JPH09135934A

JPH09135934A - ゴルフクラブヘッド及びその製造方法

Info

Publication number: JPH09135934A
Application number: JP7320985A
Authority: JP
Inventors: Yukihiro Teranishi; 幸弘寺西; Yoshiko Yamada; 佳子山田; Goto Ri; 後藤李
Original assignee: NANSEI KOFUN YUGENKOSHI; NANSEI KOFUN YUUGENKOUSHI; Mizuno Corp
Current assignee: NANSEI KOFUN YUGENKOSHI; NANSEI KOFUN YUUGENKOUSHI; Mizuno Corp
Priority date: 1995-11-14
Filing date: 1995-11-14
Publication date: 1997-05-27

Abstract

(57)【要約】【目的】本願発明は、ヘッド本体とフェースインサー
トとを異種金属により形成し、フェースインサートをヘ
ッド本体のフェース面に開口形成された凹部に圧入嵌合
したゴルフクラブヘッド及びその製造方法の改良に係る
ものである。【構成】ヘッド本体とフェースインサートとを異種金
属により形成し、フェースインサートをヘッド本体のフ
ェース面に開口形成された凹部に圧入嵌合したゴルフク
ラブヘッドにおいて、前記ヘッド本体の凹部の底面部の
少なくとも三方に、予め予備成型したリブ状突起部を形
成し、且つフェースインサートの下面部の前記リブ状突
起部に相当する部位に溝状凹部を形成すると共に、ヘッ
ド本体の凹部の内壁底面部の少なくとも二方にアンダー
カット部を形成し、これらリブ状突起部、溝状凹部、ア
ンダーカット部の各々を他方の部材に圧入嵌合してヘッ
ド本体にフェースインサートを固着したことを特徴とす
るゴルフクラブヘッド及びその製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、ヘッド本体とフ
ェースインサートとを異種金属により形成し、フェース
インサートをヘッド本体のフェース面に開口形成された
凹部に圧入嵌合したゴルフクラブヘッド（以下、単にヘ
ッドと省略する）及びその製造方法の改良に係るもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来より、アイアンヘッドやメタルウッ
ドヘッドやパター等の金属製のヘッドとしては、ヘッド
そのものを鍛造やロストワックス鋳造により同時一体的
に製造する方法と、ヘッドをいくつかのパーツに分割し
て鍛造やロストワックス鋳造により成型した後、溶接に
より一体化して製造する方法とが一般的である。これら
従来から公知のヘッドにおいて、前者の一体的に製造す
るヘッドでは、炭素鋼やステンレス鋼やアルミニウム合
金等から適宜選択した同一素材を用いて構成されている
のが一般的であった。又、後者のパーツに分割するタイ
プのヘッドにおいても、異種金属間の溶接が熱膨張係数
の差異による歪みや溶融温度の差異により溶着性が難し
い等の問題から、やはり同一素材を用いて構成すること
が一般的であった。

【０００３】一方、最近では、比重が軽いのに強度の大
きい所謂比強度が大きいチタンやチタン合金製等のヘッ
ドが公知となっている。この種のヘッドの内、特にメタ
ルウッドタイプのヘッドにおいては、比重が小さいため
ヘッド自体の容積を大きくできるため、スイートスポッ
トの大きなヘッドを供給できるものである。又、ヘッド
の内、アイアンヘッドタイプでも、ヘッド自体を大きく
することができ、ヘッドの周縁部に重量を配分すること
ができるため、スイートスポットの大きいヘッドを供給
することができるものである。

【０００４】しかし、これらチタンやチタン合金製ヘッ
ドにおいては、チタン自体の価格が高価であるためより
安価な普及品タイプのヘッドが要望されていた。そのた
め、これら普及タイプのヘッドにおいては、異種金属を
組み合わせて構成したものが公知となっている。即ち、
フェースインサートの部分にのみにチタンやチタン合金
等の素材を用いると共に、ヘッド本体を炭素鋼やステン
レス等の素材により構成することにより、ヘッド自体の
重量配分をヘッド周辺部に配置し、ヘッドの慣性モーメ
ントを大きくしたり、ヘッドの重心深度の設計の自由度
を大きくすることを目的にしたヘッドである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これら異種金
属を組み合わせて構成したヘッドにおいては、前述のご
とく異種金属間の溶接においては、熱膨張係数の差異に
より歪みが生じ易く、又、溶融温度の差異により溶着性
が難しく充分な溶接強度が得られない等の問題点を有し
ていた。そのため、最近では、特開平６−２４６０２１
号に開示されているように、ヘッド本体とフェースイン
サートとを異種金属にて形成し、フェースインサートの
外周面またはヘッド本体の凹所内周面のうち少なくとも
一方に凹溝若しくは微細な凹凸を形成すると共に、フェ
ースインサートのフェース面周縁部に肉盛部を形成し、
フェースインサートをヘッド本体の凹所内でプレス加工
し肉盛部を押し潰して凹溝若しくは微細な凹凸を他方の
面に食い込ませることにより、フェースインサートを凹
所内に固着することを特徴とするヘッド及びその製造方
法である。

【０００６】しかし、これら従来から公知であるヘッド
は、以下のような問題点を有していた。即ち、特開平６
−２４６０２１号に開示されているヘッド本体の凹所内
周面のうち少なくとも一方に凹溝若しくは微細な凹凸を
形成すると共に、フェースインサートのフェース面周縁
部に肉盛部を形成し、フェースインサートをヘッド本体
の凹所内でプレス加工し肉盛部を押し潰して凹溝若しく
は微細な凹凸を他方の面に食い込ませるヘッドでは、ヘ
ッド本体とフェースインサートとの嵌合のための凹溝若
しくは微細な凹凸面にこれら肉盛部を押し潰して食い込
ませるためプレス圧力を高く設定する必要があり、フェ
ースインサート自体が変形する恐れがあった。又、嵌合
のための凹溝若しくは微細な凹凸面を形成するために手
間が掛かると言った問題点を有していた。そのため、こ
れらフェースインサートをヘッド本体に圧入嵌合するタ
イプのヘッドにおいては、より嵌合一体化が確実なヘッ
ドの供給が望まれていた。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本願発明は、上記目的を
達成するために発明されたものである。即ち、ヘッド本
体とフェースインサートとを異種金属により形成し、フ
ェースインサートをヘッド本体のフェース面に開口形成
された凹部に圧入嵌合したゴルフクラブヘッドにおい
て、前記ヘッド本体の凹部の上端周縁部に肉盛部を形成
すると共に、凹部の底面部の少なくとも三方に、予め予
備成型したリブ状突起部を形成し、且つフェースインサ
ートの下面部の前記リブ状突起部に相当する部位に溝状
凹部を形成すると共に、ヘッド本体の凹部の内壁部の底
面部側の少なくとも二方にアンダーカット部を形成し、
且つフェースインサートの外壁部の前記アンダーカット
部に相当する下面部に前記アンダーカット部に略合致す
る突出部を形成し（なお、該突出部は、特に形成しなく
ても圧入嵌合は可能である。）、該フェースインサート
をヘッド本体のフェース面に開口形成された凹部に配置
し、高圧プレスによりプレス加工することにより、これ
らリブ状突起部が溝状凹部に食い込み溝状凹部を押し広
げられることにより、ヘッド本体のアンダーカット部に
フェースインサートに形成した突出部乃至フェースイン
サートの下面部が圧入嵌合し、同時に凹部の上端周縁部
に形成した肉盛部が押し潰されて、フェースインサート
を確実に固着することを特徴とするゴルフクラブヘッド
及びその製造方法である。

【０００８】

【発明の実施の形態】なお、本願発明の実施形態として
は、即ち、ヘッド本体とフェースインサートとを異種金
属により形成し、フェースインサートをヘッド本体のフ
ェース面に開口形成された凹部に圧入嵌合したゴルフク
ラブヘッドにおいて、前記ヘッド本体の凹部の底面部の
少なくとも三方に、予め予備成型したリブ状突起部を形
成し、且つフェースインサートの下面部の前記リブ状突
起部に相当する部位に溝状凹部を形成すると共に、ヘッ
ド本体の凹部の内壁部の底面部側の少なくとも二方にア
ンダーカット部を形成し、且つフェースインサートの外
壁部の前記アンダーカット部に相当する下面部に前記ア
ンダーカット部に略合致する突出部を形成し（なお、該
突出部は、特に形成しなくても圧入嵌合は可能であ
る。）、該フェースインサートをヘッド本体のフェース
面に開口形成された凹部に配置し、高圧プレスによりこ
れらリブ状突起部、溝状凹部、アンダーカット部、突出
部の各々を他方の部材に圧入嵌合してヘッド本体にフェ
ースインサートを固着したことを特徴とするゴルフクラ
ブヘッド及びその製造方法である。

【０００９】

【実施例】本願発明の実施例を図面に基づいて説明すれ
ば、図１に示すように、ヘッド本体２とフェースインサ
ート３とを異種金属により形成し、フェースインサート
３をヘッド本体２のフェース面２Ａに開口形成された凹
部４に圧入嵌合したゴルフクラブヘッド１において、前
記ヘッド本体２の凹部４の底面部４ａの少なくとも三方
に、予め予備成型したリブ状突起部４ｂを形成し、且つ
フェースインサート３の下面部３ａの前記リブ状突起部
４ｂに相当する部位に溝状凹部３ｂを形成すると共に、
ヘッド本体２の凹部４の内壁底面部４ｃの少なくとも二
方にアンダーカット部４ｄを形成し、これらリブ状突起
部４ｂ、溝状凹部３ｂ、アンダーカット部４ｄの各々を
他方の部材に圧入嵌合してヘッド本体２にフェースイン
サート３を固着したことを特徴とするゴルフクラブヘッ
ド１である。

【００１０】本願発明の実施例を図面に基づいて説明す
れば、図２に示すように、ヘッド本体２とフェースイン
サート３とを異種金属により形成し、フェースインサー
ト３をヘッド本体２のフェース面２Ａに開口形成された
凹部４に圧入嵌合したゴルフクラブヘッド１において、
前記ヘッド本体２の凹部４の底面部４ａの少なくとも三
方に、予め予備成型したリブ状突起部４ｂを形成し、且
つフェースインサート３の下面部３ａの前記リブ状突起
部４ｂに相当する部位に溝状凹部３ｂを形成すると共
に、ヘッド本体２の凹部４の内壁底面部４ｃの少なくと
も二方にアンダーカット部４ｄを形成し、フェースイン
サート３の前記アンダーカット部４ｄに相当する端部３
ｃに前記アンダーカット部４ｄに略合致する突出部３ｄ
を形成し、これらリブ状突起部４ｂ、溝状凹部３ｂ、ア
ンダーカット部４ｄ、突出部３ｄの各々を他方の部材に
圧入嵌合してヘッド本体２にフェースインサート３を固
着したことを特徴とするゴルフクラブヘッド１である。

【００１１】更に、本願発明の実施例を図面に基づいて
説明すれば、図３乃至図５に示すように、前記フェース
インサート３をヘッド本体２のフェース面２Ａに開口形
成された凹部４に圧入嵌合したゴルフクラブヘッド１に
おいて、前記ヘッド本体２の凹部４のトップエッジ側底
面部４ｅ、リーディングエッジ側底面部４ｆ、トウ側底
面部４ｇの三方に、予め予備成型したリブ状突起部４ｂ
を形成し、且つフェースインサート３の下面部３ａに前
記リブ状突起部４ｂに相当する部位に溝状凹部３ｂを形
成すると共に、ヘッド本体２の凹部４のトップエッジ側
内壁底面部４ｃ’及びリーディングエッジ側内壁底面部
４ｃ”にアンダーカット部４ｄを形成し、更にヘッド本
体２の凹部４のトウ側内壁部４ｈは、略直立させると共
に、ヘッド本体２の凹部４のヒール側内壁部４ｉは、オ
ープンカット形状とし、これらリブ状突起部４ｂ、溝状
凹部３ｂ、アンダーカット部４ｄの各々を他方の部材に
圧入嵌合してヘッド本体２にフェースインサート３を固
着したことを特徴とするゴルフクラブヘッド１である。

【００１２】更に、本願発明の実施例を図面に基づいて
説明すれば、図６乃至図８に示すように、前記フェース
インサート３をヘッド本体２のフェース面２Ａに開口形
成された凹部４に圧入嵌合したゴルフクラブヘッド１に
おいて、前記ヘッド本体２の凹部４のトップエッジ側底
面部４ｅ、リーディングエッジ側底面部４ｆ、トウ側底
面部４ｇの三方に、予め予備成型したリブ状突起部４ｂ
を形成し、且つフェースインサート３の下面部３ａに前
記リブ状突起部４ｂに相当する部位に溝状凹部３ｂを形
成すると共に、ヘッド本体２の凹部４のトップエッジ側
内壁底面部４ｃ’及びリーディングエッジ側内壁底面部
４ｃ”にアンダーカット部４ｄを形成し、且つフェース
インサート３のトップエッジ側端部３ｃ’及びリーディ
ングエッジ側端部３ｃ”に前記アンダーカット部４ｄに
略合致する突出部３ｄを形成し、更にヘッド本体２の凹
部４のトウ側内壁部４ｈは、略直立させると共に、ヘッ
ド本体２の凹部４のヒール側内壁部４ｉは、オープンカ
ット形状とし、これらリブ状突起部４ｂ、溝状凹部３
ｂ、アンダーカット部４ｄ、突出部３ｄの各々を他方の
部材に圧入嵌合してヘッド本体２にフェースインサート
３を固着したことを特徴とするゴルフクラブヘッド１で
ある。

【００１３】更に、本願発明の製造方法の一実施例を図
面に基づいて説明すれば、図９乃至図１１（Ａ）、
（Ｂ）は上記構成のヘッドの製造工程を示したものであ
り、ヘッド本体２は、下金型５Ｃ、中金型５Ｂに装着さ
れ、フェースインサート３をヘッド本体２のフェース面
２Ａに開口形成された凹部４に挿入される。そして、フ
ェースインサート３は、上金型５Ａによりヘッド本体２
の凹部４内でプレスにより加圧され圧入嵌合されるもの
である。即ち、下金型５Ｃ、中金型５Ｂに装着されたヘ
ッド本体２のフェース面２Ａに開口形成された凹部４の
上端周縁部４ｊに肉盛部４ｋを形成すると共に、前記凹
部４の底面部４ａの少なくとも三方に、予め予備成型し
たリブ状突起部４ｂを形成し、且つヘッド本体２の凹部
４の内壁底面部４ｃの少なくとも二方にアンダーカット
部４ｄを形成し、次にフェースインサート３の前記リブ
状突起部４ｂに相当する部位に溝状凹部３ｂを形成し、
該フェースインサート３をヘッド本体２のフェース面２
Ａに開口形成された凹部４に配置し、上金型５Ａを載置
し、高圧プレスにより圧入嵌合することにより、前記ヘ
ッド本体２のフェース面２Ａに開口形成された凹部４の
上端周縁部４ｊに肉盛部４ｋが押し潰されてフェースイ
ンサート３に圧接すると共に、前記リブ状突起部４ｂが
溝状凹部３ｂを押し広げることにより、フェースインサ
ートの端部３ｃがアンダーカット部４ｄに嵌入し、各々
の部材が圧入嵌合してヘッド本体２にフェースインサー
ト３を固着することを特徴とするゴルフクラブヘッド１
の製造方法である。

【００１４】更に、本願発明の実施例を更に詳細に説明
すれば、図１２乃至図１４（Ｃ）、（Ｄ）に示すよう
に、ヘッド本体２とフェースインサート３とを異種金属
により形成し、フェースインサート３をヘッド本体２の
フェース面２Ａに開口形成された凹部４に圧入嵌合して
ゴルフクラブヘッド１を製造する製造方法において、下
金型５Ｃ、中金型５Ｂに装着されたヘッド本体２のフェ
ース面２Ａに開口形成された凹部４の上端周縁部４ｊに
肉盛部４ｋを形成すると共に、前記凹部４の底面部４ａ
の少なくとも三方に、予め予備成型したリブ状突起部４
ｂを形成し、且つヘッド本体２の凹部４の内壁底面部４
ｃの少なくとも二方にアンダーカット部４ｄを形成し、
次にフェースインサート３の前記リブ状突起部４ｂに相
当する部位に溝状凹部３ｂを形成すると共に、フェース
インサート３の下面部３ａの端部３ｃにアンダーカット
部４ｄと略合致する突出部３ｄを形成し、該フェースイ
ンサート３をヘッド本体２のフェース面２Ａに開口形成
された凹部４に配置し、上金型５Ａを載置し、高圧プレ
スにより圧入嵌合することにより、前記ヘッド本体２の
フェース面２Ａに開口形成された凹部４の上端周縁部４
ｊに肉盛部４ｋが押し潰されてフェースインサート３に
圧接すると共に、前記リブ状突起部４ｂが溝状凹部３ｂ
を押し広げることにより、突出部３ｄがアンダーカット
部４ｄに嵌入し、各々の部材が圧入嵌合してヘッド本体
２にフェースインサート３を固着することを特徴とする
ゴルフクラブヘッド１の製造方法である。

【００１５】更に、本願発明の実施例を更に詳細に説明
すれば、図９乃至図１１（Ａ）、（Ｂ）に示すように、
前記フェースインサート３をヘッド本体２のフェース
面２Ａに開口形成された凹部４に圧入嵌合してゴルフク
ラブヘッド１を製造する製造方法において、下金型５
Ｃ、中金型５Ｂに装着されたヘッド本体２のフェース面
２Ａに開口形成された凹部４の上端周縁部４ｊに肉盛部
４ｋを形成すると共に、前記凹部４のトップエッジ側底
面部４ｅ、リーディングエッジ側底面部４ｆ、トウ側底
面部４ｇの三方に、予め予備成型したリブ状突起部４ｂ
を形成し、且つヘッド本体２の凹部４のトップエッジ側
内壁底面部４ｃ’及びリーディングエッジ側内壁底面部
４ｃ”にアンダーカット部４ｄを形成し、次にフェース
インサート３の下面部３ａの前記リブ状突起部４ｂに相
当する部位に溝状凹部３ｂを形成し、更にヘッド本体２
の凹部４のトウ側内壁部４ｈは、直立させると共に、ヘ
ッド本体２の凹部４のヒール側内壁部４ｉは、オープン
カット形状とし、該フェースインサート３をヘッド本体
２のフェース面２Ａに開口形成された凹部４に配置し、
上金型５Ａを載置し、高圧プレスにより圧入嵌合するこ
とにより、前記ヘッド本体２のフェース面２Ａに開口形
成された凹部４の上端周縁部４ｊに肉盛部４ｋが押し潰
されてフェースインサート３に圧接すると共に、前記リ
ブ状突起部４ｂが溝状凹部３ｃを押し広げることによ
り、フェースインサートの下面部３ａがアンダーカット
部４ｄに嵌入し、各々の部材が圧入嵌合してヘッド本体
２にフェースインサート３を固着することを特徴とする
ゴルフクラブヘッドの製造方法である。

【００１６】その他、本願発明の実施例を図面に基づい
て説明すれば、図１２乃至図１４（Ｃ）、（Ｄ）に示す
ように、前記フェースインサート３をヘッド本体２のフ
ェース面２Ａに開口形成された凹部４に圧入嵌合してゴ
ルフクラブヘッド１を製造する製造方法において、下金
型５Ｃ、中金型５Ｂに装着されたヘッド本体２のフェー
ス面２Ａに開口形成された凹部４の上端周縁部４ｊに肉
盛部４ｋを形成すると共に、前記凹部４のトップエッジ
側底面部４ｅ、リーディングエッジ側底面部４ｆ、トウ
側底面部４ｇの三方に、予め予備成型したリブ状突起部
４ｂを形成し、且つヘッド本体２の凹部４のトップエッ
ジ側内壁底面部４ｃ’及びリーディングエッジ側内壁底
面部４ｃ”にアンダーカット部４ｄを形成し、次にフェ
ースインサート３の下面部３ａで、前記リブ状突起部４
ｂに相当する部位に溝状凹部３ｂを形成すると共に、フ
ェースインサート３の下面部３ａの端部３ｃに前記アン
ダーカット部４ｄと略合致する突出部３ｄを形成し、更
にヘッド本体２の凹部４のトウ側内壁部４ｈは、直立さ
せると共に、ヘッド本体２の凹部４のヒール側内壁部４
ｉは、オープンカット形状とし、該フェースインサート
３をヘッド本体２のフェース面２Ａに開口形成された凹
部４に配置し、上金型５Ａを載置し、高圧プレスにより
圧入嵌合することにより、前記ヘッド本体２のフェース
面２Ａに開口形成された凹部４の上端周縁部４ｊに肉盛
部４ｋが押し潰されてフェースインサート３に圧接する
と共に、前記リブ状突起部４ｂが溝状凹部３ｂを押し広
げることにより、突出部３ｄがアンダーカット部４ｄに
嵌入し、各々の部材が圧入嵌合してヘッド本体２にフェ
ースインサート３を固着することを特徴とするゴルフク
ラブヘッドの製造方法である。

【００１７】又、本願発明の一実施例を詳細に説明する
と、例えばヘッド本体２を鋼、合金鋼、ステンレス鋼、
炭素鋼、銅、銅合金、ベリリウム銅合金、、純チタン、
チタン合金等から適宜選択することが出来る。フェース
インサート３としては、純チタン、チタン合金、アルミ
ニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等から適宜選択
することができる。その他、特にヘッド本体よりも比重
の軽い素材を適宜選択して、異種金属を組み合わせて構
成することにより、ヘッド本体の重量配分がヘッド本体
の周辺部に配分されることにより、ヘッド自体の慣性モ
ーメントが増大し、スイートスポットが広がるほか、ヘ
ッド自体の重心深度を深くできるため、初心者にとって
も打球が上がり易く、打ち易いゴルフクラブを提供でき
るものである。更に、フェースインサートに純チタンや
チタン合金を使用することにより、これら素材が軽量で
且つ比弾性、比強度が高い素材であるため、球離れの良
いコントロールし易い打球が可能となるため、中級者や
上級者にも適合したゴルフクラブを提供することができ
るものである。

【００１８】なお、本願発明においては、フェースイン
サート３をヘッド本体２のフェース面２Ａに開口形成さ
れた凹部４の上端周縁部４ｊに、高さが約１．２ｍｍ乃
至約１．０ｍｍ〜１．２ｍｍで幅が約０．４ｍｍ乃至約
０．４ｍｍ±０．１ｍｍの肉盛部４ｋを形成すると共
に、圧入嵌合するための手段として、ヘッド本体２の凹
部４のトップエッジ側底面部４ｅ、リーディングエッジ
側底面部４ｆ、トウ側底面部４ｇの三方に、予め予備成
型したリブ状突起部４ｂを形成しており、該リブ状突起
部４ｂの形状としては、断面形状が三角形や逆Ｕ字形等
の突起を形成し、寸法としては、突起先端部の角度が４
５°〜９０°で、高さが０．６ｍｍ〜１．２ｍｍ、底辺
部の幅が０．３〜１．２ｍｍで、長さが３０〜５２ｍｍ
の範囲に設定することができる。

【００１９】一方、フェースインサート３の下面部３ａ
に前記リブ状突起部４ｂに相当する部位に幅０．６ｍｍ
〜０．８ｍｍで深さが０．６ｍｍ〜１．０ｍｍ程度の溝
状凹部３ｂを形成することにより、前記リブ状突起部４
ｂが嵌入してきた際に該溝状凹部３ｂが押し広がり、こ
の広がった部分がアンダーカット部４ｄに略合致するよ
うに嵌合するものである。又、更に突出部３ｄを形成し
たものでは、前記リブ状突起部４ｂが嵌入してきた際に
該溝状凹部３ｂが押し広がり、この広がった部分と前記
突出部３ｄがアンダーカット部４ｄに略合致するように
嵌合するものである。又、ヘッド本体２の凹部４のトッ
プエッジ側内壁底面部４ｃ’及びリーディングエッジ側
内壁底面部４ｃ”に奥行きが１．０ｍｍ〜１．２ｍｍ
で、高さが１．０ｍｍ〜１．２ｍｍで、アンダーカット
の角度が６０°〜８０°にしたアンダーカット部４ｄを
形成し、且つフェースインサート３のトップエッジ側端
部３ｃ’及びリーディングエッジ側端部３ｃ”に前記ア
ンダーカット部４ｄに略合致する突出部３ｄを形成し、
更にヘッド本体２の凹部４のトウ側内壁部４ｈは、略直
立させる（約８７°±３°）と共に、ヘッド本体２の凹
部４のヒール側内壁部４ｉは、オープンカット形状（約
９３°±３°）とし、これら肉盛部４ｋ、リブ状突起部
４ｂ、溝状凹部３ｂ、アンダーカット部４ｄ、突出部３
ｄの各々を他方の部材に圧入嵌合してヘッド本体２にフ
ェースインサート３を固着したことを特徴とするゴルフ
クラブヘッド１である。

【００２０】

【発明の効果】このように、本願発明のゴルフクラブヘ
ッド及びその製造方法においては、ヘッド本体の凹部の
トップエッジ側底面部、リーディングエッジ側底面部、
トウ側底面部の三方に、予め予備成型したリブ状突起部
を形成することにより、フェースインサートの下面部に
形成した溝状凹部との圧入嵌合によりこれら溝状凹部が
押し広げられ、その結果突出部が押されて、アンダーカ
ット部により強固に確実に挿入されるため、嵌合強度の
大きなヘッド本体を得ることができるため、繰り返しボ
ールを打球してもフェースインサートが緩んだり、変音
が生じたりすることがなく、耐久性が向上するものであ
る。

【００２１】又、ヘッド本体の凹部のトウ側内壁部を略
直立させることにより、プレスによりフェースインサー
トをヘッド本体に圧入嵌合する際に、この略直立したト
ウ側内壁部が確実にフェースインサートを係止する効果
を奏する。更に、ヘッド本体の凹部のヒール側内壁部
を、オープンカット形状にしたことにより、ロストワッ
クス製法時、ヘッド本体の凹部を形成する中子を斜方向
に抜くことができるため、ロストワックスの端部が欠け
たり折れたりすることが著しく改善し、製造コストの低
減につながるものである。その他、本願発明のゴルフク
ラブヘッド及びその製造方法においては、ヘッド本体の
凹部の上端周縁部に肉盛部を形成し、この肉盛部をプレ
スにより押し潰すことにより、上端周縁部の肉盛部がヘ
ッド本体とフェースインサートとの状態の改良に寄与し
て嵌合状態が極めて良好となる。

【図面の簡単な発明】

【図１】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの１実施例
を示す斜視図。

【図２】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの１実施例
を示す斜視図。

【図３】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの図１のＡ
−Ａ部の断面を示す要部断面図。

【図４】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの図１のＡ
−Ａ部の組付時の断面を示す要部断面図。

【図５】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの図１のＢ
−Ｂ部の断面を示す要部断面図。

【図６】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの図２のＣ
−Ｃ部の断面を示す要部断面図。

【図７】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの図２のＣ
−Ｃ部の組付時の断面を示す要部断面図。

【図８】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの図２のＤ
−Ｄ部の組付時の断面を示す要部断面図。

【図９】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの製造工程
の一部を示す要部断面図。

【図１０】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの製造工
程の一部を示す要部断面図。

【図１１】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの製造方
法の圧入嵌合工程を示す要部断面図。

【図１２】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの製造工
程の一部を示す要部断面図。

【図１３】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの製造工
程の一部を示す要部断面図。

【図１４】本願発明に係るゴルフクラブヘッドの製造方
法の圧入嵌合工程を示す要部断面図。

【符号の説明】

１ゴルフクラブヘッド２ヘッド本体２Ａフェース面３フェースインサート３ａ下面部３ｂ溝状凹部３ｃ端部３ｃ’トップエッジ側端部３ｃ”リーディングエッジ側端部３ｄ突出部４凹部４ａ底面部４ｂリブ状突起部４ｃ内壁底面部４ｃ’トップエッジ側内壁底面部４ｃ”リーディングエッジ側内壁底面部４ｄアンダーカット部４ｅトップエッジ側底面部４ｆリーディングエッジ側底面部４ｇトウ側底面部４ｈトウ側内壁部４ｉヒール側内壁部４ｊ上端周縁部４ｋ肉盛部５Ａ上金型５Ｂ中金型５Ｃ下金型

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者李後藤台湾台北市大安區濟南路三段四十七號五樓

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ヘッド本体とフェースインサートとを異種
金属により形成し、フェースインサートをヘッド本体の
フェース面に開口形成された凹部に圧入嵌合したゴルフ
クラブヘッドにおいて、前記ヘッド本体の凹部の底面部
の少なくとも三方に、予め予備成型したリブ状突起部を
形成し、且つフェースインサートの下面部の前記リブ状
突起部に相当する部位に溝状凹部を形成すると共に、ヘ
ッド本体の凹部の内壁底面部の少なくとも二方にアンダ
ーカット部を形成し、これらリブ状突起部、溝状凹部、
アンダーカット部の各々を他方の部材に圧入嵌合してヘ
ッド本体にフェースインサートを固着したことを特徴と
するゴルフクラブヘッド。
【請求項２】前記フェースインサートをヘッド本体のフ
ェース面に開口形成された凹部に圧入嵌合したゴルフク
ラブヘッドにおいて、前記ヘッド本体の凹部の底面部の
少なくとも三方に、予め予備成型したリブ状突起部を形
成し、且つフェースインサートの下面部の前記リブ状突
起部に相当する部位に溝状凹部を形成すると共に、ヘッ
ド本体の凹部の内壁底面部の少なくとも二方にアンダー
カット部を形成し、フェースインサートの前記アンダー
カット部に相当する下面部に前記アンダーカット部に略
合致する突出部を形成し、これらリブ状突起部、溝状凹
部、アンダーカット部、突出部の各々を他方の部材に圧
入嵌合してヘッド本体にフェースインサートを固着した
ことを特徴とする請求項１記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項３】前記フェースインサートをヘッド本体のフ
ェース面に開口形成された凹部に圧入嵌合したゴルフク
ラブヘッドにおいて、前記ヘッド本体の凹部のトップエ
ッジ側底面部、リーディングエッジ側底面部、トウ側底
面部の三方に、予め予備成型したリブ状突起部を形成
し、且つフェースインサートの下面部に前記リブ状突起
部に相当する部位に溝状凹部を形成すると共に、ヘッド
本体の凹部トップエッジ側内壁底面部及びリーディング
エッジ側内壁底面部にアンダーカット部を形成し、更に
ヘッド本体の凹部のトウ側内壁部は、略直立させると共
に、ヘッド本体の凹部のヒール側内壁部は、オープンカ
ット形状とし、これらリブ状突起部、溝状凹部、アンダ
ーカット部の各々を他方の部材に圧入嵌合してヘッド本
体にフェースインサートを固着したことを特徴とする請
求項１記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項４】前記フェースインサートをヘッド本体のフ
ェース面に開口形成された凹部に圧入嵌合したゴルフク
ラブヘッドにおいて、前記ヘッド本体の凹部のトップエ
ッジ側底面部、リーディングエッジ側底面部、トウ側底
面部の三方に、予め予備成型したリブ状突起部を形成
し、且つフェースインサートの下面部に前記リブ状突起
部に相当する部位に溝状凹部を形成すると共に、ヘッド
本体の凹部トップエッジ側内壁底面部及びリーディング
エッジ側内壁底面部にアンダーカット部を形成し、且つ
フェースインサートのトップエッジ側下面部及びリーデ
ィングエッジ側下面部に前記アンダーカット部に略合致
する突出部を形成し、更にヘッド本体の凹部のトウ側内
壁部は、略直立させると共に、ヘッド本体の凹部のヒー
ル側内壁部は、オープンカット形状とし、これらリブ状
突起部、溝状凹部、アンダーカット部、突出部の各々を
他方の部材に圧入嵌合してヘッド本体にフェースインサ
ートを固着したことを特徴とする請求項１又は２記載の
ゴルフクラブヘッド。
【請求項５】ヘッド本体とフェースインサートとを異種
金属により形成し、フェースインサートをヘッド本体の
フェース面に開口形成された凹部に圧入嵌合してゴルフ
クラブヘッドを製造する製造方法において、ヘッド本体
のフェース面に開口形成された凹部の上端周縁部に肉盛
部を形成すると共に、前記凹部の底面部の少なくとも三
方に、予め予備成型したリブ状突起部を形成し、且つヘ
ッド本体の凹部の内壁底面部の少なくとも二方にアンダ
ーカット部を形成し、次にフェースインサートの前記リ
ブ状突起部に相当する部位に溝状凹部を形成し、該フェ
ースインサートをヘッド本体のフェース面に開口形成さ
れた凹部に配置し、高圧プレスにより圧入嵌合すること
により、前記ヘッド本体のフェース面に開口形成された
凹部の上端周縁部に肉盛部が押し潰されてフェースイン
サートに圧接すると共に、前記リブ状突起部が溝状凹部
を押し広げることにより、端部がアンダーカット部に嵌
入し、各々の部材が圧入嵌合して、ヘッド本体にフェー
スインサートを固着することを特徴とするゴルフクラブ
ヘッドの製造方法。
【請求項６】ヘッド本体とフェースインサートとを異種
金属により形成し、フェースインサートをヘッド本体の
フェース面に開口形成された凹部に圧入嵌合してゴルフ
クラブヘッドを製造する製造方法において、ヘッド本体
のフェース面に開口形成された凹部の上端周縁部に肉盛
部を形成すると共に、前記凹部の底面部の少なくとも三
方に、予め予備成型したリブ状突起部を形成し、且つヘ
ッド本体の凹部の内壁底面部の少なくとも二方にアンダ
ーカット部を形成し、次にフェースインサートの前記リ
ブ状突起部に相当する部位に溝状凹部を形成すると共
に、フェースインサートの下面部に前記アンダーカット
部と略合致する突出部を形成し、該フェースインサート
をヘッド本体のフェース面に開口形成された凹部に配置
し、高圧プレスにより圧入嵌合することにより、前記ヘ
ッド本体のフェース面に開口形成された凹部の上端周縁
部に肉盛部が押し潰されてフェースインサートに圧接す
ると共に、前記リブ状突起部が溝状凹部を押し広げるこ
とにより、突出部がアンダーカット部に嵌入し、各々の
部材が圧入嵌合してヘッド本体にフェースインサートを
固着することを特徴とするゴルフクラブヘッドの製造方
法。
【請求項７】前記フェースインサートをヘッド本体のフ
ェース面に開口形成された凹部に圧入嵌合してゴルフク
ラブヘッドを製造する製造方法において、ヘッド本体の
フェース面に開口形成された凹部の上端周縁部に肉盛部
を形成すると共に、前記凹部のトップエッジ側底面部、
リーディングエッジ側底面部、トウ側底面部の三方に、
予め予備成型したリブ状突起部を形成し、且つヘッド本
体の凹部のトップエッジ側内壁底面部及びリーディング
エッジ側内壁底面部にアンダーカット部を形成し、次に
フェースインサートの下面部で、前記リブ状突起部に相
当する部位に溝状凹部を形成し、更にヘッド本体の凹部
のトウ側内壁部は、直立させると共に、ヘッド本体の凹
部のヒール側内壁部は、オープンカット形状とし、該フ
ェースインサートをヘッド本体のフェース面に開口形成
された凹部に配置し、高圧プレスにより圧入嵌合するこ
とにより、前記ヘッド本体のフェース面に開口形成され
た凹部の上端周縁部に肉盛部が押し潰されてフェースイ
ンサートに圧接すると共に、前記リブ状突起部が溝状凹
部を押し広げることにより、フェースインサートの下面
部がアンダーカット部に嵌入し、各々の部材が圧入嵌合
してヘッド本体にフェースインサートを固着することを
特徴とする請求項５記載のゴルフクラブヘッドの製造方
法。
【請求項８】前記フェースインサートをヘッド本体のフ
ェース面に開口形成された凹部に圧入嵌合してゴルフク
ラブヘッドを製造する製造方法において、ヘッド本体の
フェース面に開口形成された凹部の上端周縁部に肉盛部
を形成すると共に、前記凹部のトップエッジ側底面部、
リーディングエッジ側底面部、トウ側底面部の三方に、
予め予備成型したリブ状突起部を形成し、且つヘッド本
体の凹部のトップエッジ側内壁底面部及びリーディング
エッジ側内壁底面部にアンダーカット部を形成し、次に
フェースインサートの下面部で、前記リブ状突起部に相
当する部位に溝状凹部を形成すると共に、フェースイン
サートの下面部に前記アンダーカット部と略合致する突
出部を形成し、更にヘッド本体の凹部のトウ側内壁部
は、直立させると共に、ヘッド本体の凹部のヒール側内
壁部は、オープンカット形状とし、該フェースインサー
トをヘッド本体のフェース面に開口形成された凹部に配
置し、高圧プレスにより圧入嵌合することにより、前記
ヘッド本体のフェース面に開口形成された凹部の上端周
縁部に肉盛部が押し潰されてフェースインサートに圧接
すると共に、前記リブ状突起部が溝状凹部を押し広げる
ことにより、突出部がアンダーカット部に嵌入し、各々
の部材が圧入嵌合してヘッド本体にフェースインサート
を固着することを特徴とする請求項６記載のゴルフクラ
ブヘッドの製造方法。