JPH09135668A - 米加工食品原料 - Google Patents
米加工食品原料Info
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- JPH09135668A JPH09135668A JP7297012A JP29701295A JPH09135668A JP H09135668 A JPH09135668 A JP H09135668A JP 7297012 A JP7297012 A JP 7297012A JP 29701295 A JP29701295 A JP 29701295A JP H09135668 A JPH09135668 A JP H09135668A
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Abstract
質し、米の持つ淡白な味と栄養価を生かした食の洋風
化、簡便化に対処できる新しいタイプの食品の開発を行
う。 【解決手段】 生米又は米を加水分解した一定粒度のア
ルファ化米粒子に卵白を混和したのち、卵白の凝固温度
以上に加熱処理することにより米特有の粘性、もち性、
付着性を低減した多用途なペースト状米食品原料に関す
るものであり、米が、その特有の物性のために主成分と
して使用できなかった食品や餡様食品、果汁カード様食
品、ポテトサラダ様食品、シート状食品等の現代の食生
活に合った新しいタイプの食品原料とするものである。
Description
る食生活の変化に対応した米を主原料とする加工食品原
料に関するものであり、菓子分野を始めとし、惣菜など
の幅広い分野にも適応可能であり、更には、餡様、果汁
カード様、ポテトサラダ様、シート状食品原料など今ま
でにない全く新しい食品の開発につながるものである。
どの菓子類をはじめ、味噌、酒など古来より米を原料と
する多くの加工食品が作られ、それぞれ独特の技術が育
まれている。原料となる米の種類においても、粳米は、
飯米、団子、煎餅、上新粉などに、糯米は、餅、おこ
わ、あられ、おかき、道明寺粉、白玉粉、寒梅粉など
に、それぞれの原料米の持つ特性にあわせた利用がなさ
れている。更に、最近では、食の洋風化、簡便化に対処
し、ライスパン(特開平4-104754号)、米粉クレープ、米
粉ワッフル(特開昭61-12249号)、米氷菓(特開平4-14464
8号)、米アイスクリーム(特開平4-11845号)、耐水性成
形加工食品(特開昭61-37058号)、易発泡性食品原料(特
開昭62-294056号)などの開発の試みが為されている。
てしばしば問題となるのが、米が持つ独特の粘性、もち
性、付着性等の物性であり、使用用途によっては、この
物性のために目的とする食感の製品が得られなかった
り、また、多くの改質剤や煩雑な処理操作が必要とな
り、製造時の作業性を著しく損なうこととなる。多数の
米加工法の検討にもかかわらず、未だ、これら新しい食
品に適応する広範な適応範囲を持つ米を主成分とする原
料素材の開発の成功例はない。
特有の粘性、もち性、付着性を低減させた広範な適応範
囲を有する米を主成分とする食品素材を開発し、従来、
米を使用することが困難であった分野の食品へ応用し、
米の持つ淡白な味と栄養価を活かした新しいタイプの食
品の開発を行うことを目的とする。
を解決すべく、各種の試験研究を行った結果、米を加水
分解したアルファ化米(以下、α化米と記す)粒子に卵白
を混和したのち、卵白の凝固温度以上に加熱処理するこ
とにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
α化米粒子と、卵白又は卵白起泡物を混和した後、卵白
を加熱凝固させ、α化米粒子が会合することなく卵白起
泡中に分散し、その形態を保持した構造を有して、米特
有の粘性、もち性、付着性を低減したことを特徴とする
ペースト状の米加工食品原料である。
米加工食品原料に砂糖、果汁、香料、調味料の一種又は
二種以上を混合してなる餡様、果汁カード様、ポテトサ
ラダ様のペースト状米加工食品原料である。
添加してペースト状あるいはこれに近い形状の米加工食
品原料をシート状に整形、焼成してなる米加工食品原料
であるシート状食品はライスロールやライスペーパーと
して各種の調理済食材を包み込んで食に供することがで
きる。
の粘性、もち性、付着性を低減した多用途なペースト状
の米食品原料(以下、米ペーストと記す)であって、細
粉、分級処理したα化米粒子と卵白由来の固形分1ない
し10重量%、好ましくは2ないし5重量%の卵白および
/または、卵白起泡物を混和したのち、卵白を加熱凝固
させ、α化米粒子が会合することなく、卵白起泡中に分
散し、その形態を保持した構造を有することを特徴とす
る食品原料を提供するものである。
ジャポニカ種、インディカ種等いずれの品種の米であっ
ても良い。原料は生米又は予めα化した米を使用する。
上新粉等の生米では、卵白との混和後に長時間の加熱が
必要であったり、糊化膨潤が不十分となり、最終の米ペ
ーストにざらつきを生じることとなったり、粉臭が残存
することもあるが、加熱処理を十分することにより、α
化米の場合と同様に使用できる。
も、含水状態であっても米粒子のまま使用可能である
が、磨砕、粉砕、分級処理により、α化米粒子の粒子径
をそろえるとより好ましい。一般に、米の物理的性質を
決定するのは、その主成分である澱粉成分(アミロペク
チン、アミロース)とともに、米粉の粒径が食品の粘
性、熱的性質に大きく影響することが知られている(製
菓辞典p43〜46、朝倉書店発行)。例えば、白玉粉や上
新粉を用いた団子に見られるように、細粉の含量が多く
なれば団子は軟らかくなり、糊化温度が低くなり、粗粒
画分を多く含むものでは、団粒構造と呼ばれる澱粉が粒
形のまま残存する硬くて不良な製品となる。したがっ
て、本発明においても、用途によって、原料米の微粉化
は好ましく、このときの最適粒子径は、乾燥粉末米で71
0〜75μm、含水状態の米で900〜90μmの範囲にある。こ
のとき、75μm以下の小さい微粉は、逆に米ペーストの
粘度上昇、硬化をきたすことになるため除去する必要が
ある。しかし、通常の場合、乾燥粉末米で生米、α化米
を問わず、2000(0.2mm)〜10μmの範囲で広範囲に使用
できる。
て得られる卵白、濃縮卵白、乾燥卵白いずれを用いても
良い。
定の水分含量で混和するが、予め所定の含水率に調製し
たα化米粒子、卵白を混和しても良いし、生米粒子やα
化米粒子、卵白、水を同時に混和しても良く、特に順
序、撹拌混和装置の指定はない。ただし、卵白は予め泡
立て器等で起泡した卵白を用いるか、混和時に起泡すべ
く撹拌する。この時、ペクチン、キサンタンガム等の増
粘多糖を添加し、気泡の安定化を図っても良い。気泡を
含むことにより米ペーストの粘度が低下し、硬化を防ぐ
とともに、米ペーストを整形、焼成してなるシート状食
品(以下、米シートと記す)にさっくり感を付与する。卵
白の添加量は、卵白含量があまり多いと最終製品の風味
が損なわれるため、卵白由来の固形分で1ないし10重量
%、好ましくは、2ないし5重量%が良い。水分含量は
米ペーストを用いる最終商品の調製に適した水分%とな
るが、通常65〜80重量%の範囲に調整される。
し、構造の安定化を図るが、卵白が凝固する温度、すな
わち、通常75〜80℃以上の温度が良い。
℃、10分間加熱でα化米単独のものに比べ、ゲル強度は
対照品の35%まで減少し、軟らかくなり、100℃、25分
間加熱でも同様に70%まで減少し、粘度、付着性の低下
を認め、米特有の粘性、もち性、付着性を改良するもの
であった。更に、冷凍保存、加熱殺菌後の安定性も極め
て良好であった。検鏡の結果、α化米粒子の会合も少な
く、粒子構造を保持し、安定に分散していた。つまり、
凝固卵白がα化米粒子の会合を防ぎ、滑剤として働いた
ものと思われる。
ま、あるいは調味料等をこれに加えて餡様食品、果汁カ
ード様食品、ポテトサラダ様食品、あるいは米シートの
試作製造を行い、従来にはない全く新しいタイプの食品
原料を開発するに至った。
を施し糖度を60%以上に高めたもので、米粉を原料とす
る「ぎゅうひ」には見られない、餡独特の「きれ」を有する
ものであり、保存性も良好であり、菓子をはじめとする
餡の利用分野への利用が可能である。僅か10分程度の加
熱で製造できるのも特徴である。
糖、クエン酸などを添加し、加熱処理により調製される
が、各種の果汁を利用することができ、ジャム、フルー
ツソースとしての利用分野へも応用可能である。
等の具材、調味料を加えて調製されるが、マッシュポテ
ト様の食感を有するもので、調理、惣菜加工品として利
用可能である。
形、焼成してライスロール、ライスペーパーとしたもの
であり、クレープ生地様の形態を有する歯切れの良い食
品原料である。肉、野菜、ジャム等の各種の食材を巻い
て、そのまま食べることが可能であり、特に味が淡白な
米を原料とするため和風の食材にも適応されるのが特徴
である。食パン様の利用も期待できる。焼成後の組織を
検鏡により確認したところ、米粉のみでは全く認められ
ない、ポーラスで、粒状の構造を有するものであった。
安定性も良好であり、レトルト殺菌および凍結保存によ
るテクスチャーの変化も殆どなく、長期保存可能であ
る。
り、更に詳細に説明する。図1に米ペースト状食品原料
及びこれを用いた食品の製造工程図を示す。
し、2,142gの粳米飯を得た。これを70℃、一昼夜減圧
乾燥、粉砕、ふるい(1mmパス)処理し、826gの乾燥α
化米粉末を得た。このα化米粉末100gに対し、割卵分
離して得られる卵白100g、水150gをミキサーにてそれ
ぞれ混和し、湯煎にて80℃、10分間熱処理し、ペースト
状α化米の米ペーストを得た。更に、同様組成の混和物
について、蒸し器にて100℃、25分間それぞれ熱処理し
た。対照品としては、α化米粉末100gに水207gを加
え、水分量を70重量%に調製し、同様の加熱処理を行っ
た。その結果、対照品に比べ、卵白と卵白起泡物を添加
したものでは、熱処理の有無に拘わらず、明確な粘性、
もち性、付着性の減少を認めた。更に、これらを検鏡
(メチレンブルー染色)の結果、卵白および卵白起泡物
添加のものでは明確なα化米粒子の分散を認めたのに対
し、対照品での粒子界面は不鮮明であった。回転粘度計
による測定結果を表1に示す。粘性等の低下により、例
えば肉の串刺しを米ペーストの生地で覆いスティック状
にした後、串焼き機で焼成して、ライススティックに仕
上げることができる(図1)。
て粉砕したのち、ふるい目の開き1,000、710、425、30
0、150、75μmのふるいで分級し、それぞれの区分のα
化米粉末100gに対し、それぞれ卵白起泡物100g、水15
0gをミキサーにて混和したのち、80℃、10分間加熱処
理し、米ペーストを得た。これらについてレオメータに
てゼリー強度(ゲル強度)、軟らかさを測定するととも
に、検鏡による微視的構造の観察を行った。その結果、
実施例1と同様に、卵白無添加の対照品に比べ、卵白添
加のものは、ゲル強度の低下、軟らかさの増大があった
が、使用する原料α化米粉末の粒度によりゲルの硬さに
差が見られた。つまり、この場合、710〜75μmの範囲で
硬度が対照品に比べほぼ半減し、710μm以上、75μm以
下の粒径ではゲル強度の上昇があった。特に、75μm以
下の微粉においては、α化米粒子の構造が殆ど認められ
なかった。レオメーターによるゲル強度、軟らかさの測
定結果、検鏡結果を表2に示す。
糖を加え加熱処理し、糖度60度以上に調製した。配合
は、α化米粉末(710〜75μm)50g、卵白起泡物50g、水
50g、上白糖70gであり、熱湯湯煎により屈折糖度(B
x)63まで加熱濃縮した。加熱濃縮に要した時間は約10
分であった。得られた餡様食品は、白色で米の風味と餡
様の甘さを持ち、ぎゅうひにはない、餡独特の「きれ」を
有するものであった。室温放置による安定性も良好であ
った。
トに果汁、上白糖、クエン酸を加え、加熱処理し、糖度
60度以上に調製した。果汁にはブドウ果汁を用いた。配
合は、α化米粉末(710〜75μm)50g、卵白起泡物50g、
水50g、上白糖80g、ブドウ果汁50g、クエン酸1gで
あり、熱湯湯煎によりBx60まで濃縮した。その結果、
得られた果汁カード様食品は、ブドウの風味を有する餡
様のテクスチャーを有するものであった。安定性も良好
であった。
ストにマヨネーズ、ニンジン、キュウリ等の野菜、塩、
コショウ等の調味料を加え調製した。配合は、α化米粉
末(710〜75μm)50g、卵白起泡物50g、水40g、マヨネ
ーズ60g、ニンジン15g、キュウリ15g、塩・コショウ
1.7gであり、湯煎加熱を10分間行った。その結果、得
られたポテトサラダ様食品は、やや粘りのあるマッシュ
ポテトを思わせる食感であった。
(配合:α化米粉末100g、卵白起泡物100g、水150g)
を市販イカ焼機を使用し、一定量(30g〜50g)を圧延焼
成し得た。得られたシート状食品は30gの生地を焼く
と、直径11cm、厚さ2mmのものが得られ、歯切れ、成形
性も良好な米シートとなった。この米シートは、ライス
ペーパー、ライスクレープとして各種のジャム、肉、野
菜等の食材を巻いて食すことができ、ピザ生地にも利用
できる。米を原料とするため味が淡白で、手巻き寿司な
どの和風、洋風いずれの食材にもマッチするものであっ
た。また、安定性も良好であり、凍結保存によるテクス
チャーの変化は殆どなく、レトルト殺菌も可能であっ
た。
有の物性である粘性、もち性、付着性を低減、改良した
広範な用途を有する米を主成分とする食品原料であり、
従来、米を使用することが困難であった分野の食品へ利
用可能であり、米の持つ淡白な味と栄養価を生かした新
しいタイプの食品の開発を行うことができる。更に、主
体をなす原料も米と卵白のみであり、製造工程もいたっ
てシンプルであり、工業的生産にも十分対応できる。し
たがって、米を原料とする餡様食品、果汁カード様食
品、ポテトサラダ様食品、シート状食品など今までにな
い新しいタイプの食品の開発を可能ならしめ、米の利用
用途を大きく拡大するものである。
製造工程図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 生米粒子又はアルファ化米粒子と、卵白
又は卵白起泡物を混和した後、卵白を加熱凝固させ、ア
ルファ化米粒子が会合することなく卵白起泡中に分散
し、その形態を保持した構造を有して、米特有の粘性、
もち性、付着性を低減したことを特徴とするペースト状
の米加工食品原料。 - 【請求項2】 請求項1記載のペースト状米加工食品原
料に砂糖、果汁、香料、調味料の一種又は二種以上を混
合してなる餡様、果汁カード様、ポテトサラダ様のペー
スト状の米加工食品原料。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のペースト状の米加
工食品原料をシート状に整形、焼成してなる米加工食品
原料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29701295A JP3646944B2 (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | 米加工食品原料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP29701295A JP3646944B2 (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | 米加工食品原料の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09135668A true JPH09135668A (ja) | 1997-05-27 |
JP3646944B2 JP3646944B2 (ja) | 2005-05-11 |
Family
ID=17841110
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29701295A Expired - Fee Related JP3646944B2 (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | 米加工食品原料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3646944B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005087011A1 (ja) * | 2004-03-10 | 2005-09-22 | Kato, Sanae | うるち米を主原料とする加工食品を製造するためのプレミックス粉 |
JP2013165648A (ja) * | 2012-02-14 | 2013-08-29 | Nisshin Foods Kk | 焼き菓子用ミックス |
-
1995
- 1995-11-15 JP JP29701295A patent/JP3646944B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005087011A1 (ja) * | 2004-03-10 | 2005-09-22 | Kato, Sanae | うるち米を主原料とする加工食品を製造するためのプレミックス粉 |
JP2013165648A (ja) * | 2012-02-14 | 2013-08-29 | Nisshin Foods Kk | 焼き菓子用ミックス |
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---|---|
JP3646944B2 (ja) | 2005-05-11 |
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