JPH09136937A - 弾性樹脂、弾性樹脂成形物、衣料および衣料用副資材 - Google Patents

弾性樹脂、弾性樹脂成形物、衣料および衣料用副資材

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JPH09136937A
JPH09136937A JP7319600A JP31960095A JPH09136937A JP H09136937 A JPH09136937 A JP H09136937A JP 7319600 A JP7319600 A JP 7319600A JP 31960095 A JP31960095 A JP 31960095A JP H09136937 A JPH09136937 A JP H09136937A
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JP
Japan
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elastic resin
clothing
molecular weight
elastic
polyurethane
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Application number
JP7319600A
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English (en)
Inventor
Akiko Matsui
暁子 松井
Kazue Oka
一栄 岡
Sadao Hosohara
禎夫 細原
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Du Pont Toray Co Ltd
Original Assignee
Du Pont Toray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】低温から高温まで広範囲の温度領域でヘタリの
ない優れた弾性特性を有する耐熱性に優れた弾性樹脂、
弾性樹脂成形物、衣料および衣料用副資材。 【解決手段】テトラヒドロフランと3−アルキルテトラ
ヒドロフランとのコポリエーテルポリオールをポリオー
ル成分とするポリウレタンであって、かつ、該ポリウレ
タンのポリウレタン−尿素重合体鎖の共重合部分からな
るソフトセグメントの分子量が、下記一般式で定義され
るLa以下であることを特徴とする弾性樹脂。 La=3306×100.05066K ここでK:コポリエーテルポリオール中の3−アルキル
テトラヒドロフランのモル分率 また衣料および衣料用副資材の少なくとも伸縮部分がか
かる弾性樹脂繊維で構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温でも高温でも
ヘタリのない優れた弾性特性を有する弾性樹脂、樹脂成
形物および衣料、衣料用副資材に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン弾性繊維はその優れた伸縮
性のためパンティストッキングや水着などの伸縮性衣料
用途や産業資材用に幅広く使用されている。
【0003】一般的にポリエーテル系ポリウレタンは、
常温では優れたゴム弾性を示すが、環境温度が低下する
とそのゴム弾性が低下し、冬期に低温環境下で編立加工
された場合、温度変化により編立製品の寸法が変動し、
仕上がり品が均一にならないという問題がしばしば生じ
ていた。
【0004】また、最近、ポリウレタン弾性繊維とポリ
エステル使いの生地が水着やアウター用途などに多く使
用されてきており重要となってきている。
【0005】ポリウレタン弾性繊維としては、従来、特
開昭63−235320号公報、特開平5−23917
7号公報および特開平2−19511号公報などが提案
されており、テトラヒドロフランおよび3−メチルテト
ラヒドロフランの共重合体、有機ジイソシアネートおよ
びジアミン化合物からなるポリウレタン重合体を紡糸す
る技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】まず、前記ポリエーテ
ル系ポリウレタンは、低温、たとえば0℃以下の温度に
おいては、ゴム弾性が損なわれてしまうため、例えば、
養殖用の網等の氷点下で使用される可能性のある用途に
は使用できなかった。従ってポリエーテル系ポリウレタ
ン弾性繊維の低温での弾性回復特性(耐寒性)の改善が
強く望まれているのが実状である。
【0007】次に、ポリウレタン弾性繊維とポリエステ
ル使いの生地の場合では、染色加工温度が高いために、
耐熱性が悪いと染色加工の際に弾性繊維のパワーが低下
したり、糸切れの原因となったりする。従って、このよ
うな用途においては、低温特性が良く、かつ耐熱性のよ
いポリウレタン弾性繊維が望まれているのが実状であ
る。
【0008】最後に、ポリウレタン弾性繊維の上述提案
によるものは、ポリウレタン弾性繊維の物理特性の劣化
や、高温での伸長回復パワーの低下による問題があり、
すなわち、従来技術では、低温から高温までのいずれの
温度領域においても優れた弾性特性を有する樹脂や成形
物は、何ら実現されていないのが実状であった。
【0009】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、
低温でも高温でもヘタリのない優れた弾性特性を有する
優れた弾性樹脂、弾性樹脂成形物、衣料および衣料用副
資材を提供せんとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明の弾性樹脂は、テトラヒドロフランと3−ア
ルキルテトラヒドロフランとのコポリエーテルポリオー
ルをポリオール成分とするポリウレタンであって、か
つ、該ポリウレタンのポリウレタン−尿素重合体鎖の共
重合部分からなるソフトセグメントの分子量が、一般式
(1)で定義されるLa以下であることを特徴とする弾
性樹脂。
【0011】
【式2】 ★また、本発明の弾性樹脂成形物は、かかる弾性樹脂で
構成されていることを特徴とするものであり、また、本
発明の衣料および衣料用副資材は、該衣料および該衣料
用副資材の少なくとも伸縮部分がかかる弾性樹脂繊維で
構成されていることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、従来の弾性樹脂成形物
では解決できなかった、低温および高温のどの温度領域
でもヘタリがなく優れた弾性特性を示す弾性樹脂および
それからなる弾性樹脂成形物について鋭意検討したとこ
ろ、テトラヒドロフランと3−アルキルテトラヒドロフ
ランとのコポリエーテルポリオールをポリオール成分と
するポリウレタンからなる弾性樹脂で、特定なソフトセ
グメントを根幹ポリマ鎖に導入すると、意外にも、低温
でも高温でもヘタリのない優れた弾性特性を有する弾性
繊維を提供することを究明したものである。
【0013】すなわち、本発明の弾性樹脂は、有機ジイ
ソシアネート化合物、ジアミノ化合物、テトラヒドロフ
ランと3−アルキルテトラヒドロフランのコポリエーテ
ルポリオールとからなるものである。つまり、該弾性樹
脂は、イソシアネートとジアミノ化合物を連鎖延長剤と
する反応から誘導されるハードセグメント部分と、ポリ
ウレタン−尿素重合体鎖の共重合部分からなるソフトセ
グメント部分とを有するポリマであるが、かかる弾性樹
脂において、本発明では、このソフトセグメントの分子
量が、一般式(1)で定義されるLa以下であるところ
に特徴を有するものである。
【0014】
【式3】 ★かかるLa以下というソフトセグメントの分子量を満
たす中でも、さらに好ましくは分子量が2000〜20
000、特に好ましくは4000〜15000の範囲に
あるもので構成されているのが、低温から高温までの広
範囲の温度領域において優れた耐ヘタリ特性を有する弾
性樹脂を提供することができてよい。
【0015】かかるソフトセグメントの分子量Lは、製
造過程で使用する原材料の条件から、次式で理論的に計
算して求めることができる。
【0016】
【式4】 ★また、別の方法としては、該ソフトセグメントの分子
量Lは、示差走査熱量分析で求めた弾性樹脂の融点か
ら、次式により算出することができる。
【0017】
【式5】 ★本発明は、弾性樹脂の成形物(繊維)について、該樹
脂のソフトセグメントの分子量とポリオール中の3−ア
ルキルテトラヒドロフランのモル分率との関係を検討し
たところ、図1で示すような関係があることを究明し、
かつ、それぞれの弾性樹脂成形物の温度依存性について
検討したところ、上述一般式(1)で定義されるライン
(La)を境界線として、該ラインを越える分子量を有
するソフトセグメントからなる弾性樹脂成形物では、ヘ
タリが激しい欠点を有し、反対に該ライン以下の分子量
を有するソフトセグメントからなる弾性樹脂成形物で
は、温度依存性のない耐ヘタリ性に優れた弾性特性を有
する樹脂を提供することを究明したものである。
【0018】また、かかるソフトセグメントを構成する
コポリエーテルポリオールの分子量は、好ましくは50
0〜10000、さらに好ましくは1000〜3000
の範囲にあるものが強度特性、さらに弾性的性質の上か
らよい。
【0019】すなわち、本発明の該コポリエーテルポリ
オールは、テトラヒドロフランと3−アルキルテトラヒ
ドロフランとの共重合ポリオールであることが必須であ
るが、かかる3−アルキルテトラヒドロフランとは、テ
トラヒドロフランの3の位置にアルキル基を有するもの
をいう。該アルキル基としては、たとえばメチル、エチ
ル、n−プロピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブ
チル、t−ブチル、イソペンチル等を有するものを使用
することができる。これらの中でも、3−メチルテトラ
ヒドロフランが、物性、重合性および収率などの点から
好ましく使用される。
【0020】本発明においては、コポリエーテルポリオ
ール中の、かかる3−アルキルテトラヒドロフランのモ
ル分率を、好ましくは5〜20モル%、さらに好ましく
は5〜15モル%の範囲で含有させたもの、すなわち、
図1でいえば、ラインLaと3−アルキルテトラヒドロ
フランのモル分率が5〜20モル%のラインとで囲まれ
る範囲内の樹脂が、温度依存性のない優れた弾性特性お
よび強度特性を有する弾性樹脂を提供することができる
のでよい。
【0021】かかる弾性樹脂は、有機ジイソシアネート
化合物をモノマ単位として構成されてなるものである
が、かかる有機ジイソシアネート化合物としては、分子
内にイソシアネート基を2個以上有しているものであ
る。例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(以下、MDIと略記する)、2,4−トリレンジ
イソシアネート(以下、TDIと略記する)、4,4´
−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)
(以下、PICMと略記する)、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチ
レンp−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、ナフチレンジイソシアネート等を有機ジ
イソシアネート化合物をモノマ単位として使用されてな
るものである。かかる有機ジイソシアネート化合物のモ
ル量の比は、得られる弾性樹脂の強度特性の上から、コ
ポリエーテルポリオール1に対し有機ジイソシアネート
化合物は1.2〜2.3の範囲であるのが好ましい。
【0022】本発明の弾性樹脂のハードセグメント部分
を構成するためのジアミノ化合物(A)は、非分岐鎖状
脂肪族系ジアミノ化合物、対称性環状脂肪族系ジアミノ
化合物および対称性芳香族系ジアミノ化合物からなる群
から選ばれた少なくとも1種のものが、上述の耐ヘタリ
性に優れた弾性特性を有するポリマを形成し易いハード
セグメントを提供するので好ましい。
【0023】また、かかるジアミノ化合物とは別のジア
ミノ化合物(B)、すなわち、分岐鎖状脂肪族系ジアミ
ノ化合物、非対称性環状脂肪族系ジアミノ化合物および
非対称性芳香族系ジアミノ化合物からなる群から選ばれ
た少なくとも1種のジアミノ化合物との混合物で鎖伸長
反応をしたものでもよいが、この場合には、後者のジア
ミノ化合物のモル分率が全ジアミノ化合物に対して20
モル%未満に押えたものが、耐ヘタリ性に優れた弾性特
性を示すので好ましい。
【0024】前者のジアミノ化合物(A)の具体例は、
上述の非分岐鎖状脂肪族系ジアミノ化合物としては、エ
チレンジアミン(以下、EDAと略記する)、1,3プ
ロピレンジアミン、ヒドラジン、テトラメチレンジアミ
ン等が挙げられ、対称性環状脂肪族系ジアミノ化合物と
しては、1,4−シクロヘキシレンジアミン、4,4′
−ジアミノシクロヘキシルメタン等が挙げられ、対称性
芳香族系ジアミノ化合物としては、p−フェニレンジア
ミン、ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。
【0025】また、後者のジアミノ化合物(B)を加え
た系で鎖伸長反応させた場合には、次の化合物を使用し
て製造された弾性樹脂が好ましい。すなわち、かかるジ
アミノ化合物(B)の具体例は、たとえば分岐鎖状脂肪
族系ジアミノ化合物としては、1,2プロピレンジアミ
ン、2メチルペンタメチレンジアミン(以下、MPMD
と略記する)、尿素等が挙げられ、非対称性環状脂肪族
系ジアミノ化合物としては、ヘキサヒドロメタフェニレ
ンジアミン(以下、HMPDと略記する)、4,4′−
ジアミノ−3,3′−ジメチルシクロヘキシルメタン、
イソホロンジアミン等が挙げられ、非対称性芳香族系ジ
アミノ化合物としては、o−フェニレンジアミン、m−
フェニレンジアミン、1,4−ナフタレンジアミン、キ
シリレンジアミン、メチレンビス(2クロロアニリン)
等がよい。
【0026】本発明の弾性樹脂には、該ポリマに紫外線
吸収剤、酸化防止剤、耐ガス安定剤等の各種添加剤を添
加せしめることを制約するものではなく、かかる添加剤
により耐光性、耐ガス性などの向上をはかることは好ま
しいことである。
【0027】本発明の弾性樹脂から成形物、特に弾性繊
維を製造する方法においては、公知の乾式法、湿式法、
溶融成形法のいずれの成形方法を採用して成形してもよ
い。
【0028】かかる成形物としては、たとえば繊維状
物、フィルム状物、シート状物、プラスチック成形物な
ど各種の形態ものを提供することができる。
【0029】かかる本発明の弾性樹脂成形物、特に弾性
樹脂繊維は、後述の実施例で示すように、−5℃でのS
ET%が好ましくは90%以下、さらに好ましくは50
%以下で、かつ180℃で熱処理後の伸長回復力UP
-200の保持率が好ましくは70%以上、さらに好ましく
は80%以上という物性を達成させることができるとい
う優れた弾性特性を示すものである。
【0030】本発明の弾性樹脂成形物のうち、特に繊維
構造体としては、様々な用途に利用可能である。その具
体的な例としては、ゾッキストッキング、パンティース
トッキング、ブラジャー、スリップ、キャミソール、ボ
ディースーツ、ウエストニッパー、ショーツ、ガード
ル、靴下やパンツ等の締め付け用紐、水着、スキーウェ
ア、スキーパンツ、スケート用ウェア、レオタード、ト
レーニングウェア、トレーニングパンツ、登山服、作業
服、煙火服、洋服、ウールとの併用による紳士・婦人用
スーツ等の衣服、ウェットスーツ、紙おしめ等のサニタ
リー品の漏れ防止締め付け部材、ゴルフズボン、疑似
餌、造花、人工皮膚、人工血管、人工心臓、電気絶縁
材、ワイピングクロス、コピークリーナー、ガスケッ
ト、安全衣服の締め付け部材、実験着の締め付け部材、
防水資材の締め付け部材、包帯、ヘアキャップの締め付
け部材、手袋の締め付け部材、果樹用袋の締め付け部材
など、すなわち、弾性伸縮力を必要とされる部位に好適
に使用することができる。
【0031】
【実施例】次に本発明のポリウレタン弾性繊維、衣料お
よび衣料副資材を実施例、比較例によってさらに詳しく
説明する。
【0032】なお、本発明のデータの測定方法を以下に
示す。 [3−アルキルテトラヒドロフランのモル分率]核磁気
共鳴スペクトルの解析により求めた。 [ソフトセグメントの融点]弾性樹脂成形物(ポリウレ
タン弾性繊維フィラメント)約5mgを約2mm以下に
裁断し、簡易密閉式容器に入れ、示差走査熱量計(セイ
コー電子工業(株)製DSC−220C型)を用いて5
0ml/分の窒素気流中で測定を行った。
【0033】まず、10℃/分の降温速度で室温から−
120℃まで冷却し、その温度で5分間停止し、10℃
/分の昇温速度で320℃まで昇温した。その際、下向
きに現れる吸熱ピークの温度をソフトセグメントの融点
とした。 [弾性的性質]試料長5cmのポリウレタン弾性繊維フ
ィラメント1本をインストロン引張試験機(インストロ
ン・ジャパン(株)製万能材料試験機4501型)を用
い、−5℃にて50cm/minの一定速度で0%(1
倍:初期試料長=5cm)から300%(4倍:試料長
=20cm)までの繰り返し伸長を4往復止めずに行っ
た。
【0034】5往復目の繰り返し伸長において、300
%(4倍:試料長=20cm)伸長時に30秒間停止
し、その後、0%に戻した。この0%時の残留歪率であ
るSET%を測定した。ここで、0%伸長とは糸から引
張応力を取り除いた状態を示しており、一般に応力除去
後の糸は、伸長前に比べて若干伸びているものである。
この元の試料長に対する、ヘタって元に戻らない長さの
割合で示されるものである。すなわち、SET%は下式
により計算される。
【0035】SET%=[(5往復繰返伸長後の0%時
の試料長)−5]/5×100 [耐熱性]試料長10cmのポリウレタン弾性繊維フィ
ラメント試料を、100%(2倍:試料長=20cm)
伸長した状態で180℃で乾熱処理を1分行い、次いで
該100%伸長状態のまま該試料を取り出し、21℃、
相対湿度65%の条件下に置き直して、同じく該100
%伸長状態で1日放置した。その後、該試料を0%(1
倍:試料長>10cm)に戻し、該条件下にてもう1日
放置した。
【0036】該条件下において、該試料の長さを5cm
にしたポリウレタン弾性繊維フィラメント試料を該イン
ストロン引張試験機を用いて50cm/minの一定速
度で0%(1倍:初期試料長=5cm)から300%
(4倍:試料長=20cm)までの繰り返し伸長を4往
復止めずに行った。
【0037】5往復目の繰り返し伸長において、300
%(4倍:試料長=20cm)伸長時に30秒間停止
し、次いで、0%(1倍:試料長>5cm)へ向けて戻
すが、そのとき、200%(3倍:試料長=15cm)
に戻したときの伸長回復力UP-200を測定した。
【0038】ここで、0%伸長とは、糸から引張応力を
取り除いた状態を示す。UP-200の保持率は、該熱処理
をしていない未処理のUP-200を100としたときに対
する熱処理後のUP-200の割合として示した。 実施例1 10.2モル%の3メチル−テトラヒドロフランを含む
分子量2016のコポリエーテルグリコール1モルに対
しMDIは1.7モルの比でN2 気流中90℃180分
間固相重合するとNCO含量2.41%を有するイソシ
アネート末端コポリエーテルグリコールが得られた(ソ
フトセグメントの分子量L=5503)。このイソシア
ネート末端コポリエーテルグリコールを50℃に冷却
し、DMACを添加して36%の固形物を有する混合物
とした。5分間強く掻き混ぜを行ない、完全に溶解させ
た。溶解後、強く掻き混ぜながら追加量のDMAC中に
87モル%のエチレンジアミンと13モル%のジエチル
アミンからなる化学量論的な量の混合物を添加し、溶液
重合を行なった。
【0039】得られたセグメント化コポリエーテルグリ
コールポリウレタン−尿素重合体の溶液は32%の固形
分(重量基準)を含み、40℃で1542ポイズの粘度
を有していた。この重合体溶液にビス(4−イソシアネ
ートシクロヘキシル)メタンとt−ブチルジエタノール
アミンの重付加重合物およびジビニルベンゼンパラクレ
ゾール共重合物を添加した。2種の添加剤はそれぞれ溶
液中の全固形分の3.0重量%および1.2重量%であ
った。
【0040】また、慣用の方法でこの溶液を乾式紡糸
し、40d、4フィラメント凝固糸を製造した。
【0041】このフィラメントを慣用の引張ロ−ルで6
40m/minの速度で引張り、775m/minで巻
取りを行なった。得られたポリウレタン弾性繊維の低温
特性および耐熱性は優れたものであった。この糸の物性
を表1に示す。 実施例2〜9 実施例1と同じ方法で3メチル−テトラヒドロフランの
含量を14.8モル%、ソフトセグメント分子量を57
84(テトラヒドロフラン/3メチル−テトラヒドロフ
ランコポリエーテル分子量1919、モル比1.6)と
設定したもの(実施例2)、3メチル−テトラヒドロフ
ランの含量を18.3モル%、ソフトセグメント分子量
を8595(テトラヒドロフラン/3メチル−テトラヒ
ドロフランコポリエーテル分子量2973、モル比1.
6)と設定したもの(実施例3)、3メチル−テトラヒ
ドロフランの含量を10.2モル%、ソフトセグメント
分子量を8966(テトラヒドロフラン/3メチル−テ
トラヒドロフランコポリエーテル分子量2894、モル
比1.54)と設定したもの(実施例4)、3メチル−
テトラヒドロフランの含量を14.8モル%、ソフトセ
グメント分子量を8166(テトラヒドロフラン/3メ
チル−テトラヒドロフランコポリエーテル分子量350
2、モル比1.85)と設定したもの(実施例5)3メ
チル−テトラヒドロフランの含有量を14.8%、ソフ
トセグメント分子量を10869(テトラヒドロフラン
/3メチル−テトラヒドロフランコポリエーテル分子量
3826、モル比1.6)と設定したもの(実施例
6)、3メチル−テトラヒドロフラン含量が10.2モ
ル%、ソフトセグメント分子量4802(テトラヒドロ
フラン/3メチル−テトラヒドロフランコポリエーテル
分子量1808、モル比1.75)、鎖伸長剤にEDA
と1,2プロピレンジアミン(以下、PDAと略記す
る。)とを85/15の比と設定したもの(実施例
7)、3メチル−テトラヒドロフラン含量が14.8モ
ル%、ソフトセグメント分子量8757(テトラヒドロ
フラン/3メチル−テトラヒドロフランコポリエーテル
分子量3034、モル比1.6)、鎖伸長剤にEDAと
HMPDを80/20の比で使用したもの(実施例
8)、3メチル−テトラヒドロフラン含量が14.8モ
ル%、ソフトセグメント分子量8166(テトラヒドロ
フラン/3メチル−テトラヒドロフランコポリエーテル
分子量3502、モル比1.85)、鎖伸長剤にEDA
とMPMDを65/35の比で使用したもの(実施例
9)の糸の物性を併せてそれぞれ表1に示す。 比較例1〜3 実施例1と同じ方法で3メチル−テトラヒドロフラン含
量が0モル%、ソフトセグメント分子量5606(テト
ラヒドロフラン/3メチル−テトラヒドロフランコポリ
エーテル分子量1808、モル比1.58)にしたもの
(比較例1)、3メチル−テトラヒドロフラン含量を1
0.2モル%、ソフトセグメント分子量12000(テ
トラヒドロフラン/3メチル−テトラヒドロフランコポ
リエーテル分子量2894、モル比1.355)のもの
(比較例2)、3メチル−テトラヒドロフラン含量が0
モル%、ソフトセグメント分子量5309、(テトラヒ
ドロフラン/3メチル−テトラヒドロフランコポリエー
テル分子量1802、モル比1.63)、鎖伸長剤にE
DAとHMPDを90/10の比で使用したもの(比較
例3)の糸の物性を併せてそれぞれ表1に示す。
【0042】
【表1】 ★表1から明らかなように、実施例1〜7のポリウレタ
ン弾性繊維は低温および高温のどちらにおいてもへたら
ずに優れたものであった。実施例8および9のものは低
温ではほとんどへたらなかったが、高温では若干のヘタ
リが生じた。
【0043】これに対して、比較例1〜3は高温でのヘ
タリは小さいものであったが、低温でのヘタリが非常に
大きく使用不可能であった。 実施例10、比較例4 実施例1と比較例1で得られたポリウレタン繊維をそれ
ぞれ用いて、10℃の条件下でベア天竺を製編して、そ
の編物を縫製してトレーニングウエアを作った。
【0044】これらのトレーニングウエアの内、比較例
1のものは編立寸法が変動し、さらに後加工での熱処理
に対して激しくヘタリが惹起するものであり、商品価値
のないものであった。これに対し、実施例1のものは均
一に仕上がっており、しかも、後加工での熱処理に対し
ても何らヘタリ現象は惹起しなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明のポリウレタン弾性繊維は高伸度
とソフトなストレッチ感を有し、低温において弾性的性
質が損なわれず、強度の低下やヘタリが生じないなど優
れた低温特性を有している。しかも、該繊維やその編み
製品の後加工工程での高温熱処理においてもパワー低
下、糸切れやヘタリなどを防止する優れた耐熱性を有す
る。さらに、該繊維からなる編み製品は風合いや肌触り
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、本発明の弾性樹脂のソフトセグメ
ントの分子量とポリオール中の3−アルキルテトラヒド
ロフランのモル分率との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A41D 31/00 501 A41D 31/00 501E 503 503K C08G 18/66 NEV C08G 18/66 NEV C08J 5/00 CFF C08J 5/00 CFF D01F 6/70 D01F 6/70 Z

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テトラヒドロフランと3−アルキルテトラ
    ヒドロフランとのコポリエーテルポリオールをポリオー
    ル成分とするポリウレタンであって、かつ、該ポリウレ
    タンのポリウレタン−尿素重合体鎖の共重合部分からな
    るソフトセグメントの分子量が、一般式(1)で定義さ
    れるLa以下であることを特徴とする弾性樹脂。 【式1】
  2. 【請求項2】該ソフトセグメントの分子量が、2000
    〜20000である請求項1記載のいずれかに記載の弾
    性樹脂。
  3. 【請求項3】該ソフトセグメントを構成するコポリエー
    テルポリオールが、10000以下の分子量を有するも
    のである請求項1〜2記載のいずれかに記載の弾性樹
    脂。
  4. 【請求項4】該コポリエーテルポリオールが、3350
    未満の分子量を有するものである請求項3記載の弾性樹
    脂。
  5. 【請求項5】該コポリエーテルポリオールが、1000
    〜3000の分子量を有するものである請求項3記載の
    弾性樹脂。
  6. 【請求項6】該コポリエーテルポリオールが、3−アル
    キルテトラヒドロフランを5〜20モル%含有する請求
    項1〜5のいずれかに記載の弾性樹脂。
  7. 【請求項7】該ポリウレタンが、コポリエーテルポリオ
    ール1モルに対して有機ジイソシアネート化合物を1.
    2〜2.3モル含有するものである請求項1〜6のいず
    れかに記載の弾性樹脂。
  8. 【請求項8】該ポリウレタンが、非分岐鎖状脂肪族系ジ
    アミノ化合物、対称性環状脂肪族系ジアミノ化合物およ
    び対称性芳香族系ジアミノ化合物から選ばれた少なくと
    も1種のジアミノ化合物を鎖伸長剤とするハードセグメ
    ントを有するものである請求項1〜7のいずれかに記載
    の弾性樹脂。
  9. 【請求項9】該鎖伸長剤が、請求項8記載のジアミノ化
    合物以外のジアミノ化合物を、全ジアミノ化合物に対し
    て20モル%未満の範囲で含有するものである請求項8
    記載の弾性樹脂。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の弾性樹
    脂で構成されていることを特徴とする弾性樹脂成形物。
  11. 【請求項11】該成形物が、繊維である請求項10記載
    の弾性樹脂成形物。
  12. 【請求項12】該弾性樹脂成形物が、−5℃でのSET
    %が90%以下で、かつ、180℃における熱処理後の
    伸長回復力UP-200の保持率が70%以上であることを
    特徴とする請求項10〜11のいずれかに記載の弾性樹
    脂成形物。
  13. 【請求項13】請求項11に記載の弾性樹脂繊維で、衣
    料の少なくとも伸縮部分が構成されていることを特徴と
    する衣料。
  14. 【請求項14】請求項13記載の衣料が、下着類である
    ことを特徴とする衣料。
  15. 【請求項15】該下着類が、ブラジャー、スリップ、キ
    ャミソール、ボディースーツ、ウエストニッパー、ショ
    ーツ、ガードルまたはパンティーストッキングである請
    求項14記載の衣料。
  16. 【請求項16】請求項13記載の衣料が、スポーツウェ
    アであることを特徴とする衣料。
  17. 【請求項17】該スポーツウェアが、スキー用、スケー
    ト用、アイスホッケー用、登山用、水泳用、サッカー
    用、野球用である請求項16記載の衣料。
  18. 【請求項18】該スポーツウェアが、トレーニング用で
    ある請求項16記載の衣料。
  19. 【請求項19】該スポーツウェアが、レオタードである
    請求項16記載の衣料。
  20. 【請求項20】請求項11に記載の弾性樹脂繊維で、衣
    料用副資材の少なくとも伸縮部分が構成されていること
    を特徴とする衣料用副資材。
  21. 【請求項21】該衣料用副資材が、手袋、靴下、帽子、
    ベルト、サポーターである請求項20記載の衣料用副資
    材。
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