JPH09137274A - ラジカル制御による薄膜形成および微細加工方法と装置 - Google Patents

ラジカル制御による薄膜形成および微細加工方法と装置

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JPH09137274A
JPH09137274A JP8241017A JP24101796A JPH09137274A JP H09137274 A JPH09137274 A JP H09137274A JP 8241017 A JP8241017 A JP 8241017A JP 24101796 A JP24101796 A JP 24101796A JP H09137274 A JPH09137274 A JP H09137274A
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radicals
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Mineo Hiramatsu
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来得ることが不可能であった機能性材料や
高品質薄膜材料の形成、あるいは微細加工特性の大幅な
向上を実現させる。 【構成】 真空容器101内に導入された反応性ガスか
らなる第1の物質のプラズマ109を形成するととも
に、反応性ガス、固体材料および液体材料のいずれか1
種よりなる第2の物質を前記プラズマの外部において分
解させて密度および/または組成が制御されたラジカル
116を発生させ、該発生したラジカルを前記プラズマ
中に注入することにより、該プラズマ中に配置された被
処理基体107上に薄膜を形成し、あるいは被処理基体
を微細加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマ中に特定のラ
ジカルを注入すること(ラジカル制御)により機能性材
料薄膜の形成および材料の微細加工を行う方法、ならび
にそれら方法において使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマを用いた機能性材料薄膜の形成
および材料の微細加工プロセスは、LSIをはじめとす
る薄膜電子デバイスの製造、新素材の創製および集積回
路の微細加工などに必要不可欠の技術である。これらの
薄膜の形成および材料の微細加工プロセスでは、プラズ
マ中に適当な反応性ガスを導入し、ガスの分解あるいは
励起により生成されるイオンやラジカルと被処理基体と
の反応により所望薄膜の形成あるいは微細加工が行われ
る。ここでラジカルは、これらのプロセスの実現におい
て極めて重要な役割を果たしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、プラズ
マを用いた機能性材料薄膜の形成、新素材の創製および
LSIなどの微細加工プロセスにおいて、ラジカルは極
めて重要な役割を果たしているが、ラジカルの密度や組
成は、従来用いるガスの種類と圧力、印加電力、プロセ
ス容器の大きさ、材質などの外部パラメーターで決定さ
れている。また、ラジカルは電気的に中性であるため、
その制御はきわめて困難である。
【0004】従って、このような外部パラメーターの変
化では、機能性材料薄膜の形成、新素材の創製および材
料の微細加工プロセスにおいて重要な役割を果たす特定
のラジカルのみの密度をプラズマ中で飛躍的に向上させ
たり、所望のラジカルの密度や組成を高精度に制御する
ことは不可能であり、従って、所望の機能性材料薄膜の
形成、新素材の創製および材料の微細加工の飛躍的向上
を期待することは困難であった。
【0005】さらに、機能性材料薄膜の形成、新素材の
創製および材料の微細加工プロセスにおいては、複数の
ガスを使用し、これらのガスの分解により、ラジカルが
生成される。ラジカルは、各ガスから生じるラジカルの
生成断面積がエネルギー依存性を有しているため、用い
るプラズマのエネルギー範囲内で、複数のガスの分解に
より所望のラジカルの密度、組成を得ることは、不可能
であった。
【0006】本発明の目的は、従来得ることが不可能で
あった機能性材料や高品質薄膜材料を形成するラジカル
制御による薄膜形成方法、あるいは微細加工特性の大幅
な向上を実現可能にするラジカル制御による微細加工方
法、およびそれら方法において使用する装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明ラジカル制御による薄膜形成方法は、真空容
器内に導入された反応性ガスである第1の物質のプラズ
マを形成するとともに、反応性ガス、固体材料および液
体材料のいずれか1種またはそれらの組み合わせである
第2の物質を前記プラズマの外部において分解させて密
度および/または組成が制御されたラジカルを発生さ
せ、該発生したラジカルを前記プラズマ中に注入するこ
とにより、該プラズマ中に配置された被処理基体上に薄
膜を形成するようにしたことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
方法は、前記第1の物質が少なくとも炭素を含む反応性
ガスで、前記第2の物質は、少なくとも水素(H2 )と
水(H2 O)を含有し、前記水素(H2 )に対する前記
水(H2 O)の割合が0.5以上である混合ガスで、前
記被処理基体上に形成される薄膜がダイヤモンドの薄膜
であることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
方法は、前記水素(H2 )または前記水(H2 O)の含
有に代えて、フッ素を含有するガス、塩素を含有するガ
ス、過酸化水素(H2 2 )ガスおよびオゾン(O3
ガスよりなる群から選択されたガスを含有するようにし
たことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
方法は、前記第1の物質がシラン(SiH4 )またはジ
シラン(Si2 6 )で、前記第2の物質は水素
(H2 )、塩素(Cl2 )、フッ素(F2 )および塩素
またはフッ素を含有するガスよりなる群から選択された
ガスで、前記被処理基体上に形成される薄膜が非晶質シ
リコン膜、微結晶シリコン膜および多結晶シリコン膜の
いずれか1種であることを特徴とするものである。
【0011】また、本発明ラジカル制御による微細加工
方法は、真空容器内に導入された反応性ガスである第1
の物質のプラズマを形成するとともに、反応性ガス、固
体材料および液体材料のいずれか1種またはそれらの組
み合わせである第2の物質を前記プラズマの外部におい
て分解させて密度および/または組成が制御されたラジ
カルを発生させ、該発生したラジカルを前記プラズマ中
に注入することにより、該プラズマ中に配置された被処
理基体を微細加工するようにしたことを特徴とするもの
である。
【0012】また、本発明ラジカル制御による微細加工
方法は、前記第1および第2の物質が、フルオロカーボ
ンガス、少なくとも塩素またはフッ素を含むハロゲンガ
ス、または少なくとも水素原子を含むガスであり、前記
第2の物質を分解することにより発生させたラジカル
は、水素、炭素、塩素、フッ素、臭素、珪素、酸素およ
び窒素のうち少なくともいずれか1つを含んでなるラジ
カルであることを特徴とするものである。
【0013】また、本発明ラジカル制御による微細加工
方法は、前記第1の物質のプラズマが、該物質にマイク
ロ波、UHF波、VHF波、RF波および直流のいずれ
かを印加しまたは電子線の照射を行うことにより形成さ
れたものであることを特徴とするものである。上記にお
いては、周知のように、マイクロ波は1GHz程度以上
の、UHF波は300〜3000MHz(1000MH
z=1Gz)の、VHF波は30〜300MHzの、R
F波は3〜30MHzの高周波をそれぞれ指すものとす
る。
【0014】また、本発明ラジカル制御による微細加工
方法または微細加工方法は、前記第2の物質がプラズ
マ、光照射、熱、電子照射、触媒および粒子衝突のいず
れかの作用により分解され、ラジカルを発生するように
したことを特徴とするものである。
【0015】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
方法または微細加工方法は、前記第2の物質がプラズマ
により分解されるとき、該プラズマは前記第2の物質に
マイクロ波、UHF波、VHF波、RF波および直流の
いずれかを印加しまたは電子線の照射を行うことにより
形成されたものであることを特徴とするものである。
【0016】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
装置または微細加工装置は、プラズマ放電機構を含んで
なる真空容器と、該真空容器に接続された真空排気装置
と、前記真空容器に接続され、プラズマ発生機構、光照
射機構、加熱機構、電子照射機構、触媒機構および粒子
衝突機構のいずれかからなるラジカル発生機構を含んで
密度および/または組成が制御されたラジカルを発生す
るラジカル発生室とを少なくとも具え、前記ラジカル発
生室において、該室に供給された反応性ガス、固体材料
および液体材料のいずれか1種またはそれらの組み合わ
せである原料物質を前記ラジカル発生機構により分解
し、該原料物質の分解によって生じる密度および/また
は組成の制御が行われたラジカルを前記真空容器に輸送
し、前記プラズマ放電機構で発生させたプラズマ中に注
入し得るように構成されていることを特徴とするもので
ある。
【0017】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
装置または微細加工装置は、前記プラズマ放電機構に
は、マイクロ波、UHF波、VHF波、RF波、直流お
よび電子線のいずれかの発生電源が接続されていること
を特徴とするものである。
【0018】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
装置または微細加工装置は、前記ラジカル発生機構を構
成するプラズマ発生機構が、マイクロ波、UHF波、V
HF波、RF波および直流のいずれかの印加または電子
線の照射によってプラズマを発生するように構成されて
いることを特徴とするものである。
【0019】
【実施例】以下に添付図面を参照し、第1から第4まで
の具体例により本発明を詳細に説明する。 1.第1の具体例 図1は、本発明ラジカル制御による薄膜形成方法の第1
の具体例に使用する本発明ラジカル制御による薄膜形成
装置の一例を示し、特にダイヤモンド薄膜を形成するた
めのプラズマCVD装置として構成している。
【0020】図1において、101は真空容器、102
は高周波電源、103はマッチング機構、104は上部
電極、105は下部電極、106はヒーター、107は
被処理基体、108は真空排気装置に通じる排気口、1
09はプラズマ、110はガス導入口、111はバイア
ス電源をそれぞれ示している。また、同図において、プ
ラズマ109中にラジカルを注入する機構として、11
2はラジカル発生管、113はガス導入口、114はラ
ジカル発生機構、115はプラズマ、116はラジカ
ル、117はラジカルスリットをそれぞれ示している。
【0021】以下においては、本発明の第1の具体例と
して示される薄膜形成装置を使用し、被処理基体107
上にダイヤモンドの薄膜が形成されるに至るまでの経
緯、膜の形成機構(形成されるメカニズム)などについ
てまず説明し、その後で詳細な実験結果および実験デー
タ等について述べる。これは、以下に説明する第2乃至
第4までの具体例についても同じ説明方式で行う。
【0022】本発明者らは、上記装置(図1)の被処理
基体(Si基板)107上にダイヤモンド薄膜を堆積さ
せるために種々の実験を重ねた結果、次に示すような事
実を発見した。図1に示すような上部電極104および
下部電極105からなる平行平板電極を有する真空容器
内にメタン(CH4 )ガス、水素(H2 )ガス、および
水(H2 O)の混合気体をガス導入口110から導入
し、平行平板電極に高周波(RF波)を印加してプラズ
マを形成させた後、混合気体のガスの割合を種々に変化
させるとともに、圧力、高周波電力を変化させながら、
基板温度600℃のSi基板上に薄膜の形成を行った。
このとき、基板には、+数十Vの電圧を印加した。種々
の条件下で形成された薄膜を評価したところ、炭素水素
を含有する薄膜が形成されたが、ダイヤモンド薄膜は堆
積されなかった。
【0023】そこで、ガス導入口110からメタン(C
4 )を導入し、ラジカル発生管112におけるガス導
入口113から水素(H2 )を導入し、ラジカル発生機
構114により、水素(H2 )を分解して得られたHラ
ジカルを平行平板電極間に形成されるプラズマ中に導入
したところ、粒径約2000A程度のダイヤモンド膜の
核成長が観察された。しかし、圧力、高周波電力、メタ
ン(CH4 )と水素(H2 )ガス比を種々に変化させた
ところ、形成されるダイヤモンドの核の大きさは、変化
するものの完全なダイヤモンド膜の形成には、至らなか
った。
【0024】次に、ラジカル発生管112におけるガス
導入口113から水素(H2 )に加え水(H2 O)を添
加したところ、形成された薄膜の非ダイヤモンド成分が
徐々に減少し、水素(H2 )に対する水(H2 O)の比
が0.5以上では、非ダイヤモンド成分が大幅になくな
り、ダイヤモンド膜が形成されることが判明した。
【0025】このように、従来からの平行平板電極に高
周波(RF波)を印加して得られる電子密度1010/c
3 以下のプラズマにおいては、ダイヤモンド膜の形成
は不可能であったが、ダイヤモンド膜の形成に有効なラ
ジカルを選択的に導入することにより、はじめて、上記
装置において、ダイヤモンド膜の形成が可能となった。
【0026】このダイヤモンド膜の形成機構を調べるた
めに、気相中のラジカルを発光分光法およびレーザー分
光法を用いて調べたところ、H,OH,CH3 ラジカル
が検出された。さらに、あらかじめ、ダイヤモンド膜と
非ダイヤモンド膜を生成させ、メタン(CH4 )ガスを
ガス導入口110から導入しないで、水素(H2 )に対
する水(H2 O)の比を変化させて、平行平板電極にプ
ラズマを形成させて、上述と同一条件下で、ダイヤモン
ド膜と非ダイヤモンド膜のエッチング特性を調べたとこ
ろ、水素(H2 )に対する水(H2 O)の比が0.5以
上でダイヤモンドに対する非ダイヤモンド成分のエッチ
ング選択比が向上することが判明した。すなわち、Hあ
るいはOHラジカルがダイヤモンド膜の成長を促進する
とともに、非ダイヤモンドの成分を効率良く除去する作
用により、ダイヤモンド膜が形成されることを見出し
た。
【0027】これらの知見を基に、メタン(CH4 )あ
るいはメチルアルコール(CH3 OH)ガスを導入した
平行平板電極に形成されたプラズマ中に、水素(H2
に対し六フッ化オクタン(C2 6 )、四フッ化メタン
(CF4 )などのフルオロカーボンガスあるいは酸素
(O2 )、一酸化炭素(CO)、過酸化水素(H
2 2)、アルコール類、フッ素(F2 )、フッ化水素
(HF)、塩素(Cl2 )、塩化水素(HCl)、三フ
ッ化窒素(NF3 )などのガスを添加し、これらの混合
比を適当に選び、プラズマ、熱、光、電子、触媒作用、
粒子衝突により分解することにより、F、CF、C
2 、CF3 、Cl、OH、Oラジカルを注入したとこ
ろ、ダイヤモンド膜の形成が実現された。
【0028】以上により、プラズマ109中で生成され
たCH3 ラジカルと注入されたHラジカルまたはOHラ
ジカルにより、被処理基体107には高品質のダイヤモ
ンドの形成が可能となり、ラジカル注入法によるプラズ
マ中のラジカル制御が機能性材料薄膜の製造に極めて有
効であることが確認された。
【0029】次に、この第1の具体例として示されたダ
イヤモンド膜形成の詳細な実験結果について実験データ
をもとに説明する。まず、図1に示す真空容器101に
おける下部電極(試料台)105にシリコン(Si)基
板、面方位(100)の被処理基体107を載置し、下
部電極105に具備されているヒーター106により、
被処理基体107および下部電極105を加熱し、60
0℃に保持した。次に、ガス導入口110よりメチルア
ルコール(CH3 OH)ガスを流量12sccmで導入
し、圧力0.7Pa一定とした。この際、下部電極10
5および被処理基体107には、バイアス電源111よ
り、バイアス電圧として+5Vを印加した。真空容器1
01に接続され、石英管よりなるラジカル発生管112
に水素(H2 )と水(H2 O)の混合比を変化させ、こ
の混合ガスをガス導入口113から導入した。混合ガス
の流量は、240sccmである。また、混合ガスの全
圧力は、13Paで、一定とした。これにより、真空容
器の圧力は、約13.7Pa一定となる。
【0030】次に、ラジカル発生機構114に、周波数
2.45GHzのマイクロ波を電力100Wで印加して
プラズマを形成し、水素(H2 )および水(H2 O)の
混合ガスの分解を行った。ラジカル発生管112の先端
には、スリット117が設けられているため、ガス導入
口110から導入されたメチルアルコール(CH3
H)ガスは、マイクロ波で励起されたプラズマ領域まで
は、ほとんど拡散しない。
【0031】マイクロ波によるプラズマ形成後、すぐ
に、真空容器101に設置された上部電極104と下部
電極105との間に高周波電源102より周波数13.
56MHzのRF波を、電力150W(電力密度2.6
W/cm2 )で印加して、メチルアルコール(CH3
H)のプラズマを形成した。これにより、真空容器10
1において、上部電極104および下部電極105間に
形成されるメチルアルコール(CH3 OH)のプラズマ
中に水(H2 O)と水素(H2 )のマイクロ波励起によ
り分解され発生したラジカル、即ちHあるいはOHラジ
カルが注入されることになる。このラジカル注入によ
り、Si基板の被処理基体107にダイヤモンド膜が形
成されることが確認された。
【0032】ここで、水素(H2 )と水(H2 O)の混
合比を変化させて、成膜時間3時間を経た後の被処理基
体107上に形成された薄膜の評価をSEMおよびラマ
ン分光法を用いて行い、図2に堆積速度の水(H2 O)
の分圧依存性、図3にSEMによる堆積膜の表面形態の
水(H2 O)の分圧依存性、図4に堆積した薄膜のダイ
ヤモンド成分と非ダイヤモンド成分との合計に対するダ
イヤモンド成分の割合(膜質)をラマンにて計測した結
果をそれぞれ示す。
【0033】まず、図2から、水(H2 O)と水素(H
2 )の混合ガスにおいて、水(H2O)の分圧の増加と
ともに、堆積速度は全体としては減少するが、水(H2
O)の分圧が0.25以上より堆積速度が増加し、その
後、分圧0.5において再び堆積速度が減少することが
判明した。また、図3においては、水素(H2 )に対す
る水(H2 O)の割合が低い場合は、ダイヤモンドの核
は成長するもののダイヤモンドとともに非ダイヤモンド
の成分も観測される。しかし、水(H2 O)の割合が
0.5以上になると、急激にダイヤモンド成分が増加
し、膜全体にわたり、ダイヤモンドが形成されることが
判明した。
【0034】次に、図4においては、水素(H2 )に対
する水(H2 O)の割合が小さい場合は、1333cm
-1にダイヤモンドに起因するスペクトルとともに150
0cm-1付近に非ダイヤモンドの成分に起因するスペク
トルが観測された。同図より、水素(H2 )に対する水
(H2 O)の割合が増加するにつれ、非ダイヤモンドに
起因するスペクトルの強度が減少し、水素(H2 )に対
する水(H2 O)の割合が0.5以上になると、急激に
非ダイヤモンド成分が減少し、膜全体にわたり、ダイヤ
モンドが形成されることが確認された。
【0035】そこで、このダイヤモンド膜の形成機構を
解明するために、あらかじめ形成したダイヤモンド膜と
非ダイヤモンド膜を、メチルアルコール(CH3 OH)
を供給することなく、前述の膜形成条件下で水素
(H2 )に対する水(H2 O)の割合を変化させてプラ
ズマに晒したところ、両者の膜がエッチングされること
が分かった。
【0036】これに関連した実験データとして、図5
に、水の割合を変化させて形成したダイヤモンド膜と非
ダイヤモンド膜のエッチング速度の水(H2 O)の分圧
依存性を示す。なお、図示のパラメータ(H2 O/
2 )は膜形成時の水(H2 O)の割合を示している。
同図から、水(H2 O)の分圧の増加とともに非ダイヤ
モンド成分のエッチング速度は増加するが、水素
(H2 )に対する水(H2 O)の割合を0.5以上とし
て形成したダイヤモンド膜のエッチング速度は、水(H
2 O)の分圧の増加に対しほとんど増加しないことが判
明した。このことから、水素(H2 )に対する水(H2
O)の割合が0.5以上では、非ダイヤモンド成分を効
率良く除去するラジカルがプラズマ中に注入されている
ことが分かる。
【0037】また、発光分光法を用いて、薄膜形成中の
ラジカルの発光強度の水(H2 O)の分圧依存性を調べ
た。この結果を図6に示す。水(H2 O)の分圧の増加
とともに発光強度Hαは増加し、水素(H2 )に対する
水(H2 O)の割合がほぼ0.5でピークに達し、その
後、ゆるやかに減少する。また、水(H2 O)の分圧の
増加とともにOHラジカルは急激に増加することが観測
された。
【0038】以上の実験結果から、水(H2 O)と水素
(H2 )の混合ガスをマイクロ波によるプラズマなどに
より分解し、発生するHあるいはOHラジカルをプラズ
マ中へ注入することにより、高品質のダイヤモンド膜の
成膜が可能となることが判明した。
【0039】なお、上記実験において、ガス導入口11
0からメチルアルコール(CH3 OH)ガスのかわりに
メタン(CH4 )ガスを導入し、圧力、高周波電力、バ
イアスを種々に変化させたところ、水(H2 O)と水素
(H2 )の混合ガスにおいて、水(H2 O)の割合を水
素(H2 )に対して、0.5以上で導入することによ
り、良質のダイヤモンド膜の形成が可能であった(メタ
ン(CH4 )ガスを導入することについては、この実験
についての記述に先立って、ダイヤモンド膜が形成され
るに至るまでの経緯のところでも記述した。)。
【0040】また、上述した水素(H2 )と水(H
2 O)からなる混合ガスに関し、これの水素(H2 )に
代えて、六フッ化オクタン(C2 6 )、四フッ化メタ
ン(CF4 )、フッ素(F2 )、フッ化水素(HF)、
三フッ化窒素(NF3 )などのフッ素を含有するガスや
塩素(Cl2 )、塩化水素(HCl)などの塩素を含有
するガスあるいは過酸化水素(H2 2 )、オゾン(O
3 )などのガスを用いて、これらの混合ガスの分解によ
り生じたH、CF、CF2 、CF3 、O、F、Clのラ
ジカル注入を行い、同様の実験を行ったところ、これら
によっても種々の条件下において、適度にパラメーター
を選択することにより、高品質のダイヤモンド膜が形成
されることが確認された。
【0041】2.第2の具体例 図7は、本発明ラジカル制御による薄膜形成方法の第2
の具体例に使用する本発明ラジカル制御による薄膜形成
装置の一例を示し、特に非晶質シリコン膜または微結晶
シリコン膜を形成するためのプラズマCVD装置として
構成している。
【0042】図7において、図1におけるのと同一部分
には同一符号を付して示している。従って、図1とは異
なる部分についてのみ列挙すれば、701はラジカル発
生機構(壁材)、702はスリット、703はガス導入
口、704はラジカルをそれぞれ示している。
【0043】本具体例において、上記装置(図7)の被
処理基体(Si基板)107上に非晶質シリコン薄膜ま
たは微結晶シリコン薄膜を堆積させるため、平行平板電
極(上部電極104および下部電極105から構成され
る)間のシラン(SiH4 )プラズマ中に壁材Pdの触
媒作用により水素(H2 )の分解により生成したHラジ
カル、あるいは塩素(Cl2 )あるいはジクロルシラン
(SiH2 Cl2 )の熱分解あるいは水銀ランプを用い
た光分解により生成し、あるいはフッ素(F2)のマイ
クロ波励起プラズマ分解により生成したClラジカルあ
るいはFラジカルの注入を行ったところ、高品質の非晶
質シリコン膜あるいは注入するHラジカル、Clラジカ
ルあるいはFラジカルの量を変化させることにより高品
質の微結晶シリコン膜を低温にて形成させることに成功
した。
【0044】これにより、本具体例においても、第1の
具体例におけると同様プラズマ中に生成されたSiH3
ラジカルと注入されたHラジカルあるいはFラジカルあ
るいはClラジカルにより、被処理基体107には、高
品質の非晶質シリコンあるいは微結晶シリコンの形成が
可能となるため、ラジカル注入法によるプラズマ中のラ
ジカル制御が機能性材料薄膜の製造に極めて有効である
ことを発見した。
【0045】次に、この第2の具体例として示された非
結晶シリコン膜または微結晶シリコン膜形成の詳細な実
験結果について実験データをもとに説明する。まず、図
7に示す真空容器101における下部電極(試料台)1
05にシリコン(Si)基板、面方位(100)の被処
理基体107を載置し、下部電極105に具備されてい
るヒーター106により、被処理基体107および下部
電極105を加熱し、250℃に保持した。次に、ガス
導入口110よりシラン(SiH4 )ガスを流量30s
ccmで導入し、圧力3Pa一定とした。真空容器10
1に接続され、Pdの壁材701よりなるラジカル発生
機構に水素(H2 )をガス導入口703から導入した。
Pdの壁材701は、真空容器101の周辺部を取り囲
むように設置されている。さらに、Pdの壁材701は
400℃以上に加熱されており、壁材の温度制御が可能
になっている。
【0046】後述するように、ガス導入口703から導
入される水素(H2 )は、Pd壁の触媒作用により、4
00℃以上において殆んど分解され、水素(H)ラジカ
ルが生成される。一方、真空容器101内に設置された
上部電極104と下部電極105間に高周波電源102
を用いて周波数13.56MHz、電力50W(電力密
度0.5W/cm2 )のRF波を印加してプラズマを形成
した。これによりガス導入口703から導入された水素
(H2 )は、加熱されたPdの壁材701の触媒作用に
よってHラジカルに分解され、真空容器101におい
て、これらのHラジカルは平行平板電極104および1
05間に形成されるシラン(SiH4 )ガスのプラズマ
109中に注入される。
【0047】ラジカル発生状況を赤外半導体レーザー吸
収分光法を用いて調べたところ、シラン(SiH4 )ガ
スによるプラズマ中には、長寿命種であるSiH3 ラジ
カルが発生し、主として、平行平板電極付近に分布して
いることが判明した。また、一部のSiH3 ラジカル
は、真空容器101の周辺にまで分布するが、Hラジカ
ル発生機構701の先端には、スリット702が設けら
れているため、Pdの壁材701にまでは到達できずP
dの壁材上で反応して堆積膜を形成することによりPd
の触媒作用を劣化させることはない。下部電極105上
のシリコン(Si)基板上では、SiH3 ラジカルとこ
の注入されたHラジカルとによる反応により非晶質シリ
コン膜(a−Si)が形成される。
【0048】また、Hラジカルをプラズマ中に注入しな
い場合、すなわち、ガス導入口110から導入したシラ
ン(SiH4 )とガス導入口703から導入した水素
(H2)の混合ガスを平行平板電極で形成される高周波
励起プラズマに導入し薄膜の形成を行った。この時、水
素(H2 )の分圧は、3Paとした。高周波電力などを
変化させ、種々の条件下で実験を試み、形成された薄膜
の欠陥密度を電子スピン共鳴法(ESR)により調べた
ところ、欠陥密度は、1016/cm3 程度であった。
【0049】しかし、同条件において、プラズマ中にH
ラジカルの注入を行った場合、すなわち、Pdの壁材7
01の温度を400℃以上に増加させた場合には、欠陥
密度1015/cm3 台となり高品質の非晶質シリコンの薄
膜の形成が可能であった。
【0050】他の方法、すなわち、二光子励起レーザー
誘起蛍光法によりプラズマ中のHラジカル密度を計測し
たところ、Hラジカルを注入しない場合のHラジカル密
度は、約2×1018/m3 程度であったが、Hラジカルの
注入を行った場合、1×1019/m3 に増加しているこ
とが明らかになった。従って、Hラジカルが効率的にプ
ラズマ中に注入されていることが判明した。これによ
り、Hラジカルの注入は、高品質の非晶質シリコン膜
(a−Si)の形成プロセスに極めて有効であることが
判明した。
【0051】さらに、上記方法に係わる別の具体例とし
て微結晶シリコン膜の形成方法について説明する。実験
装置は、上述の非晶質シリコン膜(a−Si)の形成装
置と同一であり、真空容器101における下部電極(試
料台)105にシリコン(Si)基板、面方位(10
0)の被処理基体107を載置し、下部電極105に具
備されているヒーター106により、被処理基体107
および下部電極105を加熱し、300℃に保持した。
ガス導入口110よりシラン(SiH4 )ガスを流量3
sccmで導入し、圧力0.3Pa一定とした。
【0052】次に、ガス導入口703より水素(H2
を流量27sccmで導入し、圧力を3Pa一定にし
た。真空容器101に設置された上部電極104と下部
電極105との間に高周波電源102からマッチング機
構103を介して周波数13.56MHz、電力50W
(電力密度0.5W/cm2 )のRF波を印加して、プラ
ズマを形成した。
【0053】この実験により得られた微結晶シリコンの
体積割合を分光エリプソメトリ法にて調べた結果を図8
に示す。まず、水素(H)ラジカルの注入を行わない場
合、すなわち真空容器101に具備されたPdの壁材7
01の温度が室温のときは、主に、非晶質シリコン(a
−Si)膜と微結晶シリコンの混在した膜が得られ、分
光エリプソメトリ法で調べた結果、微結晶シリコンの体
積割合は40%であった。一方、Hラジカルの注入を行
った場合、すなわちPdの壁材701の温度が400℃
以上では、微結晶シリコンの割合が大幅に増加すること
が明らかになった。これらの結果より、ラジカルの注入
を行うことにより、低欠陥密度の高品質非晶質シリコン
(a−Si)膜や微結晶シリコン膜の形成が可能となる
ことが判明した。
【0054】最後に、図1に示した装置を用いて高品質
の非晶質シリコン膜および微結晶シリコン膜を形成する
(第1の具体例ではダイヤモンド膜を形成した)方法に
ついて説明する。まず、真空容器101における下部電
極(試料台)105にシリコン(Si)基板、面方位
(100)の被処理基体107を載置し、下部電極10
5に具備されているヒーター106により、被処理基体
107および下部電極を加熱し、250℃に保持した。
ガス導入口110よりシラン(SiH4 )ガスを流量3
0sccmで導入し、圧力3Pa一定とした。
【0055】真空容器101内に設置された上部電極1
04と下部電極105間に、高周波電源102より周波
数13.56MHz、電力50W(電力密度0.5W/
cm2)のRF波を印加して、シラン(SiH4 )プラズ
マを形成した。次に、ラジカル発生管112におけるガ
ス導入口113より塩素(Cl2 )を流量5sccmで
導入し、圧力を4Pa一定にした。ラジカル発生機構1
14として、Hg−Xeランプを設置し、パワー200
Wで、波長200〜450nmの光照射を行った。この
光照射により塩素(Cl2 )は分解され、Clラジカル
116が生成された。
【0056】これにより、真空容器101において、平
行平板電極104および105に形成されるシラン(S
iH4 )ガスのプラズマ109中に塩素(Cl2 )の光
分解により形成されたClラジカルが注入されることに
なる。ラジカル発生管112の先端には、スリット11
7が設けられているため、ガス導入口110から導入さ
れたシラン(SiH4 )ガスは、ラジカル発生管112
中にはほとんど拡散しない。
【0057】まず、Clラジカルを注入しない場合、す
なわち、ガス導入口110から導入したシラン(SiH
4 )とガス導入口113から導入した塩素(Cl2 )の
混合ガスを平行平板電極で形成された高周波励起プラズ
マに導入し、薄膜の形成を行った。薄膜の形成にあたっ
ては、高周波電力などを変化させ、種々の条件下で実験
を試み、形成された薄膜の欠陥密度および光照射による
安定性を電子スピン共鳴法(ESR)により調べた。形
成した薄膜の欠陥密度は、1015/cm3 台であった。光
劣化特性を調べるために、パルスレーザー照射後の薄膜
の欠陥密度を評価したところ、1017/cm3 台であっ
た。
【0058】一方、Clラジカルを注入した場合、すな
わち、光照射により生成されたClラジカルの注入を行
った場合、形成した薄膜の欠陥密度は、1015/cm3
であったが、パルスレーザー照射後の薄膜の欠陥密度
は、1016/cm3 台であった。これにより、Clラジカ
ルの効率的なプラズマ中への注入は、光劣化の少ない高
品質の非晶質シリコン膜(a−Si)の形成プロセスに
極めて有効であることが判明した。
【0059】さらに、被処理基体107の温度を変化さ
せながら、上記方法にて、Clラジカル注入の有無につ
いて微結晶シリコン薄膜の形成を行った。Clラジカル
注入を行わない場合、微結晶シリコンの体積割合が0.
8以上になる温度を評価したところ、被処理基体107
の温度は、350℃以上であった。一方、Clラジカル
注入を行った場合、被処理基体107の温度は250℃
以上であった。すなわち、Clラジカル注入により、微
結晶シリコン薄膜の低温形成が実現されることも判明し
た。
【0060】なお、上記具体例においては、非晶質シリ
コンと微結晶シリコンの形成について記述したが、基板
温度を350℃に上昇させることにり、いずれの場合も
高品質の多結晶シリコンを形成することができた。ラジ
カル注入を行わない場合は、基板温度400℃以上の加
熱が必要であった。したがって、ラジカル注入を行うこ
とにより、従来よりも低温にて多結晶シリコンの形成が
可能となることが判明した。
【0061】3.第3の具体例 図9は、本発明ラジカル制御による微細加工方法の第3
(具体例の通し番号で言う)の具体例に使用する本発明
ラジカル制御による微細加工装置の一例を示し、特にプ
ラズマ中に配置された被処理基体を微細加工するための
プラズマエッチング装置として構成している。
【0062】図9において、901は真空容器、902
は磁気コイル、903は石英窓、904は導波管、90
5はマッチング機構、906はマイクロ波電源、907
はガス導入口、908は排気口、909は試料台として
の電極、910は被処理基体、911は冷却用水冷管、
912は高周波電源、913はラジカル注入機構、91
4は反応性ガス導入口、915はラジカル発生機構、9
16はラジカル、917はスリット、および918はプ
ラズマ(イオン)をそれぞれ示している。
【0063】本発明者らは上記装置(図9)を使用し
て、プラズマが形成される領域内に配置されたシリコン
(Si)基板上にシリコン酸化膜を形成し、得られたシ
リコン酸化膜上にさらに有機質のレジストパターンを形
成した被処理基体に高周波バイアスを印加し、シリコン
酸化膜のエッチングを試みた。
【0064】プラズマの形成にあたてっては、ガス導入
口907から三フッ化メタン(CHF3 )および水素
(H2 )を導入し、さらにマイクロ波電源906からマ
イクロ波を印加した。このとき各ガスの流量、圧力、マ
イクロ波電力、バイアス、CHF3 /H2 比などのパラ
メーターを適宜選択することによりラジカルの密度、組
成、イオンの密度、エネルギーを制御してエッチングを
行ったが、シリコン酸化膜のエッチング速度5000A
/分、シリコンに対するシリコン酸化膜のエッチング選
択比は15、均一性は、3σで、15%であった。
【0065】そこで、反応性ガス導入口914より、ヘ
キサフルオロプロピレンオキサイト(HFPO)ガスを
導入しラジカル発生機構915の温度を増加させ、流
量、圧力、マイクロ波電力、バイアス、CHF3 /H2
比などのパラメーターを適宜選択したところ、シリコン
酸化膜のエッチング速度6000A/分、シリコンに対
するシリコン酸化膜のエッチング選択比は40、均一性
は、3σで、10%であることが判明し、エッチング特
性の飛躍的向上を実現することに成功した。このときレ
ーザー分光法により、プラズマ中のラジカル密度を計測
したところ、CF2 ラジカルがプラズマ中に注入され、
CF2 とHラジカルの相互作用により、エッチング選択
比が向上することが判明した。
【0066】さらに、上述の方法により生成したCF2
ラジカルにHラジカルを反応させて生成したCFラジカ
ルをプラズマ中に注入した結果、シリコン酸化膜のエッ
チング速度5000A/分、シリコンに対するシリコン
酸化膜のエッチング選択比は50、均一性は、3σで、
10%であることが判明し、前述の場合と同様、良好な
エッチング特性が得られた。以上からエッチング特性に
有効な役割をするラジカルを選択的に導入することによ
り、プラズマエッチング特性の大幅な向上が得られるこ
とが明らかになった。
【0067】次に、この第3の具体例として示されたシ
リコン酸化膜のエッチングの詳細な実験結果について実
験データをもとに説明する。まず、図9に示す真空容器
901内に三フッ化メタン(CHF3 )および水素(H
2 )ガスの混合ガスをガス流量100sccmにてガス
導入口907から導入した。この時、混合ガスの圧力
は、0.4Paに保持し、混合ガスの割合、すなわち三
フッ化メタン(CHF3 )に対する水素(H2 )の量を
変化させた。
【0068】次に、周波数2.45GHzのマイクロ波
を電力900Wで導入して、プラズマ918を形成する
とともに、Si基板上に膜厚1.5μmのシリコン酸化
膜を形成し、シリコン酸化膜上に有機質のレジストパタ
ーン(パターン寸法0.3μmのラインとスペース)が
形成された被処理基体910に周波数400KHzの高
周波バイアス912を印加して、シリコン酸化膜のエッ
チングを行った。印加した高周波バイアスの直流電圧は
200Vである。
【0069】図10に、この場合におけるエッチングの
結果(シリコン酸化膜およびシリコン(Si)基板のエ
ッチング速度および選択比のH2 /(CHF3 +H2
依存性)を示す。なお、図において、○,●の曲線はエ
ッチング速度で、□の曲線は選択比を示している。図1
0によれば、水素(H2 )の混合比の増加とともに、シ
リコン酸化膜およびシリコン(Si)基板のエッチング
速度は減少するが、水素(H2 )の混合比30%におい
て、酸化シリコン膜のエッチング速度は、約5000A
/分、シリコン(Si)基板に対するエッチング選択比
は、約15程度であることが分かる。
【0070】次に、反応性ガス導入口914より、ヘキ
サフルオロプロピレンオキサイト(HFPO)ガスを導
入し、ラジカル発生機構915の温度を500℃に保
ち、真空容器901の圧力を0.4Paに保持した。前
述と同様にして、三フッ化メタン(CHF3 )および水
素(H2 )ガスの混合ガスをガス流量100sccmに
てガス導入口907から導入した。この時、真空容器中
の圧力は、0.4Paに保持し、混合ガスの割合、すな
わち三フッ化メタン(CHF3 )に対する水素(H2
を変化させた。
【0071】さらに、マイクロ波を電力900Wで導入
して、プラズマ918を形成するとともに、上述例と同
様にSi基板上に膜厚1.5μmのシリコン酸化膜を形
成し、そのシリコン酸化膜上に有機質のレジストパター
ン(パターン寸法0.3μmのラインとスペース)が形
成された被処理基体910に周波数400KHzの高周
波バイアス912を印加して、シリコン酸化膜のエッチ
ングを行った。印加した高周波バイアスの直流電圧は1
00Vから500Vまでである。
【0072】図11に、このときのエッチングの結果
を、上述例の場合(ヘキサフルオロプロピレンオキサイ
ト(HFPO)ガスを導入しない場合)の図10と対比
し易いように同一表示マーク、同一目盛にて示してい
る。図11より、高周波バイアス250Vにおいて、水
素(H2 )の混合比を増加するにつれてシリコン酸化膜
およびシリコン基板のエッチング速度は減少するが、水
素(H2 )混合比40%において、シリコン酸化膜のエ
ッチング速度6000A/分、シリコンに対するシリコ
ン酸化膜のエッチング選択比は40,均一性は3σで、
10%であることが判明した。この時のパターン寸法
0.2μm、アスペクト5の酸化シリコン膜の形状をS
EMで観察したところほぼ垂直形状であった。すなわ
ち、ラジカル注入によりエッチング特性の飛躍的向上を
実現することに成功した。
【0073】このエッチング特性が飛躍的に向上した理
由を明らかにするために、赤外半導体レーザー吸収分光
法により、プラズマ中のラジカル密度の測定を行った。
まず、ヘキサフルオロプロピレンオキサイト(HFP
O)ガスを導入しない場合、マイクロ波電力900W、
圧力0.4Pa、三フッ化メタン(CHF3 )と水素
(H2 )ガスの混合ガス(水素(H2 )30%)におい
ては、プラズマ中のラジカル密度として、CF2 は10
13/cm3 、CFは1012/cm3 、CF3 は1011/cm3
であった。
【0074】次に、ヘキサフルオロプロピレンオキサイ
ト(HFPO)ガスのみを導入し、圧力0.4Paに保
持し、ラジカル発生機構915の温度を増加させ、50
0℃に保持したところ、真空容器901内に、CF2
ジカル密度は、1014/cm3存在し、ヘキサフルオロプ
ロピレンオキサイト(HFPO)は、反応容器内で10
0%分解し、CF2 ラジカルの発生することが明らかに
なった。
【0075】そこで、ヘキサフルオロプロピレンオキサ
イト(HFPO)の熱分解により生じたCF2 ラジカル
を導入しながら、三フッ化メタン(CHF3 )と水素
(H2)ガスの混合ガス(水素(H2 )40%)におい
て、マイクロ波放電を発生させたところ、CF2 ラジカ
ルおよびCFラジカル密度は、それぞれ約1014/cm3
および約1012/ cm3で、また、CF3 ラジカル密度は
1011/cm3 であることが判明した。これにより、選択
的にCF2 ラジカルを導入することで、エッチング中の
CF2 ラジカル密度を飛躍的に増加できることが判明し
た。ヘキサフルオロプロピレンオキサイト(HFPO)
の熱分解温度を制御することにより、導入するCF2
ジカル密度の制御が可能となるので、エッチング中のラ
ジカル密度を制御することも可能であった。
【0076】CF2 ラジカルの注入を行い、シリコン酸
化膜に対するSi基板の選択比40が得られた時のパタ
ーン形状をSEMにより観察したところ、ほぼ垂直形状
にシリコン酸化膜がエッチングされ、下地のシリコン基
板のエッチングは観測されなかった。
【0077】上記においては、ヘキサフルオロプロピレ
ンオキサイト(HFPO)の熱分解によるCF2 ラジカ
ルの注入を行ったが、これとは異なるCF2 ラジカルの
生成方法として、パーフルオロプロペンC3 6 を波長
9.6μmのCO2 レーザーとVUV光の照射によって
も上述と同じ密度のCF2 ラジカル(密度1016/ c
m3)の生成が可能であった。
【0078】上記においては、反応性ガスの熱分解によ
るCF2 ラジカルの注入を行ったが、固体、液体(特許
請求の範囲には、これらガス、固体材料あるいは液体材
料をまとめて第2の物質で総称した)にプラズマ、レー
ザーなどの電磁波を照射し、あるいは熱を加えても同様
のCF,CF2 ラジカルの生成をすることができる。例
えば、上記方法として、主成分としてフッ素と炭素原子
によって合成されている有機質材料、例えばテフロンに
CO2 レーザー、エキシマレーザー、フッ素レーザー、
SOR(シンクロトロン軌道放射光)から放射される放
射光を照射したところ、上記材料からCF2 ラジカルが
発生することを赤外半導体レーザー吸収分光法により確
認した。また、上記材料に電界を印可して、プラズマか
ら生じたイオンのエネルギーを変化させて照射したとこ
ろ、選択的にCF2 ラジカルが発生することが可能であ
った。次に、上記有機質の構造、組成、添加元素を変化
させ、上記プラズマ、レーザーなどの電磁波を照射した
ところ、選択的にCFラジカルを発生させることも可能
であることが分かった。この場合、CF2 ラジカルの放
射したものに比べ、有機質などの材料の組成において、
フッ素原子に対する炭素原子の比率を高めるほど、ある
いは、材料中に水素原子などを混入させることにより、
CFラジカルの発生が可能であった。
【0079】さらに、液体材料を導入し、該材料にプラ
ズマ、レーザーなどの電磁波を照射する、あるいは熱を
加えても同様のCF,CF2 ラジカルの生成を可能にす
ることができる。例えば、バーフルオロプロペンC3
6 ガスやC6 6 ガスを冷却することによってこれらの
ガスを液化したものに上記プラズマ、レーザーなどの電
磁波を照射したところ、ガスにこれらのプラズマ、レー
ザーなどの電磁波を照射した場合に比べ、反応効率が高
くなるために、効率的にCF,CF2 ラジカルを生成す
ることが可能であった。
【0080】また、上記においては、ヘキサフルオロプ
ロピレンオキサイト(HFPO)の熱分解によるCF2
ラジカルの注入を行ったが、ラジカル発生機構915に
おいて、ガスのレーザー光分解とHラジカルの反応によ
り、CFラジカルを発生させ、これを三フッ化メタン
(CHF3 )および水素(H2 )ガスのプラズマ中に注
入した結果、基板バイアス350V、三フッ化メタン
(CHF3 )および水素(H2 )ガスの混合ガス(水素
(H2 )30%)にて、シリコン酸化膜のエッチング速
度5000A/分、シリコンに対するシリコン酸化膜の
エッチング選択比は50、均一性は、3σで、10%で
あることが判明し、上述の場合と同様、良好なエッチン
グ特性が得られた。
【0081】以上から熱分解、光分解、電子照射分解、
放電による分解、プラズマによる分解、触媒作用による
分解、粒子衝突による分解を用いて、反応性ガスからC
2あるいはCFラジカルを生成し、プラズマ中に導入
すれば、高精度のシリコン(Si)に対するシリコン酸
化膜の高選択エッチング(微細加工)が可能であるとの
結論に達した。
【0082】ここで、図9に示したラジカル制御による
本発明微細加工装置を用いて基板のエッチングを行う第
3の具体例中の他の例について説明する。オクタフルオ
ロサイクロブタン(C4 8 )、オクタフルオロプロパ
ン(C38 )、三フッ化メタン(CHF3 )および一
酸化炭素(CO)などの反応性ガスをガス導入口907
から導入後、2.45GHzのマイクロ波で放電を生起
させ、その放電中で電子がサイクロトロン運動をするよ
うに、磁気コイル902により875ガウス程度の磁界
を与えて高密度のプラズマを生起させる。この際、印加
する磁場は、電子のサイクロトロン共鳴を満たす程度に
なるように導入する周波数とともに適当に選択する。あ
るいは、UHF波(500MHz)やVHF波(100
MHz)やRF波(13.56MHz)の電磁波を導入
して高密度のプラズマを生起させる。これらの場合は、
磁場を印加しない場合も含まれる。
【0083】一方、真空容器901の内部には、試料台
としての電極909が設置され、この電極909上に被
処理基体910としてのウエハー等が載置されている。
電極909には、マッチング装置905を通じてバイア
ス用高周波電力印加用の高周波電源912が接続され、
例えば周波数100KHzから100MHz程度までの
制御が可能である。従って、電極909には、上記高周
波の印加によりマイナス数Vからマイナス500V程度
のバイアスが生じ、被処理基体910に印加される。電
極909に載置された被処理基体910は冷却用水冷管
911により冷却されている。また、真空排気装置に通
じる排気口908が真空容器901に接続されている。
ガス導入口907から、例えば、三フッ化メタン(CH
3 )が一定量導入されるとともに、真空排気装置で排
気されて真空容器901内は所定のガス圧に保たれてい
る。
【0084】ガス導入口907より導入された三フッ化
メタン(CHF3 )は、プラズマ中で分解され、F、C
F、CF2 、CF3 等のラジカルとCF+ 等のイオン9
18が発生する。プラズマから発生したラジカルは、被
処理基体910上で反応し、適当なバイアス電圧のもと
で被処理基体910は反応性イオンエッチングされる。
このとき、流量、圧力、マイクロ波電力、バイアスなど
のパラメーターを適宜選択して、ラジカルの密度、組
成、イオンの密度、エネルギーを制御することにより、
所望のエッチングを実現することができる。
【0085】4.第4の具体例 図12は、本発明ラジカル制御による微細加工方法の第
4の具体例に使用する本発明ラジカル制御による微細加
工装置の一例を示し、第3の具体例と同様、プラズマ中
に配置された被処理基体を微細加工するためのプラズマ
エッチング装置として構成してある。
【0086】図12において、図9におけるのと同一部
分には同一符号を付して示している。従って、図9とは
異なる部分についてのみ列挙すれば、1202はラジカ
ル発生室、1203は第1のガス導入口、1204は永
久磁石、1205はプラズマ、1206はコイル、12
07は窓、1208は第2のガス導入口、1209は高
周波電源および1210はラジカルをそれぞれ示してい
る。
【0087】図12に示すプラズマエッチング装置にお
いて、真空容器901内に塩素(Cl2 )ガスを第1の
ガス導入口1203から導入し、高周波電源1209か
らの高周波誘導電界を印加して、プラズマ918を形成
するとともに、Si基板上にシリコン酸化膜を形成し、
シリコン酸化上に多結晶シリコン膜が形成された被処理
基体910に高周波バイアスを印加させないで、シリコ
ン膜のエッチングを行った。このとき、流量、圧力、マ
イクロ波電力などのパラメータを適宜選択して、ラジカ
ルの密度、組成、イオンの密度、エネルギーを制御して
エッチングを行ったが、シリコン膜のエッチング速度4
000A/分、シリコン酸化膜に対するシリコンのエッ
チング選択比は13、均一性は、3σで、20%であ
り、エッチング特性として満足し得る値ではなかった。
【0088】そこで、第1のガス導入口1203より、
Cl2 あるいはCl2 とH2 あるいはHClを導入し、
さらにマイクロ波を印加してプラズマ1205を形成
し、上記ガスを分解させて、ClあるいはHラジカルを
発生させ、Clラジカル若しくはClとHラジカルある
いは励起されたHCl 1210のプラズマ中への注入
を行なった。
【0089】さらに、流量、圧力、マイクロ波電力など
のパラメーターを適宜選択したところ、多結晶シリコン
膜のエッチング速度5000A/分、シリコン酸化膜に
対する多結晶シリコン膜のエッチング選択比は33、均
一性は、3σで、10%、パターン形状も垂直であるこ
とが判明し、エッチング特性の飛躍的向上を実現するこ
とに成功した。
【0090】この結果から、第3の具体例において、プ
ラズマ中にCF2 あるいはCFラジカルを注入すること
により、シリコン(Si)に対する酸化シリコン膜の高
選択比エッチングが実現可能となったと同様に、第4の
具体例(本例)でもClラジカルなどの注入によって、
酸化シリコン膜に対するシリコン(Si)の高選択比エ
ッチングが可能となるため、ラジカル注入法によるプラ
ズマ中のラジカル制御が微細加工を必要とする半導体デ
バイスの製造に極めて有効であることを発見した。
【0091】次に、この第4の具体例として示されたシ
リコン酸化膜のエッチングの詳細な実験結果について実
験データをもとに説明する。図12に示すプラズマエッ
チング装置は、ラジカル発生室1202とプロセス室
(真空容器)901とから構成され、ラジカル発生室1
202は、ラジカルを生成する真空容器であり、真空容
器1202の内部には、永久磁石1204が真空容器の
上部を取り囲んで取り付けられている。また、真空容器
901の最上部には、マイクロ波を導入するための導波
管904がマイクロ波導入のための石英窓903を通じ
て設けられ、さらに、マッチング機構905を通じてマ
イクロ波電源906に接続されている。マイクロ波の周
波数は、2.45GHzであり、永久磁石1204との
相互作用により、真空容器901中には、ECR放電が
発生する。また、塩素(Cl2 )などの反応性ガスを導
入するための第1のガス導入口1203がラジカル発生
室1202に取り付けられている。
【0092】原料ガスを第1のガス導入口1203から
導入後、2.45GHzのマイクロ波で放電が生起し、
その放電中で電子がサイクロトロン運動するように永久
磁石により、875ガウス程度の磁界が与えられて高密
度のプラズマが生成される。このとき、印加する磁場
は、電子のサイクロトロン共鳴を満たす程度になるよう
導入する周波数とともに適当に選択される。あるいは、
磁場を印加せず、UHF波(500MHz)やVHF波
(100MHz)やRF波(13.56MHz)の電磁
波を導入して高密度のプラズマを生成させてもよい。
【0093】一方、真空容器901には、コイル120
6が酸化アルミニウムの窓1207上に設置されてお
り、コイルの一端には、周波数13.56MHzのHF
波を高周波マッチング回路を介して高周波電源1209
より印加可能になっている。また、コイルの反対側は接
地されている。高周波電力を印加することにより、窓1
207を通じて誘導結合型の放電が生じ、真空容器90
1には、プラズマ918が生成される。
【0094】試料台としての電極909が設置され、こ
の電極909上に被処理基体910としてのウエハー等
が載置されている。電極909には、マッチング装置を
通じてバイアス用を印加するための高周波電力印加用高
周波電源912、例えば周波数600KHzの高周波電
源が接続されている。従って、この電極909には、上
記高周波の印加によりマイナス数十からマイナス100
V程度のバイアスが生じる。電極909には、被処理基
体910を冷却するための冷却用水冷管911が具備さ
れている。
【0095】また、同装置には真空排気装置に通じる排
気管908も接続されている。第1および第2のガス導
入口1203および1208から原料ガスが一定量導入
されるとともに、真空排気装置で排気されて真空容器9
01は、所定のガス圧力に保たれる。
【0096】試料台909には、被処理基体910が、
設置されている。被処理基体910は、Si基板上に熱
酸化により膜厚8nmのシリコン酸化膜を形成し、この
シリコン酸化上に膜厚150nmの多結晶シリコン膜を
CVD法により堆積し、得られた膜中にリンを拡散し、
n型の多結晶シリコン膜を形成して有機質のレジストパ
ターン(パターン寸法0.3μm、膜厚0.6μm)が
形成されたものである。
【0097】まず、図12に示す真空容器901内に塩
素(Cl2 )ガスをガス流量100sccmにて第1の
ガス導入口1203から導入する。この時、ガスの圧力
は、1Paに保持した。次に、マイクロ波を電力900
Wで導入して、プラズマ918を形成する。
【0098】次に、高周波電源1209からコイル12
06にRF波の高周波電力を200Wから600Wで印
加し、被処理基体910において、多結晶シリコン膜の
シリコン(Si)に対する選択エッチングを行った。こ
の際、基板下部電極には、基板バイアスの直流成分30
Vが印加されるように、高周波電力を印加した。
【0099】図13は、上記においてマイクロ波電力を
印加しない場合で、高周波電力を変化させたときの多結
晶シリコンとシリコン酸化膜のエッチング速度を調べた
ものである。同図から、高周波電力が増加するにつれて
多結晶シリコンのエッチング速度は増加するが、シリコ
ン酸化膜のエッチング速度は減少する。高周波電力60
0Wにおいて、シリコン酸化膜に対する多結晶シリコン
のエッチング選択比は、約14であった。
【0100】これに対し、図14は、マイクロ波電力を
900Wで導入した場合において、高周波電力を変化さ
せたときの多結晶シリコンとシリコン酸化膜のエッチン
グ速度を調べたものである。同図から、図13と同様、
高周波電力が増加するにつれて多結晶シリコンのエッチ
ング速度は増加するが、シリコン酸化膜のエッチング速
度は減少することが分かる。しかし、マイクロ波電力を
導入しない場合(図13)に比べ、多結晶シリコン膜の
エッチング速度の大幅な増加およびシリコン酸化膜のエ
ッチング速度の低下が観測された。この場合、高周波電
力600Wにおいて、多結晶シリコン膜のエッチング速
度は、約6500A/分、一方、シリコン酸化膜のエッ
チング速度は、約20A/分であった。従って、シリコ
ン酸化膜に対する多結晶シリコンのエッチング選択比
は、約33であった。
【0101】最後に、圧力0.5Paおよび1Paにお
いて、高周波電力600W、マイクロ波電力900Wを
導入した場合と、マイクロ波の導入が無い場合とにおけ
る多結晶シリコンのエッチング形状をSEMで観察し
た。結果は、圧力0.5Paにおいては、両者ともに垂
直形状であった。
【0102】図15は、圧力1Paにおけるラジカル注
入が有る場合と、無い場合とについて多結晶シリコンの
エッチング形状をSEMで観察した結果を示す。同図よ
り、マイクロ波を導入した場合は、寸法0.1μmのパ
ターンが垂直形状でエッチングされているが、マイクロ
波を導入しない場合は、パターンにサイドエッチングが
観測された。
【0103】これらの現象を解明するために、プローブ
およびレーザー誘起蛍光法等にて、プラズマ中のイオン
およびCl原子密度を測定したところ、マイクロ波を導
入した場合は、導入しない場合に比べ、イオンおよびC
l原子密度が大幅に増加することが判明した。すなわ
ち、マイクロ波を導入しない場合は、未分解の塩素(C
2 )が多結晶シリコンと自然反応するために、高いエ
ッチング速度と垂直形状のパターン形成との両立が困難
であるが、マイクロ波を導入した場合は、塩素(C
2 )が予め高分解され、Clラジカルがエッチングプ
ラズマ中に注入されるため、多結晶シリコンのエッチン
グは、ClイオンとCl原子とにより、進行する。従っ
て、高い選択比、エッチング速度で、垂直形状のエッチ
ングが実現されることが判明した。
【0104】上記具体例においては、図12に示す微細
加工装置を用いて塩素(Cl2 )ガスをECR励起マイ
クロ波を用いて高解離させることによってClラジカル
のプロセス室への注入を実現しているが、第3の具体例
の場合と同様、図9に示す装置を用い、ラジカル発生機
構915において、塩素(Cl2 )ガスをECR励起マ
イクロ波を用いて高解離させることによってClラジカ
ルのプロセス室への注入を行いエッチングを実現しても
よい。
【0105】さらに、図9に示す装置を用い、ラジカル
発生機構915において、ある基体を冷却させ、その基
体に塩素(Cl2 )ガスを吸着させ、液化あるいは固体
化させたうえで、ガスにレーザー、例えばエキシマレー
ザー、プラズマ、あるいは電磁波を照射してClラジカ
ルを発生させ、注入することによりエッチングを行って
も、上記具体例(第4の具体例)と同様の結果が得られ
た。
【0106】以上、第1から第4までの具体例を挙げ、
本発明を詳細に説明して来たが、ここで、本発明にとっ
て最も重要な、ラジカルの密度および組成の制御につき
再度とりまとめて説明する。ラジカル発生機構(第1の
具体例では114、以下第2、第3、第4の具体例では
それぞれ701、915、1202(第4の具体例では
ラジカル発生室という))は、例えば、第1の具体例で
示されるように、マイクロ波を印加するための導波管が
設けられ、これによりマイクロ波電源に接続されるマイ
クロ波導入装置とマイクロ波導入によりラジカル発生管
112の内部にプラズマ115を生成させる装置、UH
F波やVHF波やRF波などの高周波の導入によりラジ
カル発生管112の内部にプラズマ115を生成させる
装置、あるいは、第2の具体例で示されるようにCO2
レーザーあるいはエキシマレーザーあるいは水銀ランプ
光源に連結されたレーザーあるいは光照射装置、あるい
は、第3具体例で示されるようにランプやヒーターが具
備された加熱装置あるいは、触媒反応を促進するための
触媒の載置と加熱装置を組み合わせた装置あるいは電子
照射装置あるいは粒子による衝突装置であり、第1の具
体例においては、混合ガス導入口113から導入したガ
スをラジカル発生機構114により分解させることによ
りラジカル116が発生する。
【0107】発生したラジカルは、ラジカルスリット1
17を通じて真空容器101内で形成されたプラズマ1
09中へ輸送され、プラズマ109中にラジカル116
を注入することが可能である。なお、ラジカルスリット
117は、適宜装着、取り外しが可能であるが、多数の
ラジカルが発生した場合、ラジカルスリットの材質、温
度の選択により、ある特定のラジカルを選別することが
可能である。
【0108】ラジカル発生管112から導入されたラジ
カルをプラズマ109へ注入することにより、プラズマ
109中のある特定のラジカル密度のみを選択的に高め
ることが可能となる。また、逆にある特定のラジカルを
注入し、該ラジカルとプラズマ中で生成されたラジカル
との反応により、プラズマ中のある特定のラジカル密度
を減じることも可能である。即ち、このラジカル注入機
構により、真空容器101内におけるプラズマ中のラジ
カルの密度および組成を広範囲にかつ精密に制御するこ
とが可能となる。
【0109】なお、上述の第1から第4までの具体例で
は、ラジカルを発生する方法として、マイクロ波励起に
よる放電プラズマ、加熱、光、触媒作用を用いたガスの
分解によったが、その他、電子照射あるいは粒子衝突な
どを用いても、あるいは、固体ターゲットにレーザーあ
るいはプラズマあるいは電子照射を行い、あるいは液体
材料にレーザーあるいはプラズマあるいは電子照射など
の電磁波の照射を行うなどしても、ラジカルが効率よく
発生すれば、真空容器内のプラズマ中のラジカルの密度
および組成を広範囲かつ精密に制御できるなど同様の結
果がえられるため、これらのうちから適宜選択すればよ
い。
【0110】また本発明は、第1から第4の具体例で説
明した本発明ラジカル制御による薄膜形成方法および微
細加工方法に使用するプラズマCVD装置やプラズマエ
ッチング装置などの、ラジカル制御による薄膜形成装置
および微細加工装置を含んでいるが、それら装置の構成
(薄膜形成装置、微細加工装置とも構成要件としては同
じ)は以下のとおりである。
【0111】すなわち、ラジカル制御による薄膜形成お
よび微細加工装置は、プラズマ放電機構を含んでなる真
空容器と、その真空容器に接続された真空排気装置と、
真空容器に接続され、プラズマ発生機構、光照射機構、
加熱機構、電子照射機構、触媒機構および粒子衝突機構
のいずれかからなるラジカル発生機構を含んで密度およ
び/または組成が制御されたラジカルを発生するラジカ
ル発生室とを少なくとも具え、ラジカル発生室におい
て、ラジカル発生室に供給された原料物質(ここに、物
質とはガス、固体材料あるいは液体材料を含む)を前記
ラジカル発生機構により分解し、物質の分解によって生
じる密度および/または組成の制御が行われたラジカル
を真空容器に輸送し、上記のプラズマ放電機構で発生さ
せたプラズマ中に注入し得るように構成されている
【0112】
【発明の効果】本発明ラジカル制御による薄膜形成方
法、あるいは微細加工方法によれば、簡単なラジカル発
生装置を従来の薄膜形成装置あるいはエッチング装置に
接続あるいは、内部に設置して薄膜形成あるいは微細加
工を行うことにより、従来得ることが不可能であった機
能性材料や高品質薄膜材料の形成、あるいは微細加工特
性の大幅な向上を実現することができる。
【0113】例えば、本発明を用いたプラズマCVDや
反応性スパッタリングによる非晶質シリコン膜、微結晶
シリコン膜、多結晶シリコン膜、単結晶シリコン膜、酸
化シリコン膜、窒化シリコン膜、炭化シリコン膜、ゲル
マニウム膜、シリコンゲルマニウム膜などのシリコン化
合物、ダイヤモンド膜、硬質炭素膜、フラーレンなどの
炭素膜、ガリウム、ひ素などを含む化合物、ITO、テ
フロン、低誘電体膜、高誘電体膜など、半導体、絶縁
物、超伝導体あるいは金属膜の形成、あるいはフルオロ
カーボンガス、塩素ガスなどのハロゲンガスあるいは炭
化水素系ガスを用いた微細加工への適用が可能となる。
【0114】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
装置あるいは微細加工装置によれば、簡易な装置として
上記プロセス(薄膜形成あるいは微細加工)が実現され
るため高性能の薄膜形成あるいは微細加工装置(例え
ば、プラズマエッチング装置、プラズマCVD装置、反
応性スパッタリング装置、ラジカルビーム装置、ラジカ
ルCVD、ラジカルエッチング、ラジカルドーピング装
置)を構成することができるので、これら装置を安価に
提供することが可能となる。
【0115】これら本発明の効果を、例えば、第3の具
体例(図9)のラジカル制御による微細加工方法につい
て言えば、発生したラジカルは、スリットを通じて真空
容器に輸送され、プラズマ中に注入される。これによ
り、プラズマ中の特定のラジカル、例えば、エッチング
に重要な役割を果たしているラジカルであるラジカルC
2 の密度を選択的に飛躍的に増加させることが可能と
なる。
【0116】また、ラジカル注入下において、バイアス
などのパラメータを適宜選択して、イオンの密度、エネ
ルギーを制御することにより、被処理基体のエッチング
特性、例えば、シリコン酸化膜に対するシリコン(S
i)の選択比、微細加工形状、エッチング速度、均一性
などを飛躍的に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ラジカル制御による薄膜形成方法の第1
の具体例に使用する本発明ラジカル制御による薄膜形成
装置の一例を示している。
【図2】薄膜堆積速度の水(H2 O)の分圧依存性を示
している。
【図3】堆積膜の表面形態(膜質)の水(H2 O)の分
圧依存性をSEM写真によって示している。
【図4】形成薄膜に占めるダイヤモンド成分の水(H2
O)の割合依存性を示している。
【図5】水(H2 O)の割合を変えて形成したダイヤモ
ンド膜と非ダイヤモンド膜のエッチング速度の水(H2
O)の分圧依存性を示している。
【図6】薄膜形成中のラジカルの発光強度の水(H
2 O)の分圧依存性を示している。
【図7】本発明ラジカル制御による薄膜形成方法の第2
の具体例に使用する本発明ラジカル制御による薄膜形成
装置の一例を示している。
【図8】形成薄膜に占める微結晶シリコンの堆積割合の
Pdの壁の温度依存性を示している。
【図9】本発明ラジカル制御による微細加工方法の第3
の具体例に使用する本発明ラジカル制御による微細加工
装置の一例を示している。
【図10】ヘキサフルオロプロピレンオキサイト(HF
PO)ガスを導入しないときの、エッチングの結果を示
している。
【図11】ヘキサフルオロプロピレンオキサイト(HF
PO)ガスを導入したときの、エッチングの結果を示し
ている。
【図12】本発明ラジカル制御による微細加工方法の第
4の具体例に使用する本発明ラジカル制御による微細加
工装置の一例を示している。
【図13】多結晶シリコンおよびシリコン酸化膜のそれ
ぞれのエッチング速度の印加高周波電力依存性(ただ
し、マイクロ波電力を印加しない場合)を示している。
【図14】多結晶シリコンおよびシリコン酸化膜のそれ
ぞれのエッチング速度の印加高周波電力依存性(ただ
し、マイクロ波電力を印加した場合)を示している。
【図15】ラジカル注入が有る場合と、無い場合とにお
ける多結晶シリコンのエッチング形状を示している。
【符号の説明】
101 真空容器 102 高周波電源 103 マッチング機構 104 上部電極 105 下部電極 106 ヒーター 107 被処理基体 108 排気口 109,115 プラズマ 110 ガス導入口 111 バイアス電源 112 ラジカル発生管 113 ガス導入口 114 ラジカル発生機構 116 ラジカル 117 ラジカルスリット 701 ラジカル発生機構(壁材) 702 スリット 703 ガス導入口 704 ラジカル 901 真空容器 902 磁気コイル 903 石英窓 904 導波管 905 マッチング機構 906 マイクロ波電源 907 ガス導入口 908 排気口 909 電極 910 被処理基体 911 冷却用水冷管 912 高周波電源 913 ラジカル注入機構 914 反応性ガス導入口 915 ラジカル発生機構 916 ラジカル 917 スリット 918 プラズマ(イオン) 1202 ラジカル発生室 1203 第1のガス導入口 1204 永久磁石 1205 プラズマ 1206 コイル 1207 窓 1208 第2のガス導入口 1209 高周波電源 1210 ラジカル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 29/04 C30B 29/04 B 29/06 504 29/06 504C H01L 21/205 H01L 21/205 21/3065 21/302 B

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に導入された反応性ガスであ
    る第1の物質のプラズマを形成するとともに、反応性ガ
    ス、固体材料および液体材料のいずれか1種またはそれ
    らの組み合わせである第2の物質を前記プラズマの外部
    において分解させて密度および/または組成が制御され
    たラジカルを発生させ、該発生したラジカルを前記プラ
    ズマ中に注入することにより、該プラズマ中に配置され
    た被処理基体上に薄膜を形成するようにしたことを特徴
    とするラジカル制御による薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜形成方法において、
    前記第1の物質は少なくとも炭素を含む反応性ガスで、
    前記第2の物質は、少なくとも水素(H2 )と水(H2
    O)を含有し、前記水素(H2 )に対する前記水(H2
    O)の割合が0.5以上である混合ガスで、前記被処理
    基体上に形成される薄膜がダイヤモンドの薄膜であるこ
    とを特徴とするラジカル制御による薄膜形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の薄膜形成方法において、
    前記水素(H2 )または前記水(H2 O)の含有に代え
    て、フッ素を含有するガス、塩素を含有するガス、過酸
    化水素(H2 2 )ガスおよびオゾン(O3 )ガスより
    なる群から選択されたガスを含有するようにしたことを
    特徴とするラジカル制御による薄膜形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の薄膜形成方法において、
    前記第1の物質はシラン(SiH4 )またはジシラン
    (Si2 6 )で、前記第2の物質は水素(H2 )、塩
    素(Cl2 )、フッ素(F2 )および塩素またはフッ素
    を含有するガスよりなる群から選択されたガスで、前記
    被処理基体上に形成される薄膜が非晶質シリコン膜、微
    結晶シリコン膜および多結晶シリコン膜のいずれか1種
    であることを特徴とするラジカル制御による薄膜形成方
    法。
  5. 【請求項5】 真空容器内に導入された反応性ガスであ
    る第1の物質のプラズマを形成するとともに、反応性ガ
    ス、固体材料および液体材料のいずれか1種またはそれ
    らの組み合わせである第2の物質を前記プラズマの外部
    において分解させて密度および/または組成が制御され
    たラジカルを発生させ、該発生したラジカルを前記プラ
    ズマ中に注入することにより、該プラズマ中に配置され
    た被処理基体を微細加工するようにしたことを特徴とす
    るラジカル制御による微細加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の微細加工方法において、
    前記第1および第2の物質は、フルオロカーボンガス、
    少なくとも塩素またはフッ素を含むハロゲンガス、また
    は少なくとも水素原子を含むガスであり、前記第2の物
    質を分解することにより発生させたラジカルは、水素、
    炭素、塩素、フッ素、臭素、珪素、酸素および窒素のう
    ち少なくともいずれか1つを含んでなるラジカルである
    ことを特徴とするラジカル制御による微細加工方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項記載の薄
    膜形成方法または微細加工方法において、前記第1の物
    質のプラズマは、該物質にマイクロ波、UHF波、VH
    F波、RF波および直流のいずれかを印加しまたは電子
    線の照射を行うことにより形成されたものであることを
    特徴とするラジカル制御による薄膜形成方法または微細
    加工方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項記載の薄
    膜形成方法または微細加工方法において、前記第2の物
    質はプラズマ、光照射、熱、電子照射、触媒および粒子
    衝突のいずれかの作用により分解され、ラジカルを発生
    するようにしたことを特徴とするラジカル制御による薄
    膜形成方法または微細加工方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の薄膜形成方法または微細
    加工方法において、前記第2の物質がプラズマにより分
    解されるとき、該プラズマは前記第2の物質にマイクロ
    波、UHF波、VHF波、RF波および直流のいずれか
    を印加しまたは電子線の照射を行うことにより形成され
    たものであることを特徴とするラジカル制御による薄膜
    形成方法または微細加工方法。
  10. 【請求項10】 プラズマ放電機構を含んでなる真空容
    器と、該真空容器に接続された真空排気装置と、前記真
    空容器に接続され、プラズマ発生機構、光照射機構、加
    熱機構、電子照射機構、触媒機構および粒子衝突機構の
    いずれかからなるラジカル発生機構を含んで密度および
    /または組成が制御されたラジカルを発生するラジカル
    発生室とを少なくとも具え、前記ラジカル発生室におい
    て、該室に供給された反応性ガス、固体材料および液体
    材料のいずれか1種またはそれらの組み合わせである原
    料物質を前記ラジカル発生機構により分解し、該原料物
    質の分解によって生じる密度および/または組成の制御
    が行われたラジカルを前記真空容器に輸送し、前記プラ
    ズマ放電機構で発生させたプラズマ中に注入し得るよう
    に構成されていることを特徴とするラジカル制御による
    薄膜形成装置または微細加工装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の薄膜形成装置または
    微細加工装置において、前記プラズマ放電機構には、マ
    イクロ波、UHF波、VHF波、RF波、直流および電
    子線のいずれかの発生電源が接続されていることを特徴
    とするラジカル制御による薄膜形成装置または微細加工
    装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の薄膜形成装置または
    微細加工装置において、前記ラジカル発生機構を構成す
    るプラズマ発生機構は、マイクロ波、UHF波、VHF
    波、RF波および直流のいずれかの印加または電子線の
    照射によってプラズマを発生するように構成されている
    ことを特徴とするラジカル制御による薄膜形成装置また
    は微細加工装置。
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