JPH09136913A - ポリオレフィン製造用の担持されたチーグラー−ナッタ触媒 - Google Patents

ポリオレフィン製造用の担持されたチーグラー−ナッタ触媒

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JPH09136913A
JPH09136913A JP32345395A JP32345395A JPH09136913A JP H09136913 A JPH09136913 A JP H09136913A JP 32345395 A JP32345395 A JP 32345395A JP 32345395 A JP32345395 A JP 32345395A JP H09136913 A JPH09136913 A JP H09136913A
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compound
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transition metal
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electron donor
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JP32345395A
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English (en)
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Elton D Fowler
エルトン・ドイル・ファウラー
David O Michael
マイケル・デイビッド・オー
Robert J Jorgensen
ロバート・ジェイムズ・ジョーゲンスン
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Union Carbide Chemicals and Plastics Technology LLC
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Union Carbide Chemicals and Plastics Technology LLC
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン、特にポリエチレン及びその
コポリマーを製造するためのチーグラー−ナッタ触媒を
提供する。 【解決手段】 向上した活性を有する触媒は、多孔質支
持材にプリカーサー組成物を含浸させ、次いでこれをサ
ブポア容積のプリカーサー成分の第二溶液で1回又はそ
れ以上処理する多段手順で調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィンを重合
させるためのチーグラーナッタ触媒、一層特にはポリエ
チレンを製造するための改良された触媒の調製方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】Mg/Tiチーグラーナッタ触媒を使用
したエチレンホモポリマー及びコポリマーの製造は、多
数の特許及び化学文献において検討されている。組成M
gCl2 /MClx /ED(式中、xは、3又は4であ
り、EDは、エステル、エーテル、及びケトンのような
酸素含有電子供与体を表わし、Mは、バナジウム、チタ
ン、ジルコニウム及びハフニウムのような遷移金属であ
る)の触媒プリカーサーは、産業、特に気相重合におい
て広い用途が見出された。これらの触媒プリカーサー
は、不活性希釈剤を混合した粒状物質(Wagner
等、米国特許第4,684,703号)、もしくは不活
性担体に含浸させた粒状物質(Goeke等、米国特許
第4,302,565号)の形態で、或はスプレー乾燥
された組成物(Hamer等、米国特許第4,293,
673号)として存在することができる。
【0003】これらの触媒プリカーサーでは、ポリオレ
フィンを製造する際の高い触媒活性及び高い生産性のた
めに、通常遷移金属に対するMgの高い比並びに高いレ
ベルの遷移金属を有することが望ましい。しかし、しか
し、特に担持された触媒では、触媒が造られる試薬の溶
液へのマグネシウム塩の溶解度がむしろ限られているこ
とにより、これは実施において達成するのが困難であっ
た。担持された触媒の場合、触媒は、含浸プロセスにお
いて所望の量のマグネシウム及び遷移金属塩を適した溶
媒に溶解し、これを担体物質でスラリー化し、次いで溶
媒を除くことによって造られるのが典型的である。溶液
中のマグネシウム塩のレベルが高すぎると、溶媒除去工
程の間にマグネシウム塩は優先的に支持材上に沈殿する
傾向にあり、触媒粒子を一緒に凝集させて不均質な触媒
特性を持たせる。そのような物質は、取り扱いかつ反応
装置に供給するのが困難であり、重合において使用する
ならば、品質不良なポリマーを生成する。
【0004】関連するプロセスは、ドライインプレグネ
ーション(dry impregnation)或はイ
ンプレグネーションツーインシピアントドライネス(i
mpregnation to incipient
dryness)と称される技術である。通常水溶液に
関して用いられるこのプロセスでは、支持材のバッチを
タンブルし、これに量が担体の既知の全細孔容積に相当
する或はそれよりわずかに少ない適した濃度の溶液をス
プレーする。これは、原則的には、触媒に加入される有
効成分の量を精確に調節するのを可能にするが、単一の
含浸において得ることが可能な最大添加量は、試薬の溶
解度によって制限され、実施において、複数の含浸を用
いる場合、特別の所望の組成を達成するのが困難になり
得る。これらの触媒調製方法のそれ以上の検討について
は、「Heterogeneous Catalysi
s in Industrial Practic
e」、C.N.Satterfield、McGraw
Hill Publishers、1991を参照の
こと。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高いレベルの遷移金属
及び通常遷移金属に対するマグネシウムの高い比の両方
を有する担持され、均一に充填される触媒を調製する方
法を有することは、望ましい。そのようなプロセスが、
本発明の主題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリオレフィ
ン製造用の改良された触媒、触媒組成物を調製する方
法、及び改良された触媒を使用するポリエチレンの製造
方法を提供する。発明の改良された触媒組成物は、下記
式を有する担持されたプリカーサー組成物を含む: Mgm M(OR)np {ED} q (式中、Mは、バナジウム、チタン、ジルコニウム及び
ハフニウムからなる群より選ぶ遷移金属であり;Rは、
R’或はCOR’(式中、R’は、C1 〜C14脂肪族炭
化水素ラジカル或はC6 〜C14芳香族炭化水素ラジカル
である)であり;Xは、Cl、Br、I、或はこれらの
混合物であり;EDは、液体有機化合物であって、それ
に該プリカーサー組成物が可溶性であり、脂肪族及び芳
香族カルボン酸のアルキルエステル、脂肪族エーテル、
環状エーテル、及び脂肪族ケトンからなる群より選ぶ電
子供与体化合物であり;mは0.5〜56であり;nは
0、1又は2であり;pは4〜116であり;qは2〜
85である) 該プリカーサー組成物は、下記の工程i)〜v)によっ
て形成されたものである: (i)多孔質支持材のスラリー、並びに少なくとも一種
のマグネシウム化合物及び少なくとも一種の遷移金属化
合物の電子供与体化合物中の溶液を形成し;該マグネシ
ウム化合物は、MgX2 式(式中、Xは、前に規定した
通りである)を有し;該遷移金属化合物は、M(OR)
ab 式(式中、M、R、及びXは、前に規定した通り
であり;aは0、1又は2であり;bは1〜4(それぞ
れを含む)であり;a+b=3又は4)を有し;工程
(i)のスラリーを形成する溶液中の溶質の全重量は、
該重量の溶質が、該スラリーにおいて使用する支持材の
細孔容積に等しい容積の電子供与体物質に溶解するよう
にし; (ii)工程(i)のスラリーから溶媒電子供与体化合
物を除いて、支持材と共にマグネシウム及び遷移金属化
合物並びに付随する電子供与体化合物を回収し: (iii)工程(ii)の生成物に、工程(i)に規定
する通りのマグネシウム化合物及び遷移金属化合物から
なる群より選ぶ少なくとも一種の物質を含有する電子供
与体化合物の溶液を加え、この加える溶液の容量は、処
理する物質の細孔容積より少なくし; (iv)工程(iii)の生成物から溶媒電子供与体化
合物を除いて、支持材と共にマグネシウム及び遷移金属
化合物並びに付随する電子供与体化合物を回収し:及び (v)必要ならば、工程(iii)及び(iv)を、所
望の組成の触媒プリカーサーが得られるまで反復し、そ
れで形成されるプリカーサー組成物が実質的に該支持材
の細孔内に含有され、かつ不十分なプリカーサー組成物
が表面上に残って凝集物形成を可能にし;該マグネシウ
ム及び遷移金属化合物の全使用量は、m、n、p及びq
の値が最終触媒プリカーサーにおいて満足されるように
し;該プリカーサーは、それを炭化水素スラリー中で該
プリカーサー組成物中の遷移金属1モル当り>0〜10
モルの活性剤化合物で処理することによって部分活性化
されたものであり;該活性剤化合物は、下記式を有す
る: Al(R”)c X’de (式中、X’は、Cl或はOR’”であり;R”及び
R’”は同じであり或は異なり、C1 〜C14炭化水素ラ
ジカルであり;dは0〜1.5であり;eは0又は1で
あり;及びc+d+e=3)。
【0007】改良された触媒組成物を調製する方法は、
下記の工程を含む: (A)下記式を有するプリカーサー組成物: Mgm M(OR)np {ED} q (式中、Mは、バナジウム、チタン、ジルコニウム及び
ハフニウムからなる群より選ぶ遷移金属であり;Rは、
R’或はCOR’(式中、R’は、C1 〜C14脂肪族炭
化水素ラジカル或はC6 〜C14芳香族炭化水素ラジカル
である)であり;Xは、Cl、Br、I、或はこれらの
混合物であり;EDは、液体有機化合物であって、それ
に該プリカーサー組成物が可溶性であり、脂肪族及び芳
香族カルボン酸のアルキルエステル、脂肪族エーテル、
環状エーテル、及び脂肪族ケトンからなる群より選ぶ電
子供与体化合物であり;mは0.5〜56であり;nは
0、1、又は2であり;pは4〜116であり;qは2
〜85である)を支持材上に、下記の工程i)〜v)に
よって形成し: (i)多孔質支持材のスラリー、並びに少なくとも一種
のマグネシウム化合物及び少なくとも一種の遷移金属化
合物の電子供与体化合物中の溶液を形成し;該マグネシ
ウム化合物は、MgX2 式(式中、Xは、前に規定した
通りである)を有し;該遷移金属化合物は、M(OR)
ab 式(式中、M、R、及びXは、前に規定した通り
であり;aは0、1、又は2であり;bは1〜4(それ
ぞれを含む)であり;a+b=3又は4)を有し;工程
(i)のスラリーを形成する溶液中の溶質の全重量は、
該重量の溶質が、該スラリーにおいて使用する支持材の
細孔容積に等しい容積の電子供与体物質に溶解するよう
にし; (ii)工程(i)のスラリーから溶媒電子供与体化合
物を除いて、支持材と共にマグネシウム及び遷移金属化
合物並びに付随する電子供与体化合物を回収し: (iii)工程(ii)の生成物に、工程(i)に規定
する通りのマグネシウム化合物及び遷移金属化合物から
なる群より選ぶ少なくとも一種の物質を含有する電子供
与体化合物の溶液を加え、この加える溶液の容積は、処
理する物質の細孔容積より少なくし; (iv)工程(iii)の生成物から溶媒電子供与体化
合物を除いて、支持材と共にマグネシウム及び遷移金属
化合物並びに付随する電子供与体化合物を回収し:及び (v)必要ならば、工程(iii)及び(iv)を、所
望の組成の触媒プリカーサーが得られるまで反復し、そ
れで形成されるプリカーサー組成物が実質的に該支持材
の細孔内に含有され、かつ不十分なプリカーサー組成物
が表面上に残って凝集物形成を可能にし;該マグネシウ
ム及び遷移金属化合物の全使用量は、m、n、p及びq
の値が最終触媒プリカーサーにおいて満足されるように
し; (B)触媒プリカーサー組成物を、それを炭化水素スラ
リー中で該プリカーサー組成物中の遷移金属1モル当り
>0〜10モルの活性剤化合物で処理することによって
部分活性化する;該活性剤化合物は、下記式を有する: Al(R”)c X’de (式中、X’は、Cl或はOR’”であり;R”及び
R’”は同じであり或は異なり、C1 〜C14炭化水素ラ
ジカルであり;dは0〜1.5であり;eは0又は1で
あり;及びc+d+e=3)。
【0008】発明は、また、下記の工程を含むポリエチ
レンホモポリマー及びコポリマーの製造方法にも関す
る: (A)下記を含む反応混合物を形成し: i)エチレン、或はエチレンと、炭素原子3〜8を有す
るアルファオレフィンである少なくとも一種のコモノマ
ーとの混合物; ii)必要に応じて、分子量調整剤; iii)活性剤化合物;及び iv)本発明の触媒組成物;並びに (B)エチレン、或はエチレンとコモノマーとの混合物
の重合を該触媒組成物の存在において行う。
【0009】
【発明の実施の形態】発明は、下記の詳細な説明を、図
面と共に考慮することから、一層良く理解されるものと
思う。触媒プリカーサーの成分 触媒組成物を形成するのに使用する化合物は、下記に規
定する通りの少なくとも一種のマグネシウム化合物、少
なくとも一種の遷移金属化合物、少なくとも一種の電子
供与体化合物、少なくとも一種の活性剤化合物(プリカ
ーサー組成物の活性に関する下記のセクションにおいて
検討する)、及び少なくとも一種の多孔質の不活性支持
材を含む。
【0010】遷移金属化合物は、下記の構造を有する: M(OR)ab (式中、Mは、バナジウム、チタン、ジルコニウム、或
はハフニウムであり;Rは、R’或はCOR’(式中、
R’は、C1 〜C14脂肪族炭化水素ラジカル或はC6
14芳香族炭化水素ラジカルである)であり;Xは、C
l、Br、I、及びこれらの混合物からなる群より選
び;aは0、1、又は2であり;bは1〜4(それぞれ
を含む)であり;a+b=3又は4)。MはTi又はV
であり、XはClであり、aは0であり、bは3又は4
であるのが好ましい。
【0011】遷移金属化合物は、個々に或はそれらを組
み合わせて使用することができる。適したチタン含有物
質の例は、TiCl3 、TiCl4 、Ti(OCH3
Cl3 、Ti(OC65 )Cl3 、Ti(OCOCH
3 )Cl3 であり、Ti(OCOC65 )Cl3 を用
いてもよい。TiCl3 が好適である。VCl3 及びV
Cl4 のようなバナジウム化合物及びクロロアルコキシ
ドもまた用いてよい。VCl3 が好適である。同様に、
Zr(OEt)2 Cl2 、ZrCl2 (OiPr)2
びZr(アセチルアセトネート)2 Cl2 のようなジル
コニウム化合物を用いてもよい。ZrCl4 、ZrCl
2 (OEt)2 及びZr(アセチルアセトネート)2
2 が好適である。適したハフニウム化合物の中に、H
fCl4、HfCl2 (OEt)2 、HfCl2 (Oi
Pr)2 及びHf(アセチルアセトネート)2 Cl2
ある。好適なハフニウム化合物は、HfCl4 、HfC
2 (OEt)2 及びHf(アセチルアセトネート)2
Cl2 である。
【0012】マグネシウム化合物は、MgX2 構造(式
中、Xは、Cl、Br、I、或はこれらの混合物であ
る)を有する。Xは、Clであるのが好ましい。そのよ
うなマグネシウム化合物は、個々に或はそれらを組み合
わせて使用することができ、MgCl2 、MgBr2
及びMgI2 のような物質にすることができる。無水の
MgCl2 が最も好適ある。
【0013】遷移金属及びマグネシウム化合物は、下記
に記載する通りに、それらの電子供与体化合物への溶解
を促進する形態で使用すべきである。触媒プリカーサー
において用いる電子供与体は、25℃において液状の有
機化合物であって、それに遷移金属及びマグネシウム化
合物が可溶性のものである。電子供与体化合物は、その
ままで或はルイス塩基として知られている。
【0014】電子供与体化合物は、脂肪族及び芳香族カ
ルボン酸のアルキルエステル、脂肪族エーテル、環状エ
ーテル、及び脂肪族ケトンのような化合物である。これ
らの電子供与体化合物の中で、好適なものは、C1 〜C
4 飽和脂肪族カルボン酸のアルキルエステル;C7 〜C
8 芳香族カルボン酸のアルキルエステル;C2 〜C8
好ましくはC3 〜C5 脂肪族エーテル;C3 〜C4 環状
エーテル、好ましくはC4 環状モノ−或はジ−エーテ
ル;C3 〜C6 、好ましくはC3 〜C4 脂肪族ケトンで
ある。好適な電子供与体化合物は、メチルホルメート、
エチルアセテート、ブチルアセテート、エチルエーテ
ル、ヘキシルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、アセテート及びメチルイソブチルケトンを含む。電
子供与体化合物は、個々に或はそれらを組み合わせて使
用することができる。
【0015】プリカーサー組成物を支持材中に含浸させ
る。適した支持材は、触媒組成物のその他の成分、及び
反応系のその他の活性な成分に不活性な固体の粒状多孔
質物質である。そのような支持材は、ケイ素及びアルミ
ニウムの酸化物のような無機物質を含む。支持材は、平
均粒径約10〜250ミクロン、好ましくは約50〜1
50ミクロンを有する乾燥粉末の形態で用いる。これら
の物質は、また多孔質であり、表面積少なくとも3m2
/グラム、好ましくは50m2 /グラム又はそれ以上を
有する。触媒活性或は生産性は、また、細孔サイズ少な
くとも80オングストローム単位、好ましくは少なくと
も100オングストローム単位を有する粒子により、明
らかに向上される。
【0016】支持材は、乾燥させるべきである、すなわ
ち吸収水を存在させるべきでない。支持材の乾燥は、支
持材を温度600℃又はそれ以上において加熱すること
によって行う。別法として、シリカ担体の場合、温度少
なくとも200℃において乾燥させた支持材を、上記の
アルミニウムアルキル化合物の内の一種又はそれ以上約
1〜8重量%で処理してもよい。アルミニウムアルキル
化合物によるこの担体の改質は、触媒組成物に増大され
た活性を付与し、かつまた生成するエチレンポリマーの
ポリマー粒子形態学も向上させる。
【0017】触媒プリカーサーの形成 プリカーサー組成物は、上記の「課題を解決するための
手段」の欄において示した通りに、多工程手段で形成す
る。初めに、少なくとも一種の遷移金属化合物及び少な
くとも一種のマグネシウム化合物を少なくとも一種の電
子供与体化合物に温度約20℃〜電子供与体化合物の沸
点までで溶解することによって、第一プリカーサー組成
物の溶液を調製する。作業を加圧下で行うことによって
一層高い温度を利用してもよい。遷移金属化合物は、マ
グネシウム化合物を加える前に或は加えた後に、或はマ
グネシウム化合物を加えるのと同時に、電子供与体化合
物に加えることができる。遷移金属及びマグネシウム化
合物の溶解は、攪拌することにより、いくつかの場合に
は、これらの化合物を電子供与体化合物において還流さ
せることによって促進させることができる。
【0018】遷移金属及びマグネシウム化合物を溶解さ
せた後に、溶液を適した不活性なろ材を通過させてマグ
ネシウム或はチタン化合物中に存在し得る不溶性物質を
除いてもよい。
【0019】第一プリカーサー組成物を溶液から、ヘキ
サン、イソペンタン或はベンゼンのようなC5 〜C8
肪族或は芳香族炭化水素により晶出させることにより或
は沈殿させることによって分離してもよい。分離するな
らば、晶出或は沈殿された第一プリカーサー組成物は、
平均粒径約10〜100ミクロン及び嵩密度約18〜3
3ポンド/ft3 (0.29〜0.53g/cc)を有
する微細な粒子の形態になる。この分離した第一プリカ
ーサー組成物は、後に、第一か或は続くのいずれかの含
浸工程においてキャリヤー物質を含浸させる際に用いて
もよい。好適な触媒調製法では、第一プリカーサー組成
物を分離せず、含浸が下記に概略する工程を使用して進
行する。
【0020】第一プリカーサーの担体への含浸 第一プリカーサー組成物を、多孔質キャリヤー(本明細
書以降、支持材と呼ぶ)1重量部中に、第一プリカーサ
ー組成物約0.1〜1部、好ましくは約0.2〜0.7
5部の重量比で含浸させて担持された第一プリカーサー
組成物をもたらす。
【0021】第一プリカーサー組成物による支持材の含
浸は、選定した量の支持材を、電子供与体化合物中の適
した濃度の第一プリカーサー組成物の溶液の適した容積
でスラリー化し、プリカーサー組成物をそれに含浸させ
ることによって達成する。次いで、温度25°〜90℃
の範囲で乾燥することによって、溶媒電子供与体を除
く。また、過剰の電子供与体化合物の除去の速度を早め
るために、部分真空を用いてもよい。
【0022】第一プリカーサー組成物の溶液の容積は、
選定した量の支持材でスラリーを形成するのに十分なも
のにする。第一プリカーサー組成物の電子供与体溶液に
おけるマグネシウム化合物及び遷移金属化合物の濃度
は、溶液が任意の成分に関して飽和されないようにす
る。その上、これらの濃度は、溶液の容積を減少させて
選定した量の支持材の細孔容積に等しい容積にする場合
でさえ、溶液が不飽和なままになる程に低くする。これ
より、希薄なスラリーは、一層濃厚なスラリーに比べて
第一プリカーサー組成物を低い濃度で含有することにな
る。これらの基準を満足させることは、第一プリカーサ
ー組成物の晶出が、主に支持材の細孔内で起きることを
確実にする。
【0023】サブ−ポア(sub−pore)の容積含
調製プロセスの次の工程で、少なくとも一種のマグネシ
ウム化合物、少なくとも一種の遷移金属化合物、或はこ
のような化合物の混合物の第二溶液を少なくとも一種の
電子供与体物質中で上記の方式で調製し、上記の担持さ
れた第一プリカーサー組成物のかなりの量をこの第二溶
液の容積に混合し、使用する第二溶液の容積は、選定し
た量の担持された第一プリカーサー組成物の残留細孔容
積に等しく又はそれより小さくする。第一溶液において
用いる電子供与体と同じでも或は異なってもよい電子供
与体物質を上記の通りにして除いて支持材に含浸され
た、乾燥した自由流動性物質の形態の触媒プリカーサー
組成物を生じる。必要なら或は所望ならば、これらの工
程を、所望の最終プリカーサー組成が達成されるまで、
繰り返す。
【0024】上記に開示する通りにしてこのように造る
場合、最終の触媒プリカーサー組成物は、下記式を有す
る: Mgm M(OR)np {ED} q 式中、Mは、ジルコニウム、チタン、バナジウム及びハ
フニウムからなる群より選ぶ遷移金属であり,Ti或は
Vであるのが好ましく;Rは、R’或はCOR’(式
中、R’は、C1 〜C14脂肪族炭化水素ラジカル或はC
6 〜C14芳香族炭化水素ラジカルである)であり;R及
びR’は、各々メチル或はフェニルであるのが好まし
く;Xは、Cl、Br、I、或はこれらの混合物であ
り、Clであるのが好ましく;EDは、電子供与体化合
物であり;環に炭素原子4又は5を有する環状エーテル
であるのが好ましく;mは0.5〜56であり、2〜1
0であるのが好ましく、3〜10であるのが最も好まし
く;nは0、1、又は2であり;pは4〜116であ
り、6〜30であるのが好ましく、9〜24であるのが
最も好ましく;qは2〜85であり、4〜20であるの
が好ましく、6〜18であるのが最も好ましい。
【0025】この最終の担持された触媒プリカーサーに
おいて、遷移金属のレベルは、支持材及びその中の触媒
プリカーサーの全重量を基準にして、大概0.15〜
0.75ミリモル/グラムであり、0.15〜0.5ミ
リモル/グラムが好ましく、0.2〜0.5ミリモル/
グラムが最も好ましい。プリカーサー組成物中に含有さ
れるMgX2 のレベルは、>0.8ミリモル/支持材を
含むプリカーサー組成物1グラムが好ましく、>0.9
ミリモル/支持材を含むプリカーサー組成物1グラムが
最も好ましい。
【0026】触媒調製:プリカーサー組成物の活性化 プリカーサー組成物は、プリカーサー組成物中の遷移金
属原子を活性な状態に変化させるのに十分な活性剤化合
物で処理することによって活性化する。
【0027】活性剤化合物は、下記の構造を有する: Al(R”)c X’de 式中、X’は、Cl或はOR’”であり、Clであるの
が好ましく;R”及びR’”は同じであり或は異なり、
1 〜C14飽和炭化水素ラジカルであり、C1 〜C6
和炭化水素ラジカルであるのが好ましく;dは0〜1.
5であり、0又は1であるのが好ましく;eは1又は0
であり、0であるのが好ましく;及びc+d+e=3。
【0028】活性剤化合物は、個々に或はそれらを組み
合わせて使用することができ、Al(CH33 、Al
(CH32 Cl、Al(C253 、Al(C2
52 Cl、Al(i−C493 、Al(C2
53 Cl3 、Al(i−C492 H、Al(C6
133 、Al(C8173 、Al(C252
及びAl(C252 (OC25 )のような物質を
含む。好適な活性剤化合物は、Al(C253 、A
l(C252 Cl、及びAl(C6133であ
る。
【0029】好適な触媒活性化手順では、プリカーサー
組成物を重合反応装置の外側で、活性剤組成物/遷移金
属モル比10:1まで、好ましくは約2:1〜8:1を
有する部分活性化されたプリカーサー組成物にする程の
活性剤化合物で活性化する。この部分活性化反応を、好
ましくは炭化水素溶媒スラリー中で行った後に、生成し
た混合物を温度20°〜80℃、好ましくは50°〜7
0℃で乾燥させて溶媒を除く。生成した生成物は、自由
流動性の固体粒状物質である。下記に一層完全に説明す
る通りに、完全な活性化は重合反応装置において行われ
る。活性剤化合物をすべて重合反応装置の外側で加える
ことは、プリカーサー組成物の細孔容積を越える液状活
性剤化合物により粘着性触媒か或は活性剤化合物による
過還元により低減された或は極めて低い生産性を有する
触媒のいずれかを生じることがよくあることが分かっ
た。従って、触媒を乾燥粉末として供給しかつ活性化を
反応域の内側で完全なものにする或は下記に記載する別
の手順を用いるのが好ましい。
【0030】別の部分活性化手順では、プリカーサー組
成物を鉱油のような油或は触媒及び部分活性化試薬に対
して不活性なその他の高粘性流体のスラリー中に懸濁さ
せてもよく、かつ部分活性化試薬をこのスラリーに加え
てもよい。次いで、適した量の部分活性化されたプリカ
ーサー組成物を計量して入れることによって、スラリー
を、ポリマーを所望の速度で生成する量で直接重合反応
において使用してもよい。活性剤化合物を更にこの流体
中に懸濁させたプリカーサー組成物に加えても、或は別
途反応装置に加えてもいずれでもよい。当業者にとって
明らかな理由で、更なる活性剤化合物を別途加えるのが
好適である。活性剤化合物は、触媒プリカーサーを完全
に活性化する場合、遷移金属化合物1モル当り約10〜
400モル、好ましくは約10〜100モルを使用す
る。
【0031】重合反応 重合反応は、エチレン或はエチレンと炭素原子3〜8を
有するアルファオレフィンである少なくとも一種のコモ
ノマーとの混合物と、分子量調整剤、典型的には水素ガ
スと、更なる活性剤化合物とを、好ましくは流動床プロ
セスのような気相プロセスで、実質的に水分、酸素、一
酸化炭素、二酸化炭素、及びアセチレンのような触媒毒
の不存在において、触媒的に有効な量の部分活性化され
かつ改質されたプリカーサー組成物に、重合反応を開始
させる程の温度及び圧力で接触させることによって行
う。重合手順は、当業者に知られており、それで本明細
書中で詳細に検討しない。流動床重合プロセスの検討に
ついては、米国特許第4,379,759号を参照のこ
と。
【0032】重合反応装置において、活性化を、プリカ
ーサー組成物を部分活性化するために採用するのと同じ
もの、或は異なる化合物にすることができる更なる活性
剤化合物によって完全なものにする。
【0033】更なる活性剤化合物及び部分活性化された
プリカーサー組成物は、別々の供給管路によって反応装
置に供給するのが好ましい。更なる活性剤化合物は、プ
ロパン、ブタン、イソペンタン、ヘキサン、或は鉱油の
ような炭化水素希釈剤中のそれの溶液の形態で反応装置
中にスプレーしてもよい。また、反応装置へのその他の
液状或はガス状供給を使用して更なる活性剤化合物を反
応装置内に分散させてもよい。エチレン、窒素及びコモ
ノマー流のような物質を用いてもよい。この溶液は、活
性剤化合物を約2〜30重量%含有するのが普通であ
る。更なる活性剤化合物は、また、希釈剤溶媒の不存在
において用いてもよい。
【0034】更なる活性剤化合物は、反応装置に、反応
装置において部分活性化されたプリカーサー組成物によ
り供給する活性剤化合物及び遷移金属化合物の量と共
に、全Al/Mモル比約10〜400、好ましくは10
〜100にするような量で供給する。反応装置に加える
更なる量の活性剤化合物は、反応装置内の遷移金属化合
物と反応してそれの活性化を完全なものにする。
【0035】流動床プロセスのような典型的な連続気相
プロセスでは、続く重合プロセスの間、反応中に消費さ
れる活性な触媒部位に取って代わりかつ生成物が重合反
応装置から周期的に或は連続して取り出されるにつれて
反応装置を出る触媒に取って代わるために、乾燥した部
分活性化されたプリカーサー組成物の不連続の部分を、
部分活性化されたプリカーサー組成物の活性化を完全な
ものにするのに要する更なる活性剤化合物の部分の不連
続の或は連続した供給と共に反応装置に連続して供給す
る。反応装置に触媒供給する別の方法では、スラリーと
しての触媒の不連続か或は連続のいずれかの部分を、更
なる活性剤化合物の不連続の或は連続した供給と共に、
反応装置に供給してもよい。
【0036】実験 下記の例は、本発明の方法を例示する意図であり、本発
明の範囲を制限する意図ではない。
【0037】
【実施例】用語集 例において生成されたポリマーの性質は、下記の試験法
によって求めた: 密度(g/cc) 測定技術は、ASTM D124
8法に従う。プラックをASTM D1928法、手順
Cに従って作る。樹脂密度をASTM D1505法に
従って密度勾配カラムにおいて測定する。結果をg/c
cで報告する。 メルトインデックス(MI) ASTM D−123
8、ConditionE、190℃で測定し、g/1
0minとして報告する。 フローレート(HLMI) ASTM D−123
8、ConditionF、上記のメルトインデックス
試験において使用した重量の10倍で測定する。 メルトフローレーショ(MFR) メルトインデック
スに対するフローレートの比である。これは、生成物ポ
リマーの分子量分布と相関する。MFRが小さい程、分
子量分布は狭いことを示す。
【0038】生産性 樹脂生成物のサンプルを焼いて
灰にし、灰の重量%を求める;灰は本質的に触媒で構成
されるので、これより生産性は、消費される全触媒1ポ
ンド当りの生成されるポリマーのポンドである。灰中の
金属及びハロゲンの量は、元素分析によって求める。 嵩密度 樹脂を500mlメスシリンダー中に注い
で、差を秤量する。 細孔容積 BET窒素吸収/脱着によって測定する。 ppmv 容積による100万当りの部 Davison955 W.R.Grace & C
o.のDavisonChemical Div.から
入手し得る、脱着カーブの細孔直径200〜220オン
グストロームにおいてピークを有しかつ平均細孔直径1
80〜200オングストロームを有し、細孔の40〜4
5%は直径>200オングストロームを有するシリカで
ある。
【0039】Davison956 W.R.Gra
ce & Co.のDavisonChemical
Div.から入手し得る、脱着カーブの細孔直径280
〜300オングストロームにおいてピークを有しかつ平
均細孔直径260〜280オングストロームを有し、細
孔の85%にほぼ等しい比率が直径>200オングスト
ロームを有するシリカである。 TEAL トリエチルアルミニウムを意味する。 TOS 処理した担体であるシリカに付着したTEA
Lを意味する。 DEAC ジエチルアルミニウムクロリドを意味す
る。 TnHAL トリ−n−ヘキシルアルミニウムを意味
する。 APS 平均粒径を意味する。
【0040】含浸されたプリカーサー組成物を調製する
一般的手順: 工程A:キャリヤー物質の脱水 キャリヤー物質であるDavison Grade95
5或は956シリカを流動床脱水装置に装填し、空気で
流動させながら加熱して600℃にする。流動用ガス速
度を、キャリヤー物質の最小流動化速度の2倍より大き
い〜20倍より小さいの間に保つ。好適なガス速度は、
最小流動化速度のおよそ10倍である。物質を最低4時
間温度600℃に保ち、窒素下で冷却し、次いで次の工
程で使用するために脱水装置から排出させる。以降の工
程は、すべて不活性ガス(窒素)シール下で行う。
【0041】工程B:担体のアルミニウムアルキル処
理:支持材を、良好な固体混合のために設計された螺旋
リボン攪拌機を装着したミックス容器に入れる。イソペ
ンタン中の担体のスラリーを生成するのに十分な担体物
質を、ミックス容器に装填したイソペンタン3リットル
に付きおよそ750〜1000グラムをミックス容器に
装填する。次いで、ミックス容器に加えた担体物質の量
を基準にして5.8重量%の添加量のトリエチルアルミ
ニウムを達成する程のトリエチルアルミニウムを加え
る。トリエチルアルミニウムは、イソペンタン中の10
重量%溶液として或はヘキサン中の20重量%溶液とし
て使用する。また、ニートTEALを使用してもよい。
溶媒を、大気に近い圧力で蒸発させて除く。ジャケット
温度をおよそ70℃に設定し、攪拌しながら物質から溶
媒をストリップさせ、これを、乾燥した自由流動性粉末
が生成されるまで行う。物質を取り出し、更に使用する
ために乾燥窒素下で貯蔵する。
【0042】工程C:第一プリカーサー組成物溶液の調
製:モレキュラーシーブで乾燥させて水分を50容積p
pmより少なくしかつ窒素を液を通してバブルさせるこ
とによって脱酸素化しておいたテトラヒドロフランを上
記のミックス容器に装填する。十分なテトラヒドロフラ
ン、MgCl2 及びTiCl3 を反応装置に装填して溶
液を生成する。混合物を攪拌しながら加熱して約60°
〜65℃にする。4時間した後に、混合物を10μmフ
ィルターを通して未溶解物質を除き(典型的には、装填
したMgCl2 の<1.0%)、次の工程で使用するた
めに乾燥窒素下で貯蔵する。物質収支に基づく溶液の組
成を下記の表に挙げる。
【0043】工程D:含浸させた第一プリカーサー組成
物の調製:工程Bで製造したキャリヤー物質を前記のミ
ックス容器に加える。工程Cで調製した溶液及び更なる
少量のテトラヒドロフラン(管路をフラッシュするのに
用いる)をミックス容器に装填する。スラリーをおよそ
30分間攪拌してすべての成分を適当に分散させる。次
いで、ジャケット温度60°〜80℃を用いて乾燥を開
始する。およそ4〜6時間した後に、容器内の圧力をゆ
っくり下げて約1絶対ポンド/in2 (psia)
(0.07Kg/cm2A)にする。容器内の物質温度とジャ
ケット温度との間の温度差が定常状態に近づくまで、乾
燥を続ける。容器ジャケットと内部物質温度との間の温
度差の変化は、1/2時間当り2℃より小さくなるのが
典型的である。次いで、物質を冷却して45℃より低く
して次の工程で使用する。物質の分析を下記の表に挙げ
る。
【0044】工程E:サブポア容積を含浸させたプリカ
ーサー組成物の調製: 溶液調製: 塩化マグネシウム及び/又は塩化チタンのテ
トラヒドロフラン溶液を、塩化チタン及び塩化マグネシ
ウムの両方の成分を異なる量で使用してよい他は、工程
Cに記載する通りの方法で調製する。物質収支に基づく
溶液の分析を下記の表に挙げる。
【0045】サブ−ポア容積量による含浸:工程Dで調
製したプリカーサー組成物を所望の量で前記のミックス
合容器に装填する。上記で調製した溶液のかなりの量を
ミックス容器に装填する。その量は、プリカーサー組成
物の残留細孔容積を越えないようにする。プリカーサー
組成物の残留細孔容積は、担体の細孔内に含浸された固
体プリカーサー組成物の密度が2.0cc/グラムであ
ると仮定して計算する。担体の細孔内に含有されるプリ
カーサーの質量は、第一プリカーサー組成物の分析から
計算する。担体の細孔容積を下記の表に挙げる。加える
間、内容物を攪拌する。溶液をおよそ15〜30分かけ
て加える。この後に、容器内容物を更に3〜6時間の間
攪拌した後に、上記の工程Dに記載する通りにして乾燥
させる。物質の最終分析を下記の表に挙げる。物質は、
乾燥した自由流動性固体で、本質的にチップ或は凝集物
をもたない。理論収率に対する回収率は高い。
【0046】工程F:部分活性化された触媒の調製:
記で調製したプリカーサー組成物を、ミックス容器にお
いて下記の通りの部分活性化剤に接触させる:イソペン
タン3リットルに付きおよそ0.5キログラムのプリカ
ーサー組成物をミックス容器に装填する。攪拌しなが
ら、ジエチルアルミニウムクロリドを、規定したモル比
でプリカーサー組成物に含有されるテトラヒドロフラン
に装填する。30分のミックス期間の後に、トリ−n−
ヘキシルアルミニウムを、規定したモル比で含有される
テトラヒドロフランに装填する。短時間混合した後に、
溶媒を上記の工程Bに記載する通りにしてストリップさ
せる。次いで、乾燥した自由流動性の部分活性化された
触媒を重合において使用する。使用する部分活性化剤の
モル比を下記の表1に挙げる。
【0047】典型的な触媒の調製 下記の表1に示す通りに、いくつかの典型的な触媒を、
上記の一般的な調製手順に従って造った。第一は、マグ
ネシウム及びチタンの両方の化合物を含有する第一プリ
カーサー組成物溶液による支持材の単一含浸だけを含む
ものであった。第二は第一と同様であったが、この場合
には、初めに形成した担持されたプリカーサーを、更に
第二含浸において更なるマグネシウムで処理した。第三
は第二と同様であったが、異なる支持材を使用した。第
四は第二と同様であったが、第二において更なるマグネ
シウム及び更なるチタンで処理し、マグネシウム及びチ
タンの両方の第三含浸もまた行った。試薬の量及び調製
の詳細を下記の表1に挙げる。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】例1(標準)におけるMg/Ti比は、典
型的な触媒のMg/Ti比に比べて小さいことに留意す
ること。
【0051】比較例1 上に挙げる一般的な調製手順の工程に従ったが、工程E
(第二含浸)を省いた。調製の詳細及びプリカーサー分
析を下記の表2に提示する。
【0052】比較例2 比較例1と同じようにして上に挙げる一般的な調製手順
の工程に従った。加えて、かなりの量のジエチルアルミ
ニウムクロリドを塩化マグネシウム及び塩化チタンのテ
トラヒドロフラン溶液に加えてマグネシウム化合物の溶
解度を増大させることを試みた。
【0053】
【表3】
【0054】比較例1及び2の生成物を乾燥したところ
多量の凝集物及びチップを有するプリカーサー組成物を
形成するに至った。これらの物質の流動性は不良であ
り、反応容器からの排出は不良であった。表2に挙げる
分析は、チップが大部分MgCl2 で構成されるもので
あることを示す。プリカーサー収率は、比較例1〜4に
ついての95%より大きいに比べて、80%より小さい
ものであった。これらのプリカーサーは、供給特性不良
により、重合反応において使用するのに適していなかっ
た。
【0055】重合手順:重合を、米国特許第4,30
2,565号;同第4,302,566号;及び同第
4,303,771号に記載される通りにして流動床反
応装置において行った。乾燥した触媒を床に供給した。
助触媒溶液を、ガス分配板よりも下の循環管路に導入す
ることによって反応装置に供給した。ガス組成を、ガス
クロマトグラフを使用して分析し、更なるモノマー、コ
モノマー及び水素分子量調整剤を、特定する通りの組成
を保つのに必要とする通りに加えた。一定の流動床レベ
ルを保つために、生成物及びそれに含有される触媒を周
期的に流動床から抜き出すにつれて、更なる触媒を加え
て重合速度を保つ。重合データを表3に挙げる。
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】これらの例から、発明の触媒が、通常の単
一含浸によって調製される触媒に比べて、一層高い生産
性(Tiベース及び触媒物質収支に基づく)を生じかつ
樹脂嵩密度或は粒径の減成の無いポリマーを生成するこ
とは明らかである。ポリマー粒径は、典型的な例によっ
て立証される触媒生産性の増大により増大する(すなわ
ち、各々の触媒粒子は、本質的に一つのポリマー粒子を
生成する)。加えて、その他のポリマー特性は、変化さ
れないようである。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の調製方法のフローチャートである。
フロントページの続き (72)発明者 マイケル・デイビッド・オー アメリカ合衆国ペンシルベニア州ランホー ン、バークリー・コート271 (72)発明者 ロバート・ジェイムズ・ジョーゲンスン アメリカ合衆国ニュージャージー州ベル・ ミード、バンカー・ドライブ38

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式を有する担持されたプリカーサー
    組成物を含む触媒組成物: Mgm M(OR)np {ED} q (式中、Mは、バナジウム、チタン、ジルコニウム及び
    ハフニウムからなる群より選ぶ遷移金属であり;Rは、
    R’或はCOR’(式中、R’は、C1 〜C14脂肪族炭
    化水素ラジカル或はC6 〜C14芳香族炭化水素ラジカル
    である)であり;Xは、Cl、Br、I、或はこれらの
    混合物であり;EDは、液体有機化合物であって、それ
    に該プリカーサー組成物が可溶性であり、脂肪族及び芳
    香族カルボン酸のアルキルエステル、脂肪族エーテル、
    環状エーテル、及び脂肪族ケトンからなる群より選ぶ電
    子供与体化合物であり;mは0.5〜56であり;nは
    0、1又は2であり;pは4〜116であり;qは2〜
    85である) 該プリカーサー組成物は、下記の工程i)〜v)によっ
    て形成されたものである: (i)多孔質支持材のスラリー、並びに少なくとも一種
    のマグネシウム化合物及び少なくとも一種の遷移金属化
    合物の電子供与体化合物中の溶液を形成し;該マグネシ
    ウム化合物は、MgX2 式(式中、Xは、前に規定した
    通りである)を有し;該遷移金属化合物は、M(OR)
    ab 式(式中、M、R、及びXは、前に規定した通り
    であり;aは0、1又は2であり;bは1〜4(それぞ
    れを含む)であり;a+b=3又は4)を有し;工程
    (i)のスラリーを形成する溶液中の溶質の全重量は、
    該重量の溶質が、該スラリーにおいて使用する支持材の
    細孔容積に等しい容積の電子供与体物質に溶解するよう
    にし; (ii)工程(i)のスラリーから溶媒電子供与体化合
    物を除いて、支持材と共にマグネシウム及び遷移金属化
    合物並びに付随する電子供与体化合物を回収し: (iii)工程(ii)の生成物に、工程(i)に規定
    する通りのマグネシウム化合物及び遷移金属化合物から
    なる群より選ぶ少なくとも一種の物質を含有する電子供
    与体化合物の溶液を加え、この加える溶液の容積は、処
    理する物質の細孔容積より少なくし; (iv)工程(iii)の生成物から溶媒電子供与体化
    合物を除いて、支持材と共にマグネシウム及び遷移金属
    化合物並びに付随する電子供与体化合物を回収し:及び (v)必要ならば、工程(iii)及び(iv)を、所
    望の組成の触媒プリカーサーが得られるまで反復し、そ
    れで形成されるプリカーサー組成物が実質的に該支持材
    の細孔内に含有され、かつ不十分なプリカーサー組成物
    が表面上に残って凝集物形成を可能にし;該マグネシウ
    ム及び遷移金属化合物の全使用量は、m、n、p及びq
    の値が最終触媒プリカーサーにおいて満足されるように
    し;該プリカーサーは、それを炭化水素スラリー中で該
    プリカーサー組成物中の遷移金属1モル当り>0〜10
    モルの活性剤化合物で処理することによって部分活性化
    されたものであり;該活性剤化合物は、下記式を有す
    る: Al(R”)c X’de (式中、X’は、Cl或はOR’”であり;R”及び
    R’”は同じであり或は異なり、C1 〜C14炭化水素ラ
    ジカルであり;dは0〜1.5であり;eは0又は1で
    あり;及びc+d+e=3である)。
  2. 【請求項2】 前記触媒プリカーサーにおいて、Mに対
    するMgの比が2〜10であり、プリカーサー組成物中
    に含有されるMgX2 のレベルが、>0.8ミリモル/
    支持材を含むプリカーサー組成物1グラムである請求項
    1の触媒組成物。
  3. 【請求項3】 前記触媒プリカーサーにおいて、Mに対
    するMgの比が3〜10であり、プリカーサー組成物中
    に含有されるMgX2 のレベルが、>0.9ミリモル/
    支持材を含むプリカーサー組成物1グラムである請求項
    1の触媒組成物。
  4. 【請求項4】 下記の工程: (A)下記式を有するプリカーサー組成物: Mgm M(OR)np {ED} q (式中、Mは、バナジウム、チタン、ジルコニウム及び
    ハフニウムからなる群より選ぶ遷移金属であり;Rは、
    R’或はCOR’(式中、R’は、C1 〜C14脂肪族炭
    化水素ラジカル或はC6 〜C14芳香族炭化水素ラジカル
    である)であり;Xは、Cl、Br、I、或はこれらの
    混合物であり;EDは、液体有機化合物であって、それ
    に該プリカーサー組成物が可溶性であり、脂肪族及び芳
    香族カルボン酸のアルキルエステル、脂肪族エーテル、
    環状エーテル、及び脂肪族ケトンからなる群より選ぶ電
    子供与体化合物であり;mは0.5〜56であり;nは
    0、1又は2であり;pは4〜116であり;qは2〜
    85である)を支持材上に、下記の工程i)〜v)によ
    って形成し: (i)多孔質支持材のスラリー、並びに少なくとも一種
    のマグネシウム化合物及び少なくとも一種の遷移金属化
    合物の電子供与体化合物中の溶液を形成し;該マグネシ
    ウム化合物は、MgX2 式(式中、Xは、前に規定した
    通りである)を有し;該遷移金属化合物は、M(OR)
    ab 式(式中、M、R、及びXは、前に規定した通り
    であり;aは0、1又は2であり;bは1〜4(それぞ
    れを含む)であり;a+b=3又は4)を有し;工程
    (i)のスラリーを形成する溶液中の溶質の全重量は、
    該重量の溶質が、該スラリーにおいて使用する支持材の
    細孔容積に等しい容積の電子供与体物質に溶解するよう
    にし; (ii)工程(i)のスラリーから溶媒電子供与体化合
    物を除いて、支持材と共にマグネシウム及び遷移金属化
    合物並びに付随する電子供与体化合物を回収し: (iii)工程(ii)の生成物に、工程(i)に規定
    する通りのマグネシウム化合物及び遷移金属化合物から
    なる群より選ぶ少なくとも一種の物質を含有する電子供
    与体化合物の溶液を加え、この加える溶液の容積は、処
    理する物質の細孔容積より少なくし; (iv)工程(iii)の生成物から溶媒電子供与体化
    合物を除いて、支持材と共にマグネシウム及び遷移金属
    化合物並びに付随する電子供与体化合物を回収し:及び (v)必要ならば、工程(iii)及び(iv)を、所
    望の組成の触媒プリカーサーが得られるまで反復し、そ
    れで形成されるプリカーサー組成物が実質的に該支持材
    の細孔内に含有され、かつ不十分なプリカーサー組成物
    が表面上に残って凝集物形成を可能にし;該マグネシウ
    ム及び遷移金属化合物の全使用量は、m、n、p及びq
    の値が最終触媒プリカーサーにおいて満足されるように
    し; (B)触媒プリカーサー組成物を、それを炭化水素スラ
    リー中で該プリカーサー組成物中の遷移金属1モル当り
    >0〜10モルの活性剤化合物で処理することによって
    部分活性化する;該活性剤化合物は、下記式を有する: Al(R”)c X’de (式中、X’は、Cl或はOR’”であり;R”及び
    R’”は同じであり或は異なり、C1 〜C14炭化水素ラ
    ジカルであり;dは0〜1.5であり;eは0又は1で
    あり;及びc+d+e=3)を含む触媒組成物の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記触媒プリカーサーにおいて、Mに対
    するMgの比が2〜10であり、プリカーサー組成物中
    に含有されるMgX2 のレベルが、>0.8ミリモル/
    支持材を含むプリカーサー組成物1グラムである請求項
    4の方法。
  6. 【請求項6】 前記触媒プリカーサーにおいて、Mに対
    するMgの比が3〜10であり、プリカーサー組成物中
    に含有されるMgX2 のレベルが、>0.9ミリモル/
    支持材を含むプリカーサー組成物1グラムである請求項
    4の方法。
  7. 【請求項7】 下記の工程: (A)下記を含む反応混合物を形成し: i)エチレン、或はエチレンと、炭素原子3〜8を有す
    るアルファオレフィンである少なくとも一種のコモノマ
    ーとの混合物; ii)必要に応じて、分子量調整剤; iii)活性剤化合物;及び iv)請求項1の触媒組成物;並びに (B)i)エチレン、或はエチレンとコモノマーとの混
    合物の重合を該触媒組成物の存在において行うを含むポ
    リエチレンホモポリマー及びコポリマーの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記触媒プリカーサーにおいて、Mに対
    するMgの比が2〜10であり、プリカーサー組成物中
    に含有されるMgX2 のレベルが、>0.8ミリモル/
    支持材を含むプリカーサー組成物1グラムである請求項
    7の方法。
  9. 【請求項9】 前記触媒プリカーサーにおいて、Mに対
    するMgの比が3〜10であり、プリカーサー組成物中
    に含有されるMgX2 のレベルが、>0.9ミリモル/
    支持材を含むプリカーサー組成物1グラムである請求項
    7の方法。
  10. 【請求項10】 重合を気相において行う請求項7の方
    法。
JP32345395A 1995-11-08 1995-11-08 ポリオレフィン製造用の担持されたチーグラー−ナッタ触媒 Withdrawn JPH09136913A (ja)

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