JP3062589B2 - ラジカル制御による薄膜形成方法 - Google Patents

ラジカル制御による薄膜形成方法

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JP3062589B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマ中に特定のラ
ジカルを注入すること(ラジカル制御)により機能性材
料薄膜の形成を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマを用いた機能性材料薄膜の形成
は、LSIをはじめとする薄膜電子デバイスの製造、新
素材の創製などに必要不可欠の技術である。この薄膜の
形成では、プラズマ中に適当な反応性ガスを導入し、ガ
スの分解あるいは励起により生成されるイオンやラジカ
ルと被処理基体との反応により所望薄膜の形成が行われ
る。ここでラジカルは、これらのプロセスの実現におい
て極めて重要な役割を果たしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、プラズ
マを用いた機能性材料薄膜の形成、新素材の創製におい
て、ラジカルは極めて重要な役割を果たしているが、ラ
ジカルの密度や組成は、従来用いるガスの種類と圧力、
印加電力、プロセス容器の大きさ、材質などの外部パラ
メーターで決定されている。また、ラジカルは電気的に
中性であるため、その制御はきわめて困難である。
【0004】従って、このような外部パラメーターの変
化では、機能性材料薄膜の形成、新素材の創製において
重要な役割を果たす特定のラジカルのみの密度をプラズ
マ中で飛躍的に向上させたり、所望のラジカルの密度や
組成を高精度に制御することは不可能であり、従って、
所望の機能性材料薄膜の形成、新素材の創製の飛躍的向
上を期待することは困難であった。
【0005】さらに、機能性材料薄膜の形成、新素材の
創製においては、複数のガスを使用し、これらのガスの
分解により、ラジカルが生成される。ラジカルは、各ガ
スから生じるラジカルの生成断面積がエネルギー依存性
を有しているため、用いるプラズマのエネルギー範囲内
で、複数のガスの分解により所望のラジカルの密度、組
成を得ることは、不可能であった。
【0006】本発明の目的は、従来得ることが不可能で
あった機能性材料や高品質薄膜材料を形成するラジカル
制御による薄膜形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明ラジカル制御による薄膜形成方法は、真空容
器内に導入された反応性ガスである第1の物質のプラズ
マを形成するとともに、反応性ガス、固体材料および液
体材料のいずれか1種またはそれらの組み合わせである
第2の物質を前記プラズマの外部において分解させて密
度および/または組成が制御されたラジカルを発生さ
せ、該発生したラジカルを前記プラズマ中に注入するこ
とにより、該プラズマ中に配置された被処理基体上に薄
膜を形成する薄膜形成方法において、前記第1の物質は
少なくとも炭素を含む反応性ガスで、前記第2の物質
は、少なくとも水素(H2 )と水(H2 O)を含有し、
前記水素(H2 )に対する前記水(H2 O)の割合が
0.5以上である混合ガスで、前記被処理基体上に形成
される薄膜がダイヤモンドの薄膜であることを特徴とす
るものである。
【0008】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
方法は、前記水素(H2 )または前記水(H2 O)の含
有に代えて、フッ素を含有するガス、塩素を含有するガ
ス、過酸化水素(H22 )ガスおよびオゾン(O3
ガスよりなる群から選択されたガスを含有するようにし
たことを特徴とするものである。
【0009】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
方法は、前記第1の物質のプラズマが、該物質にマイク
ロ波、UHF波、VHF波、RF波および直流のいずれ
かを印加しまたは電子線の照射を行うことにより形成さ
れたものであることを特徴とするものである。上記にお
いては、周知のように、マイクロ波は1GHz程度以上
の、UHF波は300〜3000MHz(1000MH
z=1Gz)の、VHF波は30〜300MHzの、R
F波は3〜30MHzの高周波をそれぞれ指すものとす
る。
【0010】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
方法は、前記第2の物質がプラズマ、光照射、熱、電子
照射、触媒および粒子衝突のいずれかの作用により分解
され、ラジカルを発生するようにしたことを特徴とする
ものである。
【0011】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
方法は、前記第2の物質がプラズマにより分解されると
き、該プラズマは前記第2の物質にマイクロ波、UHF
波、VHF波、RF波および直流のいずれかを印加しま
たは電子線の照射を行うことにより形成されたものであ
ることを特徴とするものである。
【0012】また、本発明ラジカル制御による薄膜形成
方法は、真空容器内に導入された反応性ガスである第1
の物質のプラズマを形成するとともに、反応性ガス、固
体材料および液体材料のいずれか1種またはそれらの組
み合わせである第2の物質を前記プラズマの外部におい
て分解させて密度および/または組成が制御されたラジ
カルを発生させ、該発生したラジカルを前記プラズマ中
に注入することにより、該プラズマ中に配置された被処
理基体上に薄膜を形成する薄膜形成方法において、前記
第1の物質はシラン(SiH4 )またはジシラン(Si
26 )で、前記第2の物質は塩素(Cl2 )、フッ素
(F2 )および塩素またはフッ素を含有するガスよりな
る群から選択されたガスで、前記被処理基体上に形成さ
れる薄膜が非晶質シリコン膜、微結晶シリコン膜および
多結晶シリコン膜のいずれか1種であることを特徴とす
るものである。
【0013】
【実施例】以下に添付図面を参照し、第1から第2まで
の具体例により本発明を詳細に説明する。 1.第1の具体例 図1は、本発明ラジカル制御による薄膜形成方法の第1
の具体例に使用する薄膜形成装置の一例を示し、特にダ
イヤモンド薄膜を形成するためのプラズマCVD装置と
して構成している。
【0014】図1において、101は真空容器、102
は高周波電源、103はマッチング機構、104は上部
電極、105は下部電極、106はヒーター、107は
被処理基体、108は真空排気装置に通じる排気口、1
09はプラズマ、110はガス導入口、111はバイア
ス電源をそれぞれ示している。また、同図において、プ
ラズマ109中にラジカルを注入する機構として、11
2はラジカル発生管、113はガス導入口、114はラ
ジカル発生機構、115はプラズマ、116はラジカ
ル、117はラジカルスリットをそれぞれ示している。
【0015】以下においては、薄膜形成装置を使用し、
被処理基体107上にダイヤモンドの薄膜が形成される
に至るまでの経緯、膜の形成機構(形成されるメカニズ
ム)などについてまず説明し、その後で詳細な実験結果
および実験データ等について述べる。
【0016】本発明者らは、上記装置(図1)の被処理
基体(Si基板)107上にダイヤモンド薄膜を堆積さ
せるために種々の実験を重ねた結果、次に示すような事
実を発見した。図1に示すような上部電極104および
下部電極105からなる平行平板電極を有する真空容器
内にメタン(CH4 )ガス、水素(H2 )ガス、および
水(H2 O)の混合気体をガス導入口110から導入
し、平行平板電極に高周波(RF波)を印加してプラズ
マを形成させた後、混合気体のガスの割合を種々に変化
させるとともに、圧力、高周波電力を変化させながら、
基板温度600℃のSi基板上に薄膜の形成を行った。
このとき、基板には、+数十Vの電圧を印加した。種々
の条件下で形成された薄膜を評価したところ、炭素水素
を含有する薄膜が形成されたが、ダイヤモンド薄膜は堆
積されなかった。
【0017】そこで、ガス導入口110からメタン(C
4 )を導入し、ラジカル発生管112におけるガス導
入口113から水素(H2 )を導入し、ラジカル発生機
構114により、水素(H2 )を分解して得られたHラ
ジカルを平行平板電極間に形成されるプラズマ中に導入
したところ、粒径約2000A程度のダイヤモンド膜の
核成長が観察された。しかし、圧力、高周波電力、メタ
ン(CH4 )と水素(H2 )ガス比を種々に変化させた
ところ、形成されるダイヤモンドの核の大きさは、変化
するものの完全なダイヤモンド膜の形成には、至らなか
った。
【0018】次に、ラジカル発生管112におけるガス
導入口113から水素(H2 )に加え水(H2 O)を添
加したところ、形成された薄膜の非ダイヤモンド成分が
徐々に減少し、水素(H2 )に対する水(H2 O)の比
が0.5以上では、非ダイヤモンド成分が大幅になくな
り、ダイヤモンド膜が形成されることが判明した。
【0019】このように、従来からの平行平板電極に高
周波(RF波)を印加して得られる電子密度1010/c
3 以下のプラズマにおいては、ダイヤモンド膜の形成
は不可能であったが、ダイヤモンド膜の形成に有効なラ
ジカルを選択的に導入することにより、上記装置におい
て、ダイヤモンド膜の形成が可能となった。
【0020】このダイヤモンド膜の形成機構を調べるた
めに、気相中のラジカルを発光分光法およびレーザー分
光法を用いて調べたところ、H,OH,CH3 ラジカル
が検出された。さらに、あらかじめ、ダイヤモンド膜と
非ダイヤモンド膜を生成させ、メタン(CH4 )ガスを
ガス導入口110から導入しないで、水素(H2 )に対
する水(H2 O)の比を変化させて、平行平板電極にプ
ラズマを形成させて、上述と同一条件下で、ダイヤモン
ド膜と非ダイヤモンド膜のエッチング特性を調べたとこ
ろ、水素(H2 )に対する水(H2 O)の比が0.5以
上でダイヤモンドに対する非ダイヤモンド成分のエッチ
ング選択比が向上することが判明した。すなわち、Hあ
るいはOHラジカルがダイヤモンド膜の成長を促進する
とともに、非ダイヤモンドの成分を効率良く除去する作
用により、ダイヤモンド膜が形成されることを見出し
た。
【0021】これらの知見を基に、メタン(CH4 )あ
るいはメチルアルコール(CH3 OH)ガスを導入した
平行平板電極に形成されたプラズマ中に、水素(H2
に対し六フッ化オクタン(C26 )、四フッ化メタン
(CF4 )などのフルオロカーボンガスあるいは酸素
(O2 )、一酸化炭素(CO)、過酸化水素(H2
2)、アルコール類、フッ素(F2 )、フッ化水素
(HF)、塩素(Cl2 )、塩化水素(HCl)、三フ
ッ化窒素(NF3 )などのガスを添加し、これらの混合
比を適当に選び、プラズマ、熱、光、電子、触媒作用、
粒子衝突により分解することにより、F、CF、CF
2 、CF3 、Cl、OH、Oラジカルを注入したとこ
ろ、ダイヤモンド膜の形成が実現された。
【0022】以上により、プラズマ109中で生成され
たCH3 ラジカルと注入されたHラジカルまたはOHラ
ジカルにより、被処理基体107には高品質のダイヤモ
ンドの形成が可能となり、ラジカル注入法によるプラズ
マ中のラジカル制御が機能性材料薄膜の製造に極めて有
効であることが確認された。
【0023】次に、この第1の具体例として示されたダ
イヤモンド膜形成の詳細な実験結果について実験データ
をもとに説明する。まず、図1に示す真空容器101に
おける下部電極(試料台)105にシリコン(Si)基
板、面方位(100)の被処理基体107を載置し、下
部電極105に具備されているヒーター106により、
被処理基体107および下部電極105を加熱し、60
0℃に保持した。次に、ガス導入口110よりメチルア
ルコール(CH3 OH)ガスを流量12sccmで導入
し、圧力0.7Pa一定とした。この際、下部電極10
5および被処理基体107には、バイアス電源111よ
り、バイアス電圧として+5Vを印加した。真空容器1
01に接続され、石英管よりなるラジカル発生管112
に水素(H2 )と水(H2 O)の混合比を変化させ、こ
の混合ガスをガス導入口113から導入した。混合ガス
の流量は、240sccmである。また、混合ガスの全
圧力は、13Paで、一定とした。これにより、真空容
器の圧力は、約13.7Pa一定となる。
【0024】次に、ラジカル発生機構114に、周波数
2.45GHzのマイクロ波を電力100Wで印加して
プラズマを形成し、水素(H2 )および水(H2 O)の
混合ガスの分解を行った。ラジカル発生管112の先端
には、スリット117が設けられているため、ガス導入
口110から導入されたメチルアルコール(CH3
H)ガスは、マイクロ波で励起されたプラズマ領域まで
は、ほとんど拡散しない。
【0025】マイクロ波によるプラズマ形成後、すぐ
に、真空容器101に設置された上部電極104と下部
電極105との間に高周波電源102より周波数13.
56MHzのRF波を、電力150W(電力密度2.6
W/cm2 )で印加して、メチルアルコール(CH3
H)のプラズマを形成した。これにより、真空容器10
1において、上部電極104および下部電極105間に
形成されるメチルアルコール(CH3 OH)のプラズマ
中に水(H2 O)と水素(H2 )のマイクロ波励起によ
り分解され発生したラジカル、即ちHあるいはOHラジ
カルが注入されることになる。このラジカル注入によ
り、Si基板の被処理基体107にダイヤモンド膜が形
成されることが確認された。
【0026】ここで、水素(H2 )と水(H2 O)の混
合比を変化させて、成膜時間3時間を経た後の被処理基
体107上に形成された薄膜の評価をSEMおよびラマ
ン分光法を用いて行い、図2に堆積速度の水(H2 O)
の分圧依存性、図3にSEMによる堆積膜の表面形態の
水(H2 O)の分圧依存性、図4に堆積した薄膜のダイ
ヤモンド成分と非ダイヤモンド成分との合計に対するダ
イヤモンド成分の割合(膜質)をラマンにて計測した結
果をそれぞれ示す。
【0027】まず、図2から、水(H2 O)と水素(H
2 )の混合ガスにおいて、水(H2O)の分圧の増加と
ともに、堆積速度は全体としては減少するが、水(H2
O)の分圧が0.25以上より堆積速度が増加し、その
後、分圧0.5において再び堆積速度が減少することが
判明した。また、図3においては、水素(H2 )に対す
る水(H2 O)の割合が低い場合は、ダイヤモンドの核
は成長するもののダイヤモンドとともに非ダイヤモンド
の成分も観測される。しかし、水(H2 O)の割合が
0.5以上になると、急激にダイヤモンド成分が増加
し、膜全体にわたり、ダイヤモンドが形成されることが
判明した。
【0028】次に、図4においては、水素(H2 )に対
する水(H2 O)の割合が小さい場合は、1333cm
-1にダイヤモンドに起因するスペクトルとともに150
0cm-1付近に非ダイヤモンドの成分に起因するスペク
トルが観測された。同図より、水素(H2 )に対する水
(H2 O)の割合が増加するにつれ、非ダイヤモンドに
起因するスペクトルの強度が減少し、水素(H2 )に対
する水(H2 O)の割合が0.5以上になると、急激に
非ダイヤモンド成分が減少し、膜全体にわたり、ダイヤ
モンドが形成されることが確認された。
【0029】そこで、このダイヤモンド膜の形成機構を
解明するために、あらかじめ形成したダイヤモンド膜と
非ダイヤモンド膜を、メチルアルコール(CH3 OH)
を供給することなく、前述の膜形成条件下で水素(H
2 )に対する水(H2 O)の割合を変化させてプラズマ
に晒したところ、両者の膜がエッチングされることが分
かった。
【0030】これに関連した実験データとして、図5
に、水の割合を変化させて形成したダイヤモンド膜と非
ダイヤモンド膜のエッチング速度の水(H2 O)の分圧
依存性を示す。なお、図示のパラメータ(H2 O/H
2 )は膜形成時の水(H2 O)の割合を示している。同
図から、水(H2 O)の分圧の増加とともに非ダイヤモ
ンド成分のエッチング速度は増加するが、水素(H2
に対する水(H2 O)の割合を0.5以上として形成し
たダイヤモンド膜のエッチング速度は、水(H2 O)の
分圧の増加に対しほとんど増加しないことが判明した。
このことから、水素(H2 )に対する水(H2 O)の割
合が0.5以上では、非ダイヤモンド成分を効率良く除
去するラジカルがプラズマ中に注入されていることが分
かる。
【0031】また、発光分光法を用いて、薄膜形成中の
ラジカルの発光強度の水(H2 O)の分圧依存性を調べ
た。この結果を図6に示す。水(H2 O)の分圧の増加
とともに発光強度Hαは増加し、水素(H2 )に対する
水(H2 O)の割合がほぼ0.5でピークに達し、その
後、ゆるやかに減少する。また、水(H2 O)の分圧の
増加とともにOHラジカルは急激に増加することが観測
された。
【0032】以上の実験結果から、水(H2 O)と水素
(H2 )の混合ガスをマイクロ波によるプラズマなどに
より分解し、発生するHあるいはOHラジカルをプラズ
マ中へ注入することにより、高品質のダイヤモンド膜の
成膜が可能となることが判明した。
【0033】なお、上記実験において、ガス導入口11
0からメチルアルコール(CH3 OH)ガスのかわりに
メタン(CH4 )ガスを導入し、圧力、高周波電力、バ
イアスを種々に変化させたところ、水(H2 O)と水素
(H2 )の混合ガスにおいて、水(H2 O)の割合を水
素(H2 )に対して、0.5以上で導入することによ
り、良質のダイヤモンド膜の形成が可能であった(メタ
ン(CH4 )ガスを導入することについては、この実験
についての記述に先立って、ダイヤモンド膜が形成され
るに至るまでの経緯のところでも記述した。)。
【0034】また、上述した水素(H2 )と水(H2
O)からなる混合ガスに関し、これの水素(H2 )に代
えて、六フッ化オクタン(C26 )、四フッ化メタン
(CF4 )、フッ素(F2 )、フッ化水素(HF)、三
フッ化窒素(NF3 )などのフッ素を含有するガスや塩
素(Cl2 )、塩化水素(HCl)などの塩素を含有す
るガスあるいは過酸化水素(H22 )、オゾン(O
3 )などのガスを用いて、これらの混合ガスの分解によ
り生じたH、CF、CF2 、CF3 、O、F、Clのラ
ジカル注入を行い、同様の実験を行ったところ、これら
によっても種々の条件下において、適度にパラメーター
を選択することにより、高品質のダイヤモンド膜が形成
されることが確認された。
【0035】2.第2の具体例 図7は、本発明ラジカル制御による薄膜形成方法の第2
の具体例に使用する薄膜形成装置の一例を示し、特に非
晶質シリコン膜または微結晶シリコン膜を形成するため
のプラズマCVD装置として構成している。
【0036】図7において、図1におけるのと同一部分
には同一符号を付して示している。従って、図1とは異
なる部分についてのみ列挙すれば、701はラジカル発
生機構(壁材)、702はスリット、703はガス導入
口、704はラジカルをそれぞれ示している。
【0037】本具体例において、上記装置(図7)の被
処理基体(Si基板)107上に非晶質シリコン薄膜ま
たは微結晶シリコン薄膜を堆積させるため、平行平板電
極(上部電極104および下部電極105から構成され
る)間のシラン(SiH4 )プラズマ中に壁材Pdの触
媒作用により水素(H2 )の分解により生成したHラジ
カル、あるいは塩素(Cl2 )あるいはジクロルシラン
(SiH2 Cl2 )の熱分解あるいは水銀ランプを用い
た光分解により生成し、あるいはフッ素(F2)のマイ
クロ波励起プラズマ分解により生成したClラジカルあ
るいはFラジカルの注入を行ったところ、高品質の非晶
質シリコン膜あるいは注入するHラジカル、Clラジカ
ルあるいはFラジカルの量を変化させることにより高品
質の微結晶シリコン膜を低温にて形成させることに成功
した。
【0038】これにより、本具体例においても、第1の
具体例におけると同様プラズマ中に生成されたSiH3
ラジカルと注入されたHラジカルあるいはFラジカルあ
るいはClラジカルにより、被処理基体107には、高
品質の非晶質シリコンあるいは微結晶シリコンの形成が
可能となるため、ラジカル注入法によるプラズマ中のラ
ジカル制御が機能性材料薄膜の製造に極めて有効である
ことを発見した。
【0039】次に、この第2の具体例として示された非
結晶シリコン膜または微結晶シリコン膜形成の詳細な実
験結果について実験データをもとに説明する。まず、図
7に示す真空容器101における下部電極(試料台)1
05にシリコン(Si)基板、面方位(100)の被処
理基体107を載置し、下部電極105に具備されてい
るヒーター106により、被処理基体107および下部
電極105を加熱し、250℃に保持した。次に、ガス
導入口110よりシラン(SiH4 )ガスを流量30s
ccmで導入し、圧力3Pa一定とした。真空容器10
1に接続され、Pdの壁材701よりなるラジカル発生
機構に水素(H2 )をガス導入口703から導入した。
Pdの壁材701は、真空容器101の周辺部を取り囲
むように設置されている。さらに、Pdの壁材701は
400℃以上に加熱されており、壁材の温度制御が可能
になっている。
【0040】後述するように、ガス導入口703から導
入される水素(H2 )は、Pd壁の触媒作用により、4
00℃以上において殆んど分解され、水素(H)ラジカ
ルが生成される。一方、真空容器101内に設置された
上部電極104と下部電極105間に高周波電源102
を用いて周波数13.56MHz、電力50W(電力密
度0.5W/cm2 )のRF波を印加してプラズマを形成
した。これによりガス導入口703から導入された水素
(H2 )は、加熱されたPdの壁材701の触媒作用に
よってHラジカルに分解され、真空容器101におい
て、これらのHラジカルは平行平板電極104および1
05間に形成されるシラン(SiH4 )ガスのプラズマ
109中に注入される。
【0041】ラジカル発生状況を赤外半導体レーザー吸
収分光法を用いて調べたところ、シラン(SiH4 )ガ
スによるプラズマ中には、長寿命種であるSiH3 ラジ
カルが発生し、主として、平行平板電極付近に分布して
いることが判明した。また、一部のSiH3 ラジカル
は、真空容器101の周辺にまで分布するが、Hラジカ
ル発生機構701の先端には、スリット702が設けら
れているため、Pdの壁材701にまでは到達できずP
dの壁材上で反応して堆積膜を形成することによりPd
の触媒作用を劣化させることはない。下部電極105上
のシリコン(Si)基板上では、SiH3 ラジカルとこ
の注入されたHラジカルとによる反応により非晶質シリ
コン膜(a−Si)が形成される。
【0042】また、Hラジカルをプラズマ中に注入しな
い場合、すなわち、ガス導入口110から導入したシラ
ン(SiH4 )とガス導入口703から導入した水素
(H2)の混合ガスを平行平板電極で形成される高周波
励起プラズマに導入し薄膜の形成を行った。この時、水
素(H2 )の分圧は、3Paとした。高周波電力などを
変化させ、種々の条件下で実験を試み、形成された薄膜
の欠陥密度を電子スピン共鳴法(ESR)により調べた
ところ、欠陥密度は、1016/cm3 程度であった。
【0043】しかし、同条件において、プラズマ中にH
ラジカルの注入を行った場合、すなわち、Pdの壁材7
01の温度を400℃以上に増加させた場合には、欠陥
密度1015/cm3 台となり高品質の非晶質シリコンの薄
膜の形成が可能であった。
【0044】他の方法、すなわち、二光子励起レーザー
誘起蛍光法によりプラズマ中のHラジカル密度を計測し
たところ、Hラジカルを注入しない場合のHラジカル密
度は、約2×1018/m3 程度であったが、Hラジカルの
注入を行った場合、1×1019/m3 に増加しているこ
とが明らかになった。従って、Hラジカルが効率的にプ
ラズマ中に注入されていることが判明した。これによ
り、Hラジカルの注入は、高品質の非晶質シリコン膜
(a−Si)の形成プロセスに極めて有効であることが
判明した。
【0045】さらに、上記方法に係わる別の具体例とし
て微結晶シリコン膜の形成方法について説明する。実験
装置は、上述の非晶質シリコン膜(a−Si)の形成装
置と同一であり、真空容器101における下部電極(試
料台)105にシリコン(Si)基板、面方位(10
0)の被処理基体107を載置し、下部電極105に具
備されているヒーター106により、被処理基体107
および下部電極105を加熱し、300℃に保持した。
ガス導入口110よりシラン(SiH4 )ガスを流量3
sccmで導入し、圧力0.3Pa一定とした。
【0046】次に、ガス導入口703より水素(H2
を流量27sccmで導入し、圧力を3Pa一定にし
た。真空容器101に設置された上部電極104と下部
電極105との間に高周波電源102からマッチング機
構103を介して周波数13.56MHz、電力50W
(電力密度0.5W/cm2 )のRF波を印加して、プラ
ズマを形成した。
【0047】この実験により得られた微結晶シリコンの
体積割合を分光エリプソメトリ法にて調べた結果を図8
に示す。まず、水素(H)ラジカルの注入を行わない場
合、すなわち真空容器101に具備されたPdの壁材7
01の温度が室温のときは、主に、非晶質シリコン(a
−Si)膜と微結晶シリコンの混在した膜が得られ、分
光エリプソメトリ法で調べた結果、微結晶シリコンの体
積割合は40%であった。一方、Hラジカルの注入を行
った場合、すなわちPdの壁材701の温度が400℃
以上では、微結晶シリコンの割合が大幅に増加すること
が明らかになった。これらの結果より、ラジカルの注入
を行うことにより、低欠陥密度の高品質非晶質シリコン
(a−Si)膜や微結晶シリコン膜の形成が可能となる
ことが判明した。
【0048】最後に、図1に示した装置を用いて高品質
の非晶質シリコン膜および微結晶シリコン膜を形成する
(第1の具体例ではダイヤモンド膜を形成した)方法に
ついて説明する。まず、真空容器101における下部電
極(試料台)105にシリコン(Si)基板、面方位
(100)の被処理基体107を載置し、下部電極10
5に具備されているヒーター106により、被処理基体
107および下部電極を加熱し、250℃に保持した。
ガス導入口110よりシラン(SiH4 )ガスを流量3
0sccmで導入し、圧力3Pa一定とした。
【0049】真空容器101内に設置された上部電極1
04と下部電極105間に、高周波電源102より周波
数13.56MHz、電力50W(電力密度0.5W/
cm2)のRF波を印加して、シラン(SiH4 )プラズ
マを形成した。次に、ラジカル発生管112におけるガ
ス導入口113より塩素(Cl2 )を流量5sccmで
導入し、圧力を4Pa一定にした。ラジカル発生機構1
14として、Hg−Xeランプを設置し、パワー200
Wで、波長200〜450nmの光照射を行った。この
光照射により塩素(Cl2 )は分解され、Clラジカル
116が生成された。
【0050】これにより、真空容器101において、平
行平板電極104および105に形成されるシラン(S
iH4 )ガスのプラズマ109中に塩素(Cl2 )の光
分解により形成されたClラジカルが注入されることに
なる。ラジカル発生管112の先端には、スリット11
7が設けられているため、ガス導入口110から導入さ
れたシラン(SiH4 )ガスは、ラジカル発生管112
中にはほとんど拡散しない。
【0051】まず、Clラジカルを注入しない場合、す
なわち、ガス導入口110から導入したシラン(SiH
4 )とガス導入口113から導入した塩素(Cl2 )の
混合ガスを平行平板電極で形成された高周波励起プラズ
マに導入し、薄膜の形成を行った。薄膜の形成にあたっ
ては、高周波電力などを変化させ、種々の条件下で実験
を試み、形成された薄膜の欠陥密度および光照射による
安定性を電子スピン共鳴法(ESR)により調べた。形
成した薄膜の欠陥密度は、1015/cm3 台であった。光
劣化特性を調べるために、パルスレーザー照射後の薄膜
の欠陥密度を評価したところ、1017/cm3 台であっ
た。
【0052】一方、Clラジカルを注入した場合、すな
わち、光照射により生成されたClラジカルの注入を行
った場合、形成した薄膜の欠陥密度は、1015/cm3
であったが、パルスレーザー照射後の薄膜の欠陥密度
は、1016/cm3 台であった。これにより、Clラジカ
ルの効率的なプラズマ中への注入は、光劣化の少ない高
品質の非晶質シリコン膜(a−Si)の形成プロセスに
極めて有効であることが判明した。
【0053】さらに、被処理基体107の温度を変化さ
せながら、上記方法にて、Clラジカル注入の有無につ
いて微結晶シリコン薄膜の形成を行った。Clラジカル
注入を行わない場合、微結晶シリコンの体積割合が0.
8以上になる温度を評価したところ、被処理基体107
の温度は、350℃以上であった。一方、Clラジカル
注入を行った場合、被処理基体107の温度は250℃
以上であった。すなわち、Clラジカル注入により、微
結晶シリコン薄膜の低温形成が実現されることも判明し
た。
【0054】なお、上記具体例においては、非晶質シリ
コンと微結晶シリコンの形成について記述したが、基板
温度を350℃に上昇させることにり、いずれの場合も
高品質の多結晶シリコンを形成することができた。ラジ
カル注入を行わない場合は、基板温度400℃以上の加
熱が必要であった。したがって、ラジカル注入を行うこ
とにより、従来よりも低温にて多結晶シリコンの形成が
可能となることが判明した。
【0055】以上、第1から第2までの具体例を挙げ、
本発明を詳細に説明して来たが、ここで、本発明にとっ
て最も重要な、ラジカルの密度および組成の制御につき
再度とりまとめて説明する。ラジカル発生機構(第1の
具体例では114、第2の具体例では701)は、例え
ば、第1の具体例で示されるように、マイクロ波を印加
するための導波管が設けられ、これによりマイクロ波電
源に接続されるマイクロ波導入装置とマイクロ波導入に
よりラジカル発生管112の内部にプラズマ115を生
成させる装置、UHF波やVHF波やRF波などの高周
波の導入によりラジカル発生管112の内部にプラズマ
115を生成させる装置、あるいは、第2の具体例で示
されるようにCO2 レーザーあるいはエキシマレーザー
あるいは水銀ランプ光源に連結されたレーザーあるいは
光照射装置、あるいは、ランプやヒーターが具備された
加熱装置あるいは、触媒反応を促進するための触媒の載
置と加熱装置を組み合わせた装置あるいは電子照射装置
あるいは粒子による衝突装置であり、第1の具体例にお
いては、混合ガス導入口113から導入したガスをラジ
カル発生機構114により分解させることによりラジカ
ル116が発生する。
【0056】発生したラジカルは、ラジカルスリット1
17を通じて真空容器101内で形成されたプラズマ1
09中へ輸送され、プラズマ109中にラジカル116
を注入することが可能である。なお、ラジカルスリット
117は、適宜装着、取り外しが可能であるが、多数の
ラジカルが発生した場合、ラジカルスリットの材質、温
度の選択により、ある特定のラジカルを選別することが
可能である。
【0057】ラジカル発生管112から導入されたラジ
カルをプラズマ109へ注入することにより、プラズマ
109中のある特定のラジカル密度のみを選択的に高め
ることが可能となる。また、逆にある特定のラジカルを
注入し、該ラジカルとプラズマ中で生成されたラジカル
との反応により、プラズマ中のある特定のラジカル密度
を減じることも可能である。即ち、このラジカル注入機
構により、真空容器101内におけるプラズマ中のラジ
カルの密度および組成を広範囲にかつ精密に制御するこ
とが可能となる。
【0058】なお、上述の第1から第2までの具体例で
は、ラジカルを発生する方法として、マイクロ波励起に
よる放電プラズマ、加熱、光、触媒作用を用いたガスの
分解によったが、その他、電子照射あるいは粒子衝突な
どを用いても、あるいは、固体ターゲットにレーザーあ
るいはプラズマあるいは電子照射を行い、あるいは液体
材料にレーザーあるいはプラズマあるいは電子照射など
の電磁波の照射を行うなどしても、ラジカルが効率よく
発生すれば、真空容器内のプラズマ中のラジカルの密度
および組成を広範囲かつ精密に制御できるなど同様の結
果がえられるため、これらのうちから適宜選択すればよ
い。
【0059】また、上述の第1から第2までの具体例で
説明した本発明ラジカル制御による薄膜形成方法に使用
するプラズマCVD装置などのラジカル制御による薄膜
形成装置の構成は以下のとおりである。
【0060】すなわち、ラジカル制御による薄膜形成装
置は、プラズマ放電機構を含んでなる真空容器と、その
真空容器に接続された真空排気装置と、真空容器に接続
され、光照射機構、加熱機構、電子照射機構、触媒機構
および粒子衝突機構のいずれかからなるラジカル発生機
構を含んで密度および/または組成が制御されたラジカ
ルを発生するラジカル発生室とを少なくとも具え、ラジ
カル発生室において、ラジカル発生室に供給された原料
物質(ここに、物質とはガス、固体材料あるいは液体材
料を含む)を前記ラジカル発生機構により分解し、物質
の分解によって生じる密度および/または組成の制御が
行われたラジカルを真空容器に輸送し、上記のプラズマ
放電機構で発生させたプラズマ中に注入し得るように構
成されている
【0061】
【発明の効果】本発明ラジカル制御による薄膜形成方法
によれば、簡単なラジカル発生装置を従来の薄膜形成装
置に接続、あるいは内部に設置して薄膜形成を行うこと
により、従来得ることが不可能であった機能性材料や高
品質薄膜材料の形成の大幅な向上を実現することができ
る。
【0062】例えば、本発明を用いたプラズマCVDや
反応性スパッタリングによる非晶質シリコン膜、微結晶
シリコン膜、多結晶シリコン膜、単結晶シリコン膜、酸
化シリコン膜、窒化シリコン膜、炭化シリコン膜、ゲル
マニウム膜、シリコンゲルマニウム膜などのシリコン化
合物、ダイヤモンド膜、硬質炭素膜、フラーレンなどの
炭素膜、ガリウム、ひ素などを含む化合物、ITO、テ
フロン、低誘電体膜、高誘電体膜など、半導体、絶縁
物、超伝導体あるいは金属膜の形成への適用が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明ラジカル制御による薄膜形成方法の第
1の具体例に使用する薄膜形成装置の一例を示してい
る。
【図2】 薄膜堆積速度の水(H2 O)の分圧依存性を
示している。
【図3】 堆積膜の表面形態(膜質)の水(H2 O)の
分圧依存性をSEM写真によって示している。
【図4】 形成薄膜に占めるダイヤモンド成分の水(H
2 O)の割合依存性を示している。
【図5】 水(H2 O)の割合を変えて形成したダイヤ
モンド膜と非ダイヤモンド膜のエッチング速度の水(H
2 O)の分圧依存性を示している。
【図6】 薄膜形成中のラジカルの発光強度の水(H2
O)の分圧依存性を示している。
【図7】 本発明ラジカル制御による薄膜形成方法の第
2の具体例に使用する薄膜形成装置の一例を示してい
る。
【図8】 形成薄膜に占める微結晶シリコンの堆積割合
のPdの壁の温度依存性を示している。
【符号の説明】
101 真空容器 102 高周波電源 103 マッチング機構 104 上部電極 105 下部電極 106 ヒーター 107 被処理基体 108 排気口 109,115 プラズマ 110 ガス導入口 111 バイアス電源 112 ラジカル発生管 113 ガス導入口 114 ラジカル発生機構 116 ラジカル 117 ラジカルスリット 701 ラジカル発生機構(壁材) 702 スリット 703 ガス導入口 704 ラジカル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23F 4/00 C23F 4/00 D E C30B 29/04 C30B 29/04 B 29/06 504 29/06 504C H01L 21/205 H01L 21/205 21/3065 21/302 B (56)参考文献 特開 昭59−131511(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/00 - 16/56 C23F 4/00 - 4/04 C30B 29/04 - 29/06 H01L 21/205 H01L 21/3065 B01J 19/08

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に導入された反応性ガスであ
    る第1の物質のプラズマを形成するとともに、反応性ガ
    ス、固体材料および液体材料のいずれか1種またはそれ
    らの組み合わせである第2の物質を前記プラズマの外部
    において分解させて密度および/または組成が制御され
    たラジカルを発生させ、該発生したラジカルを前記プラ
    ズマ中に注入することにより、該プラズマ中に配置され
    た被処理基体上に薄膜を形成する薄膜形成方法におい
    て、 前記第1の物質は少なくとも炭素を含む反応性ガスで、
    前記第2の物質は、少なくとも水素(H2 )と水(H2
    O)を含有し、前記水素(H2 )に対する前記水(H2
    O)の割合が0.5以上である混合ガスで、前記被処理
    基体上に形成される薄膜がダイヤモンドの薄膜であるこ
    とを特徴とするラジカル制御による薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の薄膜形成方法において、
    前記水素(H2 )または前記水(H2 O)の含有に代え
    て、フッ素を含有するガス、塩素を含有するガス、過酸
    化水素(H22 )ガスおよびオゾン(O3 )ガスより
    なる群から選択されたガスを含有するようにしたことを
    特徴とするラジカル制御による薄膜形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の薄膜形成方法に
    おいて、前記第1の物質のプラズマは、該物質にマイク
    ロ波、UHF波、VHF波、RF波および直流のいずれ
    かを印加しまたは電子線の照射を行うことにより形成さ
    れたものであることを特徴とするラジカル制御による薄
    膜形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項記載の薄
    膜形成方法において、前記第2の物質はプラズマ、光照
    射、熱、電子照射、触媒および粒子衝突のいずれかの作
    用により分解され、ラジカルを発生するようにしたこと
    を特徴とするラジカル制御による薄膜形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の薄膜形成方法において、
    前記第2の物質がプラズマにより分解されるとき、該プ
    ラズマは前記第2の物質にマイクロ波、UHF波、VH
    F波、RF波および直流のいずれかを印加しまたは電子
    線の照射を行うことにより形成されたものであることを
    特徴とするラジカル制御による薄膜形成方法。
  6. 【請求項6】 真空容器内に導入された反応性ガスであ
    る第1の物質のプラズマを形成するとともに、反応性ガ
    ス、固体材料および液体材料のいずれか1種またはそれ
    らの組み合わせである第2の物質を前記プラズマの外部
    において分解させて密度および/または組成が制御され
    たラジカルを発生させ、該発生したラジカルを前記プラ
    ズマ中に注入することにより、該プラズマ中に配置され
    た被処理基体上に薄膜を形成する薄膜形成方法におい
    て、 前記第1の物質はシラン(SiH4 )またはジシラン
    (Si26 )で、前記第2の物質は塩素(Cl2 )、
    フッ素(F2 )および塩素またはフッ素を含有するガス
    よりなる群から選択されたガスで、前記被処理基体上に
    形成される薄膜が非晶質シリコン膜、微結晶シリコン膜
    および多結晶シリコン膜のいずれか1種であることを特
    徴とするラジカル制御による薄膜形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の薄膜形成方法において、
    前記第1の物質のプラズマは、該物質にマイクロ波、U
    HF波、VHF波、RF波および直流のいずれかを印加
    しまたは電子線の照射を行うことにより形成されたもの
    であることを特徴とするラジカル制御による薄膜形成方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の薄膜形成方法に
    おいて、前記第2の物質はプラズマ、光照射、熱、電子
    照射、触媒および粒子衝突のいずれかの作用により分解
    され、ラジカルを発生するようにしたことを特徴とする
    ラジカル制御による薄膜形成方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の薄膜形成方法において、
    前記第2の物質がプラズマにより分解されるとき、該プ
    ラズマは前記第2の物質にマイクロ波、UHF波、VH
    F波、RF波および直流のいずれかを印加しまたは電子
    線の照射を行うことにより形成されたものであることを
    特徴とするラジカル制御による薄膜形成方法。
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