JPH0914036A - 火花点火式内燃機関 - Google Patents
火花点火式内燃機関Info
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- JPH0914036A JPH0914036A JP16083395A JP16083395A JPH0914036A JP H0914036 A JPH0914036 A JP H0914036A JP 16083395 A JP16083395 A JP 16083395A JP 16083395 A JP16083395 A JP 16083395A JP H0914036 A JPH0914036 A JP H0914036A
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- Japan
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- fuel
- pressure
- injection pulse
- internal combustion
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】高圧燃料ポンプの駆動回転速度が低い場合であ
っても、必要な燃料を噴射供給できるようにする。 【構成】機関回転速度Neが所定速度以下であるクラン
キング時に(S2)、機関駆動される高圧燃料ポンプを
バイパスするバイパス通路を開き(S4)、前記高圧燃
料ポンプに燃料を供給するモータ駆動の低圧燃料ポンプ
からの燃料が直接的に燃料噴射弁に供給されるようにす
る。そして、かかる低圧噴射状態に対応すべく、燃料噴
射弁に出力する噴射パルス信号のパルス幅を増大補正す
る(S5)。
っても、必要な燃料を噴射供給できるようにする。 【構成】機関回転速度Neが所定速度以下であるクラン
キング時に(S2)、機関駆動される高圧燃料ポンプを
バイパスするバイパス通路を開き(S4)、前記高圧燃
料ポンプに燃料を供給するモータ駆動の低圧燃料ポンプ
からの燃料が直接的に燃料噴射弁に供給されるようにす
る。そして、かかる低圧噴射状態に対応すべく、燃料噴
射弁に出力する噴射パルス信号のパルス幅を増大補正す
る(S5)。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は火花点火式内燃機関に関
し、詳しくは、低圧燃料ポンプと高圧燃料ポンプとを直
列に設けて燃料を供給する構成の火花点火式内燃機関に
関する。
し、詳しくは、低圧燃料ポンプと高圧燃料ポンプとを直
列に設けて燃料を供給する構成の火花点火式内燃機関に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、低圧燃料ポンプと高圧燃料ポンプ
とを直列に設けて燃料を供給する構成の火花点火式内燃
機関としては、特開平4−339152号公報に開示さ
れるようなものがあった。このものは、燃焼室内に直接
燃料を噴射供給する燃料噴射弁に対して高圧燃料を供給
するための高圧燃料ポンプと、該高圧燃料ポンプに対し
て燃料タンク内の燃料を供給する低圧燃料ポンプとを備
えて構成される。
とを直列に設けて燃料を供給する構成の火花点火式内燃
機関としては、特開平4−339152号公報に開示さ
れるようなものがあった。このものは、燃焼室内に直接
燃料を噴射供給する燃料噴射弁に対して高圧燃料を供給
するための高圧燃料ポンプと、該高圧燃料ポンプに対し
て燃料タンク内の燃料を供給する低圧燃料ポンプとを備
えて構成される。
【0003】ここで、前記高圧燃料ポンプはベルトを介
して機関駆動される一方、低圧燃料ポンプはモータ駆動
される。従って、機関始動時には、まず、低圧燃料ポン
プがモータによって駆動されて燃料を高圧燃料ポンプに
供給し、クランキングによって駆動される高圧燃料ポン
プが前記供給された燃料を昇圧して吐き出し、該高圧燃
料が所定圧に調整されて燃料噴射弁に供給される。そし
て、燃料噴射弁における噴射パルス信号のパルス幅に応
じた燃料が機関に供給され、該燃料供給によって形成さ
れた混合気を点火栓によって着火燃焼させて機関が始動
される。
して機関駆動される一方、低圧燃料ポンプはモータ駆動
される。従って、機関始動時には、まず、低圧燃料ポン
プがモータによって駆動されて燃料を高圧燃料ポンプに
供給し、クランキングによって駆動される高圧燃料ポン
プが前記供給された燃料を昇圧して吐き出し、該高圧燃
料が所定圧に調整されて燃料噴射弁に供給される。そし
て、燃料噴射弁における噴射パルス信号のパルス幅に応
じた燃料が機関に供給され、該燃料供給によって形成さ
れた混合気を点火栓によって着火燃焼させて機関が始動
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記高圧燃
料ポンプとして一般的に使用される固有吐出量が比較的
小さく容積効率が低いポンプ(ギヤポンプ,プランジャ
ポンプ,油介在ベローズ式ポンプ)では、ポンプ回転速
度の低下によってその吐出量が大きく低下する。このた
め、極低温始動時やバッテリ劣化状態での始動時など
で、機関回転速度(クランキング回転速度)が極めて低
速となると、機関駆動される高圧燃料ポンプの吐出量
(単位回転当たりの吐出量)が必要量を下回って(図4
参照)、燃料噴射弁に供給される燃料圧力が所期圧より
も低下して、噴射パルス幅の単位時間当たりに実際に噴
射される燃料量が低下し、以て、機関に必要量の燃料を
供給できなくなって、機関始動性が悪化することがあっ
た。
料ポンプとして一般的に使用される固有吐出量が比較的
小さく容積効率が低いポンプ(ギヤポンプ,プランジャ
ポンプ,油介在ベローズ式ポンプ)では、ポンプ回転速
度の低下によってその吐出量が大きく低下する。このた
め、極低温始動時やバッテリ劣化状態での始動時など
で、機関回転速度(クランキング回転速度)が極めて低
速となると、機関駆動される高圧燃料ポンプの吐出量
(単位回転当たりの吐出量)が必要量を下回って(図4
参照)、燃料噴射弁に供給される燃料圧力が所期圧より
も低下して、噴射パルス幅の単位時間当たりに実際に噴
射される燃料量が低下し、以て、機関に必要量の燃料を
供給できなくなって、機関始動性が悪化することがあっ
た。
【0005】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、高圧燃料ポンプの吐出量が必要量を下回る状態で
あっても、機関への燃料供給量が不足することを回避で
きるようにすることを目的とする。更に、本発明は、高
圧燃料ポンプの吐出量が必要量を下回る状態であって
も、これに影響されて燃料圧力が変動して、噴射制御精
度が悪化することを回避できるようにすることを目的と
する。
あり、高圧燃料ポンプの吐出量が必要量を下回る状態で
あっても、機関への燃料供給量が不足することを回避で
きるようにすることを目的とする。更に、本発明は、高
圧燃料ポンプの吐出量が必要量を下回る状態であって
も、これに影響されて燃料圧力が変動して、噴射制御精
度が悪化することを回避できるようにすることを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1の発明
にかかる火花点火式内燃機関は、燃料噴射弁に燃料を供
給する高圧燃料ポンプと、該高圧燃料ポンプに燃料を供
給する低圧燃料ポンプとを備える一方、少なくとも前記
高圧燃料ポンプによる燃料吐出量が必要量以下であると
き又は必要量以下であると推定されるときに、前記燃料
噴射弁の噴射パルス幅を増大補正する噴射パルス補正手
段を設けて構成される(図1参照)。
にかかる火花点火式内燃機関は、燃料噴射弁に燃料を供
給する高圧燃料ポンプと、該高圧燃料ポンプに燃料を供
給する低圧燃料ポンプとを備える一方、少なくとも前記
高圧燃料ポンプによる燃料吐出量が必要量以下であると
き又は必要量以下であると推定されるときに、前記燃料
噴射弁の噴射パルス幅を増大補正する噴射パルス補正手
段を設けて構成される(図1参照)。
【0007】一方、請求項2の発明にかかる火花点火式
内燃機関は、燃料噴射弁に燃料を供給する機関駆動の高
圧燃料ポンプと、該高圧燃料ポンプに燃料を供給するモ
ータ駆動の低圧燃料ポンプとを備える一方、前記高圧燃
料ポンプをバイパスするバイパス通路と、該バイパス通
路を開閉する弁機構と、所定の運転条件のときにのみ前
記弁機構を開制御するバイパス制御手段と、該バイパス
制御手段による前記弁機構の開制御時に、前記燃料噴射
弁の噴射パルス幅を増大補正する噴射パルス補正手段
と、を設けて構成される(図2参照)。
内燃機関は、燃料噴射弁に燃料を供給する機関駆動の高
圧燃料ポンプと、該高圧燃料ポンプに燃料を供給するモ
ータ駆動の低圧燃料ポンプとを備える一方、前記高圧燃
料ポンプをバイパスするバイパス通路と、該バイパス通
路を開閉する弁機構と、所定の運転条件のときにのみ前
記弁機構を開制御するバイパス制御手段と、該バイパス
制御手段による前記弁機構の開制御時に、前記燃料噴射
弁の噴射パルス幅を増大補正する噴射パルス補正手段
と、を設けて構成される(図2参照)。
【0008】請求項3の発明にかかる火花点火式内燃機
関では、請求項2の発明における前記所定の運転条件
を、機関回転速度が所定速度以下であるときと、所定回
転速度以下でのクランキングが推定されるクランキング
時との少なくとも一方とする構成とした。また、請求項
4の発明にかかる火花点火式内燃機関は、燃料噴射弁に
燃料を供給する機関駆動の高圧燃料ポンプと、該高圧燃
料ポンプに燃料を供給するモータ駆動の低圧燃料ポンプ
とを備える一方、機関回転速度が所定速度以下であるこ
とを少なくとも条件として、前記燃料噴射弁の噴射パル
ス幅を増大補正する噴射パルス補正手段を設けて構成さ
れる(図1参照)。
関では、請求項2の発明における前記所定の運転条件
を、機関回転速度が所定速度以下であるときと、所定回
転速度以下でのクランキングが推定されるクランキング
時との少なくとも一方とする構成とした。また、請求項
4の発明にかかる火花点火式内燃機関は、燃料噴射弁に
燃料を供給する機関駆動の高圧燃料ポンプと、該高圧燃
料ポンプに燃料を供給するモータ駆動の低圧燃料ポンプ
とを備える一方、機関回転速度が所定速度以下であるこ
とを少なくとも条件として、前記燃料噴射弁の噴射パル
ス幅を増大補正する噴射パルス補正手段を設けて構成さ
れる(図1参照)。
【0009】請求項5の発明にかかる火花点火式内燃機
関では、請求項4の発明における前記噴射パルス補正手
段が、機関回転速度が所定速度以下であって、かつ、バ
ッテリ電圧が所定電圧以下であるときに、前記燃料噴射
弁の噴射パルス幅を増大補正する構成とした。請求項6
の発明にかかる火花点火式内燃機関では、請求項4の発
明における前記噴射パルス補正手段が、機関回転速度が
所定速度以下であって、かつ、外気温と機関温度との少
なくとも一方が所定温度以下であるときに、前記燃料噴
射弁の噴射パルス幅を増大補正する構成とした。
関では、請求項4の発明における前記噴射パルス補正手
段が、機関回転速度が所定速度以下であって、かつ、バ
ッテリ電圧が所定電圧以下であるときに、前記燃料噴射
弁の噴射パルス幅を増大補正する構成とした。請求項6
の発明にかかる火花点火式内燃機関では、請求項4の発
明における前記噴射パルス補正手段が、機関回転速度が
所定速度以下であって、かつ、外気温と機関温度との少
なくとも一方が所定温度以下であるときに、前記燃料噴
射弁の噴射パルス幅を増大補正する構成とした。
【0010】請求項7の発明にかかる火花点火式内燃機
関では、請求項4の発明における前記噴射パルス補正手
段が、機関回転速度が所定速度以下であって、かつ、ス
タータスイッチがONであるときに、前記燃料噴射弁の
噴射パルス幅を増大補正する構成とした。また、請求項
8の発明にかかる火花点火式内燃機関は、燃料噴射弁に
燃料を供給する機関駆動の高圧燃料ポンプと、該高圧燃
料ポンプに燃料を供給するモータ駆動の低圧燃料ポンプ
とを備える一方、所定回転速度以下でのクランキングが
推定されるクランキング時において、燃料噴射弁の噴射
パルス幅を増大補正する噴射パルス補正手段を設けて構
成される(図1参照)。
関では、請求項4の発明における前記噴射パルス補正手
段が、機関回転速度が所定速度以下であって、かつ、ス
タータスイッチがONであるときに、前記燃料噴射弁の
噴射パルス幅を増大補正する構成とした。また、請求項
8の発明にかかる火花点火式内燃機関は、燃料噴射弁に
燃料を供給する機関駆動の高圧燃料ポンプと、該高圧燃
料ポンプに燃料を供給するモータ駆動の低圧燃料ポンプ
とを備える一方、所定回転速度以下でのクランキングが
推定されるクランキング時において、燃料噴射弁の噴射
パルス幅を増大補正する噴射パルス補正手段を設けて構
成される(図1参照)。
【0011】請求項9の発明にかかる火花点火式内燃機
関では、請求項8の発明における前記噴射パルス補正手
段が、スタータスイッチがONであって、かつ、バッテ
リ電圧が所定の電圧以下であるときに、所定回転速度以
下でのクランキングを推定して噴射パルス幅を増大補正
する構成とした。請求項10の発明にかかる火花点火式内
燃機関では、請求項8の発明における前記噴射パルス補
正手段が、スタータスイッチがONであって、かつ、外
気温と機関温度との少なくとも一方が所定温度以下であ
るときに、所定回転速度以下でのクランキングを推定し
て噴射パルス幅を増大補正する構成とした。
関では、請求項8の発明における前記噴射パルス補正手
段が、スタータスイッチがONであって、かつ、バッテ
リ電圧が所定の電圧以下であるときに、所定回転速度以
下でのクランキングを推定して噴射パルス幅を増大補正
する構成とした。請求項10の発明にかかる火花点火式内
燃機関では、請求項8の発明における前記噴射パルス補
正手段が、スタータスイッチがONであって、かつ、外
気温と機関温度との少なくとも一方が所定温度以下であ
るときに、所定回転速度以下でのクランキングを推定し
て噴射パルス幅を増大補正する構成とした。
【0012】請求項11の発明にかかる火花点火式内燃機
関では、請求項8の発明における前記噴射パルス補正手
段が、スタータスイッチON操作から機関が所定回転数
だけ回転した時点での前記高圧燃料ポンプ下流側の燃料
圧力が所定圧以下であったときに、所定回転速度以下で
のクランキングを推定し、その後のスタータスイッチO
N状態において噴射パルス幅を増大補正する構成とし
た。
関では、請求項8の発明における前記噴射パルス補正手
段が、スタータスイッチON操作から機関が所定回転数
だけ回転した時点での前記高圧燃料ポンプ下流側の燃料
圧力が所定圧以下であったときに、所定回転速度以下で
のクランキングを推定し、その後のスタータスイッチO
N状態において噴射パルス幅を増大補正する構成とし
た。
【0013】請求項12の発明にかかる火花点火式内燃機
関では、請求項4〜11の発明において、前記高圧燃料ポ
ンプをバイパスするバイパス通路と、該バイパス通路を
開閉する弁機構とを設ける共に、前記噴射パルス補正手
段による噴射パルス幅の増大補正時に、前記弁機構を開
制御するバイパス制御手段を設ける構成とした。請求項
13の発明にかかる火花点火式内燃機関は、燃料噴射弁に
燃料を供給する機関駆動の高圧燃料ポンプと、該高圧燃
料ポンプに燃料を供給するモータ駆動の低圧燃料ポンプ
とを備える一方、前記高圧燃料ポンプをバイパスするバ
イパス通路と、該バイパス通路を開閉する弁機構と、ク
ランキング開始前に所定回転速度以下でのクランキング
が行われるか否かを推定し、所定回転速度以下でのクラ
ンキングが推定されるときに前記弁機構を予め開制御
し、クランキング終了時点と機関回転速度が所定回転速
度以上になった時点とのいずれか一方まで前記開状態を
維持するバイパス制御手段と、該バイパス制御手段にお
ける開制御状態において前記燃料噴射弁の噴射パルス幅
を増大補正する噴射パルス補正手段と、を設けて構成さ
れる(図2参照)。
関では、請求項4〜11の発明において、前記高圧燃料ポ
ンプをバイパスするバイパス通路と、該バイパス通路を
開閉する弁機構とを設ける共に、前記噴射パルス補正手
段による噴射パルス幅の増大補正時に、前記弁機構を開
制御するバイパス制御手段を設ける構成とした。請求項
13の発明にかかる火花点火式内燃機関は、燃料噴射弁に
燃料を供給する機関駆動の高圧燃料ポンプと、該高圧燃
料ポンプに燃料を供給するモータ駆動の低圧燃料ポンプ
とを備える一方、前記高圧燃料ポンプをバイパスするバ
イパス通路と、該バイパス通路を開閉する弁機構と、ク
ランキング開始前に所定回転速度以下でのクランキング
が行われるか否かを推定し、所定回転速度以下でのクラ
ンキングが推定されるときに前記弁機構を予め開制御
し、クランキング終了時点と機関回転速度が所定回転速
度以上になった時点とのいずれか一方まで前記開状態を
維持するバイパス制御手段と、該バイパス制御手段にお
ける開制御状態において前記燃料噴射弁の噴射パルス幅
を増大補正する噴射パルス補正手段と、を設けて構成さ
れる(図2参照)。
【0014】請求項14の発明にかかる火花点火式内燃機
関では、請求項13の発明におけるバイパス制御手段が、
バッテリ電圧,外気温度,機関温度のうちの少なくとも
1つに基づいて所定回転速度以下でのクランキングが行
われるか否かを推定する構成とした。請求項15の発明に
かかる火花点火式内燃機関では、請求項2,3,12〜14
に示す噴射パルス幅の増大補正時にバイパス通路を開制
御する構成において、前記高圧燃料ポンプの下流側に高
圧レギュレータを備えると共に、低圧燃料ポンプの下流
側に低圧レギュレータを備え、前記噴射パルス補正手段
が、前記高圧レギュレータでの調整圧と前記低圧レギュ
レータでの調整圧との圧力差に対応する増大補正を噴射
パルス幅に施す構成とした。
関では、請求項13の発明におけるバイパス制御手段が、
バッテリ電圧,外気温度,機関温度のうちの少なくとも
1つに基づいて所定回転速度以下でのクランキングが行
われるか否かを推定する構成とした。請求項15の発明に
かかる火花点火式内燃機関では、請求項2,3,12〜14
に示す噴射パルス幅の増大補正時にバイパス通路を開制
御する構成において、前記高圧燃料ポンプの下流側に高
圧レギュレータを備えると共に、低圧燃料ポンプの下流
側に低圧レギュレータを備え、前記噴射パルス補正手段
が、前記高圧レギュレータでの調整圧と前記低圧レギュ
レータでの調整圧との圧力差に対応する増大補正を噴射
パルス幅に施す構成とした。
【0015】
【作用】請求項1の発明にかかる火花点火式内燃機関に
よると、高圧燃料ポンプによる燃料吐出量が必要量を下
回って、所期の高圧力の燃料を燃料噴射弁に供給できな
い状態になったときには、噴射パルス幅を増大補正する
ことで、単位噴射時間当たりの噴射量の低下に対応し
て、所期の燃料噴射量が確保できるようにする。
よると、高圧燃料ポンプによる燃料吐出量が必要量を下
回って、所期の高圧力の燃料を燃料噴射弁に供給できな
い状態になったときには、噴射パルス幅を増大補正する
ことで、単位噴射時間当たりの噴射量の低下に対応し
て、所期の燃料噴射量が確保できるようにする。
【0016】請求項2の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、機関駆動される高圧燃料ポンプを所定の運
転条件でバイパスさせて燃料を供給させることで、機関
運転条件に影響されて所期状態で作動できなくなってい
る高圧燃料ポンプの影響を排除した燃料供給を可能にす
る。一方、かかる状態では、高圧の燃料供給が不能にな
るので、燃料噴射量を確保すべく噴射パルス幅を増大補
正する。
関によると、機関駆動される高圧燃料ポンプを所定の運
転条件でバイパスさせて燃料を供給させることで、機関
運転条件に影響されて所期状態で作動できなくなってい
る高圧燃料ポンプの影響を排除した燃料供給を可能にす
る。一方、かかる状態では、高圧の燃料供給が不能にな
るので、燃料噴射量を確保すべく噴射パルス幅を増大補
正する。
【0017】請求項3の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、機関回転速度が所定回転速度以下であると
きや所定回転速度以下でクランキングされることが推定
されるクランキング時であって、高圧燃料ポンプの駆動
回転速度が低くなるときに、高圧燃料ポンプをバイパス
させ、かつ、噴射パルス幅の増大補正を行う。即ち、高
圧燃料ポンプの駆動回転速度が低いと燃料吐出量が低下
して、所期圧での燃料供給が困難になるので、高圧燃料
ポンプをバイパスさせることで回転速度の変化によって
燃料の供給圧が変動することを回避し、低圧燃料ポンプ
による燃料供給状態に対応した燃料噴射を行わせる。
関によると、機関回転速度が所定回転速度以下であると
きや所定回転速度以下でクランキングされることが推定
されるクランキング時であって、高圧燃料ポンプの駆動
回転速度が低くなるときに、高圧燃料ポンプをバイパス
させ、かつ、噴射パルス幅の増大補正を行う。即ち、高
圧燃料ポンプの駆動回転速度が低いと燃料吐出量が低下
して、所期圧での燃料供給が困難になるので、高圧燃料
ポンプをバイパスさせることで回転速度の変化によって
燃料の供給圧が変動することを回避し、低圧燃料ポンプ
による燃料供給状態に対応した燃料噴射を行わせる。
【0018】請求項4の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、機関回転速度が所定回転速度以下であっ
て、機関駆動される高圧燃料ポンプの駆動回転速度が低
く所期の吐出量が得られなくなっているときには、噴射
パルス幅の増大補正を行って燃料供給圧の低下による燃
料噴射量の減少を回避する。請求項5の発明にかかる火
花点火式内燃機関によると、機関回転速度が所定回転速
度以下であって、かつ、バッテリ電圧が低いときに、噴
射パルス幅の増大補正を行い、バッテリ劣化によるクラ
ンキング回転速度の低下があっても、所期の燃料量が確
保されるようにする。
関によると、機関回転速度が所定回転速度以下であっ
て、機関駆動される高圧燃料ポンプの駆動回転速度が低
く所期の吐出量が得られなくなっているときには、噴射
パルス幅の増大補正を行って燃料供給圧の低下による燃
料噴射量の減少を回避する。請求項5の発明にかかる火
花点火式内燃機関によると、機関回転速度が所定回転速
度以下であって、かつ、バッテリ電圧が低いときに、噴
射パルス幅の増大補正を行い、バッテリ劣化によるクラ
ンキング回転速度の低下があっても、所期の燃料量が確
保されるようにする。
【0019】請求項6の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、機関回転速度が所定回転速度以下であっ
て、かつ、外気温度と機関温度との少なくとも一方が所
定温度以下であるときに、噴射パルス幅の増大補正を行
い、低温始動時にクランキング回転速度の低下があって
も、所期の燃料量が確保されるようにする。請求項7の
発明にかかる火花点火式内燃機関によると、機関回転速
度が所定回転速度以下であって、かつ、スタータスイッ
チがONであるときに、噴射パルス幅の増大補正を行
い、なんらかの理由によってクランキング回転速度の低
下があっても、所期の燃料量が確保されるようにする。
関によると、機関回転速度が所定回転速度以下であっ
て、かつ、外気温度と機関温度との少なくとも一方が所
定温度以下であるときに、噴射パルス幅の増大補正を行
い、低温始動時にクランキング回転速度の低下があって
も、所期の燃料量が確保されるようにする。請求項7の
発明にかかる火花点火式内燃機関によると、機関回転速
度が所定回転速度以下であって、かつ、スタータスイッ
チがONであるときに、噴射パルス幅の増大補正を行
い、なんらかの理由によってクランキング回転速度の低
下があっても、所期の燃料量が確保されるようにする。
【0020】請求項8の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、実際に回転速度が低いか否かを判別する代
わりに、通常よりも低い回転速度によるクランキングが
行われると推定されるクランキング時に噴射パルス幅を
増大補正し、少なくとも低い回転速度でクランキングが
行われても燃料噴射量が不足することを回避できるよう
にした。
関によると、実際に回転速度が低いか否かを判別する代
わりに、通常よりも低い回転速度によるクランキングが
行われると推定されるクランキング時に噴射パルス幅を
増大補正し、少なくとも低い回転速度でクランキングが
行われても燃料噴射量が不足することを回避できるよう
にした。
【0021】請求項9の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、バッテリ電圧が低い状態でのクランキング
時には、回転速度が低くなる可能性があると判断して、
噴射パルス幅の増大補正を行う。請求項10の発明にかか
る火花点火式内燃機関によると、温度が低い状態でのク
ランキング時には、回転速度が低くなる可能性があると
判断して、噴射パルス幅の増大補正を行う。
関によると、バッテリ電圧が低い状態でのクランキング
時には、回転速度が低くなる可能性があると判断して、
噴射パルス幅の増大補正を行う。請求項10の発明にかか
る火花点火式内燃機関によると、温度が低い状態でのク
ランキング時には、回転速度が低くなる可能性があると
判断して、噴射パルス幅の増大補正を行う。
【0022】請求項11の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、クランキングを開始してから機関が所定回
転数だけ回転した時点で、高圧燃料ポンプの下流側にお
ける燃圧が充分に上昇していない場合には、クランキン
グ回転速度が低いために所期の燃圧上昇が得られないも
のと判断して、その後のクランキング状態で噴射パルス
幅の増大補正を行う。
関によると、クランキングを開始してから機関が所定回
転数だけ回転した時点で、高圧燃料ポンプの下流側にお
ける燃圧が充分に上昇していない場合には、クランキン
グ回転速度が低いために所期の燃圧上昇が得られないも
のと判断して、その後のクランキング状態で噴射パルス
幅の増大補正を行う。
【0023】請求項12の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、機関回転速度が低いために高圧燃料ポンプ
の吐出量が確保できないと推定され、噴射パルス幅を補
正するときに、高圧燃料ポンプをバイパスさせて燃料を
供給するようにし、機関回転速度の変動によって燃料の
供給圧が大きく変化することを回避する。請求項13の発
明にかかる火花点火式内燃機関によると、クランキング
を開始したときに回転速度が通常よりも低くなると予測
される場合には、クランキングの開始前から高圧燃料ポ
ンプをバイパスする通路を開けておき、クランキングの
開始当初から高圧燃料ポンプの作動状態に影響されない
燃料供給が行えるようにする。そして、クランキングが
終了するまで、或いは、機関回転速度が所定回転速度以
上になって所期の高圧燃料噴射が可能になるまでの間、
前記バイパス制御状態を維持する一方、この状態での低
圧噴射に対応すべく噴射パルス幅を増大補正する。
関によると、機関回転速度が低いために高圧燃料ポンプ
の吐出量が確保できないと推定され、噴射パルス幅を補
正するときに、高圧燃料ポンプをバイパスさせて燃料を
供給するようにし、機関回転速度の変動によって燃料の
供給圧が大きく変化することを回避する。請求項13の発
明にかかる火花点火式内燃機関によると、クランキング
を開始したときに回転速度が通常よりも低くなると予測
される場合には、クランキングの開始前から高圧燃料ポ
ンプをバイパスする通路を開けておき、クランキングの
開始当初から高圧燃料ポンプの作動状態に影響されない
燃料供給が行えるようにする。そして、クランキングが
終了するまで、或いは、機関回転速度が所定回転速度以
上になって所期の高圧燃料噴射が可能になるまでの間、
前記バイパス制御状態を維持する一方、この状態での低
圧噴射に対応すべく噴射パルス幅を増大補正する。
【0024】請求項14の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、バッテリ電圧,外気温度,機関温度が低い
状態では、クランキング回転速度が低くなるものと推定
できるので、これらのパラメータを用いて低速クランキ
ングの発生を推定するものとした。請求項15の発明にか
かる火花点火式内燃機関によると、高圧燃料ポンプをバ
イパスさせているときには、低圧レギュレータで所定圧
に調整された燃料が燃料噴射弁に供給されることになる
ので、高圧燃料ポンプが所期回転速度で駆動される場合
の高圧レギュレータによる調整圧と、前記低圧レギュレ
ータによる調整圧との差に応じて噴射パルス幅を増大補
正することで、高圧レギュレータによる調整圧に対応し
て演算される噴射パルス幅を低圧用に補正設定する。
関によると、バッテリ電圧,外気温度,機関温度が低い
状態では、クランキング回転速度が低くなるものと推定
できるので、これらのパラメータを用いて低速クランキ
ングの発生を推定するものとした。請求項15の発明にか
かる火花点火式内燃機関によると、高圧燃料ポンプをバ
イパスさせているときには、低圧レギュレータで所定圧
に調整された燃料が燃料噴射弁に供給されることになる
ので、高圧燃料ポンプが所期回転速度で駆動される場合
の高圧レギュレータによる調整圧と、前記低圧レギュレ
ータによる調整圧との差に応じて噴射パルス幅を増大補
正することで、高圧レギュレータによる調整圧に対応し
て演算される噴射パルス幅を低圧用に補正設定する。
【0025】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。図3は、
本実施例の火花点火式内燃機関のシステム構成図であ
る。この図3において、火花点火式内燃機関1には、各
気筒の燃焼室内に臨ませて燃料噴射弁2が設けられてい
る。尚、燃料噴射弁2は吸気通路内に燃料を噴射供給す
るものであっても良い。
本実施例の火花点火式内燃機関のシステム構成図であ
る。この図3において、火花点火式内燃機関1には、各
気筒の燃焼室内に臨ませて燃料噴射弁2が設けられてい
る。尚、燃料噴射弁2は吸気通路内に燃料を噴射供給す
るものであっても良い。
【0026】前記燃料噴射弁2は、コントロールユニッ
ト3から送られる噴射パルス信号(通電制御信号)に応
じて開弁制御される。前記燃料噴射弁2は、コモンレー
ル4から分配管5を介して燃料が分配供給されるように
なっており、前記コモンレール4には、高圧燃料ポンプ
6から圧送され、高圧用レギュレータ7で所定高圧に調
整された燃料が燃料通路8を介して供給される。従っ
て、前記噴射パルス信号のパルス幅(噴射パルス幅)に
よって、燃料噴射弁2からの燃料噴射量が調整されるよ
うになっている。
ト3から送られる噴射パルス信号(通電制御信号)に応
じて開弁制御される。前記燃料噴射弁2は、コモンレー
ル4から分配管5を介して燃料が分配供給されるように
なっており、前記コモンレール4には、高圧燃料ポンプ
6から圧送され、高圧用レギュレータ7で所定高圧に調
整された燃料が燃料通路8を介して供給される。従っ
て、前記噴射パルス信号のパルス幅(噴射パルス幅)に
よって、燃料噴射弁2からの燃料噴射量が調整されるよ
うになっている。
【0027】一方、前記高圧燃料ポンプ6には、低圧燃
料ポンプ9によって燃料タンク10からの吸い込まれた燃
料が低圧用レギュレータ11によって所定低圧に調整され
て供給される。前記レギュレータ7,11は、燃料圧力が
所定圧以上になると燃料タンク9へのリターン通路7
a,11aを開いて燃料を戻すことで、燃料圧力を一定圧
に調整するものである。
料ポンプ9によって燃料タンク10からの吸い込まれた燃
料が低圧用レギュレータ11によって所定低圧に調整され
て供給される。前記レギュレータ7,11は、燃料圧力が
所定圧以上になると燃料タンク9へのリターン通路7
a,11aを開いて燃料を戻すことで、燃料圧力を一定圧
に調整するものである。
【0028】また、前記高圧燃料ポンプ6をバイパスし
て燃料を燃料噴射弁2に供給するためのバイパス通路12
が設けられ、該バイパス通路12には、該バイパス通路12
を開閉するための電磁弁(弁機構)13が設けられてい
る。前記電磁弁13は常閉型の電磁弁であり、コントロー
ルユニット3による通電制御によって選択的に開制御さ
れる。
て燃料を燃料噴射弁2に供給するためのバイパス通路12
が設けられ、該バイパス通路12には、該バイパス通路12
を開閉するための電磁弁(弁機構)13が設けられてい
る。前記電磁弁13は常閉型の電磁弁であり、コントロー
ルユニット3による通電制御によって選択的に開制御さ
れる。
【0029】前記高圧燃料ポンプ6の上下流それぞれ、
及び、低圧燃料ポンプ9の吸込側には、燃料抜け防止を
兼ねる逆止弁14a〜14cが介装されている。尚、前記バ
イパス通路12は、逆止弁14a,高圧燃料ポンプ6,逆止
弁14bをバイパスするように構成されている。前記高圧
燃料ポンプ6は、ベルトやギヤなどによって機関から駆
動力が伝達されて動作する機関駆動のポンプであり、例
えばプランジャポンプが用いられる。一方、前記低圧燃
料ポンプ9は、モータ(図示省略)によって駆動される
ポンプである。
及び、低圧燃料ポンプ9の吸込側には、燃料抜け防止を
兼ねる逆止弁14a〜14cが介装されている。尚、前記バ
イパス通路12は、逆止弁14a,高圧燃料ポンプ6,逆止
弁14bをバイパスするように構成されている。前記高圧
燃料ポンプ6は、ベルトやギヤなどによって機関から駆
動力が伝達されて動作する機関駆動のポンプであり、例
えばプランジャポンプが用いられる。一方、前記低圧燃
料ポンプ9は、モータ(図示省略)によって駆動される
ポンプである。
【0030】前記コントロールユニット3には、スター
タモータ15の通電を制御するスタータスイッチ16のON
・OFF信号、機関1の冷却水温度を検出する水温セン
サ17からの冷却水温度信号Tw、機関回転速度センサ18
からの回転信号Ne、スタータモータ15の電源でもある
バッテリ19の電圧信号VB等が入力されるようになって
いる。
タモータ15の通電を制御するスタータスイッチ16のON
・OFF信号、機関1の冷却水温度を検出する水温セン
サ17からの冷却水温度信号Tw、機関回転速度センサ18
からの回転信号Ne、スタータモータ15の電源でもある
バッテリ19の電圧信号VB等が入力されるようになって
いる。
【0031】ところで、プランジャポンプなどが用いら
れる前記高圧燃料ポンプ6においては、プランジャ部の
燃料リークによって、図4に示すように、駆動回転速度
が低くなると、単位回転当たりの燃料吐出量が停止し、
極低速では所期高圧での燃料吐出が困難になる。通常の
機関運転条件では、高圧燃料ポンプ6において必要吐出
量を確保できる駆動回転速度が得られるが、クランキン
グ時であって、然も、極低温時やバッテリ劣化時などで
クランキング回転速度が低い場合には、必要吐出量を下
回るようになって燃料噴射弁2に対する燃料供給圧を充
分に昇圧できず、燃料噴射弁2による燃料噴射量が要求
量を下回って始動性が悪化する惧れがある。
れる前記高圧燃料ポンプ6においては、プランジャ部の
燃料リークによって、図4に示すように、駆動回転速度
が低くなると、単位回転当たりの燃料吐出量が停止し、
極低速では所期高圧での燃料吐出が困難になる。通常の
機関運転条件では、高圧燃料ポンプ6において必要吐出
量を確保できる駆動回転速度が得られるが、クランキン
グ時であって、然も、極低温時やバッテリ劣化時などで
クランキング回転速度が低い場合には、必要吐出量を下
回るようになって燃料噴射弁2に対する燃料供給圧を充
分に昇圧できず、燃料噴射弁2による燃料噴射量が要求
量を下回って始動性が悪化する惧れがある。
【0032】そこで、本実施例では、コントロールユニ
ット3が図5のフローチャートに示すようにして、噴射
パルス幅の補正及び前記電磁弁13の開閉制御を行って、
機関駆動される高圧燃料ポンプ6の駆動回転速度が低い
ことによる噴射制御性の悪化を回避するようになってい
る。尚、本実施例において、バイパス制御手段,噴射パ
ルス補正手段としての機能は、前記図5のフローチャー
トに示すようにコントロールユニット3がソフトウェア
的に備えている。
ット3が図5のフローチャートに示すようにして、噴射
パルス幅の補正及び前記電磁弁13の開閉制御を行って、
機関駆動される高圧燃料ポンプ6の駆動回転速度が低い
ことによる噴射制御性の悪化を回避するようになってい
る。尚、本実施例において、バイパス制御手段,噴射パ
ルス補正手段としての機能は、前記図5のフローチャー
トに示すようにコントロールユニット3がソフトウェア
的に備えている。
【0033】図5のフローチャートにおいて、S1で
は、冷却水温度Tw,機関回転速度Ne,スタータスイ
ッチ16のON・OFF信号,バッテリ電圧VB等を読み
込む。S2では、後述する補正条件が成立しているか否
かを判別する。前記補正条件とは、クランキング回転速
度が所定速度以下のとき、又は、所定回転速度以下での
クランキングが推定されるクランキング時であり、通常
よりも低い回転速度によって高圧燃料ポンプにおける燃
料吐出量が必要量を下回っていると推定される条件であ
る。
は、冷却水温度Tw,機関回転速度Ne,スタータスイ
ッチ16のON・OFF信号,バッテリ電圧VB等を読み
込む。S2では、後述する補正条件が成立しているか否
かを判別する。前記補正条件とは、クランキング回転速
度が所定速度以下のとき、又は、所定回転速度以下での
クランキングが推定されるクランキング時であり、通常
よりも低い回転速度によって高圧燃料ポンプにおける燃
料吐出量が必要量を下回っていると推定される条件であ
る。
【0034】S2で補正条件が成立していないと判別さ
れたときには、S3へ進み、通常制御を実行する。通常
制御とは、前記電磁弁13を閉状態に保持し、また、前記
高圧用レギュレータ7による調整圧に対応して燃料噴射
弁2に出力する噴射パルス幅を演算することを示す。一
方、S2で補正条件が成立していると判別されたときに
は、S4へ進み、前記電磁弁13を開制御して、燃料が高
圧燃料ポンプ6をバイパスして燃料噴射弁2に供給され
るようにする。
れたときには、S3へ進み、通常制御を実行する。通常
制御とは、前記電磁弁13を閉状態に保持し、また、前記
高圧用レギュレータ7による調整圧に対応して燃料噴射
弁2に出力する噴射パルス幅を演算することを示す。一
方、S2で補正条件が成立していると判別されたときに
は、S4へ進み、前記電磁弁13を開制御して、燃料が高
圧燃料ポンプ6をバイパスして燃料噴射弁2に供給され
るようにする。
【0035】かかる状態では、見掛け上、低圧燃料ポン
プ9と低圧用レギュレータ11のみからなる燃料供給系を
構成することになり、燃料噴射弁2には、低圧用レギュ
レータ11により調整された低圧の燃料が供給される。高
圧燃料ポンプ6の駆動源である機関の回転速度Neが低
いと、前述のように高圧燃料ポンプ6における吐出量が
必要量以下となってしまうと共に、回転速度の変化によ
ってその吐出量が、低圧レギュレータの調整圧と高圧レ
ギュレータの調整圧との間で急激な変化を示すことにな
り(図4参照)、燃料噴射弁2に供給される燃料圧力が
一定せず、後述する所期の燃圧が得られないことに対応
するための噴射パルス幅の適正な補正が困難になる。そ
こで、所期の高い燃料圧ではないものの一定圧に調整さ
れた燃料を燃料噴射弁2に供給すべく、高圧燃料ポンプ
6をバイパスさせるものである。
プ9と低圧用レギュレータ11のみからなる燃料供給系を
構成することになり、燃料噴射弁2には、低圧用レギュ
レータ11により調整された低圧の燃料が供給される。高
圧燃料ポンプ6の駆動源である機関の回転速度Neが低
いと、前述のように高圧燃料ポンプ6における吐出量が
必要量以下となってしまうと共に、回転速度の変化によ
ってその吐出量が、低圧レギュレータの調整圧と高圧レ
ギュレータの調整圧との間で急激な変化を示すことにな
り(図4参照)、燃料噴射弁2に供給される燃料圧力が
一定せず、後述する所期の燃圧が得られないことに対応
するための噴射パルス幅の適正な補正が困難になる。そ
こで、所期の高い燃料圧ではないものの一定圧に調整さ
れた燃料を燃料噴射弁2に供給すべく、高圧燃料ポンプ
6をバイパスさせるものである。
【0036】次のS5では、上記のように、バイパス通
路12を開いて低圧噴射状態となっていることに対応すべ
く、噴射パルス幅を増大補正する処理を行う。通常の噴
射パルス幅は、高圧燃料ポンプ6による高圧の燃料供給
に対応すべく演算されるので、実際の燃料供給圧が低下
すると、単位時間当たりの噴射量が減少することによっ
て、同じ噴射パルス幅を与えたのでは、所期の燃料量を
機関1に噴射供給することができない。本実施例の場
合、バイパス通路12を開いたことで、燃圧は、高圧レギ
ュレータ7による所期圧ではなく、低圧レギュレータ11
による調整圧に低下するから、高圧レギュレータ7の調
整圧と低圧レギュレータ11による調整圧との比に対応す
る補正係数を、所期の高圧に対応して演算された噴射パ
ルス幅に乗算して、噴射パルス幅の増大補正を図れば、
高圧噴射による燃料の微粒化等は望めないものの、要求
燃料量を噴射供給させることが可能となり、以て、始動
性の悪化を回避できる。
路12を開いて低圧噴射状態となっていることに対応すべ
く、噴射パルス幅を増大補正する処理を行う。通常の噴
射パルス幅は、高圧燃料ポンプ6による高圧の燃料供給
に対応すべく演算されるので、実際の燃料供給圧が低下
すると、単位時間当たりの噴射量が減少することによっ
て、同じ噴射パルス幅を与えたのでは、所期の燃料量を
機関1に噴射供給することができない。本実施例の場
合、バイパス通路12を開いたことで、燃圧は、高圧レギ
ュレータ7による所期圧ではなく、低圧レギュレータ11
による調整圧に低下するから、高圧レギュレータ7の調
整圧と低圧レギュレータ11による調整圧との比に対応す
る補正係数を、所期の高圧に対応して演算された噴射パ
ルス幅に乗算して、噴射パルス幅の増大補正を図れば、
高圧噴射による燃料の微粒化等は望めないものの、要求
燃料量を噴射供給させることが可能となり、以て、始動
性の悪化を回避できる。
【0037】図6〜図11は、前記S2で判別される補正
条件(電磁弁13の開条件でありかつ噴射パルス幅の補正
条件)を、電磁弁13の開条件として示してあり、前記S
2では、かかる図6〜図11に示す条件のうちのいずれか
1つについて判別する。図6に示す条件は、機関回転速
度が所定回転速度(例えば500rpm) 以下であるときを補
正条件としてある。
条件(電磁弁13の開条件でありかつ噴射パルス幅の補正
条件)を、電磁弁13の開条件として示してあり、前記S
2では、かかる図6〜図11に示す条件のうちのいずれか
1つについて判別する。図6に示す条件は、機関回転速
度が所定回転速度(例えば500rpm) 以下であるときを補
正条件としてある。
【0038】即ち、機関回転速度Neが低く、機関駆動
される高圧燃料ポンプ6における吐出量が必要量以下に
なっていると判断されるときに、電磁弁13を開制御して
安定した低圧噴射状態にすると共に、かかる低圧噴射に
対応する補正を噴射パルス幅に施して、たとえ回転速度
が低く、所期の高圧噴射が行えない条件下であっても、
要求量の燃料量を噴射供給させるようにしたものであ
る。
される高圧燃料ポンプ6における吐出量が必要量以下に
なっていると判断されるときに、電磁弁13を開制御して
安定した低圧噴射状態にすると共に、かかる低圧噴射に
対応する補正を噴射パルス幅に施して、たとえ回転速度
が低く、所期の高圧噴射が行えない条件下であっても、
要求量の燃料量を噴射供給させるようにしたものであ
る。
【0039】前記所定回転速度としては、通常運転状態
で下回ることがない回転速度が設定されるので、実質的
には、クランキング時の回転速度が低い状態を判別する
ことになり、クランキング時の回転速度が低く、所期の
高圧噴射が行えないときに、前記バイパス制御及びパル
ス幅補正を行うことで、少なくとも必要量の燃料を噴射
させて、始動性の悪化を防止できる。
で下回ることがない回転速度が設定されるので、実質的
には、クランキング時の回転速度が低い状態を判別する
ことになり、クランキング時の回転速度が低く、所期の
高圧噴射が行えないときに、前記バイパス制御及びパル
ス幅補正を行うことで、少なくとも必要量の燃料を噴射
させて、始動性の悪化を防止できる。
【0040】図7に示す補正条件は、機関回転速度が所
定回転速度(例えば500rpm) 以下であって、かつ、冷却
水温度Twが所定温度(例えば−10℃)以下であるとき
を補正条件としてある。尚、前記冷却水温度Twは機関
温度を代表するパラメータであり、また、前記冷却水温
度Twの代わりに外気温度を吸気温センサ等で検出して
これを判別する構成としても良くい。また、以下に示す
別の補正条件でも前記冷却水温度Twについては同様で
あるものとする。
定回転速度(例えば500rpm) 以下であって、かつ、冷却
水温度Twが所定温度(例えば−10℃)以下であるとき
を補正条件としてある。尚、前記冷却水温度Twは機関
温度を代表するパラメータであり、また、前記冷却水温
度Twの代わりに外気温度を吸気温センサ等で検出して
これを判別する構成としても良くい。また、以下に示す
別の補正条件でも前記冷却水温度Twについては同様で
あるものとする。
【0041】図7に示す補正条件では、たとえ機関回転
速度が所定回転速度以下であっても、そのときの冷却水
温度Twが高ければ、前記バイパス制御及びパルス幅補
正を行わない構成としてある。これは、機関温度が高い
条件下での始動時には、低温始動時に比べて、一般的に
は高回転でのクランキングが可能であり、たとえ一時的
に回転速度が低い状態があってもその状態が長く続くこ
とがないのに対し、低温始動時には、同じ所定回転速度
以下の領域であっても、特に低い側の回転速度でクラン
キングされる可能性が高いためである。
速度が所定回転速度以下であっても、そのときの冷却水
温度Twが高ければ、前記バイパス制御及びパルス幅補
正を行わない構成としてある。これは、機関温度が高い
条件下での始動時には、低温始動時に比べて、一般的に
は高回転でのクランキングが可能であり、たとえ一時的
に回転速度が低い状態があってもその状態が長く続くこ
とがないのに対し、低温始動時には、同じ所定回転速度
以下の領域であっても、特に低い側の回転速度でクラン
キングされる可能性が高いためである。
【0042】図8に示す補正条件は、機関回転速度が所
定回転速度(例えば500rpm) 以下であって、かつ、バッ
テリ電圧VBが所定電圧(例えば11V)以下であるとき
を補正条件としてある。図8に示す補正条件では、たと
え機関回転速度が所定回転速度以下であっても、そのと
きのバッテリ電圧VBが高ければ、前記バイパス制御及
びパルス幅補正を行わない構成としてある。これは、バ
ッテリ電圧が高い条件下での始動時には、低電圧状態で
の始動時に比べて、一般的には高回転でのクランキング
が可能であり、たとえ一時的に回転速度が低い状態があ
ってもその状態が長く続くことがないのに対し、バッテ
リ電圧VBの低いときには、同じ所定回転速度以下の領
域であっても、特に低い側の回転速度でクランキングさ
れる可能性が高いためである。
定回転速度(例えば500rpm) 以下であって、かつ、バッ
テリ電圧VBが所定電圧(例えば11V)以下であるとき
を補正条件としてある。図8に示す補正条件では、たと
え機関回転速度が所定回転速度以下であっても、そのと
きのバッテリ電圧VBが高ければ、前記バイパス制御及
びパルス幅補正を行わない構成としてある。これは、バ
ッテリ電圧が高い条件下での始動時には、低電圧状態で
の始動時に比べて、一般的には高回転でのクランキング
が可能であり、たとえ一時的に回転速度が低い状態があ
ってもその状態が長く続くことがないのに対し、バッテ
リ電圧VBの低いときには、同じ所定回転速度以下の領
域であっても、特に低い側の回転速度でクランキングさ
れる可能性が高いためである。
【0043】図9に示す補正条件は、機関回転速度が所
定回転速度(例えば500rpm) 以下であって、かつ、スタ
ータスイッチ16がONであるときを補正条件としてあ
る。図9に示す補正条件によると、補正はクランキング
中であって、かつ、クランキング回転速度が所定回転速
度以下である場合に限られる。即ち、バッテリ電圧VB
が低いためや、温度が低いために、クランキング回転速
度が極端に低くなる始動時に限って補正を行わせ、補正
が始動不良対策として確実に実行されるようにする。
定回転速度(例えば500rpm) 以下であって、かつ、スタ
ータスイッチ16がONであるときを補正条件としてあ
る。図9に示す補正条件によると、補正はクランキング
中であって、かつ、クランキング回転速度が所定回転速
度以下である場合に限られる。即ち、バッテリ電圧VB
が低いためや、温度が低いために、クランキング回転速
度が極端に低くなる始動時に限って補正を行わせ、補正
が始動不良対策として確実に実行されるようにする。
【0044】一方、図10に示す補正条件では、機関回転
速度の判別を行わず、スタータスイッチ16がONであっ
て、かつ、冷却水温度Twが所定温度以下であるときを
補正条件としてある。即ち、冷却水温度Twが所定温度
以下であるクランキング時には、高圧燃料ポンプ6にお
ける吐出量が必要量以下となってしまうような低速での
クランキングが行われる可能性が高いので、たとえ実際
に低速でのクランキングが行われても必要量の燃料が確
保されるように、前記バイパス制御及びパルス幅増大補
正を実行させるものである。従って、前記図10に示す条
件は、所定回転速度以下でのクランキングが推定される
クランキング時に相当する。
速度の判別を行わず、スタータスイッチ16がONであっ
て、かつ、冷却水温度Twが所定温度以下であるときを
補正条件としてある。即ち、冷却水温度Twが所定温度
以下であるクランキング時には、高圧燃料ポンプ6にお
ける吐出量が必要量以下となってしまうような低速での
クランキングが行われる可能性が高いので、たとえ実際
に低速でのクランキングが行われても必要量の燃料が確
保されるように、前記バイパス制御及びパルス幅増大補
正を実行させるものである。従って、前記図10に示す条
件は、所定回転速度以下でのクランキングが推定される
クランキング時に相当する。
【0045】また、図11に示す補正条件では、図10に示
した条件と同様に、機関回転速度の判別を行わず、スタ
ータスイッチ16がONであって、かつ、バッテリ電圧V
Bが所定電圧以下であるときを補正条件としてある。即
ち、バッテリ電圧VBが所定電圧以下であるクランキン
グ時には、高圧燃料ポンプ6における吐出量が必要量以
下となってしまうような低速でのクランキングが行われ
る可能性が高いので、たとえ実際に低速でのクランキン
グが行われても必要量の燃料が確保されるように、前記
バイパス制御及びパルス幅増大補正を実行させるもので
ある。従って、前記図11に示す条件は、所定回転速度以
下でのクランキングが推定されるクランキング時に相当
する。
した条件と同様に、機関回転速度の判別を行わず、スタ
ータスイッチ16がONであって、かつ、バッテリ電圧V
Bが所定電圧以下であるときを補正条件としてある。即
ち、バッテリ電圧VBが所定電圧以下であるクランキン
グ時には、高圧燃料ポンプ6における吐出量が必要量以
下となってしまうような低速でのクランキングが行われ
る可能性が高いので、たとえ実際に低速でのクランキン
グが行われても必要量の燃料が確保されるように、前記
バイパス制御及びパルス幅増大補正を実行させるもので
ある。従って、前記図11に示す条件は、所定回転速度以
下でのクランキングが推定されるクランキング時に相当
する。
【0046】上記のように、機関回転速度が実際に所定
速度以下であるとき、又は、所定回転速度以下でのクラ
ンキングが推定されるクランキング時において、バイパ
ス通路12を開いて燃圧を低圧に安定させた状態で、かか
る低圧噴射に対応する増大補正を噴射パルス幅に施せ
ば、高圧燃料ポンプ6によって所期の高圧燃料を供給で
きないような低速クランキングが行われても、始動に要
される燃料を機関に供給することができ、始動不良の発
生を防止できる。
速度以下であるとき、又は、所定回転速度以下でのクラ
ンキングが推定されるクランキング時において、バイパ
ス通路12を開いて燃圧を低圧に安定させた状態で、かか
る低圧噴射に対応する増大補正を噴射パルス幅に施せ
ば、高圧燃料ポンプ6によって所期の高圧燃料を供給で
きないような低速クランキングが行われても、始動に要
される燃料を機関に供給することができ、始動不良の発
生を防止できる。
【0047】尚、上記実施例では、補正条件のパラメー
タとして、温度とバッテリ電圧とのいずれか一方を判別
する構成としたが、温度とバッテリ電圧との両方を判別
する構成としても良く、例えば、スタータスイッチ16が
ON、温度(冷却水温度又は/及び外気温度)が所定温
度以下、バッテリ電圧が所定電圧以下の3条件が成立し
ていることを補正条件としたり、また、機関回転速度が
所定速度以下、温度が所定温度以下、バッテリ電圧が所
定電圧以下の3条件が成立していることを補正条件とし
ても良い。
タとして、温度とバッテリ電圧とのいずれか一方を判別
する構成としたが、温度とバッテリ電圧との両方を判別
する構成としても良く、例えば、スタータスイッチ16が
ON、温度(冷却水温度又は/及び外気温度)が所定温
度以下、バッテリ電圧が所定電圧以下の3条件が成立し
ていることを補正条件としたり、また、機関回転速度が
所定速度以下、温度が所定温度以下、バッテリ電圧が所
定電圧以下の3条件が成立していることを補正条件とし
ても良い。
【0048】また、上記実施例では、機関回転速度を直
接的に判別しない場合に、温度やバッテリ電圧から低速
クランキングが行われる可能性のあるクランキング状態
を判別する構成としたが、図12のフローチャートに示す
ようにして間接的に低速クランキング状態を推定しても
良い。図12のフローチャートにおいて、まず、S11で
は、スタータスイッチ16のON・OFFを判別する。
接的に判別しない場合に、温度やバッテリ電圧から低速
クランキングが行われる可能性のあるクランキング状態
を判別する構成としたが、図12のフローチャートに示す
ようにして間接的に低速クランキング状態を推定しても
良い。図12のフローチャートにおいて、まず、S11で
は、スタータスイッチ16のON・OFFを判別する。
【0049】そして、スタータスイッチ16がONである
ときには、S12へ進み、フラグの判別を行う。前記フラ
グは初期状態で0であり、フラグが0であると判別され
ると、S13へ進む。S13では、クランキングが開始され
てから機関1が所定回転数(例えは1回転)だけ回転し
たか否かを判別し、前記所定回転数だけ回転した時点で
S14へ進む。
ときには、S12へ進み、フラグの判別を行う。前記フラ
グは初期状態で0であり、フラグが0であると判別され
ると、S13へ進む。S13では、クランキングが開始され
てから機関1が所定回転数(例えは1回転)だけ回転し
たか否かを判別し、前記所定回転数だけ回転した時点で
S14へ進む。
【0050】S14では、高圧燃料ポンプ6の下流側(高
圧燃料ポンプ6と逆止弁14bとの間が望ましい。)にお
いて燃料圧力を検出する圧力センサ(図示省略)の検出
結果を読み込む。そして、S15では、前記検出された燃
圧が所定圧以上であるか否かを判別し、所定圧未満であ
るときには、S16でフラグに1をセットした後、S18へ
進み、前記電磁弁13を開制御した後、S19で低圧噴射に
対応するための噴射パルス幅の増大補正を実行する。
圧燃料ポンプ6と逆止弁14bとの間が望ましい。)にお
いて燃料圧力を検出する圧力センサ(図示省略)の検出
結果を読み込む。そして、S15では、前記検出された燃
圧が所定圧以上であるか否かを判別し、所定圧未満であ
るときには、S16でフラグに1をセットした後、S18へ
進み、前記電磁弁13を開制御した後、S19で低圧噴射に
対応するための噴射パルス幅の増大補正を実行する。
【0051】フラグに1がセットされると、その後スタ
ータスイッチ16がONである間は、S12からS18へ進
み、バイパス制御及びパルス幅増大補正が継続的に行わ
れ、スタータスイッチ16がOFFされた後は、電磁弁13
を閉状態に保持し、かつ、高圧噴射に対応した噴射パル
ス幅での噴射を行う通常制御をS17で行わせる。一方、
前記所定回転数だけ回転した時点での燃圧が所定圧以上
であるときには、前記フラグを0に保持して、その後の
クランキング及びクランキング終了後の運転状態で通常
制御を行わせる(S17)。
ータスイッチ16がONである間は、S12からS18へ進
み、バイパス制御及びパルス幅増大補正が継続的に行わ
れ、スタータスイッチ16がOFFされた後は、電磁弁13
を閉状態に保持し、かつ、高圧噴射に対応した噴射パル
ス幅での噴射を行う通常制御をS17で行わせる。一方、
前記所定回転数だけ回転した時点での燃圧が所定圧以上
であるときには、前記フラグを0に保持して、その後の
クランキング及びクランキング終了後の運転状態で通常
制御を行わせる(S17)。
【0052】即ち、クランキングが開始されて機関が所
定回転数だけ回転すれば、それに対応して高圧燃料ポン
プ6が回転駆動されることになるが、バッテリ電圧が低
かったり、温度が低いためにクランキング回転速度が低
いと、同じ回転数だけ回転した状態であっても、クラン
キング速度が通常であるときに比べて、燃圧が低くな
る。従って、所定回転数だけ回転した時点における燃圧
が低い場合には、間接的にクランキング回転速度が低い
ものと推定され、その後のクランキング状態においてバ
イパス制御及び噴射パルス幅の増大補正を実行すること
で、所期の高圧噴射が不能である状態であっも、必要量
の燃料を噴射供給して、始動性の悪化を防止できる。
定回転数だけ回転すれば、それに対応して高圧燃料ポン
プ6が回転駆動されることになるが、バッテリ電圧が低
かったり、温度が低いためにクランキング回転速度が低
いと、同じ回転数だけ回転した状態であっても、クラン
キング速度が通常であるときに比べて、燃圧が低くな
る。従って、所定回転数だけ回転した時点における燃圧
が低い場合には、間接的にクランキング回転速度が低い
ものと推定され、その後のクランキング状態においてバ
イパス制御及び噴射パルス幅の増大補正を実行すること
で、所期の高圧噴射が不能である状態であっも、必要量
の燃料を噴射供給して、始動性の悪化を防止できる。
【0053】ところで、上記実施例では、いずれもクラ
ンキングが開始されてから電磁弁13が開制御されること
になるが、実際にクランキングが開始される前に、低速
でのクランキングが行われることがバッテリ電圧や冷却
水温度(外気温)に基づいて推定されるときには、クラ
ンキングが開始される前に予め電磁弁13を開制御してお
き、かかる開制御を、クランキング終了まで、或いは、
機関回転速度が所定回転速度以上になるまで継続させ、
かかる開制御状態において、低圧噴射に対応するための
噴射パルス幅の増大補正を行っても良い。
ンキングが開始されてから電磁弁13が開制御されること
になるが、実際にクランキングが開始される前に、低速
でのクランキングが行われることがバッテリ電圧や冷却
水温度(外気温)に基づいて推定されるときには、クラ
ンキングが開始される前に予め電磁弁13を開制御してお
き、かかる開制御を、クランキング終了まで、或いは、
機関回転速度が所定回転速度以上になるまで継続させ、
かかる開制御状態において、低圧噴射に対応するための
噴射パルス幅の増大補正を行っても良い。
【0054】かかる実施例を図13のフローチャートに示
してある。図13のフローチャートに示すルーチンは、キ
ースイッチがON操作されて実行されるようになってお
り、まず、S21でバッテリ電圧VBが所定電圧以下であ
るか否かを判別し、バッテリ電圧VBが所定電圧以下で
あるときには、クランキングが開始されたときにクラン
キングが低い回転速度で行われる可能性が高いものと判
断し、S23へジャンプして進み、直ちに電磁弁13を開制
御して、クランキング開始に備える。
してある。図13のフローチャートに示すルーチンは、キ
ースイッチがON操作されて実行されるようになってお
り、まず、S21でバッテリ電圧VBが所定電圧以下であ
るか否かを判別し、バッテリ電圧VBが所定電圧以下で
あるときには、クランキングが開始されたときにクラン
キングが低い回転速度で行われる可能性が高いものと判
断し、S23へジャンプして進み、直ちに電磁弁13を開制
御して、クランキング開始に備える。
【0055】一方、S21でバッテリ電圧VBが所定電圧
を越えていると判別されたときには、S22へ進み、冷却
水温度Twが所定温度以下であるか否かを判別する。そ
して、冷却水温度Twが所定温度以下である場合には、
クランキングが開始されたときにクランキングが低い回
転速度で行われる可能性が高いものと判断し、S23へ進
み、直ちに電磁弁13を開制御して、クランキング開始に
備える。
を越えていると判別されたときには、S22へ進み、冷却
水温度Twが所定温度以下であるか否かを判別する。そ
して、冷却水温度Twが所定温度以下である場合には、
クランキングが開始されたときにクランキングが低い回
転速度で行われる可能性が高いものと判断し、S23へ進
み、直ちに電磁弁13を開制御して、クランキング開始に
備える。
【0056】ここで、バッテリ電圧VBが所定電圧以下
で、かつ、冷却水温度Twが所定温度以下であるときに
のみ、電磁弁13を開制御する構成としても良い。電磁弁
13を開制御した後は、S24でクランキングが終了したか
否かをスタータスイッチ16のON・OFFに基づいて判
別し、クランキング中は、S25へ進んで、電磁弁13の開
制御状態での低圧噴射に対応すべく噴射パルス幅の増大
補正を、低圧噴射と高圧噴射との圧力差に応じて実行す
る。
で、かつ、冷却水温度Twが所定温度以下であるときに
のみ、電磁弁13を開制御する構成としても良い。電磁弁
13を開制御した後は、S24でクランキングが終了したか
否かをスタータスイッチ16のON・OFFに基づいて判
別し、クランキング中は、S25へ進んで、電磁弁13の開
制御状態での低圧噴射に対応すべく噴射パルス幅の増大
補正を、低圧噴射と高圧噴射との圧力差に応じて実行す
る。
【0057】そして、クランキング終了と同時に、S26
へ進み、電磁弁13を閉制御して、通常の噴射パルスで噴
射させる通常制御に復帰させる。一方、バッテリ電圧V
Bが所定電圧を越えていて、かつ、冷却水温度Twが所
定温度を越えている場合には、高圧燃料ポンプ6の所期
の吐出圧を確保できるクランキング回転速度でクランキ
ングが行われるものと推定し、S26へ進んで、電磁弁13
を閉状態に保持した状態での通常の噴射パルス幅による
噴射を、クランキング中及びクランキング後に行わせ
る。
へ進み、電磁弁13を閉制御して、通常の噴射パルスで噴
射させる通常制御に復帰させる。一方、バッテリ電圧V
Bが所定電圧を越えていて、かつ、冷却水温度Twが所
定温度を越えている場合には、高圧燃料ポンプ6の所期
の吐出圧を確保できるクランキング回転速度でクランキ
ングが行われるものと推定し、S26へ進んで、電磁弁13
を閉状態に保持した状態での通常の噴射パルス幅による
噴射を、クランキング中及びクランキング後に行わせ
る。
【0058】尚、S24でクランキング終了を判別させる
代わりに、機関回転速度が所定速度以上になったか否か
を判別させる構成としても良い。かかる構成によれば、
低速でのクランキングが予測されるときに予め電磁弁13
を開制御して低圧噴射状態にしておくことができるの
で、クランキング開始の当初から燃圧を所定の低圧状態
に制御して、高精度な燃料噴射を行わせることが可能で
ある。
代わりに、機関回転速度が所定速度以上になったか否か
を判別させる構成としても良い。かかる構成によれば、
低速でのクランキングが予測されるときに予め電磁弁13
を開制御して低圧噴射状態にしておくことができるの
で、クランキング開始の当初から燃圧を所定の低圧状態
に制御して、高精度な燃料噴射を行わせることが可能で
ある。
【0059】尚、上記各実施例では、高圧燃料ポンプ6
が所期の高圧吐出を行えないと予測される低回転速度時
又は該低回転速度の発生が予測されるクランキング時
に、高圧燃料ポンプ6をバイパスさせておいて噴射パル
ス幅を補正したが、バイパス通路12,電磁弁13を設けず
に、噴射パルス幅の補正のみを行わせるようにしても良
い。この場合は、前記逆止弁14a〜14cが低圧燃料ポン
プ9による低圧吐出で開弁するように、低圧レギュレー
タ11にの設定圧よりも前記逆止弁14a〜14cの開弁圧を
低く設定しておけば、たとえ低速クランキングが行われ
ても、前記低圧レギュレータ11による設定圧以上で高圧
レギュレータ7の設定圧以下の燃圧で燃料を供給するこ
とができ、このときに噴射パルス幅を前記燃圧範囲内の
基準圧に対応して補正することで、大きく噴射燃料量が
不足することを回避でき、始動不良の発生を回避し得
る。
が所期の高圧吐出を行えないと予測される低回転速度時
又は該低回転速度の発生が予測されるクランキング時
に、高圧燃料ポンプ6をバイパスさせておいて噴射パル
ス幅を補正したが、バイパス通路12,電磁弁13を設けず
に、噴射パルス幅の補正のみを行わせるようにしても良
い。この場合は、前記逆止弁14a〜14cが低圧燃料ポン
プ9による低圧吐出で開弁するように、低圧レギュレー
タ11にの設定圧よりも前記逆止弁14a〜14cの開弁圧を
低く設定しておけば、たとえ低速クランキングが行われ
ても、前記低圧レギュレータ11による設定圧以上で高圧
レギュレータ7の設定圧以下の燃圧で燃料を供給するこ
とができ、このときに噴射パルス幅を前記燃圧範囲内の
基準圧に対応して補正することで、大きく噴射燃料量が
不足することを回避でき、始動不良の発生を回避し得
る。
【0060】但し、上記のように高圧燃料ポンプ6をバ
イパスさせれば、前記低圧レギュレータ11による設定圧
で燃料を安定供給でき、以て、噴射パルス幅の補正によ
って要求量の燃料を高精度に噴射させることができる。
バイパス通路を開制御して噴射パルス幅を補正する構成
の場合には、逆止弁14bについては、高圧燃料ポンプ6
による正常な高圧吐出でのみ開弁するような開弁圧に設
定すれば良い。
イパスさせれば、前記低圧レギュレータ11による設定圧
で燃料を安定供給でき、以て、噴射パルス幅の補正によ
って要求量の燃料を高精度に噴射させることができる。
バイパス通路を開制御して噴射パルス幅を補正する構成
の場合には、逆止弁14bについては、高圧燃料ポンプ6
による正常な高圧吐出でのみ開弁するような開弁圧に設
定すれば良い。
【0061】また、バイパス通路を備えない構成におい
て、実際に燃料噴射弁2に供給される燃料の圧力を検出
して噴射パルス幅を補正するようにすれば、噴射量精度
の確保が図られる。
て、実際に燃料噴射弁2に供給される燃料の圧力を検出
して噴射パルス幅を補正するようにすれば、噴射量精度
の確保が図られる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明にか
かる火花点火式内燃機関によると、高圧燃料ポンプによ
る燃料吐出量が必要量を下回って、所期の高圧力の燃料
を燃料噴射弁に供給できない状態になったときには、噴
射パルス幅を増大補正するので、所期の高圧噴射が行え
ない状態であっても、必要な燃料量を確保できるという
効果がある。
かる火花点火式内燃機関によると、高圧燃料ポンプによ
る燃料吐出量が必要量を下回って、所期の高圧力の燃料
を燃料噴射弁に供給できない状態になったときには、噴
射パルス幅を増大補正するので、所期の高圧噴射が行え
ない状態であっても、必要な燃料量を確保できるという
効果がある。
【0063】請求項2の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、機関駆動される高圧燃料ポンプをバイパス
させて燃料を供給させることで、機関運転条件に影響さ
れて所期状態で作動できなくなっている高圧燃料ポンプ
の影響を排除した燃料供給を可能にしつつ、かかる低圧
噴射状態に見合った噴射パルス幅の補正制御によって、
燃料量を確保できるという効果がある。
関によると、機関駆動される高圧燃料ポンプをバイパス
させて燃料を供給させることで、機関運転条件に影響さ
れて所期状態で作動できなくなっている高圧燃料ポンプ
の影響を排除した燃料供給を可能にしつつ、かかる低圧
噴射状態に見合った噴射パルス幅の補正制御によって、
燃料量を確保できるという効果がある。
【0064】請求項3の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、機関回転速度が所定回転速度以下であると
きや所定回転速度以下でクランキングされることが推定
されるクランキング時であって、高圧燃料ポンプの駆動
回転速度が低くなるときに、高圧燃料ポンプをバイパス
させ、かつ、噴射パルス幅の増大補正を行うので、高圧
燃料ポンプの駆動回転速度が低く所期圧での燃料供給が
困難になっても、要求量の燃料を精度良く供給でき、始
動性を確保できるという効果がある。
関によると、機関回転速度が所定回転速度以下であると
きや所定回転速度以下でクランキングされることが推定
されるクランキング時であって、高圧燃料ポンプの駆動
回転速度が低くなるときに、高圧燃料ポンプをバイパス
させ、かつ、噴射パルス幅の増大補正を行うので、高圧
燃料ポンプの駆動回転速度が低く所期圧での燃料供給が
困難になっても、要求量の燃料を精度良く供給でき、始
動性を確保できるという効果がある。
【0065】請求項4の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、機関回転速度が所定回転速度以下であっ
て、機関駆動される高圧燃料ポンプの駆動回転速度が低
く所期の吐出量が得られなくなっているときには、噴射
パルス幅の増大補正を行って燃料供給圧の低下による燃
料噴射量の減少を回避できるという効果がある。請求項
5の発明にかかる火花点火式内燃機関によると、機関回
転速度が所定回転速度以下であって、かつ、バッテリ電
圧が低いときに、噴射パルス幅の増大補正を行うので、
バッテリ劣化によるクランキング回転速度の低下があっ
ても、所期の燃料量を確保できるという効果がある。
関によると、機関回転速度が所定回転速度以下であっ
て、機関駆動される高圧燃料ポンプの駆動回転速度が低
く所期の吐出量が得られなくなっているときには、噴射
パルス幅の増大補正を行って燃料供給圧の低下による燃
料噴射量の減少を回避できるという効果がある。請求項
5の発明にかかる火花点火式内燃機関によると、機関回
転速度が所定回転速度以下であって、かつ、バッテリ電
圧が低いときに、噴射パルス幅の増大補正を行うので、
バッテリ劣化によるクランキング回転速度の低下があっ
ても、所期の燃料量を確保できるという効果がある。
【0066】請求項6の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、機関回転速度が所定回転速度以下であっ
て、かつ、外気温度と機関温度との少なくとも一方が所
定温度以下であるときに、噴射パルス幅の増大補正を行
うので、低温始動時にクランキング回転速度の低下があ
っても、所期の燃料量を確保できるという効果がある。
請求項7の発明にかかる火花点火式内燃機関によると、
機関回転速度が所定回転速度以下であって、かつ、スタ
ータスイッチがONであるときに、噴射パルス幅の増大
補正を行うので、なんらかの理由によってクランキング
回転速度の低下があっても、所期の燃料量を確保できる
という効果がある。
関によると、機関回転速度が所定回転速度以下であっ
て、かつ、外気温度と機関温度との少なくとも一方が所
定温度以下であるときに、噴射パルス幅の増大補正を行
うので、低温始動時にクランキング回転速度の低下があ
っても、所期の燃料量を確保できるという効果がある。
請求項7の発明にかかる火花点火式内燃機関によると、
機関回転速度が所定回転速度以下であって、かつ、スタ
ータスイッチがONであるときに、噴射パルス幅の増大
補正を行うので、なんらかの理由によってクランキング
回転速度の低下があっても、所期の燃料量を確保できる
という効果がある。
【0067】請求項8の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、実際に回転速度が低いか否かを判別する代
わりに、通常よりも低い回転速度によるクランキングが
行われると推定されるクランキング時に噴射パルス幅を
増大補正するようにしたので、少なくとも低い回転速度
でクランキングが行われても燃料噴射量が不足すること
が回避できるという効果がある。、請求項9の発明にか
かる火花点火式内燃機関によると、バッテリ電圧が低い
状態でのクランキング時には回転速度が低くなる可能性
があると判断して噴射パルス幅の増大補正を行うので、
バッテリ電圧が低い状態での始動時であっても、必要量
の燃料を供給できるという効果がある。
関によると、実際に回転速度が低いか否かを判別する代
わりに、通常よりも低い回転速度によるクランキングが
行われると推定されるクランキング時に噴射パルス幅を
増大補正するようにしたので、少なくとも低い回転速度
でクランキングが行われても燃料噴射量が不足すること
が回避できるという効果がある。、請求項9の発明にか
かる火花点火式内燃機関によると、バッテリ電圧が低い
状態でのクランキング時には回転速度が低くなる可能性
があると判断して噴射パルス幅の増大補正を行うので、
バッテリ電圧が低い状態での始動時であっても、必要量
の燃料を供給できるという効果がある。
【0068】請求項10の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、温度が低い状態でのクランキング時には回
転速度が低くなる可能性があると判断して噴射パルス幅
の増大補正を行うので、低温始動時であっても必要量の
燃料を供給できるという効果がある。請求項11の発明に
かかる火花点火式内燃機関によると、クランキングを開
始してから機関が所定回転数だけ回転した時点で、高圧
燃料ポンプの下流側における燃圧が充分に上昇していな
い場合には、クランキング回転速度が低いために所期の
燃圧上昇が得られないものと判断して、その後のクラン
キング状態で噴射パルス幅の増大補正を行うので、機関
回転速度が低いための燃圧が充分に上昇しない状態でも
必要量の燃料を供給できるという効果がある。
関によると、温度が低い状態でのクランキング時には回
転速度が低くなる可能性があると判断して噴射パルス幅
の増大補正を行うので、低温始動時であっても必要量の
燃料を供給できるという効果がある。請求項11の発明に
かかる火花点火式内燃機関によると、クランキングを開
始してから機関が所定回転数だけ回転した時点で、高圧
燃料ポンプの下流側における燃圧が充分に上昇していな
い場合には、クランキング回転速度が低いために所期の
燃圧上昇が得られないものと判断して、その後のクラン
キング状態で噴射パルス幅の増大補正を行うので、機関
回転速度が低いための燃圧が充分に上昇しない状態でも
必要量の燃料を供給できるという効果がある。
【0069】請求項12の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、機関回転速度が低いために高圧燃料ポンプ
の吐出量が確保できないと推定され、噴射パルス幅を補
正するときに、高圧燃料ポンプをバイパスさせて燃料を
供給するようにしたので、機関回転速度の変動によって
燃料の供給圧が大きく変化することを回避でき、安定的
な燃料噴射制御が可能になるという効果がある。
関によると、機関回転速度が低いために高圧燃料ポンプ
の吐出量が確保できないと推定され、噴射パルス幅を補
正するときに、高圧燃料ポンプをバイパスさせて燃料を
供給するようにしたので、機関回転速度の変動によって
燃料の供給圧が大きく変化することを回避でき、安定的
な燃料噴射制御が可能になるという効果がある。
【0070】請求項13の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、クランキングを開始したときに回転速度が
通常よりも低くなると予測される場合には、クランキン
グの開始前から高圧燃料ポンプをバイパスする通路を開
けておくようにしたので、クランキングの開始当初から
高圧燃料ポンプの作動状態に影響されない燃料供給が行
えるという効果がある。
関によると、クランキングを開始したときに回転速度が
通常よりも低くなると予測される場合には、クランキン
グの開始前から高圧燃料ポンプをバイパスする通路を開
けておくようにしたので、クランキングの開始当初から
高圧燃料ポンプの作動状態に影響されない燃料供給が行
えるという効果がある。
【0071】請求項14の発明にかかる火花点火式内燃機
関によると、バッテリ電圧,外気温度,機関温度が低い
状態で、クランキング回転速度が低くなるときに、これ
を予測して予めバイパス通路を開いておくことができる
という効果がある。請求項15の発明にかかる火花点火式
内燃機関によると、高圧燃料ポンプをバイパスさせてい
るときに、高圧レギュレータによる調整圧と低圧レギュ
レータによる調整圧との差に応じて噴射パルス幅を増大
補正することで、高圧レギュレータによる調整圧に対応
して演算される噴射パルス幅を低圧用に補正設定して、
高精度な燃料噴射を行わせることができるという効果が
ある。
関によると、バッテリ電圧,外気温度,機関温度が低い
状態で、クランキング回転速度が低くなるときに、これ
を予測して予めバイパス通路を開いておくことができる
という効果がある。請求項15の発明にかかる火花点火式
内燃機関によると、高圧燃料ポンプをバイパスさせてい
るときに、高圧レギュレータによる調整圧と低圧レギュ
レータによる調整圧との差に応じて噴射パルス幅を増大
補正することで、高圧レギュレータによる調整圧に対応
して演算される噴射パルス幅を低圧用に補正設定して、
高精度な燃料噴射を行わせることができるという効果が
ある。
【図1】本発明の基本構成ブロック図。
【図2】本発明の基本構成ブロック図。
【図3】実施例のシステム構成図。
【図4】高圧燃料ポンプの特性を示す線図。
【図5】バイパス制御,噴射パルス幅補正制御の第1実
施例を示すフローチャート。
施例を示すフローチャート。
【図6】バイパス制御,噴射パルス幅補正制御の実行条
件を示す図。
件を示す図。
【図7】バイパス制御,噴射パルス幅補正制御の実行条
件を示す図。
件を示す図。
【図8】バイパス制御,噴射パルス幅補正制御の実行条
件を示す図。
件を示す図。
【図9】バイパス制御,噴射パルス幅補正制御の実行条
件を示す図。
件を示す図。
【図10】バイパス制御,噴射パルス幅補正制御の実行条
件を示す図。
件を示す図。
【図11】バイパス制御,噴射パルス幅補正制御の実行条
件を示す図。
件を示す図。
【図12】バイパス制御,噴射パルス幅補正制御の第2実
施例を示すフローチャート。
施例を示すフローチャート。
【図13】バイパス制御,噴射パルス幅補正制御の第3実
施例を示すフローチャート。
施例を示すフローチャート。
1 火花点火式内燃機関 2 燃料噴射弁 3 コントロールユニット 4 コモンレール 5 分配管 6 高圧燃料ポンプ 7 高圧レギュレータ 8 燃料通路 9 低圧燃料ポンプ 10 燃料タンク 11 低圧レギュレータ 12 バイパス通路 13 電磁弁(弁機構) 14a〜14c 逆止弁 15 スタータモータ 16 スタータスイッチ 17 水温センサ 18 機関回転速度センサ 19 バッテリ
Claims (15)
- 【請求項1】燃料噴射弁に燃料を供給する高圧燃料ポン
プと、該高圧燃料ポンプに燃料を供給する低圧燃料ポン
プとを備えた火花点火式内燃機関において、 少なくとも前記高圧燃料ポンプによる燃料吐出量が必要
量以下であるとき又は必要量以下であると推定されると
きに、前記燃料噴射弁の噴射パルス幅を増大補正する噴
射パルス補正手段を設けたことを特徴とする火花点火式
内燃機関。 - 【請求項2】燃料噴射弁に燃料を供給する機関駆動の高
圧燃料ポンプと、該高圧燃料ポンプに燃料を供給するモ
ータ駆動の低圧燃料ポンプとを備えた火花点火式内燃機
関において、 前記高圧燃料ポンプをバイパスするバイパス通路と、 該バイパス通路を開閉する弁機構と、 所定の運転条件のときにのみ前記弁機構を開制御するバ
イパス制御手段と、 該バイパス制御手段による前記弁機構の開制御時に、前
記燃料噴射弁の噴射パルス幅を増大補正する噴射パルス
補正手段と、 を設けたことを特徴とする火花点火式内燃機関。 - 【請求項3】前記所定の運転条件が、機関回転速度が所
定速度以下であるときと、所定回転速度以下でのクラン
キングが推定されるクランキング時との少なくとも一方
であることを特徴とする請求項2記載の火花点火式内燃
機関。 - 【請求項4】燃料噴射弁に燃料を供給する機関駆動の高
圧燃料ポンプと、該高圧燃料ポンプに燃料を供給するモ
ータ駆動の低圧燃料ポンプとを備えた火花点火式内燃機
関において、 機関回転速度が所定速度以下であることを少なくとも条
件として、前記燃料噴射弁の噴射パルス幅を増大補正す
る噴射パルス補正手段を設けたことを特徴とする火花点
火式内燃機関。 - 【請求項5】前記噴射パルス補正手段が、機関回転速度
が所定速度以下であって、かつ、バッテリ電圧が所定電
圧以下であるときに、前記燃料噴射弁の噴射パルス幅を
増大補正することを特徴とする請求項4記載の火花点火
式内燃機関。 - 【請求項6】前記噴射パルス補正手段が、機関回転速度
が所定速度以下であって、かつ、外気温と機関温度との
少なくとも一方が所定温度以下であるときに、前記燃料
噴射弁の噴射パルス幅を増大補正することを特徴とする
請求項4記載の火花点火式内燃機関。 - 【請求項7】前記噴射パルス補正手段が、機関回転速度
が所定速度以下であって、かつ、スタータスイッチがO
Nであるときに、前記燃料噴射弁の噴射パルス幅を増大
補正することを特徴とする請求項4記載の火花点火式内
燃機関。 - 【請求項8】燃料噴射弁に燃料を供給する機関駆動の高
圧燃料ポンプと、該高圧燃料ポンプに燃料を供給するモ
ータ駆動の低圧燃料ポンプとを備えた火花点火式内燃機
関において、 所定回転速度以下でのクランキングが推定されるクラン
キング時において、燃料噴射弁の噴射パルス幅を増大補
正する噴射パルス補正手段を設けたことを特徴とする火
花点火式内燃機関。 - 【請求項9】前記噴射パルス補正手段が、スタータスイ
ッチがONであって、かつ、バッテリ電圧が所定の電圧
以下であるときに、所定回転速度以下でのクランキング
を推定して噴射パルス幅を増大補正することを特徴とす
る請求項8記載の火花点火式内燃機関。 - 【請求項10】前記噴射パルス補正手段が、スタータスイ
ッチがONであって、かつ、外気温と機関温度との少な
くとも一方が所定温度以下であるときに、所定回転速度
以下でのクランキングを推定して噴射パルス幅を増大補
正することを特徴とする請求項8記載の火花点火式内燃
機関。 - 【請求項11】前記噴射パルス補正手段が、スタータスイ
ッチON操作から機関が所定回転数だけ回転した時点で
の前記高圧燃料ポンプ下流側の燃料圧力が所定圧以下で
あったときに、所定回転速度以下でのクランキングを推
定し、その後のスタータスイッチON状態において噴射
パルス幅を増大補正することを特徴とする請求項8記載
の火花点火式内燃機関。 - 【請求項12】前記高圧燃料ポンプをバイパスするバイパ
ス通路と、該バイパス通路を開閉する弁機構とを設ける
共に、前記噴射パルス補正手段による噴射パルス幅の増
大補正時に、前記弁機構を開制御するバイパス制御手段
を設けたことを特徴とする請求項4〜11のいずれか1つ
に記載の火花点火式内燃機関。 - 【請求項13】燃料噴射弁に燃料を供給する機関駆動の高
圧燃料ポンプと、該高圧燃料ポンプに燃料を供給するモ
ータ駆動の低圧燃料ポンプとを備えた火花点火式内燃機
関において、 前記高圧燃料ポンプをバイパスするバイパス通路と、 該バイパス通路を開閉する弁機構と、 クランキング開始前に所定回転速度以下でのクランキン
グが行われるか否かを推定し、所定回転速度以下でのク
ランキングが推定されるときに前記弁機構を予め開制御
し、クランキング終了時点と機関回転速度が所定回転速
度以上になった時点とのいずれか一方まで前記開状態を
維持するバイパス制御手段と、 該バイパス制御手段における開制御状態において前記燃
料噴射弁の噴射パルス幅を増大補正する噴射パルス補正
手段と、 を設けたことを特徴とする火花点火式内燃機関。 - 【請求項14】前記バイパス制御手段が、バッテリ電圧,
外気温度,機関温度のうちの少なくとも1つに基づいて
所定回転速度以下でのクランキングが行われるか否かを
推定することを特徴とする請求項13記載の火花点火式内
燃機関。 - 【請求項15】前記高圧燃料ポンプの下流側に高圧レギュ
レータを備えると共に、低圧燃料ポンプの下流側に低圧
レギュレータを備え、前記噴射パルス補正手段が、前記
高圧レギュレータでの調整圧と前記低圧レギュレータで
の調整圧との圧力差に対応する増大補正を噴射パルス幅
に施すことを特徴とする請求項2,3,12〜14のいずれ
か1つに記載の火花点火式内燃機関。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16083395A JPH0914036A (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 火花点火式内燃機関 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16083395A JPH0914036A (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 火花点火式内燃機関 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0914036A true JPH0914036A (ja) | 1997-01-14 |
Family
ID=15723405
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16083395A Pending JPH0914036A (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 火花点火式内燃機関 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0914036A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1162776A (ja) * | 1997-08-11 | 1999-03-05 | Sanshin Ind Co Ltd | 縦置エンジンの燃料供給装置 |
-
1995
- 1995-06-27 JP JP16083395A patent/JPH0914036A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1162776A (ja) * | 1997-08-11 | 1999-03-05 | Sanshin Ind Co Ltd | 縦置エンジンの燃料供給装置 |
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