JPH1081588A - 半導体ダイヤモンド及びその形成方法 - Google Patents

半導体ダイヤモンド及びその形成方法

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JPH1081588A
JPH1081588A JP23515696A JP23515696A JPH1081588A JP H1081588 A JPH1081588 A JP H1081588A JP 23515696 A JP23515696 A JP 23515696A JP 23515696 A JP23515696 A JP 23515696A JP H1081588 A JPH1081588 A JP H1081588A
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JP
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diamond
semiconductor
forming
plasma
gas
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JP23515696A
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English (en)
Inventor
Kunimasa Takahashi
邦方 高橋
Toshio Goto
俊夫 後藤
Masaru Hori
勝 堀
Masahiro Deguchi
正洋 出口
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素原子と水素原子を構成元素として有する
ラジカルを照射するなどによって半導体特性を有するダ
イヤモンドとそれらの形成方法を提供する。 【解決手段】 真空チャンバ1の下部電極(試料台)5に
シリコン(Si)基板、面方位(100)の被処理基体7を載置
し、ヒータ6により、被処理基体7および下部電極5を
加熱し、ガス導入口よりメチルアルコールガスを流量12
sccmで導入し、圧力0.7Paで一定とする。ラジカル発生
管12に水素ガスと水の混合比を変化させ、この混合ガ
スをガス導入口13から導入する。ラジカル発生機構1
4に、マイクロ波を電力100Wで印加してプラズマ15を
形成し、その後、真空チャンバ1に設置された上部電極
4と下部電極5との間に高周波電源よりRF波を、電力
150Wで印加してプラズマを形成し、これによりプラズマ
中に、水と水素ガスのマイクロ波励起プラズマにより分
解され発生したラジカルを注入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体特性を持つ
ダイヤモンドおよびその形成方法に関するものである。
【従来の技術】ダイヤモンドを半導体として使用するた
めには、ダイヤモンド中に適当な不純物原子を添加する
ことが必要である。p型の半導体特性を持つダイヤモン
ドは天然に存在し、また、高圧法や気相法による合成も
可能であることからp型ダイヤモンドは容易に形成され
る。一方、n型の半導体特性を持つダイヤモンドは天然
での存在が確認されていない。これまでに、n型ダイヤ
モンドを形成するのに、イオン注入装置を用いたり、メ
タンガスなど炭素原子を含む物質を原料ガスとしたプラ
ズマ中に不純添加用ガスを混合して膜形成をするなどし
て、窒素(N)、リン(P)などの第V族の原子を不純
物としてダイヤモンドに添加することなどが試みられて
いる。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な従来の方法によって、得られているn型ダイヤモンド
は高抵抗であるなど十分に値電子制御されたものではな
かった。また作製技術的にも、ダイヤモンドにイオン注
入してドーピングする場合、打ち込むエネルギーが高過
ぎたり打ち込み量が多過ぎたりすると、ダイヤモンドの
結晶性が大きく低下するという問題がある。このような
理由などから、今までに実用的なn型ダイヤモンドは形
成されていない。本発明の目的は、従来得ることが非常
に困難であったn型の半導体特性を有するダイヤモンド
と、それを比較的容易に形成することを可能にする半導
体ダイヤモンドの形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1番目の半導体ダイヤモンドは、ダイヤ
モンド内部に、少なくとも酸素原子を有することを特徴
とする。次に本発明の第2番目の半導体ダイヤモンド
は、ダイヤモンドの表面の炭素原子が、少なくとも酸素
原子を構成元素として有する基との結合によって終端さ
れている領域を含むことを特徴とする。前記第2番目の
半導体ダイヤモンドにおいては、少なくとも酸素原子を
構成元素として有する基が、OH基であることが好まし
い。次に本発明の第3番目の半導体ダイヤモンドは、ダ
イヤモンド表面近傍に電圧を印加した金属探針を設置す
ることで得られるトンネル電流特性において、トンネル
電流が流れ始める印加電圧の値が、負側の方が小さいこ
とを特徴とする。次に本発明の第4番目の半導体ダイヤ
モンドは、少なくとも酸素原子と水素原子を構成元素と
して有するラジカルをダイヤモンドの表面に照射したこ
とを特徴とする。前記第1〜4番目の半導体ダイヤモン
ドにおいては、半導体特性がn型であることが好まし
い。前記第1〜4番目の半導体ダイヤモンドにおいて
は、pn接合を有することが好ましい。次に本発明の第
5番目の半導体ダイヤモンドは、前記のいずれかの半導
体ダイヤモンド表面またはその表面に設けた絶縁層に金
属電極を設置することによって、整流特性を持つことを
特徴とする。次に本発明の第6番目の半導体ダイヤモン
ドは、前記のいずれかの半導体ダイヤモンドが、整流素
子またはメモリ素子として作用することを特徴とする。
次に本発明の第1番目の半導体ダイヤモンドの形成方法
は、少なくとも炭素原子を含む原料ガスのプラズマを形
成するとともに、少なくとも酸素原子と水素原子を構成
元素として有する原料ガスを前記プラズマの外部におい
て分解させて密度および組成から選ばれる少なくとも一
つが制御されたラジカルを発生させ、発生したラジカル
を前記プラズマ中に注入することにより、前記プラズマ
中に配置された被処理基体上に薄膜を形成するようにし
たことを特徴とする。次に本発明の第2番目の半導体ダ
イヤモンドの形成方法は、少なくとも炭素原子を含む原
料ガスのプラズマ中に配置された被処理基体上に薄膜を
形成する工程と、少なくとも酸素原子と水素原子を構成
元素として有する原料ガスを前記プラズマの外部におい
て分解させて、密度および組成からから選ばれる少なく
とも一つが制御されたラジカルを被処理基体に照射する
工程とを時間分割し、交互に繰り返すことを特徴とす
る。前記第1〜2番目の方法においては、プラズマ中に
配置された前記被処理基体がダイヤモンドであることが
好ましい。また前記方法においては、被処理基体として
用いるダイヤモンドが、p型の半導体特性を有すること
が好ましい。また前記方法においては、前記酸素原子と
水素原子を含む混合ガスが、少なくとも水素ガスと水を
含有し、前記水素ガスに対する前記水の割合が0.5以
上であることが好ましい。また前記方法においては、前
記水素ガスと水の混合ガスの分解によって発生したラジ
カルが、少なくともHラジカルまたはOHラジカルを含
んでいることが好ましい。次に本発明の第3番目の半導
体ダイヤモンドの形成方法は、少なくとも酸素原子と水
素原子を構成元素として有する原料ガスのプラズマにダ
イヤモンドを曝すことを特徴とする。前記方法において
は、少なくとも酸素原子と水素原子を構成元素として有
する原料ガスが、水を含むことが好ましい。また前記方
法においては、少なくとも酸素原子と水素原子を構成元
素として有する原料ガスが、オゾンガスおよび過酸化水
素ガスを含むことが好ましい。次に本発明の第4番目の
半導体ダイヤモンドの形成方法は、少なくとも酸素原子
と水素原子を構成元素として有するラジカルにダイヤモ
ンドを曝すことを特徴とする。前記方法においては、少
なくとも酸素原子と水素原子を構成元素として有するラ
ジカルが、OH基を含むことが好ましい。次に本発明の
第5番目の半導体ダイヤモンドの形成方法は、少なくと
も酸素原子と水素原子を構成元素として有する原料ガス
のプラズマにダイヤモンドを曝す工程と、少なくとも炭
素原子を構成元素として有する原料ガスのプラズマによ
りダイヤモンドを形成させる工程とを時間分割し、交互
に繰り返すことを特徴とする。次に本発明の第6番目の
半導体ダイヤモンドの形成方法は、少なくとも酸素原子
と水素原子を構成元素として有するイオンをダイヤモン
ドに注入することを特徴とする。次に本発明の第7番目
の半導体ダイヤモンドの形成方法は、少なくとも酸素原
子と水素原子を構成元素として有する基をダイヤモンド
表面に吸着させた後、ビーム状の荷電粒子および電磁波
から選ばれる少なくとも一つを前記ダイヤモンド表面に
照射させることを特徴とする。次に本発明の第8番目の
半導体ダイヤモンドの形成方法は、少なくとも酸素原子
と水素原子を構成元素として有する原料ガスのプラズマ
にダイヤモンドを曝すことにより前記ダイヤモンド表面
を平坦化することを特徴とする。前記方法においては、
形成されるダイヤモンドの半導体特性がn型であること
が好ましい。また前記方法においては、被処理基体のダ
イヤモンドがp型の半導体特性を持つことが好ましい。
また前記方法においては、pn接合を形成することが好
ましい。また前記方法においては、少なくとも炭素原子
を含む物質の原料ガスにマイクロ波、UHF波、VHF
波、RF波および直流のいずれかを印加し、または電子
線の照射をおこなうことにより形成されたプラズマを用
いることが好ましい。また前記方法においては、プラズ
マ、光照射、熱、電子照射、触媒及び粒子衝突のいずれ
かの作用によってラジカルを生成することが好ましい。
前記した通り、本発明の半導体特性を有するダイヤモン
ドは、少なくとも酸素原子および水素原子を構成元素と
して有するラジカルを照射するなどの方法で、前記ダイ
ヤモンドの内部または表面に少なくとも酸素原子を構成
元素として有するものである。ダイヤモンドに対して酸
素原子は10atom%以下の範囲存在させるのが好まし
い。また、本発明の半導体特性を有するダイヤモンド
は、少なくともダイヤモンドの表面の炭素原子が、OH
基などの少なくとも酸素原子を構成元素として有する基
との結合によって終端されている領域を含むものであ
る。また、本発明の半導体特性を有するダイヤモンド
は、ダイヤモンド表面近傍に電圧を印加した金属探針を
設置することで得られるトンネル電流特性において、ト
ンネル電流が流れ始める印加電圧の値が負側の方で小さ
いものである。上記本発明の構成において、ダイヤモン
ドの半導体特性がn型であることが好ましい。さらに本
発明の構成において、半導体特性を有するダイヤモンド
が整流素子およびメモリ素子として作用することが好ま
しい。また、本発明の半導体特性を有するダイヤモンド
の形成方法は、少なくとも炭素原子を含む原料ガスのプ
ラズマを形成するとともに、水を含む少なくとも酸素原
子と水素原子を構成元素として有する原料ガスを前記プ
ラズマの外部において分解させて密度および組成から選
ばれる少なくとも一つが制御されたラジカルを発生さ
せ、発生したラジカルを前記プラズマ中に注入すること
により、前記プラズマ中に配置された被処理基体上に薄
膜を形成するようにしたことを特徴とするものである。
また、本発明の半導体特性を有するダイヤモンドの形成
方法は、少なくとも酸素原子と水素原子を構成元素とし
て有するラジカルにすでに形成されたダイヤモンドを曝
し、前記ダイヤモンドに半導体特性を持たせることを特
徴とするものである。
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照し、本発明
をさらに具体的に説明する。図1は本発明のダイヤモン
ド薄膜形成に使用されるラジカル注入装置を備えたRF
励起プラズマCVD装置の概略図である。1は真空チャ
ンバ、2は高周波電源、3はマッチング機構、4は上部
電極、5は下部電極、6はヒータ、7は被処理基体、8
は真空排気装置に通じる排気口、9はプラズマ、10は
ガス導入口、11はバイアス電源をそれぞれ示してい
る。また、同図において、プラズマ9中にラジカルを注
入するために、12はラジカル発生管、13はガス導入
口、14はラジカル発生機構、15はプラズマ、16は
ラジカル、17はラジカルスリットをそれぞれ示してい
る。 <第1の実施の形態>第1の実施の形態として、ラジカ
ル注入によってn型の半導体特性を持つダイヤモンドを
形成した実験結果について、実験データをもとに説明す
る。まず、図1に示す真空チャンバ1における下部電極
(試料台)5にシリコン(Si)基板、面方位(10
0)の被処理基体を載置し、下部電極5に具備されてい
るヒータ6により、被処理基体7および下部電極5を加
熱し、600℃に保持した。次に、ガス導入口よりメチ
ルアルコール(CH3 OH)ガスを流量12sccmで
導入し、圧力0.7Paで一定とした。この際、下部電
極5および被処理基体7には、バイアス電源より、バイ
アス電圧として+5Vを印加した。真空チャンバ1に接
続され、石英管よりなるラジカル発生管12に水素ガス
(H2 )と水(H2 O)の混合比を変化させ、この混合
ガスをガス導入口13から導入した。混合ガスの流量
は、240sccmである。また、混合ガスの全圧力
は、13Paで一定とした。これにより、真空チャンバ
1内の圧力は、約13.7Paで一定となった。次に、
ラジカル発生機構14に、2.45GHzのマイクロ波
を電力100Wで印加してプラズマ15を形成し、水素
ガスおよび水の混合ガスの分解を行った。ラジカル発生
管12の先端には、スリット17が設けられているた
め、ガス導入口13から導入されたメチルアルコールガ
スは、マイクロ波で励起されたプラズマ領域までは、ほ
とんど拡散しない。マイクロ波によるプラズマ形成後、
真空チャンバ1に設置された上部電極4と下部電極5と
の間に高周波電源より周波数13.56MHzのRF波
を、電力150Wで印加して、メチルアルコールのプラ
ズマを形成した。これにより、真空チャンバ1におい
て、上部電極4および下部電極5間に形成されるメチル
アルコールのプラズマ中に、水と水素ガスのマイクロ波
励起プラズマにより分解され発生したラジカル、即ちH
あるいはOHラジカルが注入されることになる。そし
て、被処理基体上に形成された薄膜の評価を走査型電子
顕微鏡(SEM)およびラマン分光法を用いて分析を行
った結果、ダイヤモンドが形成されていることが判明し
た。このラジカル注入により、シリコン基盤の被処理基
体7にダイヤモンド薄膜が形成されることが確認され
た。X線光電子分光法(XPS)を用いて、HおよびO
Hラジカルを注入して形成したダイヤモンド薄膜の表面
および内部の組成について評価した。その結果、酸素に
起因するピークが比較的強く観測されて、ダイヤモンド
薄膜の表面または内部には少なくとも酸素原子を構成元
素として有する基が多量に存在することが示された。
(ダイヤモンドに対して酸素原子は10atom%以下の範
囲で存在した。)そして、上記のようにして形成され
て、表面および/または内部に少なくとも酸素原子を構
成元素として有するダイヤモンド薄膜は、n型の半導体
特性を示す。水素ガスに対する水の割合を1:2に設定
してダイヤモンド薄膜を形成し、このダイヤモンド薄膜
表面の電気特性を走査型トンネル分光法(STS)を用
いて評価した。比較のために、一般に用いられているマ
イクロ波励起プラズマCVD装置において、原料ガスと
して一酸化炭素(CO)と水素ガス(H2 )の混合ガス
を用いて形成されたダイヤモンド薄膜についても同様に
評価した。図2に測定結果を示す。従来の方法で形成さ
れたダイヤモンド薄膜ではトンネル電流が流れ始める印
加電圧の値が正側の方が小さいのに対して、本実験にお
いてHおよびOHラジカルを注入して形成したダイヤモ
ンド薄膜では、前記印加電圧の値の負側の方が小さい。
これらの結果より、従来の方法で形成されたダイヤモン
ド薄膜の半導体特性はp型であり、HおよびOHラジカ
ルを注入して形成したダイヤモンド薄膜は、その半導体
特性がn型であることが確認された。また、水素ガスに
対する水の割合が0.5以上で形成したいくつかの薄膜
について走査型トンネル分光法(STS)を用いて評価
した結果、全てダイヤモンド薄膜でありかつn型の半導
体特性を示すことが判明した。これより、HおよびOH
ラジカル注入を行うことにより、従来形成が極めて困難
であったn型ダイヤモンド薄膜が形成されることが見い
だされた。また、水素ガスと水をガス導入口から導入し
てマイクロ波プラズマにより生成したOHおよびHラジ
カルを、メチルアルコールを原料ガスとしたRF励起プ
ラズマ中に注入させて、下部電極に置かれた被処理基体
上にダイヤモンドを形成させる工程と、OHおよびHラ
ジカルの注入を止め、メチルアルコールのみを原料ガス
としたRF励起プラズマによりダイヤモンドを形成させ
る工程とを時間分割して、交互に繰り返した。そして、
両工程を適当な時間配分で分割して、ダイヤモンドの形
成を行った。その結果、走査型トンネル分光法(ST
S)を用いることによって、n型の半導体特性を有する
ダイヤモンドが形成されることが確認された。また、上
述した水素ガス(H2 )と水(H2 O)からなる混合ガ
スに関し、過酸化水素(H2 2 )またはオゾン
(O3 )などのガスを用いて、これらの混合ガスの分解
により生じた少なくとも酸素原子および水素原子を構成
元素として有するラジカルの注入を行い、同様の実験を
行ったところ、これらによっても種々の条件下におい
て、適度にパラメータを選択することにより、n型の半
導体特性を持つダイヤモンドが形成されることが確認さ
れた。 <第2の実施の形態>次に、第2の実施の形態として、
ラジカル注入によるダイヤモンド表面後処理によって、
前記ダイヤモンドにn型の半導体特性を持たせた結果に
ついて説明する。図1は、第2の実施の形態のダイヤモ
ンド表面後処理に使用されるラジカル注入装置を備えた
RF励起プラズマ装置の概略図である。すでに形成され
ているダイヤモンドを被処理基体として、真空チャンバ
における下部電極に載置した。流量240sccmの水
素ガスと水の混合ガスをガス導入口から導入した。混合
ガスの全圧力は、13Paで一定とした。ラジカル発生
機構に、マイクロ波を電力100Wで印加してプラズマ
を形成し、水素ガスと水の分解を行ってOHおよびHラ
ジカルを生成した。さらに、真空チャンバ内の上部電極
と下部電極の間にRF波を、電力150Wで印加して、
水素ガスと水を原料ガスとしたプラズマを放電させる。
これによって、ダイヤモンドの表面がOHおよびHラジ
カルによって照射されることになる。以上の処理を施し
たダイヤモンド表面を走査型トンネル分光法(STS)
を用いて評価した結果、前記ダイヤモンドはn型の半導
体特性を示すことが判明した。さらに、そのダイヤモン
ド表面の形状について、走査型電子顕微鏡(SEM)を
用いて観測した。比較のために、前記表面処理を行う前
のダイヤモンドの表面についてもSEMを用いて観測し
た。その結果、表面処理を行った表面は、行う前のもの
と比べて、その表面形状が平坦になっていることが確認
された。このことから、少なくとも酸素原子と水素原子
を構成元素として有するラジカルをダイヤモンド表面に
照射することにより、前記ダイヤモンド表面は平坦にな
ることが示された。また、水素ガスと水をガス導入口か
ら導入して、マイクロ波プラズマによりOHおよびHラ
ジカルを生成して、RF励起プラズマを放電させ下部電
極に置かれたダイヤモンドに曝す工程(ダイヤモンド表
面処理工程)と、OHおよびHラジカルの注入を止め、
メチルアルコールを原料ガスとしたRF励起プラズマに
よりダイヤモンドを形成させる工程(ダイヤモンド形成
工程)とを時間分割して、交互に繰り返した。そして、
両工程を適当な時間配分で分割して、ダイヤモンドの形
成を行った。その結果、走査型トンネル分光法(ST
S)を用いることによって、適当な条件の下でn型の半
導体特性を有するダイヤモンドが形成されることが確認
された。また、水素ガスと水をガス導入口から導入し
て、マイクロ波プラズマによりOHおよびHラジカルを
生成して、すでに形成されているダイヤモンド表面に曝
した。そして、RF励起プラズマを放電させる代わり
に、少なくとも酸素原子と水素原子を構成元素として有
する基が吸着しているダイヤモンド表面上にイオンビー
ムを照射させた。その結果、走査型トンネル分光法(S
TS)を用いることによって、そのダイヤモンドがn型
の半導体特性を持つようになることが判明した。また、
前記した水素ガス(H2 )と水(H2 O)からなる混合
ガスに関し、過酸化水素(H2 2 )またはオゾン(O
3 )などのガスを用いて、これらの混合ガスの分解によ
り生じた少なくとも酸素原子および水素原子を構成元素
として有するラジカルでダイヤモンド曝した。その結
果、これらによっても種々の条件下において、適度にパ
ラメータを選択することにより、n型の半導体特性を持
つダイヤモンドが形成されることが確認された。 <第3の実施の形態>第3の実施の形態として、第1の
実施の形態に記載の形成法によって形成された、n型の
半導体特性を持つダイヤモンドを用いたショットキーダ
イオードについて説明する。第1の実施の形態に記述し
たように、水素ガス(H2 )と水(H2 O)の混合ガス
をマイクロ波プラズマにより分解させてHとOHラジカ
ルを生成し、メチルアルコール(CH3 OH)を原料ガ
スとしたRF励起プラズマ中に注入することによって、
n型の半導体特性を持つダイヤモンドを形成した。第2
の実施の形態に記述したように、水素ガスと水の混合ガ
スをマイクロ波プラズマにより分解させてHとOHラジ
カルを生成し、水素ガスと水を原料ガスとしたRF励起
プラズマ中に注入することによって、前記ダイヤモンド
の表面をHとOHラジカルで曝した。前記表面後処理に
よって、前記n型ダイヤモンドの表面を平坦化した。表
面が平坦化された前記ダイヤモンド表面に、真空蒸着装
置等を用いることによって、金属電極を形成させた。こ
のようにして形成されたショットキーダイオードについ
て、電流電圧特性を調べた。前記表面後処理によってダ
イヤモンド表面を平坦化させることによって、リーク電
流を抑制させることが可能となることが確認された。種
々の条件下において、形成されたn型ダイヤモンドにつ
いて、同様の実験を行った。そして、適当な条件のもと
で形成されたダイヤモンドによるショットキーダイオー
ドで良好な整流特性が得られ、前記ダイヤモンドが整流
素子として動作することが判明した。
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、半導体
特性を有するダイヤモンドを容易に形成することが可能
となる。さらに、従来得ることが不可能であったn型の
半導体特性を有するダイヤモンド薄膜を比較的容易に成
膜することが可能な方法を実現することができる。ま
た、本発明方法によって形成されるダイヤモンドに関し
て、その内部または表面に少なくとも酸素原子を構成元
素として有する基が不純物として作用することを利用し
て、ダイヤモンドに半導体特性を持たせている。このこ
とから、本発明方法を用いて、ダイヤモンドに照射する
少なくとも酸素原子および水素原子を構成元素として有
するラジカルを制御することなどにより、ダイヤモンド
の半導体特性を比較的容易に制御することが可能とな
る。また、本発明によって形成された半導体特性を有す
るダイヤモンドを用いることによって、ダイヤモンドの
優れた特性を活かした全く新しいデバイスを作り出すこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例におけるダイヤモンド薄膜
の形成法に使用したラジカル注入装置を備えたRF励起
プラズマCVD装置の概略図である。
【図2】 従来の方法で形成されたダイヤモンドおよび
本実験においてHおよびOHラジカルを注入して形成し
たダイヤモンドの表面近傍に設置した探針とそれらダイ
ヤモンド表面との間に印加されている電圧とトンネル電
流との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバ 2 高周波電源 3 マッチング機構 4 上部電極 5 下部電極 6 ヒータ 7 被処理基体 8 排気口 9 プラズマ 10 ガス導入口 11 バイアス電源 12 ラジカル発生管 13 ガス導入口 14 ラジカル発生機構 15 プラズマ 16 ラジカル 17 ラジカルスリット

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体特性を有するダイヤモンドであっ
    て、前記ダイヤモンド内部に、少なくとも酸素原子を有
    することを特徴とする半導体ダイヤモンド。
  2. 【請求項2】 半導体特性を有するダイヤモンドであっ
    て、前記ダイヤモンドの表面の炭素原子が、少なくとも
    酸素原子を構成元素として有する基との結合によって終
    端されている領域を含むことを特徴とする半導体ダイヤ
    モンド。
  3. 【請求項3】 少なくとも酸素原子を構成元素として有
    する基が、OH基である請求項2に記載の半導体ダイヤ
    モンド。
  4. 【請求項4】 半導体特性を有するダイヤモンドであっ
    て、前記ダイヤモンド表面近傍に電圧を印加した金属探
    針を設置することで得られるトンネル電流特性におい
    て、トンネル電流が流れ始める印加電圧の値が、負側の
    方が小さいことを特徴とする半導体ダイヤモンド。
  5. 【請求項5】 半導体特性を有するダイヤモンドであっ
    て、少なくとも酸素原子と水素原子を構成元素として有
    するラジカルをダイヤモンドの表面に照射したことを特
    徴とする半導体ダイヤモンド。
  6. 【請求項6】 半導体特性がn型である請求項1〜5の
    いずれかに記載の半導体ダイヤモンド。
  7. 【請求項7】 pn接合を有する請求項1〜5のいずれ
    かに記載の半導体ダイヤモンド。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載の半導体
    ダイヤモンド表面またはその表面に設けた絶縁層に金属
    電極を設置することによって、整流特性を持つことを特
    徴とする半導体ダイヤモンド。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の半導体
    ダイヤモンドが、整流素子またはメモリ素子として作用
    することを特徴とする半導体ダイヤモンド。
  10. 【請求項10】 半導体特性を有するダイヤモンドの形
    成方法であって、少なくとも炭素原子を含む原料ガスの
    プラズマを形成するとともに、少なくとも酸素原子と水
    素原子を構成元素として有する原料ガスを前記プラズマ
    の外部において分解させて密度および組成からから選ば
    れる少なくとも一つが制御されたラジカルを発生させ、
    発生したラジカルを前記プラズマ中に注入することによ
    り、前記プラズマ中に配置された被処理基体上に薄膜を
    形成するようにしたことを特徴とする半導体ダイヤモン
    ドの形成方法。
  11. 【請求項11】 半導体特性を有するダイヤモンドの形
    成方法であって、少なくとも炭素原子を含む原料ガスの
    プラズマ中に配置された被処理基体上に薄膜を形成する
    工程と、少なくとも酸素原子と水素原子を構成元素とし
    て有する原料ガスを前記プラズマの外部において分解さ
    せて、密度および組成から選ばれる少なくとも一つが制
    御されたラジカルを被処理基体に照射する工程とを時間
    分割し、交互に繰り返すことを特徴とする半導体ダイヤ
    モンドの形成方法。
  12. 【請求項12】 プラズマ中に配置された前記被処理基
    体がダイヤモンドである請求項10または11のいずれ
    かに記載の半導体ダイヤモンドの形成方法。
  13. 【請求項13】 被処理基体として用いるダイヤモンド
    が、p型の半導体特性を有する請求項12に記載の半導
    体ダイヤモンドの形成方法。
  14. 【請求項14】 前記酸素原子と水素原子を含む混合ガ
    スが、少なくとも水素ガスと水を含有し、前記水素ガス
    に対する前記水の割合が0.5以上である請求項10ま
    たは11のいずれかに記載の半導体ダイヤモンドの形成
    方法。
  15. 【請求項15】 前記水素ガスと水の混合ガスの分解に
    よって発生したラジカルが、少なくともHラジカルまた
    はOHラジカルを含んでいる請求項14に記載の半導体
    ダイヤモンドの形成方法。
  16. 【請求項16】 半導体特性を有するダイヤモンドの形
    成方法であって、少なくとも酸素原子と水素原子を構成
    元素として有する原料ガスのプラズマにダイヤモンドを
    曝すことを特徴とする半導体ダイヤモンドの形成方法。
  17. 【請求項17】 少なくとも酸素原子と水素原子を構成
    元素として有する原料ガスが、水を含む請求項16に記
    載の半導体ダイヤモンドの形成方法。
  18. 【請求項18】 少なくとも酸素原子と水素原子を構成
    元素として有する原料ガスが、オゾンガスおよび過酸化
    水素ガスを含む請求項16に記載の半導体ダイヤモンド
    の形成方法。
  19. 【請求項19】 半導体特性を有するダイヤモンドの形
    成方法であって、少なくとも酸素原子と水素原子を構成
    元素として有するラジカルにダイヤモンドを曝すことを
    特徴とする半導体ダイヤモンドの形成方法。
  20. 【請求項20】 少なくとも酸素原子と水素原子を構成
    元素として有するラジカルが、OH基を含む請求項19
    に記載の半導体ダイヤモンドの形成方法。
  21. 【請求項21】 半導体特性を有するダイヤモンドの形
    成方法であって、少なくとも酸素原子と水素原子を構成
    元素として有する原料ガスのプラズマにダイヤモンドを
    曝す工程と、少なくとも炭素原子を構成元素として有す
    る原料ガスのプラズマによりダイヤモンドを形成させる
    工程とを時間分割し、交互に繰り返すことを特徴とする
    半導体ダイヤモンドの形成方法。
  22. 【請求項22】 半導体特性を有するダイヤモンドの形
    成方法であって、少なくとも酸素原子と水素原子を構成
    元素として有するイオンをダイヤモンドに注入すること
    を特徴とする半導体ダイヤモンドの形成方法。
  23. 【請求項23】 半導体特性を有するダイヤモンドの形
    成方法であって、少なくとも酸素原子と水素原子を構成
    元素として有する基をダイヤモンド表面に吸着させた
    後、ビーム状の荷電粒子および電磁波から選ばれる少な
    くとも一つを前記ダイヤモンド表面に照射させることを
    特徴とする半導体ダイヤモンドの形成方法。
  24. 【請求項24】 半導体特性を有するダイヤモンドの形
    成方法であって、少なくとも酸素原子と水素原子を構成
    元素として有する原料ガスのプラズマにダイヤモンドを
    曝すことにより前記ダイヤモンド表面を平坦化すること
    を特徴とする半導体ダイヤモンドの形成方法。
  25. 【請求項25】 形成されるダイヤモンドの半導体特性
    がn型である請求項10、11、16、19、21〜2
    4のいずれかに記載の半導体ダイヤモンドの形成方法。
  26. 【請求項26】 被処理基体のダイヤモンドがp型の半
    導体特性を持つ請求項16、19、21〜24のいずれ
    かに記載の半導体ダイヤモンドの形成方法。
  27. 【請求項27】 pn接合を形成する請求項16、1
    9、21〜24のいずれかに記載の半導体ダイヤモンド
    の形成方法。
  28. 【請求項28】 請求項10、11、16、21または
    24に記載の半導体ダイヤモンドの形成方法において、
    少なくとも炭素原子を含む物質の原料ガスにマイクロ
    波、UHF波、VHF波、RF波および直流のいずれか
    を印加し、または電子線の照射をおこなうことにより形
    成されたプラズマを用いることを特徴とする半導体ダイ
    ヤモンドの形成方法。
  29. 【請求項29】 請求項10、11、16、19、22
    または23に記載の半導体ダイヤモンドの形成方法にお
    いて、プラズマ、光照射、熱、電子照射、触媒及び粒子
    衝突のいずれかの作用によってラジカルを生成すること
    を特徴とする半導体ダイヤモンドの形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8916125B2 (en) 2001-12-28 2014-12-23 Toyo Tanso Co., Ltd. Graphite material for synthesizing semiconductor diamond and semiconductor diamond produced by using the same
US11838459B2 (en) 2019-06-07 2023-12-05 Canon Kabushiki Kaisha Information processing system, information processing apparatus, and information processing method

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