JPH09137345A - 遮光性編地 - Google Patents

遮光性編地

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JPH09137345A
JPH09137345A JP29263595A JP29263595A JPH09137345A JP H09137345 A JPH09137345 A JP H09137345A JP 29263595 A JP29263595 A JP 29263595A JP 29263595 A JP29263595 A JP 29263595A JP H09137345 A JPH09137345 A JP H09137345A
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JP
Japan
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knitted fabric
light
shielding
synthetic fiber
denier
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Pending
Application number
JP29263595A
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English (en)
Inventor
Chiharu Hirata
千春 平田
Taku Kato
卓 加藤
Ujiteru Niwa
氏輝 丹羽
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】遮光性に優れ、クッション性および通気性が高
く、軽量性を有する。 【解決手段】 表側の表面における、セラミック系粒子
を1〜25重量%分散含有する合成繊維フィラメント
(A)の占有率が20%以上、かつ、該表面の分光反射
率の最高値が、波長域0.76〜2μmにおいて60〜
85%である。芯部の容量比率が75〜95%、かつ、
セラミック系粒子を芯部に1重量%以上、鞘部に1重量
%以下含有し、芯部と鞘部とのセラミック系粒子の含有
率の差が0.3重量%以上ある芯鞘型合成繊維フィラメ
ント(B)を用いて編成してもよい。外側表面には撥水
加工を、肌側表面には吸水加工を施す。多層構造編地と
し、外面層の単繊維繊度を小さく、中間層の単繊維繊度
を外面層に比して大きく形成すると、クッション性およ
び通気性が高まり、屋外スポーツ用シューズに好適であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮光性に優れ、適
度なクッション性と高い通気性とを有する軽量な編地に
関する。本発明に係る編地は、例えば、太陽光にさらさ
れ、激しい発汗を伴うスポーツ用シューズなどに好まし
く利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、着用中の衣料のべたつきや蒸れ感
を改善するために、クッション性と通気性とを有する軽
量な衣料用素材として種々のものが検討されている。そ
の一例として、合成繊維を用いた多層構造の編地が知ら
れており、例えば、実開平63−25004号公報に
は、合成繊維などを用いた表裏の編地間のスペースに合
成繊維フィラメントの渡り糸が介在する、3次元構造の
編地でアッパー材を編成したシューズが開示されてい
る。また、実開平3−3203号公報には、表裏の編地
の継糸にナイロンなどの強力糸を使用した多層構造ニッ
トを、甲被材に用いたシューズが開示されている。さら
に、実公平1−16782号公報には、両地編層が合成
繊維で形成され、肌側地編層に撥水加工を、他方の地編
層に吸水加工を施し、中間層を親水性繊維で形成した衣
料用多層編地が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、スポーツシュー
ズなどの分野においては、太陽光を遮断して足の発汗を
押さえるシューズが要求されることも多くなってきた。
このような観点から前述のシューズや編地について検討
すると、いずれもシューズなどに要求されるある程度の
クッション性を有するが、光の遮断性が不十分であるた
め、太陽光などによるシューズ内の蒸れやべとつきがあ
り、さらに使用によってクッション性が低下しやすいと
いう不都合がある。また、表裏の編地や中間層に紡績糸
や吸湿性の繊維を用いることも、毛羽で通気性が阻害さ
れたり編地が水分を蓄積し、激しい発汗時などに着用感
が悪化する原因となるなどの不都合を生ずる。
【0004】本発明は、外部からの光を十分に遮断し、
適度なクッション性と高い通気性とを安定して保持する
軽量の編地を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、目的とする
多機能性を安定して長時間持続するためには、編地に用
いる繊維の構造を最適に形成すべきことを知り、鋭意研
究した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、前
記の問題を解決するために、酸化アルミニウム、窒化ア
ルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、ムライ
ト、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カ
ルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる1種また
は2種以上のセラミック系粒子(以下、単にセラミック
系粒子という)を、1〜25重量%分散含有する合成繊
維フィラメント(A)(以下、単に合成繊維(A)とい
う)を用いて編成される遮光性編地であって、少なくと
も表側の表面における前記合成繊維フィラメントの占有
率が少なくとも20%、かつ、波長域0.76〜2μm
における該表面の分光反射率の最高値が60〜85%の
範囲である遮光性編地を提供する。
【0006】また、本発明は、芯部の容量比率が75〜
95%の範囲であり、かつ、酸化アルミニウム、窒化ア
ルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、ムライ
ト、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カ
ルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる1種また
は2種以上のセラミック系粒子を、芯部には少なくとも
1重量%、鞘部には1重量%を超えないで含有し、芯部
と鞘部とのセラミック系粒子の含有率の差が少なくとも
0.3重量%である、芯鞘型合成繊維フィラメント
(B)を用いて編成される遮光性編地であって、少なく
とも表側の表面における、芯鞘型合成繊維フィラメント
(B)の占有率が少なくとも20%、かつ、波長域0.
76〜2μmにおける、該表面の分光反射率の最高値が
60〜85%の範囲である遮光性編地を提供する。
【0007】さらに、適度なクッション性と高い通気性
とを付与するために、遮光性編地を表と裏との外面層お
よび中間層からなる多層構造とし、外面層を、主に、単
繊維繊度0.5〜7デニール、総繊度30〜200デニ
ールの合成繊維マルチフィラメントで形成し、かつ、少
なくとも表側の外面層の外側表面における合成繊維
(A)または(B)の占有率を少なくとも20%とし、
中間層を、主に、外面層のマルチフィラメントの単繊維
繊度値に対し3〜30倍の単繊維繊度を有する、単繊維
繊度10〜35デニールの合成繊維モノフィラメントで
形成した遮光性編地を提供する。
【0008】前記の多層構造の遮光性編地は、表側の表
面の分光反射率の最高値が波長域0.76〜2μmにお
いて60〜85%の範囲であると、他面の温度上昇を効
果的に抑制できる。また、表側の表面には撥水加工が、
裏側の表面には吸水加工が施されている遮光性編地は、
べたつき感を効果的に改善できる。撥水加工を施された
表側の表面をフラット構造に、吸水加工を施された裏側
の表面を凹凸構造に形成することにより、さらなる高い
撥水性および吸水性を期待できる。本発明の遮光性編地
は、一部または全部に抗菌加工が施されていると衛生的
で好ましく、発汗量の多いスポーツ用シューズに好適で
ある。
【0009】本発明において、編地の表面における繊維
の占有率とは、拡大写真または繊維の繊度を考慮して描
いた編地の表面の拡大組織図から、特定の繊維が表面に
出ている面積の和の割合を、編地の表面の全表面積に対
して求めた値をいい、下記の式で表される。 占有率(%)=(特定繊維が表面に出ている面積の和)
/(全表面積) 分光反射率は、分光光度計((株)日立製作所製;U−
3400型)を用い、酸化マグネシウム製白板の全波長
の分光反射率を100%に調整した後、各サンプルを評
価して求めた値である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の遮光性編地は、太陽光を
反射して熱の吸収を防ぐために、酸化アルミニウム、窒
化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、ムラ
イト、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸
カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛から選ばれる1種ま
たは2種以上のセラミック系粒子を含有する合成繊維フ
ィラメント(A)または(B)を使用する。
【0011】セラミック系粒子を含有する合成繊維フィ
ラメント(A)としては、セラミック系粒子を1〜25
重量%分散含有する合成繊維が好ましく用いられる。セ
ラミック系粒子の含有率が1重量%に満たないと、光遮
断効果が不十分である。一方、25重量%を超えると、
繊維強度が低くなり実用に適さなくなる傾向があるし、
仮撚工程や製編工程など各種の製造工程での製造部品の
磨耗が激しく、工程通過性が悪くなる。合成繊維として
は、溶融紡糸可能な合成繊維、例えば、ポリアミド、ポ
リエステル、これらの共重合体、混繊糸および複合糸が
好適である。これらの合成繊維は遮光性編地に過度の保
水性を生じさせず、繊度を選択してクッション性を調整
しやすい。綿、麻、毛などの天然繊維やセルロース系繊
維などは水分を蓄積しやすく、紡績糸は目付が大きく毛
羽立ちやすいので、通気性や軽量感を阻害する。セラミ
ック系粒子を繊維に分散含有させる方法は、特に限定さ
れず通常行われる方法を用いることができる。
【0012】また、セラミック系粒子を含有する合成繊
維フィラメント(B)として、セラミック系粒子を芯部
に多く、鞘部に少なく含有する芯鞘型合成繊維を用いて
編成した編地も遮光性に優れ、かつ、加工性が良い。セ
ラミック系粒子の含有量を増せば、遮光性は向上するが
繊維の製造工程などで装置が磨耗する問題がある。この
問題は、芯鞘型繊維を採用し、セラミック系粒子を芯部
に多く、鞘部に少なく含有せしめることにより解決でき
る。具体的には、芯部におけるセラミック系粒子の含有
率は、1〜10重量%とするのが好ましく、より好まし
くは2〜7重量%であり、かつ、芯部の容量比率は75
〜95%にするとよい。含有率が10重量%を超える
と、紡糸時に濾過材が目詰まりしたり、長時間安定して
紡糸することが困難になるなどの不都合も多くなる。ま
た、仮撚工程や製編工程など各種の製造工程での製造部
品の磨耗を考慮すると、鞘部におけるセラミック系粒子
の含有率は、1重量%を超えないことが好ましい。
【0013】さらに、芯部と鞘部とのセラミック系粒子
の含有率の差は、0.3重量%以上、好ましくは1重量
%以上である。芯部と鞘部との形態は特に限定されず、
芯部と鞘部とが実質的に同心円状に配置されているもの
や、芯部が星型や十字型などの横断面形状を呈して中央
に配置されている多芯型のものなどを使用することがで
きる。なお、芯部が極端に偏ったり、芯部が表面に露出
する部分が極端に多くなると、製造部品が磨耗しやすく
なったり、生産安定性が低下するという不都合を招くの
で注意を要する。
【0014】合成繊維(A)および(B)は、使用時に
表面に出ていることが好ましい。合成繊維(A)および
(B)の編地の表面における占有率は、太陽光反射効果
を十分に高め、蒸れ感を効果的に抑制する観点から、2
0%以上が好ましい。編地の表面における占有率が20
%未満では、太陽光反射効果が低下し、温湿度の上昇に
より不快感を感じ易くなる。シューズのアッパー材など
には、厚さ1.2〜4.5mmの範囲の遮光性編地が、
クッション性に優れており、好適である。
【0015】ところで、地上の太陽光は、主に、紫外
線、可視光線および近赤外線から構成され、波長域は大
体0.2〜3μmの範囲に相当する。このうち、波長域
が0.76〜3μmの近赤外線および波長域が0.38
〜0.76μmの可視光線、なかでも近赤外線をカット
すれば、蒸れやべとつきを防止することができると考え
られている。従って、本発明の遮光性編地においては、
表側の表面の分光反射率の最高値が、近赤外線波長域の
0.76〜2μmの領域において60〜85%の範囲に
あることが好ましい。分光反射率を規程する波長域の上
限を2μmまでとした理由は、2μm以上の分光反射率
と2μm以下の分光反射率とは、ほぼ同等の反射率を示
すことが分かっているからである。
【0016】遮光性編地の構成は、編地に適度なクッシ
ョン性と十分な通気性とを付与するために、表と裏との
外面層および中間層からなる多層構造であると好適であ
る。この場合、表側の外面層の外側表面における合成繊
維(A)または(B)の占有率が前記と同様20%以上
であると、高い遮光性を期待できる。
【0017】また、外面層に単繊維繊度0.5〜7デニ
ール、総繊度30〜200デニールのマルチフィラメン
トを用いれば、表面の風合が柔らかくなり表面加工しや
すくなる。マルチフィラメントの単繊維繊度が、0.5
デニールに満たないと単繊維切れを起こし、7デニール
を超えると風合が粗硬になる傾向がある。総繊度が、3
0デニールに満たないとカバーファクターが低下して遮
光性編地の強力の低下を招き、200デニールを超える
と目付が大きくなり過ぎて通気性および軽量性が損なわ
れることが多くなる。中間層に、単繊維繊度が10〜3
5デニール、好ましくは20〜25デニールのモノフィ
ラメントを用いることによって、適度なクッション性と
柔軟性とを遮光性編地に付与することができる。さら
に、同様の理由から、中間層のモノフィラメントの単繊
維繊度は、外面層のマルチフィラメントに対して3〜3
0倍、好ましくは5〜15倍にすることが好ましい。
【0018】本発明の遮光性編地は、遮光性を持たせる
表側の表面に撥水加工を、肌側に用いる裏側の表面に吸
水加工を施すことにより、外部からの水の侵入を防止で
き、裏側に水分が溜まりにくく、さらにべたつき感を改
善することができる。撥水加工は、フッ素樹脂、シリコ
ン系樹脂、ワックス系樹脂などの撥水性樹脂を、プリン
ト法やスプレー法など編地の片面に選択的に塗布出来る
加工方法により行うことができる。片面撥水加工した編
地に、ポリエチレングリコールやその誘導体など吸水剤
を用いて吸水加工を行い、他面に吸水性を与えることが
できる。撥水加工や吸水加工に用いる加工剤の種類や濃
度は、要求される撥水・吸水性能により決定すればよ
い。撥水性は、JIS L 1092(スプレー法)に
より測定し、好ましくは原布で90点以上、洗濯5回後
で70点以上、さらに80点以上で裏抜けしないことが
好ましい。吸水性は、JIS L 1096(滴下法)
により測定し、原布で10秒以下、洗濯5回後で30秒
以下が好ましく、さらに好ましくは、原布で5秒以下、
洗濯5回後で10秒以下である。また、必要に応じ、両
表面のそれぞれに、防汚加工、帯電防止加工など異質の
加工を施してもよい。
【0019】また、撥水加工を施す表側の表面をフラッ
ト構造に、吸水加工を施す裏側の表面を凹凸構造に形成
すれば、撥水剤が編地の内部に浸透し過ぎず、接触面積
の小さい凹凸構造の表面ではさらりとした感触を得るこ
とができる。フラット構造は、例えば平編で形成し、凹
凸構造は、例えば、メッシュ編、針抜き組織、タック編
で形成することができる。
【0020】さらに、本発明の遮光性編地の一部または
全部に抗菌加工を施しておけば、シューズなど高温多湿
になりがちな用途に衛生的に用いることができる。抗菌
加工は、通常の抗菌剤を用いて行えば良い。抗菌性は、
菌数測定法(SEK規格)により測定し、増減値差が
1.6以上が好ましい。本発明の遮光性編地を、一部、
例えばアッパー材に用いたシューズは、蒸れにくく、さ
わやかで快適なはき心地を有する。本発明に係る遮光性
編地は、例えばダブルラッシェル編機、ダブルトリコッ
ト編機、丸編機などを用いて編成することができる。編
成後、リラックス、精練加工、撥水加工、吸水加工、抗
菌加工などの後加工を行って製造することができる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明に係る遮光性編地を、さらに
具体的に説明する。まず、実施例および比較例におい
て、フラット構造の面を表面、メッシュ構造の面を裏面
とした各種物性の測定方法を下記に示す。 (1)近赤外線波長領域の最高反射率 近赤外線波長域の0.76〜2μmの領域における分光
反射率の最高値を測定した。 (2)照射30分後の布帛裏面温度 編地を35℃、65%RHの人工気象室内に置き、日射
量540kcal/m 2 hrの照射を与え、照射30分
後の編地裏面の温度を測定した。 (3)撥水性;JIS L−1092(スプレー法)で
測定した。 (4)吸水性;JIS L−1091(摘下法)で測定
した。 (5)抗菌性;菌数測定法(SEK規格)により測定し
た。
【0022】以下において、部は重量部を、%は重量%
を示す。 実施例1 ダブルラッセル 22G編機を用い、図1に示す編組織
に従い、一方の表面をフラット構造、他方の表面をメッ
シュ調構造とする3層構造編地を、22ウェール/イン
チ,48コース/インチで編成した。両外面層には、芯
部の容量比率が85%、酸化チタンを芯部に6%、鞘部
に0.5%含有する芯鞘型複合繊維からなる、総繊度7
5デニール、36フィラメントのポリエステルマルチフ
ィラメント、中間層には、酸化チタンを0.5%分散含
有する単繊維繊度30デニールのポリエステルモノフィ
ラメントを用いた。得られた生機を、通常用いられる方
法によりリラックス、精練加工を行った後、分散蛍光染
料により白に染色し、仕上編地を得た。仕上編地の構成
を表1に、仕上編地について各種物性を評価した結果を
表2に示す。得られた編地は、太陽光反射率が高く、酸
化チタンを含有しない比較例4の編地に比して照射30
分後の編地裏面温度が低く、蒸れ感が抑制された遮光性
編地であった。
【0023】実施例2 メッシュ面に、芯鞘型ポリエステルマルチフィラメント
に代えて、酸化チタンを0.5%分散含有する総繊度7
5デニール、36フィラメントのポリエステルマルチフ
ィラメントを用いたほかは、実施例1と同様にして編成
を行った。得られた生機に、通常用いられる方法により
リラックス、精練加工を行った後、分散蛍光染料により
白に染色し、仕上編地を得た。仕上編地の構成を表1
に、仕上編地について各種物性を評価した結果を表2に
示す。仕上編地は、太陽光反射率が高く、酸化チタンを
含有しない比較例4の編地に比して照射30分後の布帛
裏面温度が低く、べとつき感のない遮光性編地であっ
た。
【0024】実施例3 実施例1と同様にして得られた編地に、さらに、フラッ
ト面に撥水剤としてアサヒガードAG710(旭硝子
(株)製:20g/リットル)を用い、キュアリング条
件170℃×1分で、片面塗布による撥水加工を施し
た。その後、吸水剤としてSR1000(高松油脂
(株)製)の5%owf溶液を用い、180℃で40秒
間乾燥しセットして吸水加工を行い、仕上編地を得た。
仕上編地の構成を表1に、仕上編地について各種物性を
評価した結果を表2に示す。仕上編地は、表面の撥水性
と裏面の吸水性に優れ、べとつき感が一層改善された遮
光性編地であった。
【0025】実施例4 実施例3と同様にして得られた編地に、さらに、抗菌剤
としてSANT N20(帝国化学産業(株)製;1.
00部)、スミテックスレジンM−3(住友化学工業
(株)製;1.025部)、スミテックスアクセレレー
ターACX(住友化学工業(株)製;0.0025部)
および水を合計が100部になるように加えて調整した
加工液を用い、キュアリングを180℃で1分間行って
抗菌防臭加工を施し、仕上編地を得た。仕上編地の構成
を表1に、仕上編地について各種物性を評価した結果を
表2に示す。仕上編地は、さらに高い抗菌防臭性を有す
る衛生的な遮光性編地であった。
【0026】比較例1 両外面層に、酸化チタンを0.5%分散含有する、総繊
度75デニール、36フィラメントのポリエステルマル
チフィラメントを用いたほかは実施例1と同様にして3
層構造編地を編成した。得られた編地に、通常用いられ
る方法により、リラックス、精練を行い、分散蛍光染料
で白に染色し、仕上編地を得た。仕上編地の構成を表1
に、仕上編地について各種物性を評価した結果を表2に
示す。仕上編地は、実施例に比して太陽光の反射率が低
く、照射後30分の編地裏面の温度も高く、べたつき感
のある編地であった。
【0027】比較例2 フラット面にのみ、酸化チタンを0.5%分散含有す
る、総繊度75デニール、36フィラメントのポリエス
テルマルチフィラメントを用いたほかは実施例1と同様
にして3層構造編地を編成した。得られた編地に、通常
用いられる方法により、リラックス、精練を行い、分散
蛍光染料で白に染色し、仕上編地を得た。仕上編地の構
成を表1に、仕上編地について各種物性を評価した結果
を表2に示す。仕上編地は、実施例に比して太陽光の反
射率が低く、照射後30分の編地裏面の温度も高く、太
陽光防止効果が不十分であった。
【0028】比較例3 フラット面に、酸化チタンを0.5%分散含有する、総
繊度75デニール、36フィラメントのポリエステルマ
ルチフィラメント、メッシュ面に、芯部の容量比率が8
5%、酸化チタンを芯部に3%、鞘部に0.5%含有す
る芯鞘型繊維からなる、総繊度75デニール、36フィ
ラメントのポリエステルマルチフィラメントを用いたほ
かは、実施例1と同様にして編成を行った。得られた編
地に、通常用いられる方法により、リラックス、精練を
行い、分散蛍光染料で白に染色し、仕上編地を得た。仕
上編地の構成を表1に、仕上編地について各種物性を評
価した結果を表2に示す。得られた編地は、実施例に比
して太陽光の反射率が低く、照射後30分の編地裏面の
温度も高く、蒸れ感のある編地であった。
【0029】比較例4 両外面層に、酸化チタンを含有しない総繊度75デニー
ル、36フィラメントのポリエステルマルチフィラメン
トを用いたほかは、実施例1と同様にして編成を行っ
た。得られた生機に、通常用いられる方法により、リラ
ックス、精練を行い、分散蛍光染料で白に染色し、仕上
編地を得た。仕上編地の構成を表1に、仕上編地につい
て各種物性を評価した結果を表2に示す。得られた編地
は、酸化チタンを含有しないため、実施例および比較例
1〜3に比して太陽光の反射率が低く、照射後30分の
編地裏面の温度も高い編地であった。
【0030】
【表1】 糸 使 い 外面層に 表外面層(フラット面) 中 間 層 裏外面層(メッシュ面) 対する 酸化チタン 酸化チタ 酸化チタン 中間層の 芯/鞘(%) ン(%) 芯/鞘(%) 単糸繊度 実施例 1 75D-36F 6.0/0.5 30D- 1F 0.5 75D-36F 6.0/0.5 14.4 2 75D-36F 6.0/0.5 30D- 1F 0.5 75D-36F 6.0/0.5 14.4 3 75D-36F 6.0/0.5 30D- 1F 0.5 75D-36F 6.0/0.5 14.4 4 75D-36F 6.0/0.5 30D- 1F 0.5 75D-36F 6.0/0.5 14.4 比較例 1 75D-36F 0.5 30D- 1F 0.5 75D-36F 0.5 14.4 2 75D-36F 0.5 30D- 1F 0.5 75D-36F 6.0/0.5 14.4 3 75D-36F 0.5 30D- 1F 0.5 75D-36F 3.0/0.5 14.4 4 75D-36F 0 30D- 1F 0.5 75D-36F 0 14.4
【0031】
【表2】 近赤外線 照射30分 比較例4の 撥水性 吸水性 抗菌性 領域の 後の編地 編地裏面との 最高反射率 裏面温度 対比温度差 (%) (℃) (℃) (点) (秒) 実施例 1 80 48.4 -3.6 50 180 以上 −− 2 76 49.0 -3.0 50 180 以上 −− 3 80 48.5 -3.5 90 6.0 −− 4 80 48.6 -3.4 90 7.5 3.5 比較例 1 53 51.5 -0.5 50 180 以上 −− 2 58 51.0 -1.0 50 180 以上 −− 3 56 51.3 -0.7 50 180 以上 −− 4 48 52.0 -0 50 180 以上 −−
【0032】
【発明の効果】本発明の遮光性編地は、セラミック系粒
子を含有する合成繊維フィラメントを効率良く編地表面
や繊維中に用いているのでセラミック系粒子を増量して
太陽光を十分に遮断し、蒸れやべたつきを抑制できる。
遮光性編地を多層構造とし、その外面層と中間層とのそ
れぞれの構造を最適に形成すれば、さらに適度なクッシ
ョン性と高い通気性とを付与でき、しかも軽量である。
表側の表面には撥水加工を、裏側の表面には吸水加工を
施しているので、好天時も雨天時もむれやべたつきがな
い。爽やかでほどよいフィット感を維持でき、動きの激
しいスポーツ用シューズなどに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 片面平編、他面メッシュ状編地の3層構造の
遮光性編地の組織図。
【符号の説明】
L1 ,L2 ;メッシュ状編地を構成する糸条 L3 ,L4 ;連結糸条 L5 ,L6 ;平編を構成する
糸条
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 23/08 D06M 23/08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸
    化ケイ素、酸化ジルコニウム、ムライト、タルク、炭酸
    カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、酸化チ
    タン、酸化亜鉛から選ばれる1種または2種以上のセラ
    ミック系粒子を、1〜25重量%分散含有する合成繊維
    フィラメント(A)を用いて編成される遮光性編地であ
    って、 少なくとも表側の表面における、合成繊維フィラメント
    (A)の占有率が少なくとも20%、かつ、波長域0.
    76〜2μmにおける、該表面の分光反射率の最高値が
    60〜85%の範囲である、ことを特徴とする遮光性編
    地。
  2. 【請求項2】芯部の容量比率が75〜95%の範囲であ
    り、かつ、 酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ケイ素、酸
    化ジルコニウム、ムライト、タルク、炭酸カルシウム、
    硫酸バリウム、リン酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜
    鉛から選ばれる1種または2種以上のセラミック系粒子
    を、芯部には少なくとも1重量%、鞘部には1重量%を
    超えないで含有し、芯部と鞘部とのセラミック系粒子の
    含有率の差が少なくとも0.3重量%である、芯鞘型合
    成繊維フィラメント(B)を用いて編成される遮光性編
    地であって、 少なくとも表側の表面における、芯鞘型合成繊維フィラ
    メント(B)の占有率が少なくとも20%、かつ、波長
    域0.76〜2μmにおける、該表面の分光反射率の最
    高値が60〜85%の範囲である、ことを特徴とする遮
    光性編地。
  3. 【請求項3】表と裏との外面層および中間層からなる多
    層構造の遮光性編地であって、 外面層は、主に、単繊維繊度0.5〜7デニール、総繊
    度30〜200デニールの合成繊維マルチフィラメント
    で形成され、かつ、 少なくとも表側の外面層の外側表面における、請求項1
    に記載の合成繊維フィラメント(A)の占有率が、少な
    くとも20%であり、 中間層は、主に、外面層のマルチフィラメントの単繊維
    繊度値に対し3〜30倍の単繊維繊度を有する、単繊維
    繊度10〜35デニールの合成繊維モノフィラメントで
    形成されている、ことを特徴とする遮光性編地。
  4. 【請求項4】表と裏との外面層および中間層からなる多
    層構造の遮光性編地であって、 外面層は、主に、単繊維繊度0.5〜7デニール、総繊
    度30〜200デニールの合成繊維マルチフィラメント
    で形成され、かつ、 少なくとも表側の外面層の外側表面における、請求項2
    に記載の芯鞘型合成繊維フィラメント(B)の占有率
    が、少なくとも20%であり、 中間層は、主に、外面層のマルチフィラメントの単繊維
    繊度値に対し3〜30倍の単繊維繊度を有する、単繊維
    繊度10〜35デニールの合成繊維モノフィラメントで
    形成されている、ことを特徴とする遮光性編地。
  5. 【請求項5】表側の表面の分光反射率の最高値が、波長
    域0.76〜2μmにおいて、60〜85%の範囲であ
    ることを特徴とする、請求項3または4のいずれかに記
    載の遮光性編地。
  6. 【請求項6】表側の表面には撥水加工が、裏側の表面に
    は吸水加工が施されていることを特徴とする、請求項1
    〜5のいずれかに記載の遮光性編地。
  7. 【請求項7】撥水加工を施された表側の表面がフラット
    構造に、吸水加工を施された裏側の表面が凹凸構造に形
    成されていることを特徴とする、請求項6に記載の遮光
    性編地。
  8. 【請求項8】編地の一部または全部に抗菌加工が施され
    ていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記
    載の遮光性編地。
  9. 【請求項9】請求項1,3〜8のいずれかに記載の遮光
    性編地を、表側の表面を外側にしてアッパー材に用いた
    ことを特徴とするシューズ。
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