JPH09136920A - 新規レンズ用光学材料 - Google Patents

新規レンズ用光学材料

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JPH09136920A
JPH09136920A JP29710595A JP29710595A JPH09136920A JP H09136920 A JPH09136920 A JP H09136920A JP 29710595 A JP29710595 A JP 29710595A JP 29710595 A JP29710595 A JP 29710595A JP H09136920 A JPH09136920 A JP H09136920A
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章一 雨谷
Masanori Shimuta
正則 紫牟田
Isao Watari
功 亘
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は,屈折率が1.50から1.65で
ある、注型重合時のモールドに対する密着性の改良され
た高屈折率と高アッベ数さらには高い耐熱性を有するレ
ンズ材料を提供する。 【構成】 (a)特定のメタ(ア)クリレート化合物か
らなる組成物10重量%以上90重量%以下、(b)ジ
ビニルベンゼンを含有する特定組成物を0重量%80重
量%未満、(c)特定のポリメルカプト化合物からなる
組成物を10重量%以上60重量%以下、(d)オキサ
ゾリン環を1個以上有する化合物を(a)、(b)、
(c)の合計100重量部に対して0.01〜20重量
部、から成る混合組成物および該混合組成物を重合して
得られる、注型重合時のモールドに対する密着性の改良
されたレンズ材料

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に眼鏡レンズ用
等に好適な高い屈折率、高いアッベ数および高い耐熱性
を有しかつ注型重合時にモールドに対する密着性の改良
されたレンズ材料用組成物およびこれを用いたレンズ材
料製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは従来のガラスレン
ズに比して、軽量で強靭であることから近年ガラスレン
ズを凌ぐ勢いで使用されている。レンズ材料に重要な性
能は、屈折率とアッベ数の両者が高いことである。前者
はレンズの薄肉化を可能にし、後者は色収差を低減す
る。さらに、耐熱性、強度も加工性、耐久性、安全性の
点から重要な特性である。プラスチックレンズは一般
に、(イ)メタ(ア)クリロイル基、芳香族ビニル基、
アリル基等の不飽和結合を1個以上有する不飽和化合物
を重合硬化する方法、(但し、本明細書中のメタ(ア)
クリロイルは、メタクロイルまたはアクリロイルを意味
する) (ロ)(イ)で使用される不飽和化合物とメルカプト基
を2個以上有するポリメルカプト化合物を共重合する方
法、(ハ)(ロ)で使用されるポリメルカプト化合物と
イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート
化合物を縮重合する方法等が代表的方法であった。
(ハ)の方法はポリメルカプト化合物とポリイソシアネ
ート化合物の反応が遅く、硬化重合に2日以上を要し経
済的な不利益は免れなかった。さらに、ポリイソシアネ
ート化合物の多くは毒性が強く取扱い安全性の観点から
も問題であった。(イ)の不飽和化合物を重合する方法
は、硬化重合速度が速くまた毒性もあまり問題とならな
いため有用な方法であるが、メタ(ア)クリロイル基、
アリル基等を有する脂肪族不飽和化合物の場合屈折率は
1.5程度と低く、芳香族ビニル基化合物の場合屈折率
は1.6程度が可能であるが、アッベ数は30以下であ
り、実用に耐えるものではなかった。(ロ)の不飽和化
合物とポリメルカプト化合物を共重合する方法は硬化重
合速度も速く、(ハ)と同等の屈折率を可能とする有力
な技術と言え、特開昭63−238132号公報、特開
平1−182314号公報、特開平1−197528号
公報、特開平1−315701号公報、特開平2−25
1533号公報等に技術が開示されている。しかしなが
ら、(ロ)の方法では、注型重合によりレンズ材料を製
造しようとしても、モールドの素材であるガラス表面と
該材料の親和性不足のために、レンズ材料が完全に硬化
重合する前にモールド表面より剥がれてしまい表面に凹
凸、ヒケ、気泡さらにはゴミ等の付着による外観不良の
レンズしか得られず実用に耐え得る方法ではなかった。
一方、(ハ)の方法では、ポリイソシアネート成分が、
モールドの素材であるガラス表面と物理的、化学的結合
を形成するため十分な密着性が得られ、(ロ)の方法に
見られるような剥がれの問題はなかった。そこで、イソ
シアネート基、さらには、エポキシ基を有する化合物を
使用し、(ロ)の成分のモールドに対する密着性を改良
し、上記の注型重合時の剥がれの問題を改良しようとす
る試みが、特開平3−246014号公報に開示されて
いる。しかしながら、イソシアネート基、エポキシ基を
有する化合物は(ロ)の構成成分であるポリメルカプト
化合物と容易に反応するため、添加量が少ない場合、注
型重合初期、はなはだしい場合は、予備混合中に消費さ
れてしまい少量の添加では剥がれに対する改良効果を得
ることができないのが現状であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来技術によりメタ(ア)クリロイル基、
芳香族ビニル基、アリル基等の不飽和結合を2個以上有
する不飽和化合物とメルカプト基を2個以上有するポリ
メルカプト化合物を硬化重合する方法によってレンズ材
料を得ようとしても密着性不良のため、注型重合時に剥
がれが生じ外観不良のレンズ材料しか得られなかったこ
とに存する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、(a)
1分子中に2個以上、6個以下のアクリロイル基および
/またはメタクリロイル基を有する1種類以上のメタ
(ア)クリレート化合物からなり、組成物中の1分子あ
たりの平均で2個以上、6個以下のアクリロイル基およ
び/またはメタクリロイル基を有する組成物を10重量
%以上90重量%以下、(b)ジビニルベンゼンと1分
子中に芳香族ビニル基、アクリロイル基またはメタクリ
ロイル基を1個有するモノ不飽和化合物からなり、ジビ
ニルベンゼンが両者の合計100重量%に対して40重
量%以上である組成物、を0重量%以上80重量%未
満、(c)1分子中に2個以上のメルカプト基を有する
1種類以上のポリメルカプト化合物からなり、組成物中
の硫黄含有量が20重量%以上である組成物を10重量
%以上60重量%以下、(d)オキサゾリン環を1個以
上有する一般式(I)で示される化合物の群から選ばれ
る1種類以上のオキサゾリン化合物を(a)、(b)、
(c)の合計100重量部に対して0.01〜20重量
部から成り、かつ(a)、(b)、(c)の各組成物の
合計からなる混合組成物中の全ビニル基および全メタ
(ア)クリロイル基の合計のモル数と全メルカプト基の
モル数の比(全ビニル基および全メタ(ア)クリロイル
基の合計モル数/全メルカプト基のモル数)が1.1か
ら7である混合組成物を重合して得られる、屈折率が
1.50から1.65である、注型重合時のモールドに
対する密着性の改良された高いアッベ数と耐熱性を有す
るレンズ材料用組成物。およびこれの製造方法により達
成された。
【0005】本発明の(a)組成物を構成する、メタ
(ア)クリレート化合物とは1分子中に2個以上6個以
下のアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を
有する化合物を総称するが、より具体的には、2価以上
6価以下のアルコールとアクリル酸、メタクリル酸のエ
ステル構造を有するものである。具体例としてはエチレ
ングリコールジメタ(ア)クリレート、ジエチレングリ
コールジメタ(ア)クリレート、トリエチレングリコー
ルジメタ(ア)クリレート、ポリエチレングリコールジ
メタ(ア)クリレート、1,3−ブチレングリコールジ
メタ(ア)クリレート、1,6−ヘキサンジオールジメ
タ(ア)クリレート、ネオペンチルグリコールジメタ
(ア)クリレート、ポリプロピレングリコールジメタ
(ア)クリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタ
(ア)クリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタ
(ア)クリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔4−(メタ(ア)クリロキシ・ジエトキシ)
フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ(ア)
クリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン等のジ
メタ(ア)クリレート類;トリメチロールプロパントリ
メタ(ア)クリレート、ペンタエリスリトールトリメタ
クリレート等のトリメタ(ア)クリレート類;ペンタエ
リスリトールテトラメタ(ア)クリレート等のテトラメ
タ(ア)クリレート類;ビス(2,2,2−トリメチロ
ールエチル)エーテルのペンタメタ(ア)クリレート等
のペンタメタ(ア)クリレート類;ビス(2,2,2−
トリメチロールエチル)エーテルのヘキサメタ(ア)ク
リレート等のヘキサメタ(ア)クリレート類等をあげる
ことができる。〔ただし、本明細書中のメタ(ア)クリ
レートは、メタクリレートまたはアクリレートを意味す
る〕本発明の目的を達成するためには、(a)組成物に
使用するメタ(ア)クリレート化合物は、(a)組成物
中の1分子あたりの平均で2個以上6個以下のアクリロ
イル基および/またはメタクリロイル基を有することが
必要であるが、好ましくは、3個以上6個以下である。
これよりもアクリロイル基および/またはメタクリロイ
ル基が少ない場合、本発明のレンズ材料の耐熱性が不十
分となる。また大きすぎると材料の靭性が不足する。こ
れは単一化合物によってでも、2種類以上の化合物によ
ってでも構わないことは言うまでもない。組成物(a)
の実施態様としては、上述の、ジメタ(ア)クリレート
類、トリメタ(ア)クリレート類、テトラメタ(ア)ク
リレート類、ペンタメタ(ア)クリレート類およびヘキ
サメタ(ア)クリレート類の1〜4種をアクリロイル基
および/またはメタクリロイル基を平均で1分子中に2
個以上6個以下となる組成で配合使用する。組成物
(a)の好ましい実施態様としては、上述の、ジ〜ヘキ
サメタ(ア)クリレート類の1〜4種をアクリロイル基
および/またはメタクリロイル基を平均で1分子中に3
個以上6個以下となる組成で配合使用する。組成物
(a)の最も好ましい実施態様としては、上述の、ジ〜
ヘキサメタ(ア)クリレート類の1〜4種をテトラアク
リレートを主成分としてすなわち、50重量%以上使用
しアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を平
均で1分子中に4個以上6個以下となる組成で配合使用
する。
【0006】本発明の(b)組成物を構成する、ジビニ
ルベンゼンとは、パラジビニルベンゼン、メタジビニル
ベンゼン、および両者の混合物を意味する。本発明の
(b)組成物を構成するもう一つの成分である、1分子
中に芳香族ビニル基、アクリロイル基またはメタクリロ
イル基を1個有するモノ不飽和化合の好ましい具体例
は、スチレン、α−メチルスチレン、メチルビニルベン
ゼン、エチルビニルベンゼン、α−クロロスチレン、ク
ロロビニルベンゼン、ビニルベンジルクロライド、ビニ
ルベンジルチオエタノール等の芳香族ビニル化合物;メ
チルメタ(ア)クリレート、n−ブチルメタ(ア)クリ
レート、n−ヘキシルメタ(ア)クリレート、シクロヘ
キシルメタ(ア)クリレート、2−エチルヘキシルメタ
(ア)クリレート、メトキシジエチレングリコールメタ
(ア)クリレート、メトキシポリエチレングリコールメ
タ(ア)クリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロ
ピルメタ(ア)クリレート、ステアリルメタ(ア)クリ
レート、ラウリルメタ(ア)クリレート、フェニルメタ
(ア)クリレート等のモノメタ(ア)クリレート類;2
−ヒドロキシエチルメタ(ア)クリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタ(ア)クリレート、3−ヒドロキシプ
ロピルメタ(ア)クリレート、3−フェノキシ−2−ヒ
ドロキシプロピルメタ(ア)クリレート、4−ヒドロキ
シブチルメタ(ア)クリレート等のヒドロキシ基を有す
るモノメタ(ア)クリレート類をあげることができる。
これらの中で好ましいものは、スチレン、α−メチルス
チレン、メチルビニルベンゼン、エチルビニルベンゼ
ン、α−クロロスチレン、クロロビニルベンゼン、ビニ
ルベンジルクロライド、ビニルベンジルチオエタノール
等の芳香族ビニル化合物であり、より好ましいものは、
スチレン、α−メチルスチレン、メチルビニルベンゼ
ン、エチルビニルベンゼンであり、最も好ましいもの
は、エチルビニルベンゼンである。ジビニルベンゼンは
(b)組成物の40重量%以上を占めるが、好ましく
は、50重量%以上、より好ましくは、80重量%以
上、最も好ましくは、95重量%以上を占める。
【0007】本発明の(c)組成物を構成する、1分子
中に2個以上のメルカプト基を有しかつ(c)組成物の
硫黄含有量を単独、混合使用で20重量%以上とするこ
とができる脂肪族ポリメルカプト化合物の具体例として
は、1,2−ジメルカプトエタン、1,3−ジメルカプ
トプロパン、1,4−ジメルカプトブタン、1,6−ジ
メルカプトヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)ス
ルフィド、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)
エタン等の直鎖状ジメルカプタン化合物;2−メルカプ
トメチル−1,3−ジメルカプトプロパン、2−メルカ
プトメチル−1,4−ジメルカプトブタン、2−(2−
メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパ
ン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−
メルカプトプロパン、1,1,1−トリス(メルカプト
メチル)プロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メ
タン等の分岐状脂肪族ポリメルカプタン化合物;エチレ
ングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチ
レングリコールビス(3−メルカプトプロピオネー
ト)、1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトア
セテート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカ
プトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス
(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパ
ントリス(3−メルカプトプロピオネート)、 ペンタ
エリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテー
ト)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプ
トプロピオネート)等の含エステル脂肪族ポリメルカプ
タン化合物;1,4−ジメルカプトシクロヘキサン、
1,3−ジメルカプトシクロヘキサン、1,4−ビス
(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス
(メルカプトメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビ
ス(2−メルカプトエチル)−1,4−ジチアン、2,
5−ビス(メルカプトメチル)−1−チアン、2,5−
ビス(2−メルカプトエチル)−1−チアン等脂肪族環
状ジメルカプタン化合物;1,4−ジメルカプトベンゼ
ン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ビス(メ
ルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプト
メチル)ベンゼン、ビス(4−メルカプトフェニル)ス
ルフィド、ビス(4−メルカプトフェニル)エーテル、
2,2−ビス(4−メルカプトフェニル)プロパン、ビ
ス(4−メルカプトメチルフェニル)スルフィド、ビス
(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル、2,2−
ビス(4−メルカプトメチルフェニル)プロパン、等芳
香族族環状ジメルカプタン化合物;等をあげることがで
きる。本発明の目的を達成するためには、(c)組成物
として、硫黄含有量は20重量%が必要であるが、好ま
しくは、40重量%以上最も好ましくは55重量%以上
である。これよりも硫黄含有量が少ない場合本発明の屈
折率、アッベ数が十分とならない。これは単一化合物に
よってでも、2種類以上のポリメルカプト化合物によっ
てでも構わないことは言うまでもない。好ましいメルカ
プト化合物の具体例としては、ビス(2−メルカプトエ
チル)スルフィド、1,2−ビス(2−メルカプトエチ
ルチオ)エタン等の直鎖状ジメルカプタン化合物、2−
(2−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプト
プロパン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)
−3−メルカプトプロパン、1,1,1−トリス(メル
カプトメチル)プロパン、テトラキス(メルカプトメチ
ル)メタン等の分岐状脂肪族ポリメルカプタン化合物、
トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテ
ート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプ
トプロピオネート)、 ペンタエリスリトールテトラキ
ス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトー
ルテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等の含
エステル脂肪族ポリメルカプタン化合物、2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン等脂肪族環状
ジメルカプタン化合物をあげることができる。組成物
(c)の好ましい実施態様は、(c)中の硫黄含有量が
20重量%以上となる上述の化合物の組み合わせであ
る。最も好ましい実施態様は、硫黄含有量が55重量%
以上の上述の化合物の単独あるいは併用使用であり、具
体的には、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、
1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン等の
直鎖状ジメルカプタン化合物、2−(2−メルカプトエ
チルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパン、1,2−
ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプ
ロパン、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)プロ
パン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン等の分岐
状脂肪族ポリメルカプタン化合物、2,5−ビス(メル
カプトメチル)−1,4−ジチアン等単独あるいは併用
使用となる。
【0008】本発明の(d)組成物であるオキサゾリン
環を1個以上有する化合物とは、より具体的には、2−
オキサゾリン構造を1個以上有する脂肪族、芳香族の有
機化合物を意味する。具体的例としては、2−オキサゾ
リニル−2−エタン、1−(2−オキサゾリニル−2)
ブタン、1−(2−オキサゾリニル−2)ヘキサン、1
−(2−オキサゾリニル−2)オクタン、2−オキサゾ
リニル−2−シクロヘキサン等の2−オキサゾリン構造
を1個有する脂肪族化合物;2−オキサゾリニル−2−
ベンゼン、4−(2−オキサゾリニル−2)ジフェニ
ル、1−(2−オキサゾリニル−2)ナフタリン等の2
−オキサゾリン構造を1個有する芳香族化合物;1,2
−ビス(2−オキサゾリニル−2)エタン、1,4−ビ
ス(2−オキサゾリニル−2)ブタン、1,6−ビス
(2−オキサゾリニル−2)ヘキサン、1,8−ビス
(2−オキサゾリニル−2)オクタン、1,4−ビス
(2−オキサゾリニル−2)シクロヘキサン、1,3−
ビス(2−オキサゾリニル−2)シクロヘキサン、1,
4−ビス〔(2−オキサゾリニル−2)メチル〕シクロ
ヘキサン、1,3−ビス〔(2−オキサゾリニル−2)
メチル〕シクロヘキサン等の2−オキサゾリン構造を2
個有する脂肪族化合物;1,4−ビス(2−オキサゾリ
ニル−2)ベンゼン、1,3−ビス(2−オキサゾリニ
ル−2)ベンゼン、1,4−ビスベンゼン、1,3−ビ
ス〔(2−オキサゾリニル−2)メチル〕ベンゼン、
4,4’−ビス(2−オキサゾリニル−2)ジフェニ
ル、2,6−ビス(2−オキサゾリニル−2)ナフタリ
ン、1,5−ビス(2−オキサゾリニル−2)ナフタリ
ン等の2−オキサゾリン構造を2個有する芳香族化合物
を挙げることができる。これらのうちで好ましいものは
脂肪族、芳香族の2−オキサゾリン構造を2個有する化
合物である。
【0009】本発明のレンズ材料は、以上の組成物
(a)、(b)、(c)、(d)を混合し混合組成物と
した後、硬化重合して得られるが、混合組成物は、各組
成物(a)、(b)、(c)、(d)を必須成分とし、
(a)を10重量%以上90重量%以下、(b)を0重
量%以上80重量%以下、(c)を10重量%以上60
重量%以下使用するが、好ましくは、(a)を10重量
%以上80重量%以下、(b)を10重量%以上80重
量%以下、(c)を10重量%以上60重量%以下使用
する。さらに好ましくは、(a)を10重量%以上80
重量%以下、(b)を10重量%以上80重量%以下、
(c)を10重量%以上50重量%以下使用する。最も
好ましくは、(a)を10重量%以上80重量%以下、
(b)を10重量%以上50重量%以下、(c)を10
重量%以上50重量%以下使用する。また(d)組成物
であるオキサゾリン化合物は、(a)、(b)、(c)
の合計100重量部に対して0.01〜20重量部を、
好ましくは0.01から5重量部を、さらに、好ましく
は0.1〜5重量部を使用する。(a)、(b)、
(c)の各組成物が本発明の範囲を同時に満たさない場
合、本発明の主旨である高い屈折率、高いアッベ数およ
び高い耐熱性を同時に満たすことができない。(c)組
成物中の硫黄含有量が本発明の範囲を満たさない場合
も、本発明の主旨である高い屈折率、高いアッベ数およ
び高い耐熱性を同時に満たすことができない。さらに、
(d)組成物がこれより多いと注型重合時にレンズがモ
ールドより離型し難くなりさらには、耐熱性も低下す
る。(d)組成物がこれより少ない場合は、本発明の目
的とする注型重合時の剥がれが防止されない。
【0010】また、混合組成物中の全ビニル基および全
メタ(ア)クリロイル基の合計のモル数と全メルカプト
基のモル数の比(全ビニル基および全メタ(ア)クリロ
イル基の合計モル数/全メルカプト基のモル数)が1.
1から7を満たす必要がある。本発明のレンズ材料は各
組成物の一つでも欠くと、目的とする屈折率、アッベ
数、耐熱性、注型重合時の剥がれ防止が達成されない。
混合組成物中の全ビニル基および全メタ(ア)クリロイ
ル基の合計のモル数と全メルカプト基のモル数の比が
1.1より小さい場合は耐熱性が不足し、7より大きい
場合は材料の目的とする屈折率、アッベ数が達成されな
いばかりか、靭性が低下する。すなわち、上述の各組成
物の条件と本条件を同時に満たすことにより、従来技術
の(c)法では達成されなかった、屈折率、アッベ数が
共に高く、かつ、耐熱性の優れたレンズ材料を注型重合
時に剥がれを防止することにより製造することがができ
る。
【0011】本発明の光学材料は、以上の組成物
(a)、(b)、(c)、(d)を上述の所定の条件を
満たす配合割合で混合し混合組成物とした後、重合硬
化、製造されるが、重合促進剤として、ラジカル重合開
始剤、アミン類、4級アンモニウム塩、アミン類とボラ
ンおよび三フッ化ホウ素とのコンプレックス、フォスフ
ィン類等が挙げられ、また、これらの内の少なくとも2
種の併用等も挙げられるが、ラジカル重合開始剤を使用
する事が好ましい方法である。
【0012】ラジカル重合開始剤とは、加熱あるいは紫
外線や電子線によってラジカルを生成するものであれば
良く、例えば、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパ
ーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、クミルパー
オキシネオデカノエート、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート、ジアリルパーオキシジカーボネート、ジ
−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジミリスチ
ルパーオキシジカーボネート、クミルパーオキシネオヘ
キサノエート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジ
カーボネート、ジ(メトキシイソプロピル)パーオキシ
ジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート、ter−ヘキシルパーオキシネオデカ
ノエート、ジ(3−メチル−3−メトキシブトル)パー
オキシジカーボネート、ter−ブチルパーオキシネオ
デカノエート、ter−ヘキシルパーオキシネオヘキサ
ノエート、ter−ブチルパーオキシネオヘキサノエー
ト、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、te
r−ヘキシルパーオキシピバレート、ter−ブチルパ
ーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノ
イルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デ
カノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、
クミルパーオキシオクトエート、スクシニックアシッド
パーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ter−ブ
チルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、m−ト
ルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
ter−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビ
ス(ter−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、1,1−ビス(ter−ブチルパ
ーオキシ)シクロヘキサン、ter−ブチルパーオキシ
マレイックアシッド、ter−ブチルパーオキシラウレ
ート、ter−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメ
チルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、ter−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t
er−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキ
シ)ヘキサン、2,2−ビス(ter−ブチルパーオキ
シ)オクタン、ter−ブチルパーオキシアセテート、
2,2−ビス(ter−ブチルパーオキシ)ブタン、t
er−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−
4,4−ビス(ter−ブチルパーオキシ)バレレー
ト、ジ−ter−ブチルパーオキシイソフタレート、メ
チルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ter−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(ter−ブチ
ルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、ter−
ブチルクミルパーオキサイド、ジ−ter−ブチルパー
オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ter−
ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキサイド
類;ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサード、p
−メンタンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルヒドロパーオキサード、2,5−ジメ
チルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメ
ンヒドロパーオキサイド、ter−ブチルヒドロパーオ
キサイド等のヒドロパーオキサイド類;2,2’−アゾ
ビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピ
オニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリ
ル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル)、1−〔(1−シアノ−1−メチルエチ
ル)アゾ〕ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メト
キシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル等のアゾ系化
合物等の公知の熱重合触媒、ベンゾイン、ベンゾインモ
ノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
アセトイン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−メトキシ
ベンゾフェノン、、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、ベンジルジメ
チルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフ
ェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレ
ート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロ
パン−1−オン等のカルボニル化合物、テトラメチルチ
ウラニウムモノスルフィド、テトラメチルチウラニウム
ジスルフィド等の硫黄化合物;2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシ
ルフォスフィンオキサイド等の公知の光重合触媒が挙げ
られる。これらのなかで好ましいものは、パーオキサイ
ド類、ヒドロパーオキサイド類、アゾ系化合物であり、
より好ましいものは、パーオキサイド類、アゾ系化合物
であり、最も好ましいものは、2,2’−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)、1−〔(1−シアノ−1−メチルエチル)ア
ゾ〕ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−
2,4−ジメチル−バレロニトリル等のアゾ系化合物で
ある。またこれらは、全て混合使用することができる。
【0013】アミン類としては例えば、エチルアミン、
n−プロピルアミン、sec−プロピルアミン、n−ブ
チルアミン、sec−ブチルアミン、i−ブチルアミ
ン、t−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミ
ン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、
ラウリルアミン、ミスチリルアミン、1,2−ジメチル
ヘキシルアミン、3−ペンチルアミン、2−エチルヘキ
シルアミン、アリルアミン、アミノエタノール、1−ア
ミノプロパノール、2−アミノプロパノール、アミノブ
タノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、
3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピル
アミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブト
キシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミ
ン、3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピルアミン、
アミノシクロペンタン、アミノシクロヘキサン、アミノ
ノルボルネン、アミノメチルシクロヘキサン、アミノベ
ンゼン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、α−フェ
ニルエチルアミン、ナフチルアミン、フルフリルアミン
等の1級アミン;エチレンジアミン、1,2−ジアミノ
プロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミ
ノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノ
ブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノ
ヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミ
ノオクタン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチル
アミノプロピルアミン、ビス−(3−アミノプロピル)
エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エ
タン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,
2’−ジメチルプロパン、アミノエチルエタノールアミ
ン、1,2−、1,3−あるいは1,4−ビスアミノシ
クロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノメ
チルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスア
ミノエチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−
ビスアミノプロピルシクロヘキサン、水添4,4’−ジ
アミノジフェニルメタン、2−あるいは4−アミノピペ
リジン、2−あるいは4−アミノメチルピペリジン、2
−あるいは4−アミノエチルピペリジン、N−アミノエ
チルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−
アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリ
ン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、1,4−
ビスアミノプロピルピペラジン、o−、m−、あるいは
p−フェニレンジアミン、2,4−あるいは2,6−ト
リレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、m−アミ
ノベンジルアミン、4−クロロ−o−フェニレンジアミ
ン、テトラクロロ−p−キシリレンジアミン、4−メト
キシ−6−メチル−m−フェニレンジアミン、m−、あ
るいはp−キシリレンジアミン、1,5−あるいは、
2,6−ナフタレンジアミン、ベンジジン、4,4’−
ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、4,4’−ジ
アミノジフェニルメタン、2,2−(4,4’−ジアミ
ノジフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル、4,4’−チオジアニリン、4,4’−ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジトリ
ルスルホン、メチレンビス(o−クロロアニリン)、
3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ジエチレ
ントリアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミ
ノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−アミノエチルピ
ペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、1,4−ビ
ス(アミノエチルピペラジン)、1,4−ビス(アミノ
プロピルピペラジン)、2,6−ジアミノピリジン、ビ
ス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン等の1級ポリ
アミン;ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−
ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチ
ルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−3−ペンチル
アミン、ジヘキシルアミン、オクチルアミン、ジ(2−
エチルヘキシル)アミン、メチルヘキシルアミン、ジア
リルアミン、ピロリジン、ピペリジン、2−、3−、4
−ピコリン、2,4−、2,6−、3,5−ルペチジ
ン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリン、N−エチ
ルアニリン、ジベンジルアミン、メチルベンジルアミ
ン、ジナフチルアミン、ピロール、インドリン、インド
ール、モルホリン等の2級アミン;N,N’−ジメチル
エチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジア
ミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノ
プロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタ
ン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、
N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N,
N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’
−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジ
メチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチ
ルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジ
アミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミ
ノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブ
タン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、
N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,
N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジ
ン、2−メチルピペラジン、2,5−あるいは2,6−
ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−
(4−ピペリジル)メタン、1,2−ジ−(4−ピペリ
ジル)エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)プロパ
ン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)ブタン、テトラメ
チルグアニジン等の2級ポリアミン;トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ト
リ−iso−プロピルアミン、トリ−1,2−ジメチル
プロピルアミン、トリ−3−メトキシプロピルアミン、
トリ−n−ブチルアミン、トリ−iso−ブチルアミ
ン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−ペンチルアミ
ン、トリ−3−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルア
ミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−2−エチルヘ
キシルアミン、トリ−ドデシルアミン、トリ−ラウリル
アミン、トリ−シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチ
ルヘキシルアミン、N−メチルジヘキシルアミン、N,
N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシク
ロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリベンジ
ルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジエチル
ベンジルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチ
ルアミノ−p−クレゾール、N,N−ジメチルアミノメ
チルフェノール、2−(N,N−ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、N,N−ジメチルアニリン、N,N−
ジエチルアニリン、ピリジン、キノリン、N−メチルモ
ルホリン、N−メチルピペリジン、2−(2−ジメチル
アミノエトキシ)−4−メチル−1,3,2−ジオキサ
ボルナン等の3級アミン;テトラメチルエチレンジアミ
ン、ピラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,
N’−ビス((2−ヒドロキシ)プロピル)ピペラジ
ン、ヘキサメチレンテトラミン、N,N,N’,N’−
テトラメチル−1,3−ブタンアミン、2−ジメチルア
ミノ−2−ヒドロキシプロパン、ジエチルアミノエタノ
ール、N,N,N−トリス(3−ジメチルアミノプロピ
ル)アミン、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルア
ミノメチル)フェノール、ヘプタメチルイソビグアニド
等の3級ポリアミン;イミダゾール、N−メチルイミダ
ゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾ
ール、、N−エチルイミダゾール、2−エチルイミダゾ
ール、4−エチルイミダゾール、N−ブチルイミダゾー
ル、2−ブチルイミダゾール、N−ウンデシルイミダゾ
ール、2−ウンデシルイミダゾール、N−フェニルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−ベンジルイ
ミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、1−ベンジル
−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチ
ル)−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエ
チル)−2−ウンデシルイミダゾール、N−(2’−シ
アノエチル)−2−フェニルイミダゾール、3,3−ビ
ス−(2−エチル−4−メチルイミダゾリル)メタン、
アルキルイミダゾールとイソシアヌール酸の付加物、ア
ルキルイミダゾールとホルムアルデヒドの縮合物等の各
種イミダゾール類;1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,
3,0)ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジ
アザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミジ
ン類;以上に代表されるアミン系化合物が挙げられる。
これらは単独でも2種類以上を混合して用いても良い。
【0014】4級アンモニウム塩としては例えば、前述
のアミン類とハロゲン、鉱酸、ルイス酸、有機酸、ケイ
酸、四フッ化ホウ酸等との4級アンモニウム塩等が挙げ
られる。これらは単独でも2種類以上を混合して用いて
も良い。
【0015】アミン類とボランおよび三フッ化ホウ素と
のコンプレックスとしては例えば、前述のアミン類とボ
ランおよび三フッ化ホウ素とのコンプレックス等が挙げ
られる。
【0016】フォスフィン類としては例えば、トリメチ
ルフォスフィン、トリエチルフォスフィン、トリ−is
o−プロピルフォスフィン、トリ−n−ブチルフォスフ
ィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルフ
ォスフィン、トリベンジルホスフィン、ジメチルフェニ
ルフォスフィン、ジエチルフェニルフォスフィン、エチ
ルジフェニルフォスフィン、クロロジフェニルフォスフ
ィン等のフォスフィン類等が挙げられ、これらは単独で
も2種類以上を混合して用いても良い。
【0017】ラジカル重合開始剤、アミン類、4級アン
モニウム塩、アミン類とボランおよび三フッ化ホウ素と
のコンプレックス、フォスフィン類等、また、これらの
内の少なくとも2種の併用の配合量は、組成物の成分や
硬化方法によって変化するので一慨には決められない
が、通常は組成物総量に対して0.01重量%〜5.0
重量%、好ましくは0.1重量%〜2.0重量%の範囲
である。
【0018】更に、本発明のレンズ材料の製造にあた
り、公知の、2,6−ジ−ter−ブチル−4−メチル
フェノールに代表される立体障害性フェノール、立体障
害性アミン、ホスファイト、ホスフィンに代表される3
価燐化合物等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール等の紫
外線吸収剤等の添加剤を加えて、得られる材料の実用性
をより向上せしめることはもちろん可能である。また公
知の外部および/または内部離型剤を本発明の(d)組
成物と併用して、得られる硬化材料の型からの剥がれと
離型性を制御し注型重合時の歩留まりを向上せしめるこ
とも可能である。ここに言う内部離型剤とは、フッ素系
ノニオン界面活性剤、シリコン系ノニオン界面活性剤、
アルキル第4級アンモニウム塩、燐酸エステル、酸性燐
酸エステル、酸性燐酸エステルのアルカリ金属塩、高級
脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エステル、パラフィン、ワ
ックス、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸アルコール、ポ
リシロキサン類、脂肪族アミンエチレンオキサイド付加
物等があげられ、好ましいものは、燐酸エステル、酸性
燐酸エステル、酸性燐酸エステルのアルカリ金属塩であ
り、より好ましいものは、オキシエチレンに代表され
る、オキシアルキレン基を有する燐酸オキシアルキレン
エステル、酸性燐酸オキシアルキレンエステル、酸性燐
酸オキシアルキレンエステルのアルカリ金属塩である。
またこれらの内部離型剤は(a)、(b)、(c)の混
合組成物総量対して、通常0.001〜5重量%を使用
する。 更に、公知の重合調製剤を添加し、硬化時の重
合速度の調整を行うことによりレンズ性状をより好適に
する事ができる。ここで言う公知の重合調製剤とは、メ
ルカプタン類、α−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ンの2量体等である。好ましくはα−メチルスチレンの
2量体等が挙げられる。
【0019】本発明のレンズ材料は、組成物(a)、
(b)、(c)、(d)からなる混合組成物さらには所
望に応じて、ラジカル重合開始剤、組成物(a)、
(b)で使用される以外のラジカル重合可能な単量体、
さらには離型剤、安定剤等を混合後、次の様にして重合
硬化してレンズ等の光学材料とされる。即ち、混合後の
原料をガラスや金属製の型に注入し、加熱および/また
は紫外線や電子線照射によって重合硬化反応を進めた
後、型から外し製造される。硬化時間は0.05〜10
0時間であり、加熱重合の場合通常3〜48時間であ
り、硬化温度は−10〜160℃、通常−10〜140
℃である。さらに必要に応じてハードコート、反射防
止、防曇性付与等表面処理を行うことができる。
【0020】本発明の光学材料の製造方法は、さらに詳
しく述べるならば以下の通りである。本発明の光学材料
は前述の様に、主原料である組成物(a)、(b)、
(c)および副原料を混合後、型に注入硬化して製造さ
れるが、主原料である各組成物からなる混合組成物は、
これらを構成するメタ(ア)クリレート化合物、ジビニ
ルベンゼン、モノ不飽和化合物およびポリメルカプト化
合物を別容器で各混合し組成物(a)、(b)、(c)
として調製した後、再度混合し最終的混合組成物として
も、これらの化合物を全て同一容器内に一度に混合して
混合組成物としても、またこれの中間的方法であっても
構わない。また、所望により使用されるラジカル重合可
能な単量体、ラジカル重合開始剤、さらには離型剤、安
定剤等は、全て同一容器内で同時に撹拌下に混合して
も、各原料を段階的に添加混合しても、数成分を別々に
混合後さらに同一容器内で再混合しても良い。混合にあ
たり、設定温度、混合時間等は基本的には各成分が十分
に混合される条件であればよいが、過剰の温度、時間は
各原料、添加剤間の好ましくない反応が起こり、さらに
は粘度の上昇を来たし注型操作を困難にする等適当では
ない。混合温度は−30℃から100℃程度の範囲で行
われるべきであり、好ましい温度範囲は−20℃から5
0℃、さらにに好ましいのは、−10℃から30℃であ
る。混合時間は、1分から5時間、好ましくは5分から
2時間、さらに好ましくは5分から30分程度である。
各原料、添加剤の混合前、混合時あるいは混合後に、減
圧下に脱ガス操作を行う事は、後の中型重合硬化中の気
泡発生を防止する点からは好ましい方法である。この時
の減圧度は0.1mmHgから700mmHg程度で行
うが、好ましいのは10mmHgから300mmHgで
ある。さらに、型に注入に際して、ミクロフィルター等
で不純物等を濾過し除去することは本発明の光学材料の
品質をさらに高める上からも好ましい。
【0021】本発明の光学材料の製造は、上記のごとく
調整された各原料、添加剤の混合物を型に注入後、さら
に重合硬化して行われるが、該条件は前述のごとく光、
加熱重合の場合、硬化時間は0.05から100時間、
加熱重合の場合、通常3から48時間であり、硬化温度
は−10から160℃、通常−10から140℃であ
る。さらに詳しく述べるならば、好ましい加熱硬化温度
および時間は、20から140℃、6から48時間であ
る。硬化温度は、一定温度であっても、昇温であって
も、降温であってもよい、また一定温度と昇温の組み合
わせであっても、一定温度と昇温および降温の組み合わ
せであってもかまわない。好ましいのは、一定温度と昇
温および降温の組み合わせである。また、硬化終了後、
材料を50から150℃の温度で10分から5時間程度
アニール処理を行う事は、本発明の光学材料の歪を除く
ために好ましい処理である。
【0022】
【発明の効果】本発明のレンズ材料およびこれの製造方
法により、高屈折率、高アッベ数で高い耐熱性を有する
レンズ材料を注型重合時のモ−ルドからの剥がれを防止
することにより製造することが可能となった。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。なお、本発明の光学材料の物性は以下のごとき方法
条件で測定した。屈折率、アッベ数はアッベの屈折計に
より、耐熱性はビカット軟化点温度により評価した。条
件は荷重5Kg、昇温速度1℃/分で針が0.1mm侵
入した時の温度を該軟化点とした。尚、実施例中の略語
は以下の通りとした。また、剥がれの評価に関しては、
◎は成形体の表面に全くスジが観察されなかった場合、
○は成形体の表面に極薄いスジが観察された場合、△は
表面に薄いスジが観察された場合、×は表面ハッキリと
したスジが観察された場合とした。離型性の評価に関し
ては、◎はクサビ状治具をモールド間に差し込んだだけ
で離型した場合、○はクサビ状治具をモールド間に差し
込んで若干力を加えて離型した場合、△はクサビ状治具
をモールド間に差し込んで強く力を加えて離型した場
合、×はクサビ状治具では離型しなかった場合、−は重
合硬化中に離型した場合とした。 ペンタエリスリトールテトラアクリレート :TMMTA トリメチロールプロパントリアクリレート :TMPTA ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート:DPEHA ジビニルベンゼン :DVB エチルビニルベンゼン :EVB ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド :BMES 1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)−3−メルカプトプロパン :BMEP 2−(2−メルカプトエチルチオ)−1,3−ジメルカプトプロパン :MEMP 2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン:BMDT ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート) :PETMP 1,3−ビス(2−オキサゾリニル−2)ベンゼン:BOB
【0024】実施例1 (a)組成物としてTMMTA(1分子中のアクリロイ
ル基数4)80重量部、(b)組成物としてDVBとE
VBの混合物(DVBとして96重量%)10重量部、
(d)組成物としてBOB 2重量部を25℃で1時間
混合し均一溶液とした。この後、(c)組成物としてP
ETMP(C組成物中硫黄含有量26.3重量%)を1
0重量部加え、さらに開始剤として1,1’−アゾビス
(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)を0.3重量
部を加え混合均一とし、10mmHg前後の減圧下で脱
ガス、混合後、得られた混合物を中心厚みが1mmにな
るように調節された型(ガラスモールドとガスケットで
構成される)の中に注入して、50℃から120℃まで
直線的に18時間かけて昇温後、120℃で2時間保持
して重合硬化した。得られたレンズ材料の屈折率、アッ
ベ数、ビカット軟化点温度を測定し、表1に示した。ま
た、(c)組成物中の硫黄含量、混合組成物中の全ビニ
ル基および全メタ(ア)クリロイル基の合計モル数と全
メルカプト基のモル数の比(全ビニル基および全メタ
(ア)クリロイル基の合計モル数/全メルカプト基のモ
ル数)とも同時に表1に示した。重合中の剥がれはな
く、クサビ状治具で容易に離型できた。表面状態、屈折
率、アッベ数、耐熱性ともに優れたものであった。 実施例2および3 実施例1を、表1に示した原料と組成に変更してこれを
繰り返し、各種組成のレンズ材料を得た。結果は表1に
示した。混合組成物中(a)、(b)、(c)、(d)
組成物の各組成、(c)組成物中の硫黄含量、混合組成
物中の全ビニル基および全メタ(ア)クリロイル基の合
計モル数と全メルカプト基のモル数の比(全ビニル基お
よび全メタ(ア)クリロイル基の合計モル数/全メルカ
プト基のモル数)が同時に特定の範囲を満たす条件下
で、重合中の剥がれがなく、クサビ状治具で容易に離型
できた。表面状態、屈折率、アッベ数、耐熱性ともに優
れたものであった。 実施例4 (a)組成物としてTMMTA(1分子中のアクリロイ
ル基数4)45重量部、(b)組成物としてDVBとE
VBの混合物(DVBとして96重量%)25重量部、
(d)組成物としてBOB 2重量部、酸化防止剤とし
て2,6−ジ−ter−ブチル−4−メチルフェノール
0.1重量部、紫外線吸収剤として2−(2−ヒドロ
キシ−5−ter−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール 0.1重量部を25℃で1時間混合し均一溶液と
した。この後、(c)組成物としてBMES(C組成物
中硫黄含有量62.3重量%)を30重量部加え、さら
に開始剤として1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−
1−カルボニトリル)を0.3重量部を加え混合均一と
し、10mmHg前後の減圧下で脱ガス、混合後、得ら
れた混合物を中心厚みが1mmになるように調節された
型(ガラスモールドとガスケットで構成される)の中に
注入して、50℃から120℃まで直線的に18時間か
けて昇温後、120℃で2時間保持して重合硬化した。
得られたレンズ材料の屈折率、アッベ数、ビカット軟化
点温度を測定し、表1に示した。また、(c)組成物中
の硫黄含量、混合組成物中の全ビニル基および全メタ
(ア)クリロイル基の合計モル数と全メルカプト基のモ
ル数の比(全ビニル基および全メタ(ア)クリロイル基
の合計モル数/全メルカプト基のモル数)とも同時に表
1に示した。重合中の剥がれはなく、クサビ状治具で容
易に離型できた。表面状態、屈折率、アッベ数、耐熱性
ともに優れたものであった。 実施例5 実施例1を、表1に示した原料と組成に変更してこれを
繰り返し、各種組成のレンズ材料を得た。結果は表1に
示した。混合組成物中(a)、(b)、(c)、(d)
組成物の各組成、(c)組成物中の硫黄含量、混合組成
物中の全ビニル基および全メタ(ア)クリロイル基の合
計モル数と全メルカプト基のモル数の比(全ビニル基お
よび全メタ(ア)クリロイル基の合計モル数/全メルカ
プト基のモル数)が同時に特定の範囲を満たす条件下
で、重合中の剥がれがなく、クサビ状治具で容易に離型
できた。表面状態、屈折率、アッベ数、耐熱性ともに優
れたものであった。 実施例6 (a)組成物としてTMMTA(1分子中のアクリロイ
ル基数4)45重量部、(b)組成物としてDVBとE
VBの混合物(DVBとして96重量%)25重量部、
(d)組成物としてBOB 10重量部、内部離型剤と
してテトラエチレングリコールドデシルエーテルのリン
酸モノ及びジエステルの混合ナトリウム塩0.02重量
部を25℃で1時間混合し均一溶液とした。この後、
(c)組成物としてBMES(C組成物中硫黄含有量6
2.3重量%)を30重量部加え、さらに開始剤として
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)を0.3重量部を加え混合均一とし、10mmH
g前後の減圧下で脱ガス、混合後、得られた混合物を中
心厚みが1mmになるように調節された型(ガラスモー
ルドとガスケットで構成される)の中に注入して、50
℃から120℃まで直線的に18時間かけて昇温後、1
20℃で2時間保持して重合硬化した。得られたレンズ
材料の屈折率、アッベ数、ビカット軟化点温度を測定
し、表1に示した。また、(c)組成物中の硫黄含量、
混合組成物中の全ビニル基および全メタ(ア)クリロイ
ル基の合計モル数と全メルカプト基のモル数の比(全ビ
ニル基および全メタ(ア)クリロイル基の合計モル数/
全メルカプト基のモル数)とも同時に表1に示した。重
合中の剥がれはなく、クサビ状治具で容易に離型でき
た。表面状態、屈折率、アッベ数、耐熱性ともに優れた
ものであった。 実施例7〜11 実施例1を、表1に示した原料と組成に変更してこれを
繰り返し、各種組成のレンズ材料を得た。結果は表1に
示した。混合組成物中(a)、(b)、(c)、(d)
組成物の各組成、(c)組成物中の硫黄含量、混合組成
物中の全ビニル基および全メタ(ア)クリロイル基の合
計モル数と全メルカプト基のモル数の比(全ビニル基お
よび全メタ(ア)クリロイル基の合計モル数/全メルカ
プト基のモル数)が同時に特定の範囲を満たす条件下
で、重合中の剥がれがなく、クサビ状治具で容易に離型
できた。表面状態、屈折率、アッベ数、耐熱性ともに優
れたものであった。 実施例12 (a)組成物としてTMMTA(1分子中のアクリロイ
ル基数4)40重量部、(b)組成物としてDVBとE
VBの混合物(DVBとして96重量%)30重量部、
(d)組成物としてBOB 4重量部を25℃で1時間
混合し均一溶液とした。この後、(c)組成物としてB
MES(C成分中硫黄含有量62.3重量%)を30重
量部加え、さらに2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノンおよびt−ブチルパーオキシネオデカノエート
を混合組成物物100重量部に対してそれぞれ0.3重
量部、0.1重量部加え混合均一とし、10mmHg前
後の減圧下で脱ガス、混合後、得られた混合物を中心厚
みが1mmになるように調節された型(ガラスモールド
とガスケットで構成される)の中に注入して、1kwの高
圧水銀灯を型の両側それぞれ30cmの距離から10分
間照射し重合硬化した。脱型後120℃で1時間アニー
ルを行った。得られたレンズ材料の屈折率、アッベ数、
ビカット軟化点温度を測定し、表1に示した。また、
(c)組成物中の硫黄含量、混合組成物中の全ビニル基
および全メタ(ア)クリロイル基の合計モル数と全メル
カプト基のモル数の比(全ビニル基および全メタ(ア)
クリロイル基の合計モル数/全メルカプト基のモル数)
も同時に表1に示した。成形体は重合中の剥がれがな
く、クサビ状治具で容易に離型できた。表面状態、屈折
率、アッベ数、耐熱性ともに優れたものであった。 比較例1〜9 比較例1は実施例1、比較例2は実施例2、比較例3は
実施例4、比較例4は実施例7、比較例5は実施例8、
比較例6は実施例9、比較例7は実施10、比較例8は
実施例11、比較例9は実施例12と同様の操作を
(d)組成物を添加せずに行った。結果は表1に示し
た。(d)組成物を添加しなかったため、成形体は重合
中に剥がれが生じて表面状態の悪いものであった。 比較例10 実施例5と同様な操作を、(d)組成物の代わりにXD
Iを10重量部用いて行った。結果は表1に示した。重
合中に一部剥がれが生じ表面状態の悪いものであった。 比較例11 実施例5と同様な操作を、(d)組成物の代わりにGM
Aを10重量部用いて行った。結果は表1に示した。重
合中に一部剥がれが生じ表面状態の悪いものであった。
【0025】
【表1】 1)全ビニル基および全メタ(ア)クリロイル基の合計モル数/全メルカプト基 のモル数

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)1分子中に2個以上、6個以下の
    アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有す
    る1種類以上のアクリレートまたはメタクリレート化合
    物からなり、組成物中の1分子あたりの平均で2個以
    上、6個以下のアクリロイル基および/またはメタクリ
    ロイル基を有する組成物を10重量%以上90重量%以
    下 (b)ジビニルベンゼンと1分子中に芳香族ビニル基、
    アクリロイル基またはメタクリロイル基を1個有するモ
    ノ不飽和化合物からなり、ジビニルベンゼンが両者の合
    計100重量%に対して40重量%以上である組成物、
    を0重量%以上80重量%未満 (c)1分子中に2個以上のメルカプト基を有する1種
    類以上のポリメルカプト化合物からなり、組成物中の硫
    黄含有量が20重量%以上である組成物を10重量%以
    上60重量%以下 (d)下記一般式(I)で示されるオキサゾリン環を1
    個以上有する化合物の群から選ばれる1種類以上のオキ
    サゾリン化合物を(a)、(b)、(c)の合計100
    重量部に対して0.01〜20重量部 【化1】 (式中Rはm価の炭化水素基、mは1以上の整数を示
    す)から成り、かつ(a)、(b)、(c)の各組成物
    の合計からなる組成物中の全ビニル基および全アクリロ
    イル基またはメタクリロイル基の合計のモル数と全メル
    カプト基のモル数の比(全ビニル基および全アクリロイ
    ル基またはメタクリロイル基の合計モル数/全メルカプ
    ト基のモル数)が1.1から7である混合組成物を重合
    して得られる、屈折率が1.50から1.65である、
    注型重合時のモールドに対する密着性の改良された高屈
    折率と高アッベ数さらには高い耐熱性を有するレンズ材
    料用組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の組成物をラジカル重合開始剤
    の存在下、加熱下に重合して請求項1のレンズを製造す
    る方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の組成物を光重合開始剤の存在
    下、光照射下に重合して請求項1のレンズを製造する方
    法。
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JP2005171168A (ja) * 2003-12-15 2005-06-30 Mitsui Chemicals Inc 重合性組成物およびその用途
WO2015046134A1 (ja) * 2013-09-30 2015-04-02 富士フイルム株式会社 光インプリント用硬化性組成物及びパターン形成方法

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JP2015070145A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 富士フイルム株式会社 光インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法、微細パターン、および半導体デバイスの製造方法

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