JPH09143798A - 特殊形材の枠吊り方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面処理ラインの枠吊り作業において、特殊
形材によるラインの停滞を無くして枠吊り作業の効率を
向上させるとともに、特殊形材の吊り間隔を必要最小限
度に押えて枠利用効率を上げ、全体として生産性の向上
に寄与するような特殊形材の枠吊り方法の提供。 【構成】 アルミニウム押出形材の縦吊り表面処理工程
で、キャリアバーに取り付ける特殊形材の枠吊り方法に
おいて、予め、処理工程ラインの流れに関係のないオフ
ラインで、それぞれの特殊形材の種別に対応して加工処
理設備を導入するとともに、形材１の自由下端部を補助
材２に溶接機３で溶接して固定し、これら形材と補助材
とからなるユニットを作製した後、このユニットを工程
ラインに供給することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はアルミサッシ形材の表面
処理工程において、キャリアバーに吊り下げて枠吊りす
る際の丸物材、薄肉材および小物材を含む特殊形材の枠
吊り方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】アルミニウム押出形材など長尺の形材を
表面処理する方法として、形材を縦吊りにして、種々の
処理槽に浸漬し、陽極酸化や着色を行う縦吊り式表面処
理方法が実用化されている。

【０００３】従来、この表面処理ラインでは、形材を処
理ラインに供給する際はコンベア上に形材を乗せ、形材
同士が所定の間隔を保つようにピッチ分けを行い、形材
の一方の端面（チャッキング端面）に切り込みを入れ、
この切り込みを利用してキャリアバーに取り付けるとい
う方法で行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のこ
の方法では以下のような問題点があった。１つは、例え
ば薄肉材のような形材では、形材を水平に移動させなが
ら一般材にように、のこ刃で切り込みを入れようとして
も肉厚が薄いため切断されてしまって切り込みが形成さ
れないこと、またピッチ分けはストッパーが移動して形
材同士のピッチを固定するのであるが、丸物材はピッチ
を固定しようとしても転がってしまいピッチ分けができ
ないため、このような特殊形材に対しては少なからず人
手を要し、結局枠吊り作業効率を悪化させていた。

【０００５】もう１つは、幅、高さが小さい小物材等の
形材は、前記表面処理ラインで搬送、移動中、形材同士
が重なって不良が発生してしまい、これを防ぐために色
調的には影響のない吊り間隔以上の間隔を必要とし、小
物材の枠吊り効率を悪くしていた。

【０００６】したがって本発明の目的は、表面処理ライ
ンの枠吊り作業において、特殊形材によるラインの停滞
を無くして枠吊り作業効率を向上させるとともに、特殊
形材の吊り間隔を必要最小限度に抑えて枠効率を上げ、
全体として生産性の向上に寄与するような特殊形材の枠
吊り方法を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく研究の結果、枠吊りラインに始まり、表面処
理ラインおよび枠はずしラインと続く表面処理工程にお
いて、従来、一般形材も特殊形材も一貫してラインに投
入して処理されているために前記のような問題点が発生
する点に鑑み、特殊形材を従来の枠吊りラインとは別の
特殊形材処理ラインにおいて、丸物材、薄肉材、小物材
等それぞれに対応して、例えば一定のユニットを作製し
た後で、ユニット化された特殊形材を一般形材と一緒の
従来の枠吊りラインに供給するようにすれば、前記課題
が解決されることを見いだし本発明に到達した。

【０００８】すなわち本発明は、アルミサッシ形材の縦
吊り状態で行う表面処理工程において、丸物材、薄肉材
および小物材を含む特殊形材を表面処理工程に供給した
際に容易にキャリアバーに取り付けられる特殊形材の枠
吊り方法であって、予め、上記表面処理工程の枠吊りラ
インとは別の個所において、複数の該特殊形材が縦吊り
されたときのそれぞれの自由下端部を共通の補助材によ
り溶接で固定し、これらの特殊形材と補助材とからなる
ユニットを好ましくは、その水平方向の幅をアルミ形材
の搬送用積載ラックのそれよりも僅かに小さく作製した
後、このユニットを上記表面処理工程の枠吊りラインに
供給することを特徴とする特殊形材の枠吊り方法を提供
するものである。

【０００９】

【作用】本発明の方法では、表面処理工程の流れに関係
のないオフラインで特殊形材の処理を行うようにしてい
るので、枠吊りラインに導入するのが困難であった設備
をオフラインに導入し、ユニットの作製やキャリアバー
形材把持部への取り付けができるようにしてある。

【００１０】すなわち、薄肉材に対応できるように、曲
げ加工機を有し、図３に示すように、薄肉形材１（同図
ａ）の端部を曲げ加工して（同図ｂ）、キャリアバーの
形材把持部のチャック６およびフック７により把持でき
るようにする（同図Ｃ）。

【００１１】また、丸物材に対応できるため、図２の斜
視図に示すように、コンベア５上に置かれた形材１に対
してガイド棒４によるピッチ分けする装置があり、以上
のキャリアバーへの取り付け部やピッチ分けの準備がで
きた形材に対して、図１の斜視図に示すように、形材１
の自由下端部を溶接機３で補助材２に溶接して固定し、
これら形材と補助材とからなるユニットを作製した後、
このユニットを表面処理工程の枠吊りラインに供給する
ことになる。

【００１２】尚、図４に示すように、ユニット化前の積
載ラック中の形材の側断面を示す同図（ａ）に対して、
同図（ｂ）のように、補助材２と形材１とからなるユニ
ット作製後のユニットの幅は１ｍ以下とすることによ
り、オフラインでの設備スペースをとらないようにし、
かつ搬送用積載ラック８をそのまま利用できるようにし
た。

【００１３】

【実施例】本発明の方法に従って、従来の表面処理ライ
ンの枠吊り方法を改善することにより、以下のような具
体的な成績が得られた。 （１）枠吊り作業効率について：従来、１枠当りの作業
時間が６分／枠であったが、改善後は２．５分／枠とな
り、作業時間において１４０％のスピードアップとなっ
た。 （２）生産性について：特殊形材の１枠当りの生産量で
は、従来８４kg／枠であったが、改善後は１２７kg／枠
に向上し、生産量が５０％アップした。 （３）品質について：従来、特殊形材、特に小物材によ
る重なり不良が全体の０．０８％あったが、改善後は０
％になった。

【００１４】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明の枠吊り
方法によれば、従来、丸物材、薄肉材、小物材などの枠
吊り作業に手間がかかっていたのが、オフラインでそれ
ぞれの特殊形材に対応して加工された後、補助材と組み
合わせたユニットとして表面処理ラインに供給されるの
で、ラインの停滞がなく、枠吊り作業効率が向上し、省
人化が可能となった。また、枠吊りの１枠当りの形材処
理数が多くなって枠効率が向上するとともに、全体の生
産性も上昇した。品質的にも形材の自由下端部が固定さ
れているので、重なり不良が全く発生しなくなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】特殊形材の自由下端部を補助材に溶接で固定し
てユニットを作製する方法を説明する斜視図である。

【図２】丸物形材に対応するためガイド棒によるピッチ
分けを説明する斜視図である。

【図３】同図（ａ）、（ｂ）および（ｃ）は薄肉形材の
曲げ加工によるキャッチング部の作製順序を示す図であ
る。

【図４】同図（ａ）および（ｂ）は特殊形材をユニット
化する前と、ユニット化後における搬送用積載ラック中
の形材を示す側断面図である。

【符号の説明】

１ 形材 ２ 補助材 ３ 溶接機 ４ ガイド棒 ５ コンベア ６ チャック ７ フック ８ 積載ラック

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 洋一 富山県新湊市奈呉の江13番地の３ 富山軽 金属工業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アルミサッシ形材を縦吊り状態で行う表
   面処理工程において、丸物材、薄肉材および小物材を含
   む特殊形材を表面処理工程に供給した際に、容易にキャ
   リアバーに取り付けられる特殊形材の枠吊り方法であっ
   て、予め、上記表面処理工程の枠吊りラインとは別の個
   所において、複数の該特殊形材が縦吊りされたときのそ
   れぞれの自由下端部を共通の補助材により溶接で固定
   し、これらの特殊形材と補助材とからなるユニットを作
   製した後、このユニットを上記表面処理工程の枠吊りラ
   インに供給することを特徴とする特殊形材の枠吊り方
   法。
2. 【請求項２】 前記ユニットの水平方向の幅が、アルミ
   形材の搬送用積載ラックのそれよりも僅かに小さく作製
   されている請求項１記載の特殊形材の枠吊り方法。
3. 【請求項３】 形材と形材の間にガイド棒をはさみ込
   み、それを後で取ることによってピッチ分けを行うピッ
   チ分け方法。