JPH0914298A - 電磁クラッチ - Google Patents

電磁クラッチ

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JPH0914298A
JPH0914298A JP7161172A JP16117295A JPH0914298A JP H0914298 A JPH0914298 A JP H0914298A JP 7161172 A JP7161172 A JP 7161172A JP 16117295 A JP16117295 A JP 16117295A JP H0914298 A JPH0914298 A JP H0914298A
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JP
Japan
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rotating member
side rotating
drive
friction surface
armature
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Pending
Application number
JP7161172A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Kishibuchi
昭 岸淵
Junichi Toyama
淳一 外山
Kiyomi Okuda
清美 奥田
Yasuo Takahara
康男 高原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0914298A publication Critical patent/JPH0914298A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ラジアル軸受にスラスト荷重が作用しない構
造として、ラジアル軸受の長寿命を図った電磁クラッチ
を提供する。 【構成】 反摩擦面2e、2fとステー64の対向面
A、Bとの間に、電磁吸引力が発生させる。この電磁吸
引力による反アーマチャ9方向のスラスト荷重と、弾性
部材の復元力によるアーマチャ9方向のスラスト荷重と
を釣り合わせることにより、ラジアル軸受3に作用する
スラスト荷重を相殺する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁クラッチに関する
もので、自動車用空調装置の冷凍サイクルの圧縮機に用
いて好適である。
【0002】
【従来の技術】この種の電磁クラッチの構造は、例え
ば、特開平3−134325号公報に記載のように、エ
ンジンから駆動力を得て回転するロータと、圧縮機のシ
ャフトに結合されたハブと、ハブに弾性部材(特開平3
−134325号公報では、さらばね)を介して一体に
結合されたアーマチャと、ロータ内に配置された励磁コ
イルとから構成されており、ロータは、その中心部に圧
入されたラジアル軸受によって、回転可能に支持されて
いる。
【0003】上述のような構成において、励磁コイルに
通電されると、ロータが磁化され、これによりアーマチ
ャがロータに吸引されて、ロータとアーマチャとが一体
となって回転し、エンジンの駆動力が圧縮機に伝達され
る。また、通電が遮断されると、ロータが消磁し、弾性
部材の復元力によって、アーマチャはロータから切り離
され、圧縮機へのエンジン駆動力伝達が遮断される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ロータはエ
ンジンからの駆動力を受けて常時回転しているので、こ
のロータを回転可能に支持するラジアル軸受の寿命低下
は、自動車用空調装置の寿命低下にも繋がり、従来から
ラジアル軸受の長寿命化は、重大な課題であった。
【0005】そこで、発明者等が、種々の研究調査した
ところ、ラジアル軸受の寿命低下の原因として、以下の
点が明らかになった。すなわち、エンジンの駆動力が圧
縮機に伝達されている時には、上述のように、アーマチ
ャがロータに吸引されているので、弾性部材が弾性変形
する。したがって、エンジンの駆動力が圧縮機に伝達さ
れている時には、弾性部材の復元力によって、ロータ
に、アーマチャ側に引っ張られるような回転軸方向荷重
(アーマチャ方向のスラスト荷重)が作用するので、こ
れを支持するラジアル軸受にも、アーマチャ方向のスラ
スト荷重が作用していた。
【0006】以上のように、従来の電磁クラッチでは、
ラジアル軸受に弾性部材の復元力によるスラスト荷重が
作用していたので、ラジアル軸受のインナーレースまた
はアウターレースが偏磨耗し、その結果ラジアル軸受の
寿命低下という問題が生じていた。本発明は、上記のよ
うな研究調査結果に基づき、ラジアル軸受にスラスト荷
重が作用しない構造として、ラジアル軸受の長寿命を図
った電磁クラッチを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、以下の技術的手段を用いる。請求項1に記載
の発明では、回転駆動源からの回転力を受けて回転する
とともに、回転軸方向一端側に摩擦面(2a)を有する
磁性体製の駆動側回転部材(2)と、前記駆動側回転部
材(2)を回転可能に支持するラジアル軸受(3)と、
前記ラジアル軸受(3)の回転軸と中心軸が一致するよ
うに配置された励磁コイル(62)と、前記駆動側回転
部材(2)内に前記駆動側回転部材(21、22)と所
定の空隙(g2、g3)を介在して配置され、前記励磁
コイル(62)を収納する磁性体製のコイルハウジング
(61)と、前記コイルハウジング(61)と一体に構
成され、前記励磁コイルハウジング(61)を支持する
磁性体製のステー(64)と、前記駆動側回転部材
(2)の前記摩擦面(2a)に対向配設され、前記励磁
コイル(62)の通電によって、前記摩擦面(2a)に
発生する電磁吸引力により前記駆動側回転部材(2)の
前記摩擦面(2a)に吸着される磁性体製のアーマチャ
(9)と、従動側機器(4)の回転軸に連結される従動
側回転部材(13)と、前記従動側回転部材(13)と
前記アーマチャ(9)との間を連結するように配設さ
れ、かつ弾性変形可能な弾性部材(12)を有する連結
機構(10)とを備え、前記ステー(64)は、前記駆
動側回転部材(2)の回転軸方向端面うち、前記摩擦面
と反対側に位置する反摩擦面端面(2e、2f)との間
に、所定の空隙(g)を介在して対向する対向面(A、
B)を有し、前記励磁コイル(62)に通電されたと
き、前記駆動側回転部材(2)および前記ステー(6
4)は、前記励磁コイル(62)と鎖交する磁束の磁路
の一部を形成するように構成されていることを特徴とす
る。
【0008】請求項2に記載の発明によれば、回転駆動
源からの回転力を受けて回転するとともに、回転軸方向
一端側に摩擦面(2a)を有する磁性体製の駆動側回転
部材(2)と、前記駆動側回転部材(2)を回転可能に
支持するラジアル軸受(3)と、前記ラジアル軸受
(3)の回転軸と中心軸が一致するように配置された励
磁コイル(62)と、前記駆動側回転部材(2)内に前
記駆動側回転部材(21、22)と所定の空隙(2e、
2f)を介在して配置され、前記励磁コイル(62)を
収納する磁性体製のコイルハウジング(61)と、前記
コイルハウジング(61)と一体に構成され、前記励磁
コイルハウジング(61)を支持する磁性体製のステー
(64)と、前記駆動側回転部材(2)の前記摩擦面
(2a)に対向配設され、前記励磁コイル(62)の通
電によって、前記摩擦面(2a)に発生する電磁吸引力
により前記駆動側回転部材(2)の前記摩擦面(2a)
に吸着される磁性体製のアーマチャ(9)と、従動側機
器(4)の回転軸に連結される従動側回転部材(13)
と、前記従動側回転部材(13)と前記アーマチャ
(9)との間を連結するように配設され、かつ弾性変形
可能な弾性部材(12)を有する連結機構(10)とを
備え、前記ステー(64)は、前記駆動側回転部材
(2)の回転軸方向端面うち、前記摩擦面(2a)と反
対側に位置する反摩擦面端面(2e、2f)との間に、
所定の空隙(g)を介在して対向する対向面(A、B)
を有し、前記アーマチャ(9)が前記摩擦面(2a)に
吸着されたことにより前記弾性部材(12)が弾性変形
したとき、前記駆動側回転部材(2)の前記反摩擦面端
面(2e、2f)および前記ステー(64)の前記対向
面(A、B)との間には、前記弾性部材(12)の復元
力と同程度の電磁吸引力が発生するように構成されてい
ることを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
または2に記載の電磁クラッチにおいて、前記反摩擦面
端面(2e、2f)と前記ステー(64)の前記対向面
(A、B)との間の空隙(g)寸法は、前記駆動側回転
部材(21、22)と前記コイルハウジング(61)と
の間の空隙(g2、g3)寸法と、ほぼ等しい微小空隙
に設定されていることを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
ないし3のいずれか1つに記載の電磁クラッチにおい
て、前記ステー(64)は、前記駆動側回転部材(2)
の径方向外縁部まで伸びた外縁部を有する形状に形成さ
れていることを特徴とする。請求項5に記載の発明によ
れば、請求項1ないし4のいずれか1つ記載の電磁クラ
ッチにおいて、前記駆動側回転部材(2)は、自動車エ
ンジンからの回転力を受けて回転するように構成されて
おり、前記従動側機器(13)は自動車用空調装置の冷
凍サイクルの圧縮機(4)であることを特徴とする。
【0011】なお、上記各手段のカッコ内の符号は、後
述する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0012】
【発明の作用効果】請求項1〜5に記載の発明によれ
ば、ステーは、駆動側回転部材の回転軸方向端面うち、
摩擦面と反対側の反摩擦面端面との間に、所定の空隙を
介在して対向する対向面を有しており、かつ磁束は、ス
テーの対向面から空隙を貫いて反摩擦面端面に流れ、若
しくは、その逆向きに流れるので、反摩擦面端面と対向
面との間には電磁吸引力が発生する。そして、このステ
ーは、駆動側回転部材に対して反アーマチャ側に設けら
れているので、この駆動側回転部材には、電磁吸引力に
よって反アーマチャ方向の回転軸方向荷重(反アーマチ
ャ方向のスラスト荷重)が作用する。
【0013】したがって、電磁吸引力による反アーマチ
ャ方向のスラスト荷重と、弾性部材の復元力によるアー
マチャ方向のスラスト荷重とを釣り合わせることによ
り、ラジアル軸受に作用するスラスト荷重を相殺するこ
とができる。延いては、ラジアル軸受の長寿命化を図る
ことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。図1において、1は駆動側プーリで、図示しない
ベルトを介して自動車エンジンから回転力を受けて回転
するものである。このプーリ1は多重Vベルトが係合さ
れる多重V溝を持ったプーリ部1aが一体形成されてお
り、鉄系金属で製作されている。
【0015】2は断面コの字形状の2重リング形状に形
成された駆動側ロータ(駆動側回転部材)で、鉄系金属
(強磁性体)で製作されており、プーリ1とは溶接等の
接合手段で一体に接合されている。このロータ2の内周
部には、ラジアル軸受3が配置され、このラジアル軸受
3によりロータ2は圧縮機4のフロントハウジング5の
円筒突出部5a上に回転自在に支持されている。ここ
で、圧縮機4は自動車用空調装置の冷凍サイクルの冷媒
圧縮用のものであって、公知の斜板型、ベーン型、スク
ロール型等のいずれのタイプでもよい。
【0016】6は電磁吸引力を発生する電磁手段をなす
ステータ部、61はこのステータ部6のコイルハウジン
グ(固定磁極部材)で、断面コの字形状の2重リング形
状に鉄系金属(強磁性体)で形成されている。このコイ
ルハウジング61の内部には励磁コイル62およびその
巻枠62aが収納され、樹脂部材63により絶縁固定さ
れている。
【0017】64は、ステータ部6を前記圧縮機4のフ
ロントハウジング5に保持固定するためのステーで、溶
接等の手段によってコイルハウジング61に一体に接合
されている。このステー64は、ラジアル軸受の回転軸
方向断面に対して面対称な形状になるように、中央部に
円形穴64aを有する略円盤形状(リング状)に形成さ
れて、摩擦面2aと反対側ロータ面(反摩擦面)2e、
2fとの間に、所定の空隙gを介して対向している。そ
して、反摩擦面2e、2fと対向する対向面A、Bの面
積が大きくなるように、ステー64の外縁部は、ロータ
2の径方向外縁部まで達している。
【0018】ところで、ステー64の材質は、磁化特性
に優れ、且つ所望の機械的強度を有する鉄系金属(冷間
圧延鋼板)製である。また、7は、ステー64をフロン
トハウジング5に固定するサークリップであり、7a
は、サークリップ7をはめ込む凹溝である。8は励磁コ
イル62のリード線を外部回路に電気的に接続するため
のコネクタで、ステータ6に一体に具備されている。
【0019】前記ロータ2の半径方向に延びる摩擦面2
aには円周方向に延びる円弧状の磁気遮断溝2b、2c
が形成してあり、さらに半径方向外方の磁気遮断溝2b
の部位には摩擦材2dが配設され、伝達トルクの向上を
図るようにしてある。9はロータ2の摩擦面2aに対向
して配設されたアーマチャで、リング状の平板形状に鉄
系金属(強磁性体)で形成されている。このアーマチャ
9は励磁コイル62の非通電時にはロータ2の摩擦面2
aから所定の微小距離離れた位置(図1に示す位置)に
保持されるようになっている。このアーマチャ9にも円
周方向に延びる円弧状の磁気遮断溝9aが形成されてい
る。
【0020】10は鉄系金属からなるリベット(連結機
構)で、アーマチャ9を鉄系金属からなるリング状の保
持部材11に固定するためのものである。12はゴムに
て円筒状に成形された弾性部材で、前記保持部材11の
円筒部11aの内周面と、ハブ13(従動側回転部材の
円筒部13aの外周面との間に配置され、この両部材1
1、13に対して一体成形されて一体に結合されてい
る。
【0021】この弾性部材12の材質としては、自動車
の使用環境温度範囲(−30°C〜120°)に対し
て、トルク伝達およびトルク変動吸収の面で優れた特性
を発揮するゴムを用いることが好ましい。この弾性部材
12はその弾性力によりアーマチャ9を励磁コイル62
の非通電時にロータ2の摩擦面2aから所定の微小距離
離れた位置に保持する役割を果たすとともに、通電時に
回転方向のトルク変動吸収の役割を果たす。
【0022】前記ハブ13は鉄系金属にて形成されてお
り、その中心部にも円筒部13bを有し、この中心円筒
部13bにて圧縮機4の回転軸(図示せず)にボルト等
によりねじ止め固定されている。これにより、ハブ13
は圧縮機4の回転軸に一体に結合されている。次に、上
述の電磁クラッチの組付けについて述べる。
【0023】先ず、ステータ部6をステー64を介し
て、圧縮機4のフロントハウジング5に組付ける。具体
的には、円形穴64a周縁部にて圧縮機4のフロントハ
ウジング5の円形外周面に嵌合し、凹溝7aにサークリ
ップ7をはめ込む。そして、ロータ2の内側リング21
にラジアル軸受3のアウターレース31が圧接するよう
に、ラジアル軸受3をロータ2の中心部に圧入する。そ
して、ラジアル軸受3のインナーレース32が、フロン
トハウジング5の円筒突出部5aの円筒面に圧接するよ
うに、ラジアル軸受3が円筒突出部5aに圧入する。そ
して、インナーレース32端部を抑えるようにサークリ
ップ71を円筒突出部5aに設けられて凹溝71aには
め込む。
【0024】次に、アーマチャ9をリベット10を用い
て保持部材11に組付ける。そして、保持部材11(ハ
ブ13)の中心円筒部13bを圧縮機4の回転軸に挿入
し、薄い座がね状のシム13cによって、摩擦面2aと
アーマチャ9との間の空隙g1を所定寸法に調整した
後、ボルト13dによって固定する。次に、上述の構成
において本実施例の作動を説明する。
【0025】図示しない自動車エンジンのクランクプー
リの回転はベルト(図示せず)を介してプーリ1に伝達
され、このプーリ1と一体にロータ2は常時回転してい
る。上記の状態において、自動車用空調装置を作動させ
るため、外部回路からコネクタ8を介して励磁コイル6
2に通電されると、図2(図2は、電磁クラッチの反断
面図を示しており、ハッチングは省略した。)に示す模
式図のように、内側リング21から、ロータ2の内側リ
ング21から空隙gを貫いてステー64に流れ、再び空
隙gを貫いてロータ2の外側リング22に流れ、そして
摩擦面2aおよびアーマチャ9を経て、再び内側リング
21至る磁束ループWb1と、内側リング21から、内
側リング21とコイルハウジング61との空隙g2を貫
いてコイルハウジング61に流れ、コイルハウジング6
1と外側リング22との空隙g3を貫いて外側リング2
2に流れ、摩擦面2aおよびアーマチャ9を経て再び内
側リング21至る磁束ループWb2とが発生する。(磁
束ループWb1、Wb2は、磁束流れのイメージを表し
ており、磁力線ではない。)因みに、本実施例では、空
隙g、g2、g3は、ほぼ等しく0.3mm程度であ
る。
【0026】これにより、ロータ2の摩擦面2aとアー
マチャ9との間に電磁吸引力が発生するので、アーマチ
ャ9は弾性部材12の軸方向弾性力(図1の左方向への
力)に抗してロータ2の摩擦面2aに吸引、吸着され
る。この結果、ロータ2とアーマチャ9が一体となって
回転し、さらにアーマチャ9はリベット10、保持部材
11、弾性リング体12およびハブ13と一体に回転す
る。
【0027】従って、ハブ13を介して圧縮機4の回転
軸にプーリ1の回転が伝達され、圧縮機4が作動する。
一方、自動車用空調装置を停止するときは、励磁コイル
62への通電を遮断する。これにより、前記電磁吸引力
が消滅するので、アーマチャ9は弾性部材12の軸方向
弾性力によりロータ2の摩擦面2aから離れ、圧縮機4
の回転軸への回転伝達が遮断されるため、圧縮機4が停
止する。
【0028】因みに、従来の電磁クラッチでは、ステー
64には、ロータ2の反摩擦面2e、2fと対向する対
向面A、Bがなかったので、磁束の流れは、図3に示す
模式図のように、磁束ループWb2のみであった。次に
上述の電磁クラッチの特徴を述べる。ステー64は、ロ
ータ2の回転軸方向端面うち、摩擦面2aと反対側の反
摩擦面2e、2fとの間に、所定の空隙gを介在して対
向する対向面A、Bを有しており、かつ磁束は、ステー
64の対向面A、Bから空隙gを貫いて反摩擦面2e、
2f、若しくは、その逆向きに流れる(磁束ループWb
1)ので、反摩擦面2e、2fと対向面A、Bとの間に
は電磁吸引力が発生する。そして、このステー64は、
ロータ2に対して反アーマチャ9側に設けられているの
で、ロータ2には、この電磁吸引力によって反アーマチ
ャ9方向の回転軸方向荷重(反アーマチャ9方向のスラ
スト荷重)が作用する。
【0029】したがって、電磁吸引力による反アーマチ
ャ9方向のスラスト荷重と、弾性部材の復元力によるア
ーマチャ9方向のスラスト荷重とを釣り合わせることに
より、ラジアル軸受3に作用するスラスト荷重を相殺す
ることができる。延いては、ラジアル軸受3の長寿命化
を図ることができる。また、ステー64は、ラジアル軸
受3の回転軸方向断面に対して面対称な対向面A、Bを
有しているので、反摩擦面2e、2f側に発生する吸引
力は、ラジアル軸受3の回転軸方向断面に対して面対称
なる。したがって、ロータ2に対して、ラジアル軸受3
の回転軸に直角な軸周りのモーメントが発生をしないの
で、このモーメントによるスラスト成分荷重が発生せ
ず、延いては、ラジアル軸受3の長寿命化をより一層図
ることができる。
【0030】さらに、前述のように、従来の電磁クラッ
チでは、磁束の流れは、コイルハウジング61からロー
タ2に流れる磁束ループWb2であったが、本実施例で
は、磁束ループWb2に加えて、ステー64からロータ
2に流れる磁束ループWb1が発生する(パーミアンス
が大きくなる)ので、アーマチャ9に流れる磁束が増加
し、アーマチャ9に作用する吸引力を大きくすることが
できる。また逆に、アーマチャ9作用する吸引力を一定
(従来と同等)とするならば、パーミアンスを一定(従
来と同等)とすればよいので、内側リング21および外
側リング22とコイルハウジン61との対向面積を小さ
くすることができる。したがって、電磁クラッチの回転
軸方向の寸法を小さくすることができる。
【0031】ところで、上述の実施例では、反摩擦面2
e、2fと対向する対向面A、Bを2ヵ所設けたが、対
向面AまたはBのどちらか片方のみでも、本発明を実施
することができる。また、弾性部材は、ゴム12に限ら
れるものではなく、金属バネまた樹脂製バネを用いても
本発明を実施することができる。
【0032】さらに、ステー64の形状は、円盤状に限
られるものではなく、ラジアル軸受3の回転軸方向断面
に対して面対称な対向面を有しておれば良く、例えば、
矩形形状または多角形状でも本発明を実施することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の軸方向断面図である。
【図2】本実施例に係る電磁クラッチの磁束流れを模式
図である。
【図3】従来の電磁クラッチの磁束流れを模式図であ
る。
【符号の説明】
1…プーリ、2…ロータ、21…内側リング、22…外
側リング、2a…摩擦面、2e、2f…反摩擦面(反摩
擦面端面)、3…ラジアル軸受、61…コイルハウジン
グ、62…励磁コイル、64…ステー、9…アーマチ
ャ、12…弾性部材、A、B…対向面、g、g1、g
2、g3…空隙。
フロントページの続き (72)発明者 高原 康男 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動源からの回転力を受けて回転す
    るとともに、回転軸方向一端側に摩擦面を有する磁性体
    製の駆動側回転部材と、 前記駆動側回転部材を回転可能に支持するラジアル軸受
    と、 前記ラジアル軸受の回転軸と中心軸が一致するように配
    置された励磁コイルと、 前記駆動側回転部材内に前記駆動側回転部材と所定の空
    隙を介在して配置され、前記励磁コイルを収納する磁性
    体製のコイルハウジングと、 前記コイルハウジングと一体に構成され、前記励磁コイ
    ルハウジングを支持する磁性体製のステーと、 前記駆動側回転部材の前記摩擦面に対向配設され、前記
    励磁コイルの通電によって、前記摩擦面に発生する電磁
    吸引力により前記駆動側回転部材の前記摩擦面に吸着さ
    れる磁性体製のアーマチャと、 従動側機器の回転軸に連結される従動側回転部材と、 前記従動側回転部材と前記アーマチャとの間を連結する
    ように配設され、かつ弾性変形可能な弾性部材を有する
    連結機構とを備え、 前記ステーは、前記駆動側回転部材の回転軸方向端面う
    ち、前記摩擦面と反対側に位置する反摩擦面端面との間
    に、所定の空隙を介在して対向する対向面を有し、 前記励磁コイルに通電されたとき、前記駆動側回転部材
    および前記ステーは、前記励磁コイルと鎖交する磁束の
    磁路の一部を形成するように構成されていることを特徴
    とする電磁クラッチ。
  2. 【請求項2】 回転駆動源からの回転力を受けて回転す
    るとともに、回転軸方向一端側に摩擦面を有する磁性体
    製の駆動側回転部材と、 前記駆動側回転部材を回転可能に支持するラジアル軸受
    と、 前記ラジアル軸受の回転軸と中心軸が一致するように配
    置された励磁コイルと、 前記駆動側回転部材内に前記駆動側回転部材と所定の空
    隙を介在して配置され、前記励磁コイルを収納する磁性
    体製のコイルハウジングと、 前記コイルハウジングと一体に構成され、前記励磁コイ
    ルハウジングを支持する磁性体製のステーと、 前記駆動側回転部材の前記摩擦面に対向配設され、前記
    励磁コイルの通電によって、前記摩擦面に発生する電磁
    吸引力により前記駆動側回転部材の前記摩擦面に吸着さ
    れる磁性体製のアーマチャと、 従動側機器の回転軸に連結される従動側回転部材と、 前記従動側回転部材と前記アーマチャとの間を連結する
    ように配設され、かつ弾性変形可能な弾性部材を有する
    連結機構とを備え、 前記ステーは、前記駆動側回転部材の回転軸方向端面う
    ち、前記摩擦面と反対側に位置する反摩擦面端面との間
    に、所定の空隙を介在して対向する対向面を有し、 前記アーマチャが前記摩擦面に吸着されたことにより前
    記弾性部材が弾性変形したとき、前記駆動側回転部材の
    前記反摩擦面端面および前記ステーの前記対向面との間
    には、前記弾性部材の軸方向復元力と同程度の電磁吸引
    力が発生するように構成されていることを特徴とする電
    磁クラッチ。
  3. 【請求項3】 前記反摩擦面端面と前記ステーの前記対
    向面との間の空隙寸法は、前記駆動側回転部材と前記コ
    イルハウジングとの間の空隙寸法と、ほぼ等しい微小空
    隙に設定されていることを特徴とする請求項1または2
    に記載の電磁クラッチ。
  4. 【請求項4】 前記ステーは、前記駆動側回転部材の径
    方向外縁部まで伸びた外縁部を有する形状に形成されて
    いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つ
    に記載の電磁クラッチ。
  5. 【請求項5】 前記駆動側回転部材は、自動車エンジン
    からの回転力を受けて回転するように構成されており、 前記従動側機器は自動車用空調装置の冷凍サイクルの圧
    縮機であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれ
    か1つ記載の電磁クラッチ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002340036A (ja) * 2001-05-22 2002-11-27 Zexel Valeo Climate Control Corp 電磁クラッチ
JP2008544169A (ja) * 2005-06-10 2008-12-04 ワーナー エレクトリック テクノロジー リミテッド ライアビリティ カンパニー 回転電磁結合装置
WO2022158206A1 (ja) * 2021-01-20 2022-07-28 株式会社デンソー 電磁クラッチ

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