JPH09138166A - 温度検知装置及びその使用方法並びにこれを用いた定着装置 - Google Patents

温度検知装置及びその使用方法並びにこれを用いた定着装置

Info

Publication number
JPH09138166A
JPH09138166A JP8265383A JP26538396A JPH09138166A JP H09138166 A JPH09138166 A JP H09138166A JP 8265383 A JP8265383 A JP 8265383A JP 26538396 A JP26538396 A JP 26538396A JP H09138166 A JPH09138166 A JP H09138166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
thin film
temperature
detecting device
sensitive element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8265383A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3042421B2 (ja
Inventor
Shozo Yamamoto
省三 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP8265383A priority Critical patent/JP3042421B2/ja
Publication of JPH09138166A publication Critical patent/JPH09138166A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3042421B2 publication Critical patent/JP3042421B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定体を損傷することなく、小型で、か
つ、急激な温度変化に対する温度追従性を良好に保つこ
とができ、更に、周囲環境による変動を有効に抑える。 【解決手段】 曲面状の被測定体1に接触して温度を検
知する温度検知装置において、弓形面2aを有する支持
部材2と、この弓形面2aの弓形方向の両端に張架され
た薄膜4と、この薄膜4の前記弓形面2aに対向した箇
所に設けられた感熱素子5とを備える。また、必要に応
じて、感熱素子5を熱伝導性シートで被覆したり、感熱
素子5の被測定体1側を熱伝導性シートを介して薄膜4
に設ける。更に、このような温度検知装置を組み込んだ
定着装置装置も包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、温度検知装置及
びその使用方法並びにこれを用いた定着装置に係り、特
に、定着装置の加熱ロール等の曲面状被測定体に接触し
て温度を検出するタイプの温度検知装置及びその使用方
法並びにこれを用いた定着装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真方式を採用した複写機
等の画像形成装置では、記録紙(記録材)に転写された
トナー像を定着させるために通常加熱式定着装置が設け
られている。従来この種の定着装置としては、互いに圧
接しながら回転する加熱ロールと加圧ロールとを備え、
未定着トナー像が形成された記録紙をこれらロール間に
挿通させて未定着トナー像の定着を行うようにしたもの
である。
【0003】このような定着装置においては、通常定着
温度が一定になるように例えば加熱ロールの加熱源を温
度制御し、定着条件を均一に保つようにする手法が採用
されるが、この種の手法を採用するに当たって、前記加
熱ロールの表面温度を検知する温度検知装置が必要にな
る。従来における温度検知装置は、例えば図25に示す
ように、図示外のセンサホルダのセンサ取付部位に被測
定体である加熱ロール101に接触するセンサユニット
110を取り付けたものであり、当該センサユニット1
10としては、保持部材111に中空弾性体112を保
持し、前記中空弾性体112の加熱ロール101側面に
サーミスタ等の感熱素子113を配設すると共に、ポリ
イミド等からなる保護シート114で前記感熱素子11
3を被覆するようにしたものが用いられる(例えば特公
昭58−33492号)。尚、符号102は加熱ロール
101に圧接する加圧ロール、103は加熱ロール10
1内に内蔵されている加熱ランプである。
【0004】また、従来の温度検知装置の他の例のセン
サユニット110としては、図26に示すように、薄膜
シート121の裏面側にCA熱電対やサーミスタ等の感
熱素子113を配設すると共に、その薄膜シート121
の表面側にフッ素樹脂等の摩擦係数の少ない表面層12
2を設けて加熱ロール101などの被測定体との接触を
円滑にする一方、U字チャンネル状の支持部材123に
シート状のスポンジ弾性体124を張り渡し、前記薄膜
シート121を加熱ロール101側へ弾性的に押し付け
るようにしたものがある(例えば実公昭57−1961
2号)。
【0005】このような温度検知装置にあっては、前記
中空弾性体112やシート状のスポンジ弾性体124を
設けることにより、加熱ロール101の表面温度を忠実
に検知でき、しかも、環境温度の変化の影響を受け難い
という利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
温度検知装置の例えば前者のタイプにあっては、中空弾
性体112は内部に空間部を有するものであるため、そ
の分、厚さ方向寸法が大きくなってしまう。このとき、
前記加熱ロール101が回転すると、その加熱ロール1
01の回転方向に沿って前記中空弾性体112が引っ張
られて倒れ変形し易くなり、これを防止する上で、剛性
のある保持部材111で前記中空弾性体112の側面を
拘束保持することが必要になる。従って、中空弾性体1
12自体の大きさが大きくなり、しかも、これを保持す
る保持部材も必要不可欠であることからすれば、温度検
知装置全体の大きさを小型化することが困難である。
【0007】また、感熱素子113にて温度検知する際
には、感熱素子113の支持部材(中空弾性体112、
保持部材111)全体に熱が奪われることから、温度検
知装置全体が均一の温度になるまで感熱素子113の検
知温度は安定しないことになるが、前記支持部材全体の
熱容量が大きいと、その分、温度検知装置全体が均一の
温度になるまでの時間が嵩むため、感熱素子113によ
る温度検知性能として、急激な温度変化に追従すること
ができないという技術的課題が見られる。
【0008】一方、従来の温度検知装置の後者のタイプ
にあっても、前者のタイプに比べて、装置自体の小型化
は可能かも知れないが、シート状スポンジ弾性体124
(厚さ方向に弾性を有するものである分、ある程度の厚
さが必要)及び支持部材123の熱容量が大きいため、
前者のタイプと同様に、感熱素子113による温度検知
性能として、急激な温度変化に追従することができない
という技術的課題が見られる。
【0009】このような技術的課題を解決する手段とし
ては、例えば図27に示すように、U字チャンネル状の
支持部材131の一対の脚片を弾性変形可能な弾性脚片
132として構成し、サーミスタ等の感熱素子113が
挟持される耐熱性フィルム133を前記支持部材131
の弾性脚片132先端間に掛け渡し、前記耐熱性フィル
ム133を加熱ロール101などの被測定体に弾性的に
接触させるようにしたものや、あるいは、図28に示す
ように、固定板141に対して板バネ142をネジにて
片持ち支持し、固定板141と板バネ142の自由端と
の間にサーミスタ等の感熱素子113が挟持される耐熱
性フィルム133を掛け渡し、前記耐熱性フィルム13
3を加熱ロール101などの被測定体に弾性的に接触さ
せるようにしたものが提供されている(例えば実開昭6
0−181768号)。
【0010】このタイプによれば、耐熱性フイルム13
3は支持部材131の弾性脚片132の弾性作用、ある
いは、板バネ142の弾性作用により加熱ロール101
に密接するため、感熱素子113によって加熱ロール1
01の表面温度を忠実に検知することができ、また、感
熱素子113を支持する部材が耐熱性フィルム133だ
けであり、当該耐熱性フィルム133は薄膜状で熱容量
が極めて小さいので、感熱素子113から耐熱性フィル
ム133へ伝達される熱量はごく僅かであり、感熱素子
113による温度検知性能として、急激な温度変化にも
迅速に追従することは可能である。
【0011】しかしながら、このようなタイプにあって
は、加熱ロール101などの被測定体が回転し、周囲に
気流が形成されると、当該気流が空間部134を容易に
通過する事態を生じ、この気流による影響で、感熱素子
113の熱が奪われ易くなり、感熱素子113による温
度検知性能が周囲環境により変動し易いという技術的課
題がある。特に、前述したようなタイプにあっては、例
えば図27に示すように、感熱素子113の背面から放
出される熱や加熱ロール101から耐熱性フィルム13
3をすり抜けた熱は耐熱性フィルム133とその支持部
材131との空間部134内で矢印Xで示すように放熱
してしまう。一方、図28のタイプにあっては、感熱素
子113の背面側に放出された熱の一部は矢印Yに示す
ように板バネ142にて反射されて再度感熱素子113
側へ戻されるが、放出された熱の多くは耐熱性フィルム
133とその支持部材141,142との空間部134
内で矢印Xで示すように放熱してしまう。このため、図
27,図28のタイプにあっては、前記放熱による熱の
損失分について感熱素子113の応答性が低下する事態
はやむを得ないものであった。
【0012】尚、このような不具合は、定着装置の温度
検知装置に限られるものではなく、例えば曲面状の被測
定体の温度を検知する温度検知装置全般について生ずる
ものである。
【0013】この発明は、以上の技術的課題を解決する
ためになされたものであって、被測定体を損傷すること
なく、小型で、かつ、急激な温度変化に対する温度追従
性を良好に保つことができ、更に、周囲環境による変動
を有効に抑えられるようにした温度検知装置及びその使
用方法並びにこれを用いた定着装置を提供するものであ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
図1に示すように、曲面状の被測定体1に接触して温度
を検知する温度検知装置において、弓形面2aを有する
支持部材2と、この弓形面2aの弓形方向の両端に張架
される薄膜4と、この薄膜4の前記弓形面2aに対向し
た面上に設けられる感熱素子5とを備えたものである。
【0015】そして、この温度検知装置を使用する際に
は、前記被測定体1に感熱素子5領域が含まれる薄膜4
部分のみを接触させ、被測定体1と支持部材2とを非接
触配置するようにすればよい。
【0016】このような技術的手段において、本発明に
係る温度検知装置において、被測定体1としては、温度
検知を必要とする曲面状のものであれば全て対象とな
る。例えば電子写真方式の画像形成装置に用いられる定
着装置であれば、通常加熱源が内蔵されている加熱ロー
ルであるが、この加熱ロールに圧接する加圧ロールであ
ってもよい。また、定着装置以外の例としては、熱風を
送る加熱器のシャフトや、エンジンと発電器とのつなぎ
シャフト等、温度検知を必要とする曲面状のロール、シ
ャフトなど広く包含する。
【0017】また、支持部材2については、弓形面2a
を有するものであれば、それ自体が剛体であってもよい
し、弾性変形可能な部材であってもよく、適宜選定して
差し支えない。ここでいう弓形面2aとは、感熱素子5
に対向する面が所謂弓形状の形状部を有するものであれ
ば、断面山型状のもの、滑らかな湾曲面状のものを始
め、これに近似した態様(例えば断面台形状等)を広く
含むものであり、例えば板状の支持部材2を屈曲形成し
て構成してもよいが、必ずしも支持部材2の外形までを
弓形状にする必要はない。更に、弓形面2aの形状につ
いては、対称形状、非対称形状を問わず、弓形面2aの
形状が弓形面2aと薄膜4との間の空間部3内に放出さ
れた熱を反射し、その反射熱を薄膜4の感熱素子5へ効
率的に集中させるという観点に基づいて適宜選定するこ
とが好ましく、特に、滑らかな湾曲面状の弓形面2aが
よい。更にまた、弓形面2aの形状については、少なく
とも一方向に対するもので差し支えないが、任意の二方
向あるいはそれ以上の方向に対するもの(究極的には任
意の全方向に対して弓形面2aを形成する所謂お椀状
面)も含まれる。このとき、複数方向に対して弓形面2
aを形成するということは、夫々の方向について反射熱
を薄膜4の感熱素子5へ効率的に集中させることが可能
になる分、熱効率が向上する点で好ましい。
【0018】更に、薄膜4としては、素材的には適宜選
定して差し支えないが、少なくとも被測定体1の測定温
度範囲に対する耐熱性を備えていることが必要である。
ここで、被測定体1に対して感熱素子5を適性位置に確
実にセットするという観点からすれば、薄膜4として面
方向に弾性を有する弾性薄膜を用いることが好ましく、
この場合、支持部材2の取付誤差が前記弾性薄膜の弾性
作用により吸収され、感熱素子5に対応した弾性薄膜部
分が常時被測定体1に対して密接配置されるようにな
る。但し、弾性薄膜に代えて、支持部材2の弓形面2a
構成部分に弾性作用を持たせるようにしてもよい。そし
て、弾性薄膜としては、通常耐熱性を備えた弾性素材で
構成するようにすればよいが、耐熱性のない弾性素材で
あっても、その表面に耐熱性コート層を設けるようにす
ればよい。また、感熱素子5への熱伝達性(感熱素子5
の感度)を考慮すると、薄膜4としては50μm以下が
好ましく、また、強度的限界を考慮すれば、25μm以
上、両者を考慮すれば、25〜50μm程度の厚さが好
ましい。
【0019】更に、感熱素子5の配設位置については、
前記弓形面2aの形状に対応して弓形面2aからの反射
熱が効率的に集中する箇所に設けるようにすればよい。
ここで、感熱素子5と支持部材2の弓形面2aとの間の
空間部3の距離については、1mm未満であると、空間
部3の空気層による断熱効果が不十分になり易く、一
方、5mmを超えると、空間部3が広すぎて周囲の気流
浸入量が増大し、感熱素子5の熱が気流によって多く奪
われ易くなることから、1乃至5mm程度が好ましい。
但し、当該空間部3については気流が浸入しないように
略密閉空間とするようにしても差し支えない。
【0020】また、感熱素子5については、被測定体1
の温度を検知し得るものであれば、熱電対、サーミスタ
等が適宜選定して差し支えない。この場合において、感
熱素子5の感度を良好に保つには感熱素子5の被測定体
1側面を平面状にすることが好ましい。更に、薄膜4へ
の感熱素子5の取り付けについては、接着剤やテープを
用いて貼着してもよいし、薄膜4そのものに感熱素子5
の取り付け部を一体的に成形してもよい。
【0021】また、感熱素子5からの放熱をより少なく
抑えるという観点からすれば、感熱素子5の空間部3側
を例えばアルミニウム箔のような熱伝導性シートで被覆
するようにすることが好ましい。
【0022】また、感熱素子5の応答性を犠牲にするこ
となく、温度検知装置の寿命をより長くするという観点
からすれば、感熱素子5を例えばアルミニウム、りん青
銅若しくは銅からなる熱伝導性シート(保護板)を介し
て薄膜4に設けるようにすることが好ましい。
【0023】また、感熱素子5の応答性を高めるという
観点からすれば、感熱素子5及び薄膜4の熱容量を可能
な限り少なくする必要があるが、本願にあっては、被測
定体1との接触部位における感熱素子5及び薄膜4さら
に感熱素子5に接する金属製部材(アルミニウム箔やア
ルミニウム、りん青銅若しくは銅からなる熱伝導性シー
ト)があればこれも含めて熱容量の合計が0.04J/
゜C以下であることが好ましい。
【0024】更に、本発明は、温度検知対象用の曲面状
の被測定体1を有する定着装置において、本発明に係る
温度検知装置を組み込んだものをも対象とする。この場
合において、組み込まれる温度検知装置としては前述し
た各種の態様のものを全て含むものである。
【0025】上述したような技術的手段によれば、セン
サユニット(支持部材2、薄膜4、感熱素子5)を被測
定体1にセットする場合には、被測定体1に感熱素子5
領域が含まれる薄膜4部分のみを接触させ、被測定体1
と支持部材2とを非接触配置するようにすればよい。こ
のとき、感熱素子5部分と被測定体1との密接状態は良
好に保たれ、被測定体1の熱は感熱素子5に迅速に伝達
される。また、センサユニットの厚さ方向寸法は、空間
部3領域に略対応したもので済み、空間部3領域をある
程度狭く設定することにより、従来のタイプ(中空弾性
体、保持部材を用いたタイプ)に比べて小さいもので済
む。しかも、感熱素子5に接する薄膜4の熱容量は小さ
いため、感熱素子5の熱が薄膜4を通じて支持部材2に
伝達されることはほとんどなく、その分、感熱素子5か
ら奪われる熱が支持部材2側へ不必要に伝達されること
はない。
【0026】特に、本発明にあっては、支持部材2は弓
形面2aを有しており、薄膜4の空間部3側で弓形面2
aに対向した箇所に感熱素子5が設けられているため、
感熱素子5の背面からの熱や被測定体1から薄膜4をす
り抜けた熱は空間部3内に放出されるが、当該放出熱の
多くは、図1に矢印Zで示すように、弓形面2aで反射
された後に再度感熱素子5側へと集中的に戻される。こ
のため、空間部3内に放出された熱がそのまま無駄に放
散することはなく、感熱素子5の温度検知用の熱として
効率的に利用される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいてこの発明を詳細に説明する。 ◎実施の形態1 図2はこの発明が適用される定着装置の温度検知装置の
実施の形態1を示す。同図において、定着装置は、互い
に圧接しながら回転する加熱ロール11と弾性体被覆の
加圧ロール12とを備え、未定着トナー像が形成された
記録紙13をこれらロール11,12間に挿通させて未
定着トナー像の定着を行うものである。尚、符号14は
加熱ロール11内に内蔵されている加熱ランプ(ヒー
タ)である。
【0028】図3は本実施の形態で用いられる温度検知
装置20の詳細を示す。この実施例に係る温度検知装置
20は、剛性板からなるセンサホルダ21の基端を取付
具22を介して所定の固定部15へ取付け、前記センサ
ホルダ21にセンサユニット23を設けるようにしたも
のである。この実施例に係るセンサユニット23は、セ
ンサホルダ21に断面二等辺三角形状(山型状)の弓形
面211を形成すると共に、この弓形面211の両端に
は内部に空間部24が確保されるように面方向に沿って
弾性変形可能な弾性薄膜25を張設し、図4(a)
(b)に示すように、この弾性薄膜25の裏面のうち弓
形面211の頂点(線対称位置)に対向した部位に例え
ばCA熱電対を潰して偏平にした感熱素子26を耐熱性
接着剤にて貼付するようにしたものである。尚、図4
(a)(b)中、符号261は感熱素子26のリード線
である。
【0029】また、本実施の形態では、前記弾性薄膜2
5はセンサホルダ21の表面及び裏面(空間部24は除
く)を覆っており、前記取付具22は、取付具本体22
1にセンサホルダ21の基端が挿入される挿入スリット
222を例えば水平方向に沿って形成すると共に、ネジ
挿通孔223を上下方向に沿って貫通開設し、前記セン
サホルダ21の基端を前記挿入スリット222に嵌挿さ
せ、取付具本体221のネジ挿通孔223及びセンサホ
ルダ21のネジ挿通孔に取付ネジ224を挿通させ、所
定の固定部15に止着するようにしたものである。
【0030】更に、本実施の形態において、センサホル
ダ21としては、りん青銅板、SUS304CSP板、
SK5M熱処理板、ベイナイト鋼板、その他金属一般
(焼結、鋳物、押し出し成形品を含む)、樹脂板、セラ
ミック板等を用いることが可能であるが、本実施の形態
では、例えばりん青銅板を用いた。
【0031】また、弾性薄膜25としては、ポリイミド
シート、テフロンシート、ガラスクロス入りテフロンシ
ートその他、りん青銅板、SUS304CSP板、SK
5M熱処理板で、その厚さが25μm〜50μmのもの
であれば使用可能であるが、本実施の形態では、例えば
ポリイミドシート25〜50μmのものを用いた。
【0032】更に、本実施の形態において、弾性薄膜2
5の幅寸法d2は、図4(b)に示すように、感熱素子
26の幅寸法d1の数倍より大きく設定されており、被
測定体に接触する部分の感熱素子26及び弾性薄膜25
の熱容量が0.04J/゜C以下になっている。
【0033】そして、このような温度検知装置は、図5
に示すように、前記センサユニット23の弾性薄膜25
の感熱素子26のある部分周辺を被測定体である加熱ロ
ール11に弾接させるように取り付けられる。このと
き、本実施の形態においては、前記空間部24の感熱素
子26と弓形面211の屈曲箇所との間の距離sは1〜
5mm程度に設定されている。更に、前記弾性薄膜25
は前記加熱ロール11の表面形状に追従して弾性的に広
がり変形するが、その弾性応力は弾性薄膜25全域に亘
って充分に小さいものであるため、弾性薄膜25の弾性
変形に伴う反力は加熱ロール11側へそれ程強く作用せ
ず、センサユニット23は加熱ロール11の表面に軽接
触した状態で取付けられる。
【0034】ここで、本実施の形態に係る温度検知装置
の性能を調べたところ、加熱ロール11の表面に傷が見
られずに、感熱素子26の温度追従性が良好であり、更
に、周囲環境による温度変動性が少なく抑えられること
が確認された。このことは、図6に矢印Zで示すよう
に、感熱素子26の背面から放出される熱や加熱ロール
11から弾性薄膜25をすり抜けた熱が空間部24内で
弓形面211で反射された後に再度感熱素子26へ集中
的に戻り、感熱素子26へ与えられる熱の損失を少なく
抑えていることに起因するものと推測される。
【0035】また、本実施の形態において、感熱素子2
6の取付方法については、前記した耐熱接着剤による貼
付に限られるものではなく、例えば図7(a)に示すよ
うに、感熱素子26を耐熱性接着テープ27で貼付する
ようにしてもよいし、あるいは、図7(b)に示すよう
に、弾性薄膜25の成型時に感熱素子26の収容部25
1を一体的に成形し、当該収容部に感熱素子26を挿入
保持するようにしてもよい。
【0036】更に、本実施の形態において、感熱素子2
6についても、前記したCA熱電対を潰した偏平のもの
に限られるものではなく、例えば通常の熱電対をそのま
ま用いてよいことは勿論であり、その他に、例えば図8
(a)に示すように、ビード型(SB型を含む)サーミ
スタ26aや薄膜サーミスタ等を用いてよいことは勿論
である。この場合において、例えばビード型サーミスタ
26aをもう少し感度良く使用したいという要請を満た
すには、例えば図8(b)に示すように、被測定体側面
が平面状に形成されたビード型サーミスタ26bを用い
るようにすればよい。このときの製法例としては、例え
ばビード型サーミスタにガラスをコーティングする際、
コーティングするガラスを溶かしながらプレスし、その
後冷却するようにすればよい。
【0037】更に、センサホルダ21の形状については
取付位置と被測定体との位置関係に応じて適宜変更でき
るものであり、例えば図9に示すように、略直線状のホ
ルダ板部212の先端側に断面二等辺三角形状の弓形面
211を設け、この弓形面211内に空間部24が確保
されるように弾性薄膜25を張設するようにしてもよ
い。尚、本変形例でも、弾性薄膜25はセンサホルダ2
1の表面及び裏面(空間部24を除く)を覆っている
が、本変形例では、センサホルダ21の表面側、裏面側
に弾性薄膜25の接合片部252を設け、この接合片部
252を接合することによりセンサホルダ21に弾性薄
膜25を取付けるようにしている。
【0038】◎実施の形態2 図10は温度検知装置の実施の形態2を示す。尚、実施
の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同
様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
同図において、温度検知装置の基本的構成は、実施の形
態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、感熱素
子26の空間部24側がアルミニウム箔41で被覆され
ており、感熱素子26及びアルミニウム箔41が耐熱性
接着テープ27で固定されている。
【0039】従って、本実施の形態によれば、実施の形
態1と基本的に同様な作用を奏するが、実施の形態1に
比べて、感熱素子26の温度追従性がより良好になるこ
とが確認された。これは、アルミニウム箔41が感熱素
子26から放出された熱を輻射熱として感熱素子26側
へ戻すという作用を奏し、感熱素子26からの熱損失が
より少なくなるためと推測される。
【0040】◎実施の形態3 図11は温度検知装置の実施の形態3を示し、図10の
要部と同様な説明図である。尚、実施の形態1と同様な
構成要素については実施の形態1と同様な符号を付して
ここではその詳細な説明を省略する。同図において、温
度検知装置の基本的構成は、実施の形態1と略同様であ
るが、実施の形態1と異なり、感熱素子26の被測定体
側にはアルミニウム、りん青銅若しくは銅からなる良熱
伝導性の保護板51が設けられ、感熱素子26及び保護
板51が耐熱性接着テープ27で固定されている。
【0041】従って、本実施の形態によれば、実施の形
態1と基本的に同様な作用を奏するが、実施の形態1に
比べて、温度検知装置の寿命が長くなることが確認され
た。これは、前記保護板51が感熱素子26に対して局
部圧がかかるのを阻止する分、感熱素子26の寿命が延
びることによる。
【0042】◎実施の形態4 図12は温度検知装置の実施の形態4を示し、図10の
要部と同様な説明図である。尚、実施の形態2,3と同
様な構成要素については実施の形態2,3と同様な符号
を付してここではその詳細な説明を省略する。同図にお
いて、温度検知装置の基本的構成は、実施の形態2及び
実施の形態3を組み合わせたものであり、感熱素子26
の空間部24側がアルミニウム箔41で被覆されてお
り、一方、感熱素子26の被測定体側にはアルミニウ
ム、りん青銅若しくは銅からなる良熱伝導性の保護板5
1が設けられ、感熱素子26、アルミニウム箔41及び
保護板51が耐熱性接着テープ27で固定されている。
【0043】従って、本実施の形態によれば、実施の形
態1に比べて、感熱素子26の温度追従性がより良好に
なり、しかも、温度検知装置の寿命が長くなることが確
認された。
【0044】尚、実施の形態2〜4においても、実施の
形態1と同様に、各種の変形例を包含することは勿論で
ある。
【0045】◎実施の形態5 図13は温度検知装置の実施の形態5を示す説明図であ
る。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施
の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明
を省略する。同図において、温度検知装置の基本的構成
は実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異な
り、センサホルダ21が二つのユニットに分離形成され
ており、第一のホルダユニット21aの基端が所定の固
定部15に取付具22aを介して固定され、一方、第二
のホルダユニット21bは例えば断面山型状の弓形面2
11を有し、その基端が第一のホルダユニット21aの
先端部に取付具22bを介して連結固定されている。
尚、図中28は回り止め用の位置決めボスであり、所定
の固定部に形成された位置決め用凹部に嵌合するように
なっている。このタイプによれば、センサホルダ21が
二つのホルダユニット21a,21bに分離形成されて
いることから、第一のホルダユニット21aが所定の固
定部に回り止めした状態で確実に固定され、第二のホル
ダユニット21bが第一のホルダユニット21aに対し
て位置調整可能に取り付けられる。このため、センサホ
ルダ21の取付位置調整が容易に行なわれる。
【0046】尚、本実施の形態に対し、実施の形態2〜
4の構造を適用してもよいことは勿論である。
【0047】◎実施の形態6 図14は温度検知装置の実施の形態6を示す。尚、実施
の形態5と同様な構成要素については実施の形態5と同
様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
同図において、温度検知装置の基本的構成は実施の形態
5と略同様であるが、実施の形態5と異なり、センサホ
ルダ21は断面山型状ではなく、断面台形状に形成され
た弓形面213を具備している。このタイプにあって
も、断面山型状の弓形面211と略同様な作用を奏する
ことが確認された。
【0048】◎実施の形態7 図15は温度検知装置の実施の形態7である。同図にお
いて、温度検知装置の基本的構成は実施の形態1と略同
様であるが、センサユニット23のセンサホルダ21の
構成及び取り付け方が実施の形態1と異なる。すなわ
ち、本実施の形態では、センサホルダ21は先端側に滑
らかな湾曲面状(例えば半楕円面形状)の弓形面215
を形成し、一方、基端側には取付部216を形成し、弓
形面215と取付部216との間を傾斜連結部217に
て連結したものである。そして、上記センサホルダ21
の取付部216は所定の固定部15に押え板71を介し
て取付具22で固定され、また、弓形面215から傾斜
連結部217にかけての一部には切り起こし片218が
切り起こされ、この切り起こし片218と傾斜連結部2
17と間にセンサ基板72が挟持固定され、更に、前記
押え板71の一部でセンサ基板72の離脱が防止される
ように押え込まれている。
【0049】また、本実施の形態において、弓形面21
5には内部に空間部24が確保されるように面方向に沿
って弾性変形可能な弾性薄膜25が張設され、この弾性
薄膜25の裏面のうち弓形面215の頂点(線対称位
置)に対向した部位に感熱素子26が設けられている。
そして、このような温度検知装置は、センサユニット2
3の弾性薄膜25の感熱素子26のある部分周辺を被測
定体である加熱ロール11に弾接させるように取り付け
られる。このとき、本実施の形態においては、前記空間
部24の感熱素子26と弓形面215の屈曲箇所との間
の距離sは1〜5mm程度に設定されている。
【0050】本実施の形態においては、実施の形態1
(断面山型状の弓形面211タイプ)と略同様な作用を
奏するが、実施の形態1に比べて、わずかながら感熱素
子26の温度追従性が良好になることが確認された。
尚、本実施の形態において、実施の形態2〜4の構造を
適用してもよいことは勿論である。
【0051】◎実施の形態8 図16は温度検知装置の実施の形態8を示す。同図にお
いて、温度検知装置の基本的構成は実施の形態1の変形
例(図9タイプ)と同様であるが、図9タイプと異な
り、略直線状のホルダ板部212に断面不等辺三角形状
の弓形面219を設け、この弓形面219内に空間部2
4が確保されるように弾性薄膜25を張設し、この弾性
薄膜25上の弓形面219からの反射熱が効率的に戻さ
れる部位に感熱素子26を固着したものである。尚、図
9と同様な構成要素については図9と同様な符号を付し
てここではさの詳細な説明を省略する。このタイプにあ
っても、実施の形態9と略同様な作用を奏することが確
認された。
【0052】◎実施の形態9 図17は本発明に係る温度検知装置が適用される他の装
置例として軸受磨耗試験機を示す。同図において、軸受
磨耗試験機は、両支持軸受61,62にシャフト63
(ヒータ64内蔵)を回転自在に支承し、一方、ハウジ
ング65に供試軸受66を装着し、この供試軸受66に
前記シャフト63を係合させ、シャフト63を所定温度
に加熱した状態で、モータ67からの駆動力にてシャフ
ト63を回転させることにより供試軸受66の磨耗度合
を検査するものである。このような装置において、例え
ば前記シャフト63の温度を制御するために、シャフト
63に対して本発明が適用された温度検知装置20(実
施の形態1〜8)が組込まれている。従って、実施の形
態1〜8については、定着装置の温度検知について本発
明が適用されているが、本実施の形態においては、軸受
磨耗試験機の温度検知に対して本発明が適用されてい
る。
【0053】
【実施例】
◎実施例1 今、実施の形態7に係る温度検知装置(図15タイプ:
滑らかな湾曲面状弓形面タイプ,s=3mm,アルミニ
ウム箔41あり、感熱素子26及び弾性薄膜25の熱容
量0.01J/゜C)を用い、温度追従試験及び周囲環
境変動試験を実施した。先ず、試験装置について説明す
ると、図18に示すように、Fe系薄肉加熱ロール11
に対し、本実施例タイプに係る温度検知装置20(A)
をセットし、更に、比較例として、キーエンス製の非接
触赤外線温度計(B)、CA熱電対を直に貼付した温度
検知装置(C)、更に、図25のスポンジ型温度検知装
置(D)を夫々セットし、加熱ロール11をヒータ14
で加熱した。尚、非接触赤外線温度計(B)は温度検知
装置(C)によって放射率の設定をした。
【0054】各温度検知装置A〜Dの温度変化をプロッ
トしたものを図19に示す。同図によれば、赤外線温度
計Bは立ち上がり、立ち下がりが最も速く、その後、温
度安定域に入って温度検知装置Cと同じ温度を示した。
このことは、温度計の性能から見て、加熱ロールの表面
温度を最も忠実に表していると考えられる。次いで、本
実施例に係る温度検知装置Aが速く立ち上がり、温度安
定域に入って最も高い温度を示した。このことは、最も
赤外線温度計Bに近い高性能を有していることを表して
いる。尚、安定域における温度は加熱ロールに直に貼付
したCA熱電対より正しい温度を表示していることを示
す。また、熱電対直貼付タイプCの温度立ち上がり特性
は本実施例タイプAよりも遅く、また、スポンジ付きタ
イプDの温度立ち上がり特性は最も遅かった。これによ
り、本実施例タイプAの温度立ち上がり特性が良好であ
ることが把握され、温度追従性がよいことが確認され
る。
【0055】また、温度安定域に到達した時点で、加熱
ロール11部分にうちわで風を強制的に送ったところ、
図20に示すような結果が得られた。同図において、本
実施例タイプAと赤外線温度計タイプBとは同じような
結果を示した。しかし、熱電対直貼付タイプCはエアフ
ローに振られたような変化を示した。尚、スポンジ付き
タイプDは熱電対直貼付タイプCのようにエアフローに
振られる変化は見られないが、温度変化の追従性が本実
施例タイプA及び赤外線温度計タイプBに比べて遅いこ
とが確認される。
【0056】◎実施例2 次に、実施の形態2に係る温度検知装置(図8タイプ:
断面山型状弓形面タイプ,アルミニウム箔41あり、感
熱素子26及び弾性薄膜25の熱容量0.01J/゜
C)を用い、感熱素子26と弓形面211の屈曲部との
距離s(空間部24の大きさ)を変化させ、温度追従試
験を実施した。但し、試験については、扇風機で強制的
な風を送る状況下で、本実施例タイプAと比較例B〜C
(赤外線温度計タイプB、熱電対直貼付タイプC)とを
対比した。
【0057】ここで、本実施例タイプAの前記距離sを
2mm、5mm、6mm、0mm(接触状態)として、
加熱ロール11をヒータにて加熱したところ、A〜Cの
立ち上がり温度特性を図21〜図24に示す。図21,
図22によれば、本実施例タイプAの立ち上がり特性が
赤外線温度計タイプBに近接していることが確認され
る。図23によれば、図21,22に比べて、本実施例
タイプAの立ち上がり特性が赤外線温度計タイプBから
離れていることが確認される。尚、本実施例タイプAの
前記距離sを1mm未満として、加熱ロール11をヒー
タにて加熱したところ、図23と同様に、本実施例タイ
プAの立ち上がり特性が赤外線温度計タイプBから離れ
ていることが確認された。更に、図24によれば、本実
施例タイプAの立ち上がり特性が熱電対直貼付タイプC
によりも劣ることが確認された。従って、この実験結果
からすれば、温度検知装置の温度追従性を良好に保つ上
で空間部の大きさが影響していることが把握され、本実
施例タイプAにおいて、温度追従性を良好に保つには1
mm≦s≦5mm程度が好ましいことが確認される。
尚、この傾向(温度追従性良好範囲:1mm≦s≦5m
m)については、実施例1タイプにおいても同様であっ
た。
【0058】◎実施例3 次に、実施の形態1に係る温度検知装置(図3タイプ、
アルミニウム箔41なし、感熱素子26及び弾性薄膜2
5の熱容量0.01J/゜C)を用い、実施例1と同様
な温度追従試験及び周囲環境変動試験を実施した。この
とき、実施例1タイプ(アルミニウム箔41あり)に比
べて、僅かに温度追従性が低下するものの、図19及び
図20と略同様な結果が得られた。
【0059】◎実施例4 次に、実施の形態3に係る温度検知装置(図11タイ
プ、りん青銅製の保護板51、感熱素子26及び弾性薄
膜25の熱容量0.01J/゜C)を用い、温度追従試
験及び耐久試験を行なったところ、実施例3タイプに比
べて、温度追従性については実施例3タイプとほとんど
差異はなく、装置寿命が大幅に延びることが確認され
た。
【0060】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、支持部材の弓形面との間に空間部を介して薄膜を張
設すると共に、この薄膜の空間部側に感熱素子を配設
し、被測定体に薄膜を接触させ、被測定体に対する感熱
素子のフィット感を良好に保つようにしたので、従来の
ような中空弾性体及びこれを保持するための保持部材を
用いる必要がなくなり、温度検知装置全体を小さくする
ことができる。更に、感熱素子を支持する支持部材が薄
膜自体であり、空間部による断熱効果が期待でき、しか
も、薄膜を通じて面方向に熱伝達されることは少ないた
め、従来のような中空弾性体やシート状弾性体とそれを
保持する部材に比べて、感熱素子からの熱が伝達される
部材の熱容量を極めて小さくすることが可能になり、そ
の分、被測定体の急激な温度変化に対する感熱素子の温
度追従性を良好に保つことができる。
【0061】特に、本発明によれば、支持部材には略線
対称形状の弓形面を有し、薄膜の空間部側で弓形面に対
向した箇所に感熱素子を設けるようにしたので、感熱素
子の背面からの熱や被測定体から薄膜をすり抜けた熱が
空間部内に放出されたとしても、当該放出熱の多くを弓
形面で反射した後に再度感熱素子側へと集中的に戻すこ
とができる。このため、感熱素子への温度検知用の熱を
効率的に利用することができ、その分、たとえ被測定体
が回転した際の気流の影響で、感熱素子からの熱損失が
あるとしても、その損失分を有効に補填することが可能
になり、感熱素子からの熱損失を最小限に抑えることが
できる。従って、周囲環境変動による感熱素子の温度追
従性低下を有効に防止することができる。
【0062】また、本発明において、薄膜を面方向に沿
って弾性変形可能な弾性薄膜とし、弾性薄膜の変形部分
を空間部で吸収し、弾性薄膜の弾性変形時における被測
定体に対して抵抗となる反力を少なく抑えるようにすれ
ば、被測定体に対して低接触圧でも、被測定体と感熱素
子との安定した接触状態を得ることができ、その分、感
熱素子による温度検知性能を良好に保つことが可能にな
り、また、被測定体の表面が損傷する事態を有効に防止
することができる。
【0063】更に、本発明において、空間部の大きさを
最適に設定することにより、周囲環境変化、例えば気流
等が生じたとしても、空間部内での気流の通過を抑制す
ることが可能になる。このため、気流による感熱素子の
熱損失をも効果的に抑えることができ、もって、周囲環
境変動による感熱素子の温度追従性低下をより有効に防
止することができる。特に、本発明において、感熱素子
と感熱素子に対向する弓形面との間の距離を1mm〜5
mmに設定すれば、周囲環境変動による感熱素子の温度
追従性低下を簡単且つ確実に防止することができる。
【0064】更にまた、本発明において、滑らかな湾曲
面状の弓形面を用いるようにすれば、弓形面形状の最適
化を図ることにより、弓形面の略全域を感熱素子への熱
反射面として有効に利用することが可能になる。このた
め、感熱素子への熱戻し量を十分に確保することが可能
になり、周囲環境変動による感熱素子の温度追従性低下
をより有効に防止することができる。
【0065】また、本発明において、感熱素子の空間部
側を例えばアルミニウム箔のような熱伝導性シートで被
覆するようにするようにすれば、感熱素子からの放熱を
より少なく抑えることができ、感熱素子の応答性をより
良好に保つことができる。
【0066】また、本発明において、感熱素子を例えば
アルミニウム、りん青銅若しくは銅からなる熱伝導性シ
ートを介して薄膜に設けるようにすれば、感熱素子の応
答性を犠牲にすることなく、温度検知装置の寿命をより
延ばすことができる。
【0067】更に、本発明によれば、温度検知対象用の
曲面状の被測定体を有する定着装置に対し、本発明に係
る温度検知装置を組み込んだものを容易に構築すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る温度検知装置の構成を示す説
明図である。
【図2】 実施の形態1に係る定着装置の構成を示す説
明図である。
【図3】 実施の形態1の定着装置で用いられる温度検
知装置の詳細を示す説明図である。
【図4】 (a)は弾性薄膜と感熱素子との位置関係を
示す正面説明図、(b)はその平面図である。
【図5】 実施の形態1に係る温度検知装置の取り付け
状態を示す説明図である。
【図6】 実施の形態1に係る温度検知装置の弓形面の
働きを示す説明図である。
【図7】 (a)(b)は実施の形態1に係る感熱素子
の取付構造の夫々異なる変形例を示す説明図である。
【図8】 (a)(b)は実施の形態1に係る感熱素子
の夫々異なる変形例を示す説明図である。
【図9】 (a)は実施の形態1に係る温度検知装置の
変形例を示す正面説明図、(b)はその一部破断平面図
である。
【図10】 実施の形態2に係る温度検知装置を示す説
明図である。
【図11】 実施の形態3に係る温度検知装置の要部を
示す説明図である。
【図12】 実施の形態4に係る温度検知装置の要部を
示す説明図である。
【図13】 実施の形態5に係る温度検知装置を示す説
明図である。
【図14】 実施の形態6に係る温度検知装置を示す説
明図である。
【図15】 実施の形態7に係る温度検知装置を示す説
明図である。
【図16】 実施の形態8に係る温度検知装置を示す説
明図である。
【図17】 実施の形態9に係る軸受磨耗試験機の概略
を示す説明図である。
【図18】 実施例1に係る試験装置例を示す説明図で
ある。
【図19】 実施例1及び比較例の温度追従試験結果を
示すグラフ図である。
【図20】 実施例1及び比較例の周囲環境変動試験結
果を示すグラフ図である。
【図21】 実施例2(s=2mm)及び比較例の温度
追従試験結果を示すグラフ図である。
【図22】 実施例2(s=5mm)及び比較例の温度
追従試験結果を示すグラフ図である。
【図23】 実施例2(s=6mm)及び比較例の温度
追従試験結果を示すグラフ図である。
【図24】 実施例2(s=0mm)及び比較例の温度
追従試験結果を示すグラフ図である。
【図25】 従来における温度検知装置の一例を示す説
明図である。
【図26】 従来における温度検知装置の他の例を示す
説明図である。
【図27】 従来における温度検知装置の更に他の例を
示す説明図である。
【図28】 従来における温度検知装置の更に別の例を
示す説明図である。
【符号の説明】
1…被測定体,2…支持部材,2a…弓形面,3…空間
部,4…薄膜,5…感熱素子

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲面状の被測定体(1)に接触して温度
    を検知する温度検知装置において、 弓形面(2a)を有する支持部材(2)と、 この弓形面(2a)の弓形方向の両端に張架された薄膜
    (4)と、 この薄膜(4)の前記弓形面(2a)に対向した箇所に
    設けられた感熱素子(5)とを備えた温度検知装置。
  2. 【請求項2】 曲面状の被測定体(1)に接触して温度
    を検知する温度検知装置において、 弓形面(2a)を有する支持部材(2)と、 この弓形面(2a)の弓形方向の両端に張架された薄膜
    (4)と、 この薄膜(4)の前記弓形面(2a)に対向した箇所に
    設けられた感熱素子(5)とを備え、 前記被測定体(1)に感熱素子(5)領域が含まれる薄
    膜(4)部分のみを接触させ、被測定体(1)と支持部
    材(2)とを非接触配置したことを特徴とする温度検知
    装置の使用方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の温度検知装置において、
    薄膜(4)が弾性体であることを特徴とする温度検知装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の温度検知装置において、
    支持部材(2)の弓形面(2a)が熱反射性であること
    を特徴とする温度検知装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のものにおいて、支持部材
    (2)が板状であって前記弓形面(2a)がこの板状の
    支持部材(2)を屈曲させて形成されていることを特徴
    とする温度検知装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の温度検知装置において、
    感熱素子(5)が支持部材(2)の弓形面(2a)に対
    向する薄膜(4)の略中央に配置されていることを特徴
    とする温度検知装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の温度検知装置において、
    支持部材(2)の弓形面(2a)が滑らかに変化する湾
    曲面形状に形成されていることを特徴とする温度検知装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の温度検知装置において、
    感熱素子(5)の弓形面(2a)側が熱伝導性シートで
    被覆されていることを特徴とする温度検知装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の温度検知装置において、
    感熱素子(5)が薄膜(4)上に熱伝導性シートを介し
    て設けられていることを特徴とする温度検知装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の温度検知装置におい
    て、感熱素子(5)が薄膜(4)上に接着シートを介し
    て設けられていることを特徴とする温度検知装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の温度検知装置におい
    て、感熱素子(5)と当該感熱素子(5)に対向する弓
    形面(2a)との間の空間部(3)の距離を1乃至5m
    mとしたことを特徴とする温度検知装置。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の温度検知装置におい
    て、薄膜(4)が耐熱性であることを特徴とする温度検
    知装置。
  13. 【請求項13】 被測定体(1)としての加熱ロールに
    接触する温度検知装置を有する定着装置であって、 温度検知装置が、 弓形面(2a)を有する支持部材(2)と、 この弓形面(2a)の弓形方向の両端に張架された薄膜
    (4)と、 この薄膜(4)の前記弓形面(2a)に対向した箇所に
    設けられた感熱素子(5)とを備えていることを特徴と
    する定着装置。
JP8265383A 1995-09-14 1996-09-13 温度検知装置及びその使用方法並びにこれを用いた定着装置 Expired - Fee Related JP3042421B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8265383A JP3042421B2 (ja) 1995-09-14 1996-09-13 温度検知装置及びその使用方法並びにこれを用いた定着装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-262450 1995-09-14
JP26245095 1995-09-14
JP8265383A JP3042421B2 (ja) 1995-09-14 1996-09-13 温度検知装置及びその使用方法並びにこれを用いた定着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09138166A true JPH09138166A (ja) 1997-05-27
JP3042421B2 JP3042421B2 (ja) 2000-05-15

Family

ID=26545548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8265383A Expired - Fee Related JP3042421B2 (ja) 1995-09-14 1996-09-13 温度検知装置及びその使用方法並びにこれを用いた定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3042421B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09311079A (ja) * 1996-05-22 1997-12-02 Nec Niigata Ltd 温度センサ
JP2008175703A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Konica Minolta Business Technologies Inc 温度検出装置、定着装置および画像形成装置
JP2010277054A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Shibaura Electronics Co Ltd 定着器用温度センサ
JP5834167B1 (ja) * 2015-02-26 2015-12-16 株式会社芝浦電子 温度センサ
JP2022044167A (ja) * 2020-09-07 2022-03-17 株式会社芝浦電子 温度センサ、および、加熱器

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09311079A (ja) * 1996-05-22 1997-12-02 Nec Niigata Ltd 温度センサ
JP2008175703A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Konica Minolta Business Technologies Inc 温度検出装置、定着装置および画像形成装置
JP2010277054A (ja) * 2009-06-01 2010-12-09 Shibaura Electronics Co Ltd 定着器用温度センサ
JP5834167B1 (ja) * 2015-02-26 2015-12-16 株式会社芝浦電子 温度センサ
WO2016135776A1 (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 株式会社芝浦電子 温度センサ
US10712207B2 (en) 2015-02-26 2020-07-14 Shibaaura Electronics Co., Ltd. Temperature sensor having a sensor body held by a sensor holder
JP2022044167A (ja) * 2020-09-07 2022-03-17 株式会社芝浦電子 温度センサ、および、加熱器

Also Published As

Publication number Publication date
JP3042421B2 (ja) 2000-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5765075A (en) Temperature sensor and method and apparatus for using the temperature sensor and fixing apparatus in combination with a temperature sensor
JPH1172391A (ja) 包装型温度感知アセンブリ
JPH03156331A (ja) 温度センサ
JP2010032631A (ja) 定着装置
US9195189B2 (en) Fixing device
JP4171578B2 (ja) サーモスタット
JPH09138166A (ja) 温度検知装置及びその使用方法並びにこれを用いた定着装置
JP6882079B2 (ja) 定着装置
JP2505571Y2 (ja) 温度検出器
JPH09218102A (ja) 温度検知装置
JPH05223646A (ja) 定着装置の温度検出装置
US20220276595A1 (en) Heating unit
US20220229386A1 (en) Heating unit
US20240085830A1 (en) Fixing device and image processing device
JP3481748B2 (ja) 定着装置
JP2534874Y2 (ja) 非接触形温度検出器
JPH03225235A (ja) 非接触型温度検知装置
JPS5833492B2 (ja) 定着装置
US6529702B2 (en) Cleaning blade arranged with at least one heater and printer arranged with the same
JPH05223644A (ja) 定着装置の温度検出装置
JPH05223645A (ja) 定着装置の温度検出装置
JP2538809Y2 (ja) 温度検出装置
JPH05150686A (ja) 定着装置と定着装置の温度制御方法
JPH07318437A (ja) 加熱ローラの温度検知装置
JPH08114509A (ja) 温度検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees