができると共に、その状態は
加熱することにより、容易に消去ができるようになって
いるので、製造コストも安価であり、かつ大面積化が可
能であり、更に、記録及び消去方法が簡単であるとの顕
著な効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 9/00 9075−5D G11B 9/00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体の片面に、少なくともネマチ
    ック液晶材料と重合性モノマーもしくはそのオリゴマー
    とを含有する調光層用材料を介在させ、該重合性モノマ
    ーもしくはそのオリゴマーを重合せしめてなる高分子分
    散型液晶からなる調光層を設けた可逆性記録媒体におい
    て、該重合性モノマーもしくはそのオリゴマーが少くと
    も単官能または2官能のアクリレート誘導体又はメタク
    リレート誘導体を含むことを特徴とする可逆性記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 2枚の導電性基体間に、少なくともネマ
    チック液晶材料と重合性モノマーもしくはそのオリゴマ
    ーとを含有する調光層用材料を介在させ、該重合性モノ
    マーもしくはそのオリゴマーを重合せしめてなる高分子
    分散型液晶からなる調光層を設けた可逆性記録媒体にお
    いて、該重合性モノマーもしくはそのオリゴマーが少く
    とも単官能または2官能のアクリレート誘導体又はメタ
    クリレート誘導体を含むことを特徴とする可逆性記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 重合性モノマーもしくはそのオリゴマー
    が少なくとも−(R1 ・O)n −基(但しR1 :アルキ
    レン基,n:1以上の正の整数)を有する請求項1もし
    くは請求項2に記載の可逆性記録媒体。
  4. 【請求項4】 重合性モノマーもしくはそのオリゴマー
    が少なくとも−R2・OH−基(但しR2 :アルキレン
    基もしくはCn 2n-1基,n:1以上の正の整数)を有
    する請求項1もしくは請求項2に記載の可逆性記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 重合性モノマーもしくはそのオリゴマー
    が少なくとも−CH2 CH(OH)CH2 O−基を有す
    る請求項1もしくは請求項2に記載の可逆性記録媒体。
  6. 【請求項6】 重合性モノマーもしくはそのオリゴマー
    が少なくとも−CH2 CH(OH)CH2 O−(R3
    n −OCH2 CH(OH)CH2 −基(但しR3 :アル
    キレン基,n:1以上の正の整数)を有する請求項1も
    しくは請求項2記載の可逆性記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006527179A (ja) * 2003-06-06 2006-11-30 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト アルキレニレングリコールの(メタ)アクリル酸エステルおよびその使用
US7405321B2 (en) * 2003-06-06 2008-07-29 Basf Aktiengesellschaft (Meth)acrylic ester of alkenylene glycols and the use thereof

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