JPH09140084A - 電動機用のブラシ組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラシと整流子の界面で発生するノイズのレ
ベルを減少する電動機用のブラシ組立体を提供する。 【解決手段】 電動機用のブラシ組立体は、整流子にス
ライド接触するブラシを備え、このブラシは、ブラシ取
付プレートに固定された細長い弾力性導電性ブラシアー
ムの端に取り付けられる。ブラシ及びブラシアームは、
ブラシがその側面付近の１点で整流子に接触するよう確
保し、ブラシアームが弾力で押しやられてブラシを整流
子の表面に支持し、細長いブラシアームに横方向のねじ
れを形成するように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電動機用のブラシ
組立体に係り、より詳細には、小型永久磁石直流電動機
用のブラシ組立体に係るが、これに限定されるものでは
ない。

【０００２】

【従来の技術】カーボンブラシが、通常はベリリウム銅
合金の細長い弾力性導電性支持アームの端に取り付けら
れ、そしてこの支持アームが、例えば黄銅のような更に
堅牢なブラシホルダに取り付けられ、このブラシホルダ
が電動機の端子も形成するようなブラシ組立体を使用す
ることが良く知られている。このような電動機では、整
流子に対するブラシの動作によって電気的及び機械的の
両方のノイズが発生するという問題がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】電気ノイズの発生を減
少する１つの方法は、ブラシ面を凹状に形成してブラシ
が整流子に２点で接触するようにすることであった。整
流子が回転するときは、整流子は完全に丸くなく且つ整
流子の回転時に整流子のセグメントの縁にブラシが接触
することによりブラシが整流子において反発すると考え
られていた。２つの接触点を設けることにより、動作中
にブラシがねじれて反発するのでブラシと整流子セグメ
ントとの間の接触が維持され易くなった。実際に、整流
子の表面上でブラシが迅速に磨耗する古い平らな対向設
計に勝る著しい改善が達成され、整流子とブラシとの間
に良好なスライド接触が与えられる。平らな対向ブラシ
は、実際に、それが設置されたときには、１点でのみ整
流子に接触する。

【０００４】別の方法は、支持アームの振動を減衰しブ
ラシの反発の激しさを減少するために支持アームに沿っ
て振動減衰材料を付着することを必要とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】しかしながら、ブラシの
各軸方向側面に隣接する１点で整流子に接触するように
ブラシの面を整形することにより、ブラシ／整流子の界
面で発生されるノイズのレベルの減少に更に改善が得ら
れることが分かった。これは、支持アームがブラシを整
流子に接触させるときにブラシを曲げてブラシのリーフ
にねじれモーメントを与え、同じブラシ圧力では反発性
を低下させて、同レベルのノイズ発生に対して低いブラ
シ圧力を使用できるようにし、長いブラシ寿命を生じさ
せるか、又はブラシ圧力、ひいては、ブラシ寿命を維持
することにより発生ノイズレベルを著しく減少できるよ
うにするブラシ面の形状によると考えられる。

【０００６】本発明は、その第１の特徴によれば、小型
電動機の細長いブラシアームのブラシ本体であって、該
ブラシ本体は、ブラシアームと共に固定するように構成
された上面と、電動機の整流子とスライド接触するよう
に構成された下面と、これら上面と下面との間に延びる
第１及び第２側面と、上記上面と下面との間及びこれら
側面の間に延びる第１及び第２の端面とを有し、上記ブ
ラシ本体は、使用中に上記側面が整流子の軸方向に離間
されそして上記端面が整流子の周囲方向に離間されるよ
うに適用されるブラシ本体において、上記下面は、上記
第１と第２の端面の間に延びて上記第１側面に向かって
オフセットした単一の張出部を有することを特徴とする
ブラシ本体を提供する。

【０００７】上記張出部は、上記上面及び側面に実質的
に平行に且つ上記端面に実質的に垂直に延びるのが好ま
しい。

【０００８】本発明は、その第２の特徴によれば、電動
機用のブラシ組立体であって、整流子とスライド接触す
るためのブラシ本体と、ブラシホルダと、上記ブラシ本
体を支持しそしてそのブラシ本体をブラシホルダに電気
的に接続する細長い弾力で撓む導電性ブラシアームとを
備えたブラシ組立体において、上記ブラシ本体は、該ブ
ラシ本体の中央平面から横方向にオフセットした１点で
整流子に接触し、ブラシアームが弾力で押しやられてブ
ラシ本体を整流子に接触させることによりブラシアーム
にねじれを形成することを特徴とするブラシ組立体を提
供する。

【０００９】これは、ブラシの面をくさび状に形成する
ことによって達成されるのが好ましい。

【００１０】或いは又、支持アーム及びブラシは、ブラ
シ面の縁に沿った１点でブラシが整流子に接触するよう
に構成されてもよい。

【００１１】単一縁ブラシと、ブラシアームに取り付け
られたゴムのダンパとを使用することにより電気ノイズ
発生の著しい低下が達成される。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照し、本発明
の好ましい実施形態を一例として説明する。図１を参照
すれば、電動機は、巻線型電機子１１及び整流子１２を
支持するシャフト１０を有している。ケーシング１３内
には、２つの界磁磁石１４と、シャフト１０を支持する
エンドベアリング１５とが取り付けられる。

【００１３】図２及び３において、成形プラスチック材
料のエンドキャップ１６は、２つのブラシ組立体を支持
するブラシホルダを形成する。各ブラシ組立体は、弾力
性のブラシ支持アーム即ちブラシリーフ１８に接続され
た端子部分１７を有する。ブラシ２０は、ブラシリーフ
の自由端により支持される。ブラシは、使用中に、ブラ
シリーフ１８により整流子１２に接触するようにされ
る。

【００１４】図４及び５において、端子１７及びブラシ
リーフは、１組のリベット２３によって固定される。ク
リップ固定のような他の固定形態も使用できる。ブラシ
２０の上部は、単一の城郭（図６）を形成する形状にさ
れ、ブラシリーフ１８の自由端及びその付近に設けられ
たスロットにフィンガ１９により保持される。このフィ
ンガは、スロットの縁に沿って形成され、城郭を把持し
且つそれに食い込んでブラシを位置固定する。

【００１５】図１ないし５から明らかなように、ブラシ
組立体は、小型電動機用の既知のリーフ型ブラシ組立体
と同様である。しかしながら、図６に明確に示したよう
に、整流子に接触するブラシの面は、くさび形状即ち傾
斜面として形成されて、整流子１２との単一接触張出部
２５を形成する。しかしながら、この張出部２５は、整
流子の周辺に支持されるので、ブラシは、ブラシの中心
からずれた（オフセットした）１点において整流子に接
触し、従って、ブラシアーム１８の弾力作用により、ブ
ラシ２０は整流子の軸方向に枢着回転する傾向となり、
ブラシアームを矢印Ａで示すようにねじれさせる。この
ねじれは、整流子の軸方向の反発運動に対しブラシアー
ムを強化すると考えられる。又、単一の接触点は、ブラ
シを更に迅速に設置させて、整流子とブラシ２０との間
に良好なスライド接触面を形成する。

【００１６】整流子に対するブラシの反発の減少は、ブ
ラシと整流子との間の火花の発生を減少し、そして整流
子とブラシとの間の良好なスライド接触面の形成は、電
気的及び機械的な両方のノイズのレベルを減少し、より
静かな電動機とする。

【００１７】図７の実施形態では、ブラシ組立体は、前
記のように整流子１２との単一接触点を形成するように
構成されるが、これは、ブラシアーム１８’に取り付け
られた標準的な方形面ブラシ２０’を用いて達成され、
ブラシアーム１８’がねじれていることにより、ブラシ
２０’は、単一接触張出部２５’に沿った１点において
整流子に接触する。この場合も、ブラシリーフ１８’が
押しやられて、ブラシリーフにねじれモーメントを与
え、ブラシ接触圧力を増加せずにその反発を減少する。

【００１８】更に別の実施形態は、図８に示すようなブ
ラシの特定の形状を与える。ブラシは、垂直に延びる側
面２６、即ち電動機が組み立てられるときに電動機の軸
に垂直に延びる面を有するように見える。しかしなが
ら、これはブラシアームに垂直に延びるのではない。ブ
ラシは、図８において、ブラシアームに取り付けられた
とき、即ち整流子に接触する前に、その自由な形態で見
えるので、その軸が垂直な状態で方向付けされて示され
ている。ブラシ２０は、使用中に、ブラシ２０の側面２
６が電動機の軸に垂直に延びるような形状にされる。こ
れは、ブラシが磨耗するにつれて安定した接触点を形成
するので望ましい。安定とは、接触領域が一方向のみに
成長し、接触領域の片縁の位置が一定であることを意味
する。これは、接触点が整流子の面を横切って軸方向に
蛇行することが許されないので整流子のサイズを最小に
できることを意味する。又、これは、ブラシが整流子と
共に設置されるので、整流子とブラシとの間に良好な接
触を与える。しかしながら、ブラシの縁は、ブラシがブ
ラシアームに取り付けられるときにはベースブラシに対
して実際に傾斜しているが、使用中にブラシアームがね
じれるので、側面は、電動機の軸に実質的に垂直に延び
る。図８に示すように、ブラシの側面の好ましい角度
は、ブラシアームの１０°のねじれを考慮して約１０°
である。

【００１９】従って、ブラシ本体２０は、取付突起２１
がその上面２２にあり、張出部２５が下面に形成されて
整流子に接触し、そして側面２６及び２７が張出部２５
と上面との間に延びるようにして形成される。張出部
は、上面と、側面２６及び２７とに実質的に平行に延び
る。両側面は、上面２２に隣接した短い垂直部分３０を
有する。側面２６は、張出部２５がオフセットしている
方に向かう側面であり、その下部３１は垂直に対して実
質的に１０°で延びている。他方の側面２７は、３つの
部分、即ち既に述べたように上面に隣接した垂直部分３
０と、張出部２５に隣接し、垂直に対して５５°で延び
る最初の部分３３と、これら２つの部分を接合し、垂直
に対して６０°で延びる主たる部分３２とに分割され
る。側面２７の主たる部分３２と最初の部分３３との間
の５°の差は、ブラシが設置されたときのブラシの初期
磨耗を若干遅らせるための若干多くの材料を張出部に与
える。

【００２０】図９は、ダンパ１５がブラシアームに固定
されて、電動機の運転中にブラシアームに発生した振動
を吸収又は減少するようなブラシアームの好ましい構成
を示している。ダンパは、適当な材料でよいが、接着剤
によってブラシアームに取り付けられる合成ゴム系の材
料であるのが好ましい。

【００２１】スロット１４は、ブラシホルダ１７に隣接
したブラシアームの位置においてブラシアームの長手方
向に延びる。スロット１４を設けたことにより、この領
域におけるブラシアームのスプリング力を減少しなが
ら、その柔軟性が高められる。スロットのサイズを増加
することにより、ブラシアームのスプリング力を減少で
きる一方、ブラシアームに対して巾の広いベースを維持
し、ブラシアームが横方向に移動するのを防止する一
方、ブラシが整流子の表面を横切って軸方向に蛇行する
のを許す。又、これは、ブラシアームの曲がりをブラシ
アームのこの位置に制限する。ブラシアームの曲がり
は、ブラシアームの各側面に沿ってその遠方端に形成さ
れた強化リブ１３によりこの部分に更に制限される。

【００２２】図１０は、張出部２５が更に明確になった
以外は図８のブラシに類似したブラシを示している。こ
れは、より小さな接触面積でより長い動作時間を与える
もので、ブラシ及び整流子接触面の良好な設置を確保す
るように整流子との点接触が維持されることを意味す
る。

【００２３】種々の変形態様が当業者に明らかであろ
う。このような全ての変更は、本発明の特許請求の範囲
に包含されるものとする。

【図面の簡単な説明】

【図１】エンドキャップを取り外した電動機の部分破断
図である。

【図２】エンドキャップの内側の端面図であって、ブラ
シ組立体を示す図である。

【図３】図２の断面側面図である。

【図４】ブラシ組立体の上面図である。

【図５】ブラシ組立体の側面図である。

【図６】ブラシ組立体のブラシと電動機の整流子との間
の接触を示す図である。

【図７】図６と同様の図で、別の実施形態を示す図であ
る。

【図８】変形されたブラシの正面図である。

【図９】更に別の実施形態によるブラシを示すブラシ組
立体の正面図である。

【図１０】図８と同様の図で、更に別の変形を示す図で
ある。

【符号の説明】

１０ シャフト １１ 電機子 １２ 整流子 １３ ケーシング １４ 磁石 １５ エンドベアリング １６ エンドキャップ １７ 端子部分 １８ ブラシリーフ ２０ ブラシ ２５ 張出部

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 小型電動機の細長いブラシアームのブラ
   シ本体であって、該ブラシ本体(20)は、ブラシアームと
   共に固定するように構成された上面(22)と、電動機の整
   流子とスライド接触するように構成された下面と、これ
   ら上面と下面との間に延びる第１側面(26)及び第２側面
   (27)と、上記上面と下面との間及びこれら側面の間に延
   びる第１及び第２の端面とを有し、そして上記ブラシ本
   体(20)は、使用中に、上記側面(26,27) が整流子の軸方
   向に離間されそして上記端面が整流子の周囲方向に離間
   されるように適用されるブラシ本体において、 上記下面は、上記第１と第２の端面の間に延びて上記第
   １側面(26)に向かってオフセットした単一の張出部(25)
   を有することを特徴とするブラシ本体。
2. 【請求項２】 上記張出部(25)は、上記上面(22)及び側
   面(26,27) に実質的に平行に且つ上記端面に実質的に垂
   直に延びる請求項１に記載のブラシ本体。
3. 【請求項３】 上記側面(26,27) は、垂直に対してある
   角度で延びる部分(31,32,33)を含む請求項１又は２に記
   載のブラシ本体。
4. 【請求項４】 上記第１側面(26)は、垂直に対して実質
   的に１０°で延びる部分(31)を有する請求項１ないし３
   のいずれかに記載のブラシ本体。
5. 【請求項５】 上記第２側面(27)は、垂直に対して実質
   的に６０°で延びる部分(32)を有する請求項１ないし３
   のいずれかに記載のブラシ本体。
6. 【請求項６】 上記側面(27)は、垂直に対して実質的に
   ５５°で延びる上記張出部(25)に隣接する最初の部分(3
   3)と、垂直に対して実質的に６０°で延びる主たる部分
   (32)と、実質的に垂直に延びる上記上面(22)に隣接する
   最後の部分(30)とを有する請求項１ないし３のいずれか
   に記載のブラシ本体。
7. 【請求項７】 電動機用ブラシ組立体であって、整流子
   (12)とスライド接触するためのブラシ本体(20)と、ブラ
   シホルダ(17)と、上記ブラシ本体(20)を支持しそしてそ
   のブラシ本体をブラシホルダに電気的に接続する細長い
   弾力で撓む導電性ブラシアーム(18)とを備えたブラシ組
   立体において、 上記ブラシ本体(20)は、このブラシ本体の中央平面から
   横方向にオフセットした１点において上記整流子に接触
   し、上記ブラシアーム(18)が弾力で押しやられてブラシ
   本体を整流子(12)に接触させることによりブラシアーム
   (18)にねじれを形成することを特徴とするブラシ組立
   体。
8. 【請求項８】 上記ブラシ本体(20)は、上記整流子(12)
   と点接触を形成するように構成された張出部(25)を有
   し、この張出部(25)は、上記ブラシ本体(20)の中央平面
   から横方向にオフセットされる請求項７に記載のブラシ
   組立体。
9. 【請求項９】 上記張出部(25)は、上記ブラシ本体(20)
   の側面(26)に隣接し且つそれに平行に延びる請求項８に
   記載のブラシ組立体。
10. 【請求項１０】 使用中にブラシアーム(18)の振動を減
    衰するためにブラシアーム(18)にダンパ(15)が取り付け
    られ、このダンパ(15)は、ブラシアーム(18)に付与され
    るねじれに弾力で対抗しようとする請求項７、８又は９
    に記載のブラシ組立体。
11. 【請求項１１】 上記ブラシアーム(18)の一部分は、上
    記ブラシアーム(18)の表面積を減少する長手方向スロッ
    ト(14)であって、上記ブラシアーム(18)の弾力性の曲が
    りを上記部分に実質的に制限する長手方向スロット(14)
    を有している請求項７、８、９又は１０に記載のブラシ
    組立体。