JPH09142123A - 車両用サスペンション装置 - Google Patents

車両用サスペンション装置

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JPH09142123A
JPH09142123A JP30789295A JP30789295A JPH09142123A JP H09142123 A JPH09142123 A JP H09142123A JP 30789295 A JP30789295 A JP 30789295A JP 30789295 A JP30789295 A JP 30789295A JP H09142123 A JPH09142123 A JP H09142123A
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Japan
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spring
spring constant
load
vehicle body
sprung
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JP30789295A
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English (en)
Inventor
Kazunari Kamimura
一整 上村
Hajime Uemae
肇 上前
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両用サスペンション装置において、ばね上
荷重が増加しても車両の制振性を確保する。 【解決手段】 ロアアーム(ばね下部材)23と車体
(ばね上部材)21との間にて、ダンパ装置40に直列
にばね定数を変更可能なばね機構50を設ける。荷重セ
ンサ63がばね上荷重Wを検出して、マイクロコンピュ
ータ64が前記検出したばね上荷重Wが大きいときばね
機構50のばね定数を大きくする側に制御する。ばね上
荷重Wが増加してダンパ装置40による減衰力が低下し
ても、同減衰力の低下がばね機構50のばね定数の変化
によって補われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ばね下部材とばね上部
材との間にスプリング及びダンパ装置を並列的に備えた
車両用サスペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図9に示すように、車輪11
に接続されたロアアーム(ばね下部材)12と車体(ば
ね上部材)13との間に設けられて車体13をロアアー
ム12に対して弾性的に支持するスプリング14と、下
端にてロアアーム12に接続するとともに上端にてブッ
シュ15を介して車体13に接続することによりスプリ
ング13に並列的に設けられて、スプリング14の弾性
支持に起因した車体13の振動を減衰させるためのダン
パ装置16とを備えた車両用サスペンション装置はよく
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の車
両用サスペンション装置においては、スプリング14が
路面の凹凸を吸収して同凹凸が車体13に直接的に伝達
されないようにしているが、この要求を満たすために
は、ダンパ装置16の減衰係数を小さく保つことが必要
である。一方、車体13に発生した上下振動を減衰させ
るためには、ダンパ装置16の減衰係数を大きくするこ
とが必要である。そのため、車両の走行状態によってダ
ンパ装置16の減衰力が車体の振動を助長する加振力と
して作用する局面においては、路面の凹凸に起因した振
動が車体に伝達されるため、車両の乗り心地が悪化す
る。これを解決するために、本出願人は、特願平7−1
07591号「車両用サスペンション装置及び同装置の
ための電気制御装置」として、車輪と車体との間にてダ
ンパ装置に直列にばね力を変更可能なばね機構を設けた
車両用サスペンション装置を提案した。この提案したサ
スペンション装置においては、車体に発生する振動を検
出して、車体振動を抑制する必要があるときにはばね機
構をのばね力を大きく設定してダンパ装置の減衰力を効
率よく発生させるとともに、車体振動を制振させる局面
にないときにはばね機構のばね力を小さく設定してダン
パ装置にて減衰力を発生しにくくして減衰力が上述の如
き車体への加振力として作用することを回避することに
より、車両の走行安定性と乗り心地を向上させている。
【0004】ここで、一般的に、積載荷物や乗員の増加
により車両のばね上荷重が増加すると、ばね上荷重W及
びスプリング14のばね定数K14により定義される臨界
減衰係数2(W・K14)-1/2が増加する。このことは、ダ
ンパ装置16により発生される減衰力、特に車体13の
共振周波数付近における前記減衰力が、ばね上荷重の増
加に伴い相対的に低下することを意味している。
【0005】ところで、上記提案した車両用サスペンシ
ョン装置においては、上述の如きばね上荷重の増減に起
因して相対的に減衰力が変化することが考慮されておら
ず、例えばばね上荷重が増加したときに相対的に減衰力
の低下が発生して、車体の制振性が悪化するという問題
がある。
【0006】
【本発明の目的】本発明は上記問題に対処するためにな
されたもので、その目的は、ばね上荷重が変動しても車
両の制振性を良好にした車両用サスペンション装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成上の特徴は、ばね下部材(23)とば
ね上部材(21)との間に、ばね上部材をばね下部材に
対して弾性的に支持するスプリング(31)と、減衰力
を発生してばね上部材のばね下部材に対する振動を減衰
させるダンパ装置(40)とを並列的に備えた車両用サ
スペンション装置において、ばね下部材とばね上部材と
の間にてダンパ装置に直列に配置されてなりばね定数を
変更可能なばね機構(50)と、ばね上部材の荷重を検
出する荷重検出手段(63)と、前記検出されたばね上
荷重が大きいとき前記ばね機構を制御して同ばね機構の
ばね定数を大きく設定するばね定数制御手段(64)と
を設けたことにある。
【0008】
【発明の作用効果】上記のように構成した本発明におい
ては、ダンパ装置に直列に接続したばね機構のばね定
数、スプリングのばね定数及びダンパ装置の減衰係数を
適当に設定することにより、前述したばね上部材に対す
る路面の凹凸の影響の緩和及びばね上部材の上下振動の
抑制が共に図られる。一方、ばね上荷重が大きくなった
場合には、荷重検出手段及びばね定数制御手段によって
ばね機構のばね定数が大きく設定される。したがって、
ばね上荷重が小さいときばね上部材とばね下部材とは
「軟」に接続される傾向が増し、かつばね上荷重が大き
くなるとばね上部材とばね下部材とが「剛」に接続され
る傾向が増すので、ばね上荷重が大きくなると、ダンパ
装置による減衰力はばね上荷重が小さいときに比べてば
ね上部材の振動に対して効率よく発生する。その結果、
ばね上荷重の増加にしたがったダンパ装置による相対的
な減衰力の低下が、ばね機構のばね定数の増加によって
補われ、常にばね上部材に対する路面の凹凸の影響の緩
和及びばね上部材の上下振動の抑制が良好に図られる。
【0009】
【実施の形態】
a.第1実施形態 まず、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する
と、図1は本発明に係るサスペンション装置の全体を概
略的に示している。このサスペンション装置の機構部分
は、車体(ばね上部材)21と、内側端にて車体21に
接続されて外側端にて車輪22(図示しない)を支持す
るロアアーム(ばね下部材)23との間に並列的に配置
されたスプリング31及びダンパ装置40を備えてい
る。スプリング31は、車体21をロアアーム23に対
して弾性的に支持するものである。ダンパ装置40は、
減衰係数が変更可能に構成されており、車体21の上下
振動時に減衰力を発生して同振動を減衰させる。ダンパ
装置40と車体21との間には、ばね定数を変更可能な
ばね機構50がダンパ装置40と直列に配置されてい
る。
【0010】このようなサスペンション装置の機構部の
一例を図2に示す。スプリング31は、その下端にてダ
ンパ装置40のシリンダ40aの外周面上に固定したリ
テーナ32により保持され、その上端にて車体21の円
形開口部の下面に固定された固定プレート33の外端部
下面上にブッシュ34を介して保持されている。
【0011】ダンパ装置40は減衰力発生機構及び同機
構の減衰係数を可変制御する減衰係数可変機構を内蔵し
ていて、シリンダ40aの下端にてロアアーム23に傾
動可能に接続されている。シリンダ40aの上面からは
ピストンロッド41が突出しており、同ロッド41の下
端部には円筒状に形成した段付きのスリーブ42が設け
られている。
【0012】スリーブ42の小径の下部外周上にはシリ
ンダ40a内を上下油室R1,R2に液密的に区画する
ピストン43が固定され、上下油室R1,R2には作動
油(液体)が封入されている。上下油室R1,R2はピ
ストン43内に設けた油路43a,43bを介して連通
するとともに、スリーブ42内に設けた油路42a〜4
2dを介して連通するようになっている。なお、これら
の油路42a〜42d,43a,43bがオリフィスを
形成している。下油室R2の下方にはフリーピストン4
4により区画されたガス室R3が形成されており、同ガ
ス室R3はフリーピストン44の上下動によりピストン
ロッド41の上油室R1への侵入量に伴う上下油室R
1,R2の体積変化を吸収する。
【0013】油路43aの下部開口端には下方へのみ開
くリーフバルブ45aが組み付けられており、同バルブ
45aはピストン43が上方へ移動する際にのみ上油室
R1から下油室R2への作動油の移動を許容する。油路
43bの上部開口端には上方へのみ開くリーフバルブ4
5bが組み付けられており、同バルブ45bはピストン
43が下方へ移動する際にのみ下油室R2から上油室R
1への作動油の移動を許容する。
【0014】スリーブ42の油路42b内には、同油路
42bの周壁に対向して下部外周面にテーパ部46aを
形成してなる円筒状のオリフィス部材46が上下方向に
移動可能に収容されており、同オリフィス部材46はそ
の上下動によりテーパ部46aと油路42bの周壁との
間に形成したオリフィスの絞り量を連続的に変更可能に
している。そして、このダンパ装置40においては、ピ
ストン43の上下動に伴って、リーフバルブ45a,4
5b及びオリフィスを通過する作動油に対する通路抵抗
により減衰力が発生されるようになっているとともに、
オリフィスの絞り量を変化させることにより減衰係数が
変更される。したがって、これらのスリーブ42、ピス
トン43、リーフバルブ45a,45b及びオリフィス
部材46がダンパ装置40の減衰力発生機構を構成す
る。
【0015】このオリフィス部材46は駆動ロッド47
の下部に固定されており、同ロッド47の上端部は多数
のボールを介してナット48に螺合している。ナット4
8は電気アクチュエータを構成するステップモータ49
により回転駆動され、その回転により駆動ロッド47及
びオリフィス部材46を上下動させる。したがって、こ
れらのナット48及びステップモータ49が減衰係数可
変機構を構成する。
【0016】ばね機構50は、ばね要素及び同ばね要素
のばね定数を可変するばね定数可変機構を内蔵してお
り、ピストンロッド41の上端部に固定プレート33と
平行を保って固定した可動プレート51を備えている。
可動プレート51の上面には適宜の数箇所にてガイドロ
ッド52が立設されており、これらのガイドロッド52
は固定プレート33に設けた貫通孔33aの内周面上を
摺動して、可動プレート51を固定プレート33との平
行を保ったまま上下動させる。また、可動プレート51
の上面には、同一のばね定数kを有するn個(例えば、
数個〜10数個)のコイルスプリング53が、それらの
各下端にて立設固定されている。各コイルスプリング5
3の上端はコントロールロッド54の下端に設けたスト
ッパプレート54aに固定されており、同ロッド54は
固定プレート33に設けた貫通孔33bの内周面上を摺
動可能に貫通している。
【0017】各コントロールロッド54は、固定プレー
ト33の上面に固定したケーシング55をも上下動可能
に貫通している。ケーシング55は、固定プレート33
の上面に固定されたL字状のフレーム56を収容してい
る。フレーム56の水平部分には貫通孔56aが形成さ
れており、同孔56aはコントロールロッド54の上端
部分を摺動可能に貫通させている。また、ケーシング5
5には、コントロールロッド54を側方に引っ張るクラ
ッチバー57及び同バー57を側方に駆動するための電
磁ソレノイド58も内蔵している。
【0018】クラッチバー57は固定プレート33の上
面に固定した支持フレーム59により軸線方向に変位可
能に支持され、その先端部は鈎状に曲げられてコントロ
ールロッド54の中間部に係合するようになっている。
このクラッチバー57は、両端をケーシング55とクラ
ッチバー57にそれぞれ接続したスプリング57aによ
り、常時図示右方に付勢されている。電磁ソレノイド5
8もケーシング55に固定されており、通電状態にてク
ラッチバー57を図示左方に吸引する。
【0019】このように構成したばね機構50において
は、電磁ソレノイド58の通電を解除すると、クラッチ
バー57はスプリング57aの付勢力により図2の右方
に変位する。この状態では、クラッチバー57の先端部
とコントロールロッド54の係合は解除されており、ス
トッパプレート54aが固定プレート33に当接するま
では、同ロッド54は固定プレート33及びフレーム5
6の拘束を受けることなく自由に上下動する。したがっ
て、ストッパプレート54aが固定プレート33に当接
するまでは、通電されていない電磁ソレノイド58に対
応したコイルスプリング53はばね作用を発揮しない
(コイルスプリング53のばね定数は「0」に保たれ
る)。
【0020】一方、電磁ソレノイド58に通電すると、
クラッチバー57が図2の左方に変位して、同バー57
の先端部はコントロールロッド54を同方向に引っ張
る。この状態では、コントロールロッド54はクラッチ
バー57、固定プレート33及びフレーム56の各貫通
孔33b,56aの内周面上に係合し、同ロッド54が
固定プレート33に固定されたものと同等となる。した
がって、通電した電磁ソレノイド58に対応したコイル
スプリング53はばね作用を発揮し、そのばね定数は同
スプリング53がもつ予め決められた値kとなる。
【0021】このように、コイルスプリング53はn個
設けられていて、各コイルスプリング53に対応した電
磁ソレノイド58の通電又は非通電により、各コイルス
プリング53を選択的に機能させることができる。m
(m<n)個の電磁ソレノイド58を通電させると、m
個のコイルスプリング53が機能することになり、可動
プレート51(ダンパ装置40)と車体21との間に
は、ばね定数mkのばね要素が挿入されたことと等価に
なる。したがって、このばね機構50においては、ダン
パ装置40と車体21との間に設けたn個のコイルスプ
リング53からなるばね要素のばね定数を、電気的な制
御により、0,k,2k,……,nkのいずかに選択設
定できる。したがって、複数のスプリング53からなる
ばね要素のばね定数を可変するばね定数可変機構は、ク
ラッチバー57及び電磁ソレノイド58などからなる。
【0022】次に、サスペンション装置の機構部を電気
的に制御するための電気制御装置60について説明す
る。電気制御装置60は加速度センサ61、車高センサ
62及び荷重センサ63を備えている。
【0023】加速度センサ61は車体21又は固定プレ
ート33に固定されており、絶対的な空間に対する車体
21(ばね上部材)の上下方向の加速度を検出して、同
加速度を表す検出信号を出力する。ただし、検出加速度
は、正により上方向の加速度を表し、負により下方向の
加速度を表している。この加速度センサ61には、積分
器61aが接続されている。積分器61aは前記加速度
を表す検出信号を積分して、絶対空間に対する車体22
の上下方向の速度(以下、絶対速度Zd という)を表す
信号を出力する。
【0024】車高センサ62は車体21(ばね上部材)
とロアアーム23(ばね下部材)との間に組み付けられ
た変位量センサで構成され、ロアアーム23に対する車
体21の相対的な変位量を検出して、同変位量を表す検
出信号を出力する。ただし、この相対的な変位量は、正
により基準値からの増加量(ダンパ装置40の伸び側)
を表し、負により基準値からの減少量(ダンパ装置40
の縮み側)を表す。この車高センサ62には微分器62
aが接続されており、同微分器62aは前記変位量を表
す検出信号を微分して、ロアアーム23に対する車体2
1の上下方向の速度(以下、相対速度Yd という)を表
す信号を出力する。
【0025】荷重センサ63は車体(ばね上部材)21
の荷重Wを検出して、同荷重Wを表す検出信号を出力す
る。この車体センサ63は、例えば前記車高センサ62
による車体21の上下方向の変位量に基づいて車体21
の総重量を推定する装置で構成されたり、サスペンショ
ン装置内に組み込まれて車体21を支承する力を検出す
る圧力センサなどにより構成される。
【0026】これらの積分器61a、微分器62a及び
荷重センサ63はマイクロコンピュータ64に接続され
ている。マイクロコンピュータ64は、内蔵のタイマに
よる制御の基に、図3のフローチャートに対応したプロ
グラムを所定の短時間毎に繰り返し実行する。このプロ
グラムの実行により、マイクロコンピュータ64は、ダ
ンパ装置40の減衰係数及びばね機構50のばね定数を
電気的に制御するための制御信号を駆動回路65,66
に出力する。駆動回路65,66は、前記制御信号に応
答して、ダンパ装置40内のステップモータ49および
ばね機構50内の電磁ソレノイド58をそれぞれ駆動す
る。
【0027】次に、上記のように構成したサスペンショ
ン装置の動作をフローチャートに沿って説明すると、マ
イクロコンピュータ64はイグニッションスイッチ(図
示しない)の投入に応答して図3のステップ100にて
プログラムの実行を開始し、ステップ102にて積分器
61a、微分器62a及び荷重センサ63から絶対速度
Zd、相対速度Yd及びばね上荷重Wをそれぞれ入力す
る。
【0028】前記ステップ102の処理後、マイクロコ
ンピュータ64は、ステップ104にて前記入力したば
ね上荷重Wと予め定めた標準ばね上荷重Wo(積載荷
物、乗員が少ないときのばね上荷重)との偏差ΔW=W
−Woを計算し、ステップ106にてΔW−Kwマップ
(図4)を参照してばね上荷重Wに対応したばね定数K
wを決定する。そして、ステップ108にてばね定数Kw
を表す制御信号を駆動回路65に出力する。駆動回路6
5が前記制御信号に応答してばね定数Kwに対応した数
の電磁ソレノイド58に通電するとともに、それ以外の
電磁ソレノイド58の通電を解除する。その結果、上述
のように、通電された電磁ソレノイド58に対応したコ
イルスプリング53のみがばね作用を発揮して、ばね機
構50のばね定数K50がばね定数Kwに設定される。こ
れにより、ばね上荷重Wが大きくなるにしたがってばね
機構50のばね定数K50は大きく設定されることにな
る。
【0029】次に、マイクロコンピュータ64は、ステ
ップ110〜118の処理により、絶対速度Zd及び相
対速度Ydに応じてダンパ装置40内に組み込んだ減衰
力発生機構の減衰係数を制御する。絶対速度Zdと相対
速度Ydの各正負の符号が異なれば、ステップ110に
おける「NO」との判定の基にステップ116にて目標
減衰係数Cを最小減衰係数Cminに設定する。また、絶
対速度Zdと相対速度Ydの各正負の符号が一致していれ
ば、ステップ110における「YES」との判定の基
に、ステップ112にて絶対速度Zdを相対速度Ydで除
して速度比Zd/Ydを計算し、ステップ1114にて内
蔵のZd/Yd−Cマップ(図5)を参照して、速度比Z
d/Ydに対応した目標減衰係数Cを決定する。
【0030】そして、ステップ118にて、前記決定し
た目標減衰係数Cを表す制御信号を駆動回路66に出力
して、ステップ120にてこのプログラムの実行を終了
する。駆動回路66は、前記制御信号に応答して、ダン
パ装置40のステップモータ49の回転位置を前記目標
減衰係数Cに対応した位置に制御する。その結果、上述
のように、ダンパ装置40の減衰係数が前記目標減衰係
数Cに設定される。前記ステップ110〜116の処理
は、スカイフック理論に基づいて目標減衰係数Cを決定
するものであり、その結果、車体21の振動はスカイフ
ック理論に基づいて抑制される。なお、この目標減衰係
数Cの設定に関しては、ステップ118の処理にて、ス
テップ110〜116の処理により決定される目標減衰
係数Cが増加する場合には即座に変更されるが、減少す
る場合には所定時間が経過するまでは変更されない。
【0031】以上の説明のように、上記第1実施形態に
よれば、ばね上荷重Wが大きくなるにしたがって、ばね
機構50のばね定数が大きく設定される。したがって、
ばね上荷重Wが小さいときには、ばね機構50が撓み易
く、車体(ばね上部材)21とロアアーム(ばね下部
材)23とは「軟」に接続される傾向が増し、ダンパ装
置40における減衰力が発生し難くなることにより、車
体21による路面の凹凸の影響が緩和され、車両の乗り
心地が良好に保たれる。また、積載荷物の増加、乗員の
増加によりばね上荷重Wが大きくなったときには、ばね
機構50が撓みにくく、ばね上部材とばね下部材とが
「剛」に接続される傾向が増す。したがって、ばね上荷
重Wが増加してスプリング31のばね定数K31及びばね
上荷重Wにより規定される臨界減衰係数2(W・K31)
-1/2が増加しても、ダンパ装置40にて減衰力が効率よ
く発生して車体21に対して大きく作用するので、ばね
上荷重Wの増加にしたがったダンパ装置40による減衰
力の低下が、ばね機構50のばね定数の増加によって補
われ、車体21の上下振動の抑制が良好に図られる。
【0032】また、この第1実施形態によれば、ばね機
構50のばね定数K50がばね上荷重Wに応じて制御され
るとともに、ダンパ装置40の減衰係数がスカイフック
理論に基づいて制御されるので、車体21に対する路面
の影響及び車体21の振動が独立して2つの要素により
制御されるので、当該制御の自由度が増し車両走行中に
おけるサスペンション装置の制御性能が向上する。
【0033】b.第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第
2実施形態は、車体21の振動G1,G2及びばね上荷重
Wに応じてばね機構50のばね定数を変更制御するよう
にしている。
【0034】この第2実施形態に係る車両用サスペンシ
ョン装置は、図1に破線で示すように、上記第1実施形
態に加えて、加速度センサ61に接続されたローパスフ
ィルタ61b及びバンドパスフィルタ61cを備えてい
る。ローパスフィルタ61bは、前記加速度を表す検出
信号の帯域を2Hz以下に制限して出力することによ
り、ばね上共振周波数(ばね上部材の共振周波数)に対
応した車体の振動成分G1 を出力する。バンドパスフィ
ルタ61cは、前記加速度を表す検出信号の帯域を9〜
13Hz内に制限して出力することにより、ばね下共振
周波数(ばね下部材の共振周波数)に対応した車体の振
動成分G2 を出力する。
【0035】これらのローパスフィルタ61b及びバン
ドパスフィルタ61cもマイクロコンピュータ64に接
続されている。マイクロコンピュータ64は上記第1実
施形態の図3のステップ102,104〜108の処理
を図6のステップ102a,130〜156の処理に変
更したプログラムを実行する。他の部分に関しては、上
記第1実施形態と同じである。
【0036】次に、上記のように構成した第2実施形態
の動作を説明する。マイクロコンピュータ64は上記第
1実施形態と同様にステップ100にてプログラムの実
行を開始し、ステップ102aにて絶対速度Zd、相対
速度Yd及びばね上荷重Wに加えて、ローパスフィルタ
61b及びバンドパスフィルタ61cから振動成分G
1,G2をそれぞれ入力する。
【0037】前記ステップ102aの処理後、マイクロ
コンピュータ64はステップ130〜148の処理によ
り、前記入力した振動成分G1,G2に応じてばね定数Kg
を設定する。両振動成分G1,G2 の各絶対値|G1|,
|G2|がそれぞれ予め決められたしきい値G10,G20
以上であれば、マイクロコンピュータ64は、まずステ
ップ130〜136の処理により、内蔵のG1−K1マッ
プ(図7)及びG2−K2マップ(図8)を参照して、両
振動成分G1,G2にそれぞれ対応した第1及び第2ばね
定数K1,K2を決定する。その後、ステップ138,1
40,146の処理により、第1及び第2ばね定数K
1,K2のうちの大きい方をばね定数Kgとして設定す
る。
【0038】振動成分G1の絶対値|G1|がしきい値G
10以上、かつ振動成分G2の絶対値|G2|がしきい値G
20未満であれば、ステップ130〜134,140の処
理により、G1−K1マップを参照して決定した第1ばね
定数K1をばね定数Kgとして設定する。振動成分G1の
絶対値|G1|がしきい値G10未満、かつ振動成分G2の
絶対値|G2|がしきい値G20以上であれば、ステップ
130,142〜146の処理により、G2−K2マップ
を参照して決定した第2ばね定数K2をばね定数Kgとし
て設定する。さらに、両振動成分G1,G2 の各絶対値
|G1|,|G2|がそれぞれしきい値G10,G20未満で
あれば、ステップ130,142,148の処理によ
り、最小のばね定数Kminをばね定数Kgとして設定す
る。なお、ばね定数Kgは、ステップ140,146,
148の処理にて、同ばね定数Kgが増加する場合には
即座に変更されるが、減少する場合には所定時間が経過
するまでは変更されない。
【0039】次に、マイクロコンピュータ64は、前述
したステップ104,106の処理によりばね上荷重W
に関係したばね定数Kwを決定する。なお、図4中の荷
重用ばね定数Kwの最大値Kwmaxは、図7,8の第1及
び第2ばね定数K1,K2の各最大値Kmax1,Kmax2より
大きい。前記ステップ106の処理後、ステップ150
〜154の処理により、両ばね定数Kw,Kgのうちの大
きい方のばね定数を目標ばね定数Kとして設定する。そ
して、上記第1実施形態と同様なステップ156の処理
により、ばね機構50のばね定数K50を前記設定した目
標ばね定数Kに設定し、プログラムを上記第1実施形態
のステップ110以降に進める。
【0040】以上の動作説明のように、上記第2実施形
態によれば、ステップ130〜148の処理により、特
定周波数領域(ばね上共振周波数及びばね下共振周波
数)に対応した車体21の振動成分G1,G2が大きいと
きにはばね定数Kgが大きな値に設定され、同振動成分
1,G2が小さいときにはばね定数Kgが小さな値に設
定される。そして、前記ばね定数Kgがばね上荷重Wに
応じたばね定数Kw以上であれば、ステップ150〜1
56の処理によりばね機構50のばね定数K50が前記決
定したばね定数Kgに設定される。したがって、この場
合には、車体21のばね上共振周波数及びばね下共振周
波数(特定周波数領域)の振動成分が大きくなるにした
がって、ばね機構50のばね定数K50が大きな値に設定
されるので、ばね機構50は撓みにくくなる。その結
果、ダンパ装置40により必要な大きさの減衰力が応答
性よく発生されるので、車体21の振動が効果的に抑制
される。
【0041】また、ばね上荷重Wが大きいために、ステ
ップ104,106の処理により同荷重Wに応じて決定
したばね定数Kwが前記ばね定数Kgよりも大きければ、
ステップ150〜156の処理により、ばね機構50の
ばね定数K50が前記決定したばね定数Kwに設定され
る。このことは、ばね上荷重Wが大きくなったときに
は、ばね機構50のばね定数K50が同荷重Wの増加にし
たがって大きくなることを意味する。したがって、この
第2実施形態においても、上記第1実施形態の場合と同
様に、ばね上荷重Wの増加にしたがったダンパ装置40
による相対的な減衰力の低下が、ばね機構50のばね定
数の増加によって補われ、車体21の上下振動の抑制が
良好に図られる。
【0042】c.他の変形例 さらに、上記第1及び第2実施形態では、複数のコイル
スプリング53を選択的に作用させることによりばね定
数を変更可能とするばね機構50を利用した例について
説明したが、同ばね機構50はばね定数を変更できるも
のであれば種々の構造のばね機構を利用できる。たとえ
ば、可動プレート51と固定プレート33の間に液体を
封入したゴム等の弾性部材を介装して、同封入した液体
の量を変化させることにより弾性部材の弾性係数(ばね
定数)を変更するものを利用できる。また、シリンダ4
0a内のガス室R3内のガス圧を外部から変更するよう
にしたものも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両用サスペンション装置の第
1及び第2実施形態を概略的に示すブロック図である。
【図2】 同サスペンション装置の機構部分の一例を示
す部分断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態に係り、図1のマイク
ロコンピュータにて実行されるプログラムを示すフロー
チャートである。
【図4】 同マイクロコンピュータ内に設けたΔW−K
wマップにおけるばね上荷重偏差ΔWに対するばね定数
Kwの変化特性を示すグラフである。
【図5】 同マイクロコンピュータ内に設けたZd/Yd
−Kマップにおける相対速度Zd/Ydに対する目標減衰
係数Cの変化特性を示すグラフである。
【図6】 本発明の第2実施形態に係り、図1のマイク
ロコンピュータにて実行されるプログラムの一部を示す
フローチャートである。
【図7】 同マイクロコンピュータ内に設けたG1−K1
マップにおける振動成分G1に対するばね定数K1の変化
特性を示すグラフである。
【図8】 同マイクロコンピュータ内に設けたG2−K2
マップにおける振動成分G2に対するばね定数K2の変化
特性を示すグラフである。
【図9】 従来の車両用サスペンション装置の概略図で
ある。
【符号の説明】
21…車体(ばね上部材)、22…車輪、23…ロアア
ーム(ばね下部材)、31…スプリング、40…ダンパ
装置、50…ばね機構、60…電気制御装置、61…加
速度センサ、62…車高センサ、63…荷重センサ、6
1a…積分器、62a…微分器、64…マイクロコンピ
ュータ、61b…ローパスフィルタ、42…バンドパス
フィルタ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ばね下部材とばね上部材との間に、ばね上
    部材をばね下部材に対して弾性的に支持するスプリング
    と、減衰力を発生してばね上部材のばね下部材に対する
    振動を減衰させるダンパ装置とを並列的に備えた車両用
    サスペンション装置において、 ばね下部材とばね上部材との間にて前記ダンパ装置に直
    列に配置されてなりばね定数を変更可能なばね機構と、 ばね上部材の荷重を検出する荷重検出手段と、 前記検出されたばね上荷重が大きいとき前記ばね機構を
    制御して同ばね機構のばね定数を大きく設定するばね定
    数制御手段とを設けたことを特徴とする車両用サスペン
    ション装置。
JP30789295A 1995-11-27 1995-11-27 車両用サスペンション装置 Pending JPH09142123A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016052106A1 (ja) * 2014-09-29 2016-04-07 オイレス工業株式会社 車両用スラスト軸受

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