JP4639418B2 - 高屈折率樹脂 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、プラスチックレンズ、プリズム、光ファイバー、情報記録基盤、フィルター等の光学材料、中でも、眼鏡用プラスチックレンズを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック材料は軽量かつ靭性に富み、また染色が容易であることから、各種光学材料、特に眼鏡レンズに近年多用されている。光学材料、中でも眼鏡レンズに特に要求される性能は、低比重に加えるに、高透明性および低黄色度、光学性能として高屈折率と高アッベ数であり、高屈折率はレンズの薄肉化を可能とし、高アッベ数はレンズの色収差を低減する。本願発明者らは薄い肉厚および低い色収差を有する屈折率1.7以上かつアッベ数35以上の光学材料を可能とする新規なエピスルフィド化合物を見いだし、先に特許出願を行った(特開平9−71580号公報、特開平9−110979号公報、特開平9−255781号公報)。しかしながら、これらの発明では屈折率は1.71程度であるため、さらに高い屈折率を有しかつアッベ数は実用上使用限界と考えられる30以上を有する材料が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、アッベ数を30以上かつ従来技術を上回る高い屈折率を有する高屈折率樹脂を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、高屈折率樹脂の原料である下記(1)式で表される化合物または該化合物を10wt%以上含有する組成物を重合硬化して得られる高屈折率樹脂により解決した。
【0005】
【化3】
(式中、R1 は炭素数1〜10の炭化水素、R2,R3 およびR4 は、それぞれ炭素数1〜10の炭化水素基または水素を示す。m=1〜5、n=0〜5であり、かつm+nは2以上であり、mとnが同時に1とはならない。)
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する(1)式で表される化合物は、光学材料とした時に高い屈折率と高いアッベ数および両者の良好なバランスを発現するものであり、したがって(1)式中のR1 は好ましくはメチレンおよびエチレンであり、(1)式中のR2 、R3 およびR4 は好ましくは水素およびメチル基である。より好ましくはR1 はメチレンであり、R2 、R3 およびR4 は水素である。mは1〜5を表すが、好ましくはmが1または2である。nは0〜5を表すが、好ましくはnが1〜4である。また、mとnが同時に1の場合は、充分に高い屈折率が得られない。
【0007】
本発明の(1)式で表される構造を1分子中に1個以上有するエピスルフィド化合物とはこの条件を満たす有機化合物をすべて包括するが、このうち好ましい具体例は、以下のものである。
ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、
ビス(β−エピチオプロピル)トリスルフィド、
ビス(β−エピチオプロピル)テトラスルフィド、
ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)ジスルフィド、
ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)トリスルフィド、
ビス(β−エピジチオプロピル)スルフィド、
ビス(β−エピジチオプロピル)ジスルフィド、
ビス(β−エピジチオプロピル)トリスルフィド、
1,2,3−トリス(β−エピチオプロピルジチオ)プロパン、
1,2,3−トリス(β−エピジチオプロピルチオ)プロパン、
トリス(β−エピジチオプロピルチオメチル)メタン、
1,1,1−トリ(β−エピジチオプロピルチオメチル)プロパン、
テトラキス(β−エピチオプロピルジチオメチル)メタン、
テトラキス(β−エピジチオプロピルチオメチル)メタン、
テトラキス(β−エピジチオプロピルジチオメチル)メタン、
ビス〔1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロピル〕ジスルフィド、
1,3および1,4−ビス(β−エピジチオプロピルチオ)シクロヘキサン、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕スルフィド、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕ジスルフィド、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕メタン、
2,2−ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕プロパン、
2,5−ビス(β−エピチオプロピルジチオメチル)−1,4−ジチアン、
2,5−ビス(β−エピジチオプロピルチオ)−1,4−ジチアン、
2,5−ビス(β−エピジチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、
1,3および1,4−ビス(β−エピジチオプロピルチオ)ベンゼン、
1,3および1,4−ビス(β−エピジチオプロピルチオメチル)ベンゼン、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)フェニル〕ジスルフィド、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)フェニル〕メタン、
2,2−ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)フェニル〕プロパン、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)フェニル〕スルフォン、
4,4’−ビス(β−エピジチオプロピルチオ)ビフェニル、
ビニルチオグリシジルジスルフィド、
アリルチオグリシジルジスルフィド、
ビニルフェニルチオグリシジルジスルフィド、
ビニルベンジルチオグリシジルジスルフィド、
ビス(β−エピチオプロピル)ジセレニド、
ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)ジセレニド、
ビス(β−エピジチオプロピル)セレニド、
ビス(β−エピジチオプロピル)ジセレニド、
1,2,3−トリス(β−エピチオプロピルジセレ)プロパン、
1,2,3−トリス(β−エピジチオプロピルセレ)プロパン、
トリス(β−エピジチオプロピルセレメチル)メタン、
1,1,1−トリ(β−エピジチオプロピルセレメチル)プロパン、
テトラキス(β−エピジチオプロピルセレメチル)メタン、
ビス〔1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロピル〕ジセレニド、
1,3−および1,4−ビス(β−エピジチオプロピルセレ)シクロヘキサン、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕セレニド、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕ジセレニド、
2,2−ビス〔4−(β−エピジチオプロピルセレ)シクロヘキシル〕プロパン、2,5−ビス(β−エピジチオプロピルセレ)−1,4−ジチアン、
2,5−ビス(β−エピジチオプロピルセレメチル)−1,4−ジチアン、
1,3および1,4−ビス(β−エピジチオプロピルセレ)ベンゼン、
1,3および1,4−ビス(β−エピジチオプロピルセレメチル)ベンゼン、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)フェニル〕セレニド、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルチオ)フェニル〕ジセレニド、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルセレ)フェニル〕メタン、
2,2−ビス〔4−(β−エピジチオプロピルセレ)フェニル〕プロパン、
ビス〔4−(β−エピジチオプロピルセレ)フェニル〕スルフォン、
4,4−ビス(β−エピジチオプロピルセレ)ビフェニル、
ビニルチオグリシジルジセレニド、
アリルチオグリシジルジセレニド、
ビニルフェニルチオグリシジルジテルリド、
ビニルベンジルチオグリシジルジテルリド、
ビス(β−エピチオプロピル)ジテルリド、
ビス(β−エピチオプロピルチオエチル)ジテルリド、
ビス(β−エピジチオプロピル)テルリド、
ビス(β−エピジチオプロピル)ジテルリド等をあげることができる。さらには、これらの化合物のβ−エピ(ジ)チオプロピル基の水素の少なくとも1個がメチル基で置換された化合物も具体例となる。
【0008】
また、これら以外にも、エピ(ジ)チオ基を1個有する化合物の具体例として、エチレンジスルフィド、エチレンジセレニド、エチレンジテルリド、プロピレンジスルフィド、プロピレンジセレニド、プロピレンジテルリド、ジチオグリシドール等の化合物類、酢酸、プロピオン酸、安息香酸等のモノカルボン酸のジチオグリシジルエステル類、メチルチオグリシジルジスルフィド、メチルチオグリシジルジセレニド、メチルチオグリシジルジテルリド、エチルチオグリシジルジスルフィド、エチルチオグリシジルジセレニド、エチルチオグリシジルジテルリド、プロピルチオグリシジルジスルフィド、ブチルチオグリシジルジスルフィド等のチオグリシジルジスルフィド類をあげることができる。
【0009】
以上のなかでより好ましいのは、β−エピチオプロピル基を1分子中に2個有する有機化合物、またはβ−エピジチオプロピル基を1分子中に1個有する有機化合物であり、
特に好ましくは、下記(2)式で表される化合物である。
【0010】
【化4】
(式中、R1 は炭素数1〜10の炭化水素、R2,R3 およびR4 は、それぞれ炭素数1〜10の炭化水素基または水素を示す。YはS、SeまたはTeを示す。O=1〜5、P=1〜5であり、かつO+Pは3以上である。)
具体例としては、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、
ビス(β−エピチオプロピル)トリスルフィド、
ビス(β−エピジチオプロピル)スルフィド、
ビス(β−エピジチオプロピル)ジスルフィド、
ビス(β−エピジチオプロピル)トリスルフィド、
1,2,3−トリス(β−エピチオプロピルジチオ)プロパン、
トリス(β−エピジチオプロピルチオメチル)メタン、
1,1,1−トリ(β−エピジチオプロピルチオメチル)プロパン、
テトラキス(β−エピチオプロピルジチオメチル)メタン、
ビス〔1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロピル〕ジスルフィド、
2,5−ビス(β−エピチオプロピルジチオメチル)−1,4−ジチアン、
2,5−ビス(β−エピジチオプロピルチオ)−1,4−ジチアン、
2,5−ビス(β−エピジチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、
ビス(β−エピチオプロピル)ジセレニド、
ビス(β−エピジチオプロピル)セレニド、
ビス(β−エピジチオプロピル)ジセレニド、
ビス(β−エピチオプロピル)ジテルリド、
ビス(β−エピジチオプロピル)テルリド、
が挙げられる。
【0011】
本発明で使用する前記(1)式で表される化合物の合成は化合物中に硫黄原子を導入する方法が鍵となるが、ハイドロポリスルフィド、ハイドロポリセレニドおよびハイドロポリテルリドもしくはポリ硫化ソーダおよびポリセレン化ソーダを使用する方法、メルカプタンおよびセレノールまたはハイドロポリスルフィドおよびハイドロポリセレニドの酸化による方法等で所望の(1)式中のnとmを選択して合成できる。
【0012】
ハイドロポリスルフィド、ハイドロポリセレニドおよびハイドロポリテルリドもしくはポリ硫化ソーダおよびポリセレン化ソーダ等を使用する方法では、これらとエピハロヒドリン類を開環付加、脱ハロゲン化水素反応させエポキシドとした後、チオシアン酸アルカリやチオ尿素等で硫化することにより合成される。この下記に示される反応により、(1)式中のnの数を変化させることができる。
【0013】
【化5】
(式中、Xはハロゲン、R2,R3,R4 はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基または水素を示す。YはS、SeまたはTeを示す。n=1〜5である。)
【0014】
メルカプタンやハイドロポリスルフィドの酸化による方法では、下記に示される分子内反応により、(1)式のmの数を変化させた化合物が合成できる。
【0015】
【化6】
(式中、R2,R3,R4 はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基または水素を示す。YはS、SeまたはTeを示す。m1 =1〜4、m2 =1〜4、m=2〜5、n=1〜5である。)
また、下記に示した分子間反応により、(1)式のnの数を変化させた化合物が合成できる。
【0016】
【化7】
(式中、R1 は炭素数1〜10の炭化水素、R2,R3,R4 はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基または水素を示す。YはS、SeまたはTeを示す。m=1〜5、n1 =1〜4、n2 =1〜4、n=2〜5である。)
これらの酸化反応は、特に反応条件等の制限がなく、通常使用される公知の酸化剤や触媒等を用いて行うことができる。
【0017】
本発明の光学材料を製造するために使用する硬化触媒としては、アミン類、 フォスフィン類、第4級アンモニウム塩類、第4級ホスホニウム塩類、第3級スルホニウム塩類、第2級ヨードニウム塩類、鉱酸類、ルイス酸類、有機酸類、ケイ酸類、四フッ化ホウ酸類等を挙げることができる。具体例としては、
1.エチルアミン、n−プロピルアミン、sec−プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、i−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミスチリルアミン、1,2−ジメチルヘキシルアミン、3−ペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、アリルアミン、アミノエタノール、1−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、アミノブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、3−エトキシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、3−イソプロポキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−イソブトキシプロピルアミン、3−(2−エチルヘキシロキシ)プロピルアミン、アミノシクロペンタン、アミノシクロヘキサン、アミノノルボルネン、アミノメチルシクロヘキサン、アミノベンゼン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、α−フェニルエチルアミン、ナフチルアミン、フルフリルアミン等の1級アミン;エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2’−ジメチルプロパン、アミノエチルエタノールアミン、1,2−、1,3−あるいは1,4−ビスアミノシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノエチルシクロヘキサン、1,3−あるいは1,4−ビスアミノプロピルシクロヘキサン、水添4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−あるいは4−アミノピペリジン、2−あるいは4−アミノメチルピペリジン、2−あるいは4−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、イソホロンジアミン、メンタンジアミン、1,4−ビスアミノプロピルピペラジン、o−、m−、あるいはp−フェニレンジアミン、2,4−あるいは2,6−トリレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、m−アミノベンジルアミン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、テトラクロロ−p−キシリレンジアミン、4−メトキシ−6−メチル−m−フェニレンジアミン、m−、あるいはp−キシリレンジアミン、1,5−あるいは、2,6−ナフタレンジアミン、ベンジジン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−(4,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジトリルスルホン、メチレンビス(o−クロロアニリン)、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、1,4−ビス(アミノエチルピペラジン)、1,4−ビス(アミノプロピルピペラジン)、2,6−ジアミノピリジン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン等の1級ポリアミン;ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−3−ペンチルアミン、ジヘキシルアミン、オクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、メチルヘキシルアミン、ジアリルアミン、ピロリジン、ピペリジン、2−、3−、4−ピコリン、2,4−、2,6−、3,5−ルペチジン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、ジベンジルアミン、メチルベンジルアミン、ジナフチルアミン、ピロール、インドリン、インドール、モルホリン等の2級アミン;N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジメチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジメチル−1,4−ジアミノブタン、N ,N’−ジメチル−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジエチル−1,2−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,4−ジアミノブタン、N,N’−ジエチル−1,6−ジアミノヘキサン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−あるいは2,6−ジメチルピペラジン、ホモピペラジン、1,1−ジ−(4−ピペリジル)メタン、1,2−ジ−(4−ピペリジル)エタン、1,3−ジ−(4−ピペリジル)プロパン、1,4−ジ−(4−ピペリジル)ブタン、テトラメチルグアニジン等の2級ポリアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−iso−プロピルアミン、トリ−1,2−ジメチルプロピルアミン、トリ−3−メトキシプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−iso−ブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリ−ペンチルアミン、トリ−3−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、トリ−ドデシルアミン、トリ−ラウリルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、シクロヘキシルジエチルアミン、トリ−シクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N−メチルジヘキシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N、N−ジエチルエタノールアミン、N、N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルアミノ−p−クレゾール、N,N−ジメチルアミノメチルフェノール、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)−4−メチル−1,3,2−ジオキサボルナン等の3級アミン;テトラメチルエチレンジアミン、ピラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N,N’−ビス((2−ヒドロキシ)プロピル)ピペラジン、ヘキサメチレンテトラミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンアミン、2−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロパン、ジエチルアミ ノエタノール、N,N,N−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)アミン、2,4,6−トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、ヘプタメチルイソビグアニド等の3級ポリアミン;イミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、、N−エチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、N−ブチルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、N−ウンデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−N−メチルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、3−メルカプト−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、5−メルカプト−1−メチル−テトラゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、N−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、N−ベンジルイミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−ウンデシルイミダゾール、N−(2’−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、3,3−ビス−(2−エチル−4−メチルイミダゾリル)メタン、アルキルイミダゾールとイソシアヌール酸の付加物、アルキルイミダゾールとホルムアルデヒドの縮合物等の各種イミダゾール類;1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のアミジン類;以上に代表されるアミン系化合物。
2.1のアミン類とボランおよび三フッ化ホウ素とのコンプレックス。
3.トリメチルフォスフィン、トリエチルフォスフィン、トリ−iso−プロピルフォスフィン、トリ−n−ブチルフォスフィン、トリ−n−ヘキシルフォスフィン、トリ−n−オクチルフォスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルフォスフィン、トリベンジルホスフィン、トリス(2−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジメチルフェニルフォスフィン、ジエチルフェニルフォスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、エチルジフェニルフォスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、クロロジフェニルフォスフィン等のフォスフィン類。
4.テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨーダイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロゲンサルファイト、テトラ−n−ブチルアンモニウムテトラフルオロボーレート、テトラ−n−ブチルアンモニウムテトラフェニルボーレート、テトラ−n−ブチルアンモニウムパラトルエンスルフォネート、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムクロライド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムアセテート、テトラ−n−オクチルアンモニウムクロライド、テトラ−n−オクチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−オクチルアンモニウムアセテート、トリメチル−n−オクチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリエチル−n−オクチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリ−n−ブチル−n−オクチルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムフルオライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムクロライド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムヨーダイド、メチルトリフェニルアンモニウムクロライド、メチルトリフェニルアンモニウムブロマイド、エチルトリフェニルアンモニウムクロライド、エチルトリフェニルアンモニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルアンモニウムクロライド、n−ブチルトリフェニルアンモニウムブロマイド、1−メチルピリジニウムブロマイド、1−エチルピリジニウムブロマイド、1−n−ブチルピリジニウムブロマイド、1−n−ヘキシルピリジニウムブロマイド、1−n−オクチルピリジニウムブロマイド、1−n−ドデシルピリジニウムブロマイド、1−n−フェニルピリジニウムブロマイド、1−メチルピコリニウムブロマイド、1−エチルピコリニウムブロマイド、1−n−ブチルピコリニウムブロマイド、1−n−ヘキシルピコリニウムブロマイド、1−n−オクチルピコリニウムブロマイド、1−n−ドデシルピコリニウムブロマイド、1−n−フェニルピコリニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩。
5.テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムヨーダイド、テトラ−n−ヘキシルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−オクチルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、メチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルホスホニウムヨーダイド、n−ヘキシルトリフェニルホスホニウムブロマイド、n−オクチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムクロライド、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムブロマイド、テトラキスヒドロキシエチルホスホニウムクロライド、テトラキスヒドロキシブチルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩。
6.トリメチルスルホニウムブロマイド、トリエチルスルホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルスルホニウムクロライド、トリ−n−ブチルスルホニウムブロマイド、トリ−n−ブチルスルホニウムヨーダイド、トリ−n−ブチルスルホニウムテトラフルオロボーレート、トリ−n−ヘキシルスルホニウムブロマイド、トリ−n−オクチルスルホニウムブロマイド、トリフェニルスルホニウムクロライド、トリフェニルスルホニウムブロマイド、トリフェニルスルホニウムヨーダイド等のスルホニウム塩。
7.ジフェニルヨードニウムクロライド、ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニルヨードニウムヨーダイド等のヨードニウム塩。
8.塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、炭酸等の鉱酸類およびこれらの半エステル類。
9.3フッ化硼素、3フッ化硼素のエーテラート等に代表されるルイス酸類。
10.有機酸類およびこれらの半エステル類。
11.ケイ酸、四フッ化ホウ酸。
等である。また、これらは単独でも2種類以上を混合して使用してもかまわない。
【0018】
本発明で使用する触媒の添加量は、(1)式で表される構造を有する化合物または該化合物を10wt%以上含有する組成物100重量部に対して、0.001〜10.0重量部であり、好ましくは0.005〜5.0重量部である 。
【0019】
本発明の組成物は(1)式中で表される構造を有さない公知のエピスルフィド化合物と硬化重合して製造することもできる。これらの化合物の具体例としては、特開平9−71580号公報、特開平9−110979号公報および特開平9−255781号公報に記載したものがあげられる。
【0020】
また、本発明の組成物は(1)式中のβ−エピ(ポリ)チオプロピル基と反応可能な官能基を1個以上有する化合物、あるいは、これらの官能基1個以上と他の単独重合可能な官能基を1個以上有する化合物、これらの単独重合可能な官能基を1個以上有する化合物、さらには、エピチオ基と反応可能でかつ単独重合も可能な官能基を1個有する化合物と硬化重合して製造することもできる。これらの化合物の具体例としては、特開平9−255781号公報に記載したものがあげられる。
【0021】
不飽和基を有する化合物を使用する際には、重合促進剤として、ラジカル重合開始剤を使用する事は好ましい方法である。ラジカル重合開始剤とは、加熱あるいは紫外線や電子線によってラジカルを生成するものであれば良く、具体例としては、特開平9−255781号公報に記載したものがあげられる。
【0022】
硬化後の材料に良好な耐酸化性を付与せしめるために、坑酸化成分としてSH基1個以上有する化合物を単独もしくは公知の酸化防止剤と併用して使用することも可能である。ここで言うSH基を1個以上有する化合物とは、メルカプタン類、チオフェノール類、および、ビニル、芳香族ビニル、メタクリル、アクリル、アリル等の不飽和基を有するメルカプタン類、チオフェノール類等があげられる。具体例としては、特開平9−255781号公報に記載したものがあげられる。
【0023】
また、染色性、強度等の性能改良を目的にSH基以外の活性水素を1個以上有する化合物を使用することも可能である。ここで言う活性水素とは、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミド基の水素および1,3−ジケトン、1,3−ジカルボン酸およびそのエステル、3−ケトカルボン酸およびそのエステル類の2位の水素等であり、活性水素を1分子あたり1個以上有する化合物は、アルコール類、フェノール類、メルカプトアルコール類、ヒドロキシチオフェノール類、カルボン酸類、メルカプトカルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類、アミド類、1,3−ジケトン類、1,3−ジカルボン酸およびそのエステル類、3−ケトカルボン酸およびそのエステル類、および、ビニル、芳香族ビニル、メタクリル、アクリル、アリル等の不飽和基を有するアルコール類、フェノール類、メルカプトアルコール類、ヒドロキシチオフェノール類、カルボン酸類、メルカプトカルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類、アミド類、1,3−ジケトン類、1,3−ジカルボン酸およびそのエステル類、3−ケトカルボン酸およびそのエステル類等があげられる。具体例としては、特開平9−255781号公報に記載したものがあげられる。
【0024】
さらに、強度改良を目的にイソシアネート基を1個以上有する化合物を使用することも可能である。イソシアネート基を1個以上有する化合物の具体例としては、特願平10−028481号に記載したものがあげられる。
【0025】
本発明においては、以上の様に(1)式で表される構造を1分子中に1個以上有する化合物を組成物とした場合、少なくとも同化合物が10wt%以上使用され、好ましくは20wt%以上使用され、より好ましくは30wt%以上使用される。10wt%未満とした場合、高屈折率と高いアッベ数のバランスが維持できなくなる。
【0026】
本発明の光学材料の製造方法において、公知の酸化防止剤や紫外線吸収剤等の添加剤を加えて、得られる材料の実用性をより向上せしめることはもちろん可能である。また、本発明の光学材料は重合中に型から剥がれやすい傾向があり、場合によっては公知の外部および/または内部密着性改善剤を使用または添加して、得られる硬化材料と型の密着性を向上せしめることも有効である。
【0027】
本発明において光学材料の製造方法は、原料となる(1)式で表される構造を1分子中に1個以上有する化合物単独または該化合物を含有する組成物と、触媒、密着性改善剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル重合開始剤および各種性能改良剤等の添加剤を混合、均一とした後、ガラスや金属製の型に注入し、加熱によって重合硬化反応を進めた後、型から外し製造される。
【0028】
(1)式で表される構造を1分子中に1個以上有する化合物単独またはその組成物の一部または全量を注型前に触媒の存在下または非存在下、撹拌下または非撹拌下で−100〜160℃で、0.1〜72時間かけて予備的に重合せしめた後、組成物を調製して注型を行う事も可能である。この予備的な重合条件は、好ましくは−10〜100℃で1〜48時間、より好ましくは0〜60℃で1〜48時間で実施する。
【0029】
本発明の硬化樹脂光学材料の製造方法は、さらに詳しく述べるならば以下の通りである。前述の様に、主原料および副原料を混合後、型に注入硬化して製造されるが、(1)式で表される構造を1分子中に1個以上有する化合物単独または該化合物を含有する組成物と、触媒と、所望により使用されるエピチオ基と反応可能な官能基を2個以上有する化合物あるいは、これらの官能基1個以上と他の単独重合可能な官能基を1個以上有する化合物、単独重合可能な官能基を1個以上有する化合物、エピチオ基と反応可能でかつ単独重合も可能な官能基を1個有する化合物、さらには所望に応じて使用される、抗酸化成分、染色性および強度等の性能改良成分、さらには密着性改善剤、安定剤、ラジカル重合開始剤等は、全て同一容器内で同時に撹拌下に混合しても、各原料を段階的に添加混合しても、数成分を別々に混合後さらに同一容器内で再混合しても良い。各原料および副原料はいかなる順序で混合してもかまわない。混合にあたり、設定温度、これに要する時間等は基本的には各成分が十分に混合される条件であればよいが、過剰の温度、時間は各原料、添加剤間の好ましくない反応が起こり、さらには粘度の上昇をきたし注型操作を困難にする等適当ではない。混合温度は−50℃から100℃程度の範囲で行われるべきであり、好ましい温度範囲は−30℃から50℃、さらに好ましいのは、−5℃から30℃である。混合時間は、1分から5時間、好ましくは5分から2時間、さらに好ましくは5分から30分、最も好ましいのは5分から15分程度である。各原料、添加剤の混合前、混合時あるいは混合後に、減圧下に脱ガス操作を行う事は、後の注型重合硬化中の気泡発生を防止する点からは好ましい方法である。この時の減圧度は0.1mmHgから700mmHg程度で行うが、好ましいのは10mmHgから300mmHgである。さらには、これらの混合物あるいは混合前の主、副原料を0.05〜3μm程度の孔径を有するフィルターで不純物等を濾過し精製することは本発明の光学材料の品質をさらに高める上からも好ましい。ガラスや金属製の型に注入後、電気炉等による重合硬化を行うが、硬化時間は0.1〜100時間、通常1〜48時間であり、硬化温度は−10〜160℃、通常−10〜140℃である。重合は所定の重合温度で所定時間のホールド、0.1℃〜100℃/hの昇温、0.1℃〜100℃/hの降温およびこれらの組み合わせで行うことができる。また、硬化終了後、材料を50から150℃の温度で10分から5時間程度アニール処理を行う事は、本発明の光学材料の歪を除くために好ましい処理である。さらに必要に応じて染色、ハードコート、反射防止、防曇性付与等表面処理を行うことができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の(1)式で表される構造を有する化合物または該化合物を10wt%以上含有する組成物を重合硬化して製造される高屈折率樹脂により、アッベ数を30以上かつ従来技術を上回る高い屈折率、すなわち屈折率1.72以上を達成すること可能となった。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、得られたレンズの評価は以下の方法で行った。
1.屈折率、アッベ数(ND、νD):アッベ屈折計を用い、25℃で測定し た。
2.比重:電子比重計を用い、25℃で測定した。
【0032】
参考例1
(ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィドの製造)
文献(例えばF.P.Doyleら,J.Chem.Soc.,1960,2660)既知の方法で合成したβ−エピチオプロピルメルカプタン265.5g(2.5mol)とメタノール1Lをビーカーに入れ、そこへ塩化鉄(III )6水和物675.8g(2.5mol)をメタノール1Lに溶かした液を室温で加え激しく攪拌した。さらに、室温で6時間攪拌し、その後デカンテーションで上澄み液を取り除き、得られたオイル部分を水洗し、室温で真空脱気して低沸分を除去した。生成物は、下記の分析データのとおり、純粋なビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィドであった。
マススペクトル(EI):M+ 210(理論値210)
赤外吸収スペクトル:620cm-1(エピスルフィド環の伸縮振動)
【0033】
実施例1
ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド100重量部に触媒としてトリフェニルホスフィン1.0重量部を混合、室温で撹拌し均一液とした。ついでこれを脱泡、ろ過後、2.5mm厚と10mm厚の平板レンズ用モールドに注入し、オーブン中で20℃から90℃まで20時間かけて昇温して重合硬化させ、レンズを製造した。得られたレンズは良好な耐熱性および物理特性を示し、表面状態は良好であり、脈理、面変形もほとんど認められなかった。レンズの屈折率、アッベ数および比重の測定結果を表1に示した。
【0034】
実施例2〜9
表1に示す式(1)の化合物を含む組成を使用する以外は実施例1を繰り返しレンズを製造した。レンズの屈折率、アッベ数および比重の測定結果を表1に示した。
【0035】
比較例1〜4
表1に示す式(1)の化合物を含む組成と触媒を使用する以外は実施例1を繰り返しレンズを製造した。レンズの屈折率、アッベ数および比重の測定結果を表1に示した。
【0036】
【表1】
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