JPH09137223A - 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法

Info

Publication number
JPH09137223A
JPH09137223A JP7292971A JP29297195A JPH09137223A JP H09137223 A JPH09137223 A JP H09137223A JP 7292971 A JP7292971 A JP 7292971A JP 29297195 A JP29297195 A JP 29297195A JP H09137223 A JPH09137223 A JP H09137223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annealing
steel sheet
subjected
grain
silicon steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7292971A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoji Kumano
知二 熊野
Isao Iwanaga
功 岩永
Katsuro Kuroki
克郎 黒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Plant Designing Corp
Original Assignee
Nittetsu Plant Designing Corp
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nittetsu Plant Designing Corp, Nippon Steel Corp filed Critical Nittetsu Plant Designing Corp
Priority to JP7292971A priority Critical patent/JPH09137223A/ja
Publication of JPH09137223A publication Critical patent/JPH09137223A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Manufacturing Of Steel Electrode Plates (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、鉄損特性の優れた高磁束密度一方
向性電磁鋼板の製造を目的とする。 【解決手段】 Si:2.5〜5.0%、酸可溶性A
l:0.010〜0.050%、N:0.0035〜
0.012%、S或いはSeを単独又は複合で≦0.0
15%、その他C、Mn、必要に応じてSn、Crを添
加する電磁鋼にMoを0.005〜0.08%を添加し
たスラブを、1280℃以下の温度に加熱した後熱延
し、圧延率80%以上の冷延を行う。次いで脱炭焼鈍
後、650〜850℃の温度でストリップ走行状態下で
鋼板の〔N〕量が120ppm以上となる窒化処理を行
い、更に仕上げ焼鈍を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電機機器の鉄心に用
いられる鉄損の低い高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一方向性電磁鋼板は、鋼板面が{11
0}面で、圧延方向が<100>軸を有するいわゆるゴ
ス方位(ミラー指数で{110}<001>方位を表
す)をもつ結晶粒から構成されており、軟磁性材料とし
て変圧器及び発電機用の鉄心に使用される。この鋼板は
磁気特性として磁化特性と鉄損特性が良好でなければな
らない。磁化特性の良否は、付与された一定の磁場中で
鉄心内に誘起される磁束密度の高低で決まり、磁束密度
の高い製品では鉄心を小型化できる。磁束密度の高さは
鋼板結晶粒の方位を{110}<001>に高度に揃え
ることによって達成できる。
【0003】鉄損は、鉄心に所定の交流磁場を与えた場
合に熱エネルギーとして消費される電力損失であり、そ
の良否に対して磁束密度、板厚、不純物量、比抵抗、結
晶粒の大きさ等が影響する。磁束密度の高い鋼板は電気
機器の鉄心を小さくでき、又鉄損も小さくなるので望ま
しく、当該技術分野ではできる限り磁束密度の高い製品
を安いコストで製造する方法の開発が課題である。
【0004】現在、工業的に生産されている代表的な一
方向性電磁鋼板の製造方法として3種類があるが、各々
については長所、短所がある。第一の技術はM. F. Litt
mannによる特公昭30−3651号公報に示されたMn
Sを用いた二回冷延プロセスであり、得られる二次再結
晶粒は安定して発達するが、高い磁束密度が得られな
い。第二の技術は田口等による特公昭40−15644
号公報に示されたAlN+MnSを用いた最終冷間圧延
率を80%以上の強圧下率とするプロセスであり、高い
磁束密度は得られるが、工業生産に際しては製造条件の
厳密なコントロールが要求される。第三の技術は今中等
による特公昭51−13469号公報に示されたMnS
(及び/又はMnSe)+Sbを含有する珪素鋼を二回
冷延工程によって製造するプロセスであり、比較的高い
磁束密度が得られている。
【0005】上記3種類の技術においては共通して次の
ような問題がある。即ち、上記技術はいずれもが析出物
を微細、均一に制御する技術として熱延に先立つスラブ
加熱温度を、1250℃超、実際には1300℃以上と
極めて高い温度にすることによって、粗大に析出してい
る析出物を一旦固溶させ、その後の熱延中、或いは熱処
理中に析出させている。スラブ加熱温度を上げることは
スラブ加熱時の使用エネルギーの増大、設備損傷率の増
大等のほか材質的にはスラブの結晶組織に起因する線状
の二次再結晶不良が発生し、特に薄手材、高Si材にお
いてはこの傾向が顕著になってくる。
【0006】このような高温スラブ加熱法に対し特開昭
62−40315号公報に開示されている技術、即ち二
次再結晶に必要なインヒビターは、脱炭焼鈍(一次再結
晶)完了以降から仕上焼鈍における二次再結晶発現以前
までに造り込む方法がある。その手段としては、鋼中に
Nを侵入させることによって、インヒビターとして機能
する(Al,Si)Nを形成させるものである。鋼中に
Nを侵入させる手段としては、仕上焼鈍昇温過程での雰
囲気ガスからのNの侵入を利用するか、脱炭焼鈍後段領
域或いは脱炭焼鈍完了後のストリップを連続ラインでN
3 等の窒化源となる雰囲気ガスを用いて行う方法が知
られている。
【0007】このように、低鉄損でかつ高磁束密度の一
方向性電磁鋼板の製造方法においては、脱炭焼鈍後の一
次再結晶粒の粒径及びその集合組織並びにインヒビター
の挙動が二次再結晶粒の発達及びその集合組織を大きく
左右する。これらを制御する方法としては既に多くの提
案がなされている。その一つの提案として溶鋼中にMo
を添加して磁気特性を改善する方法があり、この技術は
例えば、特開昭52−24116号公報や特開昭55−
13469号公報に開示されている。特開昭52−24
116号公報はAlNを主インヒビターとする電磁鋼に
Mo,Zr,Ti,B,Nb,V,Cr等の炭、窒化物
を形成する元素の中から選ばれるいずれか1種または2
種以上添加して炭、窒化物とすることによりAlNの析
出挙動を変化させてスラブ加熱温度を下げようとするも
のである。これは前述した第二の技術に基ずくもので、
インヒビターは製鋼段階から調整する製造方法である。
特開昭55−13469号公報は前述した第三の技術に
属するものであり、Moはインヒビターとして添加され
一次再結晶粒の成長を抑制する機能をもたせることを特
徴としており、SbとSeあるいはSとMo(0.00
3〜0.1%)との添加によって、一次再結晶粒成長抑
制効果が強められ、{110}<110>方位の二次再
結晶粒の発達を容易にするとしている。これもインヒビ
ターを製鋼段階から調整して造り込む従来の製造方法で
ある。
【0008】一方、磁気特性に大きく影響を及ぼす因子
として二次再結晶粒の集合組織の他にグラス被膜(フォ
ルステライト)がある。グラス被膜の主な役割は鋼板を
積層した場合に板間に渦電流が流れないようにする絶縁
抵抗の他に鋼板との熱膨張脹係数の差によって生じる張
力により鉄損低減を図るものであるが、このグラス被膜
の改善についても多くの提案がなされている。この張力
と鉄損の関係についての基礎データーは例えば日本機械
学会誌第81巻第710号、図5に示されている。この
グラス被膜の形成状態(被膜厚み、地鉄境界の凹凸の程
度、等)が磁気特性及び磁区制御効果に大きく影響す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来技
術では、二次再結晶粒の集合組織とグラス被膜を改善
し、低鉄損でかつ高磁束密度の一方向性電磁鋼板を製造
するには至っていないのが現状である。そこで、本発明
者らは、高温スラブ加熱を不要とし、脱炭焼鈍(一次再
結晶)完了以降から仕上焼鈍における二次再結晶発現以
前までに窒化によりインヒビター源を導入する方法をベ
ースに、グラス被膜の形成状態を改善しうる要因を探索
したところ、Moを地鉄中に含有させることによりグラ
ス被膜の形成状態が著しく改善され、磁区制御効果が大
きくなることを見い出した。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はこのグラス被膜
の形成状態を磁区制御に好ましい方向に制御することに
よって磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板を安定して製
造することを可能にするものであり、その要旨は、C:
0.020〜0.075%、Si:2.5〜5.0%、
Mn:0.05〜0.45%、S或いはSeを単独又は
複合で≦0.15%、酸可溶性Al:0.010〜0.
050%、N:0.0035〜0.012%、Mo:
0.005〜0.08%、必要に応じてSn:0.02
〜0.15%、Cr:0.03〜0.20%、を添加し
残部Fe及び不可避的不純物からなる電磁鋼スラブを、
1280℃以下の温度に加熱した後熱延し、必要に応じ
て熱延板焼鈍をし、一回又は中間焼鈍を介挿する二回以
上の圧延でその最終圧延率を80%以上とし、次いで脱
炭焼鈍を行い、窒化処理を650〜850℃の温度でス
トリップを走行せしめる状態下で、水素、窒素、アンモ
ニアの混合ガス中で窒化後の鋼板の[N]量が120pp
m 以上となるように行い、その後仕上げ焼鈍をするもの
である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。重
量%でC:0.052、Si:3.3%、Mn:0.1
0%、S:0.008%、酸可溶性Al:0.028
%、Cr:0.12%、P:0.025%、Sn:0.
05%、N:0.0080%、を含んだ溶鋼にMoを表
1に示す量で段階的に添加したスラブを造った。
【0012】 表1 ───────────────────────────────── Mo(%) 無添加 0.002 0.005 0.02 0.05 0.08 0.10 0.15 ───────────────────────────────── この様なスラブを1150℃で加熱熱延し、2.3mmの
熱延板を造った。これを1120℃+900℃で焼鈍し
た後急冷却した。次いで酸洗し0.23mmに冷延しこれ
を830℃×30秒の脱炭焼鈍を湿水素、窒素雰囲気中
で行った。この後窒化処理を750℃×30秒で水素、
窒素、アンモニア混合ガス中で行い、鋼板の窒素量をほ
ぼ200ppm に調整した。次いでMgO、TiO2 を主
成分とする焼鈍分離剤を塗布し1200℃×20時間の
仕上げ焼鈍をおこなった。この後水洗し所定の処理をし
て磁気測定と被膜の断面観察を行った。この後、酸によ
りグラス被膜を除去し再度磁気測定を行った。
【0013】更に同一処理をした被膜付き材料に、特開
昭61−117218号公報に基づく磁区制御を施し
た。この磁区制御の条件は、歯先幅50μm、溝ピッチ
5mmのロールを用いて鋼板に深さ約15μmの溝を形成
した後、850℃×4時間の焼鈍を行った。これらの結
果を次に説明する。図1にMoの添加量と磁束密度の関
係を被膜付きと被膜を除去した材料について示した。被
膜付き材料においてはMo添加量0.005〜0.08
%の範囲で磁束密度が高くなっているが、被膜を除去す
ると、添加量0.08%まではほとんど差が認められな
いが、これを超えると急激に磁束密度が劣化することが
分った。この事実からMo添加量0〜0.08%までは
地鉄の結晶方位集積度に差はないが、これを超えると劣
化してくると言える。図2に上述した素材にMo添加量
の差異によるグラス被膜の断面図を示した。(a)はM
o無添加の比較材のグラス被膜の断面図であり、(b)
はMo添加量0.05%のMo添加材のグラス被膜の断
面図をそれぞれ示したものである。図2から分るよう
に、(a)のMo無添加の比較材においては、グラス被
膜と地鉄の境界部が凹凸状をなし、被膜厚みが不均一
で、しかも磁束が分断されているのに対し、Mo:0.
05%含有するMo添加材においては地鉄とグラス被膜
の境界がスムースになっており、被膜の厚みも均一化さ
れていることが明らかに分る。これらの結果から、被膜
付きの磁束密度の向上はMoの適量添加による被膜の形
成状態の改善効果と考えられる。このメカニズムは明確
でないが、Moが脱炭焼鈍時、仕上げ焼鈍時に鋼板の表
面層に濃縮しファイヤライトの生成及びフォルステライ
ト形成に影響を与えているものと考えている。図3は磁
区制御後の鉄損特性を示したものである。この様な現象
は、本発明の様な、スラブ加熱温度が低く、後工程で窒
化を行う一方向性電磁鋼板特有のものであり、本発明の
範囲において磁区制御効果が大きく低鉄損が得られるこ
とが判る。これは地鉄境界がスムースになったことによ
り、磁区の細分化とあいまって磁壁移動を容易にしてい
るものと考えている。
【0014】本発明の限定理由は以下の通りである。C
は、その含有量が0.020%未満になると、二次再結
晶が不安定になり、二次再結晶した場合でも製品の磁束
密度がB8 で1.80Tと低いものとなる。一方、Cの
含有量が0.075%を超えて多くなり過ぎると、脱炭
焼鈍時間が長くなり、生産性を損なう。好ましくは0.
03〜0.06%がよい。
【0015】Siは、その含有量が2.5%未満になる
と低鉄損の製品を得難く、一方5.0%を超えて多くな
り過ぎると材料の冷延性に問題を生ずる。本発明の出発
材料の成分系における特徴の一つは、S或いはSeを単
独又は複合で0.015%以下、好ましくは0.007
0%以下とする点にある。Sは周知の如くMnSを形成
し、SeはMnSeを形成し、粒成長を抑制する作用を
する。本発明においては二次再結晶粒を発現させるに必
要なインヒビターは脱炭焼鈍以降で造り込むことを特徴
としており、冷延以前で微細な析出物が分散することは
一次再結晶粒径を調整して高磁束密度低鉄損を得る本発
明においては好ましくない。従ってS或いはSeを単独
又は複合で0.015%以下としている。又S,Se量
を少なくすることは熱延時の耳割れの低減にも効果が大
きい。
【0016】AlはNと結合してAlNを形成するが、
本発明においては、後工程即ち一次結晶完了後に鋼を窒
化することにより、(Al,Si)Nを形成せしめるこ
とを必須としているから、フリーのAlが一定量以上必
要である。そのため、酸可溶性Alとして、0.010
〜0.050%添加する。Nは0.0035〜0.01
2%にする必要がある。0.012%を超えるとブリス
ターと呼ばれる鋼板表面の脹れが発生する。又一次再結
晶組織の調整が困難になる。下限は0.0035%がよ
い。この値未満になると二次再結晶粒を発達させるのが
困難になる。
【0017】Mnは、その含有量が少な過ぎると二次再
結晶が不安定となり、一方、多過ぎると高い磁束密度を
もつ製品を得難くなる。適正な含有量は、0.050〜
0.45%である。Crは脱炭焼鈍時の酸化を促進する
元素であるが、Snとの複合添加で仕上焼鈍後の被膜形
成が安定化する。この被膜安定化のためのCrの適量は
0.03〜0.20%、好ましくは0.05〜0.15
%である。
【0018】Snは脱炭焼鈍後の集合組織を改善し、ひ
いては二次再結晶粒を改善し被膜の安定化と相まって鉄
損改善に効果が大きい。Snの適量は0.02〜0.1
5%である。これより少ないと効果が弱く、一方多いと
窒化が困難になり二次再結晶粒が発達しにくくなるので
0.02%以上が望ましい。より好ましくは0.03〜
0.08%がよい。
【0019】Moは前述したようにグラス被膜と地鉄の
境界とスムースにする効果が有り、その添加量は、0.
005〜0.08%がよい。より好ましくは0.01〜
0.05%がよい。次に、本発明の製造プロセスについ
て説明する。電磁鋼スラブは、転炉或いは電気炉等の溶
解炉で鋼を溶製し、必要に応じて真空脱ガス処理し、次
いで連続鋳造によって或いは造塊後分塊圧延することに
よって得られる。このようにして得られたスラブはスラ
ブ加熱炉で1280℃以下の温度、好ましくは1150
℃近傍の温度で加熱された後、引続き通常の熱延条件で
2.3mmの板厚に熱延する。
【0020】次に窒化処理条件の限定理由について述べ
る。図4は窒素が最も鋼中に入り易いH2 ガスとNH3
ガスの混合ガスを雰囲気として、30秒間窒化処理を行
った後、仕上焼鈍して得られた製品が良好な二次再結晶
を示す領域を、窒化処理温度と鋼板の窒素量とNH3
ス濃度の関係を示す。
【0021】図4から明らかな如く、750〜850℃
の温度域で窒化が良好であることが判る。なお850℃
を超えると一次再結晶粒が成長し二次再結晶不良とな
る。又650℃未満では窒化が困難になり二次再結晶不
良となる。良好な二次再結晶粒を安定して発達させるに
は窒素量は120ppm 以上必要である。以上の理由から
窒化処理温度は650〜850℃とし、鋼板中の窒素量
は120ppm とした。この後MgO,TiO2 を主成分
とするスラリーを塗布し1100℃以上の温度で仕上焼
鈍を公知の方法で行う。
【0022】
【実施例】
<実施例1>重量%でC:0.056%、Si:3.2
5%、Mn:0.10%、S:0.007%酸化溶性A
l:0.028%、Cr:0.11%、N:0.007
8%、Sn:0.06%、を含んだ溶鋼にMoを(a)
無添加、(b)0.025%、(c)0.05%、
(d)0.12%を添加したスラブを造り、これをスラ
ブ加熱温度1150℃に加熱後熱延し2.3mmの熱延板
にした。次いで1120℃+900℃で焼鈍した後急冷
却した。次いで酸洗し、0.27mmに冷延した。これを
830℃×120秒の脱炭焼鈍を湿水素、窒素、の混合
ガス中で行った。この後750×30秒の窒化処理を水
素、窒素、アンモニアの混合ガス中で行い、鋼板の窒素
量をほぼ200ppm に調整した。次いでMgO、TiO
2 を主成分とする焼鈍分離剤を塗布し1200℃×20
時間の仕上げ焼鈍を行った。この後燐酸アルミニウム、
無水クロム酸を主成分とする液を塗布し焼き付け磁気特
性を測定した。この後歪み取り焼鈍に耐える磁区制御を
行い再度磁気特性の測定を行った。その磁気特性の測定
結果を表2に示した。
【0023】
【表1】
【0024】表2から分るように、本発明のMo添加範
囲において磁区制御後の鉄損が非常に改善されている。
【0025】
【発明の効果】上述したように、本発明はMo添加材を
脱炭焼鈍以降に窒化処理によりインヒビター源を導入す
る方法により、製品のグラス被膜と地鉄の境界をスムー
スにして磁区制御後の鉄損低減の大きな材料を提供する
ことが可能になったものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、Mo添加量と磁束密度の関係を被膜付
き材と被膜除去材について示した図である。
【図2】図2は、Mo添加量の差異によるグラス被膜形
成状態を示す断面図であり、(a)はMo無添加の比較
材、(b)はMo:0.05%添加材のそれぞれのグラ
ス被膜形成状態を示す断面図である。
【図3】図3は、Mo添加量と磁区制御後の鉄損特性の
関係を示す図である。
【図4】図4は、板厚0.23mmの場合で窒化処理時間
30秒の条件下での窒化処理温度と鋼板の窒素量とNH
3 ガス濃度の関係を示す図である。
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来技
術では、二次再結晶粒の集合組織とグラス被膜を改善
し、磁区制御効果の大きい低鉄損高磁束密度の一方向性
電磁鋼板を製造するには至っていないのが現状である。
そこで、本発明者らは、高温スラブ加熱を不要とし、脱
炭焼鈍(一次再結晶)完了以降から仕上焼鈍における二
次再結晶発現以前までに窒化によりインヒビター源を導
入する方法をベースに、グラス被膜の形成状態を改善し
うる要因を探索したところ、Moを地鉄中に含有させる
ことによりグラス被膜の形成状態が著しく改善され、磁
区制御効果が大きくなることを見い出した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はこのグラス被膜
の形成状態を磁区制御に好ましい方向に制御することに
よって磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板を安定して製
造することを可能にするものであり、その要旨は、C:
0.020〜0.075%、Si:2.5〜5.0%、
Mn:0.05〜0.45%、S或いはSeを単独又は
複合で≦0.015%、酸可溶性Al:0.010〜
0.050%、N:0.0035〜0.012%、M
o:0.005〜0.08%、必要に応じてSn:0.
02〜0.15%、Cr:0.03〜0.20%、を添
加し残部Fe及び不可避的不純物からなる電磁鋼スラブ
を、1280℃以下の温度に加熱した後熱延し、必要に
応じて熱延板焼鈍をし、一回又は中間焼鈍を介挿する二
回以上の冷間圧延でその最終圧延率を80%以上とし、
次いで脱炭焼鈍を行い、窒化処理を650〜850℃の
温度でストリップを走行せしめる状態下で、水素、窒
素、アンモニアの混合ガス中で窒化後の鋼板の〔N〕量
が120ppm以上となるように行い、その後仕上げ焼
鈍をするものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒木 克郎 福岡県北九州市戸畑区大字中原46番地59 日鐵プラント設計株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.020〜0.075
    %、Si:2.5〜5.0%、Mn:0.05〜0.4
    5%、S或いはSeを単独又は複合で≦0.15%、酸
    可溶性Al:0.010〜0.050%、N:0.00
    35〜0.012%、Mo:0.005〜0.08%、 残部Fe及び不可避的不純物からなる電磁鋼スラブを、
    1280℃以下の温度に加熱した後熱延し、必要に応じ
    て熱延板焼鈍をし、一回又は中間焼鈍を挟む二回以上の
    冷間圧延でその最終圧延率を80%以上とし、次いで脱
    炭焼鈍を行い、窒化処理を650〜850℃の温度でス
    トリップを走行せしめる状態下で、水素、窒素、アンモ
    ニアの混合ガス中で窒化後の鋼板の[N]量が120pp
    m 以上となるように行い、その後仕上げ焼鈍を行うこと
    を特徴とする磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 重量%で、Sn:0.02〜0.15
    %、Cr:0.03〜0.20%を更に含有させること
    を特徴とする請求項1記載の磁気特性の優れた一方向性
    電磁鋼板の製造方法。
JP7292971A 1995-11-10 1995-11-10 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 Withdrawn JPH09137223A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7292971A JPH09137223A (ja) 1995-11-10 1995-11-10 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7292971A JPH09137223A (ja) 1995-11-10 1995-11-10 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09137223A true JPH09137223A (ja) 1997-05-27

Family

ID=17788803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7292971A Withdrawn JPH09137223A (ja) 1995-11-10 1995-11-10 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09137223A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2891728A1 (en) * 2012-08-30 2015-07-08 Baoshan Iron & Steel Co., Ltd. High magnetic induction oriented silicon steel and manufacturing method thereof
JP2018066061A (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2891728A1 (en) * 2012-08-30 2015-07-08 Baoshan Iron & Steel Co., Ltd. High magnetic induction oriented silicon steel and manufacturing method thereof
EP2891728A4 (en) * 2012-08-30 2016-08-31 Baoshan Iron & Steel HIGH MAGNETIC INDUCTION ORIENTED SILICON STEEL AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME
JP2018066061A (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 Jfeスチール株式会社 方向性電磁鋼板およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4994120A (en) Process for production of grain oriented electrical steel sheet having high flux density
JPH0762436A (ja) 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH0774388B2 (ja) 磁束密度の高い一方向性珪素鋼板の製造方法
US4938807A (en) Process for production of grain oriented electrical steel sheet having high flux density
JP2022514794A (ja) 方向性電磁鋼板およびその製造方法
JPS6250529B2 (ja)
JP3359449B2 (ja) 超高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3481567B2 (ja) B8が1.88t以上の方向性電磁鋼板の製造方法
JP3323052B2 (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP4205816B2 (ja) 磁束密度の高い一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3357602B2 (ja) 磁気特性に優れる方向性電磁鋼板の製造方法
JP4873770B2 (ja) 一方向性電磁鋼板
JPH06256847A (ja) 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH09137223A (ja) 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JP4268277B2 (ja) 一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH07305116A (ja) 高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH06256846A (ja) 高磁束密度が安定して得られる方向性電磁薄鋼板の製造方法
US20230212720A1 (en) Method for the production of high permeability grain oriented electrical steel containing chromium
JPH08279408A (ja) 磁気特性が優れた一方向性電磁鋼板の製造方法
JP7465975B2 (ja) 方向性電気鋼板、及びその製造方法
JP3311021B2 (ja) 鉄損の低い高磁束密度一方向性電磁鋼板の製造方法
JP3498978B2 (ja) 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法
JPH086138B2 (ja) 鉄損の低い薄物一方向性珪素鋼板の製造方法
JPH11269543A (ja) 方向性電磁鋼板の製造方法
JP3061515B2 (ja) 極めて低い鉄損をもつ一方向性電磁鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030204