JPH0997454A - 可逆性記録媒体の製造方法 - Google Patents

可逆性記録媒体の製造方法

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JPH0997454A
JPH0997454A JP7276944A JP27694495A JPH0997454A JP H0997454 A JPH0997454 A JP H0997454A JP 7276944 A JP7276944 A JP 7276944A JP 27694495 A JP27694495 A JP 27694495A JP H0997454 A JPH0997454 A JP H0997454A
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JP7276944A
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Tatsushi Kobayashi
辰志 小林
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ネマチック液晶と高分子材料から
なる高分子分散型液晶を用いて、電界および熱により画
像等の情報の形成、記録および消去が可能で、繰り返し
使用することができる可逆性記録媒体の製造方法を提供
する。 【構成】 第1の導電性基体の片面に、少なくともネマ
チック液晶材料と重合性モノマーとを含有する調光層用
塗液を塗布して調光層用塗液層を形成し、該塗液層の上
に第2の導電性基体を載置し、然るのち前記塗液層を加
熱し、前記重合性モノマーを重合せしめ、高分子分散型
液晶からなる調光層を形成せしめる方法であって、前記
加熱温度(T)とネマチック等方相転移点(NI)とが
T≧NI−10 (但し、TおよびNIの単位は各れも
℃)の関係を満足することを特徴とする可逆性記録媒体
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低分子液晶としてのネ
マチック液晶材料を用いた記録のメモリー性を有する可
逆性記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶材料を用いた情報の形成、記
憶及び消去が可能な可逆性記録媒体としては、高分子液
晶を用いたものが提案されている。例えば、(1)強誘
電性液晶を用いた高分子液晶に、ゲスト物質としてアゾ
ベンゼンを添加した記録媒体を用いて、予め電界を印加
し、記録時に逆電界をかけ更に光を照射するとの記録方
法による可逆性記録媒体、(2)スメクチック相をもつ
高分子液晶と一般的な低分子液晶であるネマチック液晶
とを組み合わせて用いて、記録及び消去のために電源と
して2種類の周波数の交流を使用する可逆性記録媒体、
(3)光応答性化合物(フォトクロミック材料)をドー
プした高分子液晶と低分子液晶とを組み合わせて用い、
記録方法として紫外線と可視光の2種の光源を使用する
可逆性記録媒体、(4)液晶材料としてのメソンゲンモ
ノマーと非メソンゲンモノマーを側鎖に有する高分子液
晶を用いて、冷却速度(徐冷及び急冷)をコントロール
することによる可逆性記録媒体、等がある。しかしなが
ら、これらはいずれも液晶機能を有する高分子材料を新
規に合成する必要がある。すなわち、上記高分子液晶は
低分子液晶を重合体もしくは重合性モノマーと反応せし
めて形成させる必要があるため、使用することのできる
液晶材料が限定され、しかもその製造も複雑であるとい
う問題を有するものであった。また、記録の感度が劣る
ために低分子液晶と組み合わせる必要があったり、可逆
特性上ゲスト物質の添加が必要とされる等の液晶層の組
成、配合が複雑になるという構成上の問題点があり、更
に、記録方法も複雑なシステムが必要とされるという問
題を有するものであった。
【0003】一方、高分子中に低分子液晶材料が分散さ
れた高分子分散型液晶では、電圧の印加により透明(あ
るいは白濁)状態となり、電圧の印加を除去すると白濁
(あるいは透明)状態に戻ってしまい、メモリー性が得
られず安定した情報記録画像を形成することができない
という問題を有するものであった。また、低分子液晶と
してスメクチック相を常温で有する特殊な液晶材料を用
いて、記録方法として冷却時に電界を印加することによ
り記録し、印加しないことにより消去するというシステ
ムを採用することによりメモリー性のある可逆性記録が
得られることが報告されている。しかし、この方法では
スメクチック液晶の如き特殊な液晶材料を用いる必要が
あり、しかも単なる電圧の印加・除去および加熱による
簡単な操作で可逆性記録ができない問題点を有する。よ
って、低分子液晶として一般的なネマチック液晶を用い
て良好なメモリー性を有する可逆記録特性を有する記録
媒体は未だ得られていないのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
よる高分子液晶やスメクチック液晶等の低分子液晶の有
する上記の如き問題点を解決するものである。すなわ
ち、低分子液晶として一般的なネマチック液晶を用い
た、安価で大面積化が容易な高分子分散型液晶を使用
し、電界の印加と加熱による簡単な方法でメモリー性の
ある記録及び消去を可能とした可逆性記録媒体の製造方
法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の製造方法
は、導電性基体の片面に、少なくともネマチック液晶材
料と重合性モノマーとを含有する調光層用塗液を塗布
し、該塗液を加熱し、前記重合性モノマーを重合せし
め、高分子分散型液晶からなる調光層を形成せしめる方
法であって、前記加熱温度(T)とネマチック等方相転
移点(NI)とがT≧NI−10 (但し、TおよびN
Iの単位は各れも℃)の関係を満足することを特徴とす
る可逆性記録媒体の製造方法である。
【0006】また、本発明の第2の製造方法は、第1の
導電性基体の片面に、少なくともネマチック液晶材料と
重合性モノマーとを含有する調光層用塗液を塗布して調
光層用塗液層を形成し、該塗液層の上に第2の導電性基
体を載置し、然るのち前記塗液層を加熱し、前記重合性
モノマーを重合せしめ、高分子分散型液晶からなる調光
層を形成せしめる方法であって、前記加熱温度(T)と
ネマチック等方相転移点(NI)とがT≧NI−10
(但し、TおよびNIの単位は各れも℃)の関係を満足
することを特徴とする可逆性記録媒体の製造方法であ
る。以下に高分子分散型液晶を用いた本発明の可逆性記
録媒体の製造方法を詳細に述べる。
【0007】本発明において上記第1の製造方法に使用
される導電性基体、第2の製造方法の第1および第2の
導電性基体としては、例えばガラスやポリエステル、ポ
リオレフィン等のプラスチックフィルムのような透明な
支持体上に、インジウム錫酸化物、酸化錫、酸化亜鉛等
の透光性を有する導電性微細粒子を主体とした電極層を
設けたものが挙げれる。なお、電極層は塗工、真空蒸
着、スパッタリング、化学的気相成長(CVD)あるい
はイオンプレーティング等の各種方法を適宜用いて形成
される。また、導電性基体間に調光層を形成する場合、
片側の透光性が不要の時はかかる片側の基体としては、
アルミニウム、銅、ニッケル、真ちゅう等の金属または
アルミニウムのような金属を表面に蒸着あるいは金属箔
を表面に接着して電極層が形成されているポリエステル
等のプラスチックフィルム、紙、合成紙、不織布等のシ
ート状の物も用いることができる。
【0008】本発明に使用されるネマチック液晶材料と
しては、一般的にネマチック相を有する液晶は全て使用
することが可能であり、重合条件や記録特性の観点から
ネマチック等方相転移点(以下「NI点」と称す)、重
合性化合物との溶解性、屈折率、屈折率の異方性(△
n)、誘電率の異方性(△ε)等を考慮して適宜選択す
ることができる。また、数種類の液晶材料を配合するこ
とも可能である。本発明においては、特にネマチック液
晶材料のNI点は特に限定されるものではないが、NI
点が40℃以上のものが好ましく使用される。NI点が
40℃より低くなると、常温時にメモリー状態を安定し
て保持することが難しくなる。また、高温側については
良好な可逆特性を達成する上での問題はないが、製造時
の温度条件等が厳しくなったり制約されること、記録・
消去温度が高くなる事から記録装置が大がかりになる等
の問題があり、200℃以下が好ましい。
【0009】該ネマチック液晶材料としては、例えばシ
ッフ系、アゾキシ系、シアノビフェニル系、シアノフェ
ニルエステル系、安息香酸フェニルエステル系、シクロ
ヘキサンカルボン酸フェニルエステル系、シアノフェニ
ルシクロヘキサン、2−(p−シアノフェニル)−5−
置換ピリミジン系、2−(p−アルコキシフェニル)−
5−アルキルピリミジン系、フェニルジオキサン系、ト
ラン系、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル系等
を挙げることができる。具体的には、p−メトキシベン
ジリデン−p′−n−ブチルアニリン(MBBA)、p
−エトキシベンジリデン−p′−n−ブチルアニリン
(EBBA)、p−メトキシ−p′−ブチルアゾキシベ
ンゼン、p−シアノフェニル−p′−ブチルベンゾエー
ト、p−シアノフェニル−トランス−p′−ペンチルシ
クロヘキシル−カーボキシレート、p−ペンチル−p′
−シアノビフェニル、トランス−p−ペンチル−p′−
シアノフェニル−シクロヘキサン(PCH)、p−(ト
ランス−p−ペンチルシクロヘキシル)−p′−トラン
ス−p−プロピルシクロヘキシルビフェニル、5−n−
ペンチル−2−(p−シアノフェニル)−ピリミジン等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】次に、調光層用の重合性モノマーとして
は、アクリル系、メタクリル系、スチレン系、ビニル
系、エポキシ系、ウレタン系等の各種重合性モノマーも
しくはオリゴマーを適宜使用することができ、これらを
単独又は2種以上用いることができる。
【0011】また、上記の如き重合性モノマーを良好に
重合させるために、必要に応じて重合開始剤を用いるこ
とができる。重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
(メルク社製「ダロキュア1173」)、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギ−社製
「イルガキュア184」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドドキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、ベンジル
ジメチルケタール(チバ・ガイギ−社製「イルガキュア
651」)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フ
ェニル]−2−モルホリノプロパノン−1(チバ・ガイ
ギ−社製「イルガキュア907」)、2,4−ジエチル
チオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」
とp−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製
「カヤキュアEPA」)との混合物、イソプロピルチオ
キサントン(ワードプレキンソツプ社製「カンタキュア
ーITX」)とp−ジメチルアミノ安息香酸エチルとの
混合物等が挙げあられる。
【0012】本発明において調光層用塗液は、少なくと
も上記の如きネマチック液晶材料と重合性モノマーとを
含有し、必要に応じて重合開始剤、その他添加剤を均一
に溶解したものである。かかる調光層用塗液における組
成は、ネマチック液晶材料の含有量が40〜95重量
%、好ましくは50〜90重量%である。ここで含有量
が40重量%未満又は95重量%を越えると、良好な可
逆特性が得られなくなるおそれがある。また、重合性モ
ノマーの含有量は、5〜60重量%が好ましく、特に良
好な記録感度及び画像の白濁性を得るためには10〜5
0重量%がより適当である。この場合50重量%を越え
て多くなると十分な白濁性を得ることができず十分な画
像のコントラストが得られないおそれがあり、逆に10
重量%未満であると記録画像における透明性が得られず
前記同様にコントラストが得られないおそれがある。ま
た、重合開始剤は重合性モノマーに対して0.1〜20
重量%の範囲にあることが望ましい。なお、その他の添
加剤としては酸化防止剤、染料、色素、光安定剤等が挙
げられる。
【0013】本発明のネマチック液晶を用いた可逆性記
録媒体の製造方法は次のような方法で行なうことができ
る。まず、前記第1の製造方法は、電極層を有する導電
性基体の電極層上に、ネマチック液晶材料、重合性モノ
マー、必要に応じて重合開始剤等を含有する調光層材料
の均一塗液を、例えばスピンコーター、バーコーター、
ロールコーター等の塗工機により塗布し、この調光層塗
液をネマチック液晶材料のNI点より10℃低い温度以
上の温度に加熱して保持しながら、紫外線等の活性光線
を照射して、前記重合性モノマーを重合させることによ
って、透明性高分子物質とネマチック液晶材料を含有す
る高分子分散型液晶の調光層が形成されて可逆性記録媒
体が得られる。ここで、重合時の温度がNI点より10
℃を越えて低い温度で行なうと良好な可逆記録特性を得
ることができない。
【0014】本発明の第2の製造方法は、導電性基体の
電極層上に、例えばスピンコーター、バーコーター、ロ
ールコーター等の塗工機を使用してネマチック液晶材
料、重合性モノマー、必要に応じて重合開始剤等を含有
する調光層用塗液を塗布し、もう1枚の導電性基体をそ
の電極層が塗液面側となるように調光層用塗液上に載置
した後、前記調光層用塗液をNI点より10℃低い温度
以上の温度に加熱して保持しながら、紫外線等の活性光
線で重合させることにより透明性高分子物質とネマチッ
ク液晶材料を含有する高分子分散型液晶の調光層が2枚
の導電性基体の間に形成されて可逆性記録媒体が得られ
る。尚、この2枚の導電性基体間には通常の液晶テバイ
スに使用されている間隔保持用のスペーサーを、例えば
調光層用塗液に予め含有させておく等の方法により介在
させる事もできる。この場合、スペーサーとしては、例
えばマイラー、アルミナ、ガラスファイバー、ガラスビ
ーズ、ポリマービーズ等が用いられる。
【0015】また、前記第1の製造方法による可逆性記
録媒体のように、導電性基体が片側だけの場合は、上記
の2枚の導電性基体間で行なう方法において、重合後に
2枚の導電性基体の一方を剥離することでも得ることが
できる。また、調光層材料の均一塗液を作製するために
調光層材料に溶剤を添加し、調光層を形成後、熱等によ
り溶剤を除去し、その後所定の温度で活性光線を照射し
て重合を行なうことにより可逆性記録媒体を作製するこ
とも可能である。尚、重合性モノマーを重合する方法と
しては、上記の如き紫外線照射による方法に限定される
ことなく、一般に行なわれている可視光線、電子線等の
放射線の照射や熱による方法も可能である。
【0016】上記の如き本発明の製造方法によって得ら
れる可逆性感熱記録媒体は、以下に述べるような方法に
よって情報を記録および消去することができる。作製さ
れる記録媒体の調光層の初期状態(製造後、常温放置し
た状態)は通常は白濁状態であるが、液晶の種類、調光
層の材料組成の選択により透明状態とすることも可能で
ある。ここでは初期が白濁状態の可逆性記録媒体につい
て説明する。初期状態にある調光層つまり高分子分散型
液晶は、この両側にある導電性基体の電極層に電圧を印
加すると透明状態になり、本発明による可逆性記録媒体
はこの電圧を除去しても透明状態が維持され、情報が記
録される。この透明状態は液晶のNI点以上に高分子分
散型液晶を加熱、冷却することにより簡単に初期の白濁
状態に戻る。印加する電圧は、交流電圧が液晶の劣化等
の問題が少なくて良好であるが、直流電圧でも、またこ
れらを併用することもできる。上記のように2枚の導電
性基体に狭持されている場合は、その間に電圧を印加す
ればよいが、片面のみの場合では、電圧を印加する装置
サイドに電極層をもつ、例えば、導電性ロール、導電性
ブラシ、電極ヘッド、コロナ放電器等を用いて調光層と
電極層との間に電圧を印加すればよい。
【0017】情報記録は、例えば支持体上に導電性金属
を蒸着、印刷等の手段でパターン状に形成された電極層
で行なえば、電圧が印加された電極層の部分と電圧が印
加されなかった電極層の部分で、透明・白濁のコントラ
ストを得ることにより、記録がなされる。また、電極層
にアルミニウムの如く色を持つ電極層を用いると、白色
と銀色の如く、白と多種の色を持つコントラストを得る
ことができる。更に、本発明による可逆性記録媒体の透
明性を有する導電層あるいは透明性を有する導電性基体
の下に光吸収層や着色層を設けると、白色と黒色又は各
種の色調によるコントラストを得ることができる。ま
た、導電層をパターン状に形成しなくても情報記録を行
なうことができる。例えば、調光層の全面に電圧を印加
して透明状態にした後、画像状に熱ヘッドやレーザー光
等で、液晶のNI点以上に調光層を加熱し、その後冷却
すれば白濁した画像が得られ、白濁・透明のコントラス
トが得られる。尚、電圧の印加と加熱は同時に行なって
も構わないが、電圧を印加・除去しその後熱によって情
報を記録する方がより簡単である。
【0018】消去方法は前述の電圧による情報記録で
は、熱ヘッド、熱板、熱ロールあるいはレーザー光線等
の光で調光層を液晶のNI点以上の温度に加熱すれば初
期の白濁状態が得られる。また、逆に熱による白濁状態
の情報記録では、調光層全面に電圧を印加することによ
り全面の透明状態が得られる。本発明による可逆性記録
媒体は、上記のような方法で記録及び消去を繰り返し行
なうことができるものである。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を用いて
説明する。 実施例1 下記の組成よりなる調光層用塗液を、混合機を用いて5
分間撹拌して均一な塗液を作製した。 〈調光層用塗液〉 ・ネマチック液晶(メルク社製,BL001,NI点+61℃) 80.0重量% ・アクリル系モノマー CH2=CHCOO(CH24OCOCH=CH2 19.0重量% ・重合開始剤(メルク社製,ダロキュア1173) 0.9重量% ・球状スペーサ剤(粒径10μm) 0.1重量% 上記の調光層用塗液を、インジウム錫酸化物の電極層を
有するガラス基板からなる第1の導電性基体上に塗布
し、かかる調光層用塗液の塗布層上に第2の導電性基体
(第1の導電性基体と同一のもの)を電極層が塗布層側
となるように重ねた後、60℃のホットプレート上に5
〜10分間放置し、調光層用塗液の温度を60℃に保持
した後、5mW/cm2 の紫外線を500秒間上から照
射し、前記モノマーを重合して高分子分散型液晶を作製
し、本発明による可逆性記録媒体を得た。
【0020】実施例2 実施例1においてホットプレートの温度を70℃に変更
した以外は、実施例1と同様にして本発明による可逆性
記録媒体を得た。 実施例3〜5 実施例1においてネマチック液晶として、BL005
(メルク社製,NI点+64℃)(実施例3)、BL0
11(メルク社製,NI点+63℃)(実施例4)およ
びBL012(メルク社製,NI点+70℃)(実施例
5)を用いた以外は、実施例1と同様にして本発明によ
る可逆性記録媒体を得た。
【0021】実施例6 実施例1においてアクリル系モノマーとしてCH2=C
HCOO(CH29OCOCH=CH2を用いた以外
は、実施例1と同様にして本発明による可逆性記録媒体
を得た。 実施例7〜9 下記の組成よりなる調光層用塗液を、混合機を用いて5
分間撹拌して均一な塗液を作製した。 〈調光層用塗液〉 ・ネマチック液晶 80.0重量% ・アクリル系モノマー CH2=CHCOO(CH24OCOCH=CH2 19.0重量% ・重合開始剤(メルク社製,ダロキュア1173) 1.0重量% 上記の調光層用塗液を、インジウム錫酸化物の電極層を
有するガラス基板からなる導電性基体上にロールコータ
ーにより厚さ10μmに塗布した後、70℃のホットプ
レート上に5〜10分間放置し、調光層用塗液の温度を
70℃に保持した後、5mW/cm2の紫外線を500
秒間上から照射し、前記モノマーを重合して高分子分散
型液晶を作製し、本発明の可逆性記録媒体を得た。な
お、調光層用塗液におけるネマチック液晶としては、B
L005(メルク社製,NI点+64℃)(実施例
7)、BL011(メルク社製,NI点+63℃)(実
施例8)およびBL012(メルク社製,NI点+70
℃)(実施例9)を用いた。
【0022】比較例1〜3 実施例1においてホットプレートの温度を25℃(比較
例1)、35℃(比較例2)および45℃(比較例3)
に変更した以外は、実施例1と同様にして比較用の可逆
性記録媒体を得た。 比較例4〜7 実施例3〜6においてホットプレートの温度を25℃に
変更した以外は、実施例3〜6と同様にして比較用の可
逆性記録媒体を得た。
【0023】上記実施例1〜9および比較例1〜7で得
られた可逆性記録媒体における高分子分散型液晶からな
る調光層はいずれも白濁状態であった。かかる各記録媒
体について、スペクトロフォトメーター(Pharma
cia社製,PharmaciaLKB・Novasp
ec)を用いて初期透過度(T0)を測定した後、10
0V40Hzの交流電圧を30秒間印加した直後の透過
度(T100)および電圧の印加を除去してから60秒後
の安定した透明状態での透過度(T60)、更に、安定し
た透明状態にある高分子分散型液晶をNI点以上に加熱
後、室温まで冷却した時の透過度(TD)を測定した。
なお、透過度の測定波長は600nmとした。透過度の
評価結果は表1に示すとおりである。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、重合時における
温度を液晶のNI点から10℃低い温度以上の温度に保
持した場合は透明な記録(メモリー)状態における透過
度T60と白濁状態の初期透過度T0および加熱・冷却後
の透過度TDとの間にかなりの差があり、白濁・透明の
良好なコントラストが得られている。しかし、比較例の
ようにNI点より10℃を越えて低い温度で重合すると
ほとんどT60の値は初期のT0 と大差ない値になり、良
好なコントラストを有する記録画像が得られない。 ま
た、透明状態にある本発明の記録媒体を液晶のNI点以
上に加熱、放冷した時の透過度TDは、ほぼ初期透過度
0の値に戻ることから、良好な消去特性を有している
ことが認められた。一方、比較例の記録媒体は透過度T
60が初期透過度T0 に近い値を示していたのでTDの測
定は実施しなかった。尚、本発明による可逆性記録媒体
は前記の透過度の測定を繰り返し行なっても良好な再現
性が得られ、繰り返し耐久性も優れているものであっ
た。また、透明な記録状態で1ヶ月以上常温に放置して
おいても安定に維持されるものであった。
【0026】
【発明の効果】本発明の製造方法は、高分子分散型液晶
を作製する際の重合温度をコントロールつまり液晶材料
のNI点より10℃低い温度以上とすることにより、従
来良好な可逆性記録を得ることができなかった一般的な
液晶材料であるネマチック液晶を使用することができる
ものである。そして、かかる製造方法により得られる記
録媒体は、電圧を印加することにより良好な記録状態が
得られ、電圧を除去した後も、電圧印加時の状態を良好
に保持することができると共に、その状態は加熱するこ
とにより容易に消去ができるようになっているので、製
造コストも安価であり、かつ大面積化が可能であり、更
に、記録及び消去方法が簡単であるとの顕著な効果を有
するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体の片面に、少なくともネマチ
    ック液晶材料と重合性モノマーとを含有する調光層用塗
    液を塗布し、該塗液を加熱し、前記重合性モノマーを重
    合せしめ、高分子分散型液晶からなる調光層を形成せし
    める方法であって、前記加熱温度(T)とネマチック等
    方相転移点(NI)とがT≧NI−10(但し、Tおよ
    びNIの単位は各れも℃)の関係を満足することを特徴
    とする可逆性記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1の導電性基体の片面に、少なくとも
    ネマチック液晶材料と重合性モノマーとを含有する調光
    層用塗液を塗布して調光層用塗液層を形成し、該塗液層
    の上に第2の導電性基体を載置し、然るのち前記塗液層
    を加熱し、前記重合性モノマーを重合せしめ、高分子分
    散型液晶からなる調光層を形成せしめる方法であって、
    前記加熱温度(T)とネマチック等方相転移点(NI)
    とがT≧NI−10 (但し、TおよびNIの単位は各
    れも℃)の関係を満足することを特徴とする可逆性記録
    媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 調光層塗液中におけるネマチック液晶材
    料の含有量が40〜95重量%であることを特徴とする
    請求項1もしくは請求項2に記載の可逆性記録媒体の製
    造方法。
JP7276944A 1995-09-29 1995-09-29 可逆性記録媒体の製造方法 Pending JPH0997454A (ja)

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