JPH09142693A - 用紙搬送用モータの制御装置 - Google Patents

用紙搬送用モータの制御装置

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JPH09142693A
JPH09142693A JP7296747A JP29674795A JPH09142693A JP H09142693 A JPH09142693 A JP H09142693A JP 7296747 A JP7296747 A JP 7296747A JP 29674795 A JP29674795 A JP 29674795A JP H09142693 A JPH09142693 A JP H09142693A
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motor
torque
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feed roller
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JP7296747A
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English (en)
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Kenji Terao
健司 寺尾
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Panasonic System Solutions Japan Co Ltd
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Matsushita Graphic Communication Systems Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原稿を読取ヘッド3に押し付けながら搬送す
る送りローラ5を駆動するモータを、用紙搬送に要する
トルクよりわずかに大きいトルクを出力するように制御
する装置を提供する。 【解決手段】 原稿の読み取り走査に先立って、送りロ
ーラ5と読取ヘッド3の間に原稿先端をはさみ込んだ状
態で、モータを低いトルク指令値によって駆動し、原稿
が正しく送られているか否かによってモータが正常に回
転したか否かを判断し、正常でない場合には、少し高い
トルク指令値によって駆動し、モータが正常に回転した
か否かを判断するという動作を繰り返し、モータの動作
が正常となった時のトルク指令値を走査用のトルク指令
値と設定し、その後、原稿を元の位置に引き戻し、その
トルク指令値でモータを駆動し、原稿の読み取り走査を
行う構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、読取ヘッドの原稿
支持面に送りローラで原稿を押し付けて搬送する装置、
或いは記録ヘッドの記録紙支持面に送りローラで記録紙
を押し付けて搬送する装置のように、静止した支持面に
用紙を押し付けて送りローラで搬送する装置において、
その送りローラを駆動する用紙搬送用のモータを制御す
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図16に示す構成の読取装置が知
られている。図16において、1はペーパーパス、2は
原稿の有無を検出する入口センサ、3は原稿の画像を読
み取る密着型イメージセンサ等の読取ヘッド、4は原稿
支持面を形成するガラス、5は原稿をガラス4に押し付
けながら搬送する送りローラ、6は排出ローラである。
この構成の読取装置における動作は次のように行われ
る。すなわち、操作者が原稿をペーパーパス1に沿っ
て、読取ヘッド3と送りローラ5の間に挿入すると、、
入口センサ2がそれを検知し、送りローラ5に連結され
ているモータ(図示せず)を作動させて、送りローラ5
を回転させ、原稿先端をA点から、読取ヘッド3と送り
ローラ5のニップ点を通りすぎた位置のB点まで搬送す
る。その後、読取ヘッド3による読み取りが開始され、
原稿は記載内容を読取ヘッド3で読み取られながら、送
りローラ5により左方向に搬送され、排出ローラ6で排
出される。
【0003】この装置において、送りローラ5は常時、
読取ヘッド3に押し付けられており、先端をA点に位置
させてセットされた原稿が読取ヘッド3と送りローラ5
の間に完全に挟み込まれるまでの間、及び原稿後端が読
取ヘッド3と送りローラ5の間を外れた後、排出ローラ
6によって完全に排出されるまでの間、送りローラ5は
読取ヘッド3のガラス4の表面に押し付けられた状態で
回転している。従って、送りローラ5の回転状況として
は、原稿をガラス4に押し付けて搬送しながら回転する
状態と、直接ガラス4に接触しながら回転する状態があ
る。ところで、原稿のガラス4に対する摩擦係数はきわ
めて小さいが、送りローラ5は原稿との摩擦係数を大き
くするため周面をゴム材料で構成しており、従って、送
りローラ5のガラス4に対する摩擦係数はきわめて大き
くなっている。このため、送りローラ5が原稿を搬送中
の状態に比べて、ガラス4に接触して回転する状態で
は、その送りローラ5の回転に要するトルクがきわめて
大きくなっており、モータ容量は、その大きいトルクを
出力できるように設定されている。そして、モータは常
に、その大きいトルクを出力する状態で運転されてい
た。
【0004】しかしながら、このようにモータを常時、
大きい出力トルクで運転していると、送りローラ5と読
取ヘッド3との間に原稿が挟み込まれ、送りローラ5の
回転に要する負荷がきわめて小さくなった時には、出力
トルクが過剰となり、余分な電力を消費し、且つ、余分
な出力のために騒音や振動が発生するという問題があっ
た。
【0005】そこで、この問題を解決するものとして、
送りローラ5と読取ヘッド3との間に原稿が挟み込まれ
ている時には、モータの駆動電圧を下げ、出力トルクを
低下させるという制御を行うことが、特開平6−379
93号公報に提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この特
開平6−37993号公報に提案のものにも問題があっ
た。すなわち、一般に読取装置で読み取られる原稿には
各種幅サイズのものがあり、図17(a)に示すよう
に、広い幅の原稿9aを搬送する場合には、送りローラ
5はガラス4にほとんど接触せず、送りローラ5の回転
に要するトルクは小さいが、図17(b)に示すよう
に、狭い幅の原稿9bを搬送する場合には、送りローラ
5の原稿9bよりも外側に位置する部分がガラス4に接
触してしまい、送りローラ5の回転に要するトルクが大
きくなる。従って、送りローラ5と読取ヘッド3との間
に原稿が挟み込まれている時のモータの出力トルクを、
原稿が無い場合よりも低い一定のトルクとしても、原稿
幅によってはそのトルクが不足し、送りローラ5が回転
せず、原稿送りができなくなるとか、逆にトルクが大き
すぎて、振動や騒音を生じるという問題があった。
【0007】更に、モータの出力トルクはモータの駆動
電圧を一定としていても常時一定とはならず、モータの
温度、モータの固有差、駆動回路の固有差、等により変
化し、また、駆動負荷(送りローラ5の回転に要するト
ルク)も上記原稿サイズの他に、送りローラ表面のゴム
の摩擦係数のばらつき、ゴム表面の汚れ付着、原稿自体
のガラスとの摩擦係数等により変化する。以上のよう
に、実際の駆動負荷及びモータ出力は、様々な要因で変
化しており、従って、単に、送りローラ5と読取ヘッド
3との間に原稿が挟み込まれている時と挟み込まれてい
ない時とでモータの駆動電圧を変化させるのみの制御で
は、送りローラ5を最適なトルクで駆動しているとは言
えない。
【0008】これらの問題点は、読取装置のみならず、
記録ヘッドの記録紙支持面に送りローラで記録紙を押し
付けて搬送する形式の記録装置においても生じており、
要するに、静止した支持面に用紙を押し付けて送りロー
ラで搬送する形式の装置に生じている。
【0009】本発明は、上述の問題点に鑑みて為された
もので、モータの出力トルクの変動や、駆動負荷の変動
があっても、常時、送りローラに必要最小限のトルクを
付与するように、モータの出力トルクを制御することの
可能な用紙搬送用のモータの制御装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するため、送りローラを回転駆動するためのモータを
運転した時、そのモータが正常に動作しているか否かを
検出することの可能な運転状況検出手段を設けておき、
制御手段によって、前記モータに複数の異なる出力指令
値を順次出力し、そのモータを各出力指令値に基づいて
順次運転し、その運転中、前記運転状況検出手段からの
信号に基づいて、前記モータが正常に動作しているか否
かを検出し、前記した複数の出力指令値のうち、モータ
が正常に動作しうる最低のトルクに対応した出力指令値
を選び出し、それを基準として、定常運転用の定常出力
指令値を設定し、その定常出力指令値に基づいて前記モ
ータを運転するという構成としたものである。
【0011】この発明によれば、モータの定常運転に先
立って、モータを異なる出力指令値によってテスト的に
運転し、モータを正常に運転しうる最低のトルクに対応
した出力指令値を選び出し、それを基準として定常運転
用の定常出力指令値を設定できるので、モータの出力ト
ルクの変動や、駆動負荷の変動にかかわらず、送りロー
ラに実際に要求されるトルクに応じた出力トルクとなる
ようにモータを運転でき、従って、余分なモータ出力発
生による余分な電力消費や、振動、騒音の発生を防止し
且つモータ出力不足による送りローラの回転不良も防止
した用紙搬送用モータの制御装置が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】本願の請求項1に記載の発明は、
静止した支持面に押し付けられるように配置され、前記
支持面との間に挿入された用紙を搬送する送りローラを
回転駆動するモータの制御装置であって、前記モータを
動作させる制御手段と、前記モータが正常に動作してい
るか否かを検出する運転状況検出手段を備え、前記制御
手段が、前記モータに複数の異なる出力指令値を順次供
給し、そのモータを各出力指令値に基づいて順次運転
し、その運転中、前記運転状況検出手段からの信号に基
づいて前記モータが正常に動作しているか否かを検出
し、複数の出力指令値のうち、前記モータを正常に動作
させうる最低のトルクに対応した出力指令値を選び出
し、その出力指令値を基準として、定常運転用の定常出
力指令値を設定し、その定常出力指令値に基づいて前記
モータを運転するように構成されていることを特徴とす
るものであり、モータの正常運転に先立って、制御手段
が、モータに順次異なる出力指令値を送ってモータを異
なる出力となるようにテスト的に順次運転し、運転状況
検出手段がモータの各出力での運転時に正常か否かを検
出し、制御手段が運転状況検出手段からの信号に基づい
て、モータが正常に運転されている時の最低のトルクに
対応した出力指令値を選び出し、且つそれを基準として
定常運転用の定常出力指令値を設定し、その後その定常
出力指令値をモータに送ってモータを運転することがで
き、従って、モータの出力トルクの変動や、駆動負荷の
変動にかかわらず、送りローラの回転に実際に要求され
るトルクに応じた出力トルクとなるようにモータを定常
運転することができる。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記複数の異なる出力指令値が、出力
トルクを異ならせる複数のトルク指令値であることを特
徴とするものであり、モータを正常運転しうる最低のト
ルク指令値を選び出し、そのトルク指令値を基準として
定常運転時のトルク指令値を設定し、そのトルク指令値
でモータを運転することができ、これにより、モータを
必要最小限の出力トルクで運転することが可能となる。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、前記複数の異なる出力指令値が、速度
を異ならせる複数の速度指令値であることを特徴とする
ものであり、モータを異なる速度で運転することで、そ
のモータの出力トルクを変えた運転を行い、モータを正
常運転しうる最低の出力トルクに対応する速度指令値
(高速側の速度指令値)を選び出し、その速度指令値を
基準として定常運転時の速度指令値を設定し、その速度
指令値でモータを運転することができ、これにより、モ
ータを必要最小限の出力トルクで且つ高速で運転するこ
とが可能となる。
【0015】請求項4に記載の発明は、上記した請求項
1から3のいずれかに記載の発明において、前記運転状
況検出手段が、送りローラから離れた位置に配置した用
紙検出手段を備え、モータ運転開始時から所定時間経過
後に、前記用紙検出手段が用紙を検出するか否かによっ
て、モータが正常に動作しているか否かを検出すること
を特徴とするものであり、単に、モータ運転開始時から
所定時間経過後に前記用紙検出手段の信号がオンかオフ
かを判定することで、モータの動作が正常か否かを判定
できる。
【0016】請求項5に記載の発明は、上記した請求項
1から3のいずれかに記載の発明において、前記運転状
況検出手段が、送りローラに連動して回転するように設
けられ、スリットを有する回転板と、前記スリットの通
過を検出するセンサユニットを有し、そのセンサユニッ
トで前記回転板の回転速度を検出し、モータが正常に動
作しているか否かを検出することを特徴とするものであ
り、送りローラの回転速度を検出することでモータの動
作が正常か否かを判定でき、従って、送りローラが用紙
の搬送中の状態であっても、単に支持面に接触して回転
している状態であっても、モータの運転が正常か否かを
判定でき、このため、送りローラが用紙の搬送中の状態
であっても、単に支持面に接触して回転している状態で
あっても、モータを異なる出力トルクとなるようにテス
ト的に運転して、モータを正常に運転しうる最低出力ト
ルクに対応した運転条件を判断でき、いずれの状態の時
にもモータを必要最小限の出力トルクとなるように運転
することができる。
【0017】請求項6に記載の発明は、上記した各発明
において、支持面が用紙の情報を読み取る読取ヘッドの
原稿支持面であることを特徴としており、これにより原
稿の読取装置における用紙搬送用のモータを最適な出力
状態で運転するように制御できる。
【0018】以下、本発明の実施の形態1、2、3につ
いて、図1〜図15を用いて詳細に説明する。
【0019】(実施の形態1)図1は本発明の実施の形
態1による用紙搬送用モータの制御装置を備えた読取装
置を示す概略側面図であり、図16示す従来例と同一部
品には同一符号を付している。図1において、1はペー
パーパス、2は原稿の有無を検出する入口センサ、3は
原稿の画像を読み取る密着型イメージセンサからなる読
取ヘッド、4は原稿支持面を形成するガラス、5は原稿
をガラス4に押し付けながら搬送する送りローラ、6は
排出ローラである。この送りローラ5と排出ローラ6と
の間には、ペーパーパス1上の原稿の有無を検出する中
間センサ11が設けられている。この中間センサ11
は、後述するようにモータの運転が正常か否かの検出に
使用されるものであり、運転状況検出手段を構成する。
なお、説明の便宜上、読取ヘッド3と読取ローラ5の接
触点の少し手前をA点、少し後ろをB点、中間センサ1
1による原稿検出位置をC点、排出ローラ6のニップ点
をD点、入口センサ2による原稿検出位置をE点とす
る。
【0020】図2は図1に示す読取装置に設けている用
紙搬送用モータの制御装置の回路ブロック図であり、入
口センサ2、読取ヘッド3、中間センサ11は図1に示
すものと同一である。12は装置全体を制御するコント
ローラである。読取ヘッド3はコントローラ12からの
スタート信号により起動され、LED光源により照明さ
れた原稿9からの反射光を受光し、原稿読み取り情報を
画信号としてコントローラ12に出力する。14はモー
タであり、送りローラ5及び排出ローラ6を回転駆動す
るように連結されている。15はモータ14を駆動する
モータドライバであり、コントローラ12からの駆動信
号とトルク信号によりモータ14を駆動する構成となっ
ている。この実施の形態1では、モータ14としてパル
スモータが使用されており、モータドライバ15は定電
流ドライバであり、トルク信号は、モータコイルの定電
流回路の比較電圧に相当する。16はNiCd電池等の
電池部であり、DC/DC電源17を通して各部に電力
を供給する。また、電池部16から電池電圧を直接、モ
ータドライバ15を通してモータ14に駆動電圧として
供給している。19はRAM等の記憶部である。
【0021】次に、上記構成の読取装置及び用紙搬送用
モータの制御装置の動作を図3〜図6も参照して説明す
る。図3、図4は動作を説明するタイムチャート、図
5、図6は同フローチャートである。なお、図5、図6
のフローチャートでは、用語「トルク指令値」を単に
「トルク」と略称している。
【0022】操作者が原稿先端を読取ヘッド3と送りロ
ーラ5の接触点の手前のA点に差し込むと、入口センサ
2がその原稿を検出し、コントローラ12は入口センサ
2のオン信号入力から1秒間待った後、モータ14を一
定時間だけ正転駆動させて、原稿をA点からB点まで食
い込ませる。この時、コントローラ12がモータドライ
バ15に付与するトルク信号は、定格トルクの100%
のトルクを指令するもの(トルク指令値MT3)であ
り、モータ14はそのトルク指令値MT3に応じた出力
トルクで運転され、送りローラ5が読取ヘッド3のガラ
ス4に密着した状態であっても、送りローラ5を支障な
く回転させ、原稿を送りローラ5とガラス4との間に食
い込ませることができる。なお、この時の運転時間は、
原稿をA点からB点まで食い込ませるのに必要な時間を
予め測定し、その結果に応じて設定している。
【0023】次に、コントローラ12がモータドライバ
15にトルク信号として、複数の異なる出力指令値すな
わちトルク指令値MT1、MT2、MT3を、小さい順
に一定時間ずつ順次出力し、そのモータ14を各トルク
指令値に基づいた出力トルクとなるようにテスト的に順
次運転する。すなわち、モータドライバ15に、まず小
さいトルク指令値MT1を出力し、モータ14をトルク
指令値MT1でT0時間駆動し、次いで、中間のトルク
指令値MT2を出力し、モータ14をそのトルク指令値
MT2で前回と同じT0時間駆動し、更にその後、大き
いトルク指令値MT3を出力し、モータ14をその出力
指令値MT3で前回と同じT0時間駆動する。ここで、
これらのトルク指令値MT1、MT2、MT3として
は、例えば、定格トルクの33%のトルクを出力させる
もの(MT1)、66%のトルクを出力させるもの(M
T2)、100%のトルクを出力させるもの(MT3)
を用いることができる。なお、モータ14をテスト的に
駆動する時、コントローラ12がモータドライバ15に
付与する駆動信号は、モータ速度が、原稿の読み取り走
査時のモータ速度よりやや大きい速度(例えば、10%
〜20%程度大きい速度)となるように設定されてい
る。
【0024】トルク指令値MT1でモータ14の駆動を
開始すると同時に、コントローラ12はタイマーにより
予め設定したT1時間が経過するか否かを判断し、その
1時間内に中間センサ11がオンするか否かを検出
し、その結果からモータ14の動作が正常か否かを判断
する。すなわち、このT1時間は、モータ14が正常に
動作した時に、送りローラ5が原稿をB点からC点まで
送るのに要する時間に対応して設定しており、従って、
モータ14がトルク指令値MT1で駆動された時に正常
に動作していれば、原稿先端は、図3に二点鎖線21で
示すように変位し、中間センサ11を配置したC点に到
達し、その中間センサ11を動作させることとなるの
で、中間センサ11の信号を監視することで、モータ1
4の動作状況を判断できる。もし、T1時間内に中間セ
ンサ11がオンした時には、最も低い出力トルクを発生
させるトルク指令値MT1でモータ14が正常に動作し
て原稿を送ることができたものであるから、その時のト
ルク指令値MT1が、複数のトルク指令値のうち、前記
モータを正常に動作させうる最低のトルクに対応したト
ルク指令値であると判断し、これを記憶させる。
【0025】一方、モータ14をトルク指令値MT1で
運転した時のモータの出力トルクが送りローラ5による
原稿搬送に要するトルクよりも小さい場合には、モータ
14が正常動作できず、送りローラ5が回転しない。こ
のため、この間原稿は送られず、原稿先端はB点に留ま
っており、その後、トルク指令値を増大させた運転を行
って原稿を搬送したとしても、T1時間内には中間セン
サ11がオンとなることはなく、オフのままである。こ
の場合には、コントローラ12は、T1時間経過後直ち
に、タイマーにより、トルク指令値MT1による運転時
間T0に等しいT2時間が経過したか否かを判断し、その
2時間内に中間センサ11がオンするか否かを検出し
て、モータ14の動作が正常か否かを判断する。すなわ
ち、もし、トルク指令値MT2の運転によってモータ1
4が正常に作動していれば、原稿先端は図3に実線の直
線22で示すように変位し、T2時間の経過内に原稿先
端はC点に到達し、中間センサ11がオンとなる。従っ
て、T2時間の経過内に中間センサ11がオンとなる
と、コントローラ12は、トルク指令値MT2がモータ
14を正常に動作させうる最低のトルク指令値であると
判断し、その時のトルク指令値MT2を記憶させる。な
お、図3の実施例では、トルク指令値MT2でモータ1
4が正常に動作する場合を示しており、T2時間内に中
間センサ11がオンとなる。
【0026】なお、もし、T2時間内に中間センサ11
がオンとならない場合には、コントローラ12は、T2
時間経過後、更にタイマーにより、時間T0に等しく設
定したT3時間が経過したか否かを判断し、そのT3時間
内に中間センサ11がオンするか否かを検出し、その結
果からモータ14の動作が正常か否かを判断する。トル
ク指令値MT3の運転によってモータ14が正常に作動
していれば、原稿先端は図3に実線の破線23で示すよ
うに変位し、T3時間の経過内に原稿先端はC点に到達
し、中間センサ11がオンとなるので、その場合にはそ
の時のトルク指令値MT3を記憶させる。もし、オンと
ならない場合には、出力トルクを最大としても原稿搬送
が行われていないので、エラー処理とする。
【0027】以上の工程中において、中間センサ11の
信号がオンとなり、その時のトルク指令値MT1、MT
2又はMT3を記憶すると、コントローラ12はモータ
14を停止させ、更に、モータ14を一定時間逆回転さ
せ、原稿先端を読取開始位置(B点)に引き戻す。この
時のトルク指令値としては、定格トルクの100%のト
ルクとする。
【0028】その後、コントローラ12はモータ14の
定常運転(原稿読み取り走査時の運転)に対するトルク
信号として、先に選び出して記憶したトルク指令値(図
3の実施例ではトルク指令値MT2)をそのまま設定
し、且つ読み取り走査用のモータ速度信号を設定し、そ
のトルク信号及び駆動信号(モータ速度信号を含む)を
モータドライバ15に出力してモータ14を運転し、原
稿の搬送を開始すると共に、同時に読取ヘッド3にスタ
ート信号を供給することによって、原稿の読取面を走査
させる。かくして、モータ14は原稿搬送に要するトル
クを出力しうる最低のトルク指令値によって運転される
こととなり、余分な出力トルク発生によるトラブルを回
避できる。ここで、読み取り走査用のモータ速度信号
は、先にテスト的にモータ14をトルク指令値MT1、
MT2、MT3で駆動した時のモータ速度より、少し低
く設定している。これにより、読み取り走査時のモータ
14の出力トルクは、先にテストを行った時の出力トル
クに比べると、同じトルク指令値であっても若干大きく
なり、安全率が確保される。なお、安全のためにトルク
を大きく設定する率としては、10〜20%程度とする
ことが好ましく、このようなトルク増加率を確保しうる
よう、テスト時と読み取り走査時のモータ14の速度比
を設定すればよい。
【0029】原稿を送りローラ5で搬送しながら読み取
り走査を継続し、入口センサ2が原稿後端を検出した
後、原稿後端がE点からA点に搬送される時間だけ、読
み取り走査を継続し、その後、読み取り走査を終了す
る。次いで、原稿後端がA点からD点まで送られるに必
要な時間だけ、モータ14を100%トルクのトルク指
令値MT3で駆動して原稿を排出する。この時、モータ
出力トルクが大きくなっているので、送りローラ5が読
取ヘッド3のガラス4に直接接触した状態で回転して
も、モータ14は送りローラ5に回転に必要なトルクを
付与することができ、モータ14は正常に動作し、原稿
を確実に排出することができる。
【0030】なお、この実施の形態1では、異なったト
ルク指令値でモータ14を順次運転し、正常にモータを
動作させうる最低のトルク指令値を求めた後、そのトル
ク指令値で、且つ運転速度を低下させて読み取り走査を
行う構成としており、運転速度を低下させたことで、モ
ータの出力トルクを若干大きくして安全率を確保してい
る。しかしながら、本発明はこの構成に限らず、異なっ
たトルク指令値でモータ14を順次運転し、正常にモー
タを動作させうる最低のトルク指令値を求める動作を、
読み取り走査時の運転速度に等しい速度で行い、読み取
り走査時には、先のテストで求めたトルク指令値に安全
率を掛けたトルク指令値でモータを駆動する構成として
もよい。
【0031】また、上記の実施の形態1では、モータを
テストのために駆動するトルク指令値として、33%ト
ルクのMT1、66%トルクのMT2、100%トルク
のMT3の三つを採用しているが、このトルク指令値の
数値を変更するとか、トルク指令値の個数を四つ以上と
してもよいことは言うまでもない。更に、上記の実施の
形態1では、トルクの変更手段として、モータドライバ
の電流設定信号を採用したが、パルスモータの場合、モ
ータの励磁方法を変更することでトルク変更を行うこと
も可能である。例えば、トルク指令値MT1には1相励
磁を、トルク指令値MT2には1−2相励磁を、トルク
指令値MT3には2相励磁を、それぞれ対応させること
も可能である。
【0032】以上に説明した実施の形態1では次のよう
な効果が得られる。すなわち、原稿の有無に基づく負荷
トルクの変化のみでなく、電池電圧の変化やモータ温度
の変化によるモータの出力トルクの変動やばらつき、原
稿幅の差による負荷トルクの差やその他の要因による駆
動負荷の変動やばらつきにも対応でき、駆動負荷の条件
とモータ出力の条件に応じたモータの駆動条件(トルク
指令値、速度)の設定が可能となる。また、余分なモー
タ出力発生による振動、騒音の発生がなくなる。更に、
本装置のように電池電力で駆動される場合は、消費電力
の削減効果があり、電池の放電終了までの読み取り枚数
が増える等の効果が得られる。
【0033】(実施の形態2)図7は、本発明の実施の
形態2による用紙搬送用モータの制御装置の回路ブロッ
ク図であり、図2に示す実施の形態1による制御装置に
おけるものと同一又は同様な部品には同一符号を付して
示している。図7に示す制御装置も、図2に示す制御装
置と同様に、図1に示す読取装置に設けたものである。
図2に示す実施の形態1による制御装置では、コントロ
ーラ12がモータドライバ15に対してトルク信号と駆
動信号を出力していたが、図7に示す実施の形態2の制
御装置では、コントローラ12はモータドライバ15に
対して駆動信号(速度信号を含む)のみを出力してい
る。このコントローラ12は後述するように、複数の異
なる出力指令値として、異なる速度指令値を出力する機
能を備えたものである。その他の構成は、実施の形態1
と同様である。
【0034】次に、実施の形態2による用紙搬送用モー
タの制御装置の動作を図1並びに図7〜図10を参照し
て説明する。ここで、図8、図9は動作を説明するタイ
ムチャート、図10は同フローチャートの一部である。
操作者が原稿先端を読取ヘッド3と送りローラ5の接触
点の手前のA点に差し込むと、入口センサ2がその原稿
を検出し、コントローラ12は入口センサ2のオン信号
入力から1秒間待った後、モータ14を一定時間だけ正
転駆動させて、原稿をA点からB点まで食い込ませる。
この時、コントローラ12がモータドライバ15に付与
する駆動信号は、低速の駆動速度V4 を指令する速度指
令値を含んでおり、モータ14は低速度(V4)で駆動
される。このため、モータ14の出力トルクは大きく、
送りローラ5が読取ヘッド3のガラス4に密着した状態
であっても、送りローラ5を支障なく回転させることが
でき、原稿を送りローラ5とガラス4との間に食い込ま
せることができる。
【0035】次に、コントローラ12がモータドライバ
15に、駆動信号として、複数の異なる出力指令値すな
わち速度指令値を、大きい順に順次出力し、そのモータ
14を各速度指令値に基づいて順次正転方向に運転する
と共に、そのモータ14が正常に動作しているか否かを
検出する。すなわち、モータドライバ15に、まず高速
であるV6を指令する速度指令値を出力し、モータ14
をその速度V6になるように正転方向に駆動し、同時に
タイマーにより、予め設定しているT6時間が経過する
か否かを判断し、そのT6時間内に中間センサ11がオ
ンするか否かを検出し、その結果からモータ14の動作
が正常か否かを判断する。ここで、T6時間は、モータ
14が速度V6で正常に動作した時に、送りローラ5が
原稿先端をB点からC点まで送るのに要する時間に対応
して設定しており、従って、モータ14が速度V6で駆
動された時に正常に動作していれば、原稿先端は図8に
二点鎖線の直線25で示すように変位して中間センサ1
1を配置したC点に到達し、その中間センサ11を動作
させることとなる。従って、中間センサ11の信号を監
視することで、モータ14の動作状況を判断できる。も
し、T6時間内に中間センサ11がオンした時には、最
も早い速度V6(従って、この時のモータの出力トルク
は最小である)でモータ14が正常に動作して原稿を送
ることができると判断し、その時の速度指令値が、複数
の速度指令値のうち、前記モータを正常に動作させうる
最低のトルクに対応した速度指令値であると判断してこ
れを選び出し、それを基準とし、それに安全率を加味し
て若干低い速度を指令する速度指令値(速度V6′)を
定常運転(原稿読み取り走査時の運転)に対する速度指
令値として記憶させる。
【0036】一方、モータ14を速度V6 で駆動した際
の出力トルクが送りローラ5による原稿搬送に要するト
ルクよりも小さい場合には、モータ14が正常動作でき
ず、送りローラ5が回転しないので、原稿は送られず、
原稿先端はB点に留まっている。このため、T6時間内
に中間センサ11がオフのままである。この場合には、
コントローラ12はT6時間経過後、モータドライバ1
5に、中速であるV5に対応する速度指令値を出力し、
モータ14をその速度V5(従って、この時の出力トル
クは前回よりも大きくなる)になるように正転方向に駆
動し、同時にタイマーにより、予め設定しているT5
間が経過するか否かを判断し、そのT5時間内に中間セ
ンサ11がオンするか否かを検出し、その結果からモー
タ14の動作が正常か否かを判断する。ここで、T5
間は、モータ14が速度V5で正常に動作した時に、送
りローラ5が原稿先端をB点からC点まで送るのに要す
る時間に対応して設定しており、従って、モータ14が
速度V5で駆動された時に正常に動作していれば、図8
に実線の直線26で示すように、原稿先端は中間センサ
11を配置したC点に到達し、その中間センサ11を動
作させることとなる。従って、中間センサ11の信号を
監視することで、モータ14の動作状況を判断できる。
もし、T5時間内に中間センサ11がオンした時には、
速度V5でモータ14が正常に動作して原稿を送ること
ができる最低のトルクに対応した速度であると判断し、
その時の速度指令値を選び出し、その時の速度に安全率
を加味してそれよりも若干低い速度を指令する速度指令
値(速度V5′)を定常運転に対する速度指令値として
記憶させる。なお、図8に示す実施例では、この時の速
度V5でモータ14がはじめて正常に動作しうるものと
している。
【0037】もし、T5時間経過しても中間センサ11
がオンしない時には、コントローラ12は、T5時間経
過後、モータドライバ15に、低速であるV4対応の速
度信号を出力し、モータ14をその速度V4(従って、
この時の出力トルクは前回よりも更に大きくなる)にな
るように正転方向に駆動し、同時にタイマーにより、予
め設定しているT4時間が経過するか否かを判断し、そ
のT4時間内に中間センサ11がオンするか否かを検出
し、その結果からモータ14の動作が正常か否かを判断
する。ここで、T4時間は、モータ14が速度V4で正常
に動作した時に、送りローラ5が原稿先端をB点からC
点まで送るのに要する時間に対応して設定しており、従
って、モータ14が速度V4で駆動された時に正常に動
作していれば、図8に破線の直線27で示すように、原
稿先端は中間センサ11を配置したC点に到達し、その
中間センサ11を動作させることとなる。従って、中間
センサ11の信号を監視することで、モータ14の動作
状況を判断できる。もし、T4時間内に中間センサ11
がオンした時には、速度V4でモータ14が正常に動作
して原稿を送ることができると判断し、その時の速度指
令値(速度V4)を記憶させる。なお、最も低い速度V4
でモータ14を運転したにもかかわらず、T4時間内に
中間センサ11がオンとならない場合には、エラー処理
とする。以上の工程中において、中間センサ11の信号
がオンとなり、その時の速度指令値(速度V6、V5、V
4に対応するもの、図8の実施例ではV5に対応するも
の)に安全率を加味した速度指令値を記憶すると、コン
トローラ12はモータ14を停止させ、更に、原稿先端
を読取開始位置(B点)に引き戻すことができる時間だ
け、モータ14を逆転方向に駆動し、原稿先端を読取開
始位置(B点)に引き戻す。この時のモータ14の駆動
速度は、記憶させた速度指令値を用いて設定しており、
原稿を確実に引き戻すことができる。
【0038】その後、コントローラ12はモータ14の
定常運転に対する速度指令値として、先に記憶した速度
指令値(この実施例では速度V5′)を設定し、その速
度指令値(速度V5′)を駆動信号としてモータドライ
バ15に出力してモータ14を運転し、原稿の搬送を開
始すると共に、同時に読取ヘッド3にスタート信号を供
給することによって、原稿の読取面を走査させる。かく
して、モータ14を原稿搬送に要するトルクよりも大き
い最低の出力トルクを得ることの可能な速度(V5′)
で運転することができる。
【0039】ここで、定常運転時の速度指令値として記
憶させた速度指令値(例えば、速度V5′)は、モータ
14をテスト運転した時の速度(例えば、速度V5)に
対して安全率を考慮して若干低い値に設定しているが、
その設定に際しては、モータの出力トルクが10〜20
%程度増加するように設定することが好ましい。このよ
うな設定方法を採用すると、モータ14のテスト運転で
正常に動作可能であると判断した時のモータ出力に対し
て10〜20%程度多い出力トルクを、定常運転時のモ
ータ出力トルクとして確保でき、モータの正常運転が確
実となる。
【0040】原稿を送りローラ5で搬送しながら読み取
り走査を継続し、入口センサ2が原稿後端を検出した
後、原稿後端がE点からA点に搬送される時間だけ、読
み取り走査を継続し、その後、読み取り走査を終了す
る。次いで、原稿後端がA点からD点まで送られるのに
必要な時間だけ、モータ14を低速V4で駆動して原稿
を排出する。この時、モータ14の出力トルクは大きく
なっているので、送りローラ5が読取ヘッド3のガラス
4に直接接触した状態で回転しても、モータ14は送り
ローラ5に回転に必要なトルクを付与することができ、
モータ14は正常に動作し、原稿を確実に排出すること
ができる。なお、上記した実施の形態2では、モータの
テスト運転によって求めた速度指令値に、安全率を加味
して記憶させ、その記憶させた速度指令値をそのまま、
定常運転時の速度指令値として用いているが、本発明は
この構成に限らず、モータのテスト運転によって求めた
速度指令値をそのまま記憶させ、その後、その記憶させ
た速度指令値に安全率を加味して、定常運転時の速度指
令値として用いる構成としてもよい。
【0041】また、この実施の形態2でも、モータを駆
動する速度指令値として、高速V6、中速V5、低速V4
の三つを採用しているが、この速度指令値の個数は三つ
に限らず、更に多くとしてもよいことは言うまでもな
い。
【0042】以上に説明した実施の形態2でも、実施の
形態1で得られた効果を得ることができ、しかもその上
に次の効果を得ることもできる。すなわち、読み取り走
査時の負荷が軽くなるほど、或いはモータの出力トルク
が大きくなるほど、モータ14を高速で運転するため、
走査速度が高速になり、より早い時間で原稿の走査を行
うことができる。また、負荷の増加或いはモータの出力
トルクの低下に対しては、モータの駆動速度を小さくし
て対応するため、モータの形状を必要以上に大きくする
必要がなく、装置の小型化が実現できる。
【0043】(実施の形態3)図11は本発明の実施の
形態3による用紙搬送用モータの制御装置を備えた読取
装置を示す概略側面図、図12はその制御装置の回路ブ
ロック図であり、図1、図2に示す実施の形態1におけ
るものと同一又は同様な部品には同一符号を付してい
る。図11、図12に示す実施の形態3では、モータの
運転が正常か否かの検出に用いる運転状況検出手段とし
て、送りローラ5に連動して回転するように設けられ、
円周上に複数のスリット31を有する回転板32と、そ
のスリット31の通過を検出するセンサユニット33を
設けており、このセンサユニット33からの信号をコン
トローラ12に入力させる構成としている。その他の構
成は、実施の形態1と同様である。次に、上記構成の読
取装置及び用紙搬送用モータの制御装置の動作を図11
〜図15も参照して説明する。ここで、図13は動作を
説明するタイムチャート、図14、図15は同フローチ
ャートである。実施の形態3では、装置電源がオンされ
た後に、まず、原稿が挿入される以前の、原稿がない状
態でのモータトルクのテストを実施する。すなわち、コ
ントローラ12がモータドライバ15にトルク信号とし
て、複数の異なる出力指令値すなわちトルク指令値MT
4、MT5、MT6を、小さい順に一定時間ずつ順次出
力し、そのモータ14を各トルク信号に基づいて順次運
転する。この時の回転速度は通常の走査を行う時の速度
と等しく設定している。ここで使用するトルク指令値と
しては、例えば、定格トルクの60%のトルクを指令す
るもの(MT4)、80%のトルクを指令するもの(M
T5)、100%のトルクを指令するもの(MT6)等
を挙げることができる。
【0044】まず、最初のトルク指令値MT4によるモ
ータ14の運転と同時に、所定時間内のセンサユニット
33からのオン、オフ信号の変化数を検出し、それが所
定の範囲にあるか否か(従って、送りローラ5が所定の
速度で回転しているか否か)を検出してモータ14が正
常回転しているか否かを判断する。もし、正常であると
判断した場合には、その時のトルク指令値MT4が、複
数の出力指令値のうち、前記モータを正常に動作させう
る最低のトルクに対応したトルク指令値であると判断し
てこれを選び出し、それを基準として、その時のトルク
値に安全率(通常、10〜20%程度)を加えたトルク
値を指令するトルク指令値MT4′を定常運転時(セッ
トされた原稿を送りローラ5と読取ヘッド3の間に引き
込むための運転時)のトルク指令値(以下初期トルク指
令値という)として記憶させる。一方、正常でないと判
断した場合には、次のトルク指令値MT5によるモータ
14の運転に移行し、前回と同様にモータ14が正常回
転しているか否かを判断し、正常の場合には、その時の
トルク指令値を選び出し、その時のトルク値に安全率を
加えたトルク値を指令するトルク指令値MT5′を初期
トルク指令値として記憶させ、正常でない場合には、次
のトルク指令値MT6によるモータ14の運転に移行
し、同様の動作を繰り返す。
【0045】以上のテスト運転により、初期トルク指令
値を記憶させた後は、モータ14を停止させ、原稿読み
取りのための待機状態となる。その後、操作者が原稿先
端を読取ヘッド3と送りローラ5の接触点の手前のA点
に差し込むと、入口センサ2がその原稿を検出し、コン
トローラ12は入口センサ2のオン信号入力から1秒間
待った後、モータ14を一定時間だけ正転駆動させて、
原稿先端をA点からB点まで食い込ませる。この時、コ
ントローラ12がモータドライバ15に付与するトルク
信号は、先に記憶させた初期トルク指令値(例えば、M
T5′)である。従って、モータ14は、送りローラ5
をガラス4に接触させた状態で運転する際に必要なトル
クよりもわずかに大きいトルクを出力するように運転さ
れており、100%トルクで運転する場合よりも低出力
となり、より省電力が図られている。
【0046】次に、原稿を送りローラ5とガラス4との
間にはさみ込んだ状態でのモータトルクのテストを行
う。すなわち、コントローラ12がモータドライバ15
に、複数の異なる出力指令値すなわちトルク指令値MT
1、MT2、MT3(実施の形態1におけるものと同
様)を、小さい順に順次出力し、そのモータ14を各ト
ルク指令値で順次運転し、且つ初期トルク指令値を求め
た場合と同様にセンサユニット33の出力からモータ1
4が正常回転しているかどうかを判定し、正常と判定し
た場合には、その時のトルク値に安全率を加味したトル
ク値を指令するトルク指令値(MT1′、MT2′、M
T3′等)を定常運転時(原稿の読み取り走査時)のト
ルク指令値(以下走査トルク指令値という)として記憶
させる。この場合の運転速度も、走査時の速度に等しく
設定している。ただし、この場合には、或るトルク指令
値、例えばMT1でのモータ運転中、モータ14の回転
が正常でないと判断された場合には、次のトルク指令値
MT2に移行するが、もし、正常と判断された場合に
は、前記したように走査トルク指令値MT1′を記憶さ
せた後も、そのトルク指令値MT1でモータ14の運転
を継続し、原稿先端がC点に到達し、中間センサ11を
オンさせた時点でモータ14の運転を停止する。なお、
原稿先端がC点に到達するまでに、各トルク指令値での
モータの運転が可能なよう、各トルク指令値による最低
の運転時間が定められている。図13に示す実施例で
は、最初のトルク指令値MT1でモータ14が正常回転
しており、このため、原稿先端が中間センサ11をオン
させるまでそのトルク指令値MT1でモータが運転され
ている。
【0047】原稿先端がC点に到達し、モータ14を一
旦停止させた後、コントローラ12はモータ14を一定
時間逆回転させ、原稿先端を読取開始位置(B点)に引
き戻す。この時のトルク指令値としては、先に記憶させ
た走査トルク指令値が用いられる。
【0048】その後、コントローラ12は、先に記憶し
た走査トルク指令値(この実施例ではトルク指令値MT
1′)を、モータ14の定常運転(原稿読み取り走査時
の運転)に対するトルク信号としてモータドライバ15
に出力してモータ14を運転し、原稿の搬送を開始する
と共に、同時に読取ヘッド3にスタート信号を供給する
ことによって、原稿の読取面を走査させる。かくして、
モータ14は原稿搬送に要するトルクに近いトルクを出
力して送りローラ5を回転させており、モータの出力ト
ルクが過大となることによるトラブル発生を回避でき
る。
【0049】原稿を送りローラ5で搬送しながら読み取
り走査を継続し、入口センサ2が原稿後端を検出した
後、原稿後端がE点からA点に搬送される時間だけ、読
み取り走査を継続し、その後、読み取り走査を終了す
る。次いで、原稿後端がA点からD点まで送られるに必
要な時間だけ、モータ14を初期トルク指令値MT5′
で駆動して原稿を排出する。
【0050】なお、この実施の形態3では、モータトル
クのテスト時も走査時も同じ速度とし、テストで求めた
トルク値に安全率を考慮して初期トルク或いは走査トル
クを求めている。しかし、本発明はこの構成に限らず、
走査時の速度をテスト時の速度よりも遅くし、テストで
求めたトルク値を、そのまま初期トルク或いは走査トル
クとして用いてもよい。この場合には、走査速度を低下
させることにより、モータの出力トルクが増大するの
で、安全率を確保できる。
【0051】また、上記の実施の形態3でも、モータを
テストのために駆動するトルク指令値の個数を更に多く
してもよいことは言うまでもなく、また、実施の形態1
で説明したように、トルクの変更手段を変更しても差し
支えない。
【0052】上記した実施の形態3では、実施の形態1
で得られる効果に加えて、読み取り走査時以外における
モータトルクも、小さくなるように設定でき、より省電
力を図ることができるという効果が得られる。また、セ
ンサユニット33からの出力を常時監視することで、モ
ータの動作を常時監視することが可能であり、読み取り
動作の途中の人為的なトルク変動等によるモータ停止に
も、エラー停止、再起動等により、対応可能になるとい
う効果も得られる。
【0053】なお、以上の実施の形態1、2、3はいず
れも、本発明を読取装置に適用した例を示したが、本発
明はこの読取装置に限らず、原稿を記録紙に、読取ヘッ
ドを、サーマルヘッド等の記録ヘッドにと変えて、記録
装置に適用できることは明らかである。感熱式の記録装
置に適用する場合は、低温記録時のステッキング発生
等、記録条件による負荷トルクの増大要因が考えられる
ため、読取装置の場合より、テスト条件と実走査時のモ
ータ出力比である安全率を大きくとる必要がある。
【0054】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、モータの定常運転に先立って、モータを異なる出力
指令値によってテスト的に運転し、モータを正常に運転
しうる最低のトルクに対応した出力指令値を選び出し、
それを基準として定常運転用の定常出力指令値を設定で
きるので、モータの出力トルクの変動や、駆動負荷の変
動にかかわらず、送りローラに実際に要求されるトルク
に応じた出力トルクとなるようにモータを定常運転で
き、従って、余分なモータ出力発生による余分な電力消
費や、振動、騒音の発生を防止でき、且つ、モータ出力
不足による送りローラの回転不良も防止できるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による用紙搬送用モータ
の制御装置を備えた読取装置を示す概略側面図
【図2】図1に示す読取装置に設けている用紙搬送用モ
ータの制御装置の回路ブロック図
【図3】図2に示す制御装置の動作を説明するタイムチ
ャート
【図4】図3のタイムチャートの続きを示すタイムチャ
ート
【図5】図2に示す制御装置の動作を説明するフローチ
ャート
【図6】図5のフローチャートの続きを示すフローチャ
ート
【図7】本発明の実施の形態2による用紙搬送用モータ
の制御装置の回路ブロック図
【図8】図7に示す制御装置の動作を説明するタイムチ
ャート
【図9】図8のタイムチャートの続きを示すタイムチャ
ート
【図10】図7に示す制御装置の動作を説明するフロー
チャート
【図11】本発明の実施の形態3による用紙搬送用モー
タの制御装置を備えた読取装置を示す概略側面図
【図12】図11に示す読取装置に設けている用紙搬送
用モータの制御装置の回路ブロック図
【図13】図12に示す制御装置の動作を説明するタイ
ムチャート
【図14】図12に示す制御装置の動作を説明するフロ
ーチャート
【図15】図14のフローチャートの続きのフローチャ
ート
【図16】従来の読取装置の概略側面図
【図17】(a)、(b)はそれぞれ異なる幅の原稿を
読取ヘッドと送りローラの間に挟み込んだ状態を示す概
略正面図
【符号の説明】
1 ペーパーパス 2 入口センサ 3 読取ヘッド 4 ガラス 5 送りローラ 6 排出ローラ 9、9a、9b 原稿 11 中間センサ 12 コントローラ 14 モータ 15 モータドライバ 31 スリット 32 回転板 33 センサユニット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静止した支持面に押し付けられるように
    配置され、前記支持面との間に挿入された用紙を搬送す
    る送りローラを回転駆動するモータの制御装置であっ
    て、前記モータを動作させる制御手段と、前記モータが
    正常に動作しているか否かを検出する運転状況検出手段
    を備え、前記制御手段が、前記モータに複数の異なる出
    力指令値を順次供給し、そのモータを各出力指令値に基
    づいて順次運転し、その運転中、前記運転状況検出手段
    からの信号に基づいて前記モータが正常に動作している
    か否かを検出し、複数の出力指令値のうち、前記モータ
    を正常に動作させうる最低のトルクに対応した出力指令
    値を選び出し、その出力指令値を基準として、定常運転
    用の定常出力指令値を設定し、その定常出力指令値に基
    づいて前記モータを運転するように構成されていること
    を特徴とする用紙搬送用モータの制御装置。
  2. 【請求項2】 複数の異なる出力指令値が、出力トルク
    を異ならせる複数のトルク指令値であることを特徴とす
    る請求項1記載の用紙搬送用モータの制御装置。
  3. 【請求項3】 複数の異なる出力指令値が、速度を異な
    らせる複数の速度指令値であることを特徴とする請求項
    1記載の用紙搬送用モータの制御装置。
  4. 【請求項4】 運転状況検出手段が、送りローラから離
    れた位置に配置した用紙検出手段を備え、モータ運転開
    始時から所定時間経過後に、前記用紙検出手段が用紙を
    検出するか否かによって、モータが正常に動作している
    か否かを検出することを特徴とする請求項1から3のい
    ずれか1項に記載の用紙搬送用モータの制御装置。
  5. 【請求項5】 運転状況検出手段が、送りローラに連動
    して回転するように設けられ、スリットを有する回転板
    と、前記スリットの通過を検出するセンサユニットを有
    し、そのセンサユニットで前記回転板の回転速度を検出
    し、モータが正常に動作しているか否かを検出すること
    を特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の用
    紙搬送用モータの制御装置。
  6. 【請求項6】 支持面が用紙の情報を読み取る読取ヘッ
    ドの原稿支持面であることを特徴とする請求項1から5
    のいずれか1項記載の用紙搬送用モータの制御装置。
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