JPH0914623A - 廃棄物の乾留ガス化焼却処理装置 - Google Patents

廃棄物の乾留ガス化焼却処理装置

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JPH0914623A
JPH0914623A JP16357895A JP16357895A JPH0914623A JP H0914623 A JPH0914623 A JP H0914623A JP 16357895 A JP16357895 A JP 16357895A JP 16357895 A JP16357895 A JP 16357895A JP H0914623 A JPH0914623 A JP H0914623A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】燃焼炉の熱をボイラ装置で有効利用できる焼却
処理装置を提供する。 【構成】廃棄物Aを乾留して可燃性ガスを得るガス化炉
1と、前記ガスを燃焼させる燃焼炉2と、前記ガスの燃
焼温度を略一定に維持するようにガス化炉1への酸素供
給量を調整する酸素供給手段4と、ボイラ装置3とを備
える。ボイラ装置3に圧力検知手段44を設け、水蒸気
圧が設定範囲になるよう、前記ガスの燃焼の設定温度を
制御する設定温度制御手段52a,53aを設ける。設
定温度制御手段52a,53aは、圧力検知手段44が
上限の圧力を検知すると前記設定温度を第1の設定温度
より低い第2の設定温度に変更する設定温度変更手段5
2c,53cと、圧力検知手段44が下限の圧力を検知
すると前記設定温度を第1の設定温度に復帰させる設定
温度復帰手段52d,53dとからなる。圧力検知手段
44が設定値以上の所定圧力を検知すると作動する大気
解放弁45を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃タイヤ等の廃棄物を
焼却処理する装置に関し、さらに詳しくは前記焼却処理
による燃焼熱を熱源とするボイラ装置を備える焼却処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】廃タイヤ等の廃棄物を焼却処理する装置
としては、例えば、本出願人が特開平2−135280
号公報に開示した乾留ガス化焼却処理装置が知られてい
る。
【0003】この乾留ガス化焼却処理装置は、ガス化炉
内に収納した廃棄物の一部を燃焼させつつ、その燃焼熱
により該廃棄物の未乾留部を乾留(熱分解)し、最終的
には、該廃棄物を完全燃焼させて灰化する一方、この
時、該廃棄物の乾留により生じる可燃性ガスをガス化炉
からガス通路を介して燃焼炉に導入すると共に、該燃焼
炉において、該可燃性ガスを酸素(空気)と混合し、予
め設定された燃焼温度で燃焼させることにより、窒素酸
化物等による環境汚染を生ぜしめることなく、廃棄物を
焼却処理するようにしたものである。
【0004】この場合、前記燃焼炉にボイラ装置を接続
することにより、該燃焼炉における前記可燃性ガスの燃
焼により生じる燃焼熱を有効に利用することができる。
【0005】しかしながら、前記乾留ガス化焼却処理装
置は、該可燃性ガスの燃焼温度が予め設定された温度に
略一定に維持されるように、前記ガス化炉における可燃
性ガスの発生量を制御するものであって、前記燃焼炉に
おける発熱量は制御されていないので、前記ボイラ装置
が過熱されて水蒸気圧が過度に上昇することがあり、こ
のような場合には該ボイラ装置に附設された大気解放弁
を作動させて前記水蒸気圧を一旦下げなければならず、
前記燃焼熱が無駄になるとの不都合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる不都合
を解消するためになされたものであり、燃焼炉で発生す
る燃焼熱を、該燃焼炉に接続されたボイラ装置で有効に
利用することができる乾留ガス化焼却処理装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の乾留ガス化焼却処理装置は、廃棄物を収
納すると共に、該廃棄物の一部を燃焼させつつ該燃焼熱
により該廃棄物の未乾留部を乾留して可燃性ガスを生ぜ
しめるガス化炉と、該ガス化炉からガス通路を介して導
入される可燃性ガスを燃焼させる燃焼炉と、該燃焼炉に
おける前記可燃性ガスの燃焼温度を検知するガス燃焼温
度検知手段と、前記燃焼炉における可燃性ガスの自然燃
焼が開始された後に前記ガス燃焼温度検知手段により検
知される該可燃性ガスの燃焼温度を予め設定された設定
温度に略一定に維持するように前記ガス化炉への酸素供
給量を調整しつつ前記廃棄物の一部の燃焼及び未乾留部
の乾留に必要な酸素を該ガス化炉に供給する酸素供給手
段と、該燃焼炉における前記可燃性ガスの燃焼熱を熱源
とするボイラ装置とを備えた乾留ガス化焼却処理装置に
おいて、前記ボイラ装置に該ボイラ装置で発生される水
蒸気の圧力を検知する圧力検知手段を設けると共に、該
圧力検知手段で検知される水蒸気圧が予め設定された範
囲の圧力になるように、前記可燃性ガスの燃焼温度の設
定温度を変更して制御する設定温度制御手段を設けてな
ることを特徴とする。
【0008】前記設定温度制御手段は、前記圧力検知手
段が前記予め設定された範囲を超える圧力を検知したと
きに前記可燃性ガスの燃焼温度を予め設定された第1の
設定温度より低い第2の設定温度に変更する設定温度変
更手段と、前記可燃性ガスの燃焼温度が該第2の設定温
度に変更されたのち、前記圧力検知手段が前記予め設定
された範囲の下限の圧力を検知したときに該第2の設定
温度を該第1の設定温度に復帰させる設定温度復帰手段
とからなることを特徴とする。
【0009】また、前記ボイラ装置には、前記圧力検知
手段が前記予め設定された範囲を超える所定の圧力を検
知したときに作動する大気解放弁が設けられている。
【0010】
【作用】本発明によれば、圧力検知手段によりボイラ装
置で発生される水蒸気の圧力を検知し、検知された水蒸
気圧が予め設定された範囲の圧力、例えば該ボイラ装置
の常用水蒸気圧の範囲になるように、設定温度制御手段
が前記可燃性ガスの燃焼温度の設定温度を変更して制御
する。前記設定温度制御手段により前記設定温度が変更
されると、酸素供給手段は、ガス燃焼温度検知手段によ
り検知される可燃性ガスの燃焼温度が前記変更された設
定温度に略一定に維持されるように、前記ガス化炉への
酸素供給量を調整するので、燃焼炉における発熱量が前
記ボイラ装置の水蒸気圧が予め設定された範囲の圧力に
なるように制御される。
【0011】具体的には、まず、前記圧力検知手段が前
記予め設定された範囲を超える圧力を検知したときに
は、前記設定温度制御手段に設けられた設定温度変更手
段が、前記可燃性ガスの燃焼温度を予め設定された第1
の設定温度より低い第2の設定温度に変更する。する
と、前記酸素供給手段による前記ガス化炉への酸素供給
量が、該第2の設定温度に応じたものとなり、該ガス化
炉における廃棄物の乾留が抑制される。この結果、前記
可燃性ガスの燃焼温度が、該第2の設定温度に略一定に
維持されるように低下するので、これに伴って前記燃焼
炉の発熱量が低下し、前記水蒸気圧も低下する。
【0012】次に、前記のように低下した水蒸気圧が前
記予め設定された範囲の下限に達したことを前記圧力検
知手段が検知したときには、前記設定温度制御手段に設
けられた設定温度変更手段が、前記可燃性ガスの燃焼温
度を前記第2の設定温度から前記第1の設定温度に復帰
させる。すると、前記酸素供給手段による前記ガス化炉
への酸素供給量が、該第1の設定温度に応じたものとな
り、該ガス化炉における廃棄物の乾留が促進される。こ
の結果、前記可燃性ガスの燃焼温度が、該第1の設定温
度に略一定に維持されるように上昇するので、これに伴
って前記燃焼炉の発熱量が上昇し、前記水蒸気圧も上昇
する。
【0013】そして、以上の操作を繰り返すことによ
り、前記ボイラ装置が前記予め設定された範囲の水蒸気
圧で運転される。
【0014】また、前記圧力検知手段が前記予め設定さ
れた範囲を超える所定の圧力、例えば前記水蒸気圧が突
発的に上昇して、前記予め設定された範囲を過度に上回
る圧力を検知したときには、前記ボイラ装置に設けられ
た大気解放弁が作動し、前記水蒸気圧を下げるようにな
っている。
【0015】
【実施例】次に、添付の図面を参照しながら本発明の廃
棄物の焼却処理方法についてさらに詳しく説明する。図
1は本発明の乾留ガス化焼却処理装置の一例を示す概略
的システム構成図、図2は図1の焼却処理装置における
設定温度制御手段の構成を示すブロック図、図3は図1
の焼却処理装置における燃焼温度とボイラ装置の水蒸気
圧との相関関係を示す線図、図4は本発明の乾留ガス化
焼却処理装置の他の例を示す概略的システム構成図であ
る。
【0016】図1に示すように、本実施例の乾留ガス化
焼却処理装置は、廃タイヤ等の廃棄物Aを収納し、その
乾留・ガス化並びに燃焼・灰化を行わしめるガス化炉
1、廃棄物Aの乾留により生じる可燃性ガスを燃焼させ
る燃焼炉2、燃焼炉2に接続されたボイラ装置3、ガス
化炉1に酸素(空気)を供給する酸素供給手段4及び燃
焼炉2に酸素(空気)を供給する酸素供給手段5から構
成されている。
【0017】ガス化炉1の上面部には、開閉自在な投入
扉6を有する投入口7が形成され、該投入口7から廃棄
物Aがガス化炉1内に投入できるようになっている。そ
して、ガス化炉1は、投入扉5を閉じた状態では、その
内部が実質的に外気と遮断されるようになっている。
【0018】ガス化炉1の下部は、下方に突出する円錐
台形状に形成され、その底面部8及び斜面状の側壁部9
の外面部には、それぞれガス化炉1の内部と隔離された
空室10,11が形成されている。そして、これらの空
室10,11は、それぞれ底面部8及び側壁部9に設け
られた給気ノズル12を介してガス化炉1の内部に連通
されている。
【0019】ガス化炉1の下部の側部には、ガス化炉1
内に収容された廃棄物Aに着火するための着火装置(着
火手段)13が取付けられている。この着火装置13は
点火バーナ等により構成されるものであり、ガス化炉1
の外部に設けられた助燃油等の燃料供給装置14に供給
管15を介して接続されている。かかる構成により、着
火装置13は、燃料供給装置14から供給管15を介し
て供給される燃料を燃焼させることにより、ガス化炉1
の内部に向かって燃焼炎を生ぜしめ、この燃焼炎により
ガス化炉1内の廃棄物Aに着火するようにしている。
【0020】また、ガス化炉1の外周部には、その冷却
構造として該ガス化炉1の内部と隔離されたウォータジ
ャケット16が形成され、ウォータジャケット16は水
位センサ17により検知される水位に基づいて、ガス化
炉1の外部に設けられた給水装置18から給水管19を
介して給水されるようになっている。
【0021】また、ガス化炉1の上部には、ガス化炉1
の内部の温度T1 を検知する温度センサ20が取付けら
れている。
【0022】前記燃焼炉2は、廃棄物Aの乾留により生
じる可燃性ガスとその完全燃焼に要する酸素(空気)と
を混合するバーナ部21と、該酸素と混合された可燃性
ガスを燃焼せしめる燃焼部22とから成り、燃焼部22
はバーナ部21の先端部側で該バーナ部21に連通され
ている。そして、燃焼部22には、可燃性ガスの燃焼温
度T2 を検知するガス燃焼温度検知手段としての温度セ
ンサ23及び可燃性ガスが自然燃焼し得る下限の温度の
3 を検知する温度センサ24が取付けられている。
【0023】バーナ部21の後端部には、ガス化炉1の
上部にその内部と連通して設けられた接続部25から導
出されたガス通路であるガス管26が接続され、ガス化
炉1の内部で廃棄物Aの乾留により生じる可燃性ガスが
ガス管26を介してバーナ部21の内部に導入されるよ
うになっている。
【0024】このバーナ部21の外周部には、該バーナ
部21の内部と隔離された空室27が形成され、この空
室27は、バーナ部21の内周部に穿設された複数のノ
ズル孔28を介してバーナ部21の内部に連通されてい
る。
【0025】また、バーナ部21の後端部には、その内
部に導入された可燃性ガスに着火するための着火装置
(着火手段)29が取付けられている。この着火装置2
9は、前記着火装置13と同様に、点火バーナ等により
構成されるものであり、前記燃料供給装置14に供給管
30を介して接続されている。かかる構成により、着火
装置29は、燃料供給装置14から供給管30を介して
供給される燃料を燃焼させることにより、バーナ部21
から燃焼部22に向かって燃焼炎を生ぜしめ、この燃焼
炎によりバーナ部21を介して燃焼部22に導入される
可燃性ガスに着火するようにしている。
【0026】この場合、着火装置29は、その着火作動
を制御する制御部29aを備えており、該制御部29a
には、前記温度センサ24の検知信号が入力される。そ
して、詳細は後述するが、着火装置29の制御部29a
は、温度センサ24が検知する温度T3 が可燃性ガスの
自然燃焼可能な下限の温度以下になったときに該着火装
置29の着火作動を行うようにしている。
【0027】ボイラ装置3は、水蒸気を発生する水を収
容する蒸気罐31と、該蒸気罐31の周囲に設けられ蒸
気罐31の内部と隔離された加熱部32とから成る。該
加熱部32は前記燃焼部22の先端部側で前記燃焼炉2
の燃焼部22に接続され、燃焼部22の燃焼熱で加熱さ
れた空気が該加熱部32に流通されて蒸気罐31に収容
された水を加熱して水蒸気を発生するようになってい
る。そして、蒸気罐31で発生された水蒸気は、蒸気罐
31に接続された蒸気供給管33により開閉弁34を介
して蒸気を必要とする装置35に送られる。装置35
は、蒸気を必要とするものであれば、蒸気タービン、加
熱装置、暖房装置等どのような装置であってもよく、特
に限定されない。
【0028】前記加熱部32は、排気管36により煙突
37に接続されており、排気管36の途中にガス化炉
1、燃焼炉2及び加熱部32から可燃性ガス及び排気を
吸引する吸引ファン38及び開閉弁39が設けられてい
る。また、開閉弁39には該開閉弁39を適宜、開閉す
る開閉弁制御器40が備えられており、該開閉弁制御器
40は加熱部32に設けられた圧力センサ41の検知信
号により加熱部32内の圧力が略一定になるように作動
する。このようにすることにより、燃焼炉2における可
燃性ガスの燃焼が安定に進行する。
【0029】また、前記蒸気罐31に収容される水は、
該蒸気罐31の上部に設けられた水位センサ42により
検知される水位に基づいて、前記給水管19から分岐さ
れる給水管43を介して前記給水装置18から給水され
るようになっている。
【0030】そして、前記蒸気罐31の上部空間には、
該蒸気罐31内で発生される水蒸気の圧力を検知する圧
力センサ(圧力検知手段)44が設けられており、前記
蒸気を必要とする装置35の常用水蒸気圧の下限の圧力
1 、該常用水蒸気圧の上限の圧力P2 、該蒸気罐31
の許容水蒸気圧の上限の圧力P3 を検知するようになっ
ている。尚、前記蒸気罐31の上部空間には、大気解放
弁45が設けられており、該圧力センサ44が該蒸気罐
31の許容水蒸気圧の上限の圧力P3 を検知したときに
は、該大気解放弁45を開いて、蒸気罐31内の圧力を
下げるようになっている。
【0031】ガス化炉1に酸素を供給する前記酸素供給
手段4は、ガス化炉1の外部に設けられた酸素供給源4
6と、該酸素供給源46から導出された主酸素供給管4
7と、該主酸素供給管47から分岐されて前記ガス化炉
1の空室10,11にそれぞれ接続された一対の副酸素
供給管48,49と、該副酸素供給管48,49にそれ
ぞれ設けられた開閉弁50,51と、開閉弁50,51
をそれぞれ適宜、開閉する開閉弁制御手段52,53と
から成り、開閉弁制御手段52には前記温度センサ23
及び圧力センサ44の両者の検知信号が入力され、開閉
弁制御手段53には、前記温度センサ23、温度センサ
20及び圧力センサ44の三者の検知信号が入力され
る。
【0032】この場合、開閉弁制御手段52は、圧力セ
ンサ44の検知信号に応じて前記可燃性ガスの燃焼温度
の設定温度を変更して制御する設定温度制御手段52a
と、該設定温度制御手段52aに設定される設定温度及
び温度センサ23の検知信号に応じて、開閉弁50の開
閉を制御する開閉弁制御器52bとから構成される。ま
た、開閉弁制御手段53は、圧力センサ44の検知信号
に応じて前記可燃性ガスの燃焼温度の設定温度を変更し
て制御する設定温度制御手段53aと、該設定温度制御
手段53aに設定される設定温度及び温度センサ23,
20の検知信号に応じて、開閉弁51の開閉を制御する
開閉弁制御器53bとから構成される。
【0033】また、図2示のように、前記設定温度制御
手段52a,53aは、それぞれ圧力センサ44が前記
常用水蒸気圧の上限の圧力P2 を検知したときに前記可
燃性ガスの燃焼温度を予め設定された第1の設定温度よ
り低い第2の設定温度に変更する設定温度変更手段52
c,53c、圧力センサ44が前記常用水蒸気圧の下限
の圧力P1 を検知したときに該第2の設定温度を該第1
の設定温度に復帰させる設定温度復帰手段52d,53
d、前記両設定温度を記憶し、設定温度変更手段52
c,53cまたは設定温度復帰手段52d,53dから
の指令により、前記第1または第2の設定温度を開閉弁
制御器52b,53bに出力する設定温度メモリ52
e,53eとから構成される。
【0034】かかる構成により、酸素供給手段4は、詳
細は後述するが、廃棄物Aの乾留の進行時に、開閉弁制
御手段52,53により、開閉弁50,51を開くこと
により、酸素供給源46から酸素供給管47,48,4
9を介してガス化炉1の空室10,11に酸素(空気)
を供給し、さらに、該空室10,11から前記給気ノズ
ル12を介してガス化炉1の内部に酸素を供給するよう
にしている。そして、この時、開閉弁制御手段52,5
3は、圧力センサ44の検知信号に応じて設定温度制御
手段52a,53aにより変更される設定温度に基づ
き、且つ温度センサ23により検知される可燃性ガスの
燃焼温度に応じて開閉弁50,51の開度を調整するよ
うにしている。
【0035】また、酸素供給手段4は、詳細は後述する
が、廃棄物Aの乾留の最終段階において、開閉弁50が
開かれるのと並行して、開閉弁制御器53により、開閉
弁51の開度を大きくすることにより、酸素供給源46
から酸素供給管47,49を介してガス化炉1の空室1
1にさらに多量の酸素(空気)を供給し、前記給気ノズ
ル12を介してガス化炉1の内部に該酸素を供給するよ
うにしている。そして、この時、開閉弁制御器53は、
温度センサ20により検知されるガス化炉1内の温度
と、温度センサ23により検知される可燃性ガスの燃焼
温度とを基に、所定のタイミングで開閉弁51の開度を
大にするようにしている。
【0036】燃焼炉2に酸素を供給する前記酸素供給手
段5は、前記酸素供給源46及び主酸素供給管47と、
該主酸素供給管47から分岐されて前記燃焼炉2の空室
27に接続された一対の副酸素供給管54,55と、該
副酸素供給管54,55にそれぞれ設けられた開閉弁5
6,57と、開閉弁56を適宜、開閉する開閉弁制御手
段58とから成り、開閉弁制御手段58には前記温度セ
ンサ23及び圧力センサ44の両者の検知信号が入力さ
れる。
【0037】この場合、開閉弁制御手段58は、前記開
閉弁制御手段52,53と同様に、圧力センサ44の検
知信号に応じて前記可燃性ガスの燃焼温度の設定温度を
変更して制御する設定温度制御手段58aと、該設定温
度制御手段58aに設定される設定温度及び温度センサ
23の検知信号に応じて、開閉弁56の開閉を制御する
開閉弁制御器58bとから構成され、該設定温度制御手
段58aは、図2示のように、圧力センサ44が前記常
用水蒸気圧の上限の圧力P2 を検知したときに前記可燃
性ガスの燃焼温度を予め設定された第1の設定温度より
低い第2の設定温度に変更する設定温度変更手段58
c、圧力センサ44が前記常用水蒸気圧の下限の圧力P
1 を検知したときに該第2の設定温度を該第1の設定温
度に復帰させる設定温度復帰手段58d、前記両設定温
度を記憶し、設定温度変更手段58cまたは設定温度復
帰手段58からの指令により、前記第1または第2の設
定温度を開閉弁制御器58bに出力する設定温度メモリ
58eとから構成される。
【0038】かかる構成により、酸素供給手段5は、開
閉弁制御手段58により、適宜、開閉弁56を開くこと
により、酸素供給源46から酸素供給管47,54を介
して燃焼炉2の空室27に酸素(空気)を供給し、さら
に、該空室27から前記ノズル孔38を介して燃焼炉2
のバーナ部21に酸素を供給するようにしている。そし
て、この時、詳細は後述するが、開閉弁制御手段58
は、圧力センサ44の検知信号に応じて設定温度制御手
段58aにより変更される設定温度に基づき、且つ温度
センサ23により検知される可燃性ガスの燃焼温度に応
じて開閉弁56の開度を調整するようにしている。
【0039】尚、この場合、開閉弁57は手動で開閉し
得るように構成されており、該開閉弁57を手動で適
宜、開閉することによっても、酸素供給源46からバー
ナ部21への酸素供給量を調整し得るようにされてい
る。
【0040】次に、かかる乾留ガス化焼却処理装置の作
動を説明する。
【0041】図1において、廃棄物Aを焼却処理する際
には、まず、ガス化炉1の投入扉6が開かれて、廃棄物
Aがガス化炉1内に投入される。
【0042】次いで、投入扉6を閉じた後に、前記着火
装置13が作動され、これにより、ガス化炉1内の廃棄
物Aへの着火が行われると共に、該廃棄物Aの部分的燃
焼が開始される。そして、該廃棄物Aの部分的燃焼が開
始されると、着火装置13は停止される。
【0043】この場合、この着火に先立って、ガス化炉
1のウォータジャケット16、ボイラ装置3の蒸気罐3
1には、前述したように、給水装置18から給水管1
9,43を介して適宜、給水されており、また、燃焼炉
2の着火装置29がその制御部29aの制御により作動
されている。さらに、ガス化炉1の内部の空気は、後述
するように発生する可燃性ガスを燃焼炉2に導入するた
めに、ボイラー装置3に設けられた吸引ファン38によ
り、燃焼炉2及びガス管26を介して適宜、吸気されて
いる。
【0044】また、この着火の際には、酸素供給手段4
の開閉弁50,51は、開閉弁制御手段52,53によ
り比較的小さな所定の開度であらかじめ開かれており、
これにより、前述したように、酸素供給源46から酸素
供給管47,48,49、ガス化炉1の空室10,11
及び給気ノズル12を介してガス化炉1内に比較的少量
の酸素が供給されている。このため、着火装置13によ
る廃棄物Aへの着火はガス化炉1内に存在していた酸素
と、酸素供給源46から供給される少量の酸素とを使用
して行われる。
【0045】尚、この着火の際には、酸素供給手段5の
開閉弁56,57はいずれも閉じられている。
【0046】かかる着火が行われると、ガス化炉1内の
廃棄物Aは、その下層部がガス化炉1内に存在していた
酸素と酸素供給源46から供給される少量の酸素とを消
費しつつ徐々に燃焼していき、その燃焼熱により、該廃
棄物Aの上層部が乾留を開始すると共に、その乾留によ
り可燃性ガスを発生し始め、この可燃性ガスは、ガス化
炉1内からガス管26を介して燃焼炉2のバーナ部21
に導入される。そして、バーナ部21に導入された可燃
性ガスは燃焼炉2内に存在していた空気(酸素)と混合
して、前記着火装置29により着火され、これにより、
該可燃性ガスが燃焼炉2の燃焼部22において燃焼し始
める。
【0047】図3に示す乾留の初期段階では、廃棄物A
の下層部の燃焼は、酸素供給源46から供給されている
少量の酸素を消費しつつ徐々に安定化していくと共にそ
の範囲が徐々に拡大していく。そして、このように廃棄
物Aの下層部の燃焼が安定化していくに従って、その燃
焼熱による廃棄物Aの上層部の乾留も進行して、該乾留
により生じる可燃性ガスの量も増大していく。このた
め、燃焼炉2に導入される可燃性ガスの量も増大してい
き、これにより燃焼炉2における可燃性ガスの燃焼温度
2 も上昇していく。
【0048】そして、この時、図3示の可燃性ガスの燃
焼温度T2 は前記温度センサ23により検知され、この
温度センサ23により検知された可燃性ガスの燃焼温度
2があらかじめ定められた所定の温度T2aに達する
と、酸素供給手段4の開閉弁制御手段52,53が、開
閉弁50,51を所定の時間だけ、最初の開度よりも若
干、大きな開度に開き、さらに該所定時間の経過後に、
さらに大きめの開度に開く。
【0049】このように、開閉弁50,51の開度を段
階的に、徐々に増大させていくことにより、廃棄物Aの
下層部に、その継続的な燃焼に必要な程度で酸素供給源
46から酸素が供給され、これにより、該廃棄物Aの下
層部の燃焼が必要以上に拡大することもなく安定に行わ
れるようになっていき、また、廃棄物Aの上層部の乾留
も安定に進行するようになっていく。
【0050】次いで、温度センサ23により検知される
可燃性ガスの燃焼温度T2 がさらに上昇し、該可燃性ガ
スが自然燃焼し得る温度T2cに達すると、酸素供給手段
3の開閉弁制御手段52,53が、可燃性ガスの燃焼温
度T2 を、該可燃性ガスが自然燃焼し得ると共に、その
燃焼による窒素酸化物等の発生が少ないものとなる燃焼
温度としてあらかじめ設定された温度T2b(第1の設定
温度、T2a<T2c<T 2b)に維持するように、開閉弁5
0,51の開度を自動的に調整する。尚、温度T2bは、
前記可燃性ガスが自然燃焼し得る温度T2cよりも十分高
い温度として、例えば1000℃に設定される。
【0051】前記開閉弁50,51の開度の自動的調整
は、具体的には、次のように行われる。まず、燃焼温度
2 が温度T2bよりも小さくなると、開閉弁50,51
の開度が大きくされて、ガス化炉1への酸素供給量が増
加され、これにより、廃棄物Aの下層部の燃焼が促進さ
れると共に、その燃焼熱による廃棄物Aの上層部の乾留
及びこの乾留による可燃性ガスの発生が助長される。逆
に、燃焼温度T2 が温度T2bよりも大きくなると、開閉
弁50,51の開度が小さくされて、ガス化炉1への酸
素供給量が減少され、これにより、廃棄物Aの下層部の
燃焼が抑制されると共に、その燃焼熱による廃棄物Aの
上層部の乾留及びこの乾留による可燃性ガスの発生が抑
制される。
【0052】これにより、可燃性ガスの燃焼温度T2
温度T2bに略維持され、この状態で、廃棄物Aの下層部
の燃焼及び上層部の乾留が安定に進行することとなり、
図3示の乾留進行段階に移行する。
【0053】そして、このように該可燃性ガスの燃焼温
度T2 が、自然燃焼し得る温度に維持されるようになる
と、燃焼炉2の着火装置29はその制御部29aの制御
により停止され、該可燃性ガスは継続的に自然燃焼する
こととなる。また、かかる可燃性ガスの燃焼熱により加
熱された空気が前記吸引ファン38によりボイラ装置3
の加熱部32に吸引されて、蒸気罐31に収容されてい
る水を加熱することとなる。
【0054】尚、かかるガス化炉1における廃棄物Aの
乾留の際には、前記温度センサ20により検知されるガ
ス化炉1内の温度T1 は、通常、図3に示すように、廃
棄物Aの乾留の初期段階においては、該廃棄物Aの下層
部の燃焼の開始に伴って上昇し、その後に、その燃焼熱
が上層部の廃棄物Aの燃焼のために吸収されることによ
り一旦、下降し、続いて、廃棄物Aの乾留が安定に進行
する乾留進行段階になると、廃棄物Aの下層部の燃焼の
進行に伴って上昇していく。
【0055】一方、前述した燃焼炉2における可燃性ガ
スの燃焼には、酸素が必要であるが、この燃焼に必要な
酸素は、次に説明するように、温度センサ23により検
知される可燃性ガスの燃焼温度T2 に応じて前記酸素供
給手段5により供給される。
【0056】すなわち、酸素供給手段5の開閉弁制御手
段58は、温度センサ23により検知される可燃性ガス
の燃焼温度T2 に応じて開閉弁56を適当な開度で開
き、これにより、前述したように、酸素供給源46から
酸素供給管47,54、燃焼炉2の空室27及びノズル
孔28を介して燃焼炉2のバーナ部21に酸素を供給
し、燃焼炉2に導入される可燃性ガスと、その完全燃焼
に必要な酸素とをバーナ部21において混合させる。
【0057】具体的には、開閉弁制御手段58は、廃棄
物Aの乾留の初期段階においては、燃焼炉2に導入され
る可燃性ガスの量が増大してその燃焼温度T2 が上昇す
るに従って、開閉弁56をその開度が増大するように開
いて燃焼炉2への酸素供給量を増加させ、廃棄物Aの乾
留が安定に進行する段階では、可燃性ガスの燃焼温度T
2 の若干の増減に伴って、開閉弁56の開度を増減させ
て、燃焼炉2への酸素供給量を調整し、これにより、燃
焼炉2に導入される可燃性ガスが完全燃焼し得る量の酸
素と該可燃性ガスとを混合する。
【0058】尚、かかる燃焼炉2への酸素供給に際して
は、作業者が可燃性ガスの燃焼状態を確認しつつ、開閉
弁57を手動で操作することによって、燃焼炉2への酸
素供給量を調整するようにすることも可能である。
【0059】ところで、前述のようにして廃棄物Aの乾
留を行うと、燃焼炉2における前記可燃性ガスの燃焼温
度T2bは、前記可燃性ガスが自然燃焼し得る温度T2c
りも十分高く設定されているので、その燃焼熱により、
ボイラ装置3の蒸気罐31から発生される水蒸気の圧力
が次第に増加し、図3に仮想線示するように、該蒸気罐
31の許容水蒸気圧の上限の圧力P3 (例えば、8.0
kg/cm2 )を超えるようになる。このようなときに
は、圧力センサ44が前記圧力P3 を検知して大気解放
弁45を開くことにより、蒸気罐31内の水蒸気圧が大
気圧まで下げられる。しかし、このようにすると、前記
蒸気を必要とする装置35は、蒸気罐31内の水蒸気圧
が再び上昇するまで、蒸気を得ることができず、また、
蒸気罐31から発生される水蒸気の圧力が前記圧力P3
を超えるまでの加熱に用いられた燃焼熱は浪費されたこ
とになる。
【0060】そこで、本実施例の装置では、前記開閉弁
制御手段52,53,58に前記可燃性ガスの燃焼温度
の設定温度を変更して制御する設定温度制御手段52
a,53a,58aを設け、圧力センサ44で検知され
る水蒸気圧が前記装置35の常用水蒸気圧の範囲である
略一定の圧力P1 〜P2 に維持されるようにしている。
【0061】次に、図2及び図3を参照して、設定温度
制御手段52a,53a,58aの作用について説明す
る。
【0062】まず、前記廃棄物Aの乾留の進行中に、圧
力センサ44で検知される水蒸気圧が前記装置35の常
用水蒸気圧の上限の圧力P2 (例えば7.5kg/cm
2 )に達すると、圧力センサ44から前記設定温度制御
手段52a,53a,58aの設定温度変更手段52
c,53c,58cに検知信号が送られる。設定温度変
更手段52c,53c,58cは前記検知信号を受ける
と、設定温度メモリ52e,53e,58eに設定温度
を変更することを指令する。設定温度メモリ52e,5
3e,58eは、前記可燃性ガスの燃焼温度の設定温度
として、前記温度T2bと、温度T2bよりも低く前記可燃
性ガスが自然燃焼し得る温度T2cよりも高い温度T
2d(第2の設定温度、例えば400℃)とを記憶してお
り、設定温度変更手段52c,53c,58cから設定
温度変更の指令を受けると、前記第1の設定温度T2b
変えて前記第2の設定温度T2dを開閉弁制御器52b,
53b,58bに出力する。
【0063】この結果、開閉弁制御器52b,53b
は、可燃性ガスの燃焼温度T2 を、前述の温度T2bに維
持する場合と同様にして、温度T2dに維持するように、
ガス化炉1に酸素を供給する開閉弁50,51の開度を
自動的に調整するようになる。また、開閉弁制御器58
bは、可燃性ガスの燃焼温度T2dに応じて開閉弁56を
適当な開度で開き、これにより、燃焼温度T2dにおける
可燃性ガスの完全燃焼に必要な酸素を燃焼炉2に供給す
るようになる。
【0064】前記のように、可燃性ガスの燃焼温度T2
を第2の設定温度T2dに変更すると、圧力センサ44で
検知される水蒸気圧は図3示のように下降し始める。そ
して、圧力センサ44で検知される水蒸気圧が前記装置
35の常用水蒸気圧の下限の圧力P1 (例えば7.0k
g/cm2 )に達すると、圧力センサ44から前記設定
温度制御手段52a,53a,58aの設定温度復帰手
段52d,53d,58dに検知信号が送られる。設定
温度変更手段52d,53d,58dは前記検知信号を
受けると、設定温度メモリ52e,53e,58eに設
定温度を第2の設定温度T2dから第1の設定温度T2b
復帰することを指令し、設定温度メモリ52e,53
e,58eは、第1の設定温度T2bを開閉弁制御器52
b,53b,58bに出力する。
【0065】この結果、開閉弁制御器52b,53b
は、可燃性ガスの燃焼温度T2 を、再び温度T2bに維持
するように、ガス化炉1に酸素を供給する開閉弁50,
51の開度を自動的に調整するようになり、開閉弁制御
器58bは、再び可燃性ガスの燃焼温度T2bに応じて開
閉弁56を適当な開度で開き、これにより、燃焼温度T
2bにおける可燃性ガスの完全燃焼に必要な酸素を燃焼炉
2に供給するようになる。
【0066】そして、前記廃棄物Aの乾留が進行する
間、前記操作を繰り返すことにより、蒸気罐31で発生
される水蒸気の圧力が前記装置35の常用水蒸気圧の範
囲である略一定の圧力P1 〜P2 に維持されるように制
御される。
【0067】このとき、前記温度センサ23は、前記設
定温度T2b,T2dを検知するために、バーナ部21で生
じる燃焼炎に直接曝露されないことが好ましく、バーナ
部21から離間して燃焼部22に設けられる。
【0068】尚、前記蒸気罐31で発生される水蒸気圧
の制御中に、該水蒸気圧が突発的に蒸気罐31の許容水
蒸気圧の上限の圧力P3 を超えたときには、前記のよう
に圧力センサ44で前記圧力P3 を検知することにより
大気解放弁45を開き、蒸気罐31内の水蒸気圧を大気
圧に下げる。また、可燃性ガスの燃焼温度T2 がその自
然燃焼し得る温度T2cよりも低くなることは、前記燃焼
炉2における失火を意味するので、図3に仮想線示する
ように、前記温度センサ24が検知する温度T 3 が前記
可燃性ガスの自然燃焼し得る温度T2c以下になると、前
記着火装置29の制御部29aは着火装置29を再作動
させ、可燃性ガスを燃焼させ、可燃性ガスの燃焼温度T
2 が前記設定温度T2bまたはT2dに維持されるようにす
る。
【0069】次に、図1示の乾留ガス化焼却処理装置の
乾留終了段階の作動を説明する。
【0070】前述のような廃棄物Aの乾留の際には、図
1に示すように、ガス化炉1の内部には、その下部側か
ら上部側にかけて順に、灰化層a、赤熱層b、流動化層
c、伝熱層d及びガス層eが形成され、これらの各層a
〜eのうち、廃棄物Aの燃焼の完了により生じる灰化層
aは廃棄物Aの部分的燃焼が進行するに従って増大して
いき、これと共に、廃棄物Aの燃焼が行われている赤熱
層bは下層部から上層部に向かって徐々に上昇・移行し
ていく。また、かかる灰化層aの増大及び赤熱層bの上
昇に伴って、廃棄物Aの乾留が進行する流動化層c、伝
熱層d及びガス層eは減少し、換言すれば、乾留し得る
廃棄物Aの量が減少していく。
【0071】このように乾留し得る廃棄物Aの量が減少
していくと、やがて、その乾留により発生する可燃性ガ
スの量が減少傾向となって、燃焼炉2における可燃性ガ
スの燃焼温度T2 も減少傾向となる。このため、酸素供
給手段3の開閉弁制御手段52,53は、ガス化炉1に
おける廃棄物Aの部分的燃焼を促進すべく、開閉弁5
0,51の開度を徐々に継続的に増加させて、ガス化炉
1への酸素供給量を増加させ、これにより燃焼炉2にお
ける可燃性ガスの燃焼温度T2 が略一定の温度T 2bまた
はT2dに維持されるように、ガス化炉1内の廃棄物Aの
乾留を促進する。そして、最終的には、開閉弁50,5
1の開度は前記温度T2bまたはT2dに対する最大の開度
となって、ガス化炉1への酸素供給量も最大となるので
あるが、ガス化炉1内の廃棄物Aの乾留しうる部分が残
り僅かとなり、さらには無くなると、燃焼炉2における
可燃性ガスの燃焼温度T2 を前記温度T2bまたはT2d
維持し得るような量の可燃性ガスを生成することができ
なくなり、このため燃焼炉2に導入される可燃性ガスの
量が減少して、その燃焼温度T2 も下降していく。
【0072】また、このように、燃焼炉2における可燃
性ガスの燃焼温度T2 が下降してい段階となると、ガス
化炉1内の廃棄物Aの灰化層aを除く部分に占める赤熱
層bが増加すると共に、その燃焼熱が廃棄物Aの乾留に
より吸収される量も減少するので、ガス化炉1内の温度
1 は、一旦急上昇するものの、やがて、廃棄物Aの燃
焼・灰化の進行に伴って下降していく。
【0073】このように、廃棄物Aの最終的な灰化が進
行する段階においては、該廃棄物Aを完全に燃焼させて
確実に灰化させることが望ましい。このため、本実施例
においては、燃焼炉2における燃焼温度T2 が略一定の
温度T2bまたはT2dに維持された後に下降していく際
に、燃焼炉2の温度センサ23により検知される可燃性
ガスの燃焼温度T2 が例えば前記所定の温度T2a以下に
低下し、且つ、ガス化炉1の温度センサ20により検知
されるガス化炉1内の温度T1 が、廃棄物Aの乾留の終
了段階を示すものとしてあらかじめ設定された所定の温
度T1a以上に上昇した時に、開閉弁制御手段53が開閉
弁51を全開状態に開き、酸素供給源46から酸素供給
管47,49、ガス化炉1の空室11及び給気ノズル1
2を介してガス化炉1内に供給される酸素量を増加せし
める。
【0074】これにより、ガス化炉1内に対する酸素供
給量が増大し、ガス化炉1内の廃棄物Aの最終的な燃焼
・灰化が促進されて、該廃棄物Aが完全に灰化され、廃
棄物Aの乾留ガス化のよる焼却処理が終了する。尚、燃
焼炉2における可燃性ガスの燃焼温度T2 が下降してい
く際には、該可燃性ガスが自然燃焼することができなく
なるので、前記温度センサ24が検知する温度T3 が前
記可燃性ガスの自然燃焼し得る温度T2c以下になると、
前記着火装置29の制御部29aが着火装置29を再作
動させて可燃性ガスの燃焼を行う。
【0075】前記実施例では、ガス化炉1に酸素を供給
する酸素供給手段4において、常時開閉弁50,51の
両方の開度を調整するようにしているが、開閉弁50の
みの開度を常時調整し、開閉弁51は適宜閉じるように
してもよい。
【0076】例えば、圧力センサ44が前記装置35の
常用水蒸気圧の上限の圧力P2 を検知して、設定温度変
更手段53cから設定温度メモリ53eに設定温度変更
を指令したときに、設定温度メモリ53eから第2の設
定温度T2dを入力された開閉弁制御器53bが開閉弁5
1を閉じ、開閉弁50だけで前記のように可燃性ガスの
燃焼温度T2 が第2の設定温度T2dに維持されるよう
に、ガス化炉1に供給される酸素量を調整するようにし
てもよい。
【0077】また、開閉弁50だけで前記のように可燃
性ガスの燃焼温度T2 が第1の設定温度T2bまたは第2
の設定温度T2dに維持されるように、ガス化炉1に供給
される酸素量を調整するようにし、開閉弁51は前記廃
棄物Aの乾留の終了段階において、廃棄物Aの完全に灰
化させる際にだけ開くようにしてもよい。
【0078】さらに、ボイラ装置3を常時稼働させるた
めに、ガス化炉1を2基設け、交互に切り換えるように
してもよい。
【0079】また、図1示の横型のボイラ装置3に変え
て、図2示のように竪型のボイラ装置60を用いるよう
にしてもよい。図2示の装置は、ボイラ装置60の構成
以外は、図1示の装置と同一であるので、次にボイラ装
置60の構成及び作動について説明する。
【0080】ボイラ装置60は、加熱部32の下方に備
えられ、給水装置18から給水管19,43を介して給
水される水を収容する環状の水管61と、加熱部32の
下方に備えられた環状の蒸気管62と、水管61及び蒸
気管62を接続する複数の管63から成る。該加熱部3
2は前記燃焼部22の先端部側で前記燃焼炉2の燃焼部
22に接続され、燃焼部22の燃焼熱で加熱された空気
が該加熱部32に流通されて水管61に収容された水を
加熱し、加熱された水が管63内で気化して、水蒸気を
発生するようになっている。そして、発生した水蒸気
は、蒸気管62に接続された蒸気供給管33により開閉
弁34を介して蒸気を必要とする装置35に送られる。
【0081】ボイラ装置60では、加熱部32に圧力セ
ンサ41が設けられ、管63に水位センサ42が設けら
れ、蒸気管62に該蒸気管62内の水蒸気の圧力を検知
する圧力センサ(圧力検知手段)44が設けられてい
る。前記各センサ41,42,44の作動は、前記図1
示の装置と全く同一である。
【0082】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
の乾留ガス化焼却処理装置によれば、燃焼炉に接続され
たボイラ装置で発生される水蒸気の圧力を予め設定され
た範囲の圧力になるように制御することができるので、
該燃焼炉で発生する燃焼熱を有効に利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾留ガス化焼却処理装置の一例を示す
概略的システム構成図。
【図2】図1の焼却処理装置における設定温度制御手段
の構成を示すブロック図。
【図3】図1の焼却処理装置における燃焼温度とボイラ
装置の水蒸気圧との相関関係を示す線図。
【図4】本発明の乾留ガス化焼却処理装置の他の例を示
す概略的システム構成図。
【符号の説明】
1…ガス化炉、 2…燃焼炉、 3,60…ボイラ装
置、 4…酸素供給手段、 23…ガス燃焼温度検知手
段、 44…圧力検知手段、 52a,53a…設定温
度制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 7/12 ZAB F23G 7/12 ZABA

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃棄物を収納すると共に、該廃棄物の一部
    を燃焼させつつ該燃焼熱により該廃棄物の未乾留部を乾
    留して可燃性ガスを生ぜしめるガス化炉と、該ガス化炉
    からガス通路を介して導入される可燃性ガスを燃焼させ
    る燃焼炉と、該燃焼炉における前記可燃性ガスの燃焼温
    度を検知するガス燃焼温度検知手段と、前記燃焼炉にお
    ける可燃性ガスの自然燃焼が開始された後に前記ガス燃
    焼温度検知手段により検知される該可燃性ガスの燃焼温
    度を予め設定された設定温度に略一定に維持するように
    前記ガス化炉への酸素供給量を調整しつつ前記廃棄物の
    一部の燃焼及び未乾留部の乾留に必要な酸素を該ガス化
    炉に供給する酸素供給手段と、該燃焼炉における前記可
    燃性ガスの燃焼熱を熱源とするボイラ装置とを備えた乾
    留ガス化焼却処理装置において、 前記ボイラ装置に該ボイラ装置で発生される水蒸気の圧
    力を検知する圧力検知手段を設けると共に、 該圧力検知手段で検知される水蒸気圧が予め設定された
    範囲の圧力になるように、前記可燃性ガスの燃焼温度の
    設定温度を変更して制御する設定温度制御手段を設けて
    なることを特徴とする乾留ガス化焼却処理装置。
  2. 【請求項2】前記設定温度制御手段は、前記圧力検知手
    段が前記予め設定された範囲を超える圧力を検知したと
    きに前記可燃性ガスの燃焼温度を予め設定された第1の
    設定温度より低い第2の設定温度に変更する設定温度変
    更手段と、前記可燃性ガスの燃焼温度が該第2の設定温
    度に変更されたのち、前記圧力検知手段が前記予め設定
    された範囲の下限の圧力を検知したときに該第2の設定
    温度を該第1の設定温度に復帰させる設定温度復帰手段
    とからなることを特徴とする請求項1記載の乾留ガス化
    焼却処理装置。
  3. 【請求項3】前記ボイラ装置に、前記圧力検知手段が前
    記予め設定された範囲を超える所定の圧力を検知したと
    きに作動する大気解放弁を設けることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載の乾留ガス化焼却処理装置。
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WO2000012938A1 (fr) * 1998-08-27 2000-03-09 Kinsei Sangyo Co., Ltd. Procede d'elimination de dechets par incineration
JP2012078033A (ja) * 2010-10-04 2012-04-19 Kinsei Sangyo:Kk 乾溜ガス化焼却処理装置
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