JPH09137137A - アクリル系粘着テープ - Google Patents

アクリル系粘着テープ

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JPH09137137A
JPH09137137A JP7299655A JP29965595A JPH09137137A JP H09137137 A JPH09137137 A JP H09137137A JP 7299655 A JP7299655 A JP 7299655A JP 29965595 A JP29965595 A JP 29965595A JP H09137137 A JPH09137137 A JP H09137137A
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JP
Japan
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meth
acrylate
weight
photopolymerizable
adhesive tape
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Application number
JP7299655A
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English (en)
Inventor
Taihei Sugita
大平 杉田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】初期粘着力が充分高く、経時で架橋反応が進行
するため、凝集力が向上し、高い接着強度を発現するア
クリル系粘着テープを提供することにある。 【解決手段】(A)アルキル基の炭素数4〜14のアル
キル(メタ)アクリレート、(B)カルボキシル基含有
ビニルモノマーおよび(C)光重合性開始剤からなる光
重合性混合モノマー100重量部に対し、(D)分子内
に少なくとも2個以上のアルコキシシリル基を有する架
橋性ポリマーを5〜50重量部含有する光重合性組成物
を、基材の少なくとも1面に塗工後、光重合して得られ
るアクリル系粘着テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、初期粘着力が高
く、経時で架橋反応が進行するため、充分な凝集力を
得、高い接着強度を発現するアクリル系粘着テープに関
する。
【0001】
【従来の技術】従来より、様々な分野での接着固定にお
いて、高い初期粘着力と充分な経時接着力の両方を有す
る粘着テープが望まれており、最近では、空気中の水分
や湿気で硬化し、徐々に高い凝集力を発現する湿気硬化
型の粘着テープが広く使用されてきている。
【0002】このような、湿気硬化型の粘着テープを製
造する方法として、湿気硬化型の官能基を有するポリマ
ーを粘着剤中に予め添加する方法が特開昭63−610
76号公報に挙げられ、このような湿気硬化型の官能基
としては、例えば、アルコキシシリル基が挙げられる。
アルコキシシリル基は水分や湿気によって加水分解され
シラノール基となり、更に熱等により、粘着剤中のカル
ボキシル基と縮合反応をおこし、粘着剤を架橋させる。
また、上記シラノール基はコンクリート等の無機質表面
とも縮合反応をおこしやすく、経時で界面接着力を向上
させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、溶剤型
のアクリル系粘着剤にアルコキシシリル基含有ポリマー
を添加する場合は、まずアクリル系粘着剤溶液にアルコ
キシシリル基含有ポリマーを溶解し、基材に塗工した後
乾燥させる必要があり、この際に水分や湿気あるいは熱
の影響を受けやすく、このため、殆どの場合、得られた
粘着テープはすでに一定の凝集力を有するものとなって
おり、充分な初期粘着力を得られにくいといった問題点
があった。
【0004】本発明の目的は、初期粘着力が充分高く、
経時で架橋反応が進行するため、凝集力が向上し、高い
接着強度を発現するアクリル系粘着テープを提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアクリル系粘着
テープは、(A)アルキル基の炭素数4〜14のアルキ
ル(メタ)アクリレート、(B)極性基を有するビニル
モノマーおよび(C)光重合性開始剤からなる光重合性
混合モノマー100重量部に対し、(D)分子内に少な
くとも2個以上のアルコキシシリル基を有する架橋性ポ
リマー5〜50重量部含有している光重合性組成物を、
基材の少なくとも1面に塗工後、光重合して得られるも
のである。
【0006】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
は、得られるアクリル系粘着剤の感圧接着性と剪断強度
の粘着物性バランスを保つため、ホモポリマーのガラス
転移温度が−50℃以下のものを主成分としているため
アルキル基の炭素数4〜14のアルキル(メタ)アクリ
レートであり、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オ
クチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)ア
クリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノ
ニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、ミリスチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、
これらは単独で使用されてもよいし、また2種類以上併
用されてもよい。
【0007】上記アルキル(メタ)アクリレート(A)
の含有量は、少なくなると凝集力が高くなり充分な感圧
接着性が得られにくくなり、また多くなると凝集力が低
くなり充分な剪断強度が得られにくくなるため、光重合
性混合モノマー中、好ましくは50〜98重量%、より
好ましくは70〜95重量%である。
【0008】上記カルボキシル基含有ビニルモノマー
(B)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコ
ン酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマ
ル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボ
キシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これ
らは単独で使用されてもよいし、また2種類以上併用さ
れてもよい。
【0009】上記カルボキシル基含有ビニルモノマー
(B)の含有量は、少なくなると凝集力が低下し剪断強
度が得られにくくなり、また多くなると凝集力が高くな
り感圧接着性が得られにくくなるため、光重合性混合モ
ノマー中、好ましくは2〜50重量%、より好ましくは
5〜30重量%である。
【0010】上記カルボキシル基含有ビニルモノマー
(B)の含有量は、少なくなると凝集力が低下し剪断強
度が得られにくくなり、また多くなると凝集力が高くな
り感圧接着性が得られにくくなるため、光重合性混合モ
ノマー中、好ましくは2〜50重量%、より好ましくは
5〜30重量%である。
【0011】上記光重合性混合モノマーには、上記アル
キル(メタ)アクリレート(A)及びカルボキシル基含
有ビニルモノマー(B)以外に、他のビニルモノマーが
共重合されてもよく、例えば、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)
アクリレート等のアルキル基の炭素数1〜3のアルキル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
カプロラクトン変成(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコール(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニルモ
ノマー、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリ
ドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロ
ラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)
アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N
−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の窒
素含有ビニルモノマー、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、スチレン、イソボルニル(メ
タ)アクリレート等のビニルモノマーが挙げられ、これ
らは単独で使用されてもよいし、また2種類以上併用さ
れてもよい。
【0012】上記他のビニルモノマーの含有量は、多く
なると凝集力が高くなり充分な感圧接着性が得られにく
くなるため、カルボキシル基含有ビニルモノマー(B)
との合計量が光重合性混合モノマー中、好ましくは50
重量%以下、より好ましくは30重量%以下とすべきで
ある。
【0013】上記光重合性開始剤としては、例えば、4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキ
シ−2−プロピル)ケトン[チバガイギー社製、商品名
「ダロキュアー2959」]、2−ヒドロキシ−2,2
−ジメチルアセトフェノン[チバガイギー社製、商品名
「ダロキュアー1173」]、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン[チバガイギー社製、商品名「イ
ルガキュアー184」]、メトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン[チ
バガイギー社製、商品名「イルガキュアー651」]等
のアセトフェノン系開始剤、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインエーテ
ル系開始剤、ベンジルジメチルケタール等のケタール系
開始剤、その他、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィン
オキシド、アシルホスフィナート等が挙げられ、これら
は単独で使用されてもよいし、また2種類以上併用され
てもよい。
【0014】上記光重合性開始剤の添加量は、少なくな
ると重合が完結せずモノマー臭気の強い重合体となり、
また多くなるとラジカル発生量が多くなり、低分子量化
するため充分な凝集力が得られにくくなるので、光重合
性混合モノマー中、好ましくは0.01〜5重量%、よ
り好ましくは0.05〜3重量%である。
【0015】上述の光重合性混合モノマーには、分子内
に少なくとも2個以上のアルコキシシリル基を有する架
橋性ポリマー(D)が添加される。これにより、上記架
橋性ポリマー(D)中のアルコキシシリル基が、水分や
湿気により加水分解されてシラノール基となり、光重合
後のアクリル系共重合体中のカルボキシル基と反応して
架橋し、高い接着強度を得ることができると共に、例え
ば、コンクリート壁等の無機質表面に接着すると、無機
質表面に存在するアルミニウム、シリコン、鉄等の金属
元素(以下「M」とする)との縮合反応により「Si−
O−M」結合を形成し、界面の接着強度を向上させるこ
とができる。上記架橋性ポリマー(D)としては、例え
ば、下式(1)、(2)で表されるようなポリエーテル
鎖を主鎖とするものが挙げられ、
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】 (但し、m、n、qは1以上の整数を、pは1または2
をそれぞれ示す。)
【0018】具体例としては、例えば、「カネカMSポ
リマー20A」、「カネカMSポリマー#300」、
「カネカサイリル5A01」(以上、全て鐘淵化学工業
社製)等が挙げられる。
【0019】上記架橋性ポリマー(D)の添加量は、少
ないと湿気等により硬化した後でも充分な凝集力が得ら
れにくく、また多いと得られたアクリル系共重合体の凝
集力が高すぎて充分な初期粘着力が得られにくくなるた
め、光重合性混合モノマー100重量部に対して、5〜
50重量部、好ましくは10〜40重量部である。
【0020】上記光重合性混合モノマー中に微粒子を添
加しておくことで、得られる粘着剤の応力緩和性を向上
させることができる。上記微粒子としては、例えば、ガ
ラスバルーン、アルミナバルーン、シラスバルーン、フ
ライアッシュバルーン等の無機系中空微粒子、ガラスビ
ーズ、シリカビーズ、シリカゲル、アルミナシリカ、フ
ライアッシュ、合成雲母等の無機系微粒子、ケイソウ
土、多孔質シリカ等の多孔質フィラー、ポリメタクリル
酸メチル、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合
体、ポリスチレン、フェノール樹脂等からなる有機系中
空微粒子、ポリメタクリル酸メチルビーズ、ポリスチレ
ンビーズ、ナイロンビーズ、スチレンアクリルビーズ、
ウレタンビーズ、シリコーンビーズ、ポリエチレンビー
ズ、ポリプロピレンビーズ、エチレン−酢酸ビニル共重
合体のビーズ、ポリアクリル酸エチルのビーズ等の有機
系微粒子、立方体状アルミナシリカ、ガラスフレーク、
ガラス繊維、鎖状粘土鉱物等が挙げられ、これらは単独
で使用されてもよいし、また2種類以上併用されてもよ
い。
【0021】上記微粒子の比重によって、好ましい添加
量の範囲が異なり、一般に比重が小さい中空微粒子で
は、上記光重合性混合モノマー100重量部に対し、
0.7〜10重量部、比重が1に近い中空微粒子や有機
微粒子では、上記光重合性混合モノマー100重量部に
対し10〜60重量部、比重が2以上であるような無機
微粒子では、上記光重合性混合モノマー100重量部に
対し70〜150重量部が好ましい。
【0022】通常、上記微粒子の光重合性混合モノマー
中における体積分率は、少ないと充分な剪断強度が得ら
れにくくなり、また多いと充分な感圧接着性が得られに
くくなるため、好ましくは10〜50体積%である。
【0023】上記光重合する際に、重合反応のばらつき
を抑え、得られる共重合体の分子量を適切に調節する目
的で、光重合性組成物中に連鎖移動剤が添加されてもよ
く、例えば、n−ドデシルメルカプタン、2−メルカプ
トエタノール、β−メルカプトプロピオン酸、β−メル
カプトプロピオン酸オクチル、β−メルカプトプロピオ
ン酸メトキシブチル、トリメチロールプロパントリス
(β−チオプロピオネート)、チオグリコール酸ブチ
ル、プロパンチオール類、ブタンチオール類、チオホス
ファイト類等のチオール化合物や四塩化炭素などのハロ
ゲン化合物等が挙げられ、これらは単独で使用されても
よいし、また2種類以上併用されてもよい。
【0024】上記光重合性組成物中には、光重合性を阻
害しない範囲で必要に応じて、粘着付与樹脂が添加され
てもよく、例えば、C5系及びC9系水添石油樹脂、水
添ロジン樹脂、水添ロジンエステル樹脂、水添テルペン
樹脂、水添テルペンフェノール樹脂、水添クマロン・イ
ンデン樹脂、不均化ロジン樹脂、不均化ロジンエステル
樹脂、重合ロジン樹脂、重合ロジンエステル樹脂等の不
飽和結合の比較的少ない樹脂が挙げられ、これらは単独
で使用されてもよいし、また2種類以上併用されてもよ
い。また、上記粘着付与樹脂の添加により、分子量低下
や重合速度低下といった重合阻害がある場合は、上記多
官能性ビニルモノマーや上記連鎖移動剤の添加量を適宜
調節する必要がある。
【0025】上記光重合性組成物を粘着シートに成形す
る際に、厚みが100μm以下の場合は、粘度なら1,
000cps、TI値(チキソトロピー性指数)なら
1.5程度でも塗工可能であるが、それ以上の厚みのシ
ートを成形する場合は、低粘度では流動してしまい一定
の厚みに制御しにくいので増粘剤により粘度調整を行う
ことが好ましい。
【0026】上記増粘剤としては、例えば、アクリルゴ
ム、ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレ
ンゴム、ブチルゴム、スチレン−イソプレン−スチレン
(SIS)等のエラストマー、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、あるいは平均粒径
5μm以下の疎水性シリカ、アルミナ等の無機粒子が挙
げられる。また無機粒子を添加する場合には、一次粒子
までの分散が速いことから疎水化処理されたものがよ
い。
【0027】上記増粘剤の添加量は、多くなるとアクリ
ル系共重合体の凝集力が低くなり、充分な剪断強度が得
られにくくなるため、光重合性混合モノマー100重量
部に対して、好ましくは20重量部以下であり、より好
ましくは10重量部以下であり、特に好ましくは5重量
部以下である。
【0028】上記増粘剤の添加以外にも、予め光重合性
組成物を部分的に予備重合しておく増粘法もある。この
様な予備重合は多官能性ビニルモノマーや極性基と反応
可能な架橋剤等を添加する前に行い、ミクロゲルの生成
を防ぐべきである。これは、部分的にゲルが発生した場
合、塗工時にスジ等の不良発生の原因となるからであ
る。
【0029】上記予備重合による光重合性混合モノマー
の転化率は、小さくなると塗工に必要な粘度が得られ
ず、また大きくなると光重合完結後の凝集力が低くな
り、充分な剪断強度が得られにくくなるため、光重合性
混合モノマー合計量中、好ましくは1.5〜60重量
%、より好ましくは10〜40重量%である。
【0030】次に、上記アクリル系粘着シート基材の製
造プロセス条件に関して述べる。基本的なプロセスとし
ては、上述の光重合性組成物をロールコーター等の塗工
機を用いて剥離シート上に塗布し、その後、光照射して
剥離シート上で重合する方法が挙げられる。
【0031】上記光照射に用いられるランプとしては、
光波長400nm以下に発光分布を有するものが用いら
れ、例えば低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高
圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マ
イクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が
挙げられる。上記ランプ中でも、光重合性開始剤の分解
に有効な波長領域(通常330〜400nm)の光を効
率良く発光し、かつ厚膜シートを効率よく重合できると
いう点でケミカルランプが好ましい。
【0032】また、ランプの照射強度は、光重合性組成
物により得られる共重合体の重合度を左右するため、目
的とする製品の性能により適宜選択される。例えば、通
常のアセトフェノン基を有する開裂型の光重合性開始剤
の場合、上記照射強度は、低くなると酸素による重合阻
害のために反応開始までの時間がばらつき、重合度の一
定した重合物が得られにくくなり、また高くなると初期
のラジカル発生量が多くなり、分子量が低下するために
感圧接着性や凝集力と応力緩和性のバランスがとれにく
くなるので、0.1〜100mW/cm2 の範囲が好ま
しい。
【0033】上記光重合のようなラジカル重合は、一般
に酸素による重合阻害があり、特に空気中の酸素の侵入
と光重合性組成物中の溶存酸素が原因として挙げられ
る。このため、酸素による重合阻害を除去できるプロセ
スが好ましく、例えば、空気中の酸素の侵入を抑える方
法として、上記光重合性組成物の表面を離型処理したポ
リエチレンテレフタレートやテフロン等の光透過性の剥
離シートによって覆い、上記光透過性の剥離シートを介
して該組成物に照射する方法や、光透過性の窓を有し、
かつ窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガスにより酸素を置
換したイナートボックス中で重合する方法等が挙げられ
る。この際のイナートボックス中の雰囲気酸素濃度は、
重合転化率が99.7重量%以上になるまで充分に完結
するために5,000ppm以下、好ましくは300p
pm以下にするべきである。
【0034】(作用)本発明のアクリル系粘着テープ
は、光重合性組成物中に予めアルコキシシリル基を有す
る架橋性ポリマーを含有してあるため、光重合直後のア
クリル系粘着テープとしては凝集力が低く、このため高
い初期粘着力を示すが、アルコキシシリル基は水分や湿
気によって加水分解されシラノール基となり、更に熱等
により、粘着剤中のカルボキシル基と縮合反応をおこす
ので、粘着剤は経時で徐々に架橋が進行し、凝集力が向
上するため高い経時接着力を示すものと考えられる。ま
た、上記シラノール基は、コンクリート壁等の無機質表
面に接着すると、無機質表面に存在するアルミニウム、
シリコン、鉄等の金属元素(以下「M」とする)との縮
合反応により「Si−O−M」結合を形成し、界面の接
着強度を向上させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例について説明
する。尚、以下「部」とあるのは「重量部」を意味す
る。 (実施例1、2および比較例1、2) 「アクリル系粘着テープの作製」表1の配合組成に従っ
て、セパラブルフラスコ中に、2−エチルヘキシルアク
リレート(2EHA)、アクリル酸(AAc)、n−ド
デシルメルカプタン(DDM)、2,2−ジメトキシ−
2−フェニルアセトフェノン(チバガイギー社製、商品
名「イルガキュアー651」、I−651)、アルコキ
シシリル基含有架橋性ポリマー(鐘淵化学工業社製、商
品名「カネカMSP20A」、MSP20A)を添加し
均一分散するまで攪拌混合した後、窒素ガスパージによ
り溶存酸素を除去した。
【0036】その後、ブラックライトランプを用いて照
射強度1mW/cm2 の紫外線を照射したところ、光重
合性組成物の温度上昇に伴って同時に粘度が高くなっ
た。光重合性組成物の温度が5℃上昇したところで紫外
線照射を停止した。上記操作によって表1記載のモノマ
ー転化率および粘度を有する予備重合された光重合性組
成物を得た。
【0037】上記予備重合された光重合性組成物を片面
離型処理された38μmの透明なポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルムの離型処理面上に塗工し、更
に同一のPETフィルムで離型処理面が露出面と接触す
るようにカバーした後、ケミカルランプを用いて照射強
度2mW/cm2 の紫外線を8分間照射することによ
り、表1記載のモノマー転化率、重量平均分子量および
ゲル分率を有する厚み0.5±0.1mmのアクリル系
粘着テープを得た。
【0038】(モノマー転化率の測定)予備重合あるい
は本重合後の組成物を別容器に所定量とり、110℃の
排風オーブン中で3時間乾燥した後の残留分から、MS
P20Aの添加量を差し引いた量を固形分としてモノマ
ー転化率を測定した。但し、単位は重量%である。
【0039】(粘度の測定)所定量の予備重合後の組成
物の粘度を、23℃条件下で、B型粘度計(東京計器社
製、商品名「DVL−BII」)を用いて測定した。但
し、単位はcpsである。
【0040】(重量平均分子量)得られた架橋前のアク
リル系粘着剤を所定量とり、テトラヒドロフラン(TH
F)に溶解し、0.5%−THF溶液を得た。次いで液
体クロマトグラフィー(島津製作所社製、商品名「LC
−9A」)を用い、その使用法に従ってゲルパーミエー
ションクロマトグラフ法(GPC)により、ポリスチレ
ン換算の重量平均分子量を測定した。この場合、得られ
るアクリル系粘着剤ポリマーに比して低分子量のMSP
20Aが後半に溶出してくるが、THFの流速をコント
ロールすることで完全にピークを分離すれば、MSP2
0Aの影響を受けずに生成したアクリル系粘着剤ポリマ
ーのみの重量平均分子量が得られる。
【0041】(ゲル分率)経時変化後のアクリル系粘着
テープを過剰のTHFに浸漬し、一昼夜放置した後、2
00メッシュのステンレス製金網で濾過することによ
り、上記メッシュ上に残留した分を架橋体として、その
比率からゲル分率を測定した。但し単位は重量%であ
る。
【0042】「性能評価」 (剥離強度)まず、上記アクリル系粘着テープを幅20
mm×長さ80mmに裁断した後、片面のPETフィル
ムを剥がし、JIS H−4000規格のアルミニウム
箔(品番「1100P」、幅20mm×長さ100mm
×厚さ0.05mm)を貼付してバッキングし、もう一
面を同様にガラス板(日本テストパネル社製、「ソーダ
ガラス」、幅50mm×長さ100mm×厚さ1mm)
に貼付した後、2kgの圧着ローラーを300mm/m
inの速度で2往復させることにより圧着し、更に23
℃の恒温室中で5分間および72時間放置した後、引張
速度300mm/minで90°剥離強度を測定した結
果をその破壊形態と共に表1に示した。但し単位はkg
f/20mm幅である。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明のアクリル系粘着テープは、光重
合性組成物中に予めアルコキシシリル基を有する架橋性
ポリマーを含有しているため、光重合直後のアクリル系
粘着テープとしては凝集力が低く、このため高い初期粘
着力を示すが、経時で徐々に空気中の湿気等により架橋
が進行し、凝集力が向上するため高い経時接着力を示す
ものとなっている。このため、例えば、コンクリート等
の無機質からなる粗面等に用いた場合、高い初期粘着力
のために充分に接着し、更に経時で徐々に無機質表面と
反応しながら凝集力も向上するため充分な経時接着力を
発現するものとなっている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)アルキル基の炭素数4〜14のアル
    キル(メタ)アクリレート、(B)カルボキシル基含有
    ビニルモノマーおよび(C)光重合性開始剤からなる光
    重合性混合モノマー100重量部に対し、(D)分子内
    に少なくとも2個以上のアルコキシシリル基を有する架
    橋性ポリマーを5〜50重量部含有する光重合性組成物
    を、基材の少なくとも1面に塗工後、光重合して得られ
    るアクリル系粘着テープ。
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