JPH09138521A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

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JPH09138521A
JPH09138521A JP23184796A JP23184796A JPH09138521A JP H09138521 A JPH09138521 A JP H09138521A JP 23184796 A JP23184796 A JP 23184796A JP 23184796 A JP23184796 A JP 23184796A JP H09138521 A JPH09138521 A JP H09138521A
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JP
Japan
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toner
temperature
resin composition
vinyl
low
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Application number
JP23184796A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Takehara
寛明 竹原
Kazuhiro Noguchi
和裕 野口
Toru Takahashi
徹 高橋
Masazumi Okuto
正純 奥戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温定着性、耐オフセット性及び保存性に優
れたトナー用樹脂組成物及びそれを用いたトナーを提供
する。 【解決手段】 スチレン系単量体及び(メタ)アクリル
酸エステル系単量体を構成単位とするビニル系共重合体
と低融点結晶性化合物とを主成分とするトナー用樹脂組
成物において、該ビニル系共重合体が、低分子量のビニ
ル系共重合体と高分子量のビニル系共重合体とからな
り、該低分子量のビニル系共重合体及び/又は高分子量
のビニル系共重合体には、前記低融点結晶性化合物と凝
集構造を取り得る側鎖が含有されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トナー用樹脂組成
物及びそれを用いたトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、乾式現像方式におけるトナー
の定着の方法として、加熱ローラー法が一般に用いられ
ているが、この方法では、消費電力等の節減による経済
性の向上、複写速度の高速化などの理由から、低温で定
着が可能なトナーが求められている。そのため、トナー
組成物中に低融点の結晶性化合物を添加することによ
り、より低温で定着させることが行なわれている。しか
し、低融点の結晶性化合物は、その粘度の低さからブリ
ードアウトが起こるため、トナーの保存性が悪くなると
いう問題点があった。
【0003】上記トナーの保存性を解決するために、例
えば、特開平7−64326号公報には、結晶性ポリエ
ステルをグラフトさせる方法が開示されている。しかし
ながら、この方法では、部分的にポリエステルが化学的
に架橋された構造をもつため、低温での定着が困難にな
るという問題点があった。
【0004】また、上記トナーの保存性を解決するため
に、例えば、特開平6−295097号公報には、ビニ
ル系共重合体とポリオレフィンを結着樹脂として含有
し、相溶化剤としてポリオレフィンとビニルポリマーの
グラフトポリマーを用いる方法が開示されている。しか
しながら、この方法では、グラフト部分が、ランダムに
結着樹脂に組み込まれているため、その効果を得るため
には多くの側鎖を必要とするいう問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温定着
性、耐オフセット性及び保存性に優れたトナー用樹脂組
成物及びそれを用いたトナーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載
(以下、第1発明という)のトナー用樹脂組成物は、ス
チレン系単量体及び(メタ)アクリル酸エステル系単量
体を構成単位とするビニル系共重合体と低融点結晶性化
合物とを主成分とするトナー用樹脂組成物において、該
ビニル系共重合体が、低分子量のビニル系共重合体と高
分子量のビニル系共重合体とからなり、該低分子量のビ
ニル系重合体及び/又は高分子量のビニル系重合体に
は、前記低融点結晶性化合物と凝集構造を取り得る側鎖
が含有されていることを特徴とする。
【0007】本発明の請求項2記載(以下、第2発明と
いう)のトナー用樹脂組成物は、スチレン系単量体及び
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を構成単位とする
ビニル系共重合体と低融点結晶性化合物とを主成分とす
るトナー用樹脂組成物において、該ビニル系共重合体
が、低分子量のビニル系共重合体と高分子量のビニル系
共重合体からなり、該低分子量のビニル系共重合体及び
/又は高分子量のビニル系共重合体には、前記低融点結
晶性化合物と凝集構造を取り得る側鎖を形成するモノマ
ーが3〜50重量%含有され、且つその側鎖を形成する
モノマー単位がブロック状に含有されていることを特徴
とする。
【0008】以下、第1発明について説明する。第1発
明のトナー用樹脂組成物は、ビニル系共重合体と低融点
結晶性化合物とを主成分とし、該ビニル系共重合体は、
スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量
体とを構成単位とする、低分子量のビニル系共重合体及
び高分子量のビニル系共重合体からなる。
【0009】上記スチレン系単量体としては、例えば、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチル
スチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘ
キシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−
ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニ
ルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルス
チレン等が挙げられる。
【0010】上記(メタ)アクリル酸エステル系単量体
としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)
アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキル
エステルの他、アクリル酸2−クロルエチル、(メタ)
アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、
メタクリル酸グリシジル、ビスグリシジルメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、メタク
リロキシエチルホスフェートなどが挙げられ、これらの
中で、特に、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチルが好ましい。
【0011】上記ビニル系共重合体には、その他のビニ
ル系単量体が含有されてもよい。上記その他のビニル系
単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、α−エ
チルアクリル酸、クロトン酸等の(メタ)アクリル酸及
びこれらのα−又はβーアルキル誘導体;フマル酸、マ
レイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカル
ボン酸及びこれらのモノエステル誘導体又はジエステル
誘導体の他、コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエ
ステル、コハク酸モノメタクリロイルオキシエチルエス
テル、(メタ)アクリロニトリル、アクリルアミドなど
が挙げられる。
【0012】また、上記ビニル系共重合体において、低
分子量のビニル系共重合体又は/及び高分子量のビニル
系共重合体は、後述の低融点結晶性化合物との相互作用
により凝集構造を取ることが可能な結晶性の側鎖を有す
るビニル系高分子であり、このビニル系高分子によっ
て、低融点結晶性化合物のブリードアウトが防止され
る。
【0013】上記低分子量のビニル系共重合体として
は、重量平均分子量5千〜2万のものが好ましく、より
好ましくは8千〜1万である。また、上記高分子量のビ
ニル系共重合体としては、重量平均分子量50万〜20
0万のものが好ましく、より好ましくは80万〜120
万である。
【0014】上記低融点結晶性化合物としては、融点5
0〜120℃のものが好ましく、例えば、ステアリルア
ルコール、ベヘニルアルコール、ポリエチレンワック
ス、結晶性ポリエステル、結晶性ポリウレタン等が挙げ
られ、さらに後述のマクロモノマーの側鎖と凝集構造を
とるものが好ましい。
【0015】上記低分子量のビニル系共重合体及び/又
は高分子量のビニル系共重合体には、上記低融点結晶性
化合物と凝集構造をとり得る結晶性の側鎖を導入するた
めに、結晶性の側鎖を形成するモノマーが共重合され
る。具体的には、例えば、マクロモノマーを、ラジカル
溶液重合により共重合する方法が挙げられる。
【0016】上記マクロモノマーとしては、例えば、ス
テアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート等の長鎖
アルキル型のアクリル酸エステル誘導体が挙げられ、側
鎖の種類としては、上記長鎖アルキルの他に、ポリエチ
レンオキサイド、結晶性ポリエステル、結晶性ポリウレ
タン等が挙げられ、更には、アクリロイル基を有する、
変性ポリエチレンオキサイド、変性ポリエステル等が挙
げられる。
【0017】上記マクロモノマーと低融点結晶性化合物
との組み合わせとしては、低融点結晶性化合物がステア
リルアルコール、ベヘニルアルコール、ポリエチレンワ
ックス等の炭素数18以上の長鎖アルキル鎖を有する場
合は、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート
等の長鎖アルキル基をもつマクロモノマーを共重合し、
結晶性側鎖が形成されたものが好ましい。また、上記低
融点結晶性化合物が、結晶性ポリエステル、結晶性ポリ
ウレタン等の縮合型結晶性ポリマーの場合は、各々同種
の構造をもつ縮合型結晶性ポリマー末端にビニル基をも
つマクロモノマーを用いるのが好ましい。
【0018】次に、第2発明について説明する。第2発
明のトナー用樹脂組成物は、ビニル系共重合体と低融点
結晶性化合物とを主成分とする。
【0019】上記ビニル系共重合体は、スチレン系単量
体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体とを構成単位
とし、第1発明と同様な、低分子量のビニル系共重合体
及び高分子量のビニル系共重合体からなる。
【0020】上記低融点結晶性化合物としては、第1発
明で用いられるものと同様な低融点結晶性化合物が挙げ
られる。
【0021】上記低分子量のビニル系共重合体及び/又
は高分子量のビニル系共重合体に、上記低融点結晶性化
合物と凝集構造を取り得る側鎖を形成させるために、第
1発明と同様なモノマーを共重合する。上記低分子量の
ビニル系共重合体及び/又は高分子量のビニル系共重合
体中におけるモノマーの含有量は、多くなり過ぎても少
なくなり過ぎても低温定着性が低下することがあるの
で、3〜50重量%が好ましい。
【0022】上記側鎖を形成するモノマー単位は、ブロ
ック状に組み込まれることにより、上記低融点結晶性化
合物のブリードアウトを防ぐことが可能となる。上記側
鎖を形成するモノマー単位を、ブロック状に組み込む方
法としては、例えば、重合開始剤を用いて、2段重合す
る方法が挙げられる。上記重合開始剤としては、例え
ば、パーヘキサメチルセルロース、ポリ(ヘキサメチレ
ンアゾビスシアノペンタン酸エステル)、テトラエチル
チウラムジスルフィド等が挙げられる。
【0023】上記低融点結晶性化合物と共重合されたマ
クロモノマーの側鎖との凝集構造は、DSCによってそ
れぞれ融解ピーク位置の変化を知ることにより判断する
ことができる。
【0024】上記第1発明又は第2発明のトナー用樹脂
組成物に、帯電制御剤としてニグロシン、スピロンブラ
ック等の染料、フタロシアニン系顔料;着色剤としてカ
ーボンブラック、クロームイエロー、アニリンブルー等
を溶融混練した後、粉砕、分級することにより、トナー
が得られる。さらに、トナーには、必要に応じて、疎水
性シリカやコロイダルシリカ等の流動化剤が添加されて
もよい。
【0025】(作用)本発明における第1発明では、低
融点結晶性化合物が樹脂合成時に溶融状態から結晶化す
る際に、低融点結晶性化合物は、側鎖の導入された低分
子量のビニル系共重合体及び/又は高分子量のビニル系
共重合体と相互作用し結晶化に参加することにより、凝
集構造をとるものと考えられる。このような凝集構造に
より、低融点結晶性化合物のブリードアウトを防ぎ、良
好な保存性を保った状態で、定着性(特に低温の範囲に
おいて)及び耐オフセット性の優れたトナーを提供する
ことが可能となる。
【0026】本発明における第2発明では、低融点結晶
性化合物がビニル系樹脂生成時に溶融状態から結晶化す
る際、グラフト化された低分子量のビニル系共重合体及
び/又は高分子量のビニル系共重合体と相互作用し結晶
化に参加するとき、上記ビニル系樹脂中に結晶性の側鎖
を形成するモノマー単位がブロック状に組み込まれてい
るため、より有効に凝集構造をとることができる。この
ような構造により、低融点結晶性化合物のブリードアウ
トを防ぎ、良好な保存性を保った状態で、定着性(特に
低温の範囲において)及び耐オフセット性の優れたトナ
ーを提供することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0028】(実施例1) 〔トナー用樹脂組成物の調製〕3Lセパラブルフラスコ
に、トルエン900g、アクリル酸n−ブチル−メタク
リル酸メチル共重合体(重量平均分子量100万、ガラ
ス転移点60℃)120g及び添加剤としてベヘニルア
ルコール30gを投入し溶解した。気相を窒素ガスにて
置換した後、この系をトルエンの還流温度まで加温し
た。トルエンの還流が起きた状態で、スチレン390
g、メタクリル酸メチル30g、ステアリルアクリレー
ト30g及び重合開始剤(ランダム重合開始剤)とし
て、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシノエート
(日本油脂社製「パーブチル−O」)15gを溶解した
溶液を2.5時間かけて滴下し攪拌しながら、溶液重合
を行った。滴下終了後、さらにトルエンの還流温度にて
攪拌しながら、30分間熟成した。次いで、オイルバス
温度を150℃まで徐々に昇温しながら、減圧下で脱溶
剤して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を冷却、粉砕
してトナー用樹脂組成物を得た。
【0029】〔トナー用樹脂組成物の性能評価〕上記ト
ナー用樹脂組成物につき性能評価を行ったところ、下記
の値を示した。・分子量分布:重量平均分子量1万及び
40万に極大値があった。 ・ガラス転移点(Tg):54℃ ・融点(Tm):69℃(ベヘニルアルコールの結晶の
融解に伴う) ・軟化点(Tf):104℃ ・吸熱量(ΔH):18mJ/mg
【0030】(イ)上記分子量分布は、GPCを用いて
分子量分布を測定した。GPC装置として、日本ミリポ
アリミテッド社製「HTR−C」を、カラムには昭和電
工社製「KF−800P」(1本)、「KF−806
M」(2本)、「KF−802.5」(1本)を直列に
つないで使用した。測定条件は、温度40℃、試料濃度
0.2重量%テトラヒドロフラン溶液(0.45μmの
フィルターを通過したもの)とし、注入量100μlを
打ち込んだ。また、更生試料として標準ポリスチレンを
用いた。
【0031】(ロ)上記ガラス転移点(Tg)及び
(ハ)融点(Tm)は、セイコー電子工業社製「DSC
220C」を用いて、昇温速度10℃/分の測定条件で
得られるDSC曲線(図1に示す)を作成し、Tgは、
図1に示す接線との交点から、Tmについてはピーク温
度をそれぞれとった。
【0032】(ニ)上記軟化点(Tf)は、島津製作所
製フローテスター「CFT−500A」を用いて、ノズ
ル直径1.0mm、厚さ1.0mm、負荷20kgf、
測定温度が昇温法で80〜200℃、昇温速度が6℃/
分、予熱300秒の測定条件で、プランジャー降下量−
温度曲線(図2)を求め、図2の流出量の中点を軟化点
(Tf)とした。
【0033】(ホ)上記吸熱量(ΔH)は、上記DSC
曲線(図1に示す)から求めた。
【0034】〔トナーの調製〕上記トナー用樹脂組成物
100重量部、着色剤としてカーボンブラック(三菱化
成社製「MA−100」)5重量部及び電荷制御剤とし
てスピロンブラック「TRH1」1重量部及び離型剤と
してPPワックス(三洋化成社製「ビスコール660
P」)3重量部をメルトブレンドして冷却後粗粉砕し、
さらにジェットミル(日本ニューマチック工業社製「ラ
ボジェット」)で微粉砕して、平均粒径8〜12μmの
トナー粉末を得た後、分級機(日本ニューマチック工業
社製「MDS−2」で分級することにより、平均粒径1
0μmのトナーを作製した。
【0035】〔トナーの性能評価〕上記トナーは、以下
の性状を有していた。 (a)定着温度:トナー6.5重量部と粒径約50〜8
0μmの鉄粉キャリヤー93.5重量部を混合して現像
剤を調製し、この現像剤を用いて複写物を得た。電子複
写機としては富士ゼロックス社製「Vivace30
0」を改造したものを使用した。電子複写機の熱ローラ
ーの設定温度を種々変えて得られた複写物をパッドで摩
擦した時、複写画の画像濃度の変化が15%以下となる
最低熱ローラーの温度を定着温度とした。トナーの定着
温度は130℃と十分低かった。
【0036】(b)オフセットの発生温度:電子複写機
の熱ローラーの設定温度を種々変えてオセットの発生す
る温度をオフセットの発生温度とした。オフセットの発
生温度は200℃以上であり十分高かった。
【0037】(c)保存性:トナー10gを100ml
サンプルビンにとり、50℃の高恒温槽中に8時間放置
した後、目視によりケーキング状態を観察し、凝集がな
かったものを○、微量の凝集があったものを△、凝集が
あったものを×とした。尚、凝集は認められなかった。
【0038】(実施例2)3Lセパラブルフラスコに、
トルエン900g、アクリル酸n−ブチル−メタクリル
酸メチル共重合体(重量平均分子量100万、ガラス転
移点60℃)120g及び添加剤としてベヘニルアルコ
ール30gを投入し溶解した。気相を窒素ガスにて置換
した後、この系を90〜100℃まで加温した。この温
度で、スチレン390g、メタクリル酸メチル30g及
び重合開始剤(2段階分解型重合開始剤)として、1,
1−di−tert−ブチルパーオキシ−2−メチルシ
クロヘキサン(日本油脂社製「パーヘキサMC」)20
gを溶解した溶液を2時間かけて滴下しながら溶液重合
を行った後、トルエンの還流温度まで昇温し、ステアリ
ルアクリレート30gを溶かしたトルエン溶液を30分
かけて滴下し、2段階溶液重合を行った。さらに、トル
エンの還流温度で攪拌しながら30分間熟成した後、オ
イルバス温度を150℃まで徐々に昇温しながら、減圧
下でトルエンを脱溶剤して樹脂組成物を得た。この樹脂
組成物を冷却、粉砕してトナー用樹脂組成物を得た。
【0039】(実施例3)3Lセパラブルフラスコに、
トルエン900g、アクリル酸n−ブチル−メタクリル
酸メチル−ステアリルアクリレート共重合体(重量平均
分子量120万、ガラス転移点60℃)120g及び添
加剤としてベヘニルアルコール30gを投入し溶解し
た。気相を窒素ガスにて置換した後、この系をトルエン
の還流温度まで加温した。トルエンの還流が起きた状態
で攪拌しながら、スチレン240g、メタクリル酸メチ
ル30g及び重合開始剤としてパーブチル−O15gを
溶解した溶液を2.5時間かけて滴下しながら溶液重合
を行った後30分間熟成した。次いで、オイルバス温度
を150℃まで徐々に昇温しながら、減圧下でトルエン
を脱溶剤して樹脂組成物を得た。この樹脂を冷却、粉砕
してトナー用樹脂組成物を得た。
【0040】(実施例4)3Lセパラブルフラスコに、
トルエン900g、アクリル酸n−ブチル−メタクリル
酸メチル−ステアリルアクリレート共重合体(重量平均
分子量120万、ガラス転移点60℃)120g及び添
加剤としてベヘニルアルコール30gを投入し溶解し
た。気相を窒素ガスにて置換した後、この系をトルエン
の還流温度まで加温した。トルエンの還流が起きた状態
で攪拌しながら、スチレン390g、メタクリル酸メチ
ル30g、ステアリルアクリレート30g及び重合開始
剤としてパーブチル−O15gを溶解した溶液を2.5
時間かけて滴下しながら溶液重合を行った後、トルエン
の還流温度まで昇温し、アクリル酸ステアリル30gの
トルエン溶液を30分かけて滴下し溶液重合を行った。
さらに、トルエンの還流温度で攪拌しながら30分間熟
成した後、オイルバス温度を150℃まで徐々に昇温し
ながら、減圧下でトルエンを脱溶剤して樹脂組成物を得
た。この樹脂を冷却、粉砕してトナー用樹脂組成物を得
た。
【0041】(比較例1)3Lセパラブルフラスコに、
トルエン900g、アクリル酸n−ブチル−メタクリル
酸メチル共重合体(重量平均分子量100万、ガラス転
移点57℃)120g及び添加剤としてベヘニルアルコ
ール30gを投入し溶解した。気相を窒素ガスにて置換
した後、この系をトルエンの還流温度まで加温した。ト
ルエンの還流が起きた状態で攪拌しながら、スチレン4
50g及び重合開始剤としてパーブチル−O15gを溶
解した溶液を2.5時間かけて滴下しながら溶液重合を
行った後、トルエンの還流温度まで昇温し、攪拌しなが
ら30分熟成を行った。さらに、オイルバス温度を15
0℃まで徐々に昇温しながら、減圧下でトルエンを脱溶
剤して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を冷却、粉砕
してトナー用樹脂組成物を得た。
【0042】(比較例2)3Lセパラブルフラスコに、
トルエン900g及びアクリル酸n−ブチル−メタクリ
ル酸メチル共重合体(重量平均分子量100万、ガラス
転移点57℃)120gを投入し溶解した。気相を窒素
ガスにて置換した後、この系をトルエンの還流温度まで
加温した。トルエンの還流が起きた状態で攪拌しなが
ら、スチレン450g、メタクリル酸メチル30g、ス
テアリルアクリレート30g及び重合開始剤としてパー
ブチル−O15gを溶解した溶液を2.5時間かけて滴
下しながら溶液重合を行った後、トルエンの還流温度で
攪拌しながら30分間熟成した。次いで、オイルバス温
度を150℃まで徐々に昇温しながら、減圧下でトルエ
ンを脱溶剤して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を冷
却、粉砕してトナー用樹脂組成物を得た。
【0043】上記実施例2〜4及び比較例1,2で得ら
れたトナー用樹脂組成物につき、実施例1と同様な性能
評価を行い、その結果を表1に示した。また、上記実施
例2〜4及び比較例1,2で得られたトナー用樹脂組成
物から、実施例1と同様にしてトナーを作製した後、こ
のトナーにつき実施例1と同様な性能評価を行い、その
結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】(実施例5) 〔トナー用樹脂組成物の調製〕3Lセパラブルフラスコ
にトルエン720gを入れ、アクリル酸n−ブチル−メ
タクリル酸メチル(BA−MMA)共重合体(重量平均
分子量Mw100万、ガラス転移点Tg60℃)120
g、添加剤としてベヘニルアルコール60gを投入して
溶解した。気相を窒素ガスにて置換したのち、90〜1
00℃に昇温した。この温度条件で撹拌しながら、スチ
レン360g、メタクリル酸メチル30g及び重合開始
剤としてパーヘキサメチルセルローズ20gを溶解した
混合物を、反応系に2時間かけて滴下した後、トルエン
の還流温度まで昇温し、ステアリルアクリレート30g
のトルエン溶液を30分かけて滴下し2段階溶液重合を
行った。さらにトルエンの還流温度にて撹拌しながら、
30分熟成した。次いで、オイルバス温度を150℃ま
で徐々に昇温しながら、減圧下でトルエンを脱溶剤して
重合体を得た後冷却、粉砕して、トナー用樹脂組成物を
調製した。
【0046】上記トナー用樹脂組成物につき、実施例1
と同様な、分子量分布、ガラス転移温度(Tg)、融点
(Tm)及びフロー軟化点(Tf)を測定し、その測定
結果を表2に示した。
【0047】上記トナー用樹脂組成物を使用し、実施例
1と同様にして、トナーを作製した。このトナーにつ
き、定着温度、オフセット発生温度及び保存性を評価し
た。さらに、コールドオフセットの発生温度を、下記の
方法で測定した。 (d)コールドオフセットの発生温度 トナー6.5重量部を粒径約50〜80μmの鉄粉キャ
リアー93.5重量部と混合して現像剤を作り、この現
像剤を用いて評価を行った。電子複写機の熱ローラーの
設定温度を、トナーの定着温度より低い温度から定着温
度を含む200℃程度の高い温度までの各温度で画像テ
ストを行った。そのとき定着温度より低い温度では、二
重画像となるが定着温度付近になると二重画像は解消さ
れる。この温度をコールドオフセットの発生温度とし
た。尚、使用した電子写真複写機は、富士ゼロックス社
製「Vivace300」を改造したものである。
【0048】(実施例6)3Lセパラブルフラスコにト
ルエン720gを入れ、BA−MMA共重合体(Mw1
00万、Tg60℃)120g、添加剤としてベヘニル
アルコール60gを投入し、溶解した。気相を窒素ガス
にて置換したのち、この系を90〜100℃に昇温し
た。この温度条件で撹拌しながら、スチレン330g,
メタクリル酸メチル30g及び重合開始剤としてパーヘ
キサMC20gを溶解した混合物を、2時間かけて滴下
した後、トルエンの還流温度まで昇温し、ステアリルア
クリレート60gのトルエン溶液を30分かけて滴下し
2段階溶液重合を行った。さらにトルエンの還流温度に
て撹拌しながら、30分熟成した。その後、オイルバス
温度を150℃まで徐々に昇温しながら、減圧下でトル
エンを脱溶剤して重合体を得た。この重合体を冷却後粉
砕して、トナー用樹脂組成物を調製した。
【0049】(実施例7)3Lセパラブルフラスコにト
ルエン720gを入れ、BA−MMA共重合体(Mw1
00万、Tg57℃)120g、添加剤としてベヘニル
アルコール60gを投入し、溶解した。気相を窒素ガス
にて置換したのち、この系をトルエンの還流温度まで昇
温した。トルエンの還流が起きた状態で、撹拌しなが
ら、スチレン390g、ステアリルアクリレート30
g、重合開始剤としてパーブチル−O15gを溶解した
混合物を、2. 5時間かけて滴下しながら、溶液重合を
行なった。さらにトルエンの還流温度にて撹拌しなが
ら、30分熟成した後、オイルバス温度を150℃まで
徐々に昇温しながら、減圧下でトルエンを脱溶剤して重
合体を得た。この重合体を冷却後粉砕して、トナー用樹
脂組成物を調製した。
【0050】(実施例8)3Lセパラブルフラスコにト
ルエン720gを入れ、BA−MMA共重合体(Mw1
00万、Tg60℃)120g、添加剤としてベヘニル
アルコール60gを投入し、溶解した。気相を窒素ガス
にて置換したのち、この系を90〜100℃に昇温し
た。この温度で撹拌しながら、スチレン375g、メタ
クリル酸メチル30g及び重合開始剤としてパーヘキサ
MC20gを溶解した混合物を、2時間かけて滴下した
後、トルエンの還流温度まで昇温し、ステアリルアクリ
レート15gのトルエン溶液を30分で滴下し2段階溶
液重合を行った。さらにトルエンの還流温度にて撹拌し
ながら、30分熟成した。その後、オイルバス温度を1
50℃まで徐々に昇温しながら、減圧下でトルエンを脱
溶剤して重合体を得た。この重合体を冷却後粉砕して、
トナー用樹脂組成物を調製した。
【0051】(実施例9)3Lセパラブルフラスコにト
ルエン720gを入れ、BA−MMA共重合体(Mw1
00万、Tg60℃)120g、添加剤としてベヘニル
アルコール60gを投入し溶解した。気相を窒素ガスに
て置換したのち、この系を90〜100℃に昇温した。
この温度で撹拌しながら、スチレン120g、メタクリ
ル酸メチル30g及び重合開始剤としてパーヘキサMC
20gを溶解した混合物を、2時間かけて滴下した後、
トルエンの還流温度まで昇温し、ステアリルアクリレー
ト270gのトルエン溶液を30分で滴下し2段階溶液
重合を行った。さらにトルエンの還流温度にて撹拌しな
がら、30分熟成した。その後、オイルバス温度を15
0℃まで徐々に上げながら、減圧下でトルエンを脱溶剤
して重合体を得た後冷却、粉砕して、トナー用樹脂組成
物を調製した。
【0052】上記実施例6〜9で得られたトナー用樹脂
組成物につき、実施例5と同様な性能評価を行い、その
結果を表2に示した。また、上記実施例6〜9で得られ
たトナー用樹脂組成物から、実施例5と同様にしてトナ
ーを作製した後、このトナーにつき実施例5と同様な性
能評価を行い、その結果を表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明のトナー用樹脂組成物は、上述の
構成であり、低分子量のビニル系共重合体及び/又は高
分子量のビニル系共重合体と低融点結晶性化合物が、そ
の側鎖の影響により凝集構造をとることにより、低融点
結晶性化合物のブリードアウトを防止する。従って、上
記トナー用樹脂組成物から得られるトナーは、良好な保
存性を有すると共に、低温での定着性及び耐オフセット
性が優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナー用樹脂組成物のDSC曲線を示すグラフ
である。
【図2】トナー用樹脂組成物のフロー軟化点を示すグラ
フである。
【符号の説明】
Tg ガラス転移点 Tm 融点 ΔH 吸熱量 Tf 軟化点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥戸 正純 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体及び(メタ)アクリル
    酸エステル系単量体を構成単位とするビニル系共重合体
    と低融点結晶性化合物とを主成分とするトナー用樹脂組
    成物において、該ビニル系共重合体が、低分子量のビニ
    ル系共重合体と高分子量のビニル系共重合体とからな
    り、該低分子量のビニル系共重合体及び/又は高分子量
    のビニル系共重合体には、前記低融点結晶性化合物と凝
    集構造を取り得る側鎖が含有されていることを特徴とす
    るトナー用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 スチレン系単量体及び(メタ)アクリル
    酸エステル系単量体を構成単位とするビニル系共重合体
    と低融点結晶性化合物とを主成分とするトナー用樹脂組
    成物において、該ビニル系共重合体が、低分子量のビニ
    ル系共重合体と高分子量のビニル系共重合体とからな
    り、該低分子量のビニル系共重合体及び/又は高分子量
    のビニル系共重合体には、前記低融点結晶性化合物と凝
    集構造を取り得る側鎖を形成するモノマーが3〜50重
    量%含有され、且つその側鎖を形成するモノマー単位が
    ブロック状に含有されていることを特徴とするトナー用
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のトナー用樹脂組成
    物が用いられてなることを特徴とするトナー。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008262200A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Xerox Corp 共有結合性離型剤を含むケミカルトナー、及びトナーの製造方法
CN102508416A (zh) * 2011-12-07 2012-06-20 澳达树熊涂料(惠州)有限公司 一种不规则碳粉熔融乳化形成球形碳粉的方法
JP2014035506A (ja) * 2012-08-10 2014-02-24 Konica Minolta Inc 静電荷像現像用トナー
JP2016218237A (ja) * 2015-05-20 2016-12-22 キヤノン株式会社 トナーの製造方法
JP2019200415A (ja) * 2018-05-09 2019-11-21 三洋化成工業株式会社 トナーバインダー

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