JPH09132741A - インクジェット記録インク用希釈液およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録インク用希釈液およびインクジェット記録方法

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JPH09132741A
JPH09132741A JP28885195A JP28885195A JPH09132741A JP H09132741 A JPH09132741 A JP H09132741A JP 28885195 A JP28885195 A JP 28885195A JP 28885195 A JP28885195 A JP 28885195A JP H09132741 A JPH09132741 A JP H09132741A
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ink
diluent
water
diluting
resin
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JP28885195A
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Toshio Fukuda
敏生 福田
Masato Ando
真人 安藤
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Sony Corp
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリアジェット方式のインクジェット記録
において、画像の耐水性を向上しうる希釈液および記録
方法を提供する。 【解決手段】 希釈液を水不溶性樹脂のエマルジョンと
するか、あるいはアルコール系溶媒、アルコール系溶媒
と水との混合溶媒に可溶性の樹脂を含有するものとし、
この希釈液を用いてインクジェット記録をおこなう。 【効果】 画像形成された記録媒体上に樹脂被膜が形成
され、水が付着しても染料が溶出することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
インク用希釈液およびインクジェット記録方法に関し、
さらに詳しくは、インクと希釈液を所定の混合比で噴射
直前に混合して希釈インクとし、これをノズルから噴射
して記録媒体上に付着させるインクジェット記録インク
用希釈液およびインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オンデマンドタイプのインクジェット記
録プリンタは、制御信号に応じてインクの液滴をノズル
より噴射し、これを紙やフィルム等の記録媒体上に付着
させるプリンタであり、小型化や低コスト化の可能性を
有するため近年急速に普及しつつある。インクの液滴を
ノズルより噴射する方法には、ピエゾ素子の変位により
インクを加圧する方法と、発熱素子によりノズル中のイ
ンクを加熱気化し、発生する泡の圧力を利用する方法に
大別される。いずれの方法も原理的にインクの濃度を噴
射直前に変えることは出来ず、したがって記録媒体上で
ドット単位での中間調濃度の階調表現はできない。
【0003】一方、オフィスにおいてはデスクトップパ
ブリッシングと称されるコンピュータによる文書作成が
盛んとなり、文字や図形のみならず写真のようなカラー
の自然画像を文字や図形とともに印刷する要求が増加し
ている。パーソナルユースにおいても、年賀状やグリー
ティングカードではこのような需要が多い。高品位な自
然画像をプリントアウトするためには、中間調の表示に
よる階調表現が重要となる。
【0004】従来より、オンデマンドタイプのインクジ
ェット記録方法において疑似的に階調表現をおこなう方
法として、次の方法が提案されている。第1の方法は、
ピエゾ素子や発熱素子に印加する電圧やパルス幅を変調
させ、噴出する液滴サイズを制御し、印字ドットの径を
可変とし階調を表現するものである。第2の方法は、印
字ドット径は一定のままディザ法や誤差拡散法といった
画像処理により階調を表現する方法である。これに加え
て、輪郭部の強調処理やスムージング処理といった画像
処理技術を組み合わせる場合もある。
【0005】しかしながら、第1の方法は電圧やパルス
幅を下げ過ぎるとインクが噴出しなくなるため、最小液
滴径に限界があり、特に低濃度の階調表現には不向きで
ある。また第2の方法は、例えば1画素を4×4のマト
リクスで構成した場合には解像度が1/4に劣化して粗
さが目立ち易く、画像処理を厳密にすると回路の複雑化
や演算処理速度の低下、すなわちプリントアウト時間の
長時間化を招く。
【0006】上述した従来のオンデマンドタイプのイン
クジェット記録の問題点を原理的に解決する方法とし
て、本願出願人はインクと、透明溶媒である希釈液を所
定の混合比で噴射直前に混合して希釈インクとし、この
希釈インクを直ちにノズルから噴射して記録媒体上に付
着させるインクジェット記録方式(以下キャリアジェッ
ト方式と記す)を開発し、特開平5−201024号公
報に開示した。キャリアジェット方式によれば、噴出す
るインクの液滴毎にインクの濃度を制御し、記録媒体上
のドット毎に自在に階調を表現することが可能である。
したがって、解像度を劣化することなく中間階調が豊富
な自然画像をプリントアウトすることが可能となった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】キャリアジェット方式
においては、噴射直前にインクと希釈液を任意の混合比
で混合する方式であるため、インクや希釈液に対しての
材料、組成比および物性等の選択の自由度は飛躍的に増
大する。キャリアジェット方式に限らずインクジェット
記録方式のインクに用いられる染料は、水溶性の直接染
料あるいは酸性染料が主として用いられている。記録媒
体としては普通紙、専用紙の双方が使用可能であるが、
専用紙の場合には染料との親和性に優れた水溶性高分子
を含浸させるとともに、有機、無機の充填材料その他の
補助的材料を含有させてインク中の染料の浸透性を制御
することが一般的である。
【0008】したがって、直接染料の場合には、記録媒
体に移行後はこれら受容層とのファンデルワールス力や
水素結合等の相互作用力により受容層中に保持される。
また酸性染料の場合にはイオン間の結合力により受容層
中に保持されるが、一般的には分子量が小さく、水溶性
が大きい。このため画像形成後に記録媒体上に水が付着
すると染料が流れ出したり、あるいは耐光性すなわち光
照射による光退色性が不足する問題が生じる。この問題
は普通紙に画像形成する場合には一層顕在化する。
【0009】上述した問題点を改良するために、紫外線
吸収剤を含むポリエステル等の透明有機高分子フィルム
に接着剤層を設けたカバーフィルムを記録媒体に接着
し、耐水性や耐光性、耐擦過性を高める方法が提案され
ている。
【0010】しかしながら、カバーフィルムを使用する
場合には、画像形成後にフィルムを接着する工程が増加
する。またフィルムを皺にならないように接着するため
に、ラミネータ等の付帯装置が必要となり、プリンタ装
置の大型化や処理時間の増大を招く虞れが大きい。
【0011】本発明は、上述した従来技術の問題点を解
決し、キャリアジェット方式における画像の耐水性を向
上しうるインクジェット記録インク用希釈液およびイン
クジェット記録方法を提供することをその課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録インク用希釈液およびインクジェット記録方法は、
上述の課題を解決するために提案するものであり、イン
クと希釈液を、所定の混合比で噴射直前に混合して希釈
インクとし、この希釈インクをノズルから噴射して記録
媒体上に付着させるインクジェット記録インク用希釈液
およびインクジェット記録方法であって、この希釈液
は、水不溶性樹脂を少なくとも含有することを特徴とす
るものである。水不溶性樹脂は、エマルジョンとして含
有されていることが望ましい。水不溶性樹脂としてはウ
レタン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル
樹脂あるいは塩化ビニリデン樹脂等が例示される。この
場合、エマルジョンの溶媒は当然水を主体とするもので
あり、他に乳化剤や安定剤その他の添加剤が含まれてい
てもよい。
【0013】また本発明のインクジェット記録インク用
希釈液およびインクジェット記録方法は、インクと希釈
液を、所定の混合比で噴射直前に混合して希釈インクと
し、この希釈インクをノズルから噴射して記録媒体上に
付着させるインクジェット記録インク用希釈液およびイ
ンクジェット記録方法であって、この希釈液は、脂肪族
1価アルコール、多価アルコールおよび多価アルコール
誘導体から選ばれる少なくともいずれか1種の溶媒に可
溶性の樹脂を含有することを特徴とするものである。か
かる樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂等が例示される。
【0014】さらに本発明のインクジェット記録インク
用希釈液およびインクジェット記録方法は、インクと希
釈液を、所定の混合比で噴射直前に混合して希釈インク
とし、この希釈インクをノズルから噴射して記録媒体上
に付着させるインクジェット記録インク用希釈液および
インクジェット記録方法であって、この希釈液は、水単
独の溶媒には不溶であって、脂肪族1価アルコール、多
価アルコールおよび多価アルコール誘導体から選ばれる
少なくともいずれか1種の溶媒と、水との混合溶媒には
可溶性の樹脂を含有することを特徴とするものである。
かかる種類の樹脂としては、変成ポリビニルアセタール
樹脂、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート
サクシネート等のセルロース誘導体、エチレン−ビニル
アルコール共重合体等が例示される。
【0015】後者の希釈液の場合には、溶媒は当然脂肪
族1価アルコール、多価アルコールおよび多価アルコー
ル誘導体のうちの少なくとも1種を含むものであり、そ
の含有量は希釈液の全重量に対して1重量%以上である
ことが樹脂の溶解性の観点から望ましい。含有量の上限
は特に限定されないが、これら溶剤の合計が希釈液の残
部であってもよい。もちろん安定剤等の各種添加剤を含
んでいてもよい。
【0016】脂肪族1価アルコールとしては、メチルア
ルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級
アルコールが例示される。これら1価アルコールのうち
エチルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチ
ルアルコールは好ましく使用することができる。かかる
1価アルコールは、希釈液により希釈された希釈インク
の普通紙、専用紙等記録媒体への浸透性、ドット形成性
や、印刷された画像の乾燥性を向上する。
【0017】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリ
セロール等のアルキレングリコール類、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレ
ングリコール類、チオジグリコール等が例示される。多
価アルコール誘導体としては、エチレングリコールジメ
チルエーテル、セロソルブ、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル等、上述した多価アルコールの低級アル
キルエーテル類、エチレングリコールジアセテート等の
上述した多価アルコールの低級カルボン酸エステル等が
例示される。これら脂肪族多価アルコールおよびその誘
導体は、プリンタ装置のノズルの目詰まりを防止する
他、希釈液が水を含有する場合には氷点を降下させ、保
存性を向上する。
【0018】これら化合物および水のうちの少なくとも
1種に加え、モノ、ジ、トリエタノールアミン等のアル
コールアミン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド等のアミド類、アセトン、メチルエチルケトン
等のケトン類、ジオキサン等のエーテル類、各種界面活
性剤、消泡剤、pH調整剤、防黴剤等を任意に添加して
もよい。
【0019】本発明の希釈液をキャリアジェット方式の
インクジェット記録に採用した場合には、印字あるいは
画像形成された記録媒体上に構成成分の樹脂被膜が形成
される。したがって、印字あるいは画像形後に記録媒体
上に水が付着しても染料が流れることがない。
【0020】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例につき説明す
る。まず、本実施例において共通に用いたキャリアジェ
ット方式のプリント装置の主要部であるプリンタヘッド
の構造につき、図1ないし図2を参照して説明する。
【0021】図1はキャリアジェット方式のプリンタヘ
ッドの要部概略断面図である。このプリンタヘッドは、
オリフィスプレート1、インク容器2および希釈液容器
3の3部分から大略構成されている。まずオリフィスプ
レート1は、第1のプレート11、第2のプレート12
および第3のプレート13がこの順に積層されて構成さ
れている。
【0022】第1のプレート11には、インク供給口1
11および希釈液供給口112が開口されている。第3
のプレート13には、インク供給口111および希釈液
供給口112より供給されるインクおよび希釈液を混合
して得られる希釈インクを噴出するノズル131が、希
釈液供給口112を臨む位置に開口されている。なおノ
ズル131はインク供給口111を臨む位置に形成する
ことも可能である。第2のプレート12は第1プレート
11および第3のプレート13の間に挟まれ、ドライフ
ィルムレジスト等により構成され、インク流路121が
形成されている。このインク流路121は、インク供給
口111および希釈液供給口112に接続されるととも
に、ノズル131にも接続されている。
【0023】図2は上述したキャリアジェット方式のプ
リンタヘッドのオリフィスプレート1の概略平面図であ
り、第3のプレート13側より見たものである。同図に
見られるように、インク供給口111および希釈液供給
口112平面形状は円形の貫通口として第1のプレート
に形成されているが、必ずしも円形の必要はなく楕円形
や正方形、長方形等の形状であってもよい。
【0024】またノズル131は希釈液供給口112を
臨む位置の第3のプレートに、この希釈液供給口112
より大きな開口径の円形の貫通口として形成されてい
る。ノズル131はこのように希釈液供給口112より
大きな開口径を有することが望ましいが、希釈液供給口
112と同径あるいはこれより小径でもよく、その平面
形状も円形である必要はなく、楕円形や正方形、長方形
等の形状であってもよい。
【0025】インク流路121は、インク供給口111
よりノズル131に向けて、次第に幅が狭まるテーパ形
状に形成されている。しかしインク流路121はこの形
状にこだわることなくその幅は同一でもよく、拡幅する
逆テーパ形状であってもよい。インク流路121の先端
部は、ノズル131と略同一の形状に拡張されており、
ノズル131の1部をなしている。
【0026】つぎにオリフィスプレート1に接続される
インク容器2および希釈液容器3について再び図1を参
照して説明する。インク容器2および希釈液容器3は、
ほぼ同様の構造であるので一括して説明する。インク導
入口21および希釈液導入口31が空洞状のインク溜ま
り22および希釈液溜まり32に接続されている。これ
らインク溜まり22および希釈液溜まり32の他端部
は、オリフィスプレート1のうちの第1のプレート11
のインク供給口111および希釈液供給口112にそれ
ぞれ接続されている。インク容器2および希釈液容器3
の外壁面には、インク溜まり22および希釈液溜まり3
2に臨む位置にインク駆動部23および希釈液駆動部3
3が配設されている。インク駆動部23および希釈液駆
動部33は、バイモルフの圧電素子により形成される
が、他の駆動手段、例えば電磁変換素子や電歪素子等に
よるアクチュエータを採用してもよい。またインク駆動
部23および希釈液駆動部33は インク容器2および
希釈液容器3の壁面内に組込んでもよい。
【0027】つぎに上述したキャリアジェット方式のプ
リンタヘッドの動作につき、図3ないし図7に示すキャ
リアジェット方式のプリンタヘッドの動作を説明する概
略断面動作図を参照して説明する。なお図3ないし図7
の各構成部分は図1の構成部分と同一であり、共通の参
照符号を付すものとする。
【0028】図示しないインクカートリッジおよび希釈
液カートリッジ等からチューブ等を経由して輸送される
インクおよび希釈液は、インク導入口21および希釈液
導入口31からインク容器2および希釈液容器3に導入
され、インク溜まり22および希釈液溜まり32に充填
される。
【0029】インク溜まり22に充填されたインクは、
さらにインク供給口111よりインク流路121を充填
し、ノズル131に臨むインク流路121の先端部には
毛細管現象によりメニスカスMi が形成される。
【0030】一方希釈液溜まり32に充填された希釈液
は、さらに希釈液供給口112を充填し、ここに同じく
毛細管現象によりメニスカスMd が形成される。この状
態を図3に示す。
【0031】この状態から印字をおこなう場合には、ま
ずインク駆動部23にパルス電圧を供給しインク容器2
の壁面に応力を与え、インク溜まり22の内圧を高め
る。この結果インク流路121のインクはその先端部の
方向に移動し、メニスカスMiの先端は希釈液供給口1
12に到達し、ここにインク滴4を形成する。インク滴
4の体積は、インク駆動部23に印加するパルス電圧や
パルス幅、パルス回数等により制御される。この状態を
図4に示す。
【0032】インク駆動部23に印加するパルス電圧を
解除すると、メニスカスMi はインク流路121の先端
部に後退するとともに、希釈液供給口112にはインク
滴4が残される。この状態を図5に示す。なおインク滴
4は過渡的な状態を説明するために図示したものであ
り、インク滴4が独立して存在する時間は極く短時間で
ある。すなわち、インク滴4は希釈液供給口112にメ
ニスカスMd となって露出している希釈液と直ちに混合
しあい、希釈インク5となる。この状態を図6に示す。
希釈インク5中のインクの混合比、すなわちインクと希
釈液との比はインク滴4の体積、すなわち、インク駆動
部23に印加するパルス電圧やパルス幅、パルス回数等
により制御可能である。したがって、中間調の濃度表現
が可能な希釈液インクがこの段階で調製される。
【0033】つぎに希釈液容器3の希釈液駆動部33に
パルス電圧を与えると希釈液溜まり132の内圧が上昇
し、希釈液供給口112に形成された希釈インク5はノ
ズル131の方向に移動するとともにノズル131から
噴射される。噴射された希釈液インク5は、表面張力に
より球形の噴出インク6となって図示しない専用紙ある
いは普通紙等の記録媒体に付着する。一方希釈インク5
が噴出された後の希釈液供給口112には、新らしい希
釈液によるメニスカスMd が再度形成される。以上が1
サイクルの噴出動作であり、このサイクルを順次繰り返
して記録媒体上に画像等が形成される。なおカラー画像
の場合には、イェロー(以下Yと記す))、マゼンタ
(以下Mと記す)、シアン(以下Cと記す)およびブラ
ック(B)等に対応して、例えばプリンタヘッド4個を
1組とし、このプリンタヘッドアッセンブリをライン上
に多数個並列して画像を形成することは言うまでもな
い。
【0034】上述したキャリアジェット方式のプリンタ
ヘッドの構造および動作は一例であり、オリフィスプレ
ート、インク容器および希釈液容器の形状は各種変更が
可能である。例えば、インク供給口111に臨む位置に
ノズル131を開口し、インクに希釈液を混合して希釈
インクとし、この希釈インクを噴出させることも可能で
ある。また各種動作のタイミング等についても各種変更
が可能である。かかるキャリアジェット方式のプリンタ
ヘッドによれば、1ドット毎に中間調の表現が可能な、
正確な階調表現による自然画像のプリントアウトが可能
となるのである。
【0035】つぎに各種希釈液を調整し、各種希釈液と
インクをキャリアジェット方式のプリンタヘッドにより
噴出直前に混合して画像を形成した場合の耐水性評価を
おこなった。インクは市販のインクジェット記録装置用
Y、MおよびCの組み合わせを2組(インク試料1およ
びインク試料2)および下記の試作インクによるY、M
およびCの組み合わせを1組(インク試料3)を用い
た。 インク試料3 染料 3重量% Y : C.I.アシッドイエロー 23 M : C.I.アシッドレッド 52 C : C.I.アシッドブルー 9 ジエチレングリコール 14重量% イソプロピルアルコール 3重量% 水 80重量%
【0036】以下に各実施例の希釈液組成につき例示す
る。なお組成は重量%で示すものとする。
【0037】実施例1 ポリウレタンエマルジョン 100.0 (スーパーフレックス300 第一工業製薬(株)製)
【0038】実施例2 水 50.0 ポリスチレンエマルジョン 50.0 (Nipol LX410 日本ゼオン(株)製) 実施例1および2で用いたエマルジョンは、必要に応じ
て水で希釈してもよい。
【0039】実施例3 イソプロピルアルコール 48.5 エチレングリコール 48.5 ポリアミド樹脂 3.0 (バーサミド 725 (株)ヘンケン白水社製)
【0040】実施例4 イソプロピルアルコール 55.0 ジエチレングリコール 41.9 非イオン系界面活性剤エマルゲン985 0.1 (花王(株)製) ポリビニルブチラール樹脂 3.0 (#2000−L 電気化学工業(株)製)
【0041】実施例5 水 48.5 イソプロピルアルコール 48.5 変成ポリビニルアセタール樹脂 3.0 (エスレックDX−5 積水樹脂(株)製) 本実施例で採用した変成ポリビニルブチラール樹脂は、
水とアルコールの略等量の混合溶媒に溶解する性質を有
するものである。
【0042】比較例1 水 100.0
【0043】比較例2 イソプロピルアルコール 50.0 エチレングリコール 50.0 比較例2は、実施例3の希釈液から、ポリアミド樹脂を
除いたものである。
【0044】比較例3 イソプロピルアルコール 56.9 ジエチレングリコール 43.0 非イオン系界面活性剤エマルゲン985 0.1 (花王(株)製) 比較例3は、実施例4の希釈液から、ポリビニルブチラ
ール樹脂を除いたものである。
【0045】比較例4 水 55.0 イソプロピルアルコール 45.0 比較例4は、実施例5の希釈液から、変成ポリビニルア
セタール樹脂を除いたものである。
【0046】各実施例および比較例の希釈液により、上
述した各インク試料の各色(Y、MおよびC)を使用し
て、キャリアジェット方式プリンタヘッドにより各色の
画像形成をおこない、画像の耐水性評価をおこなった。
記録媒体としては、市販の普通紙を使用した。
【0047】耐水性評価の方法は、画像形成された各記
録媒体を画像形成面が水と接触するように蒸留水中に3
時間浸漬し、染料の滲みや溶出を目視で検査した。検査
基準は次の3段階とした。 ○ ・・・ 水中への染料の溶出がなく、画像の滲みも見られない。 △ ・・・ 水中への染料の溶出はないが、画像の滲みが観察される。 × ・・・ 水中への染料の溶出が生じている。 検査結果を〔表1〕にまとめて示す。
【0049】
【表1】
【0050】〔表1〕の結果は、○と×の2種に判然と
分類される。すなわち、希釈液中に樹脂を含むものは、
実施例1および2のエマルジョン型、実施例3ないし5
の溶剤溶解型のいずれのものであっても、耐水性は満足
すべき結果を示している。これに対し、希釈液中に樹脂
を含まない比較例1ないし4は、いずれも画像が溶出
し、原形をほとんど留めないものであった。
【0051】以上の結果から明らかなように、キャリア
ジェット方式のプリンタにおいて、希釈液が水不溶性樹
脂のエマルジョン、あるいは脂肪族1価アルコール、多
価アルコールおよび多価アルコール誘導体から選ばれる
少なくともいずれか1種の溶媒に可溶性の樹脂を含有す
る場合には、印字あるいは画像の耐水性が良好なものに
なることが確認された。
【0052】かかる効果を発揮する水不溶性樹脂のエマ
ルジョンとしては、実施例で例示したポリウレタン樹脂
エマルジョン、ポリスチレン樹脂エマルジョンの他にア
クリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン
あるいは塩化ビニリデン樹脂エマルジョン等を用いるこ
とができる。また脂肪族1価アルコール、多価アルコー
ルおよび多価アルコール誘導体から選ばれる少なくとも
いずれか1種の溶媒に可溶性の樹脂としては、実施例で
採り上げたポリアミド樹脂、ブチラール樹脂および変成
ブチラール樹脂の他に例えば、5酢酸セルロース等を任
意に用いることができる。
【0053】上述した各実施例は、ピエゾ素子駆動のキ
ャリアジェット方式インクジェットプリンタについて例
示したものであるが、発熱素子によりインクを加熱気化
して噴出する方式のキャリアジェット方式インクジェッ
トプリンタの希釈液に適用できることは言うまでもな
い。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のインクジェット記録インク用希釈液およびインクジェ
ット記録方法によれば、キャリアジェット方式における
希釈液を水不溶性樹脂のエマルジョンとするか、または
脂肪族1価アルコール、多価アルコールおよび多価アル
コール誘導体から選ばれる少なくともいずれか1種の溶
媒に可溶性の樹脂を含有するものとすることにより、記
録媒体上に形成された印字あるい画像の耐水性を高める
ことができる。これにより、1ドット毎に中間調の階調
表現を極めて安定になしうるとともに、印字あるい画像
の耐光保存性、信頼性に優れたキャリアジェット方式の
インク用希釈液およびインクジェット記録方法を提供す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャリアジェット方式のプリンタヘッドの要部
概略断面図である。
【図2】キャリアジェット方式のプリンタヘッドのオリ
フィスプレートの概略平面図である。
【図3】キャリアジェット方式のプリンタヘッドの動作
を説明するための概略断面図であり、インクおよび希釈
液を充填しメニスカスMi およびメニスカスMd が形成
された状態である。
【図4】キャリアジェット方式のプリンタヘッドの動作
を説明するための概略断面図であり、インク駆動部を駆
動してインク滴が形成された状態である。
【図5】キャリアジェット方式のプリンタヘッドの動作
を説明するための概略断面図であり、インク駆動部の駆
動を解除し、希釈液供給口にインク滴が残された状態で
ある。
【図6】キャリアジェット方式のプリンタヘッドの動作
を説明するための概略断面図であり、希釈液供給口に希
釈インクが形成された状態である。
【図7】キャリアジェット方式のプリンタヘッドの動作
を説明するための概略断面図であり、希釈液駆動部を駆
動して噴出インクが形成された状態である。
【符号の説明】
1 オリフィスプレート 111 インク供給口 112 希釈液供給口 121 インク流路 131 ノズル 2 インク容器 21 インク導入口 22 インク溜まり 23 インク駆動部 3 希釈液容器 31 希釈液導入口 32 希釈液溜まり 33 希釈液駆動部 4 インク滴 5 希釈液インク 6 噴出インク Mi インクのメニスカス Md 希釈液のメニスカス

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクと希釈液を、所定の混合比で噴射
    直前に混合して希釈インクとし、前記希釈インクをノズ
    ルから噴射して記録媒体上に付着させるインクジェット
    記録インク用希釈液であって、 前記希釈液は、 水不溶性樹脂を少なくとも含有することを特徴とする、
    インクジェット記録インク用希釈液。
  2. 【請求項2】 水不溶性樹脂は、エマルジョンとして含
    有されていることを特徴とする、請求項1記載のインク
    ジェット記録用希釈液。
  3. 【請求項3】 インクと希釈液を、所定の混合比で噴射
    直前に混合して希釈インクとし、前記希釈インクをノズ
    ルから噴射して記録媒体上に付着させるインクジェット
    記録インク用希釈液であって、 前記希釈液は、 水不溶性であるとともに、 脂肪族1価アルコール、多価アルコールおよび多価アル
    コール誘導体から選ばれる少なくともいずれか1種の溶
    媒に可溶性の樹脂を含有することを特徴とする、インク
    ジェット記録インク用希釈液。
  4. 【請求項4】 インクと希釈液を、所定の混合比で噴射
    直前に混合して希釈インクとし、前記希釈インクをノズ
    ルから噴射して記録媒体上に付着させるインクジェット
    記録インク用希釈液であって、 前記希釈液は、 水不溶性であるとともに、 脂肪族1価アルコール、多価アルコールおよび多価アル
    コール誘導体から選ばれる少なくともいずれか1種の溶
    媒と、水との混合溶媒に可溶性の樹脂を含有することを
    特徴とする、インクジェット記録インク用希釈液。
  5. 【請求項5】 脂肪族1価アルコール、多価アルコー
    ル、多価アルコール誘導体および水から選ばれる少なく
    ともいずれか1種の溶媒を含むことを特徴とする、請求
    項1、3または4いずれか1項記載のインクジェット記
    録用希釈液。
  6. 【請求項6】 脂肪族1価アルコール、多価アルコール
    および多価アルコールの含有量は、希釈液に対して1重
    量%以上であることを特徴とする、請求項5記載のイン
    クジェット記録用希釈液。
  7. 【請求項7】 インクと希釈液を、所定の混合比で噴射
    直前に混合して希釈インクとし、前記希釈インクをノズ
    ルから噴射して記録媒体上に付着させるインクジェット
    記録方法であって、 前記希釈液は、 水不溶性樹脂を少なくとも含有することを特徴とする、
    インクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 水不溶性樹脂は、エマルジョンとして含
    有されていることを特徴とする、請求項7記載のインク
    ジェット記録方法。
  9. 【請求項9】 インクと希釈液を、所定の混合比で噴射
    直前に混合して希釈インクとし、前記希釈インクをノズ
    ルから噴射して記録媒体上に付着させるインクジェット
    記録方法であって、 前記希釈液は、 水不溶性であるとともに、 脂肪族1価アルコール、多価アルコールおよび多価アル
    コール誘導体から選ばれる少なくともいずれか1種の溶
    媒に可溶性の樹脂を含有することを特徴とする、インク
    ジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 インクと希釈液を、所定の混合比で噴
    射直前に混合して希釈インクとし、前記希釈インクをノ
    ズルから噴射して記録媒体上に付着させるインクジェッ
    ト記録インク方法であって、 前記希釈液は、 水不溶性であるとともに、 脂肪族1価アルコール、多価アルコールおよび多価アル
    コール誘導体から選ばれる少なくともいずれか1種の溶
    媒と、水との混合溶媒に可溶性の樹脂を含有することを
    特徴とする、インクジェット記録方法。
  11. 【請求項11】 脂肪族1価アルコール、多価アルコー
    ル、多価アルコール誘導体および水から選ばれる少なく
    ともいずれか1種の溶媒を含むことを特徴とする、請求
    項7、9または10いずれか1項記載のインクジェット
    記録方法。
  12. 【請求項12】 脂肪族1価アルコール、多価アルコー
    ルおよび多価アルコールの含有量は、希釈液に対して1
    重量%以上であることを特徴とする、請求項11記載の
    インクジェット記録方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10203004A (ja) * 1997-01-22 1998-08-04 Sony Corp 記録方法
JP2020196862A (ja) * 2019-05-30 2020-12-10 株式会社リコー インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置

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