JP2764524B2 - ラジカルの制御装置 - Google Patents

ラジカルの制御装置

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JP2764524B2
JP2764524B2 JP5241487A JP24148793A JP2764524B2 JP 2764524 B2 JP2764524 B2 JP 2764524B2 JP 5241487 A JP5241487 A JP 5241487A JP 24148793 A JP24148793 A JP 24148793A JP 2764524 B2 JP2764524 B2 JP 2764524B2
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discharge chamber
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラジカルの密度および
組成を高精度に制御する装置に関するものであり、薄膜
電子デバイスの製造および新素材の創製、開発プロセス
に用いられるラジカル制御装置を提供するにある。本発
明を利用できる分野は、プラズマを用いたCVD、ドラ
イエッチング装置およびラジカルビーム、ラジカルCV
D・エッチング装置等である。
【0002】
【従来の技術】プラズマを用いた薄膜形成および材料加
工プロセスは、LSIをはじめとする薄膜電子デバイス
の製造および新素材の創製などに必要不可欠の技術であ
る。これらのプロセスでは、ラジカルが重要な役割を果
たしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラズ
マを用いた薄膜形成および材料加工プロセスにおいて、
ラジカルは極めて重要な役割を果たしているが、ラジカ
ルの密度や組成を高精度で制御することは不可能であっ
た。したがって、所望する材料薄膜の形成や加工を実現
することは困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述のプラズ
マを用いた薄膜形成および材料加工プロセスにおけるプ
ラズマ中のラジカルの密度および組成を測定し、これに
基づいてプラズマ放電用電源の電力をパルス変調するデ
ューティ比を制御して、ラジカルの密度および組成を高
精度で制御する装置を提供するものである。
【0005】本発明の特徴とする所は、デューティ比を
変えられる第1のパルス発生装置を具備した第1のプラ
ズマ放電用電源と、第1のガス導入口とが接続されたプ
ラズマ放電室と、このプラズマ放電室に接続され第2の
ガス導入口を設けた真空容器と、プラズマ放電室より放
出されるプラズマに対向するよう前記真空容器内に配置
される被処理基板を支持する第2の電極と、この第2の
電極に接続されデューティ比を変えられる第2のパルス
発生装置を具備した第2のプラズマ放電用電源とを具
え、前記第1および第2のプラズマ放電用電源の何れか
一方または双方によって形成されるプラズマにより反応
性ガスを分解してラジカルを生成する手段と、このラジ
カルの密度および組成を測定する手段と、前記第1およ
び第2のプラズマ放電用電源の何れか一方または双方の
電力を前記第1および第2のパルス発生装置の何れか一
方または双方により一定の周期にてパルス変調する手段
と、該パルス変調のデューティ比を変化させることによ
りラジカルの密度および組成を制御する手段とを具備し
たラジカルの制御装置にある。
【0006】本発明によるラジカルの制御装置の好適な
実施例においては、前記プラズマ放電用真空容器に接続
されたプラズマ放電室と、該プラズマ放電室に接続され
たガス導入口とを設ける。また、前記プラズマ放電用真
空容器とプラズマ放電室との間に、プラズマ放電室にお
いてプラズマから発生されるイオン、電子等の荷電粒子
を除去するメッシュ状の第2電極を設ける。上述したラ
ジカルの密度および組成の測定は、前記プラズマ放電用
真空容器に設置した赤外半導体レーザ吸収分光装置で行
なうことができる。さらに、前記第1および第2のプラ
ズマ放電用電源は、高周波電源あるいは直流電源あるい
はマイクロ波電源あるいは電子ビーム発生用電源とする
のが好適である。
【0007】本発明によるラジカルの制御装置を用いて
ラジカルの制御を行なう際の反応性ガスとしては、フル
オロカーボンガスあるいは少くともシリコン原子および
水素原子を含有する水素化シリコンガスあるいは少くと
も炭素原子および水素原子を含有する水素化炭素ガスあ
るいはハロゲンガスを使用することができる。また、後
述する実施例で説明するように、第1のプラズマ放電用
電源をマイクロ波電源とし、第2のプラズマ放電用電源
を高周波電源とし、第1のパルス発生装置によってマイ
クロ波電源をパルス変調し、このパルス変調のデューテ
ィ比をラジカルの密度および組成の測定データに基づい
て制御し、一方高周波電源は、動作させなかったり(実
施例1)、連続的に動作させたり(実施例2および3)
することができる。もちろん、第1のパルス発生装置に
よってマイクロ波電源をパルス変調するともに第2のパ
ルス発生装置によって高周波電源をパルス変調すること
もできる。また、第2のパルス発生装置によって高周波
電源のみをパルス変調することもできる。
【0008】 〔構成〕 図1に本発明を適用したECRプラズマ処理装置の構成
の一例を示す。同図中、1は、反応室を形成するプラズ
マ放電用真空容器であり、該真空容器1の上部には、E
CR放電を発生するプラズマ放電用放電室2が連結され
ている。プラズマ放電用放電室2には、例えば2.45GH
zのマイクロ波を導入するための導波管3が設けられ、
これによりマイクロ波電源4に接続されている。マイク
ロ波電源4は、パルス発生装置5に接続され、これによ
りその出力はパルス状波形から連続波形まで任意に制御
可能である。また、例えばHe等の不活性ガスおよび三
フッ化メタン(CHF3 )等の反応性ガス(A)を導入
するための第1の導入口6がプラズマ放電用放電室2に
取り付けられている。7はプラズマ放電用放電室2の外
壁を水冷するために設けられた冷却機構であり、冷却機
構7の外側には、磁気コイル8がプラズマ放電用放電室
2を取囲んで取り付けられている。プラズマ放電用放電
室2においてマイクロ波で放電が生起し、その放電中で
電子がサイクロトロン運動するように磁気コイル8によ
り、例えば875 ガウス程度の磁界が与えられて高密度の
プラズマが生成される。
【0009】一方、真空容器1の内部には、試料ホルダ
ーとしての電極9が設置され、この電極9上に被処理基
板10としてのウエハー等が載置されている。電極9に
は、マッチング回路11を介してバイアス用高周波電力印
加用の高周波電源12が接続されている。高周波電源12
は、パルス発生装置13が接続され、これにより出力はパ
ルス状波形から連続波形まで任意に制御可能であるよう
構成する。従って、この電極9には、上記高周波の印加
によりマイナス数10〜マイナス300 V程度のバイアスが
生じる。14は、電極9内部を通じて設けられ被処理基板
10を冷却するための冷却水冷管である。また、真空容器
1には、例えばHe等の不活性ガスおよび三フッ化メタ
ン(CHF3 )等の反応性ガス(B)を導入するための
第2の導入口15が取り付けられるとともに、真空排気装
置17に通じる排気管16が接続されている。各導入口6,
15から原料ガスが一定量導入されるとともに、真空排気
装置17で排気されてプラズマ放電用真空容器1およびプ
ラズマ放電用放電室2内は、所定のガス圧力に保たれ
る。
【0010】プラズマ放電用放電室2に導入された三フ
ッ化メタン(CHF3 )は、プラズマPになり、F,C
F,CF2 ,CF3 等のラジカルRが発生する。このプ
ラズマPは、プラズマ放電用放電室2から真空容器1内
に延びている。プラズマPから発生したラジカルRは、
被処理基板10上で重合し、ポリマー薄膜が成長する。一
方、被処理基板10に高周波電源12より高周波出力を印加
するとこの高周波により被処理基板10表面には、セルフ
バイアス電圧が誘起され、このバイアス電圧によりプラ
ズマからイオンが引き出されて被処理基板10が衝撃され
る。イオン衝撃により被処理基板10のエッチングが生じ
る。また、高周波電源12の出力を適宜調整することによ
り、被処理基板10表面に高周波印加によるプラズマの発
生も可能である。
【0011】マイクロ波電源4から発生するマイクロ波
出力をパルス発生装置5にて変調し、あるいは、高周波
電源12から発生する高周波出力をパルス発生装置13によ
り変調し、あるいはマイクロ波出力および高周波出力の
印加を時間分割し、適宜組み合わせることにより、真空
容器1内におけるラジカルRの密度および組成を制御す
ることが可能である。
【0012】なお、第2反応性ガス導入口15を設ける理
由は、例えば、図1において第1の反応性ガスAは、そ
のガス導入口6よりプラズマ放電用放電室2に直接導入
される。放電室2においては、マイクロ波で放電が生起
し高密度のプラズマが生ずる。プラズマは磁場8により
電極9の方向に拡散する。プラズマの密度および電子温
度も、プラズマ放電用放電室2から電極9に向って次第
に減衰する。
【0013】従って、第1反応性ガスAは、まず、高密
度のプラズマの放電室2に導入されるため、ガスの分解
率も高く、ガスは低次の原子に至るまで分解が生ずる。
【0014】一方、第2のガス導入口15に供給される第
2の反応性ガスBは、第2反応性ガス導入口15よりプラ
ズマ放電用放電室2の下部から真空容器1に導入され
る。上述の如く第2の反応性ガス導入口15は、高密度プ
ラズマから拡散したプラズマに接触する。この領域のプ
ラズマはプラズマ放電用放電室2におけるプラズマに比
べ電子温度が低く(即ち低エネルギー)なっていること
が特徴である。
【0015】従って、第2の反応性ガス導入口15から第
2の反応性ガスを導入した場合、第2の反応性ガスの分
解は、第1の反応性ガスの分解に比べ若干低いマイルド
なものとなる。
【0016】このようにエネルギーの異なるプラズマ
(電子温度が異なるプラズマ)に対してガスを選択し、
適宜第1の反応性ガス導入口6又は第2の反応性ガス導
入口15からガスをそれぞれ導入することにより、種々の
反応を選択的に生じさせることが可能となる。
【0017】本発明において、第2反応性ガスとしてど
のようなガスを真空容器1に導入し、どのような反応を
させることを意図しているのかについては、実施例1〜
3において、第1の反応性ガスとしてCHF3 およびC
HF3 /He等不活性ガスを導入する。本質的には実施
例1および実施例2においては、第1のガス導入口6の
かわりに第2のガス導入口15よりCHF3 およびCHF
3 とHeとの混合物等を導入しても大体同様の効果が期
待される。又、第2のガス導入口15からガス導入した方
が分解解離が抑制されるので、ガスの選択によってはラ
ジカルの組成が第1のガス導入口6から導入した場合と
異なってくる。
【0018】次に下記のプロセスでは第1のガス導入口
6と第2のガス導入口15とで種々の変化が生ずる。第1
のガス導入口6からは、例えば不活性ガス(He,N
e,Ar,Xe,Kr)あるいはH2 を導入し、第2の
導入口15からCHF3 等の反応性ガスを導入することも
可能である。
【0019】まず、第1のガス導入口6からCHF3
導入するとガスの高い分解より、図1に示すようにマイ
クロ波導入口3A(図中矢印で示されるマイクロ波の直
下)がCHF3 の分解より生じたラジカル等により、堆
積膜が付着し汚損する。この汚損が大きくなると、マイ
クロ波導入の効率が低下し、放電が不安定となる。
【0020】一方、第1の導入口6より不活性ガスある
いはH2 を導入するとこれらのガス(A)の流下によ
り、第2のガス導入口15より導入したCHF3 (ガス
B)がプラズマ放電用放電室2へ導入されないため、マ
イクロ波導入口3Aの汚染は生じない。
【0021】又、第1のガス導入口6より導入された不
活性ガスあるいはH2 が電子温度の高いプラズマにより
分解されHe,Ar,Ne,Xe,KrのイオンやHe
* ,Ar* ,Ne* ,Xe* ,Kr* の準安定原子が生
ずる。又H2 よりはH原子が生ずる。
【0022】したがって、第2のガス導入口15より導入
されたCHF3 (ガス(B))は、比較的電子温度の低
いプラズマによりマイルドに分解されるとともに寿命の
長い準安定原子(He* ,Ne* ,Ar* ,Kr* ,X
* )あるいはH原子とCHF3 との反応が支配的にな
る。後者のような他の原子との衝突反応の割合が大きく
なって来るとプラズマにより分解されるものとは反応が
大きく変化し、生じるラジカルの密度、組成も変化する
ことになる。
【0023】さらに、実施例3(図5参照)のように、
メッシュ等により形成された第2の電極18をプラズマ放
電用放電室2の出口側の窓19に挿入し、第1のガス導入
口6より不活性ガス、第2のガス導入口15より反応性ガ
ス(CHF3 )を導入すると、電極18にてプラズマおよ
びイオンが除去されるので真空容器1の電極9へは、不
活性ガスの分解により生じたHe* ,Ne* ,Ar*
Kr* ,Xe* の寿命の長い準安定原子およびこの準安
定原子とCHF3 ガスとの反応により生成したラジカル
が電極9に導入される。このときCHF3 は、プラズマ
により分解されたのではなく、準安定原子との衝突によ
り分解が生じているため、生成されるラジカル特性も変
化する。
【0024】この場合も、プラズマのオン・オフデュー
ティ比を変化させることにより準安定原子の時間的密度
が変化するのでCHF3 が分解し、生じたラジカルの組
成も変化し、上述のような制御が可能となる。
【0025】最後にH2 は容易に分解が生ぜず高いエネ
ルギー(高い電子温度)が必要となる。したがって、H
2 をガス導入口6より導入することにより効率的にH原
子を形成させ、H原子とガス導入口6又はガス導入口15
より導入したCHF3 ガスとの反応によりラジカルの組
成等を制御することも可能となる。
【0026】以上により、ガス導入口6又はガス導入口
15にどのようなガスを導入するかは、プロセスに応じ適
宜選択することが可能である。
【0027】
【実施例】〔実施例1〕 次に、第1の実施例として図1に示すECRプラズマ処
理装置を用いたフルオロカーボン薄膜の堆積方法に係わ
るラジカル制御方法を説明する。まず、図1に示す装置
のプラズマ放電用放電室2に三フッ化メタン(CH
3)を導入し、CHF3 の圧力を0.4 Paに保つ。マ
イクロ波は、マイクロ波入力電力300 W、流量5.0 sc
cm、周期100 msecとし、パルス発生装置5によりマイ
クロ波電源4の出力のデューテイー比を15〜100 %(連
続)まで変化させ、プラズマのオン・オフ変調を行っ
た。この場合、被処理基板10にSi基板を使用し、高周
波の印加は行わなかった。ON期間とOFF期間の和は
100 msecで一定とした。
【0028】真空容器1に設置した赤外半導体レーザ吸
収分光装置(図示省略)を用いて、被処理基板10の2cm
上部におけるCF,CF2 ,CF3 のそれぞれのラジカ
ル密度を測定した。
【0029】図2および図3に本発明を適用して得られ
た結果の例を示す。図2よりCF,CF2 ,CF3 ラジ
カル密度は連続放電よりもオン・オフ放電をさせること
により増加することが分かる。CF3 ラジカルは、オン
期間の増加とともに僅かに増加するがオン期間70 msec
以上では次第に減少する。すなわち、ON−OFF期間
の変化に対して密度の変化は小さく、連続放電では密度
がわずかに小さくなる傾向が観測された。一方、C
2 ,CFラジカルはON期間が15 msec の時の密度は
連続放電の時に比べそれぞれ3倍、4倍大きいことが分
かった。オン期間の増加とともに急速に減少し、オン期
間50 msec 以上で飽和する。これより、デューティ比を
変化させることによりECRプラズマ中のラジカル密度
および組成を制御することが可能であることが分かっ
た。
【0030】図3は、SiおよびSiO2 上に堆積した
フルオロカーボン膜のオン・オフ変調デューティ比依存
性を示している。プラズマ処理時間は、120 分である。
SiおよびSiO2 の基板の相違において、堆積膜厚の
変化は、観測されなかった。堆積したフルオロカーボン
膜厚は、デューティ比とともにに増加する。一方、堆積
速度(堆積したフルオロカーボンの膜厚/(放電時間12
0 分×デューティ比))は、デューティ比とともに減少
することが分かった。堆積速度とCF2 ,CFラジカル
密度の間には、相関関係があり、デューティ比を変化さ
せることにより、プラズマ中のラジカルと堆積速度の膜
厚制御が可能となる。
【0031】〔実施例2〕 次に、第2の実施例として上述のECRプラズマ処理装
置を用いたエッチング方法に係わるラジカル制御方法を
説明する。まず、プラズマ放電用放電室2に三フッ化メ
タン(CHF3 )を導入し、圧力0.4 Paに保つ。マイ
クロ波は、周期100 msecとし、パルス発生装置5により
マイクロ波電源4の出力を時間分割し、マイクロ波パワ
ー400 Wと100 Wにて、デューティ比を1〜100 %(連
続)まで変化させ、マイクロ波パワーの変調を行った。
この場合、被処理基板10として、SiO2 上に適当なエ
ッチングパターンを形成したものを用いた。被処理基板
10に13.56 MHzの高調波を印加し、バイアス100 Vの
電圧を被処理基板10の表面に印加した。この場合、実施
例1と同様、真空容器1に設置した赤外半導体レーザ吸
収分光装置(図示省略)を用いて、被処理基板10の2cm
上部におけるCF,CF2 ,CF3 ラジカル密度を測定
した。CF,CF2 , CF3 ラジカルは、実施例1に
おいて、図2に示したものと良く似た挙動をすることが
分かった。
【0032】図4に本発明を適用して得られたエッチン
グ結果の例を示す。すなわち、図4は、SiO2 のエッ
チング速度と加工形状の関係を示している。この場合の
プラズマ処理時間は5分である。エッチング速度は、デ
ューティ比とともに増加する。一方、加工形状は、デュ
ーティ比とともに垂直形状となることが分かる。これよ
り、デューティ比を変化させることにより、プラズマ中
のラジカルとエッチング形状の制御が可能となる。
【0033】〔実施例3〕 次に、実施例3としてラジカルビーム装置を用いたエッ
チング方法に係わるラジカル制御方法を説明する。図5
は実施例3に用いたラジカルビーム装置である。図5に
おいて、図1に示したものと同一部分は同一符号を付し
その説明を省略する。図5に示したECRプラズマ処理
装置において、真空容器1とプラズマ放電用放電室2と
の間にメッシュにより形成された第2の電極18を挿入し
た。第2の電極18は、適当な正および負のバイアスを印
加することにより、プラズマ放電用放電室2においてプ
ラズマから発生したイオンや電子等の荷電粒子を除去
し、真空容器1へ、ラジカルのみを導くことが可能であ
る。
【0034】まず、本例においては、実施例2と同様
に、プラズマ放電用放電室2に三フッ化メタン(CHF
3 )を導入し、圧力0.4 Paに保つ。マイクロ波は、周
期100msecとし、マイクロ波パワーを時間分割し、400
Wと100 Wを交互に導入した。パルス発生装置5により
マイクロ波電源4の出力をデューティ比を15〜100 %
(連続)まで変化させ、プラズマのパワー変調を行っ
た。この場合、被処理基板10として、SiO2 を用い
た。被処理基板10に13.56 MHzの高周波を印加し、高
周波電力500 Wにて高調波放電を形成し、プラズマを生
成した。これにより、バイアス200 Vの電圧が被処理基
板10の表面に印加される。また、高周波の印加は、パル
ス発生装置13によるパルスの変調を行わないで連続とし
た。
【0035】本例においては、実施例1と同様、真空容
器1に設置した赤外半導体レーザ吸収分光装置(図示省
略)を用いて、被処理基板10の2cm上部におけるCF,
CF2 ,CF3 ラジカル密度を測定した。CF,C
2 ,CF3 ラジカルのデューティ比依存性は、図2に
示す実施例1の結果と同様であった。これより、ラジカ
ル組成を任意に可変可能なラジカルビームの形成が可能
であることが分かる。
【0036】すなわち、図6に本発明を適用して得られ
たエッチング結果の例を示す。すなわち、図6は、Si
2 のエッチング速度と加工形状の関係を示している。
プラズマ処理時間は5分である。エッチング速度は、デ
ューティ比とともに増加する。一方、加工形状は、図6
(B)に示すようにデューティ比とともに垂直形状とな
ることが分かる。これより、デューティ比を変化させる
ことにより、プラズマ中のラジカルとエッチング形状の
制御が可能となることが判った。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、第1のパルス発生装置
5を有する第1のプラズマ放電用マイクロ波電源4およ
び第2のパルス発生装置13を有する第2のプラズマ放電
用電源12を設け、プラズマから生じるラジカルの密度お
よび組成を測定し、この測定結果に基づいて、前記第1
および第2のパルス発生装置5,12の何れか一方または
双方におけるパルス変調のデューティ比を制御すること
によってラジカルの密度および組成を制御するようにし
たので、ラジカルの密度および組成を高精度で制御可能
となる。したがって、プラズマによって反応性ガスを分
解して生成されるラジカルを用いるプラズマCVD装置
やプラズマエッチング装置において、ラジカルを高精度
に制御しながら高品質の薄膜を形成したり、高精度の微
細加工が可能となる。例えば、非晶質シリコン薄膜およ
び微結晶シリコン薄膜、ダイヤモンド薄膜、シリコン化
合物などの形成を行なうプラズマCVD装置や、フルオ
ロカーボンガスやハロゲンガスを反応性ガスとして用
い、容量結合あるいは誘導結合型で高周波を印加して得
られるプラズマエッチング装置あるいはマイクロ波によ
りプラズマを生成するプラズマエッチング装置などのド
ライエッチング装置への適用が可能である。
【0038】上述したように本発明によれば、ラジカル
を高精度に制御したプラズマCVD装置およびプラズマ
エッチング装置や、ラジカルの組成を任意に可変可能な
ラジカルビーム装置を提供することができ、工業上大な
る効果がある。特に、第1のパルス発生装置5を有する
第1のプラズマ放電用マイクロ波電源4および第2のパ
ルス発生装置13を有する第2のプラズマ放電用電源12を
設け、これら第1および第2のパルス発生装置5,13の
何れか一方または双方によるパルス変調のデューティ比
を、ラジカルの密度および組成の測定結果に基づいて制
御するようにしたので、所望の処理に応じた最適のラジ
カル制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の装置の実施の一例を示す装置の
構成を示す略図である。
【図2】図2は本発明装置を用いて実施例1で測定した
ラジカル密度とオン−オフ周期との関係を示す特性図で
ある。
【図3】図3は本発明装置を用い実施例1で測定したポ
リマー厚さとオン−オフ周期との関係を示す特性図であ
る。
【図4】図4(A)は本発明装置を用い実施例2で測定
したエッチング率と、周期およびテーパー角との関係を
示す特性図であり、図4(B)は本発明装置を用い実施
例2で測定したエッチング率と、周期およびテーパー角
との関係を示す特性図である。
【図5】図5は本発明装置の実施の他の一例を示す装置
の構成を示す略図である。
【図6】図6(A)は本発明装置を使用し実施例3で測
定したエッチング率と周期との関係を示す特性図であ
り、図6(B)は本発明装置を使用し実施例3で測定し
たエッチング率と周期との関係を断面を以って示した説
明図である。
【符号の説明】
1 プラズマ放電用真空容器 2 プラズマ放電用放電室 3 導波管 3A マイクロ波導入口 4 マイクロ波電源 5 パルス発生装置 6 第1反応性ガス導入口 7 水冷却機構 8 磁気コイル 9 第1電極 10 被処理基板 11 高周波マッチング回路 12 高周波電源 13 パルス発生装置 14 冷却水冷管 15 第2反応性ガス導入口 16 排気管 17 真空排気装置 18 メッシュ状第2電極 19 窓 P プラズマ R ラジカル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/365 H05H 1/00 A H05H 1/00 1/46 A 1/46 C H01L 21/302 A (56)参考文献 特開 平6−267900(JP,A) 特開 平1−149965(JP,A) 特開 平5−51753(JP,A) 特開 平1−259184(JP,A) 特開 平3−259512(JP,A) 特開 平3−359515(JP,A) プラズマ研究会資料、「赤外レーザー 吸収法によるパルスSiH4/H2放電 中のSiH3(X2A1)ラジカル密度 の計測」、社団法人電気学会、1988年8 月、P.75−84

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デューティ比を変えられる第1のパルス
    発生装置を具備した第1のプラズマ放電用電源と、第1
    のガス導入口とが接続されたプラズマ放電室と、このプ
    ラズマ放電室に接続され第2のガス導入口を設けた真空
    容器と、プラズマ放電室より放出されるプラズマに対向
    するよう前記真空容器内に配置される被処理基板を支持
    する第2の電極と、この第2の電極に接続されデューテ
    ィ比を変えられる第2のパルス発生装置を具備した第2
    のプラズマ放電用電源とを具え、前記第1および第2の
    プラズマ放電用電源の何れか一方または双方によって形
    成されるプラズマにより反応性ガスを分解してラジカル
    を生成する手段と、このラジカルの密度および組成を測
    定する手段と、前記第1および第2のプラズマ放電用電
    源の何れか一方または双方の電力を前記第1および第2
    のパルス発生装置の何れか一方または双方により一定の
    周期にてパルス変調する手段と、該パルス変調のデュー
    ティ比を変化させることによりラジカルの密度および組
    成を制御する手段とを具備したことを特徴とするラジカ
    ルの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記プラズマ放電用真空容器1とプラズ
    マ放電用放電室2との間の、プラズマ放電室の出口側窓
    19においてプラズマから発生される荷電粒子を除去する
    メッシュ状の第2電極18を設けたことを特徴とする請求
    項1記載のラジカルの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ放電用真空容器1に、前記
    ラジカルの密度を測定する赤外半導体レーザ吸収分光装
    置を設置したことを特徴とする請求項1記載のラジカル
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2のプラズマ放電用電
    源を、高周波電源12あるいは直流電源あるいはマイクロ
    波電源4あるいは電子ビーム発生用電源としたことを特
    徴とする請求項1記載のラジカルの制御装置。
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プラズマ研究会資料、「赤外レーザー吸収法によるパルスSiH4/H2放電中のSiH3(X2A1)ラジカル密度の計測」、社団法人電気学会、1988年8月、P.75−84

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